JP5514702B2 - カバーレイフィルム、発光素子搭載用基板及び光源装置 - Google Patents

カバーレイフィルム、発光素子搭載用基板及び光源装置 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板、特にLED等の発光素子を搭載した基板の表面を保護する導体回路保護用のカバーレイフィルム、該カバーレイフィルムを積層してなる発光素子搭載用基板及び光源装置に関し、より詳細には、高反射率を有し、高温熱負荷環境下や、耐光性試験環境下においても、反射率低下が抑制されたカバーレイフィルム等に関する。
プリント配線基板のパターン上に直接素子を実装し、樹脂封止されたチップタイプLEDは小型化、薄型化に有利なことから、携帯電話のテンキー照明や、小型液晶ディスプレーのバックライトなど電子機器に幅広く使用されてきた。
近年、LEDの高輝度化技術の向上が著しく、LEDはより高輝度化しているが、それに伴いLED素子自体の発熱量も増大し、プリント配線基板等周辺にかかる熱負荷も増大しており、LED素子周辺温度は100℃超になる場合もあるのが現状である。またLED搭載基板の製造工程において、封止樹脂の熱硬化処理や、鉛(Pb)フリー半田の採用が進み、リフロー工程においても、260〜300℃程度の温度がかかる場合があり、高温の熱環境下にさらされる。そういった熱負荷の環境下では、従来使用されてきた白色の光硬化性、熱硬化性のソルダーレジストを被覆形成してなり、熱硬化系樹脂組成物からなる白色のプリント配線基板では、ソルダーレジストやプリント配線板が黄変するなど白色度が低下し、反射効率が劣る傾向が見られ、今後の次世代高輝度LED搭載向け基板としては、依然改良の余地があった。また白色のソルダーレジストを被覆形成してなる白色のプリント配線板を搭載した製品は、今後長期の信頼性が求められており、UV環境下においても同様に、黄変するなど白色度が低下し、反射率が劣る傾向が見られていた。それに対し、セラミック基板については、耐熱性の点では優れているものの、硬く脆い性質から大面積、薄型化には限界があり、今後の一般照明用途や、ディスプレー用途用の基板としては対応が困難になる可能性があり、高温熱負荷下で、変色しない、反射率の低下しない、大面積化に対応可能な、耐熱性を有するカバーレイフィルム及びカバーレイフィルムを積層してなるプリント配線板の開発が求められていた。
また、プリント配線板の表面には、精密に設計された導体回路等が印刷の手法で形成されており、導体回路の絶縁、防錆、傷付きの防止といった保護のためにカバーレイフィルムが被覆されている。例えば、特許文献1には、結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケトン樹脂65〜35重量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とを含有する樹脂組成物からなり、該組成物の結晶性を適当に進行させたカバーレイフィルムについて開示されている。
特許第3514668号
1つ又は複数のLED等の発光素子を実装させたプリント配線基板は、導体回路が形成されるため、導体回路の保護が必要となる。上記特許文献1には、熱可塑性樹脂組成物の結晶性を利用して、260℃以下の低温に加熱した際にプリント配線板の表面との接着に適した特性を示して比較的短時間で接着可能であり、しかも熱融着後には260℃に耐える耐熱性を示すカバーレイフィルムについて開示されているが、特にLEDが実装されたプリント配線基板に積層するためには、特許文献1に記載のような反射率を考慮していないカバーレイフィルムをそのまま使用することはできない。
そこで、本発明の課題は、可視光領域において反射率が高く、耐熱性が高く、高温熱負荷環境下における反射率の低下が少ない、大面積化に対応可能な、特にLED実装用プリント配線基板に使用可能なカバーレイフィルム、該カバーレイフィルムを積層してなる発光素子搭載用基板及び光源装置を提供することである。
上記反射率の問題点をさらに改良すべく、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)とポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)とを備えてなり、波長400〜800nmにおける平均反射率が80%以上であって、かつ260℃で10分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下であるプリント配線板の導体回路保護用のカバーレイフィルムが、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち第1の本発明は、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)とポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)とを備えてなり、波長400〜800nmにおける平均反射率が80%以上であって、かつ260℃で10分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下であるプリント配線板の導体回路保護用のカバーレイフィルムである。
第1の本発明において、前記熱可塑性樹脂は、結晶融解ピーク温度が260以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂及び液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーから選択されるいずれか1種以上であることが好ましい。
また第1の本発明において、前記樹脂層(B)は、放射線により硬化してなることが好ましい。
また第1の本発明において、前記無機充填材は、少なくとも酸化チタンを含有することが好ましい。
