JP5518553B2 - 相互学習による建築物の省エネルギー化ユニット及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の運用時における省エネルギー化または二酸化炭素排出量の極小化を図る(以下、特に分けて記載しない限り、単に省エネルギー化ということがある)ことができるユニット及びシステムに関し、具体的には、省エネルギー化の対象となる建築物以外の他の建築物の運用条件を参照して省エネルギー化することができる省エネルギーユニット及びそれを用いたシステムに関する。
住宅、工場、オフィスビル、商業ビル、ホテル、病院等といった建築物の運用時における省エネルギー化のためには、対象となる建築物に設けられた窓やドアの開閉状況、部屋の利用状況、在室人員、空調、エアコン、換気装置やボイラー等の稼働状況といった、建築物の各種設備類の動作状況が何らかの方法で管理されなければならない。
このためのシステム等としては、人為的に操作された設備機械のエネルギー消費を計測し、エネルギー消費があらかじめ人為的に定められた目標値との解離が大きくなった場合に警告等を出力するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、設備類の計測されたエネルギー消費値と、システムが定める管理目標値とに基づき、設備類を直接制御し、その際、管理目標値として、例えば、空調に関して快適指数(Predicted Mean Vote(PMV))等を目標として用いる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、運用条件の最適化のためにシミュレーションを用い、第一の運用条件で建物が実際に運用された場合の運用データに、第一の運用条件に基づいたシミュレーションの結果と第二の運用条件に基づいたシミュレーションの結果との比を掛けて、第二の運用条件で建物が運用されたと仮定した場合の運用データを算出することで、シミュレーションの精度を改善し、熟練者による操作、管理又は調整の必要性を大幅に低減させた建物運用最適化支援システムが開示されている(特許文献3参照)。
しかし、これらのシステムは、いずれも対象となる建築物の運用を別個独立に行っているだけであり、省エネルギー化の程度がその建築物の運用管理を行う担当者個人の知識や技術に依存してしまう問題点がある。また、同一の環境条件や建築構造を有する建築物は二つと無いことから、個別の建築物で省エネルギー化を図ったつもりでいても、その建築物が理想的にはどの程度まで省エネルギー化できるのかを客観的に把握することはできない。さらに、たくさんの建築物や設備の中には、対象建築物の運用より優れた運用を行っているものが存在している可能性があるが、環境条件の違いを認識したうえで、そのような設備や建築物を見つけ出して参照することもできない。これらのため、建築物ごとの省エネルギー化の程度が、実質的に区々になってしまう問題点がある。
特開2005−261050号公報 特開2007−162982号公報 特開2008−40865号公報
本発明は、対象建築物における省エネルギー化の程度が、その建築物の運用を行う担当者の知識や技術に依存せず、最善の省エネルギー化を達成している他の建築物と同等の省エネルギー化が行えるユニット、及びそれを用いたシステムを提案することを課題とする。
発明の第1は、建築物の省エネルギー化のためのユニットであって、ユニットが担当するセンサー類からの情報を受け取る入力手段と、他のユニットと相互に通信可能な通信手段と、ユニットが設置された対象建築物の位置、構造、環境条件の情報及び、ユニットの担当センサー類と担当設備類とを特定する情報が、異なるユニット間で情報交換可能な形式で格納されたユニット固有情報格納手段と、対象建築物に設置された他ユニットである内部ユニットと、対象建築物以外の建築物に設置された他ユニットである外部ユニットとを、前記ユニット固有情報により識別する識別手段と、前記識別手段により識別された内部ユニットのエネルギー計算式を読み出し、ユニットにあらかじめ用意された運用条件のいずれかを選択し、対象建築物全体のエネルギー計算式を構成してシミュレーションを行い、対象建築物のエネルギー収支を最適化する内部最適化手段とユニットと関連した建築条件を有する他のユニットを検索する手段であって、前記他のユニットとして、他の内部ユニットに加え、前記識別手段により外部ユニットと判定されるユニットを含めて検索する関連ユニット検索手段と、関連ユニット検索手段により検索された他の内部ユニット及び外部ユニットから、ユニットに対応する運用条件を読み出し、読み出した運用条件と全体エネルギー計算式とを用いてシミュレーションを行い、対象建築物のエネルギー収支を最適化する内外部分最適化処理手段と、前記の最適化された運用条件と前記担当センサー類からの情報とに基づいて、ユニットが担当する設備類を操作する操作手段と、を備えたことを特徴とするユニットである。
ここで、前記の識別手段と前記の内部最適化手段とが、ユニットが新たに対象建築物に設置されたか、または再起動されたあとに実行されることは望ましい。また、前記の担当設備類の動作が他の設備類にエネルギー的に影響を及ぼすか否かをあらかじめ特定する関係性テーブルを備え、前記関係性テーブルの情報により、前記内部最適化手段の最適化処理を行う範囲を切り替えることは望ましい。また、前記の関連ユニット検索手段は、ユニットと、エネルギー収支的に同様のパターンにより担当設備類の制御を行うであろう他のユニットを検索するものであることは望ましい。また、ユニットが対象建築物に新しく設置されたか再起動された初期段階と、その後の定常運転において他のユニットが新しく設置されたか再起動された段階と、の少なくとも二段階において、省エネルギー化の最適化処理を行うことは望ましい。また、前記初期段階では、ユニットにあらかじめ格納された複数の運用条件の範囲で行う最適化処理と、関連ユニットの検索により読み出された複数の運用条件の範囲で行う最適化処理とを行い、少なくとも三段階の最適化処理を行うことは望ましい。また、前記の最適化処理の少なくとも1つが、遺伝的アルゴリズムにより実行されるものであることは望ましい。
発明の第2は、前記のいずれかのユニットが、通信ネットを介して互いに通信可能に接続されていることを特徴とする建築物の省エネルギー化システムである。ここで、前記のユニットが、他のいずれのユニットとも並列関係にあり、柔軟に設置・廃止ができることは望ましい。また、新たなユニットが追加されるか、又は既設のユニットが再起動された場合に、新たな運用条件の候補がシステムに導入されることは望ましい。
発明の第3は、建築物の省エネルギー化のためのサーバであって、サーバが複数のクライアントと通信可能な通信手段と、クライアントが設置された対象建築物の位置、構造、環境条件の情報及び、クライアントの担当センサー類と担当設備類とを特定する情報が、異なるクライアント間で比較対象可能な形式で格納されたクライアント固有情報格納手段と、対象建築物に設置された他クライアントである内部クライアントと、対象建築物以外の建築物に設置された他クライアントである外部クライアントとを、前記クライアント固有情報により識別する識別手段と、前記識別手段により識別された内部クライアントのエネルギー計算式を読み出し、サーバにあらかじめ用意された運用条件のいずれかを選択し、対象建築物全体のエネルギー計算式を構成してシミュレーションを行い、対象建築物のエネルギー収支を最適化する内部最適化手段と、クライアントと関連した建築条件を有する他のクライアントを検索する手段であって、前記他のクライアントとして、他の内部クライアントに加え、前記識別手段により外部クライアントと判定されるクライアントを含めて検索する関連クライアント検索手段と、関連クライアント検索手段により検索された他の内部クライアント及び外部クライアントから、クライアントに対応する運用条件を読み出し、読み出した運用条件と全体エネルギー計算式とを用いてシミュレーションを行い、対象建築物のエネルギー収支を最適化する内外部分最適化処理手段と、を備えたことを特徴とするサーバである。
発明の第4は、前記に記載のサーバと、前記サーバと通信可能に接続された複数のクライアントとを備えた省エネルギー化システムであって、前記クライアントは、担当するセンサー類からの情報を受け取る入力手段と、担当する設備類を操作する操作手段と、前記サーバと通信可能な通信手段とを備えたものであることを特徴とする省エネルギー化システムである。
個別の建築物の運用を担当する個人の技術や知識に依存することなく、客観的に最適な運用条件で省エネルギー化や二酸化炭素排出量の極小化を図ることが可能になる。省エネルギー化や二酸化炭素排出量の極小化の対象建築物のみならず、その他の建築物を含めた多くの建築物のうちで、最高の省エネルギー化や二酸化炭素排出量の極小化を達成している建築物とほぼ同等の省エネルギー化や二酸化炭素排出量の極小化が、時間の経過に伴い自動的に達成できる。
