JP5515554B2 - 透明導電性薄膜の製造方法 - Google Patents

透明導電性薄膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5515554B2
JP5515554B2 JP2009217177A JP2009217177A JP5515554B2 JP 5515554 B2 JP5515554 B2 JP 5515554B2 JP 2009217177 A JP2009217177 A JP 2009217177A JP 2009217177 A JP2009217177 A JP 2009217177A JP 5515554 B2 JP5515554 B2 JP 5515554B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coat
layer
coat layer
transparent conductive
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009217177A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011065937A (ja
Inventor
国臻 張
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2009217177A priority Critical patent/JP5515554B2/ja
Publication of JP2011065937A publication Critical patent/JP2011065937A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5515554B2 publication Critical patent/JP5515554B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Position Input By Displaying (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、透明なプラスチック基材上に成膜された酸化インジウム・スズ(ITO)積層体に関して、導電性、透過率が高く、且優れた密着性と耐性を持つ、透明導電膜に関するものである。
従来から可視透過率の高い透明導電膜は液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、プラズマディスプレイ(PDP:plasma display panel)、タッチパネル等に使用されている。これらのディスプレイとタッチパネルは従来のブラウン管(CRT:cathode ray tube)ディスプレイに比べて圧倒的に薄く、軽量で、省電力等の多くの利点を有するので、近年、需要が著しく拡大し、主流になっている。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイとタッチパネルは光学部品であるため、その中の部材として用いられる透明導電膜には低い電気抵抗、可視光に対する高い透過率と高い耐久性などが要求される。ITO膜は、導電性が良好で、しかも可視光波長域での透光性が良好のため、従来から各種のディスプレイ、タッチパネル及び太陽電池の透明電極、熱反射ガラス、防曇、防氷、帯電防止ガラス、電磁シールガラス等に利用されている。
ITO透明導電膜について、現在マグネトロンスパッタ法、加速電子ビームを照射するEB蒸着法などの方法が工業的に広く用いられている。ITO透明導電膜を形成する方法についは特許第3208794号公報、特許第4271438号公報、特開平6−320661号公報、特開平7−207439号公報、特許第3176812号公報、特許第3318145号公報、特開2003−160362号公報などを提案されている。
特許第3208794号公報 特許第4271438号公報 特開平6−320661号公報 特開平7−207439号公報 特許第3176812号公報 特許第3318145号公報 特開2003−160362号公報
上記の特許文献1、特許文献2によれば、湿式塗工方法で作製したITO薄膜は透明性を持ち、抵抗率も低く、効率が高く、コストも低い。しかし、得られたITO透明導電膜は耐久性が弱く、タッチパネルへの応用が困難である。
特許文献3、特許文献4によればマグネトロンスパッタリング法を用いて積層体を作製することによって、可視光域での透過率が高い透明導電膜を作る方法を提案されている。得られた透明導電薄膜は一定の耐性を持っているが、しかし、上記透明導電膜は基材自身の強度が不足であり、且つ透明導電膜の密着性と耐久性が不十分であるという欠点がある。
また、特許文献5、特許文献6では透明基板の片面あるいは両面に透明硬質な有機物質層によるハードコート層が設けられ、その上に、酸化ケイ素とITO透明導電膜を積層する方法が提案されている。この方法から、得られた透明導電膜は密着性と一定の耐性を持っているが、ハードコート層と酸化珪素層の屈折率の差が大きく、干渉縞が出やすい。そして、タッチパネルへの応用において上記透明導電膜の耐性はまだ不十分である。
