以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、通路形成ユニットが取り付けられている。通路形成ユニットは、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とが形成されている。通路形成ユニットにおいて、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。図3は内枠13の正面図である。なお、図3においては図2と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている(図1参照)。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に若干のクリアランスを設けてもよい。
樹脂ベース70の前面における回動基端側(図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図3の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63(図2参照)を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている(図2参照)。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
図3に示すように、樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって同窓孔74が後方から塞がれている。遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入球装置84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、作動入球部82,83及び可変入球装置84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入球装置84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット88は遊技盤80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動入球部82,83等が配設されている。作動入球部82,83は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動入球部82(以下便宜上、下側作動入球部82と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動入球部83(以下便宜上、右側作動入球部83と称する)とによって構成されており、特に右側作動入球部(抽選契機入球部)83には、可動式の入球補助装置(入球補助手段)又は入球規制装置(入球規制手段)としての電動役物が設けられている。電動役物は右側作動入球部83への入球が可能となる状態(補助状態)と、同入球が不可となる状態(非補助状態)とに切替可能となっている。右側作動入球部83に関しての詳細は後述する。
この右側作動入球部83の上方に上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、右側作動入球部83の電動役物が予め設定された回数だけ上記入球が可能な状態に切り替る。右側作動入球部83の動作についての詳細は後述する。
なお、下側作動入球部82への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右側作動入球部83への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下側作動入球部82に対する右側作動入球部83の有利性を高める上では、下側作動入球部82に係る払出個数よりも右側作動入球部83に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)84,85についても、下側作動入球部82及び右側作動入球部83と同様に、可変表示ユニット88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット88の下方(詳しくは下側作動入球部82の下方)に配置された可変入球装置84を「下側可変入球装置84」と称し、可変表示ユニット88の右方(詳しくは右側作動入球部83の下方)に配置された可変入球装置85を「右側可変入球装置85」と称する。
下側可変入球装置84は、遊技盤80の背面側へと通じる下側大入賞口84aを備えているとともに、当該下側大入賞口84aを開閉する開閉手段としての開閉機構93を備えている。開閉機構93は、下側大入賞口84a用の開閉部材としての開閉扉93aを備えている。開閉扉93aは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態、受入状態)と、同入球が不可となる閉状態(非補助状態、非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉93aは遊技盤80の背面側に設けられた可変入球駆動部82b(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉93aが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける下側可変入球装置84の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉93aの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
右側可変入球装置85は、下側可変入球装置84と同様に、遊技盤80の背面側へと通じる右側大入賞口や当該右側大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉等を備えている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態、受入状態)と、同入球が不可となる閉状態(非補助状態、非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉は閉状態のまま維持され、右側作動入球部83への入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。
ここで、抽選結果確定モードとは、右側作動入球部83における抽選結果(特別当たり)が有効となって右側可変入球装置85が開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。抽選結果確定モードにおける右側可変入球装置85の開放態様としては、後述する右作動口用表示部に特別当たりを示す絵柄が表示されたタイミングから所定期間(例えば3sec)が経過するまで開閉扉84bが開放されるように、すなわち上記受入状態となるように設定されている。
次に、可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88には、作動入球部82への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置96が設けられている。また、可変表示ユニット88には、図柄表示装置96を囲むようにしてセンターフレーム97が配設されている。センターフレーム97の下部には、下側作動入球部82に対応する保留ランプ部98が設けられている。本実施の形態においては、遊技球が下側作動入球部82を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98の点灯によって下側作動入球部82に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置96には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
作動入球部82,83は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動入球部82,83への入賞をトリガとして大当たり等が発生し得るため、遊技者は各作動入球部82,83に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。各作動入球部82,83を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
可変表示ユニット88を挟んで右側可変入球装置85とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
主表示ユニット87においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下側作動入球部82への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部DLと、右側作動入球部83への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部DRとを有してなる。
下作動口用表示部DLでは、下側作動入球部82への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部82への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部82への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部DRでは、右側作動入球部83への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右側作動入球部83への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右側作動入球部83への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部82,83への入賞に基づいて、対応する表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部82,83への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
なお、本実施の形態においては遊技球が下側作動入球部82を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部DL,DR以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右側作動入球部83に設けられた上記電動役物が所定の態様で開放される。
これら各表示部DL,DR,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。なお、これら各表示部DL,DR,DS,DHにおける表示態様については後述する。
再び図3を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニットに一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニットに設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図5に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図5は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図5の右側)には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース70に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、図6及び図7を参照して遊技盤80の背面の構成を説明する。図6は遊技盤80を遊技機後方から見た斜視図、図7は遊技盤80から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
図6に示すように、遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット88には、センターフレーム97を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置96が取り付けられるとともに、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
図7に示すように、可変表示ユニット88の下方には一般入賞口81や作動入球部82,83等を介して遊技盤80の背面側に移動した遊技球を回収する集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150は遊技盤80に固定されており、同集合板ユニット150には当該集合板ユニット150を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている(図6参照)。なお、主制御装置ユニット160の搭載対象は、集合板ユニット150に限定されるものではない。例えば、主制御装置ユニット160を遊技盤80に搭載することも可能である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製を用いて形成された無色透明な取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。取付台161は、集合板ユニット150によって回動可能に支持されており、取付台161ごと主制御装置ユニット160を回動させることで同取付台161から主制御装置162を取り外すことなく目視による確認作業が可能となっている。
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図8に基づき裏パックユニット15について説明する。図8は裏パックユニット15の正面図である。
既に説明したように内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。図8に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも上記可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている(図2参照)。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図8に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
ここで、上記集合板ユニット150とそれに関連する構成とについて補足説明する。集合板ユニット150は、上述した一般入賞口81等を介して遊技盤80の背面側に誘導された遊技球を回収する集合板151を備えている。集合板151は、光透過性を有する(具体的には無色透明な)合成樹脂材料によって形成されており、遊技球の流下経路の目視による確認が容易化されている。これにより、仮に集合板151にて球詰まり等が発生した場合であっても、そのような不都合がどの箇所で生じているかを容易に把握することが可能となっている。
図7に示すように、集合板151は、遊技球を回収する機能が付与された本体部と遊技盤80に対する取付部とが一体成形されてなり、全体として遊技盤80の左右両端部に跨って延びる横長状をなしている。取付部は、遊技盤80の背面に対して平行な板状をなしており、同取付部が遊技盤80に面当りした状態でネジ止めされることにより、集合板151と遊技盤80とが一体化されている。
集合板151の本体部には遊技盤80の背面に向けて起立する一対の壁部が設けられており、これら各壁部によって遊技球を回収する回収通路が区画形成されている。回収通路は、一般入賞口81、作動入球部82,83及び可変入球装置84,85等の各入球部に対応して複数設けられている。それら各入球部に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下部に集められる。
遊技盤80の下方には上述した排出通路盤203(図2参照)が配置されており、回収通路によって遊技盤80の下部に集められた遊技球は排出通路に導出され、その後パチンコ機10の外部に排出される、詳しくは島設備に返却される。なお、上述したアウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は同アウト口89を介して排出通路内に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。
各回収通路のうち一般入賞口81及び下側作動入球部82に対応する回収通路の途中位置には、遊技球の通過を検知する検知センサが設けられている。各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口81等の入球部への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各検知センサは、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置162)に電気的に接続されており、それら検知センサにて生成された検知信号が同主制御装置162に対して出力される構成となっている。
<右側作動入球部83>
本実施の形態においては、上述した右側作動入球部83に関して特徴的な構成を有している。そこで以下、図9〜図12に基づき右側作動入球部83について詳しく説明する。図9(a)は図4における右側作動入球部83及びその周辺部位を拡大して示す部分拡大図、図9(b)は右側作動入球部83を正面側から見た斜視図、図10は図9(a)のA−A線部分断面図、図11は右側作動入球部83を正面側から見た分解斜視図、図12は右側作動入球部83を背面側から見た分解斜視図である。なお、図10においては便宜上、遊技盤80を2点鎖線によって表している。
図9(a)に示すように遊技盤80において可変表示ユニット88の右側となる部位には上述した開口部92aが形成されている。開口部92aは遊技盤80の厚さ方向に貫通しており、この開口部92aに対して遊技機前方から右側作動入球部83が嵌まっている。このようにして右側作動入球部83が配置された状態では、当該右側作動入球部83の外郭を形成するハウジング300によって同開口部92aが覆われている。
ハウジング300は遊技盤80に対する取付部としてのベース部310を有しており、当該ベース部310が同遊技盤80に対してネジ止めされることで右側作動入球部83が当該遊技盤80に一体化されている。
ベース部310は遊技盤80の前面と対向する略平板状をなしており、その中央部分には、遊技盤80の厚さ方向に貫通するようにして開口(以下、右側作動口311と称する)が形成されている。右側作動口311は縦長の略矩形状をなしており、遊技球の通過を許容する大きさを有している。
図9(b)に示すように、ベース部310の前方には遊技機正面視にて右側作動口311と重なるようにして(右側作動口311を遊技機前方から覆うようにして)カバー部材350が設けられている。カバー部材350は、ベース部310及び右側作動口311に対して隙間を隔てて対向する略矩形板状の対向部351と同対向部351からベース部310側へ起立する脚部352とを有しており、これら脚部352がベース部310に対して固定されることで、ハウジング300に対して一体化されている。
図9(a)に示すように、脚部352はベース部310の各コーナ部分に配設されている。脚部352の起立量は対向部351とベース部310及び右側作動口311との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように設定されており、対向部351及びベース部310間の遊技球の通過が許容されている(図10参照)。
ここで、脚部352の構成及び配置に関して補足説明する。脚部352は、正面視にて右側作動口311の外側となる位置(詳しくは右側作動口311の4隅に隣接する位置)に配されており、右側作動口311よりも上側に配された左右一対の上側脚部352Uと、同右側作動口311よりも下側に配された左右一対の下側脚部352Lとによって構成されている。上側脚部352Uは、遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて対峙しており、これら両上側脚部352Uの間を通過した遊技球が右側作動口311へ向けて落下する構成となっている。つまり、上側脚部352Uには、右側作動口311へ向けた遊技球の落下経路を規定する機能が付与されている。
下側脚部352Lは、上側脚部352Uの下方に配置されており、上側脚部35Lと下側脚部352Lとの間を遊技球が通過可能となるように形成されている。上側脚部352Uの間を通過した遊技球は、右側作動口311の前方を素通りした場合には、下側脚部352Lの間を通過して上記右側可変入球装置85へ向けて落下することとなる(図4参照)。
カバー部材350は、透明性を有する合成樹脂材料によって形成されており、対向部351を通じた右側作動口311の視認性と、ベース部310及び対向部351の間を通過する遊技球の視認性とが確保されている。つまり、遊技領域PEを流下する遊技球が右側作動口311に流入するか否かを遊技機前方から目視にて確認可能となっている。
図10に示すように、ハウジング300には、中空の略箱状をなす本体部315が設けられている。本体部315の内部には、右側作動口311に連なるとともに当該右側作動口311から流入した遊技球を遊技盤80の背面側へ(詳しくは集合板151の回収通路)へ案内する案内通路316が設けられている。案内通路316は、右側作動口311に連通するとともに遊技機後方へ下る(前後に延びる)上流側通路317と、当該上流側通路317の下流側の端部から下方に延びる下流側通路318とによって構成されている。
上流側通路317及び下流側通路318は、遊技球1個分の通路幅となるように形成されており、それら各通路317,318における同一箇所を複数の遊技球が同時に通過しない構成となっている。
下流側通路318には、右側作動口311へ流入した遊技球を検知する球検知センサ360(詳しくは磁気センサ)が遊技球の流下経路上に検知領域が存在するようにして配設されている。球検知センサ360は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該球検知センサ360からの検知信号(検知情報)が同主制御装置162に出力される。この検知信号に基づいて、主制御装置162にて右側作動口311への入賞の有無等を把握することが可能となっている。
右側作動口311から流入した遊技球は上流側通路317を経由して下流側通路318に到達し、下流側通路318に到達した遊技球は当該下流側通路318に沿って落下する。そして、球検知センサ360の通過部361を通過した後、出口部としての下側開口部325を通じてハウジング300(右側作動入球部83)外へ排出され、最終的に遊技ホール等の島設備に返却される。
本実施の形態におけるハウジング300は、図11及び図12に示すように、上記ベース部310を有する前側構成体301及び当該前側構成体301と対を成す後側構成体302とが組み合わされてなり、ハウジング300の内部領域において球検知センサ360の収容領域よりも上側となる領域は、右側作動入球部83における遊技球の受入を可能となる受入状態と遊技球の受入を不可とする非受入状態とに切替可能な電動役物としての可変入球機構400の収容領域となっている。
このように、遊技球の入球及び同遊技球の検知に関する構成をハウジング300内に収容することで、それら各種構成の露出を抑え同構成に対するハウジング300外からのアクセスを抑制している。これにより、右側作動入球部83における防犯機能の向上が図られている。
<可変入球機構400>
以下、図9〜図12に加えて図13及び図14を参照し、ハウジング300内に収容された可変入球機構400について説明する。図13(a)は可変入球機構400及びそれに付随する構成の側面図、図13(b)は図10の部分拡大図、図14(a)は可変入球機構400及びそれに付随する構成を正面側から見た分解斜視図、図14(b)は可変入球機構400及びそれに付随する構成を背面側から見た分解斜視図である。なお、図13(b)においては便宜上、可変入球機構400の周辺部品等を2点鎖線によって表している。
可変入球機構400は、右側作動口311の前方を通過する(落下する)遊技球を当該右側作動口311へ誘導する誘導状態と、同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能に設けられた誘導部材410を有している。図13(a)に示すように誘導部材410は前後方向に延びる略長板状をなしており、上記上流側通路317の底面部を形成する板状部321から起立して設けられた左右一対の起立部322上に載置されている(図13(b)参照)。
誘導部材410には、上流側通路317において板状部321及び起立部322によって区画された領域と連通するようにして連通口411が形成されている。連通口411は、上流側通路317に沿って延びており、上流側通路317から下流側通路318への遊技球の移動を妨げない構成となっている。このようにして連通口411が形成されることで、誘導部材410は中央に開口を有する略枠状をなす構成となっている。
図13(b)に示すように、ハウジング300の本体部315には、起立部322に載っている誘導部材410の左右両端部(両長辺部)に1対1で対応させて溝部326が形成されており、同溝部326によって誘導部材410の移動方向が前後方向となるように規定されている。また、誘導部材410を下方から受ける溝部326の下面(起立部322の上面)及び溝部326の上面は平坦となっており、同誘導部材410の前後方向への移動に際にて高さ位置の変更や姿勢の変更が生じないように形成されている。これにより、誘導部材410が前後方向に移動する際には同誘導部材410と起立部322との距離が変化することを回避している。
誘導部材410は、その後端部が本体部315の奥壁部327と当接するようにして配置されており、同奥壁部327によってそれ以上の後方への移動が阻止されている。以下便宜上、誘導部材410において奥壁部327と当接する最後位置を当該誘導部材410の初期位置と称する。
図12に示すように、誘導部材410の後端部には遊技機後方へ凸となる突起412が形成されており、当該突起412の先端部分が奥壁部327に形成されたスリット327aを通じて本体部315(ハウジング300)外に突出している。本体部315には、突起412が予め定められた位置に存在しているか否かに基づいて誘導部材410の位置を検知する位置検知センサ370(詳しくは光学センサ)が搭載されている。
位置検知センサ370は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、上記突起412を検知することにより誘導部材410が初期位置に配置されている旨の検知信号(検知情報)を同主制御装置162に出力する。主制御装置162においては、位置検知センサ370からの検知信号に基づいて誘導部材410の動作の有無等を把握可能となっている。
再び図13(b)を参照して説明すれば、誘導部材410の前側の端部、すなわち連通口411よりも前側となる部位には、遊技球を上流側通路317(詳しくは連通口411)へ誘導する誘導部413が形成されている。誘導部413は、誘導部材410が初期位置に配置されている状態、詳しくは当該誘導部材410が奥壁部327に当接している状態では、右側作動口311からの突出が回避されるようにして形成されている。より詳しくは、誘導部413は、ベース部310の前面を含んだ仮想平面と同一の仮想平面上に当該誘導部413の前端縁が位置するようにして形成されている。
誘導部413の上面は遊技機後方へ下り傾斜している。このため、当該上面に載った遊技球は、その傾斜に沿って移動することで上流側通路317の奥側(連通口411側)へ移動することとなる。以下便宜上、誘導傾斜面414と称する。
誘導部材410が初期位置から前方に移動することで、誘導部413が右側作動口311から突出し、同突出する位置から後方へ移動することで誘導部413の右側作動口311からの突出が抑えられる。
誘導部材410の前方への移動に伴って誘導部413が右側作動口311から突出し、その突出量が予め定められた規定量に達すると、誘導部材410による右側作動口311への誘導機能が有効化される。具体的には、右側作動口311の前方を通過する遊技球が誘導傾斜面414に当接した場合に同遊技球が右側作動口311へ誘導されることとなる。一方、誘導部413の突出量が上記規定量に達していない場合、例えば誘導部材410が初期位置に配置され同誘導部413が右側作動口311から突出していない場合には、右側作動口311の前方を落下する遊技球については、当該右側作動口311を素通りし、同右側作動口311への流入が回避されることとなる。
誘導部材410に対して上流側通路317における遊技球の通過領域を隔てて対峙する位置、詳しくは右側作動口311における上側縁部寄りとなる位置には、上記誘導部材410とともに可変入球機構400を構成し、当該右側作動口311を通じた遊技球の流入を阻止する阻止状態と遊技球の流入を許容する許容状態とに切替可能な阻止部材420が配設されている。
阻止部材420には、誘導部413の上方に位置するとともに同誘導部413に対して隙間を隔てて対向する対向板部421と同対向板部421から後方に延出するアーム部422とが設けられている。アーム部422の先端に形成された軸部423がハウジング300(本体部315の側壁部328)に形成された軸受け孔328aに嵌まることで阻止部材420が同ハウジング300に対して一体化されている。
軸受け孔328aの中心軸線CL1は、上流側通路317の通路方向と交差する方向(左右方向)に延びている。阻止部材420は、この中心軸線CL1を中心として、誘導部材410に近づく側及び同誘導部材410から遠ざかる側に回動可能となっている。
ハウジング300の側壁部328には、対向板部421に対して下方から当接することで阻止部材420の誘導部413側への回動を阻止するストッパ部329が設けられている。ストッパ部329に対して対向板部421が載っており、少なくとも阻止部材420の自重によって当該阻止部材420のストッパ部329からの浮き上がりが抑えられている。
対向板部421における前側の端部(回動先端側の端部)には、誘導部413側へ凸となる爪部424が形成されている。爪部424の起立量は、上述の如く対向板部421がストッパ部329に当接している状態では、当該爪部424の先端と誘導部413(詳しくは誘導傾斜面414)との隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように設定されており、誘導部材410と阻止部材420との間を遊技球が通過不能となっている。
また、爪部424は、阻止部材420の動作範囲の全域にて右側作動口311からの突出が回避されており、当該右側作動口311の前方を通過する遊技球との干渉が抑制されている。
ここで、図14を参照して誘導部材410の誘導部413及び阻止部材420の爪部424について補足説明する。
