JP5526700B2 - ポリマレイミド系組成物 - Google Patents

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本発明は、繊維強化複合材料用途の樹脂組成物として有用なポリマレイミド系組成物に係り、特に重合促進剤の必要量が少なくて足り、材料コストの低減、得られる硬化物の耐熱性の向上、硬化時の揮発成分低減に有効なポリマレイミド系組成物に関する。
本発明はまた、このようなポリマレイミド系組成物の製造方法および保存方法と、このポリマレイミド系組成物を用いた繊維強化プリプレグと、このポリマレイミド系組成物および繊維強化プリプレグを硬化させてなる硬化物に関する。
繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂と、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維やアラミド繊維などの強化繊維とから成り、一般に軽量かつ高強度の特徴を有する。このような繊維強化複合材料は、旅客機の機体や翼などの航空宇宙材料、ロボットハンドアームに代表される工作機械部材や、建築・土木補修材としての用途、さらにはゴルフシャフトやテニスラケットなどのレジャー用品用途などに幅広く用いられている。
特に近年は、炭素繊維強化複合材料(以下「CFRP」と称する)が工作機械部材として利用され、液晶ディスプレー製造時のガラス搬送ロボットのハンドとして、従来のアルミ製ハンドに代わり用いられるようになった。しかして、液晶ディスプレーの大型化と高性能化による処理温度の上昇のために、この液晶ガラス搬送用のロボットハンドには、室温から約200℃までの温度範囲で剛性を保ち、かつ耐熱性が十分高いこと、すなわち長期の高温条件下での使用においても減肉が少なく、剛性などの物性低下が少ないことが要求されている。
CFRPは通常、炭素繊維を一方向またはクロス編みしたシートにマトリックス樹脂を含浸させてプリプレグとした後、形状を付与しながら加熱硬化させて成型することにより製造される。マトリックス樹脂としては、従来、エポキシ系樹脂が広く使用されているが、エポキシ系樹脂は、耐熱性が低く液晶ガラス搬送用のロボットハンド用途には不適である。
耐熱性が高く、200℃以上の使用環境にも耐えうるマトリックス樹脂としては、マレイミド樹脂が広く知られている。マレイミド樹脂の主剤としては、ビスマレイミド化合物が使用されているが、このものだけでは硬化性が悪く、かつ成型品が脆くなるため、これを改善するために各種変性剤が開発されている。
例えば、ケルイミド樹脂(仏ローヌ・プーラン社)は常温で固体の4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドをメチレンジアニリンのような芳香族ジアミンで変性し、マレイミド基の重合による架橋の密度を低下させて剛性化している。しかし、ケルイミド樹脂は一般に固形であるため、炭素繊維シートに含浸する際には溶剤を使用する必要があり、用いた溶剤の除去が難しく、最終的にCFRPを加熱硬化させる際に残留溶剤の影響によりボイドが発生するため、CFRPの品質上好ましくない。
マレイミド樹脂をアリル化合物で変性する方法も公知である。例えば、マトリミド樹脂(チバガイギー社)は、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドを常温で液状であるo,o’−ジアリルビスフェノールAと加熱溶融混合して得られる樹脂であり、無溶剤で炭素繊維シートに含浸させることが可能である。しかし、得られるプリプレグの保存安定性が悪く、室温で徐々にマレイミド成分が析出し、プリプレグに必要なタック性やドレープ性が失われるという問題がある。
この問題を解決するために、コンピミド353樹脂(またはH353樹脂、独テクノヘミー社)が提案されている(非特許文献1参照)。これは、用いるビスマレイミド化合物として、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドと4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミドの共融混合物に対して、さらに1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンを10〜15%添加することによりマレイミド成分の析出固化を防止したものである。この樹脂に対してo,o’−ジアリルビスフェノールAを配合してCFRPの製造に適したマトリックス樹脂とすることができる。
しかし、本樹脂を用いて成型したCFRPは脆く、成型品にはクラックが多く観察される。さらに長期高温下に置いたときの重量減少が大きいため、分解物によるガラス基板の汚染が大きいことから、液晶ガラス搬送用CFRPロボットハンドとしての信頼性を含めた製品品質に問題がある。
このような問題を解決し、液晶ガラス搬送用CFRPロボットハンド等に好適な耐熱性を有するマトリックス樹脂において、無溶剤含浸性、プリプレグのタック性、ドレープ性、保存安定性を損なわずに、CFRPのクラックが低減され、かつ長期高温下に置いたときの重量減少が少ない、即ち耐熱性がより向上されたマトリックス樹脂を提供するべく、本出願人は、先に、ビスマレイミド化合物として特定の芳香族ビスマレイミド化合物と脂肪族ビスマレイミド化合物とを併用したビスマレイミド系組成物を提案した(特許文献1(以下、「先願」という。))。
先願のビスマレイミド系組成物であれば、特定の芳香族ビスマレイミド化合物と脂肪族ビスマレイミド化合物を併用することにより、特に、1分子中に芳香環を3個以上含む芳香族ビスマレイミド化合物を配合することにより、無溶剤であっても適度な粘度を有し、従って含浸性に優れ、また、プリプレグとしたときのタック性、ドレープ性、および保存安定性に優れる上に、成型品のクラックも低減された高耐熱性のマレイミド樹脂が提供される。
ビスマレイミド系組成物は、一般に、ビスマレイミド化合物と、芳香族液状反応性希釈剤と、重合促進剤と、更に必要に応じて用いられるカップリング剤、離型剤、難燃性付与剤等のその他の成分を所定の割合で混合して調製され、このうち、重合促進剤としては、各種のイミダゾール類や有機過酸化物が用いられている。
例えば、特許文献2には、イミダゾール系重合促進剤として、各種のイミダゾール類が列挙されており、そのうち、イミダゾール環の2位の置換基がメチル基のものや、4位に置換基を有さないものの例示もあるが、イミダゾール系重合促進剤として従来最も一般的に用いられているものは、2−エチル−4−メチルイミダゾールである。
なお、ビスマレイミド系組成物の重合促進剤の触媒活性の評価方法として、ビスマレイミド系組成物のゲル化温度を所定の範囲とするために必要な重合促進剤の必要量で評価する方法があり、例えば、従来一般的に用いられている2−エチル−4−メチルイミダゾールを用いてビスマレイミド系組成物のゲル化温度を170℃近辺に調整する場合、2−エチル−4−メチルイミダゾールの必要量は、後述の比較例1,2に示されるように、ビスマレイミド系組成物中のビスマレイミド化合物と芳香族液状反応性希釈剤との合計100重量部に対して1〜2重量部である。
特願2009−032764 特開平11−246840号公報
Technical Papers−Society of Plastics Enginners、第20巻、88頁(1974年)
しかし、重合促進剤に用いられるイミダゾール類は、ビスマレイミド系組成物の他の配合成分に比べて比較的高価なものであることから、触媒活性(重合促進効果)が高く、少量配合でビスマレイミド系組成物のゲル化温度を適当な温度に低下させることができるイミダゾール系重合促進剤を用いることにより、イミダゾール系重合促進剤の必要量を低減してビスマレイミド系組成物の原材料コストを低減すること、ひいては製品コストを低減することが望まれる。
また、重合促進剤の多量配合は、得られる硬化物の耐熱性を低下させる原因ともなるため、この点においても、重合促進剤の使用量を低減することが望まれる。