さらに、特許文献7では透明ガラス基板の上に、酸化金属層、酸化珪素層とITO透明導電膜を積層する方法が提案されている。この方法から、得られた透明導電膜は密着性と一定の耐性を持っているが、タッチパネルへの応用において上記透明導電膜の耐性はまだ不十分である。そして、積層する時に、基板200℃以上加熱が必要であり、プラスチックへの応用はできない。
そこで、本発明は前記従来技術の問題点を解決し、フィルムなどの基材に対して透明性高く、優れた密着性と耐久性を持ち、且低温成膜でき、タッチパネルへ応用可能なITO透明導電膜を作製とすることを目的とする。
上記課題を解決するために請求項に係る発明としては、透明プラスチック基材の両面に第1のハードコート層と第2のハードコート層が設けられ、前記第1のハードコート層の表面に金属酸化物層と酸化珪素層を順次に形成されている積層体の表面に、酸化インジウム・スズ(ITO)層を積層した透明導電薄膜の製造方法であって、
膜厚が1μm以上8μm以下の第1のハードコート層を設ける工程と、
膜厚が1.5μm以上10μm以下であり、前記第1のハードコート層と同じ有機物質であり、前記第1のハードコート層の膜厚より厚く、その差が0.5μm以上2.0μm以下である第2のハードコート層を設ける工程と、
前記第1のハードコート層の表面にマグネトロンスパッタリング法にて成膜した膜厚が5nm以上50nm以下で、屈折率が1.7以上2.8以下の金属酸化物層を設ける工程と、
前記金属酸化物層の表面にマグネトロンスパッタリング法にて成膜した膜厚が30nm以上100nm以下で、屈折率が1.3以上1.5以下の酸化珪素層を設ける工程と、
前記積層体の表面に酸化スズの含量3質量%以上15質量%以下のITOターゲットを用いてマグネトロンスパッタリング法にて成膜した膜厚が15nm以上40nm以下のITO層を設ける工程とを具備し
前記ITO層をマグネトロンスパッタリング法にて成膜する際に、8.5W/cm 以上15W/cm 以下の高電力密度を印加することを特徴とする透明導電薄膜の製造方法である。
また、請求項に係る発明としては、前記金属酸化物層と酸化珪素層の積層体と、前記ITO層の成膜温度が−10℃以上50℃以下であることを特徴とする請求項に記載の透明導電薄膜の製造方法である。
本発明は透明プラスチック基材(5)の両面に透明硬質な有機物質層による第1のハードコート層(1)と第2のハードコート層(2)が設けられる。低温下で、該第1のハードコート層(1)の表面に金属酸化物層(3−1)と酸化珪素層(3−2)を順次に形成されている積層体(3)の表面で、酸化インジウム・スズ(ITO)層(4)を積層し、成膜された積層膜を備えることを特徴とする透明導電薄膜である。得られた透明導電薄膜は透明性が高く、優れた密着性と耐久性を持っている。
本発明の一実施例の透明導電薄膜の構成説明図である。
本発明の透明プラスチック基板(5)として、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースおよびこれらの共重合樹脂、ゼラチン、カゼインなどの有機天然化合物などから、合成した透明な基板が例示できる。詳しい例として、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファンなどが、好ましくはPET、PC、PMMA、TACなどが挙げられるが、この限りではない。
本発明では透明プラスチック基板として上記のポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、トリアセテート(TAC)などを利用できる。しかし、上記透明プラスチック基板の機械的な強度が不十分なため、その上に成膜した製品は機械的な強度が不十分である。この問題を解決するために、透明プラスチック基板の表面に、第1のハードコート層(1)を設けることが必要となる。さらに、透明プラスチック基板の強度を増加した時に発生するとカールを抑制するために、透明プラスチック基板の裏面に第2のハードコート層(2)も設けることが必要となる。
本発明の第1のハードコート層(1)と第2のハードコート層(2)とは、透明かつ硬質な有機物質による層である。第1のハードコート層(1)と第2のハードコート層(2)の膜厚については第1のハードコート層(1)が1μm以上8μm以下であり、第2のハードコート層(2)が1.5μm以上10μm以下である。
第1のハードコート層(1)の膜厚は前記第2のハードコート層(2)より、0.5μm以上2.0μm以下の範囲で、薄くすることが好ましい。第1のハードコート層(1)の表面に透明導電積層成膜することによって、表裏の応力が非対称になるのを調整するからである。前記ハードコート層の膜厚が規定範囲以上を超えると成膜効率が悪くなり、コストも高くなる。そして、クラックが出やすい。膜厚が規定範囲以下になった場合、膜が薄過ぎで、期待される物性が出難くなる。
本発明のハードコート層に用いられる硬化性樹脂には、電離放射線や紫外線照射により硬化する硬化性樹脂や熱硬化性の樹脂が挙げられる。