複数のユニットを通信ネットを介して互いに通信可能に接続したシステムの概念図である。 ユニットの概略構成を示したブロック図である。 ユニットの初期処理フローの概略を示したフローチャートである。 ユニット初期処理部と他の手段との関係を示したブロック図である。 S100ステップの詳しい処理を示したフローチャートである。 内部・全体最適化処理部と他の手段との関係を示したブロック図である。 S200ステップの詳しい処理を示したフローチャートである。 内部・局所最適化処理部と他の手段との関係を示したブロック図である。 S300ステップの詳しい処理を示したフローチャートである。 関連ユニット検索処理部と他の手段との関係を示したブロック図である。 S400ステップの詳しい処理を示したフローチャートである。 内外部分最適化処理部と他の手段との関係を示したブロック図である。 S500ステップの詳しい処理を示したフローチャートである。 複数の設備類を担当するユニットの初期処理フローの概略を示したフローチャートである。 ユニットの定常処理フローの概略を示したフローチャートである。 運用処理部と他の手段との関係を示したブロック図である。 追加部分最適化処理部と他の手段との関係を示したブロック図である。 S800ステップの詳しい処理を示したフローチャートである。 複数の設備類を担当するユニットの定常処理フローの概略を示したフローチャートである。 クライアントサーバ型のシステムにした場合の概略構成を示した図である。
図面も参照しながら、発明の実施の形態について説明する。ここにいう建築物とは、その内部または周辺で人間又は機械が日中や夜間にエネルギーを消費して様々な活動を行っている一の建物または二以上の建物の集合体であって、一体としてエネルギー管理を行っている単位を言う。建築物の用途は、事務所、住宅、工場、商業ビル、ホテル、病院等のいずれでも良いし、複数の用途の建物の集合体であっても良い。さらには、一体としてエネルギー管理を行っている単位であれば、互いに隣接又は近接して建設された複数の建物、道路設備、照明設備、交通設備、駐車設備、送電や発電を行う電力設備、給湯設備等を含む一定の地域であっても良い。
なお、特定のユニット(自ユニットということがある)に注目した場合に、それが設置されている特定の建築物を対象建築物と言い、他のユニットが設置されている他の建築物と区別して説明する。また、対象建築物に設置された複数のユニットを、注目している自ユニットを含めて内部ユニットと言い、対象建築物以外の他の建築物に設置されているユニットを外部ユニットと言う。
また、設備類とは、対象建築物に備えられた建築装置と設備機械とを含めたものを言い、建築装置とは、建築物の一部として設置され、建築物の外と内との物質交換やエネルギー交換を制御しつつ行うための出入り口となる装置であり、例えば、開閉機構を有する窓・や換気口(以下、代表して単に窓という)、開閉機構を有するドアやシャッター等の扉類や同様に稼働可能な屋根、庇、ルーバー等(以下、代表して単にドアという)を言い、さらには、外気に接する固定屋根や壁や通常のガラス窓のような、日常の運用では多くの場合に熱の出入りを無視する要素も含めている。このような要素は日常的に制御することは困難であるが、省エネルギー化のために改善すべき要素と考えられるからである。また、設備機械とは、動作に伴いエネルギーを消費または生成する機械類であって、操作パネルや設備制御部等を介して任意に制御できるものを言い、エネルギーを直接消費するか又は間接的に建築物のエネルギー消費に影響する機械類、例えば、空調機、換気機器、照明機器、熱源機器、ボイラー、冷却塔、ヒートポンプエアコン等の設備機器類、給排水ポンプ、給湯機器、燃料電池などの給排水衛生ガス機器、受変電設備、発電機、蓄電池、キャパシター等の電気設備機器及び、冷蔵庫、温蔵庫、複写機、コンピュータ、プリンタ等の電気エネルギーを利用する機器、ガスコンロ、石油ストーブ等の化石燃料を利用する機器類等が挙げられ、さらには、太陽光発電装置や風力発電装置のごとく自らエネルギーを生成できる機械類も挙げられる。
図1は、ユニットを用いた省エネルギーシステムの実施形態例の概略構成を示した概念図である。破線で囲まれた建築物50〜52のそれぞれに複数のユニット1が設置されており、各ユニットは、対象建築物のうちの自らの担当部分について、センサー類21、31と担当する設備類を制御できる設備制御部42とを備えている。そして、各ユニットは通信ネット12を介して相互に通信可能に接続されており、相互に自律的に通信することができる。各ユニット1の通信ネット12との接続方法は、各ユニット1が独立して通信ネット12に接続するのでも良いし、建築物内部で無線又は有線でLANを構築し、LANからまとめて通信ネット12に接続する形態等でも良い。通信ネットは、インターネットでも良いし、携帯電話網、PHS網、イントラネットのごときクローズドな無線又は有線のネットワークでも良い。
ユニットは、対象建築物の同じ部屋ごと、同じ階ごと、同じコンセントごとのように、接続の手間がかからないか又は接続への支障が少ない比較的近接した範囲ごとにユニットを一台ずつ設置し、建築物全体では複数台のユニットが設置されるようにする。このようにすることで、対象建築物の構造上、センサー類や設備類の多くは互いに離れた位置に点在しているにも係わらず、その後の増改築や設備の増減などの変更があっても、その変更された部分だけについて、新たなユニットを設置したり廃止したりすればよい。つまり、各ユニットはいずれも対等で優位劣位の関係がない並列関係にあるから、建築物の構造や設備類の設置・廃止に応じて柔軟に変化可能なシステムを構築することができる。なお、各ユニットと担当設備類や担当センサー類との接続は、有線によるものでもよいし、無線によるものでも良い。
図2は、ユニット一台の概略構成を示したブロック図である。ユニットは、ハードディスクやフラッシュメモリのごとき情報の記憶手段200と、記憶手段200から読み出したコンピュータプログラムと、それにより動作するCPUとからなる制御部100とを備えたコンピュータであり、さらに、通信ネット12に接続してユニット間で通信可能にすると共に、気象庁他から雨量、風速、風向き等の外部データを通信ネットを経由して随時入手するための通信手段10、ユニットに接続されて、建築物の周辺や内部の、温度、湿度、風向、気圧、日照、室内にいる人数等の環境を計測する環境センサー21からの情報を受け付ける環境センサー入力手段20、ユニットが担当する設備類41が人間等によりシステム外部から操作されたことを、操作センサー31を介して感知する操作感知手段30、ユニットが担当する設備類41を設備制御部42を介して制御できる設備操作手段40等の各種のインターフェイスを備えている。なお、簡単のために、以下では、まず自ユニットの担当設備類が一つだけの場合で説明し、その後、図13で、自ユニットの担当設備類が複数である場合の処理について説明する。
まず記憶手段200について説明する。なお、各ユニットの記憶手段に格納される情報は、いずれも他のユニットと共通のプロトコルに従って生成・格納されており、ユニット間で互いに情報の比較対照や情報交換を行うことができる。このことは建築物の構造や環境に関する情報やセンサー類の計測情報、また、設備類のエネルギー収支計算式や運用条件に関しても同様である。
ユニット固有情報テーブル210は、個々のユニットに特有の情報、例えば、ユニットを特定して他のユニットと区別するための識別情報、対象建築物を特定できる名称、住所、緯度・経度、郵便番号等の建築物特定情報、対象建築物の用途、建築物中のユニットが設置されている位置を特定する情報、担当センサー類の識別情報や設置位置情報、担当設備類の識別情報や種類や設置位置情報、ユニットが担当する範囲の延べ床面積や空調面積等を格納している。さらには、対象建築物の全部またはユニット担当範囲の構造情報、具体的には、建築物が木造か鉄筋コンクリートか等の基本構造情報、担当範囲の階数、窓やドアの位置、窓や壁の方角、壁の断熱性能、壁の向こう側が外気か廊下か部屋か等の識別情報を格納しており、また、対象建築物特有の環境情報、例えば、対象建築物のどの外壁面に、晴天下で一日のうちに何時間太陽光があたるかの日当たり情報等を格納している。また、ユニット担当範囲のエネルギー収支を計算するために必要な計算項目情報等も格納している。これらはユニットが最初に設置される際に、あらかじめ入力・格納される。このような情報を格納することで、ユニットがどの建築物のどの設備類を制御対象にしているのかが特定でき、後述の内部ユニットと外部ユニットとを区別することも可能になる。
内部ユニット特定テーブル220は、システムを構成する複数のユニットのうち、いずれのユニットが、対象建築物に設置された内部ユニットであるかを特定する情報を格納している。このテーブルは、ユニット初期処理部110の処理により、ユニットが設置されたあとの初期処理で生成される。また、新しいユニットがシステムに追加され、それが内部ユニットであった場合に追記される。このテーブルを用意しているのは、対象建築物以外の建築物にも他のユニットが設置されていることから、それらの他のユニットと対象建築物に設置されて省エネルギー化を図る範囲である内部ユニットとを区別するためである。このテーブルを格納していることで、いちいち検索を行わなくとも容易に内部ユニットと外部ユニットとを識別することができ、対象建築物のエネルギー収支を容易に求めることが可能になる。
関係性テーブル230は、各担当設備類が動作した場合に、エネルギー的に他のどのような設備類の動作に影響を及ぼすかを特定し、影響を受ける設備類の運用条件をどのように変化させるかを特定したテーブルであり、担当設備類ごとにあらかじめ定められており、ユニットが担当する設備類が確定したあとに情報が入力・格納される。このテーブルが設けられているのは、各種の設備類の制御は、他の設備類の制御に対し、温度や日照等を経由して影響を与えるため、その影響をあらかじめ特定するためである。関係性テーブルは、内部ユニットの少なくとも1つに何らかの変化が生じた場合、例えば、新たな内部ユニットが加わる、新たなソフトウェアが少なくとも1つの内部ユニットに加わる、いずれかの設備機器の設定値変更があったり、担当設備機器が変更になったり撤去されたりした等の場合に、既設ユニットの関係性テーブルの修正が発生する。新しいユニットがシステムに追加された場合には、新しいユニットに格納された関係性テーブルに基づいて既設ユニットの関係性テーブルが追記される。