さらに第1の本発明において、前記熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)のMD及びTDの線膨張係数の平均値は、35×10−6/℃以下であることが好ましい。
また第1の本発明において、フィルムの厚みは、3〜500μmであることが好ましい。
第1の本発明において、波長350〜400nmにおける平均反射率は、40%以上であることが好ましい。
第2の本発明は、少なくとも1つ以上の発光素子を搭載する基板上に、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)とポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)とを有する保護層を形成してなり、該保護層は、波長400〜800nmにおける平均反射率が80%以上であり、かつ260℃で10分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下であることを特徴とする発光素子搭載用基板である。
第3の本発明は、第2の本発明である発光素子搭載用基板に導体回路を形成して、該基板と該基板に搭載された発光素子とを導通させ、該発光素子を樹脂封止してなることを特徴とする光源装置である。
本発明によると、可視光領域において反射率が高く、耐熱性が高く、寸法安定性に優れ、また高温熱負荷環境下や、耐光性試験環境下における反射率の低下が少ないプリント配線基板の導体回路保護用のカバーレイフィルム、導体回路保護層が形成された発光素子搭載用基板及び光源装置を提供することができ、これらはその特性から、特に発光素子搭載基板の導体回路保護用に好適に使用可能なものである。
図1は、本発明の発光素子搭載用基板の一実施形態を説明する図である。 図2は、本発明の発光素子搭載用基板の一実施形態を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明の範囲がこの実施形態に限定されるものではない。
<カバーレイフィルム>
第1の本発明であるカバーレイフィルムとしては、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)とポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)とを備えてなり、波長400〜800nmにおける平均反射率が80%以上であって、かつ260℃で10分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下のものであれば、特に制限されるものではなく、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)に、ポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)を積層させた構成を備えることで、極めて高い反射特性を有することができる。
上記のとおり、第1の本発明であるカバーレイフィルムは、波長400〜800nmにおける平均反射率が80%以上であることを必要とするが、これは可視光領域の反射率が高いほど、搭載するLEDの輝度が高くなる傾向があり、上記範囲であれば、LED搭載向け基板のカバーレイフィルムとして好適に利用可能であるからである。また、青色LEDの平均波長(470nm)に対応した470nm付近の反射率が高いほど輝度が高くなる傾向があるため、470nmにおける反射率が80%以上であることがより好ましく、反射率が90%以上であることがより好ましく、特に95%以上であることが好ましい。
また、現在主流の青色LEDを用いた白色光を得る場合には470nm付近の反射率が重要になってくるが、より高演色性の白色光を得るために、紫外(近紫外)LEDと赤、緑、青色の蛍光体を組み合わせたタイプが開発されている。その場合には、カバーレイフィルムにも紫外(近紫外)LEDの発光波長に対応した、350〜400nmの波長の光を反射することと、可視光領域(400〜800nm)の波長の光を反射することが必要になってくる。
したがって、第一の本発明のカバーレイフィルムは、350〜400nmの平均反射率が40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上が更に好ましい。
[熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)]
第1の本発明であるカバーレイフィルムは、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)を備えるものであり、熱可塑性樹脂としては、例えば、以下に示すものを用いることができ、さらに各種無機充填材や添加剤を含有するものであっても良い。
(熱可塑性樹脂)
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いても良い。これらの中でも、耐熱性の理由から、特に結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂及び液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーから選択されるいずれか1種以上を用いることが好ましく、結晶融解ピーク温度(Tm)が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂及びガラス転移温度(Tg)が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂から選択されるいずれか1種以上を用いることがさらに好ましい。上記範囲の熱可塑性樹脂を用いることによって、Pbフリー半田リフローに対する耐熱性を有することが可能である。また、高熱環境下での酸化劣化を防止し、反射率の低下を抑えることが可能である。結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:Tg =145℃、Tm=335℃)、ポリエーテルケトン(PEK:Tg=165℃、Tm=355℃)等のポリアリールケトン(PAr)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Tg=100℃、Tm=280℃)等が好適に用いられる。ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂としては、ポリアミドイミド(PAI:Tg=280℃)や260℃以上の高Tgを有するポリエーテルイミド(PEI)等が好適に用いられる。