具体的には、電離放射線や紫外線照射により硬化する硬化性樹脂材料は、アクリル系材料を含んでいてもよく、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。また、熱硬化型のポリシロキサン樹脂等が好適である。以上の樹脂が挙げられるが、この限りではない。
また、ハードコート層の形成方法としては、ハードコート層の塗布方法としては、湿式成膜法が一般的であり、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
また、ハードコート層の硬化方法としては、電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。
なお、硬化によりハードコート層を形成する工程の前後に乾燥工程もしくは加熱工程を設けてもよい。特に、塗液が溶媒を含む場合、形成された塗膜の溶媒を除去するために電離放射線を照射する前に乾燥工程を設ける必要がある。乾燥手段としては加熱、送風、熱風などが例示される。
本発明の積層体(3)の金属酸化物層(3−1)である高屈折率金属酸化物層としては、ZnO、TiO2、CeO2、Sb25、SnO2、Y23、La23、ZrO2、Al23、Nb等が挙げられるが、この限りではない。
本発明の積層体(3)の酸化珪素層(3−2)である低屈折率金属酸化物層としては、SiOである。Xは1.2以上2.0以下であることが好ましい。
本発明の積層成膜方法としては膜の特性を得るために、気相成膜が好ましい。気相成膜方法には、マグネトロンスパッタリング法や、加速電子ビームを照射するEB蒸着法や、物理真空蒸着法(PVD)や、化学真空蒸着法(CVD)などがある。この中で、マグネトロンスパッタリング法が好ましい。
本発明の前記積層体(3)高屈折率金属酸化物層の屈折率は1.7以上2.8以下であり、膜厚が5nm以上50nm以下であることを特徴とする。そして、低屈折率酸化珪素層の屈折率は1.3以上1.5以下であり、膜厚が10nm以上100nm以下であることを特徴とする。一般状況下で、透明なプラスチック基板とハードコート層の屈折率は1.5以上1.7以下である。このために、高屈折率層として適当な材料の屈折率は1.7以上になる。低屈折率酸化ケイ素層は低い屈折率が望ましいが、コストと成膜特性を総合的に考えることが必要である。
高屈折率金属酸化物層の膜厚は5nm以上50nm以下、低屈折率酸化珪素層の膜厚10nm以上100nm以下であることが好ましい。膜厚が規定範囲以上を超えると成膜効率が悪くなり、コストも高くなる上に、干渉縞が出やすい。膜厚が規定範囲以下になった場合、膜が薄過ぎで、透過率増加の効果が弱く、光学特性が出難くなる。
本発明の前記積層体(3)無機酸化積層の作用として単純な光学調整と密着性の向上だけではなく、プラスチック基材の保護作用もある。本発明ではITO成膜する時に、耐久性と効率を向上するために高電力密度下で成膜を行った。高電力密度によって、透明プラスチック基材(5)は外観破損する可能性がある。ここで、前記積層体(3)無機酸化積層を利用して、プラスチック基材を保護して、高電力密度で成膜を行うことができる。
前記ITO層(4)のITO薄膜が酸化スズの含量3質量%以上15質量%以下のITOを用いて成膜したことを特徴とする。
酸化スズの含量が3質量%以下になるとキャリア密度が低すぎで、導電性能が著しく落ちる。また、酸化スズ15質量%以上になるとITO膜の構造を変化し、導電性能と耐久性も悪くなる。
本発明はITO薄膜の膜厚が5nm以上40nm以下である。ITO薄膜の膜厚が5nm以下になると膜厚が薄く、性能が出られない。逆に、ITO層(4)の膜厚が40nm以上になると成膜の効率が悪くなり、コストが増加する。
前記積層体(3)とITO層(4)の基板上に成膜の温度が−10℃以上50℃以下であることが好ましい。
本発明において、積層体を順次成膜する時に基板を熱処理しなくでも、得られた膜が透明導電膜の各性能を満たしている。尚装置の適正運転条件を考慮し、基板上の成膜の温度を−10℃〜50℃で設定している。
本発明では全光透過率90%以上、ヘーズ1%以下、カール−2mm以上2mm以下、シート抵抗100Ω/□以上800Ω/□以下、且つアニール前後のシート抵抗率変化が0.8以上1.5以内、さらに透過色相b*は−1.5から1.5の範囲(色彩計算:2°、視野D65光源)である優れた光学特性を持つ透明導電薄膜の作製することができる。
本発明の応用範囲は透明導電薄膜を用いたことを特徴とするディスプレイや、タッチパネルなどである。本発明作製したITO透明導電膜は、シート抵抗が低く、耐久性が良く、透過率が高いなどの特徴を持っているために、静電防止フィルム、タッチパネルなどのへの応用が可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
紫外線硬化型アクリル系樹脂であるユニディックV−9500(DIC社製)を用いて、188μmのPET両面にハードコート層(HC)塗工した。得られた第1のハードコート層(1)の膜厚は3μm、第2のハードコート層(2)の膜厚は4μmである。