ちなみに、設備類がエネルギー的に他の設備類に影響を及ぼす場合とは、例えば、窓の開閉装置や換気ファンの動作状況は、換気により室内温度や湿度を変化させることで、空調機の動作負荷に影響を与えるし、製造機械類や事務機械類の動作状況は、動作に伴う発熱によりやはり空調機の動作負荷に影響を与える。また、ブラインドの角度を調整する装置の動作状況により、室内への太陽光の取り入れ量が変化するから、照明負荷や空調負荷に影響を与える。また、ある部屋を空調する空調機の動作状況は、その部屋につながった他の部屋や廊下の空調機の動作状況に影響する。また、空調機の動作状況は、空調機の影響下にある室内に設置された冷水器や冷蔵庫等の動作負荷に影響する。また、断熱性能の低い壁の存在や南側に設置されて日当たりの良い壁の存在や逆に日当たりの悪い壁の存在などは、その壁によって外気から仕切られている内部空間の空調負荷に影響する。これはガラス窓や固定屋根に関しても同様である。一方、事務室等の通常の照明負荷は、点灯により一定の発熱が生じるもののその量が比較的小さいことから、他の設備類への影響をほぼ無視することができるから、関係性テーブルに格納しなくともよい。
このような関係性テーブルを格納していることで、設備類間のエネルギー的な影響の有無が明らかになり、また、影響を受ける設備類の運用をどのように変化させればよいかが特定されるから、省エネルギー化に向けた最適化処理がより簡単になる。
内部ユニット情報テーブル240は、ユニット固有情報テーブル210に格納されている計算項目情報に従って、各内部ユニットから読み出した、実際の運用で使用されているエネルギー収支計算式の情報と運用情報とを格納したテーブルである。このテーブルを用意していることで、ユニット内部で対象建築物全体のエネルギーシミュレーションを随時行うことができるようになる。このテーブルは、各ユニットで用いられるエネルギー収支計算式の情報と運用情報とが変更されるたびに、それに合わせて更新される。
関係式・条件テーブル250は、新たなユニットを設置する前に、ユニットの担当設備類に適すると思われるエネルギー収支計算式と運用条件との組み合わせを複数組あらかじめ用意し、格納したものである。エネルギー収支計算式は、ユニットの担当範囲に関してエネルギーの生成や消費を生じる計算項目を加えて、担当範囲のエネルギー収支を求める式であり、運用条件とは、季節や時間帯、建物の利用特性によりどの要素や範囲にどの程度の重みをつけて制御するか、を定めたものである。
自然環境を考えて制御をおこなう場合、エネルギー収支の変動には様々なパターンがあり得るため、期間に関係なく担当範囲全体を支配する要件は何かとか、期間限定で支配的になる要因は何かとかが問題となる。例えば、一年365日のうち、ある一日だけを他の日と異なるパターンで制御することで年間のエネルギー消費が低減することもあるし、逆に毎日の状況を左右する要因を正確に制御した方がいい場合もあり得る。同様なことは一日のうちにも生じるし、また、季節ごとに生じることもある。例えば、冬の空調では日射量をメインに制御するのが望ましいが、夏の空調では人員移動をメインに制御をした方がいいという運用条件等があり得る。これにより制御の効率化を図ることができる。
さらに、担当設備に関しても同様であり、例えば、短時間運転で省エネルギーになるものと長時間運転で省エネルギーになるものがあるし、冷水をつくる冷凍機の中には外気温度・湿度の違いによって効率が変化するものがある。また、夜に熱をためて、昼間の熱を節約して、昼夜トータルでの省エネルギーを図ったり、土日に熱をためて平日の熱を減らすことで、一週間を単位として省エネルギーを図ることもあるので、それぞれの設備類にとって適すると考えられる運用条件等をあらかじめ複数種類用意しておく。このようにして、担当範囲に適すると考えられる運用条件等を、あらかじめ検討していくつかの候補を関係式・条件テーブル250に格納しておく。
このようにすることで、まずはこの組み合わせから最適化の条件を探索することができるから、最適条件に到達しやすくなる。また、システムに新たなユニットが設置されるごとに、それまでに各ユニットで使用されているものと異なるエネルギー収支計算式や運用条件がシステムに導入される可能性があるから、他のユニットでもより省エネルギー化のレベルが向上する可能性が生じる。
制御履歴情報テーブル260は、ユニットの担当設備類に関して、過去にどのような制御を行ったかの履歴を格納したテーブルである。このようなテーブルを用意することで、いったんは実運転に採用された運用条件等を、その後の状況変化に伴い、元の運用条件等に戻すことが可能になる。また、事前のシミュレーションでは省エネルギー化の改善に効果があると判断された運用条件が、その後の実運用で効果が無いことが判明した場合に、自己相関による評価を行うことにより元の条件に戻すことが可能になる。また、例えば、一年前の同じ季節には最適であったが、その後の季節の変化で最適ではなくなった運用条件を、再び季節が巡ってきた際に再度用いるようなことも可能になる。
最適式・条件特定テーブル270は、対象建築物のエネルギー収支の計算に必要な計算項目と、他の内部ユニットと自ユニットの担当設備類とに関して、最適化処理で最適と判断されたエネルギー収支計算式と運用条件とを格納したテーブルである。このテーブルは、ユニット初期処理部110の処理により計算項目とエネルギー収支計算式と運用条件とが格納され、最適化処理によりそれらが変更されるたびに更新される。
関連ユニット特定テーブル280は、関連ユニット検索部140が、後述の検索範囲テーブル310を参照して、内部ユニット外部ユニットを問わずに各ユニットを検索して抽出した関連ユニットの識別情報等を格納したテーブルである。ここで関連ユニットとは、自ユニットや対象建築物の省エネルギー化のレベルを改善できる可能性のある新たな運用条件等を用いているかもしれないユニットを言い、そのようなユニットを探索する観点から、担当設備類の特性等に基づいて検索項目をあらかじめ選択して検索する。例えば、対象建築物と用途が同種である建築物のユニットや、担当設備類と同種の設備類を備えている建築物のユニット等であり、関連ユニット特定テーブル280には、関連ユニットの識別情報といずれの検索項目にヒットしたかの情報を格納している。このテーブルは、初期処理の検索処理で生成され、その後の定常処理では、新たなユニットが追加されたり、既設のユニットの内容が変更されて再起動された場合に更新される。
計測情報テーブル290は、担当センサー類から随時送られてくる計測情報を格納するテーブルである。このテーブルに格納された情報を用いて、最適処理におけるシミュレーションを行う。
検索範囲テーブル300は、関連ユニットを検索する際の検索項目に関して、関連ユニットと言える範囲、すなわち、自ユニットとエネルギー的に同様のパターンにより設備類の制御を行うであろうユニットを、システムから探索できる検索項目とその範囲をあらかじめ特定して格納したテーブルである。検索項目としては、関連ユニットを特定し易いであろう検索項目、例えば、建築物の用途、設備類の種類、建築物や担当範囲の延べ床面積、空調面積、建築物の基本構造、担当範囲の日当たり情報等を用いることができ、自ユニットの担当範囲と担当設備類の特性を前提としてあらかじめ定めて格納されている。
また、関連ユニットといえる範囲としては、例えば、検索項目が建築物の用途の場合、対象建築物の用途が通常のオフィスであれば、平日の昼間のエネルギー消費が大きくて夜間や土日祝日は小さいパターンをとるのが通常だから、関連ユニットの建築物の用途としては、同じ通常のオフィスに加え、同様のパターンをとるであろう病院、学校、深夜操業を行わない工場等が検索されるようにしている。また、対象建築物の用途が家族用マンションであれば、関連ユニットの範囲としては家族用マンションのみならず、エネルギー消費パターンが近いと考えられる一戸建て住居も検索されるようにしている。
同様に、設備類の種類という検索項目に関しても、担当設備類とエネルギー収支的に同種類の挙動を示すと考えられる設備類を担当するユニットを検索できるようにしている。例えば、対象建築物の設備類がターボ式冷凍機と冷温水ポンプ3台の組み合わせの場合に、同等のターボ式冷凍機に冷水ポンプを2台または1台を組み合わせた設備類を担当するユニットも検索されるようにしている。これは、3台の冷温水ポンプは最大容量運転の時に利用するが、温度負荷が小さい場合には2台または1台で運転する場合もあり、ポンプの運転台数が異なる各々の場合ごとに最もエネルギー効率のよい運転条件が異なることから、それぞれの場合の運転条件を互いに参照可能であることによる。
また、延べ床面積や空調面積という検索項目に関しては、エネルギー的に同様のパターンを示すと考えられる範囲を特定しておけば良く、ここでは、±50%増減した範囲のそれぞれの面積を担当するユニットを検索するように定めている。他の検索項目に関しても同様に、エネルギー的に同様のパターンを示すものを検索する観点で範囲を定めている。もっとも増減する範囲の数字は必要に応じて適宜変更して用いればよい。