さらに、重合促進剤の多量配合は、熱硬化時に揮発する重合促進剤量を増大させることになり、設備保護の観点から重合促進剤の低減が望まれる。
しかし、従来、ポリマレイミド系組成物の重合に用いられるイミダゾール系重合促進剤について、その構造と触媒活性との関係について、或いは、イミダゾール系重合促進剤として重合活性の高いものを用い、その配合量を低減するための検討はなされていないのが現状である。
本発明は、触媒活性が著しく高いイミダゾール系重合促進剤を用い、その配合量を従来に比べて大幅に低減し得るポリマレイミド系組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、重合促進剤であるイミダゾール類の構造に着目して鋭意検討した結果、イミダゾール環の2位と4位の炭素原子に結合する基を制限したイミダゾール類が、触媒活性に優れ、少量配合で高い重合促進効果を示すことを見出した。
本発明は、このような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 下記の(A)〜(C)成分を含有するポリマレイミド系組成物であって、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が30重量部以上80重量部以下であり、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対する(C)成分の含有量が0.001重量部以上1重量部以下であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
(A);ポリマレイミド化合物
(B);下記式(5)または(6)で表されるベンゼン系化合物の1種または2種以上である芳香族液状反応性希釈剤
(C);下記式(X)で表されるイミダゾール類
Figure 0005526700
(式(X)中、R(2)およびR(4)は、それぞれ独立に、メチル基または水素原子である。
R(1)は、置換基を有していてもよい炭素数12以下の鎖状アルキル基、または炭素数12以下のアルケニル基であり、R(5)は、水素原子、ヒドロキシ基、或いは、置換基を有していてもよい炭素数12以下の鎖状アルキル基、炭素数12以下のアルケニル基、炭素数12以下の環状アルキル基、炭素数12以下の芳香族基、炭素数12以下の複素環基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素数12以下のアシルオキシ基、または炭素数12以下のアシル基を表す。)
Figure 0005526700
(式(5)中、R11は、単結合、CH、O、S、SO、またはC(CHを表し、R12はアリル基またはメタリル基を表す。)
Figure 0005526700
(式(6)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、かつR 13 およびR 14 の少なくとも1つはアルケニル基又はアルキレン基であり、15およびR16は、それぞれ独立に、単結合、CH、O、C=O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R17、R18およびR19は、それぞれ独立にヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、mは0以上5以下の整数を表し、a、bおよびcはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
] []において、式(X)中のR(1)とR(2)とR(4)の合計の炭素数が0以上8以下であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
] []において、式(X)中のR(1)とR(2)とR(4)の合計の炭素数が4、5または6であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
] [1]ないし[]のいずれかにおいて、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対する(C)成分の含有量が0.005重量部以上0.5重量部以下であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
] [1]ないし[]のいずれかにおいて、(A)成分が下記式(1)〜(4)のいずれかで表されるビスマレイミド化合物の1種または2種以上であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
Figure 0005526700
(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、nは1以上5以下の整数を表し、x、yおよびzはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
Figure 0005526700
(式(2)中、Rは、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、pおよびqはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
Figure 0005526700
(式(3)中、R10は、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、rは0以上4以下の整数を表す。)
Figure 0005526700
(式(4)中、Qは1以上の置換基で置換されていてもよい炭化水素基で主に構成され、芳香環を含まない2価の連結基を表す。)
] (C)成分を(B)成分の一部に溶解した溶液を、(A)成分と(B)成分の残部との混合物に添加することを特徴とする[1]ないし[]のいずれかに記載のポリマレイミド系組成物の製造方法。
] (A)成分と(B)成分を50℃以上150℃以下の温度で混合することを特徴とする[]に記載のポリマレイミド系組成物の製造方法。
] (A)成分と(B)成分の混合物と、(C)成分を(B)成分に溶解した溶液とを30℃以上120℃以下の温度で混合することを特徴とする[]または[]に記載のポリマレイミド系組成物の製造方法。
] [1]ないし[]のいずれかに記載のポリマレイミド系組成物を40℃以下で保存することを特徴とするポリマレイミド系組成物の保存方法。
10] [1]ないし[]のいずれかに記載のポリマレイミド系組成物を含む繊維強化プリプレグ。
11] [1]ないし[]のいずれかに記載のポリマレイミド系組成物を硬化させてなる硬化物。
12] [10]に記載の繊維強化プリプレグを硬化させてなる硬化物。
本発明によれば、少ないイミダゾール系重合促進剤の配合で十分な重合促進効果を得ることができるため、ポリマレイミド系組成物およびこれを用いたCFRP等の各種製品のコスト低減を図ると共に、耐熱性を高め、さらに熱硬化時の重合促進剤由来の揮発成分の低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ポリマレイミド系組成物]
本発明のポリマレイミド系組成物は、下記の(A)〜(C)成分を含有するポリマレイミド系組成物であって、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対する(C)成分の含有量が0.001重量部以上1重量部以下であることを特徴とする。
(A);ポリマレイミド化合物
(B);芳香族液状反応性希釈剤
(C);下記式(X)で表されるイミダゾール類
Figure 0005526700
(式(X)中、R(2)およびR(4)は、それぞれ独立に、メチル基または水素原子である。
R(1)は、置換基を有していてもよい炭素数12以下の鎖状アルキル基、または炭素数12以下のアルケニル基であり、R(5)は、水素原子、ヒドロキシ基、或いは、置換基を有していてもよい炭素数12以下の鎖状アルキル基、炭素数12以下のアルケニル基、炭素数12以下の環状アルキル基、炭素数12以下の芳香族基、炭素数12以下の複素環基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素数12以下のアシルオキシ基、または炭素数12以下のアシル基を表す。