誘導部413(誘導傾斜面414)は、カバー部材350の対向部351に向けて(遊技機前方に向けて)凸となっており、その横幅が対向部351側に向けて徐々に小さくなる先細り状をなしている。誘導部413の先端部は右側作動口311における左右方向の中央に位置しており、当該先端部に対して左右にずれた位置に向けて落下した遊技球の誘導機能が発揮されにくくなっている。このため、誘導部413に向けて落下する遊技球は、先端部から遠い位置に落下することで右側作動口311へと誘導されにくくなり、過度に多くの遊技球が右側作動口311に流入することが抑制されている。また、同時に複数の遊技球が誘導部413上に載ることを抑制し、同誘導部413に生じる負荷の低減が図られている。更には、誘導部材410が非誘導位置へと移動する際には、右側作動口311から突出量の減少に対して突出している部位の面積の減少度合いを高めることができ、誘導機能を好適に低下させることが可能となっている。
阻止部材420の爪部424については、誘導部413に向けて凸となっており、同誘導部413に向けて横幅が小さくなる先細り状をなしている。爪部424の先端は、誘導部413と同様に右側作動口311における左右方向の中央に位置しており、右側作動口311へと誘導されている遊技球に対して爪部424が当たった際には、同遊技球が左右に押されやすくなっている。上述の如く誘導部413については右側作動口311の中央寄りとなる位置を移動する遊技球に対して中央から離れた位置を移動する遊技球を誘導する機能が抑えられており、同爪部424が阻止位置へ移動した際に当該爪部424によって左右に押された遊技球は誘導部413から転落しやすくなっている。これにより、誘導部413上に複数の遊技球が載って阻止部材420や誘導部材410に生じる負荷が大きくなることを好適に回避できる構成が実現されている。
本実施の形態においては、可変入球機構400が、当該可変入球機構400を構成する誘導部材410及び阻止部材420を1の駆動部500からの動力に基づいて動作させる動力伝達手段(詳しくはリンク機構)を有している。以下、図10,図13及び図14を参照して駆動部500及び動力伝達手段について説明する。
<駆動部500及び動力伝達手段に関する構成>
図10に示すように、駆動部500は、上記主制御装置162に対して電気的に接続された動力発生源としてのソレノイド501と、同ソレノイド501を収容するケース体502とを有している。駆動部500は、ハウジング300の後方(詳しくは阻止部材420の後方)に配置されており、ハウジング300の奥壁部327に対してケース体502が固定されることでハウジング300と一体化されている。
ソレノイド501は、前後方向にスライド移動可能な軸体503を有している。軸体503はソレノイド501に内蔵された付勢手段としてのバネ部材によって遊技機前方に付勢されている。つまり、軸体503は、通常時においてはバネ部材により最前位置にて待機した状態となっている。主制御装置162から駆動信号が入力された場合には、ソレノイド501が非励磁状態から励磁状態に切り替ることにより、上記バネ部材による付勢力に抗して軸体503が遊技機後方にスライド移動する。これにより、軸体503の位置が一時的に最前位置から最後位置へと変化することとなる。
ソレノイド501及びケース体502は、ハウジング300(詳しくは奥壁部327)の背面側に配されており、軸体503の先端部が奥壁部327に形成されたスリット327aを通じてハウジング300内に挿入されている。軸体503においてハウジング300内に挿入されている部分には、上記リンク機構を構成する第1リンク部材450が連結されている。
具体的には、軸体503の先端には第1リンク部材450との連結部としての駆動部側係合部504が設けられている。一方、第1リンク部材450は、軸体503のスライド方向と同一方向に延びる本体部451と、当該本体部451の後端部に設けられたリンク側係合部452とを有し、同リンク側係合部452と駆動部側係合部504とが係合している。これにより、軸体503に追従した第1リンク部材450のスライド移動が実現されている。なお、奥壁部327の挿通孔327bはケース体502によって遊技機後方から覆われており、同挿通孔327bを通じたハウジング300の内部領域へのアクセスが駆動部500によって妨げられている。
図10に示すように、ハウジング300において板状部321の上方となる位置には、第1リンク部材450(詳しくはリンク側係合部452)が載置される載置部331が設けられている。載置部331は、軸体503の移動方向と同一方向に延びており、軸体503に追従した第1リンク部材450の移動範囲の全域にて同第1リンク部材450との当接が維持されるにようにして形成されている。当該載置部331上を第1リンク部材450が摺動することで、第1リンク部材450の重量負荷が駆動部500に集中することを回避している。
また、載置部331の上方にはハウジング300の天壁部332が位置しており、当該天壁部332と載置部331とによって第1リンク部材450が上下に挟まれた状態となっている。また第1リンク部材450はハウジング300の両側壁部328によって左右に挟まれており、これら載置部331,天壁部332,側壁部328によって軸体503の移動方向と交差する方向への移動が規制されている。
<誘導部材410を駆動させる構成>
図13に示すように、第1リンク部材450と上記誘導部材410との間(詳しくは載置部331の前方)には、当該第1リンク部材450とともに上記リンク機構を構成する第2リンク部材470が配されている。駆動部500から第1リンク部材450に伝達された動力は、第1リンク部材450→第2リンク部材470→誘導部材410の順に伝達される。
具体的には、第2リンク部材470は、第1リンク部材450のスライド方向と直交する方向(詳しくは左右方向)に延びる略円柱状の柱状部471を有し(図14参照)、当該柱状部471の両端に設けられた軸部472がハウジング300(詳しくは側壁部328)に形成された軸受け孔328b(図12参照)に嵌まることで同ハウジング300に対して一体化されている。
軸受け孔328bの中心軸線CL2は、上流側通路317の通路方向と交差する方向(左右方向)に延びている。第2リンク部材470は、この中心軸線CL2を中心として回動可能となっている。
本実施の形態においては、誘導部材410及び阻止部材420を通路領域を挟んで並設するとともにこれら両部材410,420を1の駆動部500によって駆動する構成を採用し、上述したリンク部材450,470については駆動機構全体の簡素化及び小型化並びに防犯性を考慮してハウジング300内に収容している。
誘導部材410及び阻止部材420に跨るようにして配置された第2リンク部材470については、案内通路316(上流側通路317)の通路領域に位置している。誘導部材410と阻止部材420との間を遊技球が通過する構成においては、同遊技球と第2リンク部材470とが干渉することは、球詰まりや動作不良等の要因となるため好ましくない。
この点、第2リンク部材470は誘導部材410の誘導部413よりも通路奥側(遊技機後方)且上側となる位置に配置されており、同第2リンク部材470(詳しくは柱状部471)柱状部471と誘導部材410が初期位置に配置された状態での誘導部413及び板状部321との間には遊技球の通過を許容する大きさの隙間が形成されている。更には、誘導部413の上面と板状部321の上面とは、前者が上位、後者が下位となる段状をなしている。このため、誘導部413を通り過ぎた遊技球は板状部321へと落下し、第2リンク部材470へ向けての移動が回避される。これより、上流側通路317を流下する遊技球と同第2リンク部材470(詳しくは柱状部471)との干渉が好適に回避されている。
第1リンク部材450の本体部451には、当該第1リンク部材450に連動するようにして第2リンク部材470を動作させるための操作手段として第1操作部455及び第2操作部456が設けられており、第2リンク部材470の柱状部471にはこれら第1操作部455及び第2操作部456に対して1対1で対応する第1操作受け部475と第2操作受け部476とが形成されている。
第1操作受け部475は、第1リンク部材450側(詳しくは上側)に凸となる突起状をなしている(図14(b)参照)。これに対して、第1操作部455は第2リンク部材470側(下方)に開放された凹状をなしており、当該凹状部分に第1操作受け部475の先端部分が挿入されている。詳しくは、第1操作部455を構成する後側の壁面部(以下便宜上、後側壁面部455Rと称する)と同第1操作部455を構成する前側の壁面部(以下便宜上、前側壁面部455Fと称する)との間に第1操作受け部475の先端部分が挿入されている。
第1操作部455の前側壁面部455Fが第1リンク部材450の後退に伴って第1操作受け部475を遊技機前方から押した場合には、第2リンク部材470が上記中心軸線CL2を中心として第1の方向へ回動することとなる。一方、第1操作部455の後側壁面部455Rが、第1リンク部材450の前進に伴って第1操作受け部475を遊技機後方から押した場合には、第2リンク部材470が中心軸線CL2を中心として第1の方向とは逆方向となる第2の方向へ回動することとなる。
ここで、第1操作部455は第1リンク部材450のスライド方向と同じ方向に延びており(図14(a)参照)、第1リンク部材450が初期位置に配置されている状態においては第1操作部455の後側壁面部455Rと第1操作受け部475とが当接している一方で、第1操作部455の前側壁面部455Fと第1操作受け部475とが隙間を隔てて対峙している。このような隙間を設定することにより、第1リンク部材450のスライド方向と同じ方向における第1操作部455と第1操作受け部475との相対変位を許容し、第1リンク部材450の動作期間と第2リンク部材470の動作期間とに差違を生じさせている。つまり、第1リンク部材450及び第2リンク部材470の動作態様として、両リンク部材450,470が連動する動作態様と、両リンク部材450,470が連動しない動作態様とが設けられている。
図14に示すように、第2操作受け部476は、第1操作受け部475に対して柱状部471の長手方向(左右方向)にずらして配されているとともに、第1操作受け部475と同様に第1リンク部材450側(詳しくは上側)へ凸となる突起状をなしている。一方、第1リンク部材450の第2操作部456は本体部451の側面から突出しているとともに第1リンク部材450のスライド方向と同じ方向に延びる突条をなしており、当該第2操作部456の下面456aに対して第2操作受け部476が下方から当接した状態となっている。
図13(a)に示すように、第1操作部455の後側壁面部455Rと第1操作受け部475とが当接している状態での同第1操作受け部475と前側壁面部455Fとの前後方向における隙間寸法は、第2操作受け部476と第2操作部456との前後方向における掛かり代よりも大きく設定されている。このため、第1リンク部材450が初期位置から後退すると、先ず第2操作受け部476と第2操作部456とが前後方向に離間し、その後、第1操作部455の前側壁面部475Fが当接することとなる。つまり、第2リンク部材470が回動を開始するタイミングにおいては、第2操作部456と第2操作受け部476との当接(引っ掛かり)が解除され、同第2リンク部材470の回動が許容される。
そして、第2リンク部材470の回動に伴って第2操作受け部476が第2操作部456の移動経路上へと移動する。これにより、第1リンク部材450が初期位置へと復帰する際には、同第2操作受け部476が第2操作部456によって遊技機前方へ押されることで第2リンク部材470が第2の方向へ回動することとなる。
つまり、第1リンク部材450が後退する際には、第1操作部455によって第1操作受け部475が押されることで同第1リンク部材450と第2リンク部材470とが連動し、第1リンク部材450が前進する際には第2操作部456によって第2操作受け部476が押されることで同第1リンク部材450と第2リンク部材470とが連動する。
第2リンク部材470の柱状部471には上記各操作受け部475,476とは反対側(誘導部材410側)に突出する軸受け部473が設けられており、誘導部材410には当該軸受け部473に対応する軸部417が設けられている(図14(b)参照)。軸受け部473は柱状部471の中心軸線における放射方向に開放された略U字状をなしており、軸受け部473を構成する1組のアーム部によって軸部417が前後に挟まれた状態となっている。このようにして、軸受け部473と軸部417とを組み合わせることにより、第2リンク部材470の回動中心軸線CL2から軸部417までの距離の変化が許容され、第2リンク部材470の回動に応じた誘導部材410がスライド移動が許容されている。
第2リンク部材470が第1の方向へ回動した場合には(第1リンク部材450が後退した場合には)、軸受け部473によって軸部417が遊技機前方に押され、第2リンク部材470の回動に応じて誘導部材410が前進することとなる。一方、第2リンク部材470が第2の方向へ回動した場合には(第1リンク部材450が前進した場合には)、軸受け部473によって軸部417が遊技機後方に押され、第2リンク部材470の回動に応じて誘導部材410が後退することとなる。
<阻止部材420を駆動させる構成>
第2リンク部材470は、柱状部471から阻止部材420の爪部424側(前側)に突出する突出部479を有している(図14(a)参照)。突出部479は、阻止部材420のアーム部422の下方に位置しており、同アーム部422に対して隙間を隔てて対峙している。
第2リンク部材470が上記第1の方向に回動すると、突出部479がアーム部422に対して下側から当接し、同突出部479によってアーム部422が上方に持ち上げられることとなる。これにより、ストッパ部329によって支えられていた阻止部材420が自重に抗して回動し、爪部424が誘導部材410(詳しくは誘導部413)から遠ざかる側へ移動する。
このような爪部424の移動に伴って同爪部424と誘導部413との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなることにより、誘導部413と爪部424との間を遊技球が通過可能となる。
また、遊技球の通過を許容している状態にて第2リンク部材470が第2の方向に回動すると突出部479が下方へと移動し、同突出部479の移動に寄りかかるようにして阻止部材420が回動する。そして、対向板部421がストッパ部329に対して当接することで、寄りかかりの対象がストッパ部329に移り、突出部479に追従した動作が停止する。これにより、ストッパ部329に載った初期位置にて待機することとなる。
<誘導部材410及び阻止部材420の初期位置からの移動を規制する構成>
本実施の形態における動力伝達手段においては、誘導部材410及び阻止部材420が初期位置に配置されている状態にて、リンク部材450,470を介在しないそれら誘導部材410等の移動を規制する機能が付与されている。以下、図13を参照して、同規制機能に関する構成について説明する。
図13(a)を参照して説明したように、第1リンク部材450が初期位置に配置されている状態では、第2リンク部材470の第2操作受け部476の先端部が第1リンク部材450の第2操作部456に対して下方から当接している。このため、誘導部材410が右側作動口311を通じて初期位置から遊技機前方に引っ張られる等した場合であっても、第2操作受け部476の移動が第2操作部456によって妨げられ、第2リンク部材470の回動が第1リンク部材450によって阻止されることとなる。このため、第2リンク部材470に追従した移動が許容されているとともに同第2リンク部材470とは独立した移動が不可となっている誘導部材410については、スライド移動が規制されることとなる。
次に、図13(b)を参照して、阻止部材420の初期位置からの移動を規制する構成について説明する。
第1リンク部材450は、当該第1リンク部材450が初期位置に配置されている状態では、同第1リンク部材450の本体部451が阻止部材420のアーム部422間に位置するようにして配置されている。本体部451には、本体部451から遊技機前方に延出する延出部461が形成されている。延出部461は、当該延出部461の下面461aが阻止部材420の対向板部421に対して遊技機上方から僅かな隙間を隔てて対向するようにして形成されている。なお、延出部461を下面461aが対向板部421に対して当接するように形成してもよい。
延出部461の下面461aは、遊技機下方を向く平面状をなしており、対向板部421に対して面接触している。つまり、対向板部421については上記ストッパ部329と延出部461とによって上下に挟まれた状態となっている。これにより、阻止部材420の初期位置からの回動が規制されている。なお、延出部461の下面461aによって対向板部421の上方への浮き上がりが阻止されている点に着目すれば、当該下面461aを「ストッパ部461a」と称することも可能である。
ここで、延出部461の構成について補足説明する。延出部461の先端部分には、遊技機における斜め前方を向くとともに遊技機前方から後方へ向けて下り傾斜する傾斜面461bが形成されている。このようにして傾斜面461bを設けることにより、右側作動口311への遊技球の流入を許容する位置に配された状態(解除状態)から同右側作動口311への遊技球の流入を許容する位置に配された状態(阻止状態)への移行時における第1リンク部材450と阻止部材420との引っ掛かりを抑え、第1リンク部材450の初期位置への復帰が妨げられることを回避している。
阻止部材420の初期位置への復帰については、同阻止部材420の自重に依存する構成を採用したが、この場合、遊技球からの反力が阻止部材420の自重負荷に勝ることにより同阻止部材420の初期位置への復帰が妨げられる可能性が生じる。ここで、阻止部材420が初期位置に復帰していない場合には、同阻止部材420の対向板部421の後端縁に対して第1リンク部材450の傾斜面461bが当接することとなる。この際、ソレノイド501からの動力(バネ部材からの付勢力)は第1リンク部材450(傾斜面461b)を通じて阻止部材420に対して作用することとなる。これにより、対向板部421が傾斜面461bによって押し下げられ、自重及びソレノイド501からの動力(付勢力)によって爪部424に当接している遊技球に対する押圧力を高めることができる。これにより、遊技球の前方又は後方への移動を促し、阻止部材420の初期位置への復帰をサポートすることができる。
<可変入球機構400の動作>
ここで、図15に基づき駆動部500(ソレノイド501)における励磁状態/非励磁状態の切り替えに伴う可変入球機構400の動作について説明する。図15(1)群は可変入球機構400の内部構造を示す概略図、図15(2)群は可変入球機構400を側方から見た概略図である。右側作動入球部83の非受入状態から受入状態への移行時には、可変入球機構400が図15(a)→図15(b)→図15(c)→図15(d)の順に動作する。
駆動部500に駆動信号が出力されていない場合には、図15(a)に示すように、ソレノイド501の軸体503がバネ部材の付勢力によって最大突出位置にて待機した状態となっている。係る状態では、誘導部材410が非誘導位置(初期位置)にて待機しているとともに、阻止部材420が阻止位置(初期位置)にて待機している。なお、両部材410,420が初期位置に配置されているとともに各リンク部材450,470が初期位置に配置されている初期状態においては、誘導部材410や阻止部材420を直接触る等して移動させようとしても、そのような行為が両リンク部材450,470によって妨げられることとなる。
主制御装置162から駆動部500に駆動信号が出力されると、同駆動部500のソレノイド501が非励磁状態から励磁状態に切り替る。これにより、図15(a)→図15(b)に示すように、ソレノイド501の軸体503が付勢力に抗して後方へスライド移動する。この軸体503の動きに追従して、第1リンク部材450が後方へスライド移動する。この際、第2操作部456が第2操作受け部476に対して摺動することにより、第2操作受け部476が第2操作部456に対して下方から当接した状態のまま維持される。これにより、第2操作受け部476の上方への移動が第2操作部456によって妨げられ、第2リンク部材470が初期位置に待機したままとなる。つまり、第1リンク部材450が第2リンク部材470とは独立して(単独で)移動することとなる。
このような第1リンク部材450単独での移動は、当該第1リンク部材450及び第2リンク部材470による誘導部材410及び阻止部材420の移動規制が解除されるまで継続される。具体的には、図15(b)に示すように第1リンク部材450における延出部461の下面461aが阻止部材420の対向板部421の後方(詳しくは対向板部421に対して当接しない位置)に移動し(図15(b1)参照)、第1リンク部材450における第2操作部456が第2リンク部材470の第2操作受け部476の後方(詳しくは第2操作部456の下面456aが第2操作受け部476に対して当接しない位置)に移動するまで(図15(b2)参照)継続される。
その後、誘導部材410と阻止部材420との移動規制が解除されるのに併せて、第1操作部455の前側壁面部455aが第2リンク部材470の第1操作受け部475に対して遊技機前方から当接する。
図15(b)に示す状態から軸体503が更に後方へ移動すると、当該軸体503に追従する第1リンク部材450の第1操作部455(詳しくは前側壁面部455a)によって第2リンク部材470の第1操作受け部475が後方に押されることとなる。これにより、第2リンク部材470と第1リンク部材450とが連動し、第1リンク部材450の後方への移動に併せて第2リンク部材470が上記第1の方向へ回動する。
第2リンク部材470が回動すると、当該第2リンク部材470の軸受け部473によって誘導部材410の軸部417が第1リンク部材450の移動方向とは反対側(遊技機前方)へ押される。これにより、誘導部材410が遊技機前方へとスライド移動することとなる。また、第2リンク部材470の回動によって、第2操作受け部476が第2操作部456の移動経路上へと移動し、第2操作部456に対して前方から対峙した状態となる。
図15(c)に示すように、誘導部材410の最後位置からの移動量が第1の所定の値に達し、同誘導部材410が非誘導状態から誘導状態に切り替った後のタイミングにて、第2リンク部材470の突出部479が阻止部材420のアーム部422に対して下方から当接する。アーム部422に突出部479が当接したタイミングにおいては、阻止部材420は初期位置にて待機しており、すなわち阻止部材420の爪部424と誘導部材410の誘導部413との隙間が遊技球の直径寸法よりも小さいまま維持されており、それら爪部424及び誘導部413の間を遊技球が通過することが不可となっている。
図15(c)→図15(d)に示すように、軸体503が更に後方へ移動すると、それに追従して第1リンク部材450が後方へ移動する。第2リンク部材470は、第1リンク部材450に連動して回動し、これにより誘導部材410の前方への移動が継続されるとともに第2リンク部材470の突出部479によって阻止部材420のアーム部422が上方へ押される。これにより、阻止部材420が回動中心軸線CL1を中心にして回動し、同阻止部材420の回動によって爪部424が誘導部413から遠ざかる側(詳しくは遊技機上方)へと移動する。また、第2リンク部材470の回動に伴って、第2操作受け部476が第2操作部456に添うようにして後方へと移動する。
軸体503の移動量が第2の所定値に達すると、阻止部材420の爪部424と誘導部材410の誘導部413との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなり、当該隙間を通じた遊技球の移動が許容されることとなる。つまり、阻止部材420が許容状態に切り替り、誘導部材410によって誘導された遊技球と阻止部材420の爪部424との干渉が回避され、同遊技球の右側作動口311への流入が許容されることとなる。
その後、図15(d)に示すように、軸体503の後方への移動量が最大になると、当該軸体503の移動が停止し、それに追従する第1リンク部材450及び第2リンク部材470の動きも停止する。そして、これら両リンク部材450,470が停止することで、誘導部材410及び阻止部材420の動きも停止することとなる。なお、第1リンク部材450の動きが停止した状態では、第2操作受け部476が第2操作部456に対して遊技機前方から僅かな隙間を隔てて対峙している。この隙間については、第1操作部455の後側壁面部455Rと第1操作受け部475との前後隙よりも小さくなっている。
次に、遊技球を受け入れる受入状態から非受入状態へと移行する場合の可変入球機構400の動作について説明する。右側作動入球部83の受入状態から非受入状態への移行時には、可変入球機構400が図15(d)→図15(c)→図15(b)→図15(a)の順に動作する。
図15(d)に示すように駆動部500が動作している場合には、ソレノイド501の軸体503がバネ部材の付勢力に抗して最後位置にて待機した状態となっている。この場合、両リンク部材450,470によって、阻止部材420が許容状態のまま維持されているとともに誘導部材410は誘導状態のまま維持されている。
図15(d)に示す状態にて、主制御装置162から駆動部500への駆動信号の出力が停止されると、同駆動部500のソレノイド501が励磁状態から非励磁状態に切り替る。これにより、ソレノイド501の軸体503がバネ部材の付勢力によって遊技機前方へスライド移動する。この軸体503の動きに追従して、第1リンク部材450が遊技機前方へスライド移動する。
図15(d)→図15(c)に示すように、第1リンク部材450が遊技機前方へ移動する際には、第1リンク部材450の第2操作部456が第1リンク部材450の第2操作受け部476に対して遊技機後方から当接する。第2操作受け部476が第2操作部456によって押されると、第2リンク部材470が上記第2の方向へ回動する。なお、この際、第1操作部455の後側壁面部455Rと第1操作受け部475との間には、所定の隙間が確保されており、第2操作部456と第2操作受け部476との動きを妨げない構成となっている。
第2リンク部材470が第2の方向に回動すると、当該第2リンク部材470の軸受け部473によって誘導部材410の軸部417が後側へ向けて押され、誘導部材410が遊技機後方へスライド移動する。また、第2リンク部材470が第2の方向に回動すると、阻止部材420のアーム部422を支えている突出部479が下方へ移動し、それに追従するようにして阻止部材420が自重により回動する。
図15(c)に示すように、軸体503の最後位置からの移動量が予め定められた所定量に達すると、阻止部材420がストッパ部329に対して当接し、当該阻止部材420の支持対象が第2リンク部材470からストッパ部329へ移る。これにより、阻止部材420の爪部424と誘導部材410の誘導部413との隙間は遊技球の直径寸法よりも小さくなり、当該隙間を通じた遊技球の移動が不可となる。
このように、阻止部材420が許容状態から阻止状態に切り替った状態であっても、誘導部材410については未だ誘導状態のまま維持されている。言い換えれば、阻止部材420は、誘導部材410が誘導状態となっている間に(すなわち非誘導状態に切り替る前に)許容状態から阻止状態に切り替ることとなる。
図15(c)→図15(b)に示すように、誘導部材410の後退に連動した阻止部材420の回動が停止した後は、軸体503の遊技機前方への移動に合わせて第1リンク部材450が前進し、同第1リンク部材450の動きに追従して第2リンク部材470が第2の方向へ回動する。これにより、誘導部材410が遊技機後方へとスライド移動する。この際、阻止部材420は自重によって初期位置に待機したままとなり、これと独立して誘導部材410が移動することとなる。
その後、図15(b)に示すように、誘導部材410が初期位置に復帰すると、第2リンク部材470の第2操作受け部476が第1リンク部材450の第2操作部456の移動経路上から離れ、第2操作部456による第2操作受け部476の押圧が不可となる。
図15(b)→図15(a)に示すように、誘導部材410及び阻止部材420が初期位置に復帰した後、更に軸体503が遊技機前方へスライド移動すると、当該軸体503に追従して第1リンク部材450が遊技機前方へとスライド移動する。この際、第1操作部455(詳しくは前側壁面部455F)と第1操作受け部475との間には、当該第1操作部455の前方への移動を許容する隙間が形成されており、同第1操作部455が、移動している間は、第2リンク部材470の動きが停止することとなる。
そして、図15(a)に示すように、第1リンク部材450が初期位置に復帰すると、第1リンク部材450の延出部461が阻止部材420の対向板部421に対して上方から当接した状態となり、すなわち阻止部材420がストッパ部329と延出部461とによって上下に挟まれた状態となり、同阻止部材420の上下動が規制される。
また、第2操作部456の下面456aに対して第2操作受け部476の先端部が当接することにより、第2リンク部材470の第1の方向への回動が規制される。初期位置に復帰した誘導部材410については、後方の移動が規制されており、上述の如く第2リンク部材470の回動が規制されることで、実質的に誘導部材410の前後動が規制されることとなる。
<右側作動入球部83における遊技球の受入態様>
ここで、図16に基づき可変入球機構400の動作に基づいた右側作動入球部83における遊技球の受入態様について説明する。図16は右側作動入球部83における遊技球の受入態様を示す概略図である。右側作動入球部83が非受入状態→受入状態→非受入状態の順に切り替る場合には、当該右側作動入球部83の状態が図16(a)→図16(b)→図16(c)→図16(b)→図16(a)の順に変化する。なお、図16においては右側作動入球部83へ到達した遊技球を2点鎖線によって例示している。
図16(a)に示すように右側作動入球部83が非受入状態となっている場合には、誘導部材410が阻止位置(初期位置)に待機しているとともに阻止部材420が非誘導位置(初期位置)にて待機している。誘導部材410の誘導部413と阻止部材420の爪部424とは隙間を隔てて上下に対峙しているが、同隙間が遊技球の直径寸法よりも小さく設定されているため、右側作動口311への遊技球の流入が不可となっている。誘導部413と爪部424とを当接させるのではなく両者の間に隙間を設ける構成とすることにより、非受入状態及び受入状態の切り替えの迅速化を図っている。
また、誘導部材410については右側作動口311からの突出が回避されている。このため、カバー部材350の上側脚部352Uの間を通過した遊技球は、当該カバー部材350の対向部351と右側作動口311との間を素通りし、同カバー部材350の下側脚部352Lの間を通って右側可変入球装置85へ流下することとなる。
右側作動入球部83が非受入状態から受入状態へ切り替る場合には、図16(b)に示す状態を経過することとなる。具体的には、先ず誘導部材410が右側作動口311から上記対向部351側へ突出し、その突出量が遊技球の半径寸法よりも大きくなるとともに誘導部材410と対向部351との隙間寸法が遊技球の半径寸法よりも小さくなる。これにより、カバー部材350の上側脚部352Uの間を通過した遊技球が誘導部材410によって右側作動口311側へ誘導されることとなる。
しかしながら、右側作動入球部83の受入状態への切り替えが完了していない状態、すなわち阻止部材420が未だ阻止位置にて待機している状態では、誘導部材410によって右側作動口311側へ誘導された遊技球の同右側作動口311への流入が妨げられることとなる。右側作動口311への流入が妨げられた遊技球は、誘導部材410上にて停留するか、誘導部材410の左右に振り分けられ上側脚部352Uと下側脚部352Lとの間を通過して遊技領域PEの下流側へ流下することとなる。