マグネトロンスパッタリング法にて、この195μm厚の第1のハードコート層(1)/PET/第2のハードコート層(2)フィルム(両面ハードコート付けPETフィルム)の第1のハードコート層(1)の表面上に高屈折率酸化オブ(Nb)(屈折率は2.30であった。)と低屈折率酸化ケイ素(SiO)(屈折率は1.46であった。)を順次に積層した。
そして、Nb層(3−1)を18nm、SiO層(3−2)を60nmの厚さで、電力密度2.5W/cmを印加して成膜した上に、酸化スズを3質量%含有ITO薄膜(4)を20nmの厚さで、電力密度8.5W/cmを印加して成膜した。積層した薄膜の総膜厚は約100nmとなった。
成膜時の酸素流量(分圧)を変化させることにより、形成される薄膜の酸素欠損の量を変化させ、屈折率を請求項1に記載の範囲で変化させることができる。ITO薄膜の成膜時のシート抵抗の制御は、酸素流量の制御により行った。
以上により、(実施例1)の透明導電薄膜を作製した。得られた透明導電膜の評価は以下のように行った。
「シート抵抗測定」
三菱化学社製の表面抵抗測定装置Loresta HP/MCP−410を用いて抵抗値を4端子法で測定した。
「シート抵抗変化率測定」
150℃で1時間アニール前後シート抵抗値を測定して、その変化率を計算した。
「分光スペクトルの測定」
アニール後、得られた透明導電薄膜は自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用い、D65、2度視野の条件下で、薄膜面について入射角5°における分光スペクトルを測定した。
「全光透過率とヘーズの測定」
アニール後、得られた透明導電薄膜はNippon DENSHOKU社製NDH−2000ヘーズメーターを使用して測定した。
「耐湿熱密着性の測定」
アニール後、得られた透明導電薄膜は80℃、95%RHの環境下で、20日間放置した。その後、ガラス基板の上に両面テープで張り付け、透明導電薄膜の上から、ナイフで碁盤の目状に100個の切り込みを入れて、セロハン粘着テープを強く張り付けた後、90°方向に急速に剥し、透明導電薄膜剥離の有無を調べた。100目のうち剥離しない目の数をXで表示した。従って、剥離なし=100/100;剥離あり=X/100である。
「50万回ペン書き試験の測定」
アニール後の透明導電膜の裏面にポリアセタール製で先半径0.8mmのペン先を持つタッチペンを用いて、プロッターを用いて250g加重で、アからンまでのカタカナ文字を50万字筆記するテストを行った。それから、透明導電膜面のシート抵抗を測定する。ペン書き試験前後シート抵抗の変化率を計算した。
「カールの測定」
ハードコートフィルムを100mm×100mmの大きさに切断したサンプルを作製し、水平で平滑な台上にハードコート層を上にした状態で静置させた。台上から、ハードコートフィルム端部の浮き上がりを測定した:ITO面高い(+カール);HC面高い(−カール)と定義した。
(実施例1)についての評価結果を(表1)に示した。アニール後、得られた透明導電薄膜のシート抵抗変化率が1.3である。そして、全光透過率は91%以上であり、透過色相b*−0.2であり、カールも低い(−1.2mm)。さらに、耐湿熱密着性は問題なく、50万回ペン書き試験後のシート抵抗変化率も1.3になっている。即ち、(実施例1)から、得られた透明導電薄膜は優れた物性を持ち、ディスプレイ、タッチパネルなどへの応用が可能である。
(実施例2)
(実施例1)において、ITO成膜電力密度は10.0W/cmであり、それ以外は(実施例1)同様に操作して、透明導電薄膜を得た。(実施例2)の評価結果を(表1)に示した。
(実施例2)から得られた透明導電薄膜は(実施例1)とほぼ同じ物性を持ち(50万回ペン書き試験後の抵抗変化率は(実施例1)より低い)、タッチパネルなどへ応用することが可能である。
(比較例1)
(実施例1)において、酸化オブと酸化珪素層なしで、ITO薄膜を直接に第1のハードコート層HC(1)の表面に成膜し、その以外は(実施例1)同様に操作し透明導電薄膜を得た。得られたサンプルはITO成膜電力密度が高いので、外観的に部分的に破損していることが観察された。よって、(比較例1)の評価は不可能になった。
(比較例2)
実施例1)において、酸化オブなしで、ITO薄膜を酸化珪素の表面に成膜し、それ以外は(実施例1)同様に操作し透明導電薄膜を得た。(比較例2)の評価結果を(表1)に示した。
(比較例2)から得られた透明導電薄膜は屈折率を調整する酸化金属層(酸化オブ)がないので、全光透過率が低く(88.7%)、透過色相b*も高い(2.8)。他の物性は(実施例1)とほぼ同様である。
(比較例3)
(実施例1)において、電力密度が5.0W/cm の条件下で、ITO薄膜成膜した以外は(実施例1)同様に操作し、透明導電薄膜を得た。(比較例3)の評価結果を(表1)に示した。
(比較例3)と(実施例1)を比較するとペン書き試験の結果が悪い(抵抗変化率2.8)。成膜の電力密度が(実施例1)より小さいことから、ITOの密度は(実施例1)より低くなるために、(比較例3)の透明導電薄膜が耐性不足したと考えられる。
(比較例4)