このポリアリールケトン樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合及びケトン結合を含む熱可塑性樹脂であり、その代表例としては、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等があり、中でも、ポリエーテルエーテルケトンが好ましい。なお、ポリエーテルエーテルケトンは、「PEEK151G」、「PEEK381G」、「PEEK450G」(いずれもVICTREX社の商品名)等として市販されている。
この結晶性熱可塑性樹脂は単一で用いてもよく、複数の結晶性熱可塑性樹脂を混合した混合樹脂組成物を用いてもよい。また、この結晶性熱可塑性樹脂にポリエーテルイミド(PEI)等の非晶性熱可塑性樹脂を混合した混合樹脂組成物を用いてもよい。中でも、結晶融解ピーク温度が260℃以上である結晶性ポリアリールケトン樹脂(A)80〜20重量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂(B)20〜80重量%とからなる樹脂組成物を用いることがより好ましい。この樹脂組成物を用いることによって、後述するLEDが搭載された基板(以下、単に「基板」ともいう。)との極めて良好な密着性を確保することが可能となり、積層後はPbフリーの半田耐熱性を有する。
上記ポリアリールケトン樹脂及び非晶性ポリエーテルイミド樹脂の混合割合としては、基板との密着性を考慮すると、ポリアリールケトン樹脂を20質量%以上、80質量%以下含有し、残部を非晶性ポリエーテルイミド樹脂及び不可避不純物とした混合組成物を用いることが好ましい。より好ましくは30質量%以上、75質量%以下、さらに好ましくは、40質量%以上、70質量%以下である。ポリアリールケトン樹脂の含有率の上限を前記範囲内とすることで、カバーレイフィルムを構成する熱可塑性樹脂の結晶性が高くなるのを抑えることができ、基板との密着性の低下を防ぐことができる。また、ポリアリールケトン樹脂の含有率の下限を前記範囲内とすることで、カバーレイフィルムを構成する熱可塑性樹脂組成物の結晶性が低くなるのを抑えることができ、耐熱性の低下を防ぐことができる。
前記ポリアリールケトン系樹脂(A)は、その構造単位に芳香族核結合、エーテル結合及びケトン結合を含む熱可塑性樹脂である。その具体例としては、ポリエーテルケトン(ガラス転移温度〔以下、「Tg」という〕:157℃、結晶融解ピーク温度〔以下、「Tm」という〕:373℃)、ポリエーテルエーテルケトン(Tg:143℃、Tm:334℃)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(Tg:153℃、Tm:370℃)等を挙げることができる。これらの中では、耐熱性向上の観点から、結晶性を示し、Tmが260℃以上、特に300〜380℃のものが好ましい。また、本発明の効果を阻害しない限り、ビフェニル構造、スルホニル基等又はその他の繰り返し単位を含むものであってもよい。
前記ポリアリールケトン系樹脂(A)の中でも、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトンを主成分とするポリアリールケトン系樹脂(A)が特に好ましく用いられる。ここで主成分とは、その含有量が50質量%を超えることを意味する。市販されているポリエーテルエーテルケトンとしては、VICTREX社製の商品名「PEEK151G」(Tg:143℃、Tm:334℃)、「PEEK381G」(Tg:143℃、Tm:334℃)、「PEEK450G」(Tg:143℃、Tm:334℃)等を挙げることができる。なお、ポリアリールケトン系樹脂(A)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0005514702
上記非晶性ポリエーテルイミド樹脂(B)としては、具体的に下記構造式(2)又は(3)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂が挙げられる。
Figure 0005514702
Figure 0005514702
構造式(2)又は(3)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とp−フェニレンジアミン又はm−フェニレンジアミンとの重縮合物として、公知の方法により製造することができる。これらの非晶性ポリエーテルイミド樹脂の市販品としては、ゼネラルエレクトリック社製の商品名「Ultem 1000」(Tg:216℃)、「Ultem 1010」(Tg:216℃)又は「Ultem CRS5001」(Tg226℃)等が挙げられ、これらの中でも、前記構造式(2)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂が特に好ましい。なお、ポリエーテルイミド樹脂(B)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(無機充填材)