このような範囲で検索された関連ユニットは、自ユニットにとって、ユニットが制御すべき条件がエネルギー収支の観点から近似しており、しかも、関連ユニットを管理している技術者の技能や知識が優れたりしていた場合に、省エネルギー化に関する現行の運用条件より優れた運用条件を適用している可能性がある。そこで、そのような関連ユニットを検索することで、より優れた運用条件が導入可能になる。
なお、記憶手段200には、例えば、初期処理フロー及び定常処理フローを含む全体のフローを制御する基本プログラムのように、ユニットの動作には必要であるが、図2には図示されない他の情報も格納されている。
次に、図1に示したシステムに、新たなユニット一台が追加されたか、または既設のユニットの一台がその設定を変更されて再起動したかの場合における、そのユニット(自ユニット)の処理フローを例に挙げて、図2に示されたユニットの制御部100の機能の説明を行う。図3は、そのような場合に、新たに追加等されたユニットの初期処理フローを示したフローチャートである。以下、図3〜図13を用いて初期処理フローの説明を行う。
新たなユニット一台が対象建築物に設置されて図3の初期フローがスタートし、まず自ユニットに関する初期処理ステップが実行される(S100ステップ)。このステップを実行するユニット初期処理部110とユニット内部の他の手段との関係を図4に示した。図4の矢印は情報の主な流れ方向を示すもので、以下同様である。図5は、S100ステップの内容をさらに詳しく示したフローチャートである。まず、システムの他のユニット全部を検索し、各ユニットのユニット固有情報テーブル210から、自ユニットが設置された建築物を特定できる建築物名称と住所とを読み出し、自ユニットが設置された建築物の名称と住所とを比較して、自ユニットと同じ建築物に設置されたユニットを特定し、これらを内部ユニットとしてその識別情報を内部ユニット特定テーブル220に格納する(S110ステップ)。これにより、いちいち他のユニットを検索しなくとも内部ユニットを容易に特定することが可能になるから、自ユニットでエネルギー収支のシミュレーションを行う範囲を簡単に特定できるようになる。つまり、ユニット初期処理部110とユニット固有情報テーブル210は、各ユニットを他のユニットから区別する識別手段として機能する。なお、それらの代替として、内部ユニット特定テーブル220を識別手段とすることもできる。
次に、各内部ユニットのユニット固有情報テーブルから、その内部ユニットの担当範囲のエネルギー収支を計算する計算項目情報を読み出し、さらに、自ユニットが担当する範囲の計算項目情報をユニット固有情報テーブル210から読み出し、最新式・条件特定テーブル270に格納する(S120ステップ)。続いて、他の内部ユニットから読み出した計算項目情報に基づいて、それぞれの内部ユニットから担当範囲のエネルギー収支計算式と運用条件とを読み出し、最新式・条件特定テーブル270に格納する(S130ステップ)。なお、S120ステップとS130ステップの処理は、自ユニットにおいて対象建築物全体のエネルギー収支のシミュレーションを行うための準備である。
次に、自ユニットの担当範囲のエネルギー収支を計算する計算項目とエネルギー収支計算式と運用条件とを他の内部ユニットに送信する。これを受信した他の内部ユニットは、その情報を自らの最新式・条件特定テーブルに格納する(S140ステップ)。これは他の内部ユニットにおいて、新たに追加されたユニットを含めて最適化が行えるようにするためである。
次に、自ユニットにあらかじめ格納された関係性テーブル230の情報を読み出して他の内部ユニットに送信する(S150ステップ)。各内部ユニットでは、自ユニットから送信された関係性テーブルの情報のうち、変更された情報を自らの関係性テーブルに反映する。これは、自ユニットが他の既設の内部ユニットが情報を有さない新たな設備類やセンサー類を担当している場合や、他の既設の内部ユニットでは影響が小さいとして無視していた要素を自ユニットでは取り入れて制御精度の向上を図るような場合や、さらには、自ユニットが既設の内部ユニットの設備類の一部を撤去してから再起動したものであるような場合に、他の内部ユニットでの最適化処理をより適切に行うための処理である。
これで図5のフロー、すなわち、図3のS100ステップが終了し、続いてS200ステップの処理に移る。S200ステップでは、自ユニットの担当設備類の動作に関して、自ユニットにあらかじめ格納していたエネルギー収支計算式と運用条件の範囲で最適化処理を行う。また、担当設備類が他の設備類にエネルギー的に影響を及ぼす場合に関して、対象建築物全体に対して最適化処理を行う。このステップを実行する内部・全体最適化処理部120と他の処理部との関係を図6に示した。
また、S200ステップのフローを、図7のフローチャートでさらに詳しく示した。S200ステップがスタートすると、まず関係式・条件テーブル250から、自ユニットの担当設備について候補となるエネルギー収支計算式と運用条件とを一組選択する(S210ステップ)。選択はなんらかの優先順位を設けて行っても良いが、この例ではテーブルの先頭に格納されたものから順番に選択している例で説明する。
次に、関係性テーブル230を参照し、自ユニットの担当設備類が対象建築物の他の設備類に対しエネルギー的に影響を及ぼすか否か、すなわち関係性が有るか否かを判定する(S215ステップ)。関係性が無い場合は、フローは左に分岐してS255ステップに移り、関係性がある場合は、下に分岐してS220ステップに移る。このように関係性の有無で切り分けているのは、関係性が有る場合は、最適化のためには自ユニットの担当部分だけを切り離すことができず、対象建築物全体でエネルギー収支の最適化のシミュレーション等を行う必要があるが、関係性が無い場合は、自ユニットの担当部分だけの最適化を行えばよいからである。なお、関係性が無い場合の最適化に関しては、続くS300ステップで行う。
関係性がある場合のS220ステップでは、内部ユニット情報テーブル240に取り込んだ内部ユニットの担当部分の運用条件を読み出して、関係性テーブルに基づいて変更する。ここで、関係性有りの例としては、従来、夏場に空調機だけを用いて連続運転して、室温をあらかじめ定めた適正温度に調整していた場合に、外気を取り入れるファンを新たに設備類として設置し、ファンの運用条件として、室温が適性温度より高くかつ外気が室温より3℃以上低い場合にファンを運転するように設定されている、というようなケースが上げられる。この場合、ファンを運転するにはエネルギーを必要とするが、外気温が室温よりそれなりに低ければ、ファンの駆動により室温が低下するから、ファンの運転は空調機の空調負荷に影響を及ぼす。そして、外気億が低いなどの一定条件下ではファンの駆動エネルギーより空調機の駆動エネルギーの方が大きくなるから、空調機の運用条件を、それまでの連続運転からファンが稼働する時間帯には停止する旨の運用条件に変更した方が好ましい。このように運用条件を適切に変えることにより、さらなる省エネルギー化を図ることができる。
また、他の関係性がある例としては、室内に居る人数により照明ランプの点灯数を調整するように既設のユニットが照明設備を制御していた場合に、窓につけたブラインドの角度を調整する設備類を新たに設置した、というケースが上げられる。この場合、例えば、冬場の晴天時の昼間に、多くの太陽光が室内に入りやすいようにブラインドの角度を調整することで、窓際の照明ランプを消灯しても支障が生じない状態にすることができるから、ブラインドの角度がそのように調整された場合には、照明設備の運用条件を窓際の照明ランプを消灯するように変更することが省エネルギーの観点から好ましい。なお、この例では、太陽光を室内に取り込むことにより、空調負荷にも影響を与えることになるから、空調機の運用条件も変更されることになる。逆に夏場には、ブラインドを閉じて太陽光を遮断することで、照明ランプは点灯しなければならないが、空調負荷は下がることになので、より省エネルギー化されるように照明設備や空調設備の運用条件が変更されることになる。
このように、関係性テーブルに基づいて、それぞれの影響を受ける設備類の運用条件が適切に変更されるので、対象建築物全体として省エネルギー化が促進されることになる。
次に、自ユニットの担当部分を含む対象建築物の全体に対して、内部ユニット情報テーブル240から読み出して適宜変更されたデータと、S210ステップで選択された自ユニットのエネルギー収支計算式と運用条件と計測情報テーブル290のデータとを用いて、一日分のエネルギーシミュレーションを行い、想定消費エネルギーを演算する(S225ステップ)。なお、ユニットを設置して最初にS225ステップに移った場合は、担当センサー類で計測された計測情報テーブル290のデータが存在しないので、フローはS225ステップを飛ばして直ちにS230ステップに移る。
次に、対象建築物全体の一日の想定消費エネルギーが、現状の一日の消費エネルギーより低くなるか否かを判定する(S230ステップ)。想定消費エネルギーが現状の消費エネルギーと同じか大きい場合には、フローは左に分岐してS255ステップに移行する。想定消費エネルギーが現状の消費エネルギーより小さい場合には、フローは下に分岐してS235ステップに移行する。この場合は、S210ステップで候補として選択されたエネルギー収支計算式と運用条件の組み合わせが現状のものよりさらに省エネルギー化に効果がある可能性があるので、さらに実証運転を行うためである。なお、ユニットを設置して最初にS230ステップを実行する場合は、現状の一日の消費エネルギーのデータも一日の想定消費エネルギーのデータも存在しないので、フローはS230ステップを飛ばしてS235ステップに移る。
