JP5527238B2 - 金属板材の厚板圧延機 - Google Patents
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Description
しかしながら、例えば、厚板圧延機のように、板厚の大きい製品を多パスのリバース圧延で製造する圧延機では、上下作業ロール間の間隙、すなわちロール開度を圧延素材の板厚よりも大きくとる必要があり、この前提の下に、利用できる板クラウン・形状制御装置には、圧延機設備設計上の制約が課せられる。
特許文献2は、ロールクロス方式の圧延機に関するものであるが、この圧延機にも、図6に示すように、インクリースベンディング装置6−3、6−4が作業ロールチョック3−1、3−2に組み込まれている。
特許文献3にも、作業ロールシフト機能を有する圧延機が開示されているが、この圧延機では、図7に示すように、インクリースベンディング装置6−1〜6−4が、圧延機ハウジングと一体のプロジェクトブロック5−1、5−2に組み込まれている。なお、特許文献3に開示されている圧延機では、インクリースベンディング装置の油圧シリンダーがロール軸方向に複数個配備され、作業ロールシフト時に、偏加重がかからないように工夫されている。
これは、薄板圧延に比較して、相対的に大径の作業ロールを使用するため、同じベンディング力を付与してもロールクラウン形状の変化が小さいこと、さらには、薄板圧延機に比較して、相対的に大径の作業ロールチョック周辺の狭隘な部分に小さなディクリースベンディング装置を設置しても、制御範囲が狭く、機械構造を複雑化するだけでコストパフォーマンス的に不利であること等に起因する。
しかし、本発明に係る圧延機は、極厚板から熱延薄板に至る広範な厚さの鋼板に対応できる厚板圧延機にするため、図8に示すような薄板圧延機と同様のディクリースベンディング装置7−1〜7−4を具備させることを前提としている。
本発明の解決すべき課題は、上下作業ロール間の最大開度を大きくとることができるとともに、強力なロールベンディング力を付与することのできる厚板圧延機を提供することである。
(1)上下一対の作業ロールと、これらをそれぞれ支持する上下一対の補強ロールを有する板幅2500mm以上の金属板材を圧延することができる厚板圧延機であって、上補強ロールチョックから延出するアーム部が、上作業ロールチョックを抱え込む形式であって、上作業ロールにインクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーを該上補強ロールチョックから延出するアーム部に配備し、下作業ロールにインクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーを、圧延機ハウジングの内側に突出したプロジェクトブロックに配備するとともに、上作業ロールにディクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーを上補強ロールチョック内に配備することを特徴とする厚板圧延機。
図1は、本発明に係る厚板圧延機の構造の一例を示す側面図である。当該図面に示すように、本発明に係る厚板圧延機は、上下一対の作業ロール1−1、1−2と、これらをそれぞれ支持する上下一対の補強ロール2−1、2−2を備えた厚板圧延機である。
このタイプの圧延機では、上補強ロールチョック4−1が上作業ロールチョック3−1を抱え込んでいるので、上補強ロール2−1の引き上げに伴って、上作業ロール1−1も連れ上がり、大きなロール開度をとることができる。
このような構造にすれば、圧延機の圧下装置11を操作してロール開度を大きくしても、上作業ロールチョック3−1が、上補強ロールチョックのアーム部を介してハウジングウィンドウと接触する面の面積は一切変化しない。したがって、上作業ロールチョック3−1の姿勢は、ロール開度にかかわらず常に安定して保持されることになる。
次に、この構造によれば、もう一つの解決課題である強力なロールベンディング力の付与についても容易に達成することができることを説明する。
図2に概念図を示すように、被圧延材の板幅が2500mm以下の素材を主として対象とする熱延用等の薄板圧延機に対して、被圧延材の板幅が2500mmを超えることもある厚板圧延機は、ロール胴長が相対的に長く、同一幅の被圧延材に対して同じクラウン制御量を付与するために、同じ作業ロール−被圧延材間の面圧Pwm分布を与えるようにインクリースベンディング力を負荷した場合、ロール胴長が相対的に短い熱延用の薄板圧延機と比較して、大きなロール撓みを必要とし、作業ロール−補強ロール間の面圧Pwb(作業ロール曲げに対する抵抗)分布が大となって、インクリースベンディング力による板クラウン・形状制御上不利になってしまう。
その結果、板クラウン・形状制御が問題となる熱延薄板の圧延においても、作業ロールと補強ロール間のエッジマークの発生等を抑制しながら、良好な板クラウン・形状制御能力を獲得している。
1−2 下作業ロール
2−1 上補強ロール
2−2 下補強ロール
3−1 上作業ロールチョック
3−2 下作業ロールチョック
4−1 上補強ロール
4−2 下補強ロール
5−1 入側プロジェクトブロック
5−2 出側プロジェクトブロック
6−1 入側上インクリースベンディング装置
6−2 出側上インクリースベンディング装置
6−3 入側下インクリースベンディング装置
6−4 出側下インクリースベンディング装置
7−1 入側上ディクリースベンディング装置
7−2 出側上ディクリースベンディング装置
7−3 入側下ディクリースベンディング装置
7−4 出側下ディクリースベンディング装置
8−1 入側補強ロールバランス装置
8−2 出側補強ロールバランス装置
9 ハウジング
10 被圧延材
11 圧下装置
12 ハウジングウィンドウ
Claims (4)
- 上下一対の作業ロールと、これらをそれぞれ支持する上下一対の補強ロールを有する板幅2500mm以上の金属板材を圧延することができる厚板圧延機であって、上補強ロールチョックから延出するアーム部が、上作業ロールチョックを抱え込む形式であって、上作業ロールにインクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーを該上補強ロールチョックから延出するアーム部に配備し、下作業ロールにインクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーを、圧延機ハウジングの内側に突出したプロジェクトブロックに配備するとともに、上作業ロールにディクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーを上補強ロールチョック内に配備することを特徴とする厚板圧延機。
- 下作業ロールにインクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーが、上作業ロールにインクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーよりも、強力・大容量であることを特徴とする請求項1に記載の厚板圧延機。
- さらに、下補強ロールチョックに、下作業ロールにディクリースベンディング力を負荷する油圧シリンダーを配備することを特徴とする請求項1または2に記載された金属板材の厚板圧延機。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載された厚板圧延機において、作業ロール又は補強ロールにイニシャルボディクラウン(凸型)を付与しておき、ロールベンディングによる制御範囲をインクリースベンディング側にずらしておくことを特徴とする金属板材の厚板圧延機。
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