<(C)成分>
まず、本発明のポリマレイミド系組成物に特徴的な上記式(X)で表されるイミダゾール類について説明する。
このイミダゾール類は、重合促進剤として機能するものであり、イミダゾール環の2位の炭素原子にメチル基または水素原子が結合し、4位の炭素原子にメチル基または水素原子が結合していることにより、高い触媒活性を示す。
即ち、本発明者は、イミダゾール類の触媒活性について検討を重ね、イミダゾール類が触媒活性を示す重合活性点は、イミダゾール環の3位の窒素原子であると推定し、この3位の窒素原子が高い重合活性を発揮するためには、3位の窒素原子の周囲に重合開始点としての空間を確保することが必要であること、そのためには、3位の窒素原子の両隣の2位の炭素原子と4位の炭素原子には、嵩高い置換基が存在しないことが有利であるとの推考に基いて、様々な置換基を有するイミダゾール類について、その重合活性と置換基の嵩高さなどとの関係を調べた結果、2位および4位の炭素原子に結合する基は、炭素数1以下の基、即ち、メチル基または水素原子であることが必要であることを見出した。
従って、本発明で用いる(C)成分のイミダゾール類は、前記式(X)において、R(2)がメチル基または水素原子で、R(4)がメチル基または水素原子である。特に、R(4)については水素原子であることが好ましい。
式(X)において、R(1)、R(5)は、それぞれ独立に、水素原子または任意の置換基である。ここで、任意の置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、或いは、更に置換基を有していてもよい以下の基、即ち、
炭素数12以下のアルキル基(直鎖状であっても分岐鎖状であっても環状であってもよい。)、
炭素数12以下のアルケニル基(直鎖状であっても分岐鎖状であっても環状であってもよい。)、
炭素数12以下の芳香族基、
炭素数12以下の複素環基、
炭素数12以下のアルコキシ基、
炭素数12以下のアシルオキシ基、
炭素数12以下のアシル基
が挙げられる(なお、ここで、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、複素環基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基が置換基を有する場合、上記の炭素数は、いずれもその置換基を含めた全体の炭素数をさす。)。
ただし、重合促進剤としてのイミダゾール類には、触媒活性だけでなく、反応系への溶解性が要求され、反応系への溶解性、その他の観点から、R(1)、R(5)には、以下のように、好適な置換基が存在する。
即ち、イミダゾール環の1位が無置換であると、1位の水素を介した水素結合により、溶剤に対する溶解性が悪くなる。また、置換基が過度に低分子量であると、化合物全体の分子量が小さくなり、低沸点化合物となる結果、高温の反応系における揮発による損失が大きくなる。このような観点から、イミダゾール環には、ある程度以上の置換基が結合して化合物としての不規則性を高めると共に、分子量を高めることも必要となるが、本発明に係るイミダゾール類は、R(2)、R(4)がメチル基または水素原子であるため、R(1)およびR(5)は、ある程度以上の分子量のある置換基であることが望まれる場合もある。
また、上述の如く、イミダゾール類の活性点は、3位の窒素原子であるが、イミダゾール環の結合に寄与しないフリーな電子対が重合活性に関与していると考えられる。このような観点において、イミダゾール環内部の電子密度が低いと、孤立電子対の電子供与性が上がらず、この部分での重合活性が得られ難くなる。
これに対して、イミダゾール環の1位の窒素原子に、アルキル基等の電子供与性の置換基が結合していると、イミダゾール環に電子を押し出してイミダゾール環内部の電子密度を高めることができることから、1位の窒素原子に結合する置換基のR(1)は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基等の置換基を有していてもよい直鎖または分岐アルキル基、ビニル基等のアルケニル基等の電子供与性の置換基が好ましい。
また、溶解性、沸点、重合活性等の観点から、式(X)中のR(1)とR(2)とR(4)の合計の炭素数については、0以上8以下、特に、4、5または6であることが好ましい。より具体的には、R(1)は、炭素数1〜6、好ましくは3〜6の、フェニル基等の置換基を有していてもよい直鎖または分岐アルキル基、アルケニル基、置換基を有していてもよいアシル基等が挙げられる。
また、R(5)としては、水素原子、炭素数1〜6、好ましくは3〜6の直鎖または分岐アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられ、好ましくは市販品の入手の容易さより水素原子である。
(C)成分のイミダゾール類としては、具体的には、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−メチル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールが挙げられ、中でも1−イソブチル−2−メチルイミダゾールが好ましく用いられる。
これらのイミダゾール類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<(A)成分>
(A)成分のポリマレイミド化合物としては、特に制限はなく、芳香族ポリマレイミド化合物であってもよく、脂肪族ポリマレイミド化合物であってもよい。
ポリマレイミド化合物としては好ましくは、下記式(1)〜(4)のいずれかで表されるビスマレイミド化合物が挙げられる。
Figure 0005526700
(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、nは1以上5以下の整数を表し、x、yおよびzはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
Figure 0005526700
(式(2)中、Rは、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、pおよびqはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
Figure 0005526700
(式(3)中、R10は、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、rは0以上4以下の整数を表す。)
Figure 0005526700
(式(4)中、Qは1以上の置換基で置換されていてもよい炭化水素基で主に構成され、芳香環を含まない2価の連結基を表す。)
前記式(1)中、RおよびRは、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)であり、同じでも異なっていてもよいが、経済性の観点から、特に単結合、CH、O、またはC(CHであることが好ましい。
nは1以上5以下、好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上3以下、特に好ましくは1以上2以下である。
、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下の脂肪族アルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、ピリジル基、フリル基等の複素環基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子が挙げられるが、好ましくはこれらのうち、炭素数3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