上記無機充填材としては、例えば、タルク、マイカ、雲母、ガラスフレーク、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、チタン酸塩(チタン酸カリウム等)、硫酸バリウム、アルミナ、カオリン、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコン、酸化アンチモン、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種類を単独で添加してもよく、2種類以上を組み合わせて添加してもよい。
無機充填材は、熱可塑性樹脂への分散性を向上させるために、無機充填材の表面を、シリコーン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理されたものを使用することができる。その中でもシリコーン系化合物(シランカップリング剤)で処理されたものを好適に使用することができる。
(MD及びTDの線膨張係数)
上記熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)は、MD及びTDの線膨張係数の平均値が35×10−6/℃以下であることが好ましい。より好適な線膨張係数の範囲は、使用する基板の種類や、表裏面に形成する回路パターン、積層構成によっても異なるが、概ね10×10−6〜30×10−6/℃程度である。また、MD、TDの線膨張係数差は20×10−6/℃以下であることが好ましく、15×10−6/℃以下であることがより好ましく、さらには10×10−6/℃以下であることが最も好ましい。このように異方性(MD、TDの線膨張係数差)を小さくさせることによって、線膨張係数が大きい方にカールや反りを生じたり、寸法安定性が不十分となったりする問題がない。
基板との積層におけるカールの防止や寸法安定性を考慮して線膨張係数の値を上記範囲内にする具体的方法としては、平均粒径15μm以下、かつ平均アスペクト比(平均粒径/平均厚み)30以上の充填材1を用いる方法を挙げることができ、この充填材1としては、例えば、合成マイカ、天然マイカ(マスコバイト、フロゴパイト、セリサイト、スゾライト等)、焼成された天然又は合成のマイカ、ベーマイト、タルク、イライト、カオリナイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、スメクタイト及び板状アルミナ等の無機鱗片状(板状)充填材や、鱗片状チタン酸塩を挙げることができる。これらの充填材1によれば、平面方向と厚み方向の線膨張係数比を低く抑えることができる。
前記充填材1の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、さらには30質量部以上であることが好ましい。上記範囲とすることで、得られるカバーレイフィルムの線膨張係数を所望の範囲にまで効果的に低下させることが可能である。
また、光反射性を考慮した場合には、上記熱可塑性樹脂との屈折率差が大きい無機充填材2を熱可塑性樹脂に含有させることが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸塩等を用いることが好ましく、特に酸化チタンを用いることが好ましい。
前記酸化チタンは、他の無機充填材に比べて、顕著に屈折率が高く、熱可塑性樹脂との屈折率差を大きくすることができるため、他の充填材を使用した場合よりも、少ない配合量で優れた反射性を得ることができる。またフィルムを薄くしても、高い反射性を有するカバーレイフィルムを得ることができる。
酸化チタンは、アナターゼ型やルチル型のような結晶型の酸化チタンが好ましく、その中でもベース樹脂との屈折率差が大きくなるといった観点から、ルチル型の酸化チタンが好ましい。
また酸化チタンの製造方法は、塩素法と硫酸法があるが、白色度の点からは、塩素法で製造された酸化チタンを使用することが好ましい。
酸化チタンは、その表面が不活性無機酸化物で被覆処理されたものが好ましい。酸化チタンの表面を不活性無機酸化物で被覆処理することにより、酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、フィルムが劣化することを防ぐことができる。不活性無機酸化物としては、シリカ、アルミナ及びジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。これらの不活性無機酸化物を用いれば、高い反射性を損なうことなく、高温溶融時に、熱可塑性樹脂の分子量低下や、黄変を抑制することができる。
また、酸化チタンは、樹脂組成物への分散性を高めるために、その表面がシロキサン化合物、シランカップリング剤等からなる群から選ばれる少なくとも1種類の無機化合物や、ポリオール、ポリエチレングリコール等からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機化合物で表面されたものが好ましい。特に耐熱性の点からは、シランカップリング剤で処理されたものが好ましい。
酸化チタンの粒径は、0.1〜1.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5μmである。酸化チタンの粒径が上記範囲であれば、樹脂組成物への分散性が良好で、それとの界面が緻密に形成され、高い反射性を付与することができる。
酸化チタンの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、さらには25質量部以上であることが最も好ましい。上記範囲内とすることで、良好な反射特性を得られ、またフィルムの厚みが薄くなっても良好な反射特性を得ることが可能である。
(ポリオルガノシロキサン)
上記ポリオルガノシロキサンは、下記式(1)に記載のシロキサン骨格を有する物質であり、架橋反応を起こさせることができるものをいう。