(実施例1)において、電力密度を更に下げて、3.0W/cmの条件下で、ITO薄膜成膜した以外は(実施例1)と同様に操作し透明導電薄膜を得た。(比較例4)の評価結果を(表1)に示した。
(比較例4)と(実施例1)を比較するとペン書き試験の結果が悪く(抵抗変化率6.2)なった。さらに、アニール前後のシート抵抗変化率1.7は(実施例1)1.3より高くなった。電力密度が低い場合に、ITO成膜品質が悪くなると考えられる。
(比較例5)
紫外線硬化型アクリル系樹脂であるユニディック V−9500(DIC社製)を用いて、188μmのPET両面にハードコート層(HC)塗工を行った。得られた第1のハードコート層(1)の膜厚は4μm、第2のハードコート層(2)の膜厚は4μmである。それ以外は(実施例1)と同様に操作し透明導電薄膜を得た。
(比較例5)の各物性評価結果と(実施例1)はほぼ同等であるが、カールの測定結果(−6.2mm)と(実施例1)の結果(−1.2)比較すると大きな差がある。これは第1のハードコート層(1)と第2のハードコート層(2)は同じ膜厚で、第1のハードコート層(1)の上に積層すると応力の平衡が崩れ、カールが大きくなったからと考えられる。
Figure 0005515554
本発明ではフィルムなどの透明プラスチック基材に対して透明性が高く、優れた密着性と耐性を持ち、且低温成膜できるITO導電膜を作製とすることができた。得られたITO透明導電膜はタッチパネル等に応用することが十分可能である。
1 第1のハードコート層
2 第2のハードコート層
3 積層体
3−1 金属酸化物層
3−2 酸化珪素層
4 酸化インジウム・スズ(ITO)層
5 透明プラスチック基材

Claims (2)

  1. 透明プラスチック基材の両面に第1のハードコート層と第2のハードコート層が設けられ、前記第1のハードコート層の表面に金属酸化物層と酸化珪素層を順次に形成されている積層体の表面に、酸化インジウム・スズ(ITO)層を積層した透明導電薄膜の製造方法であって、
    膜厚が1μm以上8μm以下の第1のハードコート層を設ける工程と、
    膜厚が1.5μm以上10μm以下であり、前記第1のハードコート層と同じ有機物質であり、前記第1のハードコート層の膜厚より厚く、その差が0.5μm以上2.0μm以下である第2のハードコート層を設ける工程と、
    前記第1のハードコート層の表面にマグネトロンスパッタリング法にて成膜した膜厚が5nm以上50nm以下で、屈折率が1.7以上2.8以下の金属酸化物層を設ける工程と、
    前記金属酸化物層の表面にマグネトロンスパッタリング法にて成膜した膜厚が30nm以上100nm以下で、屈折率が1.3以上1.5以下の酸化珪素層を設ける工程と、
    前記積層体の表面に酸化スズの含量3質量%以上15質量%以下のITOターゲットを用いてマグネトロンスパッタリング法にて成膜した膜厚が15nm以上40nm以下のITO層を設ける工程とを具備し
    前記ITO層をマグネトロンスパッタリング法にて成膜する際に、8.5W/cm 以上15W/cm 以下の高電力密度を印加することを特徴とする透明導電薄膜の製造方法。
  2. 前記金属酸化物層と酸化珪素層の積層体と、前記ITO層の成膜温度が−10℃以上50℃以下であることを特徴とする請求項に記載の透明導電薄膜の製造方法。
JP2009217177A 2009-09-18 2009-09-18 透明導電性薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5515554B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009217177A JP5515554B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 透明導電性薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009217177A JP5515554B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 透明導電性薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011065937A JP2011065937A (ja) 2011-03-31
JP5515554B2 true JP5515554B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=43951970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009217177A Expired - Fee Related JP5515554B2 (ja) 2009-09-18 2009-09-18 透明導電性薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5515554B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104240799A (zh) * 2014-09-28 2014-12-24 张家港康得新光电材料有限公司 Ito透明导电膜