x、yおよびzは、それぞれ独立に、0以上4以下、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0または1である。
なお、x、yおよびzが2以上の場合、複数あるR、RおよびRは同一であっても異なるものであってもよい。
前記式(1)で表される1分子中に芳香環を3個以上含む芳香族ビスマレイミド化合物(以下「芳香族ビスマレイミド化合物(1)」と称す場合がある。)の具体例としては、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−マレイミド(4−フェノキシフェニル)]スルホン、1,1’−[1,4−フェニレンビス(オキシ−4,1−フェニレン)]ビスマレイミド(CAS Registry No.[82577−60−4])、1,1’−[スルホニルビス(4,1−フェニレンオキシ−3,1−フェニレン)]ビスマレイミド([99391−93−2])、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,1’−[オキシビス(4,1−フェニレンチオ−4,1-フェニレン)]ビスマレイミド([294890−20−3])、1,1’−[(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(オキシ−3,1−フェニレン)]ビスマレイミド([352217−51−7])等が挙げられる。好ましくは、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−マレイミド(4−フェノキシフェニル)]スルホン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼンであり、中でも下記式(1A)で表される2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンが最も好適である。
Figure 0005526700
前記式(2)中、Rは、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)であり、経済性の観点から、特に単結合、CH、O、SOまたはC(CHであることが好ましい。
およびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下の脂肪族アルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、ピリジル基、フリル基等の複素環基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子が挙げられるが、好ましくはこれらのうち、炭素数3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
pおよびqは、それぞれ独立に、0以上4以下、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0または1である。
なお、pおよびqが2以上の場合、複数あるRおよびRは同一であっても異なるものであってもよい。
前記式(2)で表される1分子中に芳香環を2個含む芳香族ビスマレイミド化合物(以下「芳香族ビスマレイミド化合物(2)」と称す場合がある。)としては、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(スルホニルジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(オキシジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニリレン)ビスマレイミド、N,N’−(ベンジリデンジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフィドビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ベンゾフェノンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、1,1’−[1,4−ブタンジイルビス(オキシ−p−フェニレン)]ビスマレイミド等が挙げられ、中でも、4,4’−ジフェニルスルフィドビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、または下記式(2A)で表される4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドが好適に用いられる。
Figure 0005526700
前記式(3)中、R10は、ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下のアルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、ピリジル基、フリル基等の複素環基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子が挙げられるが、好ましくはこれらのうち、炭素数3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
rは、0以上4以下、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0または1である。
なお、rが2以上の場合、複数あるR10は同一であっても異なるものであってもよい。
前記式(3)で表される1分子中に芳香環を1個含む芳香族ビスマレイミド化合物(以下「芳香族ビスマレイミド化合物(3)」と称す場合がある。)としては、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,3−フェニレンビスマレイミド、1,4−フェニレンビスマレイミド、1,2−フェニレンビスマレイミド、ナフタレン−1,5−ジマレイミド、4−クロロ−1,3-フェニレンビスマレイミド等が挙げられ、中でも下記式(3A)で表される4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、または下記式(3B)で表される1,3−フェニレンビスマレイミドが好適に用いられる。
Figure 0005526700
前記式(4)において、Qは、1以上の置換基で置換されていてもよい炭化水素基で主に構成される2価の連結基である。この連結基には、エーテル基、スルフィド基あるいはケトン基、エステル基、アミド基などが含まれていてもよいが、その分子構造に芳香環を含まない。連結基の炭化水素基は直鎖であっても環状であってもよく、それらがさらに分岐鎖を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
主鎖の炭化水素基に置換する置換基には特に制限はないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下の脂肪族アルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、プロピオニル基などの脂肪族アシル基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子などの1種または2種以上が挙げられる。
Qは、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下のアルキレン基(この炭素数には、アルキレン基が置換基を有する場合、その置換基の炭素数も含む)が好ましく、特に炭素数1以上20以下、とりわけ炭素数2以上9以下のアルキレン基であることが好ましい。