Figure 0005514702
ここで、上記式(1)中「R」はメチル基やエチル基等のアルキル基、ビニル基、フェニル基などの炭化水素基、又はフルオロアルキル基などのハロゲン置換炭化水素基などである。具体的には、式(1)中「R」が全てメチル基であるポリジメチルシロキサンや、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部が上記炭化水素基又は上記ハロゲン置換炭化水素基の一種又は複数種によって置換された各種のポリオルガノシロキサンが挙げられる。この発明で用いるポリオルガノシロキサンとしては、それらのポリジメチルシロキサンや各種のポリアルキルシロキサンを単独、又は二種類以上混合して用いることができる。
ポリオルガノシロキサンを含有する樹脂層(B)は、放射線により架橋が進むものであることが好ましい。放射線による架橋は、熱が加わらない方法であり本構成に好適である。
通常行われている熱架橋による硬化は、例えば100〜200℃で数十分加熱し一次硬化させ、その後200〜300℃で数時間加熱し二次硬化が必要であるため、熱可塑製樹脂を含有する樹脂層(A)(単に熱可塑性樹脂層と称する。)との積層体を作製する際、線膨張係数差により、熱可塑性樹脂層とポリオルガノシロキサンからなる層が剥れたり、接着強度が得られなかったり、熱可塑性樹脂層にシワが入るなどして、LED実装用プリント配線板として用いる際に不具合が生じる可能性がある。また熱可塑性樹脂層として、高耐熱性の結晶性樹脂を用いた場合、ポリオルガノシロキサンを熱硬化させると、硬化温度によっては、結晶化が進行してしまい、積層性が低下する懸念がある。
放射線は電子線、X線、γ線が利用できる。これらの放射線は工業的にも広く利用されているものであり、容易に利用可能であり、エネルギー効率の良い方法である。これらの中でも、吸収損失がほとんどなく透過性が高いγ線を利用することが好ましい。
上記の未架橋状態の樹脂層(B)に、γ線を照射することによって、架橋反応を起こさせることができる。γ線の照射で架橋反応を進行させることができるので、架橋剤を使わないで架橋反応を起こすことが出来る。これにより、架橋剤を用いて架橋した際に見られる架橋剤による色変化を避けることができ、また架橋剤の反応による副生成物の残留も防ぐことができるので、耐熱性、耐光性に優れた樹脂層(B)を得ることが可能である。
γ線の照射線量としては、線源の種類にもよるが、一般に10kGyから150kGyであることが好ましい。更に好ましくは、20kGyから100kGyであり、特に好ましくは30kGyから60kGyである。
また、この照射線量の選定には、ポリオルガノシロキサンの架橋密度の他、熱可塑性樹脂層、工程フィルムとして使用するプラスチックフィルムの耐放射線性も考慮に入れることが好ましい。この点、結晶性ポリエステル系樹脂は、一般に放射線に対する耐性に優れ、本発明の工程フィルムに適合した基材である。
(ポリオルガノシロキサンに含有される無機充填材)
ポリオルガノシロキサンに含有される無機充填材としては、上述した熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)と同様の無機充填材を挙げることができ、中でも上述した酸化チタンを用いることが好ましい。酸化チタンを用いることによって、高い反射率を有するカバーレイフィルムを得ることが可能となる。
また白色光を得るためには、現在主流である青色LEDと黄色蛍光体の他に、紫外LEDと赤、青、緑の蛍光体の組み合わせがあるが、紫外領域での反射が必要な場合は、アルミナ、硫酸バリウム、チタン酸塩等、紫外光の吸収が少ない無機充填材を1種以上使用することが好ましい。
酸化チタン又は紫外光の吸収が少ない無機充填材の含有量は、ポリオルガノシロキサン100質量部に対し、10質量部以上250質量部以下であることが好ましく、20質量部以上150質量部以下であることがより好ましく、さらには30質量部以上75質量部以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることで、良好な反射特性を得られ、またフィルムの厚みが薄くなっても良好な反射特性を得ることが可能である。
(添加剤等)
上記熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)やポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)の構成成分には、その性質を損なわない程度に、他の樹脂や無機充填材以外の各種添加剤、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜配合しても良い。また前記樹脂層(A)や前記樹脂層(B)を構成する樹脂組成物の調製方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
例えば、(a)各種添加剤を熱可塑性樹脂又はポリオルガノシロキサンなどの適当なベース樹脂に高濃度(代表的な含有量としては10〜60重量%)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これを使用する樹脂に濃度を調整して混合し、ニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法、(b)使用する樹脂に直接各種添加剤をニーダーや押出機等を用いて機械的にブレンドする方法などが挙げられる。上記混合方法の中では、(a)のマスターバッチを作製し、混合する方法が分散性や作業性の点から好ましい。
(反射率の低下率)
第1の本発明であるカバーレイフィルムは、260℃で10分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下であることを必要とする。