その後、図16(c)に示すように、阻止部材420が阻止位置から許容位置に変位すると、右側作動入球部83が受入状態(誘導部材410:受入状態,阻止部材420:許容状態)となり、上側脚部352Uの間を通過して誘導部材410上に落下した遊技球は、誘導傾斜面414に沿うようにして右側作動口311へと誘導され、同右側作動口311を通じて案内通路316へ流入する。
右側作動入球部83が受入状態となった後、予め定められた期間が経過すると、右側作動入球部83が非受入状態に復帰する。具体的には、図16(b)に示すように、先ず阻止部材420が許容位置から阻止位置へと移動し、右側作動口311への流入が不可となる。この時点では、誘導部材410は未だ誘導状態に維持されているが、同誘導部材410によって誘導された遊技球は、阻止部材420(詳しくは爪部424)に対して当接することで右側作動口311への流入が妨げられることとなる。
阻止部材420が阻止位置に復帰した後は、図16(a)に示すように誘導部材410が初期位置へと移動し、同誘導部材410の右側作動口311からの突出が回避されることとなる。これにより、誘導部材410と遊技球との干渉が抑制され、カバー部材350の上側脚部352Uの間を通過した遊技球は、当該カバー部材350の対向部351と右側作動口311との間を素通りし、同カバー部材350の下側脚部352Lの間を通って右側可変入球装置85へ流下することとなる。
以上詳述したように、遊技球と接触する可動部材として誘導部材410及び阻止部材420を有する構成においては、それら誘導部材410及び阻止部材420の動作によって球噛みが発生し得る。仮にこのような球噛みが発生すると、可変入球機構400の機能が損なわれたり、右側作動入球部83への入球確率が変わったりすると想定される。右側作動入球部83が利益に関連する部位である点に鑑みれば、上記球噛みの発生は遊技者や遊技ホールが損失を被る要因となり得るため好ましくない。そこで、本実施の形態においては、上記球噛みの発生を抑えるための各種工夫が施されている。
<誘導部材410及び阻止部材420の動作タイミング>
ここで、図16(d)を参照し、右側作動入球部83の受入状態と非受入状態との切り替えに伴う誘導部材410及び阻止部材420の動作タイミングについて説明する。図16(d)は各部材410,420の動作タイミングを示すタイミングチャートである。なお、本実施の形態における誘導部材410の誘導位置及び阻止部材420の阻止位置については若干の幅(変位を許容する余裕代)が設定されており、これら誘導位置及び阻止位置をドットハッチングによって表示している。
右側作動入球部83を非受入状態から受入状態に切り替る場合には、t1のタイミングにて主制御装置162から駆動部500(詳しくはソレノイド501)に駆動信号が出力される。これにより、駆動部500が励磁状態となり軸体503が上記付勢部材の付勢力に抗して遊技機前方への移動を開始する。
その後、t2のタイミングにて誘導部材410及び阻止部材420の移動規制が解除されると、誘導部材410が非誘導位置から誘導位置に向けて移動を開始する。そしてt2のタイミングから所定期間が経過したt3のタイミングにて誘導部材410が誘導位置(上側のドットハッチング部分参照)へ到達する。
誘導部材410が誘導位置へ到達した後のt4のタイミングでは、阻止部材420が阻止位置から許容位置へ向けての移動を開始する。このタイミングにおいても、誘導部材410の移動は継続されており、右側作動口311からの突出量を更に増大させることで誘導機能の強化が図られている。
既に説明したように、阻止部材420については、遊技球との掛かり代を確保し、遊技球の流入を好適に阻止するため、阻止位置に僅かながら幅が設定されている。続くt5のタイミングでは阻止部材420が阻止位置から離れることで上述した掛かり代が0となり、非受入状態から受入状態への移行期間となる。その後、t6のタイミングにて許容位置へ到達する。そして、このt6のタイミングにて誘導部材410及び阻止部材420の移動が停止することとなる。つまり、誘導部材410の右側作動口311からの突出量が最大となり(誘導機能が好適に発揮される状態となり)、阻止部材420と誘導部材410との隙間が最も拡がった状態となる(遊技球と阻止部材420との干渉が好適に回避された状態となる)。これにより、受入状態への切り替えが完了する。
ここで、阻止部材420が阻止位置から許容位置へ到達するのに要する期間については誘導部材410が誘導位置に到達する期間(更には誘導位置に滞在する期間)よりも短く設定されているとともに、阻止部材420が阻止位置から許容位置へ到達するのに要する移動量については誘導部材410が誘導位置に到達するのに要する移動量よりも小さく設定されている。これにより、誘導部材410と比較して阻止部材420の切り替えの迅速化が図られており、誘導部材410による誘導機能を強化しつつ、誘導を積極的に許容する期間外での入球の発生を好適に回避することが可能となっている。
t6のタイミングから予め設定された期間が経過したt7のタイミングでは、主制御装置162から駆動部500への駆動信号の出力が停止し、駆動部500が非励磁状態となる。これにより、軸体503が付勢部材の付勢力によって遊技機前方への移動を開始する。これに伴って、誘導部材410が非誘導位置へ向けての移動を開始するとともに阻止部材420が許容位置へ向けての移動を開始することとなる。
その後、t8のタイミングにて阻止部材420が阻止位置に到達する。このタイミングにおいては、誘導部材410は右側作動口311からの突出量は減少しているものの未だ誘導位置に存在している。つまり、誘導部材410の非誘導位置への復帰に先んじて阻止部材420が阻止位置へと復帰する。
阻止部材420は、t7のタイミングから予め設定された期間が経過したt9のタイミングにて初期位置に到達し、その移動を停止する。そして、続くt10のタイミングにて誘導部材410が誘導位置から離脱する。
その後、t11のタイミングにて誘導部材410が初期位置に到達することで、同誘導部材410が停止する。このように、両部材410,420の動きが止まった後(初期位置に復帰した後)であっても、上記軸体503の動作は継続され、続くt12のタイミングにて各部材410,420の初期位置かの移動が規制された状態となる。
受入状態から非受入状態への切替時には、誘導部材410による誘導が積極的に許容されている間に阻止部材420が許容位置から阻止位置へと移動することとなる。
<右側可変入球装置85>
既に説明したように、本実施の形態においては右側作動入球部83への入球に基づく特別当たりの抽選に当選した場合に、右側可変入球装置85が開放され、同右側可変入球装置85への遊技球の流入が許容される構成となっている。ここで、図17〜図20に基づき右側可変入球装置85について詳しく説明する。図17(a)は図4における右側可変入球装置85及びその周辺部位を示す部分拡大図、図17(b)は右側可変入球装置85を正面側から見た斜視図、図18は右側可変入球装置85を正面側から見た分解斜視図、図19は右側可変入球装置85を背面側から見た分解斜視図、図20は右側可変入球装置85における通路構成を示す概略図である。なお、図17(b)においては右側大入賞口が開放された状態を示し、図18及び図19においては遊技盤80を2点鎖線によって表している。
既に説明したように遊技盤80において可変表示ユニット88の右側となる部位には開口部92bが形成されている(図17(a)参照)。開口部92bは遊技盤80の厚さ方向に貫通しており、この開口部92bに対して遊技機前方から右側可変入球装置85が嵌まっている。このようにして右側可変入球装置85が配置された状態では、当該右側可変入球装置85の前面部を構成するとともに遊技盤80に対する取付部としての機能が付与されたベースユニット600によって同開口部92bが覆われている。
ベースユニット600は、開口部92bの縁部に沿って形成された枠体601を備えている。枠体601は遊技盤80の前面と対向する略環状の対向板部601aと当該対向板部601aから遊技機後方に起立するとともに遊技盤80の開口部92bの内壁面に沿うようにして形成された筒状部601bとを有している(図19参照)。対向板部601aが遊技盤80の前面に対して当接した状態で同遊技盤80にネジ止めされることにより、右側可変入球装置85が遊技盤80に対して一体化されている。
枠体601(詳しく対向板部601a)において当該枠体601の中央開口部分よりも上方となる部位には、右側可変入球装置85に流入した遊技球を遊技盤80の背面側へと誘導する上記右側大入賞口602が形成されている。右側大入賞口602は、枠体601の厚さ方向(遊技機における前後方向)に貫通するようにして形成された入口部602aを有し、枠体601には、同入口部602aを遊技機前方から覆うようにして上記開閉扉603が開閉可能な状態で取り付けられている。また、枠体601には開閉扉603を駆動させる動力源としての可変入球駆動部604(詳しくはソレノイド)が搭載されている。可変入球駆動部604は主制御装置162に対して電気的に接続されており、同主制御装置162からの駆動信号に基づいて励磁/非励磁の切り替えが行われる。また、可変入球駆動部604は励磁/非励磁の切り替えに基づいて変位する可動片を有しており、この可動片によって上記開閉扉603を操作することで同可動片の変位に追従した開閉扉603の変位(開閉切替)が実現され、右側可変入球装置85が上記受入状態と非受入状態とに切り替えが可能となっている。
可変入球駆動部604には、当該可変入球駆動部604における可動片の位置を検知する位置検知センサ611が併設されている(図18参照)。位置検知センサ611は主制御装置162に対して電気的に接続されており、主制御装置162においては当該位置検知センサ611にて生成された検知信号(検知情報)に基づいて可動片の位置すなわち開閉扉603の位置を把握可能となっている。これにより、主制御装置162からの信号に応じて開閉扉603の切り替えが行われたか否かを見極め、誤作動等に起因した不利益の発生を抑制することが可能となっている。
なお、主制御装置162から駆動信号が出力されたにもかかわらず同開閉扉603が正常に動作していない場合や、同駆動信号が出力されていないにもかかわらず開閉扉603が開放されたことが把握された場合には、上記エラー表示ランプ部27やスピーカ部29によってその異常が発生している旨の報知を実行するとともに、異常が発生した旨を示す上方がホールコンピュータに出力される。これにより、ホール管理者等が遊技機に異常が発生している旨を把握することが可能となっている。
図20に示すように、右側大入賞口602は左右に延びる横長状をなしており、その一端部(詳しくは遊技領域PEの中央側となる端部)の奥側(詳しくは右側大入賞口602の出口部分)には同右側大入賞口602へ流入した遊技球を検知する検知センサ605(詳しくは磁気センサ)が配設されている(図19参照)。
検知センサ605は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該検知センサ605からの検知信号(検知情報)が同主制御装置162に出力される。この検知信号に基づいて、主制御装置162にて右側大入賞口602への入賞の有無等を把握することが可能となっている。
ここで、図21に基づき右側大入賞口602について補足説明する。図21は図20のB−B線部分断面図である。
図21に示すように、右側大入賞口602は、入口部602aから流入した遊技球を案内通路620へ導く通路部602bを有している。通路部602bにおける下流部位(右側大入賞口602の出口部602c)に配置された上記検知センサ605には上下に貫通する貫通孔が形成されている。当該貫通孔によって囲まれた領域(検知領域DE0)を遊技球が通過することで同遊技球が検知される構成となっている。
右側大入賞口602の通路部602bは、上記ベースユニット600の壁面部によって囲まれており、ベースユニット600外への露出が抑えられている。これにより、通路部602bの途中位置での遊技球の流入や流出が回避され、更には入口部602a及び出口部602c以外を通じた通路部602bへのアクセスが不可となっている。
図12に戻り、ベースユニット600において上記右側大入賞口602の下方には、枠体601の中央開口部分(すなわち上記筒状部601bの前側開口部)を覆うようにして前側パネル部材606が設けられている。前側パネル部材606は、枠体601に対して固定されており、これら前側パネル部材606及び枠体601によって開口部92bが塞がれている。
また、図18及び図19に示すように、枠体601には、前側パネル部材606と所定の隙間(詳しくは遊技盤80の厚さ寸法と同寸法となるように設定された隙間)を隔てて遊技機後方から対向する後側パネル部材607が設けられている。後側パネル部材607は平板状をなしており、同後側パネル部材607によって上記筒状部601bの後側開口部が遊技機後方から塞がれた状態となっている。
前側パネル部材606及び後側パネル部材607は透明性を有する合成樹脂材料によって形成されており、これら両パネル部材606,607を通じてベースユニット600の後方が視認可能となっている。ベースユニット600の後方には、右側大入賞口602へ流入した遊技球であって上記検知センサ605における検知領域DE0を通過した遊技球を集合板151(詳しくは回収通路)へと案内する案内通路620が設けられている。
ここで、図17〜図21に加えて図22を適宜参照し、右側可変入球装置85に形成された案内通路620について説明する。図22は案内通路620の内部を遊技機正面側から見た概略図である。
図22に示すように、案内通路620はベースユニット600と同ベースユニット600の後方に配置された通路形成ユニット630とが組み合わされることにより形成されている。
より具体的には、通路形成ユニット630は、後側パネル部材607と所定の隙間を隔てて対向する平板状の基部631を有している。基部631において後側パネル部材607と対向している部分には、同後側パネル部材607側へ起立する起立壁部632が複数形成されている。これら起立壁部632は遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて相対向しており、同起立壁部632によって後側パネル部材607側(遊技機前方)に開放された溝部633が形成されている。そして、この溝部633における遊技機前方への開放部分が後側パネル部材607によって塞がれることで、上記案内通路620が形成されている。このようにして案内通路620をパネル部材606,607の後方に配するとともに後側パネル部材607を用いて案内通路620を形成することにより、同案内通路620を通過する遊技球を遊技機前方から視認可能となっている。
図20に示すように、案内通路620は、ベースユニット600の上記右側大入賞口602に連通する上流側通路621を有している。上流側通路621は、横長状をなしており、その一端部に上方に開放された入口部が形成されている。右側大入賞口602の通路部602bを通じて遊技盤80の背面側に到達し、同右側大入賞口602の出口部602cから流出した遊技球は、上記入口部を通じて案内通路620へ流入することとなる。
右側大入賞口602の出口部602cと案内通路620の入口部620aとは僅かな隙間を隔てて上下に対峙しているが、同隙間は遊技球の直径寸法よりも小さく設定されており、当該隙間を通じた遊技球の流入・流出が回避されている。また、この隙間については、図21に示すように、収容ケース653によって囲まれており、右側可変入球装置85外部からの同隙間へのアクセスが妨げられている。
図22に示すように、上流側通路621は、当該上流側通路621の入口部から反対側の端部へ向けて(詳しくは遊技領域PEの中央側へ向けて)下り傾斜している。同入口部から上流側通路621に流入した遊技球は、上記起立壁部632において上流側通路621の底部を形成している部位に沿って流下する。
上流側通路621における下流側の端部には、遊技球の流下方向を変化させるようにして第1下流側通路622が連なっている。第1下流側通路622は鉛直方向に延びており、上流側通路621を経由して当該第1下流側通路622に達した遊技球は、自重により同第1下流側通路622に沿って落下することとなる。
第1下流側通路622の出口部分には、当該第1下流側通路622へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第1下流側通路622における第1検知領域DE1を通過する遊技球を検知可能な)第1検知センサ625が設けられている。
第1検知センサ625には、第1検知領域DE1を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第1検知センサ625は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第1検知センサ625からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第1検知領域DE1における遊技球通過の有無、すなわち第1下流側通路622への入球の有無を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
また、案内通路620は第1下流側通路622の途中位置から分岐する第2下流側通路623を有している。つまり、案内通路620は、その途中位置にて2条に分岐している。右側大入賞口602へ流入した遊技球はその流入タイミング等に応じてその移動先(振り分け先)が変化する構成となっている。
第1下流側通路622を形成する起立壁部632には、第2下流側通路623への入口部としての開口635が形成されている。この開口635は、第1下流側通路622及び第2下流側通路623の両者に連通しており、同開口635を通じた第1下流側通路622から第2下流側通路623への遊技球の流入が許容されている。
なお、第1下流側通路622と分岐との関係について補足すれば、第1下流側通路622において分岐部分(以下便宜上、中間部622Mと称する)よりも上流側となる部位(以下便宜上、上流部622Uと称する)は鉛直方向に延びており、同上流部622Uの出口部分が下方に開放されている。当該出口部分の下流側への延長上には一方の分岐通路としての下流部622L(第1分岐通路)の入口部分が位置しており、同入口部分は上記上流部622Uの出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の分岐通路としての第2下流側通路623(第2分岐通路)の入口部分(開口635)は、上流部622Uの延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向、具体的には両下流側通路622,623の並設方向(詳しくは横方向)に開放されている。このため、上流部622Uに沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路622の下流部622Lへと流入し、第2下流側通路623への流入が回避されることとなる。
第2下流側通路623の途中位置には、当該第2下流側通路623へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第2下流側通路623における第2検知領域DE2を通過する遊技球を検知可能な)第2検知センサ626が設けられている。第2検知センサ626には、第2検知領域DE2を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第2検知センサ626は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第2検知センサ626からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第2検知領域DE2における遊技球通過の有無、すなわち第2下流側通路623への遊技球流入の有無を主制御装置162にて把握することが可能となっている。以下説明の便宜上、遊技球の振分部分(案内通路620の分岐部分)よりも上流側に配置された上記検知センサ605を「上流側検知センサ605」、同振分部分よりも下流側に配置された第1検知センサ625及び第2検知センサ626を「下流側第1検知センサ625」及び「下流側第2検知センサ626」と称する。
右側可変入球装置85(右側大入賞口602)に流入した遊技球は先ず上流側検知センサ605によって検知され、その後、流入先に応じて下流側第1検知センサ625及び下流側第2検知センサ626のいずれか一方により検知される。上流側検知センサ605によって右側大入賞口602への入球が検知されると、同入球に応じて予め定められた数の遊技球が払い出される。このように、上流/下流の各検知センサ605,625,626のうち上流側検知センサ605による検知結果にもとづいて遊技球の払出しを行う構成とすることにより、下流側検知センサ625,626による検知結果に基づいて遊技球の払出しを行う構成と比較して、払出しの迅速化に貢献している。
右側可変入球装置85(右側大入賞口602)へ流入した遊技球の数は上流側検知センサ605及び下流側検知センサ625,626によって検知され、それら上流側検知センサ605によって検知された遊技球の数と下流側検知センサ625,626によって検知された遊技球の数とを比較することにより案内通路620内に遊技球が残存しているか否かを確認することが可能となっている。
なお、本実施の形態においては、各検知センサ605,625,626に磁気センサを適用したが、これを変更し、それら各検知センサ605,625,626にフォトセンサを適用することも可能である。特に、右側可変入球装置85については、他の入球部と比較して複数の遊技球が同時に入球する機会が少ないと想定される。故に、複数の遊技球が一体となって検知領域を通過する際の個々の遊技球の検知精度の向上が難しいと想定されるフォトセンサを適用したとしても、それに起因した不都合の発生を好適に抑制できる。詳しくは、下流側の検知センサ625,626については、流入した遊技球の数の把握よりも有利入球部への入球が発生したか否かを把握することが重要である。故に、複数の遊技球が一体となって検知領域を通過した際の個々の遊技球の検知機能が低下したとしても、少なくとも遊技球が通過したという事実が分かるためこれに起因した不利益等の発生は回避される。また、磁気センサと比較してフォトセンサのほうが電波や磁気の影響を受けにくい。そこで、有利入球部に係る検知センサについては特にフォトセンサを適用することで防犯機能の更なる向上が期待できる。因みに、上流側の検知センサ605には賞球に係る機能が付与されている点に鑑みれば、上記変形例を採用する場合には上流側の検知センサ605に磁気センサを適用するとともに下流側の検知センサ625,626のフォトセンサを適用することが好ましい。
ここで、案内通路620の通路構成について補足説明する。案内通路620は、上記右側大入賞口602の通路部602bと同様に、上記ベースユニット600の後側パネル部材607及び通路形成ユニット630によって区画形成されているとともに、収容ケース653によって囲まれており、ベースユニット600外への露出が抑えられている。これにより、案内通路620の途中位置での遊技球の流入や流出が回避され、更には案内通路620の入口部620a及び出口部620b,620c以外を通じた遊技球の通過領域へのアクセスが不可となっている。
さらに、案内通路620(詳しくは上記分岐部分よりも上流側となる部分)は遊技球の移動方向と交差する壁面部を複数有してなり、全体として蛇行している。このため、右側大入賞口602を通じて案内通路620に流入した遊技球は、上記壁面部に当たることにより、その勢いが弱められることとなる。このようにして、案内通路320を移動する遊技球の移動速度が右側可変入球装置85への流入時の移動速度による影響を抑えることにより、右側大入賞口602から分岐部分に到達するまでに要する期間が略一定となるように調整している。
また、上述した分岐部分(第1下流側通路622の中間部622M)には、上流側通路621から第1下流側通路622に流入した遊技球を第2下流側通路623へと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材641が設けられている。切替部材641は、非誘導状態においては案内通路620(詳しくは第1下流側通路622)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同第1下流側通路622を塞ぎ上記第1検知領域DE1への遊技球の到達を不可とする位置へと突出する(図22の2点鎖線参照)。
切替部材641の配置について補足説明すれば、起立壁部632において上記開口635と対向している部分には切替部材641を収容する収容部636が形成されている。収容部636は起立壁部632に形成された開放部637を通じて上記第1下流側通路622と連通している。開放部637は切替部材641の通過を許容する大きさを有しており、同切替部材641が上記非誘導状態である場合には当該切替部材641によって同開放部637が塞がれている。
切替部材641は、当該切替部材641における上流側の端部に設けられた軸部642が通路形成ユニット630の基部631に形成された軸受け部によって軸支されることにより、回動可能な状態で同通路形成ユニット630に取り付けられている。軸部642及び軸受け部については、切替部材641の回動中心軸線が開口635が向く方向及び第1下流側通路622における遊技球の流下方向に対して直交するように、具体的には切替部材641の回動中心軸線が前後方向に延びるようにして形成されている。切替部材641の軸部642(回動基端部)については、開口635と対峙する位置に配されている。切替部材641は第1下流側通路622の下流側へ延びており、その先端部(回動先端部)については、上記開口635よりも下流側に位置している。
切替部材641には、当該切替部材641が誘導状態となっている場合に第1下流側通路622を流下(落下)する遊技球に対して当該第1下流側通路622の下流側から当接することにより同遊技球を第1下流側通路622の上流部622Uからの流れのままに開口635側へと導く機能が付与された誘導傾斜面643が形成されている。誘導傾斜面643は、非誘導状態においては回動基端側(上流側)の凡そ半分が上記開口635と対峙しているとともに、回動先端側(下流側)の凡そ半分が両下流側通路622,623を仕切る「仕切り部」としての起立壁部632Dと対峙している。また、誘導傾斜面643は開口635側への突出が抑えられており、同誘導傾斜面643によって第1下流側通路622(詳しくは中間部622M)の一部が構成されている。これにより、非誘導状態において第1下流側通路622の中間部622Mを通過する遊技球の落下経路のばらつきを誘導傾斜面643によって抑えることが可能となっている。
誘導状態への切替時には上記回動基端部を中心として切替部材641が回動し、これにより、同切替部材641における誘導傾斜面643の回動先端部が起立壁部632Dに対して近づく側に変位することとなる。そして、誘導傾斜面643の回動先端部が起立壁部632Dの上端縁に近接する位置(詳しくは当該上端縁よりも僅かに上位となる位置)に到達することで回動量が最大となり、切替部材641が停止する。かかる状態においては、誘導傾斜面643が上流側通路621の延長上に位置することとなる。
このように誘導状態に切り替った場合には、誘導傾斜面643における回動基端側の端部に対して同誘導傾斜面643における回動先端側の端部が下方に位置し、同誘導傾斜面643が第2下流側通路623の入口部分(開口635)に向けて下り傾斜した状態となる。このため、同誘導状態においては、上流側通路621から第1下流側通路622へ流入した遊技球は、誘導傾斜面643に衝突して同誘導傾斜面643に沿って移動することにより又は開口635側へ反射することにより第2下流側通路623(開口635)へと導かれることとなる。
なお、このように第2下流側通路623へ遊技球を誘導する機能に着目すれば切替部材641を「誘導手段641」と称することも可能である。また、第1下流側通路622の第1検知領域DE1への遊技球の流入を阻止する点に着目すれば、同切替部材641を「シャッタ641」と称することも可能である。
通路形成ユニット630の後方には、切替部材641を案内通路620への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材651と、同付勢部材651の付勢力に抗して切替部材641を突出位置へと移動させるソレノイド式の切替部材用駆動部652と、それら各種構成651,652を収容する収容ケース653とを有してなる駆動ユニット650が設けられている。
切替部材用駆動部652は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、同主制御装置162から出力される駆動信号に基づいて励磁/非励磁の切り替えが行われる。また、切替部材用駆動部652は励磁/非励磁の切り替えに基づいて変位する可動片を有しており、この可動片によって上記切替部材641を操作することで、同可動片の変位に追従した切替部材641の変位(切替)が実現されている。
駆動ユニット650には、切替部材用駆動部652における可動片の位置を検知する位置検知センサ654が併設されている(図18等参照)。位置検知センサ654は主制御装置162に対して電気的に接続されており、主制御装置162においては当該位置検知センサ654にて生成された検知信号(検知情報)に基づいて可動片の位置すなわち切替部材641の位置を把握可能となっている。これにより、主制御装置162からの信号に応じて切替部材641の位置切替が行われたか否かを見極め、誤作動等に起因した不利益の発生を抑制することが可能となっている。
なお、主制御装置162から駆動信号が出力されたにもかかわらず切替部材641が正常に動作していない場合や、同駆動信号が出力されていないにもかかわらず切替部材641が動作したことが把握された場合には、上記エラー表示ランプ部27やスピーカ部29によってその異常が発生している旨の報知を実行するとともに、異常が発生した旨を示す上方がホールコンピュータに出力される。これにより、ホール管理者等が遊技機に異常が発生している旨を把握することが可能となっている。
本実施の形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって切替部材641が非誘導状態にて保持され、上記右側作動入球部83への入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に切替部材用駆動部652が駆動することで同切替部材641が誘導状態へと切り替る。つまり、第2下流側通路623への遊技球の流入が許容されることとなる。
詳細については後述するが、第2下流側通路623へと流入した遊技球が下流側第2検知センサ626によって検知されると右側作動入球部83への入賞に基づく抽選結果に応じた当たりが確定し、第1下流側通路622へと流入した遊技球が第1検知センサ625によって検知されると右側作動入球部83への入賞に基づく抽選結果に応じた当たりが確定されないままとなる。つまり、案内通路620に流入した遊技球が第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のうちどちらに到達するかによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成となっている。