式(4)で表される脂肪族ビスマレイミド化合物(以下「脂肪族ビスマレイミド化合物(4)」と称す場合がある。)の具体例として、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、1,6−ビスマレイミド−(2,4,4−トリメチル)ヘキサン、N,N’−デカメチレンビスマレイミド、N,N’−デカメチレンビスマレイミド、N,N’−オクタメチレンビスマレイミド、N,N’−ヘプタメチレンビスマレイミド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−ペンタメチレンビスマレイミド、N,N’−テトラメチレンビスマレイミド、N,N’−トリメチレンビスマレイミド、N,N’−エチレンビスマレイミド、N,N’−(オキシジメチレン)ビスマレイミド、1,13−ビスマレイミド−4,7,10−トリオキサトリデカン、1,11−ビス(マレイミド)−3,6,9−トリオキサウンデカン等が挙げられるが、これらのうち、下記式(4A)で表される1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンやN,N’−ヘキサメチレンビスマレイミドが好適に用いられる。
Figure 0005526700
本発明において、(A)成分は、上述のようなビスマレイミド化合物に限らず、マレイミド基を3個以上有するポリマレイミド化合物であってもよく、例えば、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられる。ポリマレイミド化合物としては具体的には下記式で表される市販のポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業社製「BMI−2000」「BMI−2300」)であってもよい。
Figure 0005526700
本発明において、(A)成分のポリマレイミド化合物としては、1種類のポリマレイミド化合物のみを用いてもよく、2種以上のポリマレイミド化合物を混合して用いてもよいが、芳香族ビスマレイミド化合物と脂肪族ビスマレイミド化合物とを組み合わせて用いることが好ましく、特に、前述の芳香族ビスマレイミド化合物(1)の1種または2種以上と、芳香族ビスマレイミド化合物(2)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(3)の1種または2種以上と、脂肪族ビスマレイミド化合物(4)の1種または2種以上とを組み合わせて用いることが、無溶剤であっても適度な粘度を有し、従って含浸性に優れ、また、プリプレグとしたときのタック性、ドレープ性、および保存安定性に優れる上に、成型品のクラックも低減された高耐熱性のマレイミド樹脂が得られることが好ましい。
この場合、芳香族ビスマレイミド化合物(1)100重量部に対して、芳香族ビスマレイミド化合物(2)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(3)の使用量は、通常0.1重量部以上100000重量部以下、好ましくは1重量部以上10000重量部以下、より好ましくは10重量部以上1000重量部以下である。
脂肪族ビスマレイミド化合物(4)の使用量は、芳香族ビスマレイミド化合物(1)100重量部に対して、通常1重量部以上10000重量部以下、好ましくは5重量部以上1000重量部以下、より好ましくは10重量部以上100重量部以下である。
上記範囲より芳香族ビスマレイミド化合物(2)および/または(3)が少ないと、硬化物の耐熱性が悪化する。上記範囲より芳香族ビスマレイミド化合物(2)および/または(3)が多いとマレイミド成分が結晶化してタック性が失われることがある。
また、上記範囲より脂肪族ビスマレイミド化合物(4)が少ないと、耐熱性は向上するものの硬化物が脆くなり、かつクラックの数も増加するため、成型品の品質が低下する。上記範囲より脂肪族ビスマレイミド化合物(4)が多いと、組成物の耐熱性が悪化し、かつ加熱成型時の硬化速度が著しく遅くなり、成型が困難となる。
<(B)成分>
(B)成分の芳香族液状反応性希釈剤としては、下記式(5)または(6)で表されるベンゼン系化合物が挙げられる。
Figure 0005526700
(式(5)中、R11は、単結合、CH、O、S、SO、またはC(CHを表し、R12はアリル基またはメタリル基を表す。)
Figure 0005526700
(式(6)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、R15およびR16は、それぞれ独立に、単結合、CH、O、C=O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R17、R18およびR19は、それぞれ独立にヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、mは0以上5以下の整数を表し、a、bおよびcはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
式(5)中、R11は特にCH、O、またはC(CHであることが好ましく、R12はアリル基(CH−CH=CH基)、メタリル基(CH=CHCH基)のうち、アリル基であることが好ましい。
式(5)で表されるベンゼン系化合物(以下「ビスフェノール化合物(5)」と称す場合がある。)の具体例としては、o,o’−ジアリルビスフェノールA、o,o’−ジアリルビスフェノールF、o,o’−ジアリルビスフェノールS、2,2’−ジアリル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルスルフィド、o,o’−ジメタリルビスフェノールA、o,o’−ジメタリルビスフェノールF等が挙げられ、中でも下記式(5A)で表されるo,o’−ジアリルビスフェノールAが好適に用いられる。
Figure 0005526700
式(6)中、R13およびR14としては、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基が好ましく、より好ましくはアルケニル基であり、さらに好ましくはプロペニル基またはアリル基である。
また、R15およびR16としては、それぞれ独立に、単結合、−CH−、−O−、−C(=O)−、−S−、−SO−、−C(CH−または−NHC(=O)−が好ましく、より好ましくはO、−C(=O)−であり、mは好ましくは0、1または2である。
また、R17、R18およびR19としては、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下のアルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、ピリジル基、フリル基等の複素環基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子が挙げられるが、好ましくはこれらのうち、炭素数3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。a、b、cは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2である。
式(6)で表されるベンゼン系化合物(以下「ポリフェニレン化合物(6)と称す場合がある。」の具体例としては、4,4’−ビス−(o−プロペニルフェノキシ)−ベンゾフェノン、2,2’−ジプロペニルビスフェノールA、1,3−ジ(4−アリルフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アリルフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられ、中でも下記式(6A)で表される4,4’−ビス−(o−プロペニルフェノキシ)−ベンゾフェノンが好適に用いられる。
Figure 0005526700
上記ビスフェノール化合物(5)およびポリフェニレン化合物(6)は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、ビスフェノール化合物(5)の1種または2種以上と、ポリフェニレン化合物(6)の1種または2種以上とを併用してもよく、この場合、2種類の異なる(B)成分の併用で、プリプレグにしたときのタック性、ドレープ性向上、炭素繊維シートへの含浸性向上、CFRPの耐熱性向上という効果が奏される。
ビスフェノール化合物(5)の1種または2種以上と、ポリフェニレン化合物(6)の1種または2種以上を併用する場合、その使用割合には特に制限はないが、(B)成分の合計100重量部に対して、ビスフェノール化合物(5)が20重量部以上100重量部以下であることが、上記併用の効果を有効に得る上で好ましい。
<配合量>
本発明のポリマレイミド系組成物は、(A)〜(C)成分を必須成分として含有し、このうち(C)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、0.001重量部以上1重量部以下、好ましくは0.005重量部以下0.5重量部以下、より好ましくは0.01重量部以上0.5重量部以下、特に好ましくは0.05重量部以上0.5重量部以下である。
重合促進剤である(C)成分の配合量が上記下限よりも少ないと十分な重合促進効果が得られないが、上記上限よりも多いと、重合促進剤の配合量を低減するという本発明の目的にそぐわず、また、重合が過度に進行し、反応の制御が困難となったり、得られる硬化物の耐熱性が損なわれたりするため、好ましくない。即ち、本発明で用いるイミダゾール類は、重合活性が著しく高いため、少量配合で足りるという利点を有し、必要以上に配合することは好ましくない。
また、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量は、30重量部以上80重量部以下、好ましくは40重量部以上80重量部以下である。
上記範囲より(B)成分が少ないと、組成物の粘度が上昇しプリプレグ化が困難になる。上記範囲より(B)成分が多いと硬化物の耐熱性が悪化する。
<その他の成分>
本発明のポリマレイミド系組成物は、前記(A)〜(C)成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。
このような任意成分としては特に制限はないが、シラン、チタネート化合物等のカップリング剤、高級脂肪酸およびワックス等の離型剤、ハロゲン、リン化合物等の難燃性付与剤、消泡剤、着色剤、紫外線吸収剤、低温発泡剤、酸化防止剤等が挙げられ、その配合量は、通常(A)成分100重量部に対して各々50重量部以下程度である。
<製造方法>
本発明のポリマレイミド系組成物を製造するには、(A)、(B)、および(C)成分、並びに必要に応じて用いられるその他の任意成分を混合して均一に溶解または均一に分散した組成物とすればよく、その方法に特に制限はないが、本発明では、重合促進剤である(C)成分として、重合活性に著しく優れたものを用い、かつその配合量を従来にない少量配合とすることから、(C)成分を予め(B)成分の一部に溶解した溶液とし、この溶液を、(A)成分と(B)成分の残部との混合物に添加、混合することが、少量成分である(C)成分の組成物への均一分散混合性の面で好ましい。
この場合、(B)成分と(C)成分との混合温度には特に制限はなく、40℃以上150℃以下の幅広い温度で混合することができ、また、その混合時間も、(C)成分が(B)成分中に均一に溶解する時間であれば特に制限はない。
(A)成分と(B)成分との混合は、50℃以上150℃以下、特に80℃以上130℃以下、とりわけ90℃以上120℃以下で加熱混合することが好ましい。この温度が低すぎると(A)成分と(B)成分の均一な混合が困難となり、高すぎると混合中に重合反応が促進され、混合中に重合固化にいたる可能性がある。
また、(A)成分と(B)成分との混合時間は、昇降温に要する時間を除き通常10分以上6時間以下、好ましくは20分以上5時間以下、より好ましくは30分以上4時間以下である。必要以上に長い混合時間は、重合により粘度が上昇しマトリックス樹脂としてのハンドリング性を損なう。
また、(A)成分と(B)成分の混合物と、(C)成分を(B)成分に溶解させた溶液は、30℃以上120℃以下、特に50℃以上100℃以下、とりわけ60℃以上90℃以下で加熱混合することが好ましい。この温度が低すぎると触媒の均一混合が困難となり、高すぎると混合中に重合反応が促進され、混合中に重合固化にいたる可能性がある。また、混合時間は、昇降温に要する時間を除き通常1分以上3時間以下、好ましくは2分以上2時間以下、より好ましくは5分以上1時間以下である。必要以上に長い混合時間は、重合により粘度が上昇しマトリックス樹脂としてのハンドリング性を損なう。
なお、予め(C)成分を溶解させる(B)成分の量としては、組成物に配合する(C)成分および(B)成分、更には(A)成分の種類や量によっても異なり一概には決めることはできないが、通常、全(B)成分量の0.1重量%以上50重量%以下、特に0.5重量%以上30重量%以下を(C)成分の溶解に用い、(C)成分の(B)成分溶液中の(C)成分濃度が0.1重量%以上50重量%以下、特に0.5重量%以上30重量%以下となるようにすることが好ましい。(C)成分の溶解に用いる(B)成分の量が少な過ぎても多過ぎても、(A)〜(C)成分が均一に混合した組成物を得ることができないおそれがある。
なお、その他の任意成分については、その混合時期には特に制限はないが、通常、(A)成分と(B)成分との混合時、或いは、(A)成分と(B)成分の混合物に(C)成分を溶解した溶液を混合する時に混合することが好ましい。
<保存方法>
本発明のポリマレイミド系組成物は、重合活性に優れた重合促進剤としての(C)成分を配合したものであるため、保存中の重合固化を防止するために、40℃以下、特に20℃以下、とりわけ0℃以下、例えば−60℃〜0℃で保存することが好ましい。本発明のポリマレイミド系組成物の保存温度が高過ぎると、保存中に重合が促進して固化することにより使用不可能となるおそれがある。
[プリプレグ]
本発明のポリマレイミド系組成物は、公知の複合化手法により炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維やアラミド繊維などの強化繊維の1種または2種以上と複合化して繊維強化プリプレグとすることができる(例えば、宮入裕夫、後藤卒土民著「製品開発に役立つ強化プラスチック材料入門」(日刊工業新聞社、2007年)参照)。
用いる強化繊維に制限は無いが、耐熱性ロボットハンド用途としては特に炭素繊維が好ましい。強化繊維の形態にも特に制限は無く、一方向材、織物状(クロス)、組紐状織物等が例として挙げられる。
これらの強化繊維に本発明のポリマレイミド系組成物を含浸させる方法にも特に制限はないが、溶剤を使用しない方法が好ましいため、本発明のポリマレイミド系組成物を60〜110℃に加温し、流動性がある状態で含浸させるホットメルト法が好ましい。
得られるプリプレグ(強化繊維にポリマレイミド系組成物を含浸させたもの)に占めるポリマレイミド系組成物の割合は、強化繊維の形態にもよるが通常20重量%以上80重量%以下、好ましくは25重量%以上65重量%以下、より好ましくは30重量%以上50%以下である。
この範囲よりもポリマレイミド系組成物の割合が多いと相対的に強化繊維の割合が減ることにより十分な補強効果が得られず、逆にポリマレイミド系組成物が少ないと成型性が損なわれる。
このプリプレグは公知の手法により硬化させて最終成型品とすることができる。例えば、プリプレグを積層して、オートクレーブ中で2ないし10kgf/cm2に加圧し、150℃から200℃で30分ないし3時間加熱硬化させて成型体とすることができるが、さらに耐熱性を向上させるため、ポストキュアとして180℃ないし280℃の温度範囲で温度をステップ的に加温しながら1時間ないし12時間処理することにより繊維強化複合材成型品とすることができる。
このようにして得られる本発明のポリマレイミド系組成物またはプリプレグの硬化物、特にプリプレグの硬化物は、特に液晶ガラス基板搬送用ロボットハンド用途として有用である。ただし、本発明の硬化物の用途は液晶ガラス基板搬送用ロボットハンド用途に限定されるものではなく、その他、シリコンウェハー搬送用ディスク用途、航空宇宙向け部材用途、自動車のエンジン部材用途など、軽量で高強度かつ高耐熱性が要求される部材に広く適用することができる。