上記条件の根拠について以下に記載する。LED搭載基板を製造する際に、導電接着剤やエポキシ、シリコーン樹脂等の封止剤の熱硬化工程(100〜200℃、数時間)、半田付け工程(Pbフリー半田リフロー、ピーク温度260℃、数分間)やワイヤボンディング工程等、高熱負荷がかかる状況にある。また実際の使用環境下においても、高輝度LEDの開発が進み、基板への熱負荷は高まる傾向にあり、LED素子周辺温度は100℃超になる場合もある。今後このような高熱負荷環境下においても、変色することなく、高い反射率を維持することが重要になってきている。また波長470nmは青色LEDの平均波長である。
したがって、上記条件下(260℃、10分間後)での波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下であれば、製造工程での反射率の低下を抑制することが可能であり、また実際の使用時の反射率の低下を抑制することが可能であるため、LED搭載基板に好適に使用できる。より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下である。
(カバーレイフィルムの厚み)
第1の本発明であるカバーレイフィルムの厚みは、3〜500μmであることが好ましい。より好ましくは、10〜300μmであり、さらには20〜150μmである。かかる範囲であれば、薄型が要求される携帯電話用バックライトや、液晶ディスプレー用バックライト用の面光源として使用されるチップLED搭載基板の導体回路保護用カバーレイフィルムとして好適に使用することができる。
(カバーレイフィルムの製膜方法)
第1の本発明であるカバーレイフィルムの製膜方法としては、公知の製膜方法を挙げることができ、例えば、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)を、Tダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法等で成形し、これにポリオルガノシロキサンと無機フィラーとを攪拌機で攪拌させてなるコンパウンド原料をコーティングして、ポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)を積層させる方法などを挙げることができる。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね融点以上、430℃以下である。また、結晶性樹脂を使用した場合、耐熱性を付与するための結晶化処理方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出キャスト時に結晶化させる方法(キャスト結晶化法)や製膜ライン内で、熱処理ロールや熱風炉等により結晶化させる方法(インライン結晶化法)及び製膜ライン外で、熱風炉や熱プレス等により結晶化させる方法(アウトライン結晶化法)などを挙げることができる。
(積層構成)
第1の本発明であるカバーレイフィルムは、少なくとも、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)と、ポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)とを備えるものであれば良く、(A)層と(B)層との間や(B)層と基板との間に、接着剤層等の他の層が介在してもよい。ポリオルガノシロキサンとの接着性を向上させるために、(A)層の表面をコロナ処理、UV処理、プラズマ処理等をしてもよい。シランカップリング剤やプライマー処理を行ってもよい。
<発光素子搭載用基板>
第2の本発明である発光素子搭載用基板としては、少なくとも1つ以上の発光素子を搭載する基板上に、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)とポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)とを有する保護層を形成してなり、該保護層は、波長400〜800nmにおける平均反射率が80%以上であって、かつ260℃で10分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下のものであれば、特に制限されるものではなく、該発光素子を搭載する基板としては、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなる基板の少なくとも片面に金属層を積層させた金属積層体に所定の導体パターンを形成後、発光素子を搭載させた各種配線基板を利用することができる。このような発光素子を搭載する公知の基板上に、特定の物性を備えた、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)とポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂(B)とを有する保護層を形成させれば、導体回路を保護することが可能となり、該保護層は、高い反射率を有することからリフレクターとしての機能をも発揮し、該基板の反射率の向上に寄与することも可能となる。
(金属層)
上記金属層としては、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫等からなる、厚さ5〜70μm程度の金属箔を使用することができる。これらの中でも、金属箔としては、通常銅箔が使用され、さらに表面を黒色酸化処理等の化成処理を施したものが好適に使用される。導体箔は、接着効果を高めるために、フィルムとの接触面(重ねる面)側を予め化学的又は機械的に粗化したものを用いることが好ましい。表面粗化処理された導体箔の具体例としては、電解銅箔を製造する際に電気化学的に処理された粗化銅箔などが挙げられる。また上記金属箔の積層方法については、接着層を介することのない熱融着方法として、加熱、加圧による方法であれば公知の方法を採用することができ、例えば、熱プレス法や熱ラミネートロール法、押出した樹脂にキャストロールで積層する押出ラミネート法又はこれらを組み合わせた方法を好適に採用することができる。