ここで、上記開閉扉603及び切替部材641の動作態様について説明する。開閉扉603は上記右側作動入球部83への入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に可変入球駆動部604が駆動することにより閉鎖状態から開放状態に切り替り、これと同期して切替部材用駆動部652が駆動することで同切替部材641が誘導状態へと切り替る。これに対して、開閉扉603及び切替部材641の初期状態への復帰タイミングについては同タイミングとならないように設定されている。具体的には、先ず切替部材641が非誘導状態に切り替わり、同切替タイミングから所定の期間が経過した後、開閉扉603が閉鎖状態へと切り替る。このため、右側大入賞口602に流入した遊技球は必ずしも第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2の一方にのみ到達するのではなく、右側大入賞口602への流入タイミングによって第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のどちらに到達するかが振り分けられる構成となっている。詳しくは、開閉扉603の開放直後に流入した遊技球は第2検知領域DE2へと案内されやすく、開閉扉603の閉鎖直前に流入した遊技球は第1検知領域DE1へと案内されやすくなるように開閉扉603及び切替部材641の動作態様が設定されている。
以上詳述したように案内通路620を流下する遊技球をその途中位置にて有利不利の差が生じるように振り分ける構成においては、仮に案内通路620内(特に分岐部分)にて球詰まり等が発生すると、上述した振分が正常に行われなくなり遊技者や遊技ホールが不利益を被ると懸念される。このような不都合は、切替部材等の可動部の動きに起因して発生しやすいと想定される。この点、本実施の形態においては、切替部材641及びそれに関連する構成を工夫することにより、上記不都合の発生を好適に抑制している。以下、図22に基づき切替部材641の動きと遊技球との関係について説明する。図22においては便宜上、案内通路620に流入した遊技球を2点鎖線によって例示している。なお、切替部材641は通常、非誘導状態(初期状態)→誘導状態→非誘導状態の順に切り替るが、以下の説明においては先ず誘導状態及び同誘導状態→非誘導状態の切り替えについて説明し、その後、非誘導状態→誘導状態の切り替えについて説明する。
切替部材641が誘導状態となっている場合には、当該切替部材641(詳しくは誘導傾斜面643)における回動先端部分は、開口635の下端部(起立壁部632の上端部)と横並びとなる位置に配置されている。誘導傾斜面643と起立壁部632との隙間は、遊技球の直径よりも小さく設定されており、誘導傾斜面643に沿って移動した遊技球B1が切替部材641と起立壁部632との間に嵌まることが好適に回避されている。また、この誘導状態においては、誘導傾斜面643と開口635の上端部との間の隙間が、遊技球の直径寸法よりも大きくなるように設定されており、誘導傾斜面643に沿って移動する遊技球B1が開口635の上端縁と誘導傾斜面643との間に挟まることが回避されている。これにより、誘導状態における案内通路620内での球詰まりの発生が好適に回避されている。
かかる誘導状態から非誘導状態に復帰する場合には、切替部材641が回動することにより当該切替部材641の回動先端部分(下流側の端部)が起立壁部632Dから遠ざかる側へ移動する。この際、切替部材641は誘導状態にて遊技球の流下が不可となっていた領域を通過するようにして変位するため、同切替部材641と案内通路620の通路壁面(例えば開放部637の下端縁)と間に遊技球が存在することは無い。故に、切替部材641の非誘導状態への復帰が、遊技球の噛み込みによって妨げられることが回避される。
次に、切替部材641が非誘導状態から誘導状態に切り替る場合について説明する。切替部材641が非誘導状態から誘導状態に切り替る場合には、同切替部材641の回動に伴って誘導傾斜面643が起立壁部632Dに近づく側へ移動する。誘導傾斜面643と起立壁部632Dとの隙間が徐々に小さくなっている最中に、遊技球B2が開口635横を通過して第1下流側通路622の下流部622Lに到達すると、同遊技球B2が誘導傾斜面643と起立壁部632Dとの間に挟まる(噛み込む)可能性がある。仮にこのような遊技球B2の噛み込み発生すると、切替部材641の誘導状態への切り替えが妨げられることとなる。しかしながら、このように遊技球B2が噛み込んだ場合には、同遊技球B2に後続の遊技球B2を開口635へ誘導する機能が付与されることとなり、切替部材641が誘導状態に切り替っていなくとも開口635へ導かれるべき遊技球は同開口635へと導かれる。つまり、噛み込んだ遊技球B2を先頭とした球詰まり等の発生を回避し、更には案内通路620における遊技球の振分機能の低下を好適に抑制することができる。
但し、このようにして噛み込んだ遊技球B2がいつまでも案内通路620内に残留することは防犯機能向上の観点から好ましくない。詳しくは、既に説明したように、本実施の形態においては案内通路620に流入した遊技球の数と同案内通路620から流出した遊技球の数とを比較することにより、案内通路620における残存遊技球の数を把握することにより、案内通路620内で遊技球を意図的に往復させるといった不正行為等を抑制することが可能となっている。このため、上述の如く遊技球が案内通路620内にて残留し続けることは、防犯機能の信頼性向上の妨げとなり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態においては上述の如く切替部材641は遊技球の流下が不可となっていた領域を通過するようにして変位するため、同切替部材641と案内通路620の通路壁面(例えば開放部637の下端縁)と間に遊技球が存在することは無い。つまり、遊技球B2を噛み込んだ状態から切替部材641が非誘導状態に復帰することを妨げるものは無い。このため、切替部材641が非誘導状態に切り替るようにして回動することにより、誘導傾斜面643が起立壁部632から遠ざかる側へ移動する。これにより、誘導傾斜面643と起立壁部632との隙間が拡がり、それら両者によって挟まれていた遊技球B2は、第1下流側通路622の下流部622Lへと流入することとなる。
上述の如く流下が停止されていた遊技球B2は、開口635横を通過し第2下流側通路623への流入の機会を逃しているものであるため、当該遊技球が下流部622Lへ流入することで、遊技者又はホール管理者が不利益を被ることはない。
このように、仮に切替部材641と通路壁面との間に遊技球が噛み込んだとしても、それに起因した球詰まり等の発生を回避可能とすることで、案内通路620における振分機能を好適に担保することができる。
収容ケース653は、通路形成ユニット630側に開放されており、その内部に上記付勢部材651や切替部材用駆動部652等が収容されている。駆動ユニット650は、ベースユニット600に対して通路形成ユニット630と共にネジ止めされ、これにより各ユニット600,630,650が一体化されている。このようにして一体化された状態では、収容ケース653の開放部位が上記通路形成ユニット630(詳しくは基部631)によって覆われた状態となり、右側可変入球装置85外部からの切替部材用駆動部652や切替部材641へのアクセスが困難となる。また、既に説明したように案内通路620についても、ベースユニット600と駆動ユニット650とによって前後に挟まされた状態となることで、右側可変入球装置85の外部への露出が抑えられ、当該案内通路620への不正なアクセスが抑制されている。
収容ケース653の背面側には、遊技機後方に突出させて振動センサ655が取り付けられている。この振動センサ655によって右側可変入球装置85に生じた(加わった)振動を検知することが可能となっている。
上述の如く案内通路620に流入した遊技球が第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のうちどちらに到達するかによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成においては、パチンコ機10を叩いたり揺すったりすることで、遊技球の移動先を変化させるといった行為がなされると想定される。この点、本実施の形態においては、上記振動センサ655を右側可変入球装置85に配設することにより、そのような行為が行われた場合には、これを容易に把握することができる。
また、本実施の形態においては、上述した振動等に対する防御機能の他に、磁石等の磁気に対する防御機能が付与されて、パチンコ機10における防犯性の強化が図られている。具体的には、遊技領域PEにおいては遊技球の流下経路に沿うようにして複数の磁気センサが配置されており、これら各磁気センサによって磁石等を用いた不正行為が行われていないかを監視可能となっている。
特に、右側可変入球装置85においては、上述の如く遊技球の入球のタイミング等によって有利不利の差が発生するため、磁石等によって右側大入賞口602への遊技球の流入タイミングや第1下流側通路622への流入タイミングが調整されることで同遊技球を各下流側通路622,623へと任意に振り分けられることは好ましくない。そこで、上記磁気センサのうち少なくとも1つについては、右側可変入球装置85の周辺に配置され、同右側可変入球装置85周辺での磁石等の使用を監視する構成を採用している。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図23のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板701には、MPU702が搭載されている。MPU702には、当該MPU702により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM703と、そのROM703内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM704と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU702が有する機能の一部、例えば、ROM703の機能やRAM704の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU702には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU702の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板705、払出制御装置242及び各種検知センサ(例えば球検知センサ360や位置検知センサ370)などが接続されている。この場合に、停電監視基板705には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU702には停電監視基板705を介して電力が供給される。また、センサ群の一部として、一般入賞口81,下側作動入球部82,下側可変入球装置84,右側作動入球部83,右側可変入球装置85及びスルーゲート86などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU702において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU702では、下側作動入球部82及び右側作動入球部83への入賞に基づいて大当たりや特別当たりの発生抽選を実行するとともに、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU702の出力側には、停電監視基板705、払出制御装置242及び音声ランプ制御装置143(詳しくは音声ランプ制御基板)が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM703のコマンド情報記憶エリア723が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入球装置84,85への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下側作動入球部82への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右側作動入球部83への入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM703のコマンド情報記憶エリア723が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU702の出力側には、下側可変入球装置84の可変入球駆動部84c、右側可変入球装置85の可変入球駆動部604及び切替部材用駆動部652、右側作動入球部83における電動役物用の駆動部500、主表示ユニット87が接続されている。主制御基板701には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU702は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては下側可変入球装置84の開閉扉84bが開閉されるように、MPU702において可変入球駆動部84cの駆動制御が実行される。また、右側作動入球部83における可変入球機構400(電動役物)の開放状態当選となった場合には、可変入球機構400が受入状態となるように、MPU702において駆動部500の駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU702において主表示部Dの発光制御が実行される。
停電監視基板705は、主制御基板701と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板701や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置825を制御するものである。
表示制御装置825では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置96の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU702は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりや特別当たりの発生抽選、主表示部Dの表示の設定(すなわち各種発光部DL,DR,DS,DHにおける発光態様の設定)、図柄表示装置96の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図24に示すように、大当たりや特別当たりの発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、後述する高頻度サポートモードの有無を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示部Dの下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DR並びに図柄表示装置96における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右側作動入球部83の電動役物を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物用カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM704の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ731に適宜格納される。RAM704には、下側作動入球部82用のカウンタ情報格納エリアと実行エリアとを有してなる保留球格納エリア732が設けられている。そして、この保留球格納エリア732に、下側作動入球部82への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2の各値が時系列的に格納されるようになっている。
また、RAM704には、右側作動入球部83用のカウンタ情報格納エリア733が設けられており、このカウンタ情報格納エリア733に右側作動入球部83への遊技球の入賞に応じて当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2の各値が格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部82又は右側作動入球部83に入賞したタイミングでRAM704の保留球格納エリア732やカウンタ情報格納エリア733に格納される。より詳しくは、下側作動入球部82に遊技球が入賞したタイミングでRAM704の保留球格納エリア732に格納され、右側作動入球部83に遊技球が入賞したタイミングでRAM704のカウンタ情報格納エリア733に格納される。
当たり当選となる乱数の値は、ROM703における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア721に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、各作動入球部82,83に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下側作動入球部82への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の当否テーブル(下作動口用当否情報群)と、右側作動入球部83への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の当否テーブル(右作動口用当否情報群)とが設定されている。
上記抽選に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち、「7」及び「307」が大当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
一方、上記抽選に際して右作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、上記下作動口用の当否テーブルと同様に、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。また、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「51〜60」,「151〜160」,・・・,「551〜560」が特別当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
ここで、大当たり結果と特別当たり結果と違いについて説明する。各作動入球部82,83への入賞に基づいた抽選により大当たり結果となった場合には、下側可変入球装置84が開閉実行モードへ移行される。一方、同抽選により特別当たり結果となった場合には、直ちに下側可変入球装置84が開閉実行モードへ移行されるのではなく、もう一度別の抽選を行う権利が付与されることとなり、その抽選に当選することで上記大当たり結果の場合と同様に下側可変入球装置84が開閉実行モードへ移行されることとなる。
具体的には、特別当たり結果となった場合には、先ず右側可変入球装置85が開状態に移行される。その際、右側大入賞口602に入賞した遊技球が複数の分岐通路のうち特定の分岐通路に流入することで当たりが確定し、下側可変入球装置84が開閉実行モードに移行される。言い換えれば、特別当たりに当選した場合には、特定の分岐通路への入球を契機として大当たりと同様の結果が遊技者に対して付与される。なお、特定の分岐通路への入球によって当たりが確定する点に着目すれば、同分岐通路を「有利入球部」と称することも可能である。
次に当たり種別カウンタC2について説明する。当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部82又は右側作動入球部83に入賞したタイミングでRAM704の保留球格納エリア732やカウンタ情報格納エリア733に格納される。より詳しくは、下側作動入球部82に遊技球が入賞したタイミングでRAM704の保留球格納エリア732に格納され、右側作動入球部83に遊技球が入賞したタイミングでRAM704のカウンタ情報格納エリアに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM703における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア722に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について説明する。振分テーブルとしては、各作動入球部82,83に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下側作動入球部82への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の振分テーブル(下作動口用振分情報群)と、右側作動入球部83への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の振分テーブル(右作動口用振分情報群)とが個別に設定されている。これら振分テーブルを参照して、開閉実行モード終了後の右側作動入球部83の電動役物におけるサポートモードの振分が行われる。
右側作動入球部83の電動役物におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右側作動入球部83の電動役物が単位時間当たりに受入状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物用カウンタC3を用いた電動役物用抽選(サポート抽選)における電役受入状態当選となる確率が相違する構成となっている。具体的には電役受入状態当選となる乱数の値は、ROM703における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア721に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードに個別に対応させて2種類設定されている。つまり、低頻度サポートモード中にスルーゲート86への入賞が発生した場合に参照される低頻度サポートモード用の当否テーブル(低頻度サポートモード用当否情報群)と、高頻度サポートモード中にスルーゲート86への入賞が発生した場合に参照される高頻度サポートモード用の当否テーブル(高頻度サポートモード用当否情報群)とが設定されている。
ここで、電動役物用カウンタC3について説明する。電動役物用カウンタC3は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物用カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート86に遊技球が入賞したタイミングでRAM704の電役用カウンタ情報格納エリア734に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物用カウンタC3の値によって右側作動入球部83の電動役物を受入状態に制御するか否かの抽選が行われる。
低頻度サポートモード用の当否テーブルを用いて電動役物用抽選が行われる場合にはC3の値が「0〜24」であれば、電動役物を受入状態に制御し、「25〜249」であれば、電動役物を受入状態に制御しない。つまり、電役受入状態当選となる確率が1/10となるように設定されている。一方、高頻度サポートモード用の当否テーブルを用いて電動役物用抽選が行われる場合にはC3の値が「0〜199」であれば、電動役物を受入状態に制御し、「200〜249」であれば、電動役物を受入状態に制御しない。つまり、電役受入状態当選となる確率が8/10となるように設定されている。これにより、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの優位性が確保されている。
また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役受入状態当選となった際に電動役物が受入状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の受入時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役受入状態当選となり電動役物の受入状態が複数回発生する場合において、1回の受入状態が終了してから次の受入状態が開始されるまでの待ち時間は、1回の受入時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物用抽選が行われてから次の電動役物用抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(インターバル)が短く設定されている。これにより、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとの有利度に差が生じており、低頻度サポートモード時にスルーゲート86を狙って遊技を進行しようとした場合には、下側作動入球部82を狙って遊技を進行しようとした場合と比較して遊技者にとって不利となるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右側作動入球部83への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右側作動入球部83よりも下側作動入球部82への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下側作動入球部82よりも右側作動入球部83への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右側作動入球部83への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役受入状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば受入状態への切替回数を多くする、受入時間を長くする、1回の電動役物用抽選が行われてから次の電動役物用抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、スルーゲート用表示部DSにおける1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。また、電動役物用抽選(サポート抽選)における電役受入状態当選となる確率(当選確率)に差を設定する必要は必ずしもなく、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役受入状態となる頻度を高くできるのであれば、電役受入状態当選となる確率を同一となるように設定することも可能である。
但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
本パチンコ機10では、大当たり結果又は特別当たり結果となった場合の低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードへの振分態様は、下側作動入球部82への入賞に基づいて当たり当選となった場合と、右側作動入球部83への入賞に基づいて当たり当選となった場合とで異なっている。
具体的には、上記振分に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜14」の15個である。一方、上記振分に際して右作動口用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜24」の25個である。つまり、下側作動入球部82への入賞により大当たりに当選した場合には1/2の確率で高頻度サポートモードに振り分けられ、右側作動入球部83への入賞により大当たり又は特別当たりに当選した場合には、5/6の確率で高頻度サポートモードに振り分けられることとなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらにサポートモードの変更は発生しない。
変動種別カウンタCSは、例えば「0〜198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87の下作動口用表示部DLにおける変動表示時間と、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間とをMPU702において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下作動口用表示部DLにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置96による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
既に説明したように、MPU702では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、下作動口用表示部DLにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM703の変動表示時間テーブル記憶エリアが用いられる。また、MPU702では、実行エリアに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM703の停止結果テーブル記憶エリアが用いられる。
<主制御基板701のMPU702にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板701のMPU702により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU702の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。なお、MPU702では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM704の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行されるが、同処理についての詳細な説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU702により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むと共に、同検知センサの状態を判定して検知情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM704の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物用カウンタC3の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物用カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM704の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート86への入賞に伴うスルーゲート用の入賞処理を実行する。