S235ステップでは、他の内部ユニットに対し、S220ステップで変更されたエネルギー収支計算式と運用条件とが送信される(S235ステップ)。各ユニット運用条件を候補の運用条件等に対応するものに変更することで、内部ユニット全体で試験運用を行えるようにするためである。そして、S240ステップで試験運用が一日行われ、センサー類からの計測情報が計測情報テーブルに格納されて、実際のエネルギー収支が演算される。続いて、S245ステップではS240ステップで求められた実際のエネルギー収支が、それまでに使用されていた従来条件でのエネルギー収支とを比較し、S240ステップで演算されたエネルギー収支が従来のエネルギー収支よりさらに省エネルギー化されているか否かを判定する(S245ステップ)。なお、ユニットを設置して最初にS245ステップを実行する場合は、担当センサー類で計測された計測情報テーブル290のデータが存在しないので、フローは無条件に左に分岐してS255ステップに移り、候補として選択されたエネルギー収支計算式と運用条件とを従来のものとみなして、以下の処理が行われる。
S245ステップで、S240ステップで演算されたエネルギー収支が従来のエネルギー収支より省エネルギー化されている場合は、S210ステップで選択された候補の組み合わせは実際の計測で省エネルギーの点でより有効であったことが実証されたので、試験運転をそのまま実運転として継続し、結果を最適式・条件特定テーブル270と制御履歴情報テーブル260に格納し、フローは左に分岐してS255ステップに移る。
一方、S245ステップで、S240ステップで演算されたエネルギー収支が従来のエネルギー収支より省エネルギー化されていないか同じである場合は、S210で選択された候補は実際の計測では省エネルギーの点で有効ではなかったことが判明したことになるので、その候補の試験運転で用いた条件等を取り消す操作を行い、自ユニットの設定をS210ステップの前に戻すと共に、全内部ユニットに対して、S235ステップで変更する旨を送信した内容を取り消してそれ以前の状態に戻す指令を送信し(S250ステップ)、S255ステップに移る。
S255ステップでは、関係式・条件テーブル250を検索して、自ユニットの担当設備について候補となるエネルギー収支計算式と運用条件との組み合わせを全部試験したか否かを判断し(S210ステップ)、まだ試験していない候補が有る場合は、右に分岐してS210ステップに移り、新たな候補を選択して全部の候補を試験終了するまで処理を継続し、全部の組み合わせを試験済みである場合には下に分岐して処理を終了する。これで図7のフローの全部、すなわち図3のS200ステップが終了する。
このように、S200ステップ(図7のフロー)では、自ユニットの担当設備類の動作に関して、担当設備類が他の設備類にエネルギー的に影響を及ぼす場合に対して、対象建築物全体に対して省エネルギー化のための最適化処理を行う。これは、各設備類がエネルギー的に他の設備類に影響したりしなかったりするために、最適化処理を行う範囲を対象建築物全体にしなければならない場合と、自ユニットの担当範囲だけに限定できる場合とが混在しており、いずれの場合であるかによって、最適化処理に要する処理量や処理時間が大きく異なるため、より少ない処理で省エネルギー化への最適化が行えるようにするためである。
次に、図3のS300ステップに移るが、このステップはS200ステップとは異なり、担当設備類が他の内部ユニットの担当設備類とエネルギー的な関係が無いとみなせる場合を処理する。そのため、自ユニットの担当設備類だけを対象とした最適化処理を行えばよい。S300ステップを図9のフローチャートに詳しく示した。なお、S300ステップを実行する内部・局所最適化処理部130とその他の手段との関係を図8に示した。
図9のフローがスタートすると、自ユニットの担当設備類に関して、関係式・条件テーブル250から候補となるエネルギー計算式と運用条件の組み合わせとを一組選択する(S310ステップ)。この選択は図7のS215ステップで関係性がないと判定されたものの中から一組を選択するようにしてもよいが、この例では単純にS215ステップと同様の選択処理を再度行うようにしている。続いて、関係性テーブル230を参照し、自ユニットの担当設備類が対象建築物の他の設備類に対してエネルギー的な影響、すなわち関係性が有るか否かを判定する(S320ステップ)。他の設備類とのエネルギー的な関係性が有る場合は、フローは左に分岐してS390ステップに移り、次の候補の有無を判定する。一方、エネルギー的な関係性が無い場合には、フローは下に分岐してS330ステップに移り、自ユニットの担当範囲に関して、選択されたエネルギー収支計算式と運用条件と計測情報テーブル290のデータとを用いて、一日分のエネルギーシミュレーションを行い、想定消費エネルギーを演算する(S330ステップ)。なお、ユニットを設置して最初にS330ステップに移った場合は、図7のS225ステップでの処理と同様に、必要なデータが無いのでフローはS330ステップを飛ばしてS340ステップに移る。
次に、自ユニットの対象範囲における一日の想定消費エネルギーが、現状の一日の消費エネルギーより低くなるか否かを判定する(S340ステップ)。想定消費エネルギーが現状の消費エネルギーと同じか大きい場合には、フローは左に分岐してS390ステップに移行する。想定消費エネルギーが現状の消費エネルギーより小さい場合には、フローは下に分岐してS350ステップに移行して、実際に試験運転を行う。なお、ユニットを設置して最初にS340ステップに移った場合は、フローはS340ステップを飛ばしてS350ステップの試験運転に移る。
S350ステップで試験運転が一日行われ、センサー類からの計測情報が計測情報テーブルに格納されて、実際のエネルギー収支が演算される。続いて、S360ステップではS350ステップで求められた実際のエネルギー収支と、それまでに使用されていた従来条件でのエネルギー収支とを比較し、S350ステップで演算されたエネルギー収支が従来のエネルギー収支よりさらに省エネルギー化されているか否かを判定する。想定消費エネルギーが現状の消費エネルギーより大きいか同じ場合には、より省エネルギー化することができないことが明らかなので、フローは下に分岐してS380ステップに移行する。S380ステップでは、試験運転のために候補の組み合わせを用いて行った制御を、試験運転の前の状態に戻し、S390ステップに移行する。
一方、S360ステップで、S350ステップで演算されたエネルギー収支が従来のエネルギー収支より省エネルギー化されている場合は、S310ステップで選択された候補の組み合わせは実際の計測で省エネルギーの点でより有効であったことが実証されたので、試験運転をそのまま実運転として継続し、結果を最新式・条件テーブル270と制御履歴テーブル260に格納して、フローはS360ステップから右に分岐してS370ステップに移る。なお、ユニットを設置して最初にS360ステップに移った場合は、担当センサー類で計測された計測情報テーブル290のデータが存在しないので、フローは無条件に右に分岐してS370ステップに移り、候補として選択されたエネルギー収支計算式と運用条件とを従来のものとみなして、以下の処理が行われる。
S370ステップでは、他の内部ユニットに対し、S310ステップで選択されたエネルギー収支計算式と運用条件とが、他の内部ユニットにおけるシミュレーションのために送信されて、フローはS390ステップに移る。S390ステップでは、関係式・条件テーブル250にあらかじめ格納された担当部分のエネルギー収支計算式と運用条件の組み合わせにおいて、S310ステップで選択されなかった候補の組み合わせが残っているか否かを判定し、残っていればS310ステップに戻って新たな候補の組み合わせを選択して処理を継続し、残っていなければ処理を終了する。
このようにすることで、他の設備類との関係性がない担当範囲に関しては、結果的に担当設備類に関して最適なエネルギー収支計算式と運用条件を選択できることになるうえ、自ユニットの担当範囲内で最適化処理を行うので、他の内部ユニットの担当範囲に関する演算が不要となる。これで図9のフローの全部、すなわち図3のS300ステップが終了する。
以上のように、S200ステップとS300ステップを順次実行することにより、互いにまたは一方的に、エネルギー収支上の影響を及ぼしたり及ぼさなかったりする各種の設備類の初期処理における最適化を、より少ない処理時間で実行することが可能になる。
このように、新たに設置されるユニットや新たな設備類の設置などにより再起動されたユニットには、新たに得られた省エネルギー化の知識やそれに基づく技術を盛り込むことができるから、より適切に省エネルギー化を計ることが可能になる。さらに、後述の関連ユニット検索及びそれに続く内外部分最適化処理を経ることにより、既設のユニットに対して、新たなユニット等の新たな技術や知識に基づく改良された運用条件等が、時間の経過と共にシステム内に拡がっていき、その結果、対象建築物のみならず、ユニットが設置された全部の建築物の省エネルギーレベルが、各建築物の担当者の知識等に係わらず、徐々に向上していく、すなわちシステムに含まれる建築物全体の省エネルギーレベルが時間経過と共に向上して、レベルがそろっていくという効果が生じる。
