JP5518404B2 - 太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法及び供給装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であって、
前記不活性ガスの流量と前記100%セレン化水素ガスの流量とを設定された流量にそれぞれ制御する第1ステップと、
前記不活性ガスと前記100%セレン化水素ガスとを混合して、セレン化水素混合ガスを調製する第2ステップと、
調整された前記セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度を測定する第3ステップと、
前記セレン化水素濃度の設定値と測定値との誤差に基づいて、前記不活性ガスの設定された流量を修正する第4ステップと、を備え、
前記第1乃至第4ステップを1以上繰り返すことを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
請求項3に記載の発明は、前記流量制御手段が、オリフィス又はニードル弁であり、
前記圧力制御手段が、自動圧力制御装置(APR)であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
請求項4に記載の発明は、前記オリフィス又はニードル弁が、金属製であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
請求項5に記載の発明は、所定の濃度に調整した前記セレン化水素混合ガスをバッファータンクに貯留し、前記バッファータンクから所望の濃度のセレン化水素混合ガスを供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
前記ベースガス供給流路に設けられた流量制御手段と、
セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度を測定するガス濃度分析計と、
前記セレン化水素濃度の設定値と測定値との誤差から、前記不活性ガスの供給量の補正量を算出する演算手段と、を備え、
前記演算手段と前記流量制御手段とが、フィードバック回線で接続されていることを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
請求項8に記載の発明は、前記流量制御手段が、オリフィス又はニードル弁であり、
前記圧力制御手段が、自動圧力制御装置(APR)であることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
請求項9に記載の発明は、前記オリフィス又はニードル弁が、金属製であることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
請求項10に記載の発明は、所定の濃度に調整した前記セレン化水素混合ガスを貯留するバッファータンクを備え、
前記バッファータンクには、前記セレン化水素混合ガスを供給するための供給口が設けられていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
これにより、100%セレン化水素ガスの連続的な通気により、原料ガス供給流路にセレン(Se)結晶が析出して、100%セレン化水素ガスの流量が変動した場合であっても、100%セレン化水素ガスの流量の変動に追従して不活性ガスの流量を補正することで、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの流量比を一定に保つことができる。このため、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給することができる。
したがって、セレン化水素混合ガスの供給開始から長時間経過した場合であっても、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度の設定値と実測値との間の誤差を低減することができる。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
また、本明細書中で用いる単位については、濃度は体積濃度、圧力はゲージ圧力、
流量は体積流量を表している。さらに、本明細書中に示す体積は、基準状態(0℃、1atm(大気圧))での体積である。
図1に示すように、本実施形態の供給装置1は、太陽電池の製造装置における生産状況に応じて、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する装置である。具体的には、供給装置1は、ベースガスを供給するためのベースガス供給流路L1と、原料ガスを供給するための原料ガス供給流路L2と、所定の濃度に調整されたセレン化水素混合ガスを貯留するためのバッファータンク2と、を備えて概略構成されている。
ベースガスは、希釈用途の不活性ガスであれば特に限定されるものではない。上記ガスとしては、例えば、窒素(N2)ガス、アルゴン(Ar)ガス等が挙げられる。
なお、マスフローコントローラ5の直前の圧力は、太陽電池製造装置への供給圧力に応じて適宜選択することができる。例えば、マスフローコントローラ5の直前の圧力としては、0.6〜0.7MPaの範囲とすることができる。
原料ガスは、濃度100%のセレン化水素(H2Se)ガスである。なお、本明細書中では、単に100%セレン化水素ガスと記載する。
このようなニードル弁としては、FUDDFM−71M−6.35を例示することができる。
また、オリフィスとしては、UJR−6.35RE−RG−O−0.5を例示することができる。
なお、回線E1及びフィードバック回線E2は、有線方式であってもよいし、無線方式であってもよい。
本実施形態の供給方法は、ベースガス供給流路L1から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路L2から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であり、不活性ガスの流量と100%セレン化水素ガスの流量とを設定された流量にそれぞれ制御する第1ステップと、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとを混合して、セレン化水素混合ガスを調製する第2ステップと、調整されたセレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度を測定する第3ステップと、セレン化水素濃度の設定値と測定値との誤差に基づいて、不活性ガスの設定された流量を修正する第4ステップと、を備え、第1〜第4ステップを1回以上繰り返すことを特徴とするものである。
以下、図2を参照しながら、本実施形態の供給方法について詳細に説明する。
次に、図2中のステップS0に示すように、セレン化水素混合ガスの供給信号の受信により、供給を開始する。
次に、図2中のステップS1−1及びステップS1−2に示すように、不活性ガスの流量と100%セレン化水素ガスの流量とを設定された流量にそれぞれ制御して、ベースガス供給流路L1から不活性ガスを、原料ガス供給流路L2から100%セレン化水素ガスを、それぞれ混合器へと供給する。
次に、図2中のステップS2に示すように、所定の流量で供給された不活性ガス及び100%セレン化水素ガスを混合器によって混合し、所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調製する。
ここで、セレン化水素混合ガスの濃度は、特に限定されるものではなく、太陽電気製造装置の要求に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素の濃度を、5〜20vol%とすることができる。
次に、図2中のステップS3に示すように、混合器で調製されたセレン化水素混合ガス中のセレン化水素の濃度を測定する。具体的には、図1に示すように、経路L3から分岐された経路L6からセレン化水素混合ガスの一部を採取し、この経路L6に設けられたガス濃度分析計22により測定する。