<スルーゲート用の入賞処理>
ここで、図26のフローチャートを参照してスルーゲート用の入賞処理について説明する。
スルーゲート用の入賞処理においては、先ずステップS201にて第1制限カウンタLC1の更新処理を実行する。第1制限カウンタLC1は、予め定められた期間に亘って後述する情報取得処置を制限する際に参照されるカウンタであり、RAM704の各種カウンタエリア735に格納されている。後述する電役サポート処理にて右側作動入球部83のサポート抽選(開放抽選)に当選した場合に、当該第1制限カウンタLC1に所定の値がセットされる。本更新処理においては、第1制限カウンタLC1の値が「0」である場合にはその値を維持し、同第1制限カウンタLC1の値が「0」でない場合には当該第1制限カウンタLC1の値を「1」減算する。ステップS201にて更新処理を実行した後は、ステップS202に進む。
ステップS202では、遊技球がスルーゲート86を通過したか否か、すなわち同スルーゲート86にて入賞が発生したか否かを、ステップS101にて読み込んだ検知情報に基づいて判定する。当該ステップS202にて否定判定をした場合には、そのまま本入賞処理を終了する。一方、ステップS202にて肯定判定をした場合にはステップS203に進み、上記第1制限カウンタLC1が「0」であるか否かを判定する。
ステップS203にて否定判定をした場合には、そのまま本入賞処理を終了する。一方、ステップS203にて肯定判定をした場合にはステップS204に進み、情報取得処理を実行する。情報取得処理においては、RAM704の電役用カウンタ情報格納エリア734に電動役物用カウンタC3の値を格納する。そして、続くステップS205にてRAM704の各種フラグ格納エリア736にスルーゲート用の入賞フラグをセットし、本入賞処理を終了する。
ステップS104にてスルー用の入賞処理を実行した後は、ステップS105に進み、作動入球部82,83への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。
<作動口用の入賞処理>
以下、図27フローチャートを参照して作動入球部用の入賞処理について説明する。
作動入球部用の入賞処理においては、先ずステップS301にて第2制限カウンタLC2の更新処理を実行する。第2制限カウンタLC2は、予め定められた期間に亘って後述する情報取得処置を制限する際に参照されるカウンタであり、RAM704の各種カウンタエリア735に格納されている。本更新処理においては、第2制限カウンタLC2の値が「0」である場合にはその値を維持し、同第2制限カウンタLC2の値が「0」でない場合には当該第2制限カウンタLC2の値を「1」減算する。ステップS301にて更新処理を実行した後は、ステップS302に進む。
ステップS302では、遊技球が下側作動入球部82に入球(始動入賞)したか否かを下側作動入球部82に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下側作動入球部82に入賞したと判定した場合にはステップS303に進み、遊技球を3個払い出すための賞球コマンドをセットする。この賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置242に対して送信される。
続くステップS304では、下側作動入球部82に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS305にて当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS302にて遊技球が下側作動入球部82に入賞していないと判定した場合にはステップS306に進み、遊技球が右側作動入球部83に入球(始動入賞)したか否かを右側作動入球部83に対応した検知センサ360の検知状態により判定する。ステップS306にて否定判定をした場合、すなわち下側作動入球部82及び右側作動入球部83の何れにも遊技球が入球していないと判定した場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ステップS306にて肯定判定をした場合、すなわち遊技球が右側作動入球部83に入賞したと判定した場合には、ステップS307に進み、遊技球を4個払い出すための賞球コマンドをセットする。この賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置242に対して送信される。続くステップS308では、下側作動入球部82に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。
その後、ステップS309に進み、情報取得処理が有効となっている期間中であるか否かを判定する。具体的には、上記第2制限カウンタLC2の値が「0」となっているか否かを判定する。ステップS309にて否定判定をした場合には、そのまま本入賞処理を終了する。一方、ステップS309にて肯定判定をした場合にはステップS310に進み、情報取得処理を実行する。
ステップS310の情報取得処理においては、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタの各値をRAM704のカウンタ情報格納エリア733に格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS303,307にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS301)にて払出制御装置242に対して送信される。
ステップS105にて作動入球部用の入賞処理を実行した後は、ステップS106にて、右側可変入賞装置用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<右側可変入球装置用の入賞処理>
本実施の形態における右側可変入球装置85については通常は入球を不可とする閉状態となっており、特別当たり発生時に入球を許容する開状態に切り替る構成となっている。詳細については後述するが、閉状態→開状態→閉状態の切り替えによって入球が発生すると想定される期間が予め設定されており、同期間内の入球に対しては遊技球の払い出し(賞球)を行うとともに、同期間外の入球に対しては遊技球の払い出しを行わない構成となっている。つまり、右側可変入球装置85においては賞球の可否を決定する有効期間が設定されている。
右側大入賞口用の入賞処理では、先ず右側可変入球装置85(右側大入賞口602)への入賞に基づく遊技球の払い出し(賞球)が有効となる期間中であるか否かを判定する。有効期間中である場合には、上流側検知センサ605からの検知信号に基づく入球判定結果に基づいて入賞の有無を判定する。遊技球が右側可変入球装置85(右側大入賞口602)に入賞したと判定すると、払出装置224に遊技球を10個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、右側大入賞口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置242に送信される。
一方、有効期間中でないと判定した場合及び有効期間中であっても入賞が発生していないと判定した場合には、そのまま右側可変入球部の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図28のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、当該通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては、先ずステップS201にてタイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、所定の演出用コマンドや各種異常報知用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM704の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たりや特別当たりの当たり判定、図柄表示装置96による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の各表示部DL,DRの表示制御などを行う。
<遊技回制御処理>
ここで、ステップS403の遊技回制御処理を図29,図30のフローチャートを参照して詳しく説明する。
図29に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM704の各種フラグ格納エリア736における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜S505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動入球部82,83(作動口82a,311)への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、主表示部Dの下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRのうちいずれか一方が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM704の各種フラグ格納エリア736における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部DL,DRが変動表示中でない場合には、遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理においては、先ずステップS503にて作動入球部82,83への入球が発生しているか否かを判定する。具体的には、先ずカウンタ情報格納エリア733にカウンタ情報が格納されているか否かを判定し、更には保留球格納エリア732の総保留数記憶領域を参照して保留記憶されている保留情報の数が「0」か否かを判定する。両作動入球部82,83への入球が発生していない場合には、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、作動入球部82,83への入球が発生している場合には、ステップS504にて下側作動入球部用の保留球格納エリア732又は右側作動入球部用のカウンタ情報格納エリア733に記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず下側作動入球部用のカウンタ情報格納エリア732にカウンタ情報が記憶されているが否かを判定する。同カウンタ情報格納エリア732にカウンタ情報が記憶されている場合には、当該カウンタ情報を後述する当否抽選等の実行時に参照される実行エリアにシフトさせる処理を実行する。これにより、下側作動入球部用の保留球格納エリア732及び右側作動入球部用のカウンタ情報格納エリア733の両方にカウンタ情報が格納されている場合には、下側作動入球部83に対応したカウンタ情報が優先的に取り扱われることとなる。
一方、下側作動入球部用のカウンタ情報格納エリア732にカウンタ情報が格納されていない場合には、右側作動入球部用の保留球格納エリア733にカウンタ情報が格納されているか否かを判定する。保留球格納エリア733にカウンタ情報が格納されている場合には、右側作動入球部用保留エリアの第1エリアに格納されたデータを上記実行エリアに移動し、右側作動入球部用保留エリアの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。そして、点灯中の保留数用表示部DHのLEDを1つ消灯させる。
実行エリアに下側作動入球部82への入球に基づくカウンタ情報を移行した場合には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に第1結果表示フラグを格納し、実行エリアに右側作動入球部83への入球に基づくカウンタ情報を移行した場合には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に第2結果表示フラグを格納する。これら各フラグは、今回の変動表示の開始が下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DRのいずれであるかを特定する際に参照される。
以上詳述したデータ設定処理を実行した後は、ステップS505にて主表示装置69における変動表示及び図柄表示装置96における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
ここで、図30のフローチャートを参照し、ステップS505の変動開始処理について説明する。
変動開始処理においては先ず、ステップS601にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず今回の当否判定が下側作動入球部82への入球に基づくものであるかそれとも右側作動入球部83への入球に基づくものであるかを識別する。具体的には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に第1結果表示フラグ及び第2結果表示フラグのどちらが格納されているかによって入球先を識別する。
RAM704の各種フラグ格納エリア736に第1結果表示フラグが格納されている場合、すなわち今回の当否判定が下側作動入球部82への入球に基づくものである場合には、当否テーブル記憶エリア721に記憶されているテーブルのうち下側作動入球部用の当否テーブルを参照して、実行エリアに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が同テーブルの大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。
一方、RAM704の各種フラグ格納エリア736に第2結果表示フラグが格納されている場合、すなわち今回の当否判定が右側作動入球部83への入球に基づくものである場合には、当否テーブル記憶エリア721に記憶されているテーブルのうち右側作動入球部用の当否テーブルを参照して、実行エリアに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が同テーブルの大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS602では、ステップS601における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果でない場合には、ステップS603に進み上記当否判定処理の結果が特別当たり当選結果であるか否かを判定する。
ステップS603にて肯定判定をした場合には、続くステップS604にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、先ず今回の当否判定が下側作動入球部82への入球に基づくものであるかそれとも右側作動入球部83への入球に基づくものであるかを識別する。具体的には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に第1結果表示フラグ及び第2結果表示フラグのどちらが格納されているかによって入球先を識別する。
RAM704の各種フラグ格納エリア736に第1結果表示フラグが格納されている場合、すなわち今回の抽選が下側作動入球部82への入球に基づくものである場合には、振分テーブル記憶エリア722に記憶されているテーブルのうち下側作動入球部用の当否テーブルを参照して、実行エリアに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2に係る数値情報が同テーブルにおけるいずれの特別当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、高頻度サポートモード対応特別当たり結果、高頻度サポートモード非対応(低頻度サポートモード対応)特別当たり結果のいずれの特別当たり結果に対応しているのかを特定する。
一方、RAM704の各種フラグ格納エリア736に第2結果表示フラグが格納されている場合、すなわち今回の抽選が右側作動入球部83への入球に基づくものである場合には、振分テーブル記憶エリア722に記憶されているテーブルのうち右側作動入球部用の当否テーブルを参照して、実行エリアに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2に係る数値情報が同テーブルにおけるいずれの特別当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、高頻度サポートモード対応特別当たり結果、高頻度サポートモード非対応(低頻度サポートモード対応)特別当たり結果のいずれの特別当たり結果に対応しているのかを特定する。
ステップS604の振分判定処理を実行した後はステップS605に進み、今回の当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。
ステップS605にて肯定判定をした場合にはステップS606に進み、高頻度サポートモード対応特別当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示装置69の主表示部D(詳しくは右作動口用表示部DR、下作動口用表示部DL)に最終的に停止表示させる絵柄の態様(例えば発光色)の情報を、ROM703に予め記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM704に記憶する。
この当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部Dに停止表示される絵柄の態様の種類が、当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS606では、ステップS601,S604にて特定した当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM704に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、各当たり種別に応じて定められている。この場合、各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS607では、ステップS403にて特定した特別当たり結果の種類に応じたフラグをRAM704の各種フラグ格納エリア736にセットする処理を実行する。
一方、ステップS605にて否定判定をした場合には、ステップS608に進み、高頻度サポートモード非対応特別当たり結果(低頻度サポートモード対応特別当たり結果)用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示装置69の主表示部D(詳しくは右作動口用表示部DR、下作動口用表示部DL)に最終的に停止表示させる絵柄の態様(例えば発光色)の情報を、ROM703に予め記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM704に記憶する。続くステップS609では、ステップS604にて特定した特別当たり結果の種類に応じたフラグをRAM704にセットする処理を実行する。
ステップS602,S603にてともに否定判定をした場合には、ステップS610にて、外れ用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示装置69の主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM703に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM704に記憶する。
ステップS602にて肯定判定をした場合、すなわち大当たり当選となった場合には、ステップS611に進み、振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、先ず今回の当否判定が下側作動入球部82への入球に基づくものであるかそれとも右側作動入球部83への入球に基づくものであるかを識別する。具体的には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に第1結果表示フラグ及び第2結果表示フラグのどちらが格納されているかによって入球先を識別する。
RAM704の各種フラグ格納エリア736に第1結果表示フラグが格納されている場合、すなわち今回の抽選が下側作動入球部82への入球に基づくものである場合には、振分テーブル記憶エリア722に記憶されているテーブルのうち下側作動入球部用の当否テーブルを参照して、実行エリアに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2に係る数値情報が同テーブルにおけるいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、高頻度サポートモード対応大当たり結果、高頻度サポートモード非対応(低頻度サポートモード対応)大当たり結果のいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
一方、RAM704の各種フラグ格納エリア736に第2結果表示フラグが格納されている場合、すなわち今回の抽選が右側作動入球部83への入球に基づくものである場合には、振分テーブル記憶エリア722に記憶されているテーブルのうち右側作動入球部用の当否テーブルを参照して、実行エリアに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2に係る数値情報が同テーブルにおけるいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、高頻度サポートモード対応大当たり結果、高頻度サポートモード非対応(低頻度サポートモード対応)大当たり結果のいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
ステップS611の振分判定処理を実行した後はステップS612に進み、今回の当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。
ステップS612にて肯定判定をした場合にはステップS613に進み、高頻度サポートモード対応大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示装置69の主表示部D(詳しくは右作動口用表示部DR、下作動口用表示部DL)に最終的に停止表示させる絵柄の態様(例えば発光色)の情報を、ROM703に予め記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM704に記憶する。
この当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部Dに停止表示される絵柄の態様の種類が、当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS613では、ステップS601,S612にて特定した当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM704に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、各当たり種別に応じて定められている。この場合、各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS614では、ステップS613にて特定した特別当たり結果の種類に応じたフラグをRAM704の各種フラグ格納エリア736にセットする処理を実行する。
一方、ステップS612にて否定判定をした場合には、ステップS615に進み、高頻度サポートモード非対応大当たり結果(低頻度サポートモード対応大当たり結果)用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示装置69の主表示部D(詳しくは右作動口用表示部DR、下作動口用表示部DL)に最終的に停止表示させる絵柄の態様(例えば発光色)の情報を、ROM703に予め記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM704に記憶する。続くステップS616では、ステップS615にて特定した特別当たり結果の種類に応じたフラグをRAM704の各種フラグ格納エリア736にセットする処理を実行する。
以下の説明において、各種特別当たり結果であるか否かの判定は、RAM704に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
以上のとおり、結果表示の内容は、当たり発生の有無及びその種別更には完全外れにて異なる表示内容が設定されている。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に、主表示部Dの下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRのうち、当該遊技回に係る変動表示が行われている主表示部Dを見ることにより、その遊技回の遊技結果が何であるかを監視することができる。
特に、主表示部Dに設けられた下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRは、主制御装置162に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置825が表示制御に際して介在することとなる表示部(例えば図柄表示装置96)に比べ、表示の信頼性が高いものとなっている。
但し、上述したように主表示部Dについては、下作動口用表示部DLや右作動口用表示部DR等複数の表示部が集約されており、どの部分がどのような内容を示しているのかを把握することが困難になっている。更には、図柄表示装置96の表示画面96aと比較して小さく且つ遊技領域PEの端寄りに配置さてているためその視認性も表示画面96aと比べて低くなっている。このため、遊技者の注目は上記表示画面96aに向きやすいと想定される。故に、上述したように、一時的に主表示部Dと表示画面96aとで表示内容が相違したとしても、ホール管理者と比べて遊技者がこのような差違に気づくことを好適に抑制することができる。
ステップS607,S609,S610,S614,S616の各処理を実行した後はステップS617に進み、変動表示時間(変動表示継続時間)の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM704の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置96にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果又は特別当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果及び特別当たり結果のいずれでもない場合であっても、実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタに係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM703に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報をRAM704の各種カウンタエリア735に設けられた表示継続期間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM703に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報を表示継続時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
特に、今回の遊技回の遊技結果が特別当たり結果となる場合には、ROM703に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルのうち共通変動表示時間テーブル(共通変動表示時間情報群)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM704の各種カウンタエリア735に設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留記憶数の数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、共通保留記憶数やサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、特別当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
ステップS617にて表示継続時間の設定処理を実行した後は、ステップS618にて変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、リーチ発生及び特殊リーチ発生の有無の情報、並びに変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり結果の情報、特別大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
ステップS618にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図28)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置96での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置825に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置825では、音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。これらコマンドを受信したことによる表示制御装置825における処理についての詳細は後述する。
ステップS618の処理を実行した後は、ステップS619にて主表示部Dにおいて絵柄の変動表示を開始させた後、本変動開始処理を終了する。
再び遊技回制御処理(図29)の説明に戻り、主表示部D(詳しくは作動口用表示部DL,DR)が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM704の各種カウンタエリア735に設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図25)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部D(詳しくは下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DR)における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動口用表示部DL,DRが有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該作動口用表示部DL,DRを表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図30)のステップS606,S608,S610,S613,S615のいずれかの処理においてRAM704に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部Dの作動口用表示部DL,DRにて表示されるように主表示ユニット87を表示制御する。