また発光素子を搭載する基板として、より放熱性が要求される場合には、銅板、アルミ板等の金属材料、窒化アルミなどのセラミック又は黒鉛板等の熱伝導率の高い材料と複合化することにより放熱性を向上させることも可能である。例えば、アルミ板との複合基板の構成としては、アルミ板全面に、上記のような金属積層体を積層する場合や、該金属積層体にキャビティー(凹部)構造用の窓枠を抜き、積層する場合が挙げられる。使用するアルミについては、樹脂との密着性を考慮すると粗化されていることが望ましいが、キャビティー構造を考慮した場合には、LEDからの光を効率よく反射させるために、高反射アルミを用いることが好ましい。高反射アルミとしては、表面を研磨したもの、アルマイト処理したもの、また、チタン、シリカ等の無機酸化物、銀等の金属を蒸着することにより、増反射膜処理をしたものが挙げられ、波長400〜800nmの平均反射率が80%以上であることが好ましく、更に90%以上であることが好ましく、特に95%以上である高反射アルミを用いることが好ましい。
(発光素子搭載用基板の製造方法)
第2の本発明である発光素子搭載用基板の製造方法としては、特に制限されるものではなく、両面に金属層を積層させた両面基板の場合には、例えば、図1に示す方法にしたがって製造することができる。図1に示すように、(a)まず、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる基板(100)と、金属層となる2枚の銅箔(10)とを用意し、(b)熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる基板(100)の両面に銅箔(10)を真空プレスにより積層して金属積層体を製造し、(c)銅箔(10)をエッチング又は銅上にメッキして配線パターン(20)を形成し、発光素子を搭載する基板を作製する。(d)この基板に、実装する箇所を窓抜き加工した、熱可塑性樹脂を含有してなる樹脂層(30)と、ポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有してなる樹脂層(40)とを備えてなる保護層(200)を一括積層し(なお、ここでは第1の本発明であるカバーレイフィルムを積層させている。)、発光素子搭載用基板とする。(e)その後金メッキ加工して、LED(300)を実装させ、ボンディングワイヤ(50)により配線パターン(20)と接続させ、所定の樹脂で封止して使用する(光源装置)。なお、窓抜き加工する方法としては、特に制限されるものではなくビク型を用いる方法や、ルーター加工する方法、レーザー加工する方法等を用いることができる。また保護層の形成において、上記以外にも、フィルム状の熱可塑性樹脂を含有してなる樹脂層(30)を基板上に積層させた後、ポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(40)を塗工させて保護層を形成しても良い。
また第2の本発明である発光素子搭載用基板は、アルミ複合基板とすることもできる。例えば、図2に示すように、(a)熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる基板(100)の片面に銅箔(10)を積層して金属積層体を製造し、(b)銅箔(10)をエッチングして配線パターン(20)を形成し金メッキ加工を施し、さらに基板(100)をビク型を用いてキャビティー枠に打ち抜き(60)、(c)窓抜き加工した保護層(200)と配線パターン(20)が形成された面とは反対面にアルミ板(400)を真空プレスにより積層して発光素子搭載用基板とする。この基板に、(d)LED(300)を実装させ、ボンディングワイヤ(50)により配線パターン(20)と接続させ、所定の樹脂で封止して使用する(光源装置)。なお、キャビティー枠に打ち抜く方法としては、上記ビク型を用いる方法に制限されるものではなく、例えば、ルーター加工や、レーザーを用いて形成することもできる。なお、上記製造方法においては、片面銅箔付きフィルム(図2中(b))、保護層及びアルミ板の積層を一括して行っているが、これらを逐次的に積層させ、その後に枠抜き及び導体パターンを形成することもできる。
<光源装置>
第3の本発明である光源装置としては、第2の本発明である発光素子搭載基板に導体回路を形成して、該基板と該基板に搭載された発光素子とを導通させ、該発光素子を樹脂封止してなるものであれば特に制限されるものではなく、保護層が形成されていることにより、導体回路を効果的に保護することが可能となり、高温熱負荷環境下や耐光性試験環境下においても、反射率の低下を引き起こすことがないので、本発明の光源装置は、照明用、プロジェクタ光源、液晶表示装置等のバックライト装置、車載用途、携帯電話用途等の各種用途に用いることができる。
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書中に示されるフィルム等についての種々の測定値及び評価は以下のようにして求めた。
[結晶融解ピーク温度(Tm)]
示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用いて、JIS K7121に準じて、試料10mgを加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラフから求めた。
[平均反射率]
分光光度計(「U−4000」、株式会社日立製作所製)に積分球を取りつけ、アルミナ白板の反射率が100%としたときの反射率を、波長400nm〜800nmにわたって、0.5nm間隔で測定した。得られた測定値の平均値を計算し、この値を平均反射率とした。