次に、図2中のステップS4に示すように、セレン化水素濃度の設定値と測定値との誤差に基づいて、不活性ガスの設定された流量の補正量を算出する。
具体的には、先ず、演算手段25により、上記ステップS3においてガス濃度分析計22により得られたセレン化水素濃度の測定結果を、回線E1を介して受信し、セレン化水素濃度の設定値と測定値との誤差を計算する。
次に、この計算結果に基づいて、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度が設定値となるような不活性ガスの流量を計算し、現在のマスフローコントローラ5における不活性ガスの流量の設定値との差(補正量)を算出する。
次に、算出した補正量を、フィードバック回線を介してマスフローコントローラ5へと送信し、マスフローコントローラ5の不活性ガスの流量の設定値を修正する。
このように、100%セレン化水素ガスの流量を基準にして不活性ガスの流量を補正することにより、濃度が安定したセレン化水素混合ガスを連続的に供給することができる。
このようにして、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給する。
ここで、バッジ方式とは、バッファータンク2内の圧力を設定した上限値及び下限値の範囲で管理し、バッファータンク2内の圧力が上記管理範囲から外れた場合に、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスの供給開始又は供給停止信号を発する方法である。
また、圧力制御手段13として自動圧力制御装置(APR)を用いているため、流量制御手段12と圧力制御手段13との間の圧力の制御を容易に行なうことができる。
これにより、100%セレン化水素ガスの連続的な通気により、原料ガス供給流路L2にセレン(Se)結晶が析出して、100%セレン化水素ガスの流量が変動した場合であっても、100%セレン化水素ガスの流量の変動に追従して不活性ガスの流量を補正することで、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの流量比を一定に保つことができる。このため、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給することができる。
したがって、セレン化水素混合ガスの供給開始から長時間経過した場合であっても、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度の設定値と実測値との間の誤差を低減することができる。
(例1)
図1に示す供給装置1を用いて、太陽電池製造装置にセレン化水素混合ガスを連続して供給した。太陽電池製造装置へのセレン化水素混合ガスの連続供給には、バッファータンク2を用いたバッチ方式を用いた。
また、セレン化水素混合ガスの供給時の、供給装置1の条件としては、表1の条件を用いた。
表1の条件にて50回のバッチ処理を行った後、バッファータンク2に連通されたガス濃度分析計22を用いて混合ガスの濃度変化を記録した。結果を表2に示す。
図3に示す供給装置101を用いて、太陽電池製造装置にセレン化水素混合ガスを連続して供給した。太陽電池製造装置へのセレン化水素混合ガスの連続供給には、バッファータンク102を用いたバッチ方式を用い、供給装置101のセレン化水素混合ガスの供給条件としては、表1の条件を用いた。
表1の条件にて50回のバッチ処理を行った後、バッファータンク102に連通されたガス濃度分析計122を用いて混合ガスの濃度変化を記録した。結果を表2に示す。
以上より、セレン化水素混合ガスを連続供給した場合に、本発明を適用した例1は、従来技術である例2と比較して、連続供給前後のセレン化水素混合ガスの濃度変化を約1/130程度に抑えることができることを確認した。
2…バッファータンク
3,10,14,17,18,19,21,23,24…開閉バルブ
4,11…圧力調整器
5…マスフローコントローラ(流量制御手段)
6,9,14…自動弁
7,8,15,16,20…圧力計
12…流量制御手段
13…圧力制御手段
22…ガス濃度分析計
25…演算手段
L1…ベースガス供給流路
L2…原料ガス供給流路
L3〜L6…流路
E1…回線
E2…フィードバック回線
Claims (10)
- ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であって、
前記不活性ガスの流量と前記100%セレン化水素ガスの流量とを設定された流量にそれぞれ制御する第1ステップと、
前記不活性ガスと前記100%セレン化水素ガスとを混合して、セレン化水素混合ガスを調製する第2ステップと、
調整された前記セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度を測定する第3ステップと、
前記セレン化水素濃度の設定値と測定値との誤差に基づいて、前記不活性ガスの設定された流量を修正する第4ステップと、を備え、
前記第1乃至第4ステップを1以上繰り返すことを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。 - 前記原料ガス供給流路において、当該原料ガス供給流路に設けられた流量制御手段により、前記100%セレン化水素ガスの流量を所定の流量に制御し、前記流量制御手段の下流側に設けられた圧力制御手段により、前記流量制御手段と当該圧力制御手段との間の前記100%セレン化水素ガスを所定の圧力に保ちながら供給することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。
- 前記流量制御手段が、オリフィス又はニードル弁であり、
前記圧力制御手段が、自動圧力制御装置(APR)であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。 - 前記オリフィス又はニードル弁が、金属製であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。
- 所定の濃度に調整した前記セレン化水素混合ガスをバッファータンクに貯留し、前記バッファータンクから所望の濃度のセレン化水素混合ガスを供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。
- ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置であって、
前記ベースガス供給流路に設けられた流量制御手段と、
セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度を測定するガス濃度分析計と、
前記セレン化水素濃度の設定値と測定値との誤差から、前記不活性ガスの供給量の補正量を算出する演算手段と、を備え、
前記演算手段と前記流量制御手段とが、フィードバック回線で接続されていることを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。 - 前記原料ガス供給流路が、前記100%セレン化水素ガスの流量を所定の流量に制御するための流量制御手段と、前記100%セレン化水素ガスの圧力を一定に制御するための圧力制御手段と、を備えることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。
- 前記流量制御手段が、オリフィス又はニードル弁であり、
前記圧力制御手段が、自動圧力制御装置(APR)であることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。 - 前記オリフィス又はニードル弁が、金属製であることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。
- 所定の濃度に調整した前記セレン化水素混合ガスを貯留するバッファータンクを備え、
前記バッファータンクには、前記セレン化水素混合ガスを供給するための供給口が設けられていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。
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