JP5520468B2 - 多層絶縁電線及びそれを用いた変圧器 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁層が3層以上の押出被覆層からなる多層絶縁電線とそれを用いた変圧器に関する。
変圧器の構造は、IEC規格(International Electrotechnical Communication Standard)Pub.60950などによって規定されている。即ち、これらの規格では、巻線において一次巻線と二次巻線の間には少なくとも3層の絶縁層(導体を被覆するエナメル皮膜は絶縁層と認定しない)が形成されていること又は絶縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線と二次巻線の沿面距離は、印加電圧によっても異なるが、5mm以上であること、また一次側と二次側に3000Vを印加した時に1分以上耐えること、などが規定されている。
このような規格のもとで、従来、主流の座を占めている変圧器は、図2に断面図で例示するような構造が採用されてきた。この変圧器は、フェライトコア1上のボビン2の周面両側端に沿面距離を確保するための絶縁バリヤ3が配置された状態でエナメル被覆された一次巻線4が巻回されたのち、この一次巻線4の上に、絶縁テープ5を少なくとも3層巻回し、更にこの絶縁テープの上に沿面距離を確保するための絶縁バリヤ3を配置したのち、同じくエナメル被覆された二次巻線6が巻回された構造である。
しかし、近年、図2に示した断面構造の変圧器(トランス)に代わり、図1で示したように、絶縁バリヤ3や絶縁テープ層5を含まない構造の変圧器が用いられるようになった。この変圧器は図2の構造の変圧器に比べて、全体を小型化することができ、また、絶縁テープの巻回し作業を省略できるなどの利点を備えている。
図1で示した変圧器を製造する場合、用いる1次巻線4及び2次巻線6では、いずれか一方もしくは両方の導体4a(6a)の外周に少なくとも3層の絶縁層4b(6b),4c(6c),4d(6d)が形成されていることが前記したIEC規格との関係で必要になる。
このような巻線としては、導体の外周に絶縁テープを巻回して1層目の絶縁層を形成し、更にその上に、絶縁テープを巻回して2層目の絶縁層、3層目の絶縁層を順次形成して互いに層間剥離する3層構造の絶縁層を形成するものが知られている。また、絶縁テープの代わりにフッ素樹脂を、導体の外周上に順次押出被覆して、全体として3層の絶縁層を形成したものも公知である(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記の絶縁テープ巻の場合は、巻回する作業が不可避である為、生産性は著しく低く、その為電線コストは非常に高いものになっている。
また、前記のフッ素樹脂押出の場合では、絶縁層はフッ素系樹脂で形成されているので、耐熱性は良好であるという利点を備えているが、樹脂のコストが高く、さらに高剪断速度で引っ張ると外観状態が悪化するという性質がある。そのために製造スピードを上げることが困難で、絶縁テープ巻と同様に電線コストが高いものになってしまうという問題点がある。
こうした問題点を解決するため、導体の外周上に、1層目、2層目の絶縁層として結晶化を制御し分子量低下を抑制した変性ポリエステル樹脂を押出し、3層目の絶縁層としてポリアミド樹脂を押出被覆した多層絶縁電線が実用化されている(例えば、特許文献2及び3参照。)。
しかしながら、3層目の絶縁層としてポリアミド樹脂を押出被覆した場合、ポリアミド樹脂では電線表面が軟らかいため引っ掻き傷に弱いことが懸念点として挙げられる。電気・電子機器に使用されるため、部品先端が引っ掻かれ、故障の原因になる恐れもある。そこで電線としては十分な伸び特性を持ち合わせながら電線表面は引っ掻き傷に強い多層絶縁電線が求められている。
実開平3−56112号公報 米国特許第5,606,152号明細書 特開平6−223634号公報
上記のような問題を解決するために、本発明は、耐熱性の要求を満たし、電線として十分な伸び特性を持ち合わせるとともに、コイル用途として要求される部品先端などによる引っ掻き傷に強い良好な加工性も兼ね備えた多層絶縁電線を提供することを目的とする。さらに本発明は、このような耐熱性で良好な伸び特性と引っ掻き傷に強い絶縁電線を巻回してなる、電気特性に優れ、信頼性の高い変圧器を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下に示した多層絶縁電線及びこれを用いた変圧器によって達成された。
すなわち本発明は、
(1)導体と該導体を被覆する3層以上の押出絶縁層を有してなる多層絶縁電線であって、
前記絶縁層の最外層(A)が、全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂であり、その脂肪族アルコール成分の炭素原子数が4である樹脂を含み、該最外層(A)に含有する熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂をハードセグメントに用いたポリブチレンテレフタレートエラストマーから選択される樹脂のみである押出被覆層からなり、
最内層(B)が、全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂を含む押出被覆層からなり、
最外層と最内層の間の絶縁層(C)が、融点が250℃以上の結晶性樹脂またはガラス転移温度が180℃以上の非晶性樹脂を含み、かつ該絶縁層(C)を構成する樹脂がポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂およびエポキシ基を有する熱可塑性エラストマーから選択される樹脂である押出被覆層からなることを特徴とする多層絶縁電線、
(2)前記絶縁層の最外層(A)を形成する樹脂が、全てが脂肪族アルコール成分の炭素原子数が4である熱可塑性ポリエステル樹脂であるか、該熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、エポキシ基を有する熱可塑性エラストマー1〜20質量部を配合して成る樹脂混和物である(1)記載の多層絶縁電線、
(3)前記絶縁層の最外層(A)を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)であることを特徴とする(1)または(2)記載の多層絶縁電線、
(4)前記絶縁層の最外層(A)を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチレンナフタレート樹脂(PBN)であることを特徴とする(1)または(2)記載の多層絶縁電線、
(5)前記絶縁層の最外層(A)を形成する樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)をハードセグメントに用いたポリブチレンテレフタレートエラストマーであることを特徴とする(1)記載の多層絶縁電線、
(6)前記絶縁層の最内層(B)を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)であることを特徴とする(1)記載の多層絶縁電線、
(7)前記絶縁層の最内層(B)を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)であることを特徴とする(1)記載の多層絶縁電線、
(8)前記絶縁層の最内層(B)を形成する樹脂が、全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、エポキシ基を有する熱可塑性エラストマー1〜20質量部を配合して成る樹脂混和物であることを特徴とする(1)、(6)又は(7)記載の多層絶縁電線、
(9)前記絶縁層(C)を形成する結晶性樹脂が、液晶ポリエステル以外のポリエステル樹脂75〜95質量部および液晶ポリエステル5〜25質量部を含有するポリエステル系樹脂組成物であることを特徴とする(1)記載の多層絶縁電線、
(10)前記絶縁層(C)を形成する結晶性樹脂が、前記ポリエステル系樹脂組成物100質量部に対し、エポキシ基を有する熱可塑性エラストマー1〜20質量部を配合して成る樹脂混和物であることを特徴とする(9)記載の多層絶縁電線、
(11)前記絶縁層(C)を形成する結晶性樹脂が、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)であることを特徴とする(1)記載の多層絶縁電線、
(12)前記絶縁層(C)を形成する非晶性樹脂が、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)であることを特徴とする(1)記載の多層絶縁電線、および、
(13)前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の多層絶縁電線を用いてなることを特徴とする変圧器、
を提供するものである。
本発明の多層絶縁電線は、耐熱性レベルも十分満足し、伸び特性にも優れるほか、コイル用途として要求される部品先端などによる引っ掻き傷に強いことから、巻線加工時の作業性を向上させるものである。これまで耐熱E種の耐熱性を保持した電線は、ポリアミド樹脂を使用しており引っ掻き傷に弱いことが懸念点であった。本発明の多層絶縁電線は、絶縁層として、最外層には、耐薬品性に優れるほか、伸び特性に優れ、かつ引っ掻き傷に強い特定のポリエステル樹脂を、最外層及び最内層以外の絶縁層には耐熱性を有する特定融点以上の結晶性樹脂または特定ガラス転移温度以上の非晶性樹脂を、最内層には導体との密着性があるポリエステル樹脂を組み合わせて使用することで上記要求項目を満たすことができた。前記多層絶縁電線は、耐熱性に優れるので端末加工時には直接はんだ付けを行うことができ、巻線加工の作業性を十分高めるものである。さらに前記多層絶縁電線を用いてなる本発明の変圧器は、電気特性に優れ、信頼性が高い。
まず、本発明の多層絶縁電線の各層を構成する樹脂について説明する。
絶縁電線の最外層(A)には、耐溶剤性に優れるほか、伸び特性にも優れ、皮膜強度が強い樹脂を必要とするので、熱可塑性ポリエステル樹脂を採用する。この熱可塑性ポリエステル樹脂は、全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂であり、その脂肪族アルコール成分の炭素原子数が4の樹脂である。一般に、結晶性樹脂であるポリエステル樹脂は耐溶剤性に優れていると言われているが、電線皮膜として使用される場合は結晶化が進まず非晶性の状態であるため溶剤に侵されてしまう。しかしながら、ポリエステル樹脂の中で脂肪族アルコール成分の炭素元素数が4である樹脂は、結晶化速度が速く、電線皮膜として使用する場合も結晶化が素早く進行するため、耐溶剤性にも優れ、さらに結晶化しているため電線皮膜強度も向上することがわかった。
本発明の好ましい実施態様においては、最外層(A)は、全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂を含む押出被覆層である。そして、その脂肪族アルコール成分の炭素原子数が4である樹脂、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリブチレンナフレート樹脂(PBN)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)をハードセグメントに用いたPBTエラストマーなどを代表例としてあげることができる。
この熱可塑性ポリエステル樹脂の合成時に用いる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸などをあげることができる。これらのうち、とくにテレフタル酸は好適なものである。
上記芳香族ジカルボン酸の一部を脂肪族ジカルボン酸に置換することができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などをあげることができる。これらの脂肪族ジカルボン酸の置換量は、芳香族ジカルボン酸の30モル%未満であることが好ましく、とくに20モル%未満であることが好ましい。一方、エステル反応に用いるアルコ−ル成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、ブチレングリコールがあげられる。
本発明において、最外層(A)として好ましく用いることができる市販の樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂では、「ノバデュラン」(商品名:三菱エンジニアリング社製)、「ウルトラデュラー」(商品名:BASFジャパン社製)、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂は、「バイロペット」(商品名:東洋紡製)、「帝人PBN」(商品名:帝人社製)等が挙げられる。PBTエラストマーでは、「ペルプレン」(商品名:東洋紡社製、)や「ハイトレル」(商品名:東レ・デュポン社製、)等が挙げられる。
絶縁電線の最内層(B)には、電線被覆材料として伸び特性に優れるほか、導体との密着性に優れる樹脂が必要であり、好ましくは熱可塑性ポリエステル樹脂が良い。
本発明に用いられるこのポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸またはその一部が脂肪族ジカルボン酸で置換されているジカルボン酸と脂肪族ジオールとのエステル反応で得られたものが好ましく用いられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフレート樹脂(PEN)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂などを代表例としてあげることができる。
このポリエステル樹脂の合成時に用いる酸成分としては芳香族ジカルボン酸が好ましく、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸などをあげることができる。これらのうち、特にテレフタル酸は好適なものである。
芳香族ジカルボン酸の一部は脂肪族ジカルボン酸で置換されていてもよく、その例としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などをあげることができる。これらの脂肪族ジカルボン酸の置換量は、芳香族ジカルボン酸の30モル%未満であることが好ましく、特に20モル%未満であることが好ましい。
一方、エステル反応に用いるアルコ−ル成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール,トリメチレングリコール,テトラメチレングリコール,ヘキサンジオール,デカンジオールなどをあげることができる。これらのうち、エチレングリコール,テトラメチルグリコールが好適である。また、脂肪族ジオールとしては、その一部がポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコールのようなオキシグリコールになっていてもよい。
本発明において、最内層(B)として好ましく用いることができる市販の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂は、「バイロペット」(商品名:東洋紡社製)、「ベルペット」(商品名:鐘紡社製)、「帝人PET」(商品名:帝人社製)等がある。
ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂は、「帝人PEN」(商品名:帝人社製)等が挙げられ、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂は「エクター」(商品名:東レ社製)等が挙げられる。
本発明においては、最外層(A)及び最内層(B)に用いられるポリエステル樹脂はそれ単独でもよいが、エポキシ基、オキサゾリル基、アミノ基及び無水マレイン酸残基からなる群から選択される少なくとも1種類の官能基を有する反応性改質樹脂を含有させることも電線の可とう性向上のために好ましい。
上記の官能基は、ポリエステル樹脂と反応性を有する官能基であり、ポリエステル樹脂に配合し混和することにより両者は反応し樹脂混和物となる。この反応性を有する樹脂としては、特にエポキシ基を有することが好ましい。エポキシ基が開環することでポリエステル樹脂と化学結合し反応が進行する。上記の官能基を有する反応性改質樹脂は、該官能基含有単量体成分を20質量%以下有することが好ましく、15質量%以下有することがより好ましい。このような樹脂としては、エポキシ基含有化合物成分を含む共重合体であることが好ましい。反応性を有する重合体を与えるエポキシ基含有化合物としては、例えば、下記一般式(1)に示される不飽和カルボン酸のグリシジルエステル化合物が挙げられる。
Figure 0005520468
[式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基を、Xはカルボニルオキシ基を表す。]
不飽和カルボン酸グリシジルエステルの具体的な例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステル等が挙げられ、中でもグリシジルメタクリレートが好ましい。
上記のポリエステル樹脂と反応性を有する反応性改質樹脂の代表的な例としては、市販の樹脂では、例えば、「ボンドファースト」(商品名:住友化学社製)、「ロタダー」(商品名:アトフィナ社製)が挙げられる。
好ましい実施態様においては、最外層(A)または最内層(B)を構成する全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、エポキシ基、オキサゾリル基、アミノ基及び無水マレイン酸残基からなる群から選択される少なくとも1種類の官能基を含有する反応性改質樹脂1〜20質量部を配合する。上記反応性改質樹脂の配合量が多すぎると、絶縁層の耐熱性が著しく低下してしまい、少なすぎると可とう性向上の効果が発現しない。
両者のより好ましい配合割合は、前者100質量部に対し、後者は1〜15質量部である。
本発明の絶縁電線の最外層と最内層の間の絶縁層(C)は、耐熱性を有する融点250℃以上の結晶性樹脂またはガラス移転温度が180℃以上の非晶性樹脂を含む押出被覆層である。
本発明の絶縁層(C)の融点250℃以上の結晶性樹脂としては、好ましくは液晶ポリエステルを含むポリエステル樹脂が用いられ、液晶ポリエステル以外のポリエステル樹脂と液晶ポリエステルを配合されたポリエステル系樹脂(例えば、「帝人PET」(商品名:帝人社製)及び「ユニチカロッドラン」(商品名:ユニチカ社製))も好ましい。
最外層と最内層の間の絶縁層(C)に用いる液晶ポリエステルについて、その分子構造、密度、分子量等は特に限定されるものではなく、溶融したときに液晶を形成する融点250℃以上、好ましくは融点280℃以上で、高くても350℃程度の溶融液晶ポリエステル(サーモトロピック液晶ポリエステル)が好ましく、その溶融液晶ポリエステルとしては、溶融液晶ポリエステル共重合体が好ましい。
液晶ポリエステルの融点が低すぎると電線として所望の耐熱効果が得られないので好ましくない。
このような溶融液晶ポリエステルとしては、(I)長さの異なる剛直な直線性のポリエステル2種をブロック共重合して得られる剛直鎖成分同士の共重合型のポリエステル、(II)剛直な直線性のポリエステルと剛直な非直線性のポリエステルをブロック共重合して得られる非直線性構造導入型のポリエステル、(III)剛直な直線性のポリエステルと屈曲性のあるポリエステルの共重合による屈曲鎖導入型のポリエステル、(IV)剛直鎖で直線性のポリエステルの芳香族環上へ置換基を導入した核置換芳香族導入型ポリエステルがある。
このようなポリエステルの繰り返し単位としては、次のa.芳香族ジカルボン酸に由来するもの、b.芳香族ジオールに由来するもの、c.芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来するものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
a.芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位:
Figure 0005520468
Figure 0005520468
b.芳香族ジオールに由来する繰り返し単位:
Figure 0005520468
Figure 0005520468
c.芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し単位:
Figure 0005520468
被覆層の皮膜成形工程での操業性、耐熱性、絶縁皮膜の力学的特性等のバランスから、本発明で採用する液晶ポリエステルは下記の繰り返し単位を含むものが好ましく、さらに好ましくはこの繰り返し単位を全体の少なくとも30モル%以上含むものである。
Figure 0005520468
好ましい繰り返し単位の組み合わせは下記(I)〜(VI)に記載する繰り返し単位の組み合わせが挙げられる。
Figure 0005520468
Figure 0005520468
Figure 0005520468
Figure 0005520468
Figure 0005520468
Figure 0005520468
このような液晶ポリエステルの製造方法については、例えば、特開平2−51523号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公報等に記載されている。
これらの中で、(I)、(II)、(V)に示す組み合わせのものが好ましく、さらに好ましくは(V)に示す組み合わせのものが挙げられる。
液晶ポリエステルは流動化温度が300℃以上であり、また溶融時の粘度も従来使用されているポリエチレンテレフタレートや6,6ナイロンの粘度以下であるため、高速での押出し被覆処理が可能となり、低コストで皮膜状の絶縁層の形成ができる。
液晶ポリエステル皮膜は、逆に伸びが数%と極めて低い特徴があり、屈曲性に問題がある。そこで、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂を液晶ポリエステルに配合することで皮膜の伸びを改善し、可とう性を良好にすることが可能になる。
本発明においては、絶縁層(C)を形成する液晶ポリエステル含有樹脂は、液晶ポリエステル以外のポリエステル樹脂75〜95質量部(好ましくは80〜90)および液晶ポリエステル5〜25質量部(好ましくは10〜20質量部)を含有するものが好ましい。液晶ポリエステルの含有量が少なすぎると所望の耐熱効果が得られず、多すぎると伸び特性が低下し、電線として可とう性が維持できない。
また、液晶ポリエステル以外のポリエステル樹脂と液晶ポリエステルの混合方法は任意の方法を用いることができる。
本発明において、上記液晶ポリエステル及び液晶ポリエステル以外からなるポリエステル系樹脂組成物には、電線の可とう性向上のため、反応性改質樹脂(熱可塑性エラストマー)を含み、ポリエステル系樹脂を連続層とし、反応性改質樹脂を分散相とする樹脂分散体の混和物であってもよい。本発明における反応性改質樹脂の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対し、1〜20質量部であることが好ましく、4〜13質量部であることがさらに好ましい。
反応性改質樹脂が20質量部を越えると耐熱性がやや低くなり、少なすぎると可とう性向上の効果は発現しない。液晶ポリエステルや液晶ポリエステル以外のポリエステル樹脂に比べてエラストマー成分の耐熱性が低いためと推定される。
用いられる反応性改質樹脂は、上記した最外層(A)及び最内層(B)に用いられる反応性改質樹脂と同様で良い。
また、本発明の絶縁電線の最外層と最内層の間の絶縁層(C)には、上記した以外の融点が250℃以上の結晶性樹脂を用いることもできる。例えば、融点が280℃のポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)(例えば、「DICPPS FZ2200A8」(商品名:大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。ポリフェニレンスルフィド樹脂は、多層絶縁電線の被覆層として良好な押出性を得ることができる架橋度の低いポリフェニレンスルフィド樹脂が好ましい。しかしながら、樹脂特性を阻害しない範囲で、架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂を組み合わせることや、ポリマー内部に架橋成分、分岐成分などを含有することは可能である。
架橋度の低いポリフェニレンスルフィド樹脂として好ましいのは、窒素中、1rad/s、300℃における初期のtanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)の値が1.5以上であり、最も好ましいのは2以上の樹脂である。上限としての制限は特にないが、上記tanδの値を400以下とするが、これより大きくてもよい。本発明に用いられる樹脂のtanδは、窒素中、上記の一定周波数と一定温度における損失弾性率および貯蔵弾性率の時間依存性測定から容易に評価でき、特に測定開始直後の初期の損失弾性率および貯蔵弾性率から計算されたものである。測定には直径24mm、厚さ1mmの試料を用いる。これらの測定が可能な装置の一例として、ティーエイ・インスツルメント・ジャパン社製「ARES」(Advanced Rheometric Expansion System、商品名)装置があげられる。上記tanδが架橋レベルの目安となり、tanδが1.5未満を示すポリフェニレンスルフィド樹脂では、十分な可とう性が得られにくく、また良好な外観を得ることが難しくなる。
また、本発明の絶縁電線の最外層と最内層の間の絶縁層(C)には、ガラス転移温度が180℃以上の非晶性樹脂を用いることもできる。例えば、ガラス転移温度が225℃のポリエーテルスルホン樹脂(PES)(例えば、「スミカエクセルPES4100」(商品名:住友化学社製)が挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂としては、下記一般式(2)で表わされるものが好ましく用いられる。
Figure 0005520468
[式中、Rは単結合又は−R−O−(Rはフェニレン基、ビフェニリレン基、又は
Figure 0005520468
(Rは−C(CH−、−CH−などのアルキレン基を示す)であり、Rの基はさらに置換基を有していてもよい。)を示す。nは正の整数を示す。]
この樹脂の製造方法自体は公知であり、一例として、ジクロルジフェニルスルホン、ビスフェノールS及び炭酸カリウムを高沸点溶媒中で反応して製造する方法があげられる。市販の樹脂としては「スミカエクセルPES」(商品名:住友化学社製)、「レーデルA」・「レーデルR」(商品名:Amoco社製)等がある。
本発明における各絶縁層を構成する樹脂には、求められる特性を損なわない範囲で、他の耐熱性樹脂に通常使用される添加剤、無機充填剤、加工助剤、着色剤なども添加することができる。
本発明の多層絶縁層は、上記した3層に限らず、中間層としてさらなる耐熱性向上のために液晶ポリエステル、ポリフェニレンスルフィドやポリエーテルサルホン等からなる絶縁層を設けることができる。
本発明に用いられる導体としては、金属裸線(単線)、または金属裸線にエナメル被覆層や薄肉絶縁層を設けた絶縁電線、あるいは金属裸線の複数本またはエナメル絶縁電線もしくは薄肉絶縁電線の複数本を撚り合わせた多心撚り線を用いることができる。これらの撚り線の撚り線数は、高周波用途により随意選択できる。また、心線(素線)の数が多い場合(例えば19−、37−素線)は、撚り線ではなくてもよい。撚り線ではない場合、例えば複数の素線を略平行に単に束ねるだけでもよいし、または束ねたものを非常に大きなピッチで撚っていてもよい。いずれの場合も断面が略円形となるようにすることが好ましい。
本発明の多層絶縁電線は、常法により、導体の外周に所望の厚みの1層目の絶縁層を押出し被覆し、次いで、この1層目の絶縁層の外周に所望の厚みの2層目の絶縁層を押出し被覆するという方法で、順次絶縁層を押出し被覆することで製造される。このようにして形成される押出し絶縁層の全体の厚みは3層では60〜180μmの範囲内にあるようにすることが好ましい。このことは、絶縁層の全体の厚みが薄すぎると得られた耐熱多層絶縁電線の電気特性の低下が大きく、実用に不向きな場合があり、逆に厚すぎると小型化に不向きであり、コイル加工が困難になるなどの場合があることによる。さらに好ましい範囲は70〜150μmである。また、上記の3層の各層の厚みは20〜60μmにすることが好ましい。
上記の多層絶縁電線を用いた変圧器の本発明の実施態様としては、図1に示すようなフェライトコア1上のボビン2内に、絶縁バリヤや絶縁テープ層を組込まないで、1次巻線4及び2次巻線6が形成されている構造ものが好ましい。また、上記本発明の多層絶縁電線は他のタイプの変圧器にも適用できるものである。
次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜10及び比較例1〜4)
導体として線径1.0mmの軟銅線を用意した。表1に示した各樹脂を表示の割合(組成の数値は質量部を示す)で各層の押出し被覆用樹脂とし、導体上に順に最内層(B)、最外層と最内層の間の層(C)、最外層(A)を順次押出し被覆して、表示の厚さ(すべて100μm)で多層絶縁電線を製造した。
表1中の各樹脂は以下の通りである。
PBT樹脂:「ノバデュラン」(商品名:三菱エンジニアリング社製)、
ポリブチレンテレフタレート樹脂
PBN樹脂:「バイロペット」(商品名:東洋紡社製)、ポリブチレンナフタレート樹脂
反応性改質樹脂:「ボンドファースト7M」(商品名:住友化学工業社製)、
エポキシ基含有樹脂
PBTエラストマー:「ペルプレン」(商品名:東洋紡社製)、
ポリエステルエラストマー樹脂
ポリアミド樹脂:「FDK−1」(商品名:ユニチカ社製)、 ポリアミド66樹脂
LCP樹脂:「ロッドラン」(商品名:ユニチカ社製)、液晶ポリエステル樹脂
PET樹脂:「帝人PET」(商品名:帝人社製)、ポリエチレンテレフタレート樹脂
PES樹脂:「スミカエクセル」(商品名:住友化学社製)、ポリエーテルサルホン樹脂
PPS樹脂:「DICPPS」(商品名:DIC社製)、ポリフェニレンスルフィド樹脂
得られた多層絶縁電線につき、下記の仕様で各種の特性を試験した。また、肉眼により外観を観察した。得られた結果を表1に示した。
A.電線表面の引っ掻き傷程度確認:
JIS C 3003−1984 14耐溶剤(1)記載のつめ法を模擬して、爪先で電線表面を1回こすった時、導体が現れるほど、皮膜が剥がれないかを目視で調べる。
剥がれが少しでも認められたものは「皮膜剥がれ」と表示し、剥がれが無いものは「良好」とした。
B.電気的耐熱性:
IEC規格60950の2.9.4.4項の付属書U(電線)と1.5.3項の付属書C(トランス)に準拠した下記の試験方法で評価した。
直径10mmのマンドレルに多層絶縁電線を、荷重118MPa(12kg/mm)をかけながら10ターン巻付け、215℃1時間加熱、更に140℃21時間及び190℃3時間を3サイクル加熱し、更に30℃、湿度95%の雰囲気に48時間保持し、その後3000Vにて1分間電圧を印加し短絡しなければ、E種合格と判定した。
同様にマンドレルに巻き付け、225℃1時間加熱、更に150℃21時間及び200℃3時間を3サイクル加熱し、更に30℃、湿度95%の雰囲気に48時間保持し、その後3000Vにて1分間電圧を印加し短絡しなければ、B種合格と判定した。
(いずれも、判定はn=5にて評価、1つでもNGになれば不合格となる)。
C.耐溶剤性
巻線加工として導体径の20倍径の巻き付けを行った電線をキシレン、スチレン、及びイソプロピルアルコール溶媒に30秒間浸漬し、乾燥後試料表面の観察を行い、クレージング発生の有無判定を行った。すべての試料でクレージング発生が認められなかったので「○」と表示した。
そして、これら上記A、B、Cの試験結果を総合して、絶縁電線としての合否を判定し、好ましいものは「○」、不適切なものは「×」とした。
Figure 0005520468
表1で示した結果から以下のことが明らかになった。
ポリアミド樹脂を最外層(A)に被覆した比較例1及び2では、引っ掻き試験の結果導体が現れるほど皮膜が剥離した。比較例3及び4では、最外層と最内層の間の層(C)をPBT樹脂としたが、これは融点が約224℃で本発明の規定範囲外であり、電気的耐熱性がE種を満足しなかった。一方、実施例1〜6では、引っ掻き試験、電気的耐熱性(E種)、耐溶剤性のいずれも合格基準を満たした。実施例7〜10では、その他に電気的耐熱性(B種)を満たした。
図1は、本発明の一実施態様で、3層絶縁電線を巻線とする構造の変圧器を示す断面図である。 図2は、従来構造の変圧器の1例を示す断面図である。
符号の説明
1 フェライトコア
2 ボビン
3 絶縁バリヤ
4 一次巻線
4a 導体
4b,4c,4d 絶縁層
5 絶縁テープ
6 二次巻線
6a 導体
6b,6c,6d 絶縁層

Claims (13)

  1. 導体と該導体を被覆する3層以上の押出絶縁層を有してなる多層絶縁電線であって、
    前記絶縁層の最外層(A)が、全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂であり、その脂肪族アルコール成分の炭素原子数が4である樹脂を含み、該最外層(A)に含有する熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂をハードセグメントに用いたポリブチレンテレフタレートエラストマーから選択される樹脂のみである押出被覆層からなり、
    最内層(B)が、全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂を含む押出被覆層からなり、
    最外層と最内層の間の絶縁層(C)が、融点が250℃以上の結晶性樹脂またはガラス転移温度が180℃以上の非晶性樹脂を含み、かつ該絶縁層(C)を構成する樹脂がポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂およびエポキシ基を有する熱可塑性エラストマーから選択される樹脂である押出被覆層からなることを特徴とする多層絶縁電線。
  2. 前記絶縁層の最外層(A)を形成する樹脂が、全てが脂肪族アルコール成分の炭素原子数が4である熱可塑性ポリエステル樹脂であるか、該熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、エポキシ基を有する熱可塑性エラストマー1〜20質量部を配合して成る樹脂混和物である請求項1記載の多層絶縁電線。
  3. 前記絶縁層の最外層(A)を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の多層絶縁電線。
  4. 前記絶縁層の最外層(A)を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチレンナフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の多層絶縁電線。
  5. 前記絶縁層の最外層(A)を形成する樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂をハードセグメントに用いたポリブチレンテレフタレートエラストマーであることを特徴とする請求項1記載の多層絶縁電線。
  6. 前記絶縁層の最内層(B)を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1記載の多層絶縁電線。
  7. 前記絶縁層の最内層(B)を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1記載の多層絶縁電線。
  8. 前記絶縁層の最内層(B)を形成する樹脂が、全部または一部が脂肪族アルコール成分と酸成分とを縮重合して形成される熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、エポキシ基を有する熱可塑性エラストマー1〜20質量部を配合して成る樹脂混和物であることを特徴とする請求項1、6又は7記載の多層絶縁電線。
  9. 前記絶縁層(C)を形成する結晶性樹脂が、液晶ポリエステル以外のポリエステル樹脂75〜95質量部および液晶ポリエステル5〜25質量部を含有するポリエステル系樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載の多層絶縁電線。
  10. 前記絶縁層(C)を形成する結晶性樹脂が、前記ポリエステル系樹脂組成物100質量部に対し、エポキシ基を有する熱可塑性エラストマー1〜20質量部を配合して成る樹脂混和物であることを特徴とする請求項9記載の多層絶縁電線。
  11. 前記絶縁層(C)を形成する結晶性樹脂が、ポリフェニレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1記載の多層絶縁電線。
  12. 前記絶縁層(C)を形成する非晶性樹脂が、ポリエーテルスルホン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の多層絶縁電線。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の多層絶縁電線を用いてなることを特徴とする変圧器。
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