[加熱処理後の反射率]
得られた白色フィルムを固定冶具で固定し、熱風循環式オーブンに、260℃で10分間加熱処理し、加熱処理後の反射率を上記の方法と同様に測定して、470nmにおける反射率を読みとった。
[線膨張係数測定]
セイコーインスツルメンツ(株)製の熱応力歪み測定装置TMA/SS6100を用いて、樹脂層(A)のフィルムから切り出した短冊状の試験片(長さ10mm)を引張荷重0.1gで固定し、30℃から5℃/分の割合で300℃まで昇温させ、MD(α1(MD))とTD(α1(TD))の熱膨張量の降温時の30℃〜140℃の温度依存性を求めた。
[平均粒径]
(株)島津製作所製の型式「SS−100」の粉体比表面測定器(透過法)を用い、断面積2cm、高さ1cmの試料筒に試料3gを充填して、500mm水柱で20ccの空気透過時間を計測し、これより酸化チタンの平均粒径を算出した。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK450G、Tm=335℃)40質量%と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1000)60質量%とからなる樹脂混合物100質量部に対して、塩素法で製造された酸化チタン(平均粒径0.23μm、アルミナ処理、シランカップリング剤処理)を30質量部、平均粒径5μm及び平均アスペクト比50の合成マイカを21質量部混合して得られた樹脂組成物を溶融混練し、Tダイを備えた押出機を用いて設定温度380℃で、厚さ50μmのフィルムを作製した。その後、ポリオルガノシロキサン(TSE2913U、モメンティブ製)100質量部と、酸化チタン(R105、デュポン製)67質量部とをプラネタリミキサーで混合して得られた樹脂組成物を、押出機を用いて、設定温度100℃で離型PETフィルム上に厚さ100μmのフィルム状に押し出した。その後離型PETフィルムを剥がし、上記熱可塑性樹脂からなる層にラミネートし、カバーレイフィルムを得た。その後、γ線により50kGyの照射線量にて硬化させた。
実施例1において、ポリオルガノシロキサンにアルミナ(住友化学製「AA04」)を150質量部充填し、厚さ100μmとした以外は同様の方法にてカバーレイフィルムを作製した。
実施例1において、ポリオルガノシロキサン(モメンティブ製「TSE2571−5U」)を用いた以外は同様の方法にてカバーレイフィルムを作製した。
[比較例1]
実施例1において、ポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有してなる樹脂層(B)を設けないこと以外は同様の方法にてカバーレイフィルムを作製した。
Figure 0005514702
表1に示した結果から分かるように、実施例1〜3においては、反射率特性、寸法安定性及び加熱試験後の反射率変化の少ないカバーレイフィルムを得ることができた。特に実施例1、3ではポリオルガノシロキサンに酸化チタンを充填しているため可視光域(400〜800nm)に特に高い反射率を示した。
また実施例2ではポリオルガノシロキサンにアルミナを充填しているため可視光域での反射率も高いが、紫外光域(350〜400nm)での反射率も向上している。
一方、比較例1においては、ポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層を設けていないため、可視光域での反射率が劣るものとなった。
10 銅箔
20 配線パターン
30 熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)
40 ポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)
50 ボンディングワイヤ
100 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる基板
200 保護層
300 LED
400 アルミ板

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)とポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)とを備えてなり、
    波長400〜800nmにおける平均反射率が80%以上であって、かつ260℃で10分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下であるプリント配線板の導体回路保護用のカバーレイフィルム。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、結晶融解ピーク温度が260℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、ガラス転移温度が260℃以上の非晶性熱可塑性樹脂及び液晶転移温度が260℃以上の液晶ポリマーから選択されるいずれか1種以上である、請求項1記載のカバーレイフィルム。
  3. 前記樹脂層(B)が放射線により硬化してなる、請求項1又は2記載のカバーレイフィルム。
  4. 前記無機充填材が、少なくとも酸化チタンを含有する、請求項1〜3のいずれか記載のカバーレイフィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)のMD及びTDの線膨張係数の平均値が、35×10−6/℃以下である、請求項1〜4のいずれか記載のカバーレイフィルム。
  6. フィルムの厚みが、3〜500μmである、請求項1〜5のいずれか記載のカバーレイフィルム。
  7. 波長350〜400nmにおける平均反射率が40%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載のカバーレイフィルム。