CN108998772A (zh) * 2018-07-20 2018-12-14 中国航发北京航空材料研究院 一种复合透明导电薄膜及其制备方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170060192A (ko) * 2011-11-28 2017-05-31 닛토덴코 가부시키가이샤 투명 도전성 필름의 제조 방법
KR101392050B1 (ko) * 2012-01-06 2014-05-07 (주)엘지하우시스 시인성이 우수한 양면 투명 전도성 필름 및 그 제조 방법
KR20130141746A (ko) * 2012-06-18 2013-12-27 (주)엘지하우시스 내휨성 있는 투명 도전성 필름 및 그의 제조방법
JP6291593B2 (ja) * 2014-11-07 2018-03-14 Jx金属株式会社 Itoスパッタリングターゲット及びその製造方法並びにito透明導電膜の製造方法
JP7373284B2 (ja) * 2019-02-06 2023-11-02 日東電工株式会社 導電フィルム、導電フィルム巻回体およびその製造方法、ならびに温度センサフィルム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0566411A (ja) * 1991-09-09 1993-03-19 Ricoh Co Ltd 透明導電性フイルムおよび透明導電性フイルムの製造方法
JPH11286066A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Oike Ind Co Ltd 透明導電性フイルム
JP2001001441A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Teijin Ltd 透明導電積層体及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104240799A (zh) * 2014-09-28 2014-12-24 张家港康得新光电材料有限公司 Ito透明导电膜
CN108998772A (zh) * 2018-07-20 2018-12-14 中国航发北京航空材料研究院 一种复合透明导电薄膜及其制备方法
CN108998772B (zh) * 2018-07-20 2020-08-11 中国航发北京航空材料研究院 一种复合透明导电薄膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011065937A (ja) 2011-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5549216B2 (ja) 透明導電性積層体およびその製造方法ならびにタッチパネル
JP5585143B2 (ja) 透明導電性積層体およびその製造方法ならびにタッチパネル
JP5515554B2 (ja) 透明導電性薄膜の製造方法
US9588606B2 (en) Transparent conductive film and manufacturing method therefor
JP5543907B2 (ja) 透明導電性フィルムおよびその製造方法
CN108352218B (zh) 非晶质透明导电性薄膜、以及晶质透明导电性薄膜和其制造方法
KR101269316B1 (ko) 투명 도전성 필름의 제조 방법
JP5617276B2 (ja) 透明導電性積層体及びその製造方法
JP5245893B2 (ja) 多層フィルムおよびその製造方法
JP5691331B2 (ja) 透明導電性積層体の製造方法
TW201539276A (zh) 透明導電體及觸控面板
WO2017131202A1 (ja) 導電性積層フィルム
CN108367556A (zh) 金属层层叠透明导电性薄膜及使用其的触摸传感器
TWI754720B (zh) 導電性膜及觸控面板
JP2010212085A (ja) 透明導電薄膜
JP2019079637A (ja) 透明導電性フィルムおよび透明導電性フィルム積層体
JP2020128054A (ja) 導電性フィルムおよびタッチパネル
JP6660940B2 (ja) 透明電極付き基板の製造方法
JP7287802B2 (ja) 光透過性導電フィルム
WO2015072321A1 (ja) 透明導電性積層体およびタッチパネル
JP2016091071A (ja) 透明導電性フィルムとその製造方法
JP7378937B2 (ja) 光透過性導電フィルム
JP7378938B2 (ja) 光透過性導電フィルム
TW202042254A (zh) 透光性導電膜
CN111145938A (zh) 导电性薄膜及触摸面板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5515554

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees