JP5518642B2 - 穴あき中空シリカ粒子の製造方法 - Google Patents
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さらに、前記空洞内に別の材料を入れること等を考慮すると、上記ナノサイズの中空粒子の殻にナノサイズの穴(ホール)を有する中空粒子の開発が必要である。
また、チタニウムアルコキシド及び/またはシリコンアルコキシドのアルコール溶液中またはアルコール/水混合溶液中に、スチレン重合体またはスチレン/ジビニルベンゼン共重合体の球状重合体粒子を均一に分散せしめ、加水分解反応により該球状重合体粒子の表面に均一なチタニウム化合物またはシリコン化合物被覆層を設け、さらに必要に応じ、加熱処理するコア・シェル粒子の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、短軸、長軸を有し、長軸を回転軸とする回転対称性をもつ形状の核粒子を炭酸ストロンチウムで作製し、この表面をシリカ層により被覆し、その後希塩酸中で炭酸ストロンチウム核粒子を溶解除去することにより、外殻の内部に外形とほぼ相似形状の空洞が形成された中空シリカ粒子が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
本発明は、上記の状況に鑑みなされたもので、粒子径がナノサイズであり、かつ内部が中空で、しかもシリカ層からなる外殻に十分な大きさの貫通穴を有する中空シリカ粒子を効率的に得ることが可能な穴あき中空シリカ粒子の製造方法を提供することを課題とするものである。
(1) 表面に還元性の官能基を有する樹脂粒子を作製する工程と、
前記樹脂粒子表面に金属微粒子を固定する工程と、
前記金属微粒子を有する樹脂粒子表面をシリカ層で被覆しコア・シェル粒子を作製する工程と、
前記コア・シェル粒子を加熱することにより前記樹脂粒子を分解、除去し、中空粒子を作製する工程と、
レーザー光を照射することにより前記金属微粒子を除去すると共に、前記中空粒子のシェルに貫通穴を形成する工程とを有する穴あき中空シリカ粒子の製造方法、
(2) 前記樹脂粒子表面に金属微粒子を固定する工程が、水中に分散させた樹脂粒子表面に四塩化金酸(HAuCl4)から還元させた金を吸着、成長させる工程であり、該水中における四塩化金酸の濃度が1.0×10-7mol/dm3以上1.0×10-3mol/dm3以下である(1)に記載の穴あき中空シリカ粒子の製造方法、
(3) 前記樹脂粒子を水中に分散させた分散液がポリビニルピロリドンを含み、該ポリビニルピロリドンの重量平均分子量が、5000以上400000以下である(2)に記載の穴あき中空シリカ粒子の製造方法、及び
(4) 前記コア・シェル粒子を作製する工程において、樹脂粒子表面を被覆するシリカ層の平均厚みが2nm以上100nm以下とする(1)〜(3)のいずれかに記載の穴あき中空シリカ粒子の製造方法、
を提供するものである。
前記(2)の発明によれば、さらに前記貫通穴の大きさを制御しつつ、外殻に十分な大きさの貫通穴を有する穴あき中空シリカ粒子を効率的に得ることができる。
前記(3)の発明によれば、さらに前記貫通穴の大きさを制御しつつ、外殻に十分な大きさの貫通穴を有する穴あき中空シリカ粒子を効率的に得ることができる。
前記(4)の発明によれば、さらに中空粒子形状を維持しつつ確実にシェルに貫通する穴を形成することができ、外殻に十分な大きさの貫通穴を有する穴あき中空シリカ粒子を効率的に得ることができる。
本実施形態の穴あき中空シリカ粒子の製造方法は、表面に還元性の官能基を有する樹脂粒子を作製する工程と、前記樹脂粒子表面に金属微粒子を固定する工程と、前記金属微粒子を有する樹脂粒子表面をシリカ層で被覆しコア・シェル粒子を作製する工程と、前記コア・シェル粒子を加熱することにより前記樹脂粒子を分解、除去し、中空粒子を作製する工程と、レーザー光を照射することにより前記金属微粒子を除去すると共に、前記中空粒子のシェルに貫通穴を形成する工程とを有することを特徴とする。
<表面に還元性の官能基を有する樹脂粒子を作製する工程>
本実施形態における樹脂粒子は、後述するコア・シェル粒子のコア粒子となるものである。該樹脂粒子は、後述する樹脂粒子表面に金属微粒子を成長させる工程で、水溶液中で効率的に金属化合物から金属を還元させる観点から、表面に還元性の官能基(詳細には、水溶性貴金属化合物を還元する官能基)を有している必要がある。該官能基としては、アミノ基、アンモニウム基、水酸基、アルデヒド基、グリシジル基、チオール基等が挙げられる。これらの中では、特にアミノ基が好ましく用いられ、該アミノ基としては第1級アミノ基がより好ましい。
上記特定のモノマーの重合により官能基としてアミノ基を導入する場合に、好適に用いられるモノマーとしては、アミノアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル類、アミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル類、N−アミノアルキル基含有(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。また、アンモニウム基を導入する場合に好適に用いられるモノマーとしては、上記各モノマーの塩化メチレン、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等による4級塩等が挙げられる。
イオン交換樹脂は一般には次のようにして製造される。すなわち、スチレンとジビニルベンゼンとを混合し、重合開始剤を加えて、懸濁重合法によりラジカル重合を行って、三次元的に架橋された共重合体を得、この共重合体に官能基を導入することにより形成される。陰イオン交換樹脂とする場合には、ルイス酸の存在下、ハロアルキル化を行いハロアルキル基を導入し、次いでアミノ化を行う方法がとられる。したがって、イオン交換樹脂を用いる場合には、アミノ基、第4級アミノ基は、通常メチレン基、エチレン基などのアルキレン基を介してベースポリマーに連結されている。イオン交換樹脂には大別してゲル型とポーラス型(多孔性型)があり、ゲル型は、水中で膨潤して生じるミクロ孔を有し、この細孔内をイオンが移動する。この孔の大きさはジビニルベンゼンの架橋度によって決まり、ジビニルベンゼンが多いほどミクロ孔が小さい。一方、ポーラス型はミクロ孔以外にマクロ孔を有し、大分子量の分子が粒内に拡散できる構造となっている。
また、その大きさも特に制限されず、平均粒子径は金属微粒子を担持する樹脂粒子の用途に応じ適宜設定されればよいが、10nm以上1000nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以上1000nm以下、さらに好ましくは250nm以上 1000nm以下である。当該平均粒子径は、球状粒子の場合は直径、楕円形粒子の場合は、長径であり、透過型電子顕微鏡(TEM)観察から、粒子約100個の粒子径分布を作り、平均値を求めたものである。
本工程は、前記工程により得られた表面に還元性の官能基を有する樹脂粒子表面に金属微粒子を固定する工程である。本工程においては、例えば、還元性の官能基を有する樹脂粒子料を分散させた水溶液に金属化合物を加え、室温下で該水溶液を攪拌することにより金属イオンが金属原子に還元され、金属原子の凝集が起こり、樹脂粒子表面に金属微粒子が吸着、成長し固定される。
これらの金属化合物は単独で用いられてもよいし、必要であれば2種以上を併用してもよい。また金属化合物の水溶液は該金属化合物が水に溶解されたものであるが、必要であれば水の他に水溶性の有機溶剤が溶媒として含まれていてもよい。
特に用いる金属化合物が四塩化金酸(HAuCl4)である場合、四塩化金酸の濃度は1.0×10-7mmol/dm3以上1.0×10-3mmol/dm3以下であることが好ましく、より好ましくは1.0×10-6mmol/dm3以上5.0×10-5mmol/dm3以下である。濃度が1.0×10-7mmol/dm3より希薄すぎると金が樹脂粒子上に還元析出できなくなる場合があり、1.0×10-3mmol/dm3より濃厚すぎると、樹脂粒子上だけでなく溶液中でも金の還元析出が起こってしまう場合がある。また、四塩化金酸の濃度を上記範囲とすることにより、固定化される金微粒子の粒径を制御することができる。
金微粒子を固定化するための反応溶液として用いられる水は、水であればどのようなものでもよく特に限定されるものではないが、形成された金微粒子への不純物の混入、付着を防ぐ意味からも、蒸留、イオン交換処理、フィルター処理、各種吸着処理等により有機不純物、金属イオンを除去したものが好ましい。温度は、使用される樹脂粒子の軟化が起こらない範囲で、かつ溶剤の沸点以下、たとえば反応溶液として水を用いる場合、水の沸点(100℃)以下であればよく、特に限定されないが、通常0℃から90℃までの範囲とされる。
なお、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、THF(テトラヒドロフラン)を溶離液として、IR検出器を用いて測定を行った。その結果から、polystylene標準試料による検量線から数平均分子量を求めた。
なお、上記金属微粒子の平均粒子径も、前記同様、透過型電子顕微鏡(TEM)観察から、金属微粒子約100個の粒子径分布を作り、平均値を求めたものである。
本工程では、前記工程により得られた表面に金属微粒子が形成された樹脂粒子(以下、これを単に「コア樹脂粒子」と称する場合がある)の表面を、シリカ層により被覆してコア・シェル粒子を作製する。なお、本実施形態におけるシリカとは、無水物及び含水物を含む酸化ケイ素を意味する。
具体的に上記コア・シェル粒子は、例えば、前記コア樹脂粒子を分散させた分散体中に、シリコンアルコキシドと塩基性触媒とを加えて、シリコンアルコキシドの加水分解反応によって生じるシリカ層によって前記コア樹脂粒子の表面を被覆することによって形成される。
R1 dSi(OR2)4-d ・・・ (I)
(式中、R1、R2は独立して1価の有機基を示し、dは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(I)において、R1、R2で表される1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリル基、グリシジル基等を挙げることができる。なかでも、R1、R2で表される1価の有機基は、アルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
また、dは0または1であることが好ましく、0であることが特に好ましい。
上記アルコールとしては、2−プロパノール、エタノール、メタノールなどを用いることが好ましい。
本実施形態では、前記分散媒中に水を25質量%程度含むことが好ましい。
上記触媒として使用可能な塩基性化合物としては、例えば、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルメタノールアミン、N−エチルメタノールアミン、N−プロピルメタノールアミン、N−ブチルメタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン等のアミン類や、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド等のアンモニウム水酸化物、さらにはピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モルホリン、メチルモルホリン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどを挙げることができるが、これらの中ではアンモニアを用いることより好ましい。
上記塩基性化合物の使用量は、シリコンアルコキシド中の加水分解性基の総量1モルに対して、通常、0.00001〜20モルの範囲、好ましくは0.00005〜10モルの範囲である。
なお、前記のように、例えば金属微粒子を成長させる工程においてポリビニルピロリドンを使用し、そのままポリビニルピロリドンが本工程に持ち込まれる態様であってもよい。
本工程によって形成されるコア・シェル粒子におけるシリカ層(外殻、シェル)の平均厚みは、最終的な穴あき中空シリカ粒子が担体としての強度を維持できる範囲で薄い方が好ましく、中空部の平均直径(平均容積)は、例えば内包物を多く保持する観点から大きい方が好ましい。さらに、後述するシェルに貫通穴を形成する工程において、中空粒子形状を維持しつつ確実にシェルに貫通する穴を形成するために、シリカ層の厚みは特定の範囲にあることが好ましい。これらの観点から、シリカ層の平均厚みは、2nm以上100nm以下が好ましく、14nm以上32nm以下がより好ましい。
なお、上記シリカ層(シェル)の平均厚みは、シリカ層によって被覆されたコア・シェル粒子をTEM観察し、約100個の粒子について測定した厚みを平均することによって求められる。
本工程は、前記工程で得られたコア・シェル粒子を加熱することにより、樹脂粒子を分解することで、内部に空孔を有するシリカ系の中空粒子を作製する工程である。
上記中空粒子の製造は、前記で得られるコア・シェル粒子を、コアの重合体の種類により異なるが、好ましくは100℃以上、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは450℃以上に加熱して、コアを構成する樹脂粒子を分解しガス化させてコア・シェル粒子内部から飛散させ、粒子内部に空孔を形成することによりなされる。加熱する際の雰囲気は、特に限定されず、空気、酸素存在下以外にも、真空中、不活性ガス雰囲気中で行うことができる。
本工程を経ることにより、前記コア・シェル粒子におけるコア(樹脂粒子)が消失し、シリカ層(シェル)の内面に金属微粒子が残存した中空粒子を得ることができる。
本工程は、前記工程により作製された中空粒子に対してレーザー光を照射して、シリカ層(シェル)の内面に固定された金属微粒子をプラズモン励起させ、金属微粒子が破壊されるとともに当該箇所のシリカ層をも破壊して、中空粒子のシェルに貫通穴を形成する工程である。
なお、上記貫通穴の平均径は、本工程後の中空粒子をTEM観察し、約100個の粒子に存在する全ての貫通穴の最大幅を測定し、これらを平均することによって平均径とした。
なお、各工程で得られる樹脂粒子、金属微粒子及びコア・シェル粒子の平均粒子径、中空粒子におけるシリカ層厚、貫通穴の平均径等の諸特性は下記の方法に従って測定した。
(金微粒子の樹脂粒子表面への固定)
樹脂粒子としては、アミノ基含有ポリスチレン(PS)粒子を使用した。
まず、ポリビニルピロリドン(PVP、キシダ化学社製、商品名:ポリビニルピロリドン K−30、重量平均分子量Mw:40000)0.144gを、サンプル瓶中で超純水20cm3に希釈し、10分間超音波処理を行って完全に分散させたPVP分散液を作製した。
一方、前記アミノ基含有ポリスチレン粒子分散液(フナコシ(株)製、Polybead Amino Microspheres、アミノ基含有量:0.125meq/g、固形分:2.5質量%、平均粒子径:1.0μm)0.1gをマイクロチューブ内で超純水1cm3に希釈し、15000rpmにて5分間遠心分離した後、上澄みを除去した。
図に示すように、ポリスチレン粒子表面に金微粒子がほぼ均一に担持されていることがわかる。この観察から、金微粒子の平均粒子径は12nmであった。また、粒子同士は凝集することなく安定に存在していたため、金微粒子を担持したポリスチレン粒子全体がPVPによって修飾されていると考えられる。なお、超音波処理をしても金微粒子は粒子表面から離れることなく強く結合していた。
前記工程で作製した金微粒子を担持したポリスチレン粒子を、サンプル瓶中で2−プロパノール20cm3及び超純水5cm3の混合溶液に希釈した。この溶液を約1000rpmで激しく撹拌しながら、濃度25質量%のアンモニア水溶液0.8cm3を加え、そのまま撹拌しながら、即座にこれにテトラエトキシシラン(TEOS)30mm3を加えた。その後、蓋をして24時間ゆっくりと撹拌した。なお撹拌中はホットスターラー上部にアルミホイルを被せて遮光した。反応終了後、4000rpmで15分間遠心分離を行って粒子を分離し、上澄みを除去した後、エタノールで3回洗浄することにより、前記金微粒子を担持したポリスチレン粒子がシリカ層によって被覆されたコア・シェル粒子を回収した。
図に示すように、シリカ層が金微粒子を担持したポリスチレン粒子表面に均一な膜厚で形成され、外殻(シェル)を形成していることがわかる。また、シリカ層からなるシェル表面は滑らかであり、層厚は32.0nmであった。
前記工程で得たコア・シェル粒子(シリカ層で被覆された金微粒子担持ポリスチレン粒子、ポリスチレン量で25mg分)を0.5cm3程度のエタノールに分散させ、サンプル瓶中で減圧乾燥させた。次いで、乾燥させた粒子をサンプル瓶ごと450℃で2時間焼成した。焼成後の粒子が付着したサンプル瓶にエタノール0.5cm3を加え、数秒間の超音波処理にて分散させた。
図に示すように、450℃での焼成によってコア・シェル粒子におけるコアであるポリスチレン粒子が除去できたことがTEM写真のコントラストからわかる。また、中空粒子の内側に金微粒子が残存していることが、写真の黒点として確認できる。
前記工程で得た中空粒子を、開口の1辺が1cmの石英セル中でエタノールに希釈し、波長532nmでの吸光度が0.15になるように濃度を調整した。次いで、パラフィルムで石英セルに蓋をし、溶液を窒素ガスで緩やかにバブリングしながらYAGレーザーによりレーザー光(波長:532nm、強度:200mJ/パルス、周波数:10Hz)を3分間照射した。
図4(A)に示すように、レーザー照射により、図3における中空粒子の金微粒子に相当する箇所が白く抜けていることがわかる。また図4(B)に、該白く抜けている部分を拡大して示すが、当該部分は明らかに円形状の穴であり、この穴は中空粒子におけるシリカ層(シェル)を貫通していることがわかる。また、図5にレーザー光照射前後の中空シェル粒子の紫外・可視吸収スペクトルを示すが、照射前(0min)に比べて照射後(3min)では、金微粒子のプラズモン由来のピーク(520nm)が大きく減少していることがわかる。この結果は、中空粒子において金微粒子が消失、または小さくなっていることを示している。
以上の結果から、中空粒子のシェルに形成された貫通穴は金微粒子に由来し、レーザー光照射により金微粒子がプラズモン励起され、破壊、消失するとともに当該箇所のシリカ層を破壊することにより形成されることが確認された。
実施例1の金微粒子を樹脂粒子表面に固定する工程において、反応液内のHAuCl4濃度を第1表に示すように各々変更した以外は、実施例1と同様にしてコア・シェル粒子、中空粒子、さらに穴あき中空シリカ粒子を作製した。
各々における金微粒子粒径、シェル厚み、貫通穴径をまとめて第1表に示す。
実施例1のコア・シェル粒子を作製する工程において、シランカップリング剤(テトラエトキシシラン(TEOS)/テトラメトキシシラン(TMOS))の種類と配合量とを第1表に示すように各々変更した以外は、実施例1と同様にしてコア・シェル粒子、中空粒子、さらに穴あき中空シリカ粒子を作製した。
各々における金微粒子粒径、シェル厚み、貫通穴径をまとめて第1表に示す。
ることが可能であることがわかる。また、同一反応系でシランカップリング剤の種類、添加量を変化させることにより、シェル層の厚みを変えることが可能であることがわかる。
実施例1の金微粒子を樹脂粒子表面に固定する工程において、HAuCl4濃度、及びPVPの重量平均分子量Mwや添加量を第1表に示すように各々変更した以外は、実施例1と同様にしてコア・シェル粒子、中空粒子、さらに穴あき中空シリカ粒子を作製した。
各々における金微粒子粒径、シェル厚み、貫通穴径をまとめて第1表に示す。
特別な表面処理を行っていない、汎用のポリスチレン粒子(Polysciences, Inc.製、ポリスチレンミクロスフェア、平均粒径:500nm)を用い、実施例1と同様の処理により金微粒子の樹脂粒子表面への固定を行ったところ、ポリスチレン表面への金微粒子の高分散な担持は起こらなかった。このことは、前記実施例では表面に存在する還元性の官能基を起点とした、金属イオンの還元析出により、ポリスチレン表面への金属微粒子の担持が可能となることを示す。
実施例1において、金微粒子を樹脂粒子表面に固定する行程を行わなかった以外は実施例1と同様にしてコア・シェル粒子、中空粒子を作製した。これにレーザー光を照射したもののTEM写真を図6に示す。レーザー照射前の中空粒子と形状に変化は見られず、シリカ層の破壊は金を担持したのち、レーザー光を照射することで起こることがわかる。
Claims (4)
- 表面に還元性の官能基を有する樹脂粒子を作製する工程と、
前記樹脂粒子表面に金属微粒子を固定する工程と、
前記金属微粒子を有する樹脂粒子表面をシリカ層で被覆しコア・シェル粒子を作製する工程と、
前記コア・シェル粒子を加熱することにより前記樹脂粒子を分解、除去し、中空粒子を作製する工程と、
レーザー光を照射することにより前記金属微粒子を除去すると共に、前記中空粒子のシェルに貫通穴を形成する工程とを有する穴あき中空シリカ粒子の製造方法。 - 前記樹脂粒子表面に金属微粒子を固定する工程が、水中に分散させた樹脂粒子表面に四塩化金酸(HAuCl4)から還元させた金を吸着、成長させる工程であり、該水中における四塩化金酸の濃度が1.0×10-7mol/dm3以上1.0×10-3mol/dm3以下である請求項1に記載の穴あき中空シリカ粒子の製造方法。
- 前記樹脂粒子を水中に分散させた分散液がポリビニルピロリドンを含み、該ポリビニルピロリドンの重量平均分子量が、5000以上400000以下とする請求項2に記載の穴あき中空シリカ粒子の製造方法。
- 前記コア・シェル粒子を作製する工程において、樹脂粒子表面を被覆するシリカ層の平均厚みが2nm以上100nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の穴あき中空シリカ粒子の製造方法。
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