図3に戻り、続いてS400ステップに移る。S400ステップでは、関連ユニットを検索する。ここにいう関連ユニットとは、自ユニット(及び対象建築物)の省エネルギー化のレベルを現状より改善できる新たな運用条件等を用いているかもしれないユニットを言う。そして、この関連ユニット検索では、対象建築物に設置されている内部ユニットのみならず、対象建築物以外の建築物に設置されている外部ユニットをも検索対象とする。このようにすることで、対象建築物に用いられている省エネルギー化のための技術や担当者の知識に限定されることなく、省エネルギー化のためのより良い運用条件等を広く探索することが可能になる。
S400ステップの関連ユニット検索の詳しいフローチャートの例を図11に示した。自ユニットより優れた運用条件等を用いているかもしれない関連ユニットの検索の仕方は、様々に行うことができ、特に制限されるものではないが、ここでは、建築物用途、担当設備類の種類、担当範囲の延べ床面積、担当範囲の空調面積の各検索項目で検索する例を示した。この他、地域(緯度、経度、標高)、建築物の延べ床面積、建築物周辺の平均気温、建築物の延べ床面積当たりの一日の平均出入り人数または利用者数または収容人員、担当範囲の階数や方角等の建築物における位置関係、担当範囲の外壁の日当たり率等の検索項目を、対象建築物や担当設備類の特性によりあらかじめ選択して用いることができる。さらに検索例を具体的に示せば、例えば、ターボ冷凍機という固有名称で検索して同じ装置名称の装置を含むものを検索したり、COP(機器の運転効率)の数値が一定範囲内に含まれるものを検索したり、冷凍能力等の利用時の能力の数値が一定範囲内に含まれるものを検索したり、ユニットの外部環境の近似度が高いものを検索したり、運転パターンの近似度が高いものを含むものを検索したり、というごとき検索が上げられる。
これらの検索項目に対して、関連ユニット検索処理でどのようなユニットがヒットするかは、検索範囲テーブル300であらかじめ定めている。関連ユニット検索を行う関連ユニット検索処理部140と他の手段との関係を図10に示した。
図11のフローで関連ユニット検索がスタートすると、自ユニットの対象建築物の用途と、検索範囲テーブルを参照して同類と言える範囲の用途の建築物に設置されたユニットを検索し、その識別情報と用途に関して関連する旨の結果を関連ユニット特定テーブル280に格納する(S410ステップ)。S410ステップで検索されたユニットの群のうち、さらに、自ユニットの担当設備類と、検索範囲テーブルを参照して同類の担当設備類を有するユニットを絞り込み、結果を関連ユニット特定テーブル280に格納する(S420ステップ)。S420ステップで検索されたユニットの群のうち、さらに、自ユニットの担当範囲の延べ床面積と、検索範囲テーブルを参照して同類の範囲といえる担当範囲の延べ床面積を有するユニットを絞り込み、結果を関連ユニット特定テーブル280に格納する(S430ステップ)。
続いて、S430ステップで検索されたユニットの群のうち、さらに、自ユニットの担当範囲の空調面積と、検索範囲テーブルを参照して同類の範囲といえる担当範囲の空調面積を有するユニットを絞り込み、結果を関連ユニット特定テーブル280に格納する(S440ステップ)。最後に、各ステップでヒットした回数が多いユニットから優先順位を1番からあらかじめ定めた数まで付与し、関連ユニットとして関連ユニット特定テーブル280に残す(S450ステップ)。ヒット数が少ないユニットは、自ユニットの運用条件等には適さない可能性が高いこと、試験運転は短くとも一日間は続けることが望ましく、検討候補の数が多すぎると最適化に日数を要することから、検討候補の数を絞ることで最適化処理の負荷を低減するためである。この例では、検討候補の数を30個に限定している。このように各ステップでユニットを絞り込んでいくので、より自ユニットの担当設備類に適した運用条件のユニットを選択できるようになる。これで、図11のフローの検索処理、すなわち図3のS400ステップが終了したので、続いて、図3のS500ステップに移る。
S500ステップを実行する内外部分最適化処理部150と他の手段との関係を図12に示した。また、S500ステップの詳しいフローを図13のフローチャートに示した。処理がスタートすると、関連ユニット特定テーブル280から優先順位の高いユニットを選択し、それに対応する担当設備類の運用条件等を想定条件に設定する(S510ステップ)。続いて、最適式・条件特定テーブル270から読み出した自ユニット及び他の内部ユニットのエネルギー収支計算式と運用条件に、この想定条件を組み合わせ、内部ユニット全体を範囲とするシミュレーションを行い、想定エネルギー収支を演算する(S520ステップ)。なお、ここでは関係性テーブル230を参照していないが、これは、関連ユニットでは、自ユニットと対象建築物の構造が一般に異なっており、関連ユニットの関係性データが自ユニットに対応していない可能性が有る。そのため、担当範囲のみならず、内部ユニット全体に対してシミュレーションすることが望ましいことによる。
続いて、この想定エネルギー収支を現状のエネルギー収支と比較し、想定エネルギー収支がより省エネルギーになっているか否かを判定する(S530ステップ)。想定エネルギー収支がより省エネルギー的になっていない場合は、フローは左に分岐してS580ステップに移る。また、想定エネルギー収支がより省エネルギー的になっている場合は、フローは下に分岐してS540ステップに移り、想定条件を他の内部ユニットに送信して試験運転の準備を行う。続いてS550ステップに移り、想定条件により実際に現状より省エネルギー化しうるかの試験運転を1日間行い、試験エネルギー収支を測定する。次に、試験エネルギー収支が現状のエネルギー収支より省エネルギー化されているか否かが判定され(S560ステップ)、省エネルギー化されている場合は、想定条件を最適式・条件特定テーブル270に格納して、フローは左に分岐してS580ステップに移り、省エネルギー化されていない場合は、フローは下に分岐して全内部ユニットの設定を試験運転の前の状態に戻して(S570ステップ)、やはりS580ステップに移る。S580ステップでは、関連ユニット特定テーブル280に未だ選択されていない関連ユニットが残っているか否かを判定し、残っている場合はS510ステップに戻ってフローを繰り返し、残っていない場合は、処理を終了する。これで図13のフロー、すなわち、図3のS500ステップが終了し、新しいユニットがシステムに追加されるか、または、既設のユニットの設定が変更されて再起動された場合の図3の初期処理フローが終了する。
このように、新しいユニットが追加されるなどした場合の初期処理で、関連ユニットを検索して、より適した運用条件等を検索して採用できるようにしているので、ユニット間で互いにより良い運用条件等を検索し合うことで、時間の経過と共に、ユニットを設置した複数の建築物が、最適な条件等を互いに参照し合うことで省エネルギー化のレベルを向上させていくことが可能になる。これにより、ユニットが設置されたいずれの建築物も、徐々にその時点における最高の省エネルギー化レベルに漸近的に近づいていくことになるから、ユニットが設置された全部の建築物の省エネルギー化レベルが向上し、レベルがそろっていくことになる。
さて、図3〜図13まで、簡単のために新しく追加等されたユニットには担当設備類が一つだけであることを前提にして説明したが、実際には、各ユニットは比較的近くに設置されている複数の設備類を担当することになる。設置の簡便さと装置費用の低減化のためである。そこで、自ユニットの担当設備類がa、b、cの三つである場合における、図3のフローチャートに対応するフローチャート例を図14に示す。図3のフローチャートと比較すると、図3のS200ステップに対応して、図14で担当設備a、b、cに関する処理をそれぞれ担当するSa200ステップ、Sb200ステップ、Sc200ステップの三つが設けられている。同様に、図14では、図3のS300ステップ、S500ステップの各々に対応して、担当設備類a、b、cの三つに関する処理を担当するSa300ステップ等が設けられている。このように、担当設備類が複数の場合は、その数に対応して必要なステップを増加させればよい。
次に、初期処理が終了したあとの、既設のユニットの定常状態における処理について説明する。定常状態では、各ユニットは最適と判定された運用条件等とセンサー類からの計測情報とに基づいて、担当設備類を制御して担当範囲のエネルギー収支を日常的にコントロールする。その全体フローを図15に示した。初期処理に続いて定常処理がスタートすると、日常運用処理を行う(S600ステップ)。日常運用処理を実行する運用処理部170と他の手段との関係を図16に示した。このステップでは、ユニットは担当センサー類の計測情報と運用条件とを用いて、担当設備類の動作を日常的に制御する。
設備類の制御は、各設備ごとの特性と状況に応じて定められた運用条件とそれに含まれる目標値を用いて行う。目標値は、例えば、外気温度、湿度、内部人員などの外部条件に応じて、初期想定で設定した数式、もしくはモニタリングデータから算出した相関式(自己相関、他との相関、回帰式、重回帰式ほか)を用いて、あらかじめ定めればよい。例えば、空調機では、担当センサー類からの温度や湿度等の情報を用い、室内ごとに快適指数(PMV=Predicted Mean Vote)がゼロになる温度と湿度とを求めて、空調機の制御目標値としている。なお、快適指数とは、人間が感じる暑さや寒さが、温度、湿度、輻射温度、気流速度、人の活動量、衣服の着衣量(CLO値)や熱抵抗などに左右されることから、これらの要素を加味し、必要によりCO2濃度やCO濃度も活用して、Fangerの開発した快適方程式を用いて計算したものをいう。PMV=0で統計的に95%の人が暑くも寒くもなく快適に感じ、これからプラスマイナス3の範囲内で数字が変動して、PMVがプラスになると95%の人が暑く感じ、マイナスになると寒く感じることを意味する。