続くステップS509では変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図28)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置825に送信され、表示制御装置825では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置96の表示画面96aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、音声ランプ制御装置143や表示制御装置825にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成を採用してもよい。
図28に示すように、ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードや高頻度サポートモードなどに移行する。
<遊技状態移行処理>
ここで、ステップS404の遊技状態移行処理を図31のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS701では、大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中か否かを判定する。大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中でない場合には、ステップS702に進む。ステップS702では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中か否かを判定する。つまり、右側作動入球部83への入賞に基づく抽選結果が特別当たり結果となり、右側可変入球装置85への遊技球の流入が許容されるモードへ切り替わっているか否かを判定する。
ステップS701及びステップS702のそれぞれでは、各種フラグ格納エリア736に設けられた開閉実行モードフラグ格納エリア及び抽選結果確定モードフラグ格納エリアに対応したフラグがセットされているか否かによって判定する。なお、抽選結果確定モードフラグは、右側作動入球部83への入賞に基づく抽選を行った際に、特別当たりに当選することで上記フラグ格納エリアに格納される。
ステップS702にて特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中であると判定した場合には、ステップS703の特別当たり用の移行処理に進む。
<特別当たり用の移行処理>
ここで、図32のフローチャートを参照して特別当たり用の移行処理について説明する。
特別当たり用の移行処理においては、先ずステップS801にてRAM704の各種カウンタエリア735に格納された第1タイマカウンタTC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1タイマカウンタTC1は、右側可変入球装置85における動作期間(開放期間)及び上述した入賞有効期間等の計測に用いられるカウンタである。
ステップS801にて肯定判定をした場合、すなわち抽選結果確定モードへの移行タイミングである場合には、ステップS802に進み、切替部材641を非誘導状態から誘導状態に切り替える。具体的には、駆動部652への駆動信号の出力を開始して同駆動部652を励磁することで付勢部材651の付勢力に抗して駆動部652の可動片を変位させ、切替部材641を非誘導状態から誘導状態に切り替える。これにより、第1下流側通路622の下流部622Lへの遊技球の流入を不可とするとともに、第2下流側通路623へ遊技球を誘導可能な状態とする。
ステップS802の駆動処理を実行した後は、ステップS803に進み、上記第1タイマカウンタTC1に「1425:(5700msecに相当)」をセットする。第1タイマカウンタTC1の設定処理を完了した後は、ステップS804に進み、右側可変入球装置85の開放処理を実行し、本特別当たり用の移行処理を終了する。
右側可変入球装置の開放処理では、右側大入賞口602を開放すべく可変入球駆動部604に駆動信号を出力し、同可変入球駆動部604を励磁状態とする。これにより、右側大入賞口602を覆っている開閉扉603を閉状態から開状態に切り替える。なお、ステップS804の処理においては、外部出力処理(ステップS401)にて音声ランプ制御装置143に送信される確定モード開始コマンドをセットする。
音声ランプ制御装置143では、受信した確定モード開始コマンドに基づいて、特別当たり結果に対応した抽選結果確定実行モードにおいて右側可変入球装置85が開放中である場合の演出を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS804の処理を実行した後はステップS805に進み、第2制限カウンタLC2に「3470」をセットし、本特別当たり用の移行処理を終了する。第2制限カウンタLC2については、上述の如く定期的に更新されることで徐々に減算され、最終的にその値が「0」に復帰するまでの間、上記作動入球部用の入賞処理におけるステップS310の情報取得処理が制限されることとなる。つまり、右側作動入球部83に遊技球が入球し、同入球に基づく情報取得処理に基づく抽選処理にて当選した場合には、その後凡そ「6940msec」に亘って次回の情報取得処理が制限され、この制限期間中に右側作動入球部83への入球が発生した場合には、賞球の付与のみが実行されることとなる。
なお、ステップS802〜S805の順序については任意であり、少なくとも1度の特別当たり用の移行処理(通常処理)にてステップS802〜S805の各処理が実行されるのであれば、ステップS802〜S805の順序については任意である。
一方、ステップS801にて否定判定した場合、すなわち、第1タイマカウンタTC1の値が「0」でない場合には、ステップS806に進み、当該第1タイマカウンタTC1の更新処理を実行する。具体的には、第1タイマカウンタTC1の値を「1」減算する。
ステップS806にて第1タイマカウンタTC1の更新処理を実行した後は、続くステップS807にて第1タイマカウンタTC1の値が「1000」であるか否かを判定する。ステップS807にて肯定判定をした場合には、ステップS808に進み、右側可変入球装置85の閉鎖処理を実行する。具体的には、右側大入賞口602を閉鎖すべく可変入球駆動部604に出力している駆動信号を停止し、同可変入球駆動部604を非励磁状態とする。これにより、開閉扉603を開状態から閉状態に切り替わり、それ以降の右側可変入球装置85(右側大入賞口602)への入球が不可となる。
つまり、本特別当たり用の移行処理においては、ステップS801にて否定判定をする度に第1タイマカウンタTC1の値が「1」ずつ減算され、抽選結果確定モードの移行タイミング(すなわち開閉扉603の開放タイミング)から凡そ1700msecが経過したタイミングにて右側大入賞口602への遊技球の流入が不可となる。
一方、ステップS807にて否定判定をした場合には、ステップS809に進み、第1タイマカウンタTC1の値が「750」であるか否かを判定する。ステップS809にて肯定判定をした場合にはステップS810に進み、切替部材復帰処理を実行する。
具体的には、切替部材641の駆動部652への駆動信号の出力を停止する。これにより、駆動部652が励磁状態から非励磁状態に切り替り、切替部材641が付勢部材651の付勢力によって非誘導状態に復帰する。これにより、第1下流側通路622の下流部622Lへの遊技球の流入が許容され、第2下流側通路623への遊技球の流入が不可となり、この後のタイミングで右側可変入球装置85に流入した遊技球は第1下流側通路622の下流部622Lへ導かれることとなる。
つまり、本特別当たり用の移行処理においては、ステップS801にて否定判定をする度に第1タイマカウンタTC1の値が「1」ずつ減算され、抽選結果確定モードの移行タイミング(すなわち開閉扉603の開放タイミング)から凡そ2700msecが経過したタイミングにて第2下流側通路623への遊技球の誘導が不可となる。
ステップS809にて否定判定をした場合には、ステップS811に進み、第1タイマカウンタTC1の値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、右側可変入球装置85の閉鎖タイミングから5700msecが経過したか否かを判定する。ステップS811にて否定判定をした場合又はステップS808,S810の各処理を実行した後は、未だ有利入球部623への遊技球の入賞が有効な期間となっている期間中であり、ステップS812にて有利入球部623への入賞が発生したか否かを判定する。具体的には、上述したタイマ割込み処理におけるステップS101の読み込み処理にて右側可変入球装置85に設けられた下流側第2検知センサ626が入球を検知していたか否かを判定する。
ステップS811にて否定判定した場合、すなわち有利入球部623への入賞が発生していない場合には、そのまま本特別当たり用の移行処理を終了する。一方、ステップS812にて肯定判定をした場合、すなわち有利入球部623への入賞有りと判定した場合、ステップS813にて下側可変入球装置84に対応した開閉実行モード設定処理を実行した後、本特別当たり用の移行処理を終了する。
一方、ステップS811にて肯定判定をした場合には、ステップS814にて抽選結果確定モードフラグを消去する。これにより、次回の通常処理実行時には、遊技状態移行処理におけるステップS702にて否定判定され、本特別当たり用の移行処理が、次回の抽選結果確定モードフラグ格納時までキャンセルされることとなる。
ステップS814の処理を実行した後は、続くステップS815にてRAM704の各種フラグ格納エリア736に特定有効期間終了フラグを格納し、本特別当たり用の移行処理を終了する。特定有効期間終了フラグは、後述する残存球監視処理にて参照され、同特定有効期間終了フラグに基づいて残存球監視処理が終了することとなる。
なお、ステップS811にて、肯定判定をした場合には、外部出力処理(ステップS401)にて音声ランプ制御装置143に送信される確定モード終了コマンドをセットする。音声ランプ制御装置143では、受信した確定モード終了コマンドに基づいて、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。具体的には、本処理が実行された場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味するため、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードの終了に対応した演出が実行される。例えば「リトライ!」や「ラッキー!」等のメッセージを図柄表示装置96にて表示する。
因みに、本実施の形態における特別当たり用処理では、有効期間が経過した場合や同有効期間中の有利入球部への入球が発生した場合だけではなく、右側可変入球装置85が開放されている最中に予め定められた数(詳しくは10個)の遊技球が同右側可変入球装置85へ入球した場合にも当該特別当たり用処理を終了することとしている。但し、これら各終了契機のうち後者については、遊技球の発射間隔が0.6sec且つ右側可変入球装置85へが受入状態となる期間が凡そ1.7secであることから、実際に発生する機会は無いため図32のフローチャートにおいては説明を省略している。
遊技状態移行処理(図31)の説明に戻り、ステップS702にて抽選結果確定モード中でないと判定した場合にはステップS704に進む。ステップS704では、1の遊技回の各表示部DL,DRにおける変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示の終了タイミング、すなわち表示部DL,DRが変動表示から停止表示に切り替ったタイミングである場合には、ステップS705にて開閉実行モードへの移行が規制されているか否かを判定する。具体的には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に移行規制フラグが格納されているか否かを判定する。移行規制フラグは、後述する残存球監視処理にて、異常の発生を確認した場合に格納されるフラグであり、その詳細については後述する。
ステップS705にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モードへの移行が規制されている場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ステップS705にて否定判定をした場合には、ステップS706に進み、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に、開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。同フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記開閉実行モードフラグが格納されている場合には、ステップS707にてラウンドカウンタRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタRCは、下側可変入球装置84の下側大入賞口84aが開放された回数をカウントするためのカウンタである。
続くステップS708においては、今回の当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定し、同高頻度サポートモードに対応している場合には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に高頻度サポートモードフラグをセットする。
ステップS708の処理を実行した後は、ステップS709にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図28)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置143に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置143から表示制御装置825に送信され、表示制御装置825では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。ステップS709の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS701にて大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS710〜S715の大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード用の処理を実行する。
先ず、ステップS710では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS711にて下側可変入賞装置開閉処理を実行する。
下側可変入賞装置開閉処理においては、下側大入賞口84aが閉鎖中である場合に、ラウンドカウンタRCが「1」以上であることを条件として、可変入球駆動部84cを駆動状態とすることで下側大入賞口84aを開放させる。また、下側大入賞口84aが開放中である場合には、当該下側大入賞口84aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入球駆動部84cの駆動状態を停止し、下側大入賞口84aを閉鎖させる。
ステップS711にて下側可変入賞装置開閉処理を実行した後に、続くステップS712にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、ステップS713にて開閉実行モードフラグをクリアする。
ステップS713にて開閉実行モードフラグをクリアしたらステップS714に進み、高頻度サポートモードフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。高頻度サポートモードフラグがセットされている場合、ステップS715に進み、RAM704に設けられた遊技回数カウンタに「100」をセットして本遊技状態移行処理を終了する。遊技回数カウンタに「100」がセットされることにより、高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、サポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。なお、高頻度サポート継続回数(制限遊技回数)は、100回に限定されることはなく、10回、20回、30回といった1回以上100回未満であってもよく、101回以上であってもよい。
通常処理においてステップS404の遊技状態移行処理を終了した後は、ステップS405に進み、電役サポート用処理を実行する。
<電役サポート用処理>
以下、電役サポート用処理を図33及び図34のフローチャートを参照して説明する。
図33に示すように、電役サポート用処理においては先ずステップS901にて第2タイマカウンタTC2の更新処理を実行する。第2タイマカウンタTC2は、電動役物(可変入球機構400)の開放期間及び閉鎖期間を規定する際に参照されるカウンタであり、RAM704の各種カウンタエリア735に格納されている。本更新処理においては、第2タイマカウンタTC2の値が「0」である場合にはその値を維持し、同第2タイマカウンタTC2の値が「0」でない場合には当該第2タイマカウンタTC2の値を「1」減算する。ステップS901にて更新処理を実行した後は、ステップS902に進む。
ステップS902においては、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM704の各種フラグ格納エリア736に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、右側作動入球部83の電動役物を受入状態とする場合に格納され、非受入状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS903に進み、第2タイマカウンタTC2の値が「0」となっているか否かを判定する。ステップS903にて肯定判定をした場合には、ステップS904に進み遊技球がスルーゲート86を通過したか否かを判定する。具体的には、RAM704の各種フラグ格納エリア736にスルーゲート用の入賞フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS904にて肯定判定をした場合にはステップS905にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS906にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
開閉実行モード中ではなく且つ高頻度サポートモード中である場合には、ステップS907にて抽選処理を行う。かかる抽選処理においては高頻度サポートモード用の抽選テーブルが参照され、電役用カウンタ情報格納エリア734に記憶されている電動役物用カウンタC3の値が「0」〜「199」であった場合に当選となる。
ステップS907の抽選に当選した場合にはステップS909に進み、RAM704の各種フラグ格納エリア736にサポート当選フラグを格納し、ラウンドカウンタRCに「2」をセットすとともに第1制限カウンタLC1に「4540:9080msecに相当」をセットする。
ステップS907の抽選処理にて非当選となった場合にはステップS910に進み、第1制限カウンタLC1に「620:1240msecに相当」をセットする。
既に説明したように第1制限カウンタLC1の値はタイマ割込み処理が起動される度に「1」減算される。このため、ステップS909の処理にて第1制限カウンタLC1に「4540」がセットされた場合にはその後9080msecに亘ってスルーゲート86における入賞が制限され、ステップS910の処理にて第1制限カウンタLC1に「620」がセットされた場合にはその後1240msecに亘ってスルーゲート86用の情報取得処理が制限される。これにより、予め定められた期間に亘ってスルーゲート86用の抽選処理が回避されることとなる。
一方、ステップS905にて肯定判定をした場合、及びステップS906にて否定判定をした場合には、ステップS911にて抽選処理を行う。かかる抽選処理においては低頻度サポートモード用の抽選テーブルが参照され、電役用カウンタ情報格納エリア734に記憶されている電動役物用カウンタC3の値が「0」〜「24」であった場合に当選となる。
ステップS911の抽選に当選した場合にはステップS913に進み、RAM704の各種フラグ格納エリア736にサポート当選フラグを格納し、ラウンドカウンタRCに「1」をセットすとともに第1制限カウンタLC1に「8040:16080msecに相当」をセットする。なお、ステップS909,S913にて格納されるサポート当選フラグは、サポート中フラグが格納される場合に消去される。
ステップS911の抽選処理にて非当選となった場合にはステップS914に進み、第1制限カウンタLC1に「4120:8240msecに相当」をセットする。
上述の如く第1制限カウンタLC1の値はタイマ割込み処理が起動される度に「1」減算される。このため、ステップS913の処理にて第1制限カウンタLC1に「8040」がセットされた場合にはその後16080msecに亘ってスルーゲート86用の情報所得処理が制限され、ステップS910の処理にて第1制限カウンタLC1に「620」がセットされた場合にはその後8240msecに亘ってスルーゲート86用の情報取得処理が制限される。これにより、予め定められた期間に亘ってスルーゲート86用の抽選処理が回避されることとなる。
ステップS909,S910,S913,S914の各処理を実行した後は、ステップS915に進む。ステップS915ではスルーゲート用表示部DSの変動表示開始処理を実行する。この変動表示時間設定処理においては、変動表示期間及び上記抽選の結果に応じた停止表示態様を決定するとともにスルーゲート用表示部DSの点滅表示を開始する。なお、本実施の形態においては、高頻度サポートモード時の変動表示時間(例えば640msec)と比較して低頻度サポートモード時の変動表示時間(例えば7640msec)が長くなるように設定されている。
ステップS915にて変動開始処理を実行した後、又はステップS903,S904にて否定判定をした場合には、ステップS916〜S919の変動表示停止処理に進む。変動表示停止処理においては先ずステップS916にて、スルーゲート用表示部DSにおける変動表示を終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS916にて肯定判定をした場合にはステップS917に進み、抽選結果表示処理を実行する。
抽選結果表示処理においては、サポート抽選に当選している場合には当選結果に対応する絵柄を停止表示した状態で上記変動表示を終了する。一方、サポート抽選に非当選となった場合には非当選結果に対応する絵柄を停止表示した状態で変動表示を終了する。ステップS917の処理を実行した後は、ステップS918に進み、上記抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS918にて肯定判定をした場合にはステップS919に進み、サポート中フラグを格納するとともにサポート当選フラグを消去する。
ステップS919の処理を実行した後、又はステップS916,S918の何れかにて否定判定をした場合には、ステップS920に進む。ステップS920では、遊技回数カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタはRAM704の各種カウンタエリア735に格納されており、当該遊技回数カウンタによって高頻度サポートモードの継続回数が規定されている。具体的には、この遊技回数カウンタの値は高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に「1」減算され、当該遊技回数カウンタの値が「0」となることで高頻度サポートモードが終了することとなる。
ステップS920にて肯定判定をした場合にはそのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS920にて否定判定をした場合には、すなわち遊技回数カウンタの値が「0」である場合には、ステップS921にて高頻度サポートフラグを消去するとともに、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS921にて設定された低頻度サポートコマンドは、外部出力処理(ステップS401)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置825に送信する。表示制御装置825では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
再びステップS901の説明に戻り、ステップS901にて肯定判定をした場合、すなわちサポート中フラグが格納されている場合には、ステップS922に進み、右側作動入球部83の電動役物を駆動制御するための電役駆動制御処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役駆動制御処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。
<電役駆動制御処理>
先ず、ステップS1001にて右側作動入球部83の電動役物(可変入球機構400)が受入状態となっているか否かを判定する。電動役物が受入状態であるか否かは、電動役物用の駆動部500(詳しくはソレノイド501)が駆動状態であるか否かで判定する。電動役物が受入状態となっている場合にはステップS1002に進み、第2タイマカウンタTC2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマカウンタTC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役駆動制御処理を終了する。第2タイマカウンタTC2の値が「0」である場合にはステップS1003にてラウンドカウンタRCの値を「1」減算し、その後ステップS1004にて同ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合、すなわち今回のサポートが完了する場合には、ステップS1005に進み、第2タイマカウンタTC2に「450」をセットする。これにより、少なくとも1800msecに亘って電動役物が非受入状態のまま維持される。
ステップS1005の処理を実行した後はステップS1007に進み、上記サポート中フラグを消去する。これにより、今回の当選結果に基づくサポートが終了することとなる。
一方、ステップS1004にて否定判定をした場合にはステップS1006に進み、第2タイマカウンタTC2に「760」をセットする。これにより、少なくとも3040msecに亘って電動役物が非受入状態のまま維持される。
ステップS1006又はステップS1007の処理を実行した後は、ステップS1008に進み、非受入状態移行処理を実行し、本電役駆動制御処理を終了する。非受入状態移行処理においては、駆動部500に対する駆動信号の出力を停止することにより電動役物を受入状態に移行させる。
一方、電動役物が受入状態となっていない場合にはステップS1001にて否定判定をし、ステップS1009に進む。ステップS1009では、第2タイマカウンタTC2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマカウンタTC2が「0」でない場合には、そのまま本電役駆動制御処理を終了する。第2タイマカウンタTC2が「0」である場合には、ステップS1010にて開閉実行モード中であるか否かを判定するとともにステップS1011にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
ステップS1010にて否定判定をし且つステップS1011にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中ではなく且つ高頻度サポートモード中である場合には、ステップS1012に進み、第2タイマカウンタTC2に「375」をセットする。これにより、1500msecに亘って電動役物が受入状態に維持される。
一方、ステップS1010にて肯定判定をした場合又はステップS1011にて否定判定をした場合には、すなわち開閉実行モード中又は低頻度サポートモード中である場合には、ステップS1013に進み、第2タイマカウンタTC2に「50」をセットする。これにより、200msecに亘って電動役物が受入状態に維持される。
ステップS1012,S1013の処理を実行した後は、ステップS1014にて受入状態移行処理を実行し、本電役駆動制御処理を終了する。受入状態移行処理においては、電動役物を受入状態に制御すべく駆動部500に対して駆動信号の出力を開始するとともに、RAM704の各種フラグ格納エリア736に受入状態への移行が開始された旨を示す切替フラグを格納する。
再び図28の通常処理の説明に戻り、ステップS405の電役サポート処理を実行した後はステップS406にて遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM704の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM704の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<右側作動入球部83、右側可変入球装置85の動作態様>
ここで、図35及び図36を参照して、高頻度サポートモード中の右側作動入球部83の動作及び右側可変入球装置85の動作の関係について説明する。図35及び図36は高頻度サポートモード中(右打ち時)の右側作動入球部83や右側可変入球装置85の動作態様等を示すタイミングチャートであり、(a)はスルーゲート用表示部DSの表示状態を示し、(b)はスルーゲート用表示部DSの変動表示の可否を示し、(c)は右側作動入球部83の状態を示し、(d)は右作動口用表示部DRの表示状態を示し、(e)は右側可変入球装置85の状態を示し、(f)は右側可変入球部における入球受付の可否を示し、(g)は右作動口用表示部の変動表示の可否を示している。
既に説明したように、本実施の形態においては高頻度サポートモード中にサポート抽選に当選した場合には、右側作動入球部83が受入状態に2度切り替る構成となっている。そこで、先ず図35を参照し、1度目の受入状態への切替時に右側作動入球部83への入球が発生し、同入球に基づく抽選に当選した場合について説明する。
ta1のタイミングにてスルーゲート86を遊技球が通過すると、同遊技球の通過に基づいてサポート抽選が実行されるとともに、同遊技球の通過が有効に受け付けられた旨及びその抽選結果を報知する事前動作としてスルーゲート用表示部DSの変動表示が開始される。かかるサポート抽選に当選している場合には、ta1のタイミングから予め設定された期間が経過したta2のタイミングにて当選結果に対応する絵柄がスルーゲート用表示部DSに停止表示され、同絵柄が停止表示されてから所定の期間が経過したta3のタイミングにて右側作動入球部83(詳しくは電動役物(可変入球機構400))が非受入状態から受入状態に切り替る。そして、かかる受入状態は同受入状態への切替タイミングから予め設定された受入期間が経過するまで継続されることとなる。