以下に実施例、および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において、触媒の活性および溶解性、組成物の物性の測定方法は次の通りである。
<触媒活性>
40℃から200℃に3℃/分で昇温したときのポリマレイミド系組成物のゲル化温度の測定を行い、170℃前後でゲル化する重合促進剤濃度より触媒活性(重合促進剤の重合促進効果)を評価した。
<触媒溶解性>
重合促進剤を(A)成分と(B)成分の混合物に対して1重量%の量で溶解させ、完全に均一に溶解した場合を「○」、一部不溶の重合促進剤が残存した場合を「△」、重合促進剤が不溶の場合を「×」とした。
<ガラス転移温度(Tg)>
約70℃に加熱したポリマレイミド系組成物を2mm厚のスペーサーを介した2枚のガラス板間に注ぎ、170℃で3時間処理後、ガラス板の型から取り出し、その後、190℃で1時間、220℃で1時間、250℃で4時間、さらに260℃で12時間加熱処理したサンプルを5mm×5mmに切断した。SII社製TMA/SS120を用いて、このサンプルを窒素雰囲気下、40℃から400℃に10℃/minで昇温し、圧縮プローブの歪変化よりTgを評価した。
また、実施例および比較例で用いた(C)成分のイミダゾール類の置換基の炭素数は次の通りである。
Figure 0005526700
[実施例1]
機械式攪拌機を備えたガラス製容器(450ml)に、室温でo,o’−ジアリルビスフェノールA(デグサ社製コンピミドTM124)57.98gを入れた。この容器をオイルバスに浸し、内温が100℃に到達したところで1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン(大和化成工業社製BMI−TMH)15.00gを10分かけて投入した。次いで、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケー・アイ化成社製BMI−80)42.50gを25分かけて投入した。次いで、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(ケー・アイ化成社製BMIを、大阪ケミカル社製ワンダークラッシュミルWDL−1で粉砕したもの)42.50gを25分かけて投入した。このとき、内温が90℃以下にならないように投入量と投入間隔を調節した。その後、内温を100℃に保持しながら30分間攪拌した。粉状のビスマレイミドが均一に分散したことを確認した後、攪拌しながら90分かけて内温を70℃とした。ここへ、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール(ジャパンエポキシレジン製IBMI12)0.225gをo,o’−ジアリルビスフェノールA(デグサ社製コンピミドTM124)2.025gに溶解した溶液を攪拌しながら添加し、引き続き、内温70℃で60分間攪拌した後、混合物を取り出し、室温まで冷却して目的とするビスマレイミド系組成物を得た。このビスマレイミド系組成物は0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
[実施例2]
ガラス製ナス型フラスコ(100ml)に、70℃に加熱した4,4’−ビス−(o−プロペニルフェノキシ)−ベンゾフェノン(デグサ社製コンピミドTM123)2.67gとo,o’−ジアリルビスフェノールA(デグサ社製コンピミドTM124)4.00gを入れた。この容器をオイルバスに浸し、内温が100℃に到達したところで1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン(大和化成工業社製BMI−TMH)2.00gを、次いで2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケイ・アイ化成社製BMI−80)5.67gを、次いで4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成社製BMI−1000H)5.67gを10分かけて投入した。このとき、内温が90℃以下にならないように投入量と投入間隔を調節した。その後、内温を100℃に保持しながら10分間攪拌した。粉状のビスマレイミドが均一に分散したことを確認した後、攪拌しながら5分かけて内温を75℃とした。ここへ1−イソブチル−2−メチルイミダゾール(ジャパンエポキシレジン製IBMI12)0.03gをo,o’−ジアリルビスフェノールA(デグサ社製コンピミドTM124)1.33gに溶解した溶液を攪拌しながら添加し、引き続き、内温75℃で5分間攪拌した後、混合物を取り出し、室温まで冷却して目的とするビスマレイミド系組成物を得た。このビスマレイミド系組成物は0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
[実施例3〜6、比較例17,18,9〜12]
(A)〜(C)成分の種類および配合量を表2に示す通りとしたこと以外は、実施例2と同様にしてビスマレイミド系組成物を製造した。なお、(C)成分の溶解に用いた(B)成分のTM124の量は、触媒を除いた全配合物量の6.2重量%とした。いずれのビスマレイミド系組成物も、0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
[実施例13、14、比較例16、実施例17,18、比較例19]
(A)〜(C)成分の種類および配合量を表2に示す通りとしたこと以外は、実施例2と同様にしてビスマレイミド系組成物を製造した。なお、(C)成分の溶解に用いた(B)成分のTM124の量は、触媒を除いた全配合物量の6.2重量%とした。いずれのビスマレイミド系組成物も、0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
[実施例15]
(A)〜(C)成分の種類および配合量を表2に示す通りとしたこと以外は、実施例1と同様にしてビスマレイミド系組成物を製造した。なお、(C)成分の溶解に用いた(B)成分のTM124の量は、触媒を除いた全配合物量の6.2重量%とした。いずれのビスマレイミド系組成物も、0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
[比較例1]
ガラス製ナス型フラスコ(100ml)に、o,o’−ジアリルビスフェノールA(デグサ社製コンピミドTM124)6.67gを入れた。この容器をオイルバスに浸し、内温が125℃に到達したところで1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン(大和化成工業社製BMI−TMH)2.00gを、次いで2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケイ・アイ化成社製BMI−80)5.67gを、次いで4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成社製BMI−1000H)5.67gを投入した。このとき、内温が115℃以下にならないように投入量と投入間隔を調節した。その後、内温を125℃に保持し、粉状のビスマレイミドが均一に溶解したことを確認した後、攪拌しながら内温を100℃とした。この混合物に2−エチル−4−メチルイミダゾール0.20gを添加した。2−エチル−4−メチルイミダゾールの溶解性は不良で、不溶の赤色の塊が残った。この混合物を取り出し、室温まで冷却して目的とするビスマレイミド系組成物を得た。このビスマレイミド系組成物は0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
[比較例2]