また、設備機械が照明設備の例では、各部屋の大きさ、窓の大きさと位置、日照度、収容人員の情報から、各室内で行うと想定されている作業に必要な最低限の照度が得られる照明数とその位置について、部屋ごとにあらかじめ定められた計算式に基づいて制御目標値を設定する。日照により日常作業に十分な照度が得られる場所では、消灯するのが省エネルギーになるからである。また、設備類が窓開閉装置の例では、建築物外部の温度、湿度、雨量、風量、風向等の情報と、各室内の温度、湿度、勤務時間内か否か等の情報とから、あらかじめ定められた計算式に基づいて、快適指数を維持しながら空調機の運転エネルギーが小さくなるように、各窓を開いて換気を行うか否かを決定して窓ごとの制御目標値とする。たとえば、外気温が室内温度より低い場合に、空調機を冷房運転するより窓を開けて換気を行った方が省エネルギーになるからである。
また、担当設備類がパーソナルコンピュータやプリンタ等の事務機器の場合では、電源がONであるがあらかじめ定めた一定時間以上にわたって待ち状態を続けている機器を特定して制御目標値とし、それ以降にはその制御目標値を用いて待ち状態の機器を少なくするよう電源をOFFに制御したり、また、在室人員をCO2センサーや画像センサー、赤外線センサー等により計測し、室内に居る人間の人数に応じて、あらかじめ定めた計算式で稼働しておくべき機器の種類と台数を定めておき、それ以上の機器の電源をOFFにするように設定したりする。このような事務機器は無駄にエネルギーを消費していると考えられるからである。
このように設定された目標値とそれを含む運用条件とを用いて制御を行うが、その際の制御が一回り行われる間のインターバルは、例えば、空調制御の場合は比較的長くとり、短くとも5〜10分程度の単位時間となるように設定するのが望ましい。また、夏は天井に反射光を、冬はブラインドからの光を床に落とすように、太陽光の日射角度の変化に合わせて昼光利用のブラインド角度の制御を変える場合には、制御間のインターバルは1分程度に設定し、外的要因(この場合は日射量の変化)に対して制御を行っていくのが望ましい。
S600ステップで担当設備の制御が少なくとも一回り行われると、フローはS700ステップに移行して、システム内に新しく追加されたユニットや、設備類の変更により再起動されたユニットが有るか否かを、他のユニットからの内部ユニット検索処理が、自ユニットの前回の日常運用処理が終了してから後に有ったか否かにより判定する。複数の建築物を包含するシステム内には、日常的に新しいユニットの追加や設備類の変更に伴う再起動が生じており、それらに伴いシステム内にもたらされる新しい運用条件等を、自ユニット内に速やかに取り込むためである。もし追加等されたユニットが無かった場合は、フローは左に分岐してS600ステップに戻り、再び日常運用処理を行う。また、追加等されたユニットが有った場合には、フローは下に分岐して、図11のフローと同じ検索項目と検索範囲に従って、追加等されたユニットが関連ユニットであるか否かを判定する(S710ステップ)。
追加等されたユニットが関連ユニットではない場合は、フローは左に分岐してS600ステップに戻り、日常運用処理を行う。追加等されたユニットが関連ユニットだった場合は、フローは下に分岐して、関連ユニットと判断されたユニットを関連ユニットテーブルに優先順位をつけて格納する(S720ステップ)。続いて、追加部分最適化処理が実行される(S800ステップ)。このS800ステップを実行する追加部分最適化処理部160の他の手段との関係を図17に示した。また、S800ステップの詳しいフローチャートを図18に示した。
図18の追加部分最適化処理は、図13のフローにおいて選択される初期処理で検索された関連ユニットに代えて、S700〜S710ステップにより特定された追加等されたユニットを選択して用いる以外は、図13のフローと同様に処理がなされるから、詳しい説明は省略する。従って、このフローにおいても、より良い運用条件等が新しいユニットの追加や既設ユニットの再起動を起因として常に検索されるから、時間の経過と共に、ユニットを設置した複数の建築物が、最適な条件等を互いに学習し合うことで、システム全体の省エネルギー化のレベルを向上させていくことが可能になる。これでS800ステップが終了し、フローは再び日常運用処理に戻る。以下、何らかのブレーク操作がなされるまで、ユニットは図15のフローを繰り返し実行することになる。
次に、図15はユニットが一つの設備類を担当している場合の日常運用処理フローの例であるが、図14のように、ユニットが複数の設備類を担当している場合について説明する。図18には、図14と同様に、ユニットが三つの設備類a、b、cを担当している場合のフロー例を示した。この図18と図15とを対比すると、図15におけるS600ステップの日常運用処理が、図18では三つの担当設備類a、b、cに対応して、Sa600ステップ、Sb600ステップ、Sc600ステップの三つのステップが設けられている点が異なる。すなわち、三つの担当設備類の運用処理を順に実行し、ついで追加ユニットに係わる最適化処理を行って、再び担当設備類の日常運用処理を行う。このようにすることで、担当設備類が複数の場合も特に問題なく処理を行うことが可能になる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明してきたが、本発明は上記の実施形態の具体的態様に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記では、記憶部のテーブル構成や各制御部の動作のステップを動作内容を具体的に説明しているが、これらに様々な変型や順序の入れ替え等を加えても、同じ機能を達成することができる。また、例えば、上記では検討候補となる運用条件等をテーブルの先頭から順番に選択したり、または、あらかじめ優先順位を付して選択したりしている場合で説明しが、検討候補を乱数によりランダムに選択しても良いし、さらには遺伝的アルゴリズム等の人工知能技術を用いて選択を行うようにしても良い。
遺伝的アルゴリズムを用いる場合でも、上記のフローにより同様に実行することができる。遺伝的アルゴリズムを用いることで、ユニットは、外気の温度湿度条件、建築の使い勝手等さまざまに変化する環境の中で、制御方法、設定値、変数等のうちから条件を適宜選択して、エネルギー収支を最小化する。まずは、ある特定の設定と制御方法とによりシミュレーションするか又は実際に制御し始める。その結果、想定された最小にわずかながら到達しなかった場合に、設定を少し変更して再度シミュレーション等を行い、想定された最小との差異を判定する。これを複数の制御方法、設定値、変数を変更しながら繰り返し、最終的に最小と判断できる結果を最適化結果として記録し、その後はこの結果を再利用する。ユニットは、様々な条件、例えば、外気温や湿度や風向き等を測定し記録することで、制御の際の条件設定を行うことが可能になる。複数のセンサーの測定値の組み合わせに対応して、どのような制御条件が良いのかを分析することが可能になる。なお、最適化処理のロジックは単一でも良いし、複数を組み合わせて用いても良い。例えば、全部の最適化処理を同じロジックにしてもよいし、少なくとも1つを異なるロジックにしてもよい。
また、上記では、省エネルギー化と二酸化炭素排出量の極小化とを同じように取り扱って説明しているが、場合によっては両者に実際的な違いが生じることがある。そのような場合は、ユニットやシステムが、省エネルギー化と二酸化炭素排出量の極小化とのどちらを目的として動作させるのかをあらかじめ定めておけばよい。なお、二酸化炭素排出量の極小化を目的とする場合は、上記説明のうちでエネルギーやエネルギー消費に関する部分を二酸化炭素排出量に読み替えればよい。
また、上記では、新しい運用条件の源泉を、新しくシステムに設置されるユニットから供給される場合や、設備類の追加や変更などで既設のユニットが再起動された場合で説明しているが、一つのユニットの計測情報の自己相関処理により、過去のある時点で適していた運用条件を再度呼び出せるようにすることが望ましい。1年のうちには、ある時間帯の温度、湿度、日射、雨量、風速ほかの外気条件や、内部人員数、照明負荷、コンセント負荷、生産負荷他の使い方のごとき室内条件が、他の時間帯のそれと極めて似ている時間帯があり得るので、この類似の時間帯に関しては、自己相関に基づいて時系列に最適化条件を変えることが望ましい。例えば、季節の変動等により、ある夏場で最適であった運用条件は、次の冬場には適さずに変更されたとしても、翌年の夏場では再度最適な運用条件になる可能性が高いからである。
また、上記では、エネルギーシミュレーションは、初期処理、定常処理共に一日分の計測情報を用いて行う場合で説明しているが、担当範囲が活動状況にある一日未満の時間で行うこともできる。また、定常状態に入ってその分の期間が経過した後は、一週間、一月、四季(三ヶ月)、の各期間を区切ってそれぞれ行うことが望ましい。人間活動や季節変化の周期性のために、短期的には省エネルギーになっても、長期では省エネルギーにならない場合があるからである。長期的な運用では省エネルギーにならない場合は、自己相関により設備類の運用条件を短期に切り替えていけばよい。