スルーゲート86への入賞に基づく次回のサポート抽選については、今回のサポート抽選の結果に応じて決定された期間に応じて制限されることとなる。具体的には、サポート抽選にて非当選結果となった場合には、今回の抽選結果が一定期間停止表示された後、直ちに次回のサポート抽選が許容されることとなる。一方、今回のサポート抽選にて当選結果となった場合には、今回の抽選結果が一定期間停止表示された後も、右側作動入球部83によるサポートが完了するまで次回の抽選が制限される。つまり、スルーゲート用表示部DSの変動表示が無効となる。
右側作動入球部83における受入期間中(例えばta3のタイミング)に同右側作動入球部83への入球が発生すると、当該入球に基づいて当否抽選及び振分抽選が実行される。これに併せて右作動口用表示部DRの変動表示が開始され、入球が発生したta3のタイミングから所定期間が経過したta4のタイミングにて上記抽選の結果に対応する絵柄が停止表示される。
右側作動入球部83への入球に基づく当否抽選に当選した場合には、当選結果及び振分結果に対応する絵柄が停止表示され、同停止表示のタイミングから所定の期間が経過したta5のタイミングにて右側可変入球装置85が非受入状態から受入状態に切り替る。そして、かかる受入状態は同受入状態への切替タイミングから予め設定された受入期間が経過するまで継続されることとなる。
なお、上記受入期間の開始と同時(ta3のタイミング)にて右側作動入球部83への入球が発生した場合には、ta5のタイミングの直後のta6のタイミング(ta3のタイミングから予め設定された受入期間が経過したta6のタイミング)にて同右側作動入球部83が非受入状態に切り替る。
ta6のタイミングの後のta7のタイミング、すなわちta5のタイミングから予め設定された受入期間が経過したta7のタイミングにて右側可変入球装置85が非受入状態に切り替る。右側可変入球装置85が受入状態となっている期間中(ta5のタイミング〜ta7のタイミング)は、右側作動入球部83の受入状態への切替え(2度目の切替え)が回避され、右側可変入球装置85への遊技球の流入が右側作動入球部83によって妨げられることを抑制している。
ここで、本実施の形態における右側可変入球装置85については、遊技球の振り分け先に応じて右側作動入球部83による抽選の結果を確定するか否かの抽選を行う抽選機能(振分機能)が付与されており、右側可変入球装置85へ流入した遊技球の動き及びその振分先を目視にて確認することが可能となっている。詳しくは、図20に示したように、右側可変入球装置85の入口部分から流入した遊技球は案内通路620の途中位置にて第1下流側通路622の下流部622L及び第2下流側通路623(有利入球部)の何れかに振り分けられ、第2下流側通路623の第2検知領域DE2に遊技球が到達することにより、上記抽選の結果が確定する構成となっている。つまり、特別遊技状態への移行が確定する構成となっている。
このように入口部分から流入した遊技球が「特定領域」としての第2検知領域DE2に到達するまでに予め定められた期間を要することを加味して、本実施の形態においては第2検知領域DE2における検知結果が有効となる期間(抽選結果の確定が有効となる期間)、すなわち右側可変入球装置85における入球受付の有効期間が設定されている。
この有効期間は右側可変入球装置85が受入状態に維持される期間よりも長く設定されており、右側可変入球装置85がta7のタイミングにて非受入状態に切り替った後も暫くの間は第2検知領域DE2における遊技球の通過が有効であるとして処理されることとなる。
ta7のタイミングの後のta8のタイミングにて右側作動入球部83が再び受入状態に切り替る。そして、ta8のタイミングから予め設定された受入期間が経過したta9のタイミングにて右側作動入球部83が非受入状態へと復帰する。ta8のタイミング〜ta9のタイミングにおいては、右側可変入球装置85は非受入状態となっているため、右側作動入球部83の受入状態への切替えによって同右側可変入球装置85への遊技球の流入が妨げられることはない。
右側作動入球部83が受入状態に維持される期間は、右側可変入球装置85における入球有効期間と重なっている。ここで、右側作動入球部83においては、ta8のタイミング〜ta9のタイミングにおいては仮に遊技球が入球したとしても遊技球の払い出しを行う一方で、上述した当否抽選や振分抽選が回避される構成となっている。故に、右側可変入球装置85における受付期間中に抽選結果が書き換えられたり、右作動口用表示部DRが変動表示をしている最中に停止表示に先行して特別遊技状態への移行が確定したりすることはない。
ta9のタイミングの後のta10のタイミング、詳しくはta5のタイミングから予め設定された期間が経過したta10のタイミングにて、上記有効期間(受付期間)が終了するとともに、記憶されていた右側作動入球部83への入球に基づく抽選結果が消去される。このため、ta10のタイミング以降に第2検知領域DE2へ遊技球が到達したとしても特別遊技状態へ移行されることはない。
ta10のタイミングの後のta11のタイミングにて、すなわち右側作動入球部83によるサポートが開始されてから(スルーゲート86における抽選が行われてから)予め設定された制限期間が経過したta11のタイミングにて同右側作動入球部83によるサポートが完了する。このta11のタイミング以降、スルーゲート86におけるサポート抽選が再び有効化される。
なお、仮にta1のタイミングでスルーゲート86を通過した遊技球に基づくサポート抽選に非当選となっていた場合には、スルーゲート用表示部DSにて非当選結果が報知された後のta3のタイミング以降、スルーゲート86におけるサポート抽選が再び有効化される。
ta11のタイミングにてスルーゲート86を遊技球が通過すると、再びサポート抽選が実行されるとともに、スルーゲート用表示部DSにて絵柄の変動表示が開始される。その後、ta12のタイミングにて抽選結果に対応する絵柄が停止表示される。なお、以降、ta13のタイミング〜ta16のタイミングにおける各事象については、上記ta3のタイミング〜ta6のタイミングにおける各事象と同様であるため、簡単に説明する。
ta13のタイミングで右側作動入球部83が受入状態に切り替り、同ta13のタイミングにて同右側作動入球部83への入球が発生すると、同入球に基づいて当否抽選及び振分抽選が実行される。同抽選に当選した場合には、右側可変入球装置85が受入状態に切り替る。ta16のタイミングの後のta17のタイミング、つまり右側可変入球装置85が受入状態となっている最中に、同右側可変入球装置85への入球が発生すると。当該遊技球は右側可変入球装置85の案内通路620を流下する。この際、切替部材641が誘導位置に配置されていることで、同遊技球が第2下流側通路623へと流入し、右側可変入球装置85が非受入状態に切り替ったta18のタイミングの後のta19のタイミングにて第2検知領域DE2に到達する。このタイミングにおいては、第2検知領域DE2における検知結果が有効に取り扱われるため、当該第2検知領域DE2に遊技球が到達したことを契機として、上記抽選の結果が確定し、特別遊技状態へ移行することとなる。
次に図36を参照し、2度目の受入状態への切替時に右側作動入球部83への入球が発生し、同入球に基づく抽選に当選した場合について説明する。
tb1のタイミングにてスルーゲート86を遊技球が通過すると、同遊技球の通過に基づいてサポート抽選が実行されるとともに、同遊技球の通過が有効に受け付けられた旨及びその抽選結果を報知する事前動作としてスルーゲート用表示部DSの変動表示が開始される。かかるサポート抽選に当選している場合には、tb1のタイミングから予め設定された期間が経過したtb2のタイミングにて当選結果に対応する絵柄がスルーゲート用表示部DSに停止表示され、同絵柄が停止表示されてから所定の期間が経過したtb3のタイミングにて右側作動入球部83(詳しくは電動役物(可変入球機構400))が非受入状態から受入状態に切り替る。そして、かかる受入状態は同受入状態への切替タイミングから予め設定された受入期間が経過するtb4のタイミングまで継続されることとなる。
仮に右側作動入球部83における受入期間中(tb3のタイミング〜tb4のタイミング)に同右側作動入球部83への入球が発生した場合には図35の例と同様に予め定められた数の遊技球の払い出しと同入球に基づく抽選が実行されることとなる。この抽選に非当選となった場合には、図36に示す例と同様に右側可変入球装置85が受入状態に切り替ることはない。
tb4のタイミングから予め設定されたインターバルを経たtb5のタイミングにおいては、再び右側作動入球部83が受入状態に切り替わる。右側作動入球部83の受入期間中のtb6のタイミングにて同右側作動入球部83への入球が発生すると、同入球に基づく当否抽選及び振分抽選が実行されるとともに、右作動口用表示部DRにて絵柄の変動表示が開始される。その後、入球が発生したtb6のタイミングから所定期間が経過したtb7のタイミングにて上記抽選の結果に対応する絵柄が停止表示される。なお、図36においては右側作動入球部83の非受入状態への復帰タイミングと、絵柄の変動表示の終了タイミングとが同一タイミングとなっているが、右側作動入球部83への入球タイミングに応じて、それら復帰タイミング及び終了タイミングは相違することとなる。
右側作動入球部83への入球に基づく当否抽選に当選した場合には、当選結果及び振分結果に対応する絵柄が停止表示され、同停止表示のタイミングから所定の期間が経過したtb8のタイミングにて右側可変入球装置85が非受入状態から受入状態に切り替る。そして、かかる受入状態は同受入状態への切替タイミングから予め設定された受入期間が経過するまで継続されることとなる。
tb8のタイミングの後のtb9のタイミング、詳しくはスルーゲート用表示部DSにて変動表示が開始された(スルーゲート86における抽選が行われた)tb1のタイミングから予め設定された制限期間が経過したtb9のタイミングにて、右側作動入球部83によるサポートが完了する。このtb9のタイミング以降、スルーゲート86におけるサポート抽選が再び有効化される。すなわち、スルーゲート用表示部DSの変動表示が有効となる。
このtb9のタイミングにて遊技球がスルーゲート86を通過すると、同遊技球の通過に基づいてサポート抽選が実行されるとともに、同遊技球の通過が有効に受け付けられた旨及びその抽選結果を報知する事前動作としてスルーゲート用表示部DSの変動表示が開始される。tb9のタイミングの後のtb10のタイミングにて、すなわち右側可変入球装置85が受入状態に切り替ったtb8のタイミングから受入期間が経過したtb10のタイミングにて、右側可変入球装置85が非受入状態に切り替る。
tb10のタイミングの後のtb11のタイミング、具体的にはtb9のタイミングから予め設定された期間が経過したtb11のタイミングにて抽選結果に対応する絵柄がスルーゲート用表示部DSに停止表示される。上記サポート抽選に当選している場合には、tb11のタイミングにて当選結果に対応する絵柄がスルーゲート用表示部DSに停止表示され、同絵柄が停止表示されてから所定の期間が経過したtb12のタイミングにて右側作動入球部83(詳しくは電動役物(可変入球機構400))が非受入状態から受入状態に切り替る。そして、かかる受入状態は同受入状態への切替タイミングから予め設定された受入期間が経過するtb13のタイミングまで継続されることとなる。
右側作動入球部83が受入状態となっている期間(tb12のタイミング〜tb13のタイミング)においては、右側可変入球装置85は非受入状態となっているとともに抽選結果の確定が有効となっている。tb12のタイミング〜tb13のタイミングの間にて右側作動入球部83への入球が発生した場合には、予め設定された数の遊技球の払い出しを行う一方、当該入球に基づく当否抽選及び振分抽選が回避される。
右側作動入球部83が非受入状態に切り替ったtb13のタイミングの後は、tb8のタイミングから予め設定された期間を経過したtb14のタイミングにて、上記有効期間(受付期間)が終了するとともに、記憶されていた右側作動入球部83への入球に基づく抽選結果が消去される。このため、tb14のタイミング以降は右側作動入球部83への入球に基づく抽選に当選しないまま第2検知領域DE2へ遊技球が到達したとしても特別遊技状態へ移行されることはない。
tb14のタイミングの後のtb15のタイミングにて、詳しくはtb13のタイミングから予め設定されたインターバルを経たtb15のタイミングにおいては、再び右側作動入球部83が受入状態に切り替わる。tb14のタイミング以降は、右側作動入球部83への入球に基づく遊技球の払い出し及び当否抽選並びに振分抽選が有効となっている。
このため、例えばtb15のタイミングにて右側作動入球部83への入球が発生すると、同入球に基づく当否抽選及び振分抽選が実行されるとともに、右作動口用表示部DRにて絵柄の変動表示が開始される。その後、入球が発生したtb15のタイミングから所定期間が経過したtb16のタイミングにて上記抽選の結果に対応する絵柄が停止表示される。上記サポート抽選に当選している場合には、tb11のタイミングにて当選結果に対応する絵柄がスルーゲート用表示部DSに停止表示され、それ以降はスルーゲート86における遊技球の通過に基づいた抽選が一定期間に亘って制限されることとなる。
そして、右作動口用表示部DRにて絵柄が停止表示された後のtb17のタイミングにて右側可変入球装置85が受入状態に切り替り、直後のtb18のタイミングにて右側作動入球部83が非受入状態に切り替る。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
スルーゲート86における遊技球の通過に基づいたサポート抽選に当選することで、右側作動入球部83が非受入状態から受入状態に切り替り、同右側作動入球部83への入球が容易化される。そして、右側作動入球部83への入球に基づいた当否抽選に当選することにより、開閉実行モードへの移行が許容されるとともに右側可変入球装置85への入球が許容される。その後、右側可変入球装置85(詳しくは有利入球部)へ遊技球が入球することにより開閉実行モードへの移行が確定する。
このように、複数の手順(プロセス)を踏むことにより、開閉実行モードへ移行するタイプの遊技機においては、遊技の単調化を抑制することができる反面、各プロセス間での待ち時間等が発生し得る。具体的には、スルーゲート86を遊技球が通過してからサポート抽選の結果がスルーゲート用表示部DSにて表示されるまでに所定の期間を要し、サポート抽選の結果が表示されてから右側作動入球部83が受入状態となるまでに所定の期間を要し、右側作動入球部83への入球が発生してから当否抽選等の結果が右作動口用表示部DRにて表示されるまでに所定の期間を要し、当否抽選の結果が表示されてから右側可変入球装置85が受入状態となるまでに所定の期間を要する。このため、このような待ち時間を嫌う遊技者においては、遊技球の発射操作を一時的に控えることにより無駄球の発射を抑えるといった行為、すなわち遊技を有利に進めようとする行為がなされると想定される。このような行為が行われた場合には、遊技機の稼動率が低下するといった不都合が生じ得る。また、発射操作を行ってから発射された遊技球がスルーゲート86,右側作動入球部83,右側可変入球装置85に到達するまでにはタイムラグが生じるため、上記行為が行われた場合には上記入球部86,83,85への入球確率が低下する等して本来得られるはずの特典を遊技者が取りこぼすといった不都合が生じ得る。
この点、上記実施の形態に示したように右側可変入球装置85における有効期間中に右側作動入球部83への遊技球の流入を許容し、同遊技球の流入に応じて遊技球の払い出しを行う構成とすれば、遊技者に損失感を与えにくくし、継続的な遊技球の発射を促すことができる。これにより、遊技機における稼働率の低下を抑制することができ、更には上述した特典の取りこぼしの発生を抑えることができる。
特に、上記実施の形態における右側可変入球装置85については、当該右側可変入球装置85へ流入した遊技球が案内通路620を流下し、上記有効期間内に同案内通路620における第2検知領域DE2に到達することにより、開閉実行モードへの移行が確定する構成が採用されており、案内通路620内を移動する遊技球を視認可能とすることにより、遊技球の動きに対する遊技者の注目度を向上し、遊技機における興趣向上を図っている。このように、遊技球の動きの目視による確認を促す構成においては、遊技球の動きを目で追うことが困難であると、上記興趣向上効果が好適に発揮されない。そこで、第1下流側通路622の下流部622Lと第2下流側通路623との分岐位置よりも上流側に横方向に延びる通路を設けるとともに案内通路620を蛇行させる構成を採用し、右側可変入球装置85に流入した遊技球を減速させるとともに横方向への移動を促すことで、遊技球を目視の容易化を図っている。
しかしながら、このような対応を行った場合には、確かに視認性向上効果を好適に発揮させることができるものの、右側可変入球装置85における遊技球の振分抽選に要する時間が長くなることで上述した遊技球の発射回避操作が行われやすくなると懸念される。この点、上記実施の形態においは、有効期間中に右側作動入球部83への遊技球の流入を許容し、同遊技球の流入に応じて遊技球の払い出しを行う構成を併用することにより遊技者に損失感を与えにくくし、継続的な遊技球の発射を促すことができる。故に、遊技における興趣向上を図りつつ、それに起因した稼働率の低下を好適に抑制することができる。
上述の如く有効期間中の右側作動入球部83への入球を許容する構成を採用した場合であっても、当該入球有効期間中における右側作動入球部83への入球に基づく抽選を不可としておくことで抽選結果が書き換わる等して開閉実行モードへの移行が突如としてキャンセルされるといった不都合は生じない。また、右作動口用表示部DRにて絵柄の変動表示が行われている最中であるにも関わらず、開閉実行モードへの移行が確定するといった不都合も生じない。これにより、遊技の健全性を担保しつつ遊技機における稼動率の低下を抑えることが可能となる。
上述の如く有効期間中の右側作動入球部83の受入状態への切り替えを許容する構成を採用した場合には、仮に右側作動入球部83に対して本来右側可変入球装置85に入球するはずであった遊技球が流入すると、遊技者は開閉実行モードへの移行機会を逃すこととなる。これは、遊技に対する興趣低下の要因となり得るため好ましくない。
そこで、本実施の形態においては、上記有効期間中であって右側可変入球装置85が非受入状態になっている期間中にて2度目の受入状態への切り替えを行う構成を採用した。これにより、右側作動入球部83を複数回受入状態に切り替える構成とし、遊技球の減りを抑える構成を採用しつつ、それによって右側可変入球装置85への入球が妨げられやすくなるといった不都合を生じにくくすることが可能となっている。また、かかる構成を採用することにより、右側作動入球部83と右側可変入球装置85との配置自由度の向上に貢献している。
右側可変入球装置85における有効期間中に右側作動入球部83の受入状態への切り替えを許容する構成を採用した場合には、例えば右側作動入球部83を受入状態とする期間を長く設定することにより、遊技球の発射継続を促す効果を好適に発揮させることができる。しかしながら、遊技進行を円滑に行うには、上記有効期間が経過した後(開閉実行モードへの移行が行われない旨が確定した場合)は、速やかに上記プロセスをやり直す必要がある。この際、右側作動入球部83が受入状態となっているままでは、遊技の円滑な進行を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、上記実施の形態においては、有効期間の経過前に、右側作動入球部83を非受入状態に復帰させておくことにより、上記不都合の発生を回避している。つまり、右側作動入球部83を有効期間にて受入状態とする構成を採用することに起因して、遊技進行が間延びするといった不都合を抑制することが可能となっている。
サポート抽選に当選した場合に右側作動入球部83を受入状態に2度切り替える構成とし、1度目の受入状態にて当該右側作動入球部83への入球が発生し且つ当否抽選に当選した場合には2度目の受入状態における抽選(当否抽選及び振分抽選)を不可とするとともに遊技球の払出しを行う構成とし、1度目の受入状態にて同右側作動入球部83への入球が発生し且つ当否抽選に落選した場合又は入球が発生しなかった場合には2度目の受入状態における抽選(当否抽選及び振分抽選)を許容するとともに遊技球の払出しを行う構成をすることにより、遊技者に対して付与される特典が過剰になることを抑えつつ遊技球の発射操作の継続を好適に促すことができる。
右側作動入球部83の2度目の受入状態中に当該右側作動入球部83への入球に基づく抽選に当選した場合には、その後の有効期間中におけるサポート抽選及び右側作動入球部83の受入状態への切り替えを許容し、当該右側作動入球部83の受入期間と上記有効期間との重なりを許容する構成とした。これにより、遊技球の発射操作の継続に起因した不利益の発生を抑え、更には上記プロセスを妨げることなく遊技進行の迅速化を実現している。
以上、詳述したように、有効期間にて右側可変入球部83を受入状態に切り替える構成においては、上記有効期間の終了タイミングがばらつくことは好ましくない。この点、上記実施の形態においては、右側可変入球装置85へ遊技球が流入した場合に、上記第2検知領域DE2に到達するのに要する期間が略一定となるように構成されている。このため、上記有効期間の終了タイミングのばらつきを抑え、当該終了タイミングと右側作動入球部83が受入状態となっている期間とが重なることを回避し、実用上好ましい構成を実現している。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83の2度目の受入状態への切替時に、同右側作動入球部83における受入期間が「第2可変入球部」としての右側可変入球装置85の受入期間と重複しないようにずらしたが、これに限定されるものではなく、両受入期間が少なくとも一部で重複させることも可能である。
但し、このような変更を行った場合には、本来であれば右側可変入球装置85へ到達するはずであった遊技球が右側作動入球部83に流入することで同右側可変入球装置85へ流入することなく遊技領域PEから排出されることにより、有利入球部への入球に基づく特別遊技状態への移行が妨げられやすくなると想定される。これは、遊技を有利に進めたいとする遊技者の思惑に反することとなり、遊技機における興趣向上を妨げる要因となり得る。
確かに、右側作動入球部83と右側可変入球装置85との位置関係を逆転し、右側作動入球部83を右側可変入球装置85よりも下流側に配置することにより、上記不都合の発生を回避することができる。しかしながら、このような配置を採用した場合には、右側可変入球装置85に到達するまでに要する期間が短縮される等し、右側可変入球装置85が受入状態に切り替るタイミングを見計らって遊技球の発射操作を一時的に停止させることにより遊技球の消費を抑えるといった行為が行われやすくなると想定される。これは、遊技機における稼働率低下の要因となり得るため好ましくない。
故に、望ましくは上記実施の形態に示した構成を採用し、両受入期間の重複を抑えるとよい。これにより、上記各種不都合の発生を抑制することができる。
(2)上記実施の形態では、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83が、「第2可変入球部」としての右側可変入球装置85における有効期間が経過する前に、非受入状態に復帰する構成としたが、これに限定されるものではなく、有効期間が経過した後に非受入状態に復帰する構成としてもよい。
但し、このような変更を行った場合には、有効期間後となる受入期間においても右側作動入球部83への入球に基づく抽選が回避され、遊技者が本来得られるはずの特典(抽選)を享受できなくなる。かかる不都合に対応すべく、有効期間後の受入期間においては右側作動入球部83への入球に基づく抽選を行う構成とすることも可能であるが、このような変更を行った場合には、抽選が行われる期間と行われない期間との境が不明瞭となり、遊技者を困惑させる要因となり得る。故に、遊技機における健全性の確保を考慮すれば、右側作動入球部83を有効期間の経過前に非受入状態に切り替えることにより、今回の受入期間が抽選の許容されるものであるか否かを明確にすることが好ましい。
(3)上記実施の形態では、高頻度サポートモード中にサポート抽選に当選した場合には、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83を受入状態に複数回(詳しくは2回)切り替える構成としたが、右側作動入球部83の切替回数は1回であってもよい。
但し、遊技進行の円滑化及び迅速化に鑑みれば、上記実施の形態に示したように受入状態への切替回数を少なくとも2回とし、そのインターバル期間に重なるようにして右側可変入球装置85の受入期間を設定し、更には右側可変入球装置85の有効期間(受入期間後に特定領域への到達を許容する期間)と重なるようにして右側作動入球部83の2度目の受入状態への切り替えを行う構成とすることが好ましい。
(4)上記実施の形態では、サポート抽選に当選し右側作動入球部83が受入状態に切り替る場合に、1度目の受入期間への移行と同時に右側作動入球部83に遊技球が流入し、同入球に基づく当否抽選に当選した場合には、右側可変入球装置85の受入期間と右側作動入球部83の受入期間とが一部重複する構成としたが、両受入期間が重複しない構成とすることも可能である。例えば、右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示時間や絵柄の停止表示時間を長くしたり、絵柄が停止表示されてから右側可変入球装置85を受入状態に切り替えるまでの待ち時間を長くしたりすることで、両受入期間の重複を払拭することができる。
(5)上記実施の形態では、右側作動入球部83への入球に基づく当否抽選に当選した場合に第2制限カウンタLC2に所定の値をセットし、当該第2制限カウンタLC2の値を参照して、以降の入球に基づく当否抽選及び振分抽選を行うか否かを決定する構成とした。これを変更し、右側可変入球装置85における「特定領域」としての第2検知領域DE2の遊技球の通過を有効とする有効期間であるか否かによって右側作動入球部83への入球に基づく当否抽選等を行うか否かを決定する構成としてもよい。つまり、有効期間中に右側作動入球部83への入球が発生した場合には当否抽選等を不可し、有効期間外に右側作動入球部83への入球が発生した場合には当否抽選等を行う構成とすることも可能である。
但し、このような変更を行った場合には、右側作動入球部83の受入期間中に有効期間が終了することで、当該受入期間が抽選を不可とする期間と抽選を許容する期間とに2分される。このように、1の受入期間の仕様が分かれることは遊技者を困惑させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは上記実施の形態に示した構成を採用し、当該不都合の発生を回避するとよい。
(6)上記実施の形態では、「通過部」としてのスルーゲート86、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83、「第2可変入球部」としての右側可変入球装置85を、図柄表示装置96を左右に迂回する流下経路のうち一方(図柄表示装置96を右側から迂回する流下経路)に沿って配置したが、これに限定されるものではない。これらスルーゲート86,右側作動入球部83,右側可変入球装置85のいずれかを他方の流下経路(図柄表示装置96を左側から迂回する流下経路)に配置することも可能である。
但し、このような変更を行った場合には、遊技者が遊技球の発射先をこまめに変更する必要が生じ、円滑な遊技進行が難しくなると想定される。特に、作動入球部及び可変入球装置においては受入期間が設定されており、上記変更操作が迅速に行われなかった場合には、遊技者が不利益を被ると想定される。故に、望ましくはスルーゲート86、作動入球部83、可変入球装置85を同一の流下経路に沿って配置することが好ましい。
(7)上記実施の形態では、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83を「第2可変入球部」としての右側可変入球装置85よりも上記流下経路の上流側に配置したが、これを変更し、右側作動入球部83を右側可変入球装置85よりも同流下経路の下流側に配置することも可能である。
(8)上記実施の形態では、右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示時間を一定としたがこれに限定されるものではなく、同変動表示時間を複数設定してもよい。なお、このような変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うことが好ましい。例えば、右側可変入球装置85の受入期間と右側作動入球部83の受入期間との重複を回避するようにして各変動表示時間に1対1で対応させて右側作動入球部83の動作態様を設定する、又は、右側可変入球装置85の受入期間と右側作動入球部83の受入期間との重複を回避するようにして変動表示時間の限界値を設定することが好ましい。
因みに、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示時間を一定としたが、同変動表示時間を複数設定することも可能である。
(9)上記実施の形態では、右作動口用表示部DRにて当たり対応の絵柄が停止表示されてから右側可変入球装置85における切替部材641が非誘導状態に切り替るまでの期間が、右作動口用表示部DRにて当たり対応絵柄が停止表示されたタイミングで発射された遊技球が案内通路620における分岐位置(切替部材641)に到達するのに要する期間よりも短く設定することにより、意図的に高頻度サポートモードを継続させるといった行為を難しくした。すなわち、技術介入の余地を払拭することにより遊技機における公平性を維持する構成とした。但し、これに限定されるものではなく、上記両期間の関係を逆となるように設定し、絵柄の停止表示後直ちに遊技球を発射することにより、切替部材641が誘導状態となっている期間中に同遊技球が分岐位置に到達可能な構成とすることも可能である。
(10)上記実施の形態では、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83が受入状態と非受入状態とに切替可能な構成を採用したが、これに限定されるものではく、右側作動入球部を遊技球の受入を許容する状態と同状態よりも遊技球の受入が容易な状態とに切替可能な構成とすることも可能である。
(11)上記実施の形態では、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83が右側作動口311を上下に挟んで対峙する2つの可動部材410,420を有する構成としたが、遊技領域PEを流下する遊技球が入球可能な第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は不可となる第2状態に切替可能であれば足り、上記構成に限定されるものではない。例えば右側作動口を挟んだ左右両側に可動片を設け、それら可動片が遊技盤80の前面に沿って左右に回動することにより上記第1状態及び第2状態の切り替えを行う構成とすることも可能である。