機械式攪拌機を備えたガラス製容器(450ml)に、室温でo,o’−ジアリルビスフェノールA(デグサ社製コンピミドTM124)50gを入れた。この容器をオイルバスに浸し、内温が125℃に到達したところで1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン(大和化成工業社製BMI−TMH)15.00g、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケー・アイ化成社製BMI−80)42.50g、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(ケー・アイ化成社製BMIを大阪ケミカル社製ワンダークラッシュミルWDL−1で粉砕したもの)42.50gを投入した。このとき、内温が115℃以下にならないように投入量と投入間隔を調節した。その後、内温を125℃に保持し、粉状のビスマレイミドが均一に溶解したことを確認した後、攪拌しながら内温を80℃とした。この混合物に2−エチル−4−メチルイミダゾール3.00gをo,o’−ジアリルビスフェノールA3.00gに溶解した溶液を添加した。この混合物を取り出し、室温まで冷却して目的とするビスマレイミド系組成物を得た。このビスマレイミド系組成物は0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
[比較例3〜8]
(A)〜(C)成分の種類および配合量を表3に示す通りとしたこと以外は、比較例1と同様にしてビスマレイミド系組成物を製造した。いずれのビスマレイミド系組成物も、0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
上記実施例および比較例のビスマレイミド系組成物における触媒活性、触媒溶解性、ゲル化温度、ガラス転移温度の評価結果を表2,3に示す。
なお、表2,3中、触媒濃度は、(A)成分と(B)成分の合計に対する(C)成分の割合(重量%)を示す。
Figure 0005526700
Figure 0005526700
表2,3より、本発明によれば、イミダゾール系重合促進剤の触媒濃度((A)成分と(B)成分の合計に対する重量%)0.33重量%以下という極低濃度で、ゲル化を促進することができることが分かる。
これに対して、比較例1〜5で用いたイミダゾール類は、1重量%以上の高濃度添加を必要とする上に、ゲル化温度が高く、また、比較例6〜8では、触媒溶解性が悪く、実用的ではない。

Claims (12)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有するポリマレイミド系組成物であって、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が30重量部以上80重量部以下であり、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対する(C)成分の含有量が0.001重量部以上1重量部以下であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
    (A);ポリマレイミド化合物
    (B);下記式(5)または(6)で表されるベンゼン系化合物の1種または2種以上である芳香族液状反応性希釈剤
    (C);下記式(X)で表されるイミダゾール類
    Figure 0005526700
    (式(X)中、R(2)およびR(4)は、それぞれ独立に、メチル基または水素原子である。
    R(1)は、置換基を有していてもよい炭素数12以下の鎖状アルキル基、または炭素数12以下のアルケニル基であり、R(5)は、水素原子、ヒドロキシ基、或いは、置換基を有していてもよい炭素数12以下の鎖状アルキル基、炭素数12以下のアルケニル基、炭素数12以下の環状アルキル基、炭素数12以下の芳香族基、炭素数12以下の複素環基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素数12以下のアシルオキシ基、または炭素数12以下のアシル基を表す。)
    Figure 0005526700
    (式(5)中、R11は、単結合、CH、O、S、SO、またはC(CHを表し、R12はアリル基またはメタリル基を表す。)
    Figure 0005526700
    (式(6)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、かつR 13 およびR 14 の少なくとも1つはアルケニル基又はアルキレン基であり、15およびR16は、それぞれ独立に、単結合、CH、O、C=O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R17、R18およびR19は、それぞれ独立にヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、mは0以上5以下の整数を表し、a、bおよびcはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
  2. 請求項1において、式(X)中のR(1)とR(2)とR(4)の合計の炭素数が0以上8以下であることを特徴とするポリマレイミド系組成物
  3. 請求項2において、式(X)中のR(1)とR(2)とR(4)の合計の炭素数が4、5または6であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対する(C)成分の含有量が0.005重量部以上0.5重量部以下であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、(A)成分が下記式(1)〜(4)のいずれかで表されるビスマレイミド化合物の1種または2種以上であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
    Figure 0005526700
    (式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、nは1以上5以下の整数を表し、x、yおよびzはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
    Figure 0005526700
    (式(2)中、Rは、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、pおよびqはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
    Figure 0005526700
    (式(3)中、R10は、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、rは0以上4以下の整数を表す。)
  6. (C)成分を(B)成分の一部に溶解した溶液を、(A)成分と(B)成分の残部との混合物に添加することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリマレイミド系組成物の製造方法。
  7. (A)成分と(B)成分を50℃以上150℃以下の温度で混合することを特徴とする請求項6に記載のポリマレイミド系組成物の製造方法。
  8. (A)成分と(B)成分の混合物と、(C)成分を(B)成分に溶解した溶液とを30℃以上120℃以下の温度で混合することを特徴とする請求項6または7に記載のポリマレイミド系組成物の製造方法。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリマレイミド系組成物を40℃以下で保存することを特徴とするポリマレイミド系組成物の保存方法。
  10. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリマレイミド系組成物を含む繊維強化プリプレグ。
  11. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリマレイミド系組成物を硬化させてなる硬化物。
  12. 請求項10に記載の繊維強化プリプレグを硬化させてなる硬化物。
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