また、上記では、ユニットの集合体としてシステムを構築したが、システムをサーバクライアントシステムとして構成することも可能である。その構成例を図20に示す。図20では、サーバ3とクライアント2(簡単のためにクライアントは1つだけを図示した)とが通信ネット12を介して通信可能に接続されている。サーバ3には、図2に示されたユニット1の機能のうち制御手段100と記憶手段200とを、サーバが担当する複数のユニットごとに設けている。これにより、サーバが各種データの格納と対象建築物に関する最適化処理を行う。また、サーバ3に通信可能に接続されたクライアント2は、ユニット1の機能のうち、担当センサー類21、31や担当設備類41とサーバ3との間のインターフェイス的な機能を備え、センサー入力手段20や設備操作手段40等と通信手段10とを制御できる最低限のクライアント制御部3とクライアント記憶部4とを備えている。この構成例では、ユニットはサーバとクライアントとに機能が分割されていることになるから、上記のユニットに関する説明を、その機能に応じて、ユニットをクライアントまたはサーバに読み替えて解釈すればよい。
このようにすると、対象建築物に関する最適化処理はサーバだけで一意的に行えばよく、図2の構成例のように内部ユニットごとに重複して行う必要が無くなる。一方で、サーバ3がダウンすれば、サーバが担当する対象建築物の日常的な制御が全部ダウンするデメリットも生じる。そのため、システムを図2と図20の中間的な構成とし、最適化処理はサーバ側で行うが、その結果に基づく設備類の日常的な制御はクライアント側で行う構成としても良い。さらに、ユニットの集合体としてのシステムとサーバクライアントシステムとが混在しても良い。この場合、互いに情報交換を行うが、最適化処理に関してはそれぞれの担当部分に関して、それぞれのユニットやサーバで一意的に行えばよい。
上記のユニットは、ユニットに格納されたソフトウェアとしてのコンピュータプログラムとハードウェアとが協動して動作する例であるが、ソフトウェアに代えて、ソフトウェア部分の各動作を行う専門のハードウェアを用いて構成してもよい。ユニットには、上記以外に周辺機器として入力装置、ディスプレイ、プリンタ等が接続されていてもよい。ここで、入力装置とはキーボード、マウスなどの入力デバイスをいう。ディスプレイとは、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などを言う。また、上記の記憶手段は、ユニットに内蔵するものであるが、他の装置内にあり、通信によりアクセスする形態にすることもできる。記憶手段は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、RAMのような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。
建築物のエネルギー収支や二酸化炭素排出量を制御し、省エネルギー化や二酸化炭素排出量の低減化を図るために用いることができる。

Claims (12)

  1. 建築物の省エネルギー化のためのユニットであって、前記ユニットが担当するセンサー類からの情報を受け取る入力手段と、他ユニットと相互に通信可能な通信手段と、
    前記ユニットが設置された対象建築物の位置、構造、環境条件の情報及び、前記ユニットの担当センサー類と担当設備類とを特定する情報が、異なるユニット間で情報交換可能な形式で格納されたユニット固有情報格納手段と、
    対象建築物に設置されており、かつ前記ユニット以外の他ユニットである内部ユニットと、対象建築物以外の建築物に設置された他ユニットである外部ユニットとを、前記ユニット固有情報により識別する識別手段と、
    前記識別手段により識別された内部ユニットのエネルギー計算式を読み出し、前記ユニットにあらかじめ用意された運用条件のいずれかを選択し、対象建築物全体のエネルギー計算式を構成してシミュレーションを行い、対象建築物のエネルギー収支を最適化する内部最適化手段と
    前記ユニットと関連した建築条件を有する他ユニットを検索する手段であって、前記他ユニットとして、他の内部ユニットに加え、前記識別手段により外部ユニットと判定されるユニットを含めて検索する関連ユニット検索手段と、
    関連ユニット検索手段により検索された他の内部ユニット及び外部ユニットから、前記ユニットに対応する運用条件を読み出し、読み出した運用条件と全体エネルギー計算式とを用いてシミュレーションを行い、対象建築物のエネルギー収支を最適化する内外部分最適化処理手段と、
    前記内部最適化手段又は内外部分最適化処理手段により最適化された運用条件と前記担当センサー類からの情報とに基づいて、前記ユニットが担当する設備類を操作する操作手段と、を備えたことを特徴とするユニット。
  2. 前記の識別手段と前記の内部最適化手段とが、前記ユニットが新たに対象建築物に設置されたか、または再起動されたあとに実行されることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
  3. 前記の担当設備類の動作が他の設備類にエネルギー的に影響を及ぼすか否かをあらかじめ特定する関係性テーブルを備え、前記関係性テーブルの情報により、前記内部最適化手段の最適化処理を行う範囲を切り替えることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
  4. 前記の関連ユニット検索手段は、前記ユニットと、エネルギー収支的に同様のパターンにより担当設備類の制御を行うであろう他ユニットを検索するものであることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
  5. 前記ユニットが対象建築物に新しく設置されたか再起動された初期段階と、その後の定常運転において他ユニットが新しく設置されたか再起動された段階と、の少なくとも二段階において、省エネルギー化の最適化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のユニット。
  6. 前記初期段階では、前記ユニットにあらかじめ格納された複数の運用条件の範囲で行う最適化処理と、関連ユニットの検索により読み出された複数の運用条件の範囲で行う最適化処理とを行い、少なくとも三段階の最適化処理を行うことを特徴とする請求項5に記載のユニット。
  7. 前記の内部最適化手段又は内外部分最適化処理手段における処理の少なくとも1つが、遺伝的アルゴリズムにより実行されるものであることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
  8. 請求項1〜7のいずれかのユニットが、通信ネットを介して互いに通信可能に接続されていることを特徴とする建築物の省エネルギー化システム。
  9. 前記のユニットが、他のいずれのユニットとも並列関係にあることを特徴とする請求項8の省エネルギー化システム。
  10. 新たなユニットが追加されるか、又は既設のユニットが再起動された場合に、新たな運用条件の候補がシステムに導入されることを特徴とする請求項9に記載の省エネルギー化システム。
  11. 建築物の省エネルギー化のためのサーバであって、前記サーバが複数のクライアントと通信可能な通信手段と、
    前記クライアントの各々が設置された対象建築物の位置、構造、環境条件の情報及び、前記クライアントの各々の担当センサー類と担当設備類とを特定する情報が、異なるクライアント間で比較対象可能な形式で格納されたクライアント固有情報格納手段と、
    前記クライアントのいずれか一の特定クライアントが設置された対象建築物に設置されており、かつ前記特定クライアント以外の他クライアントである内部クライアントと、前記特定クライアントが設置された対象建築物以外の建築物に設置された他クライアントである外部クライアントとを、前記クライアント固有情報により識別する識別手段と、
    前記識別手段により識別された内部クライアントのエネルギー計算式を読み出し、サーバにあらかじめ用意された運用条件のいずれかを選択し、対象建築物全体のエネルギー計算式を構成してシミュレーションを行い、対象建築物のエネルギー収支を最適化する内部最適化手段と、
    前記特定クライアントと関連した建築条件を有する他のクライアントを検索する手段であって、前記他のクライアントとして、他の内部クライアントに加え、前記識別手段により外部クライアントと判定されるクライアントを含めて検索する関連クライアント検索手段と、
    関連クライアント検索手段により検索された他の内部クライアント及び外部クライアントから、前記特定クライアントに対応する運用条件を読み出し、読み出した運用条件と全体エネルギー計算式とを用いてシミュレーションを行い、対象建築物のエネルギー収支を最適化する内外部分最適化処理手段と、
    を備えたことを特徴とするサーバ。
  12. 請求項11に記載のサーバと、前記サーバと通信可能に接続された複数のクライアントとを備えた省エネルギー化システムであって、前記クライアントは、担当するセンサー類からの情報を受け取る入力手段と、担当する設備類を操作する操作手段と、前記サーバと通信可能な通信手段とを備えたものであることを特徴とする省エネルギー化システム。
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