但し、図柄表示装置96を挟んだ右側と左側とで遊技球の流下経路を分化し、同図柄表示装置96の側方に右側作動入球部を配する構成においては、右側作動入球部の動作領域が拡がることで、図柄表示装置96の配置領域を圧迫し得る。更には、同右側作動入球部が上記第2状態となった場合に、右側可変入球装置85へ向けて流下する遊技球を過度に多く拾ってしまい、右側作動入球部への入球数が過度に多くなったり、右側可変入球装置85への入球数が過度に少なくなったりすると想定される。故に、右側作動入球部については上記実施の形態に示した構成を採用し、それら各種不都合の発生を抑えることが好ましい。
(12)上記実施の形態では、案内通路620の上流側通路621における同一箇所を複数の遊技球が同時に通過しないように通路幅等を規定するとともに、同案内通路620を蛇行させることにより、右側可変入球装置85に流入した遊技球が第2検知領域DE2に到達するのに要する期間をほぼ一定となるように調整する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。
すなわち、右側可変入球装置85に流入した遊技球を第2検知領域DE2へと導く球送り機構を設け、この球送り機構による球送り速度を一定とすることで、第2検知領域DE2に到達するのに要する期間をほぼ一定となるように調整してもよい。
(13)上記実施の形態では、「通過部」としてのスルーゲート86を遊技球が通過した場合に、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83を受入状態に切り替えるか否かを抽選によって決定する構成としたが、これを変更し、スルーゲート86を通過した場合には、抽選を行うことなく受入状態に切り替える構成としてもよい。
上記実施の形態においては高頻度サポートモード用の抽選テーブルと低頻度サポートモード用の抽選テーブルとを個別に設け、サポート抽選に当選する確率に差違を設定する構成とした。仮に上記変更を行った場合には高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの有利度の差が小さくなる。そこで、上記変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うことが好ましい。すなわち、右側作動入球部83における当否抽選での抽選確率や振分確率更には賞球数等を、高頻度サポートモード時のほうが低頻度サポートモード時よりも遊技者にとって有利となるように設定したり、両サポートモード間での右側作動入球部83の受入状態への切替回数や切替期間等の差を大きくしたりすればよい。
(14)上記実施の形態では「所定期間」としての有効期間の終了タイミングと、右側作動入球部83の受入期間とが重なった場合には、有効期間と重なっている期間中は右側作動入球部83への入球に基づく抽選を不可とし、有効期間と重なっていない期間中は右側作動入球部83への入球に基づく抽選を許容する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、受入期間の少なくとも一部が有効期間と重なっている場合には同受入期間中の入球に基づく抽選を不可とすることも可能である。かかる構成を採用すれば、1の受入期間中におけるどのタイミングで入球するかによって抽選の可否が左右されることを回避することができる。これにより、当否抽選等の契機が複雑になり、遊技者が困惑するといった不都合を生じにくくすることができる。
また、サポート抽選にて当選した場合に、右側作動入球部83を受入状態に切り替えるタイミングを変更することにより、上記終了タイミングと上記受入期間との重なりを回避する構成とすることも可能である。かかる構成を採用する場合には、例えば受入期間が有効期間内に収まる場合には受入状態への切り替えをそのまま行う構成とし、受入期間が有効期間内に収まらない場合には受入状態への切り替えタイミングを重複が回避されるタイミングまで遅延させる構成とするとよい。
なお、上記実施の形態においては「所定期間」としての有効期間が、右側可変入球部85の作動期間と同一となる構成としたが、右側可変入球部85の作動期間が有効期間よりも長い構成を採用することも可能であり、このような変更を行う場合には、作動期間中の右側作動入球部83への入球に基づく抽選を不可と構成、すなわち「所定期間」として作動期間を設定する構成とすればよい。
(15)上記実施の形態では、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83が遊技球の受入を許容する受入状態と遊技球の受入を不可とする非受入状態とに切替可能な構成を採用したが、これを変更し、右側作動入球部83を遊技球の入球を許容する第1状態と同第1状態よりも遊技球の入球が困難又は不可となる第2状態とに切替可能な構成を採用することも可能である。
但し、このような構成を採用した場合には、「所定期間」としての有効期間中に右側作動入球部83への入球が発生した場合には同入球に基づく各種抽選を不可とする構成を併用することが好ましい。
(16)上記実施の形態においては「所定期間」としての有効期間中に右側作動入球部83への入球が発生した場合には、同入球に対する特典として、予め定められた数の遊技球の払出しを行う構成としたが、これを変更し、右側作動入球部83に下側作動入球部82と同様に保留機能を付与し、有効期間中の入球を予め設定された上限数となるまで保留球として記憶することを上記特典として設定してもよい。更には、有効期間中の入球に対して1の特典を付与する構成に代えて、複数の特典を付与する構成を採用してもよい。要は、「特典」=「有効期間中における右側可変入球装置85の開放」でなければ、付与する特典の種類や数は任意である。但し、遊技者が遊技球の浪費を回避すべく一時的な発射停止操作を行う点に着目すれば、上記実施の形態に示したように上記特典として遊技球の払出しを行うことにより、遊技球の減りを抑える構成とすることにより、遊技者に対して特典の恩恵を好適に体感させることができる。これにより、遊技球の発射操作の継続を好適に促すことができる。
(17)上記実施の形態では、「第1可変入球部」としての右側作動入球部83に遊技球が流入した場合に当否抽選を行い、当該抽選に当選した場合に「第2可変入球部」としての右側可変入球装置85を受入状態に切り替える構成としたが、右側作動入球部83に遊技球が流入した場合に上記抽選を行うことなく右側可変入球装置608を受入状態に切り替える構成とすることも可能である。
(18)上記実施の形態では、「所定期間」中の右側作動入球部83への入球に基づく情報取得処理を制限することにより、同所定期間中に右側可変入球装置85が再度受入状態となることを回避する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば所定期間中の情報取得処理を許容しつつ同期間中の当否抽選を制限することにより、同所定期間中に右側可変入球装置85が再度受入状態となることを回避する構成としてもよい。また、同所定期間中の情報取得処理及び抽選処理を許容する一方で、その結果を無効とすることにより、所定期間中に右側可変入球装置85が再度受入状態となることを回避する構成としてもよい。
(19)上記実施の形態では、右側作動入球部83への入球に基づく情報取得処理を制限する際に制限カウンタLC2を使用したが、これに限定されるものではない。例えば、制限カウンタLC2ではなく、右側可変入球装置85の状態切替等に使用されているタイマカウンタTC1を使用してもよい。ようは、右側可変入球装置85が受入状態となった後、次に受入状態となり得るまでの待機期間中に右側作動入球部85への入球に基づいて右側可変入球装置85が再度受入状態となることを回避できるのであれば、その手法については任意である。
(20)上記実施の形態では、サポート抽選に当選した場合には、制限カウンタLC2を用いてその後一定期間に亘ってスルーゲート86への入球に基づく情報取得処理を制限する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも、右側作動入球部83によるサポートが有効となっている期間(受入状態及び非受入状態を含む期間)中におけるサポート抽選が回避されるのであれば、その具体的手法は任意である。例えば、サポート中期間の開始時にサポートフラグを格納し、同サポート期間の終了時にサポートフラグを消去する構成を採用している場合には、サポートフラグが格納されている場合に上記差ポート抽選を行わない構成とすればよい。
(21)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
所定の発射操作に基づいて、前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は不可となる第2状態に切替可能な第1可変入球部(右側作動入球部83)と、
前記遊技領域に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球の入球を許容する受入状態及び遊技球の入球を不可とする非受入状態に切替可能な第2可変入球部(右側可変入球装置85)と、
予め設定された切替条件が成立した場合に、前記第1可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える第1可変制御手段(主制御装置162のMPU702における電役駆動制御処理を実行する機能)と、
前記第1可変入球部への入球に基づいて、前記第2可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替える第2可変制御手段(主制御装置162のMPU702におけるステップS804の処理を実行する機能)と
を備え、
前記第2可変入球部には、当該第2可変入球部に流入した遊技球を案内する案内通路(案内通路620)が設けられており、
前記案内通路は、当該案内通路をその途中位置にて分岐させて設けられた第1分岐通路(第1下流側通路622の下流部622L)及び第2分岐通路(第2下流側通路623)を有し、
更に、前記第2可変入球部は、前記案内通路を流下して前記分岐部分に到達した遊技球を前記第1分岐通路及び前記第2分岐通路の一方に振り分ける振分手段(切替部材641)を有し、
前記第2分岐通路への遊技球の流入に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行する遊技機であって、
前記第2可変制御手段により前記第2可変入球部が前記受入状態となっている受入期間を少なくとも含むようにして設定された所定期間に亘って遊技状態を特定状態とする遊技状態制御手段(主制御装置162のMPU702における特別当たり用の移行処理を実行する機能)を備え、
前記第1可変制御手段は、前記切替条件が成立した場合に、前記所定期間にて前記第1可変入球部を前記第1状態に切替可能に設定されており、
前記所定期間にて前記第1可変入球部への入球が発生した場合に、当該所定期間中に前記第2可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えることとは異なる特典の付与を許容しつつ、当該所定期間中における前記第2可変入球部の前記非受入状態から前記受入状態への切り替えを制限する制限手段(主制御装置162のMPU702におけるステップS309,S307,S805の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、切替条件が成立することで第1可変入球部への入球が容易化され、同第1可変入球部への入球に基づいて第2可変入球部が受入状態に切り替る。そして、第2可変入球部における第2分岐通路に遊技球が入球すると同入球に基づいて特別遊技状態へ移行する。
このように、複数の手順を踏むことにより、特別遊技状態へ移行するタイプの遊技機においては、遊技の単調化を抑制することができる反面、各プロセス間で待ち時間等が発生し得る。特に、第2可変入球部においては、案内通路に流入した遊技球が分岐部分に到達し第1分岐通路及び第2分岐通路に振り分けられることで第2可変入球部が受入状態に切り替ってから特定遊技状態への移行の可否が確定するまでに一定の待ち時間を要するため、次の手順に進む際に生じる待ち時間が長くなりやすい。
このような待ち時間を嫌う遊技者においては、遊技球の発射操作を一時的に控えることにより無駄球の発射を抑えるといった行為、すなわち遊技を有利に進めようとする行為がなされると想定される。発射操作を行ってから発射された遊技球が第1可変入球部等に到達するまでにはタイムラグが生じるため、上記行為が行われた場合には第2可変入球部等への入球確率が低下するなどして本来得られるはずの特典を遊技者が取りこぼすといった不都合が生じ得る。更には、同行為によって遊技機の稼働率が低下するといった不都合も生じ得る。
この点、本特徴に示すように所定期間中における第1可変入球部への入球を許容し、同遊技球の流入に応じて遊技者に特典が付与される構成を採用すれば、上記待ち時間の最中に遊技球の発射を継続したとしてもそれに起因した損失感を遊技者に対して与えにくくすることができる。これにより、継続的な遊技球の発射操作を促すことが可能となり、上述した各種不都合の発生を抑えることができる。
特徴2.前記第1可変入球部は、前記第2可変入球部よりも上流側となる位置であって、当該第1可変入球部が少なくとも前記第1状態となっている場合に、前記第2可変入球部に向う遊技球が流入可能となる位置に配置されており、
前記所定期間は、当該所定期間の終了タイミングが前記受入期間の終了タイミングよりも後となるように設定されている遊技機であって、
前記第1可変制御手段は、前記所定期間中に前記第1可変入球部の切り替えを行う場合に、同所定期間における前記第2可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態に復帰した後の期間にて前記第1可変入球部が前記第1状態となるように設定されていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴1に示したように所定期間中の第1可変入球部の切り替えを許容する構成を採用した場合には、仮に第1可変入球部によって第2可変入球部への入球が妨げられると、遊技者は特別遊技状態への移行機会を逃すこととなる。これは、遊技に対する興趣低下の要因となり得るため好ましくない。このような不都合は、特徴1に示した効果を好適なものとすべく、第1可変入球部を第1状態とする期間を長くすることにより顕著になると想定される。
そこで、特徴1に示したように遊技球の振分にある程度の期間を要する構成においては、第2可変入球部が非受入状態になっている期間にて第1可変入球部が第2状態となる構成を併用することにより以下の効果が期待できる。すなわち、第1可変入球部によって第2可変入球部への入球が妨げられるといった不都合を生じにくくし、遊技者に不快感を与えにくくすることで特徴1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴3.前記第1可変制御手段は、前記所定期間中に前記第1可変入球部を前記第1状態とする場合に、前記所定期間の経過前に前記第1可変入球部の前記第2状態への復帰を完了するように設定されていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
特徴1に示した構成においては、第1可変入球部が第1状態となっている期間中に上記制限手段による制限が解除されると、遊技者の注目が第1可変入球部に向いていない状態、例えば未だ第2可変入球部へ注目している状態にて、遊技が進行してしまう可能性が高くなる。この場合、複数の手順を設定することによる興趣向効果や遊技への注目度向上効果が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように、上記所定期間の経過前に前記第1可変入球部の前記第2状態への復帰を完了する構成とすれば、所定期間中における第1可変入球部の第1状態への切り替えによる発射操作の継続を促しつつ、それに起因した上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴4.前記第1可変制御手段は、前記第1可変入球部が前記第1状態となっている期間の途中にて前記所定期間の終了タイミングとならないようにするものであることを特徴とする特徴1乃至特徴3のいずれか1つに記載の遊技機。
仮に第1可変入球部が第1状態となっている期間中におけるどのタイミングで遊技球が入球したかによって上記制限が有効/無効で切り替る構成を採用した場合には、同第1可変入球部の機能に対して困惑が生じやすくなると想定される。また、このような不都合を回避すべく、所定期間以降も第1状態のまま維持される場合に上述した制限を継続することは遊技進行の円滑化を妨げる要因となり得る。
そこで、本特徴に示すように、第1可変入球部が第1状態となる期間と所定期間の終了タイミングとの重なりを回避する構成を採用すれば、このような不都合の発生を好適に抑えることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴5.前記第1可変制御手段は、前記制限手段による制限が行われた次の前記第1状態への切り替え時には、当該第1状態への切り替え開始タイミングを前記所定期間の終了タイミング以降となるようにするものであることを特徴とする特徴1乃至特徴4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴1に示したように所定期間中における第1可変入球部の第1状態への切り替えを許容し、同所定期間中は第1可変入球部への入球に基づいて第2可変入球部の受入状態への切り替え以外の特典を付与する構成においては、第1可変入球部が何度も第1状態となり、その都度入球が発生しているにも関わらず第2可変入球部が受入状態に切り替らなければ、発射操作を促す機能の採用が遊技者に対して不快感や不信感を与える要因となり得る。そこで、少なくとも制限機能が発揮された次の第1状態においては同制限機能が発揮されないように構成することで、第1可変入球部の主としての機能(上記手順の一部を担っている機能)を生かし上記不快感等の発生を抑制することができる。
特徴6.前記第1可変制御手段は、前記切替条件が成立した場合に前記第1可変入球部の前記第1状態への切り替えを複数回行うように設定されており、
さらに、前記第1可変制御手段は、前記第1可変入球部の1度目の切り替え時の入球に基づいて前記第2可変入球部が前記受入状態に切り替わる場合には、同第1可変入球部の少なくとも2度目の切り替えを前記所定期間内に完了するように設定されていることを特徴とする特徴1乃至特徴5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴6に示すように、第1可変入球部が第2状態に複数回切り替る構成とすれば、1度目の切り替え時の入球によって上記抽選に当選した場合には2度目以降の切り替えが遊技球の減りを抑えるものとして活用され、同入球による抽選に落選した場合には所定期間とならないため2度目以降の切り替え時の入球により再度抽選が実行される。
特徴1に示したように、第2可変入球部にて遊技球の振分を行う構成においては、少なからずそこに待ち時間が生じる。そこで、切替条件の成立により第1可変入球部を複数回切り替える構成とすれば、この待ち時間での遊技球の発射操作を好適に促すことができる。
例えば、切替条件の成立によって1度しか切り替えが行われない場合には、上記特典を享受するには切替条件を成立させるために遊技球の発射操作が必要となり得る。このため、付与される特典と発射操作によって失われる遊技球とを比較した場合、所定期間の経過後に遊技球の発射操作を再開する打ち止めを実行したほうが有利であると判断する遊技者が増えると想定され、特徴1に示した機能が上手く発揮させることが難しくなる。故に、本特徴に示すように、1度の切替条件の成立によって複数回の切り替えを実行すれば、遊技球が無駄になるとの心証を与えにくくし、特徴1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴7.前記第1可変制御手段は、2度目以降の前記受入状態にて前記第1可変入球部への入球が発生し当該入球に基づいて前記所定期間となっている場合に次回の前記切替条件の成立が許容されるように設定されており、
さらに、前記第1可変制御手段は、当該切替条件の成立によって前記第1可変入球部を前記第1状態に切り替える場合に、1度目に同第1可変入球部を前記第1状態とする期間と前記所定期間との重なりを許容するように設定されているとともに、2度目以降に同第1可変入球部を前記第1状態とする期間と前記所定期間との重なりを不可とするように設定されていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
特徴7によれば、遊技球を継続して発射し続けた場合に、同操作によって遊技者が不利益を被ることを抑制することができる。具体的には、複数回の第1状態への切り替えにおいて少なくとも1度は第2可変入球部の受入状態への切り替えが有効となることにより、切替条件の成立結果による遊技進行機能が担保されることとなる。このため、「切替条件の成立により期待できる特典=制限手段によって付与が許容されている特典のみ」となることを回避し、遊技球の発射操作の継続によって特典(第2可変入球部の受入状態への切り替え)を逃したとする印象を遊技者に対して与えにくくすることができる。これにより、特徴1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴8.前記第1可変制御手段は、前記切替条件が成立した場合に前記第1可変入球部の前記第1状態への切り替えを複数回行うように設定されており、
さらに、前記第1可変制御手段は、
前記遊技領域に設けられた通過部(スルーゲート86)を遊技球が通過したことを契機として前記切替条件の成否を判定する判定手段(主制御装置162のMPU702におけるステップS907,S911の処理を実行する機能)と、
1度目の前記第1状態にて前記第1可変入球部への入球が発生し当該入球に基づいて前記所定期間となっている場合には、残りの第1状態への切り替えが完了し前記所定期間が終了するまで前記判定手段による次の前記切替条件の成否の判定を制限する手段(主制御装置162のMPU702におけるステップS203の処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴7のいずれか1つに記載の遊技機。
1度の切替条件の成立によって第1可変入球部を第1状態に複数回切り替える構成を採用した場合には、例えば切替条件の成立によって1度しか切り替えが行われない場合と比較して、所定期間中での第1状態への切り替えを実現しやすい。このように所定期間中の第1状態への切り替えを発生しやすくすることで、同所定期間中の遊技球の発射操作の継続を好適に促すことができる。
また、切替条件の成立によって第1可変入球部が第1状態に切り替わる構成においては、通過部を遊技球が通過したにもかかわらず切替条件の成否の判定が行われないと、遊技者に対して不利益が発生したかのような印象を与えると懸念される。この点、本特徴においては、1度の切替条件の成立により第1状態への切り替えを複数回行う構成を採用し、1度目の第1状態にて第1可変入球部への入球が発生し当該入球に基づいて所定期間となっている場合には、残りの第1状態への切り替えが完了し且つ所定期間が終了するまで次の前記切替条件の成否の判定を制限することにより、例えば所定期間中の第1可変入球部が第1状態となることを許容しつつ好ましくないタイミングで切替条件が成立する(第1可変入球部が第1状態となる)ことを抑制し、更には、制限手段による判定制限に起因した上記不利益感の発生を抑えることができる。
特徴9.前記第1可変制御手段は、前記遊技領域に設けられた通過部(スルーゲート86)を遊技球が通過したことを契機として前記切替条件の成否を判定する判定手段(主制御装置162のMPU702におけるステップS109の処理を実行する機能)を有し、
前記第1可変入球部は、前記第2可変入球部よりも上流側となる位置であって、当該第1可変入球部が少なくとも前記第1状態となっている場合に、前記第2可変入球部に向う遊技球が流入可能となる位置に配置されており、
前記通過部は、前記第2可変入球部よりも上流側となる位置であって、当該第2可変入球部に向う遊技球が通過可能となる位置に配置されていることを特徴とする特徴1乃至特徴8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴1に示したように複数の手順を経て特別遊技状態へと移行するタイプの遊技機において第1可変入球部を上記は位置とすればよい。これにより、第1可変入球部が所定期間中に第1状態に切り替った場合に、同第1可変入球部への入球を好適に発生させることができる。第1可変入球部が第2可変入球部よりも上流側に配されていることにより、所定期間中に第1可変入球部が開放された場合に、第2可変入球部によって第1可変入球部への遊技球の流入が妨げられることを抑え、同所定期間中での第1可変入球部の切り替えを行うことによる効果を好適に発揮させることができる。
また、第2可変入球部が非受入状態となった後に再び受入状態に切り替える場合には、第1可変入球部への遊技球の入球が必要となるが、第2可変入球部へ向けた遊技球の発射を継続しておくことで、同遊技球が通過部を通過し得る。これにより、上述した手順の繰り返しが滞ることを抑制し、遊技進行の円滑化に貢献することができる。
特徴10.前記第2可変入球部は、前記案内通路を移動する遊技球を遊技機前方から視認可能となるように構成されていることを特徴とする特徴1乃至特徴9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴10によれば、案内通路内を移動する遊技球を視認可能とすることにより、遊技球の動きに対する遊技者の注目度を向上し、遊技機における興趣向上に貢献することができる。このように遊技球の振分先(最終結果)を目視にて確認することができる構成においては、遊技球の視認性の向上等を目的として案内通路を流下する遊技球の動きを遅くすることが好ましい。しかしながら、このような対応を行った場合には上記所定期間が長くなりやすく、一連の上記手順を完了するまでに要する期間が長くなることで、上述した遊技球の発射操作の回避が行われやすくなると想定される。このような構成に、特徴1等に示した技術的思想を適用すれば、遊技球の発射操作の回避を抑制し、上記一連のプロセス終了後の再遊技を迅速に進めることが可能となる。これにより、遊技機における稼動率の低下を好適に抑えることができる。
特徴11.前記第2分岐通路における特定領域(第2検知領域DE2)への遊技球の到達によって遊技状態を前記特別遊技状態へ移行する遊技機であって、
前記案内通路には、前記第2可変入球部に流入した遊技球が当該第2可変入球部の入口部分から前記特定領域に到達するまでに要する期間を略一定となるように調整する一定化手段(案内通路620の蛇行構造)を有していることを特徴とする特徴2乃至特徴7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴2等に示したように第2可変入球部が案内通路を有する構成においては、仮に案内通路内を移動する技球の移動期間がばらつく場合には、特徴2等で示したような所定期間と第1状態となる期間(開始/終了タイミング)等との関係を実現することが難しくなる。そこで、本特徴に示すように、第2可変入球部の入口部分〜特定領域の移動に要する期間を略一定となるように調整することにより、上述した期間のばらつきを抑える構成とすれば、所定期間と第1状態となる期間との関係等を好適なものとすることができる。
特に、特徴10(案内通路を流下する遊技球を視認可能とする構成)との組み合わせにおいては、案内通路を蛇行させて遊技球の移動速度を抑えることにより、遊技球の動きを目で追いやすくすることができる。しかしながら、単にこのような対応を行った場合には、所定期間が長くなりやすく、第2可変入球部へ遊技球が入った場合に遊技球の浪費を回避すべく発射操作が回避されやすくなると想定される。このような構成に対して、特徴1に示した技術的思想を適用すれば、同所定期間中の発射操作の継続を好適に促し、稼動率等の低下を好適に抑制することができる。
特徴12.第2可変入球部は、
前記案内通路における前記分岐部分よりも上流側の上流側特定領域(検知領域DE0)を通過する遊技球を検知する上流側検知手段(上流側検知センサ605)と、
前記第2分岐通路における下流側特定領域(検知領域DE2)を通過する遊技球を検知する下流側検知手段(下流側検知センサ626)と
を有し、
前記第2可変制御手段は、前記上流側検知手段によって予め設定された特定数の遊技球が検知された場合又は前記下流側検知手段によって遊技球が検知された場合に、前記第2可変入球部を前記非受入状態に切り替える手段を有し、
前記特定数は、前記発射手段によって発射された遊技球が前記所定期間内に前記上流側特定領域に到達し得る数よりも多く設定されていることを特徴とする特徴1乃至特徴11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴1に示したように所定期間中での第1可変入球部の第1状態への切り替えを許容する構成においては、既に説明したように所定期間内にて第2状態→第1状態→第2状態の切り替えを完了することが好ましい。本特徴によれば、第2可変入球部に特定数の遊技球が流入した場合には同可変入球部が非受入状態に切り替るが、この特定数は実質的に遊技球が流入し得る数よりも大きく設定されている。これにより、所定期間を経過する前に特定数の遊技球が流入して非受入状態に切り替わることを抑制することができる。かかる構成に、特徴1等に示した技術的思想を適用することにより、実用上好ましい構成が実現可能となる。
特徴13.前記振分手段は、当該分岐位置に到達した遊技球を前記第2分岐通路へ導く誘導状態、及び同第2分岐通路へ導かない非誘導状態に切替可能に構成されており、
前記振分手段を前記第2可変入球部が前記受入状態に切り替ってから予め設定された期間が経過するまでの間、前記誘導状態となるように動作させる駆動制御手段(主制御装置162のMPU702にてステップS808,S809の処理を実行する機能)と
を備え、
前記第1可変制御手段は、前記切替条件が成立した場合に前記第1可変入球部の前記第2状態への切り替えを複数回行うように設定されており、
さらに、前記第1可変制御手段は、前記第1可変入球部の1度目の切り替え時の入球に基づいて前記第2可変入球部を前記受入状態に切り替える場合には、同第1可変入球部の2度目以降の切り替えを前記切替部材が前記非誘導状態に復帰した後に行うように設定されていることを特徴とする特徴1乃至特徴12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴13によれば、案内通路に流入した遊技球はその流入タイミングが早ければ第2分岐通路に到達し、遅ければ第2分岐通路に到達しない。このように、遊技球の流入タイミングによって特別遊技状態の発生の有無が左右される構成においては、特別遊技状態の発生にかかるタイミングで第1可変入球部が再度開放されると、遊技者に対して不快感を与えやすくなると想定される。そこで、本特徴に示すように、第1可変入球部の2度目以降の切り替えを切替部材の非誘導状態への復帰後に行う構成とすることにより、特別遊技状態の発生が第1可変入球部によって妨げられることを抑制し、特徴1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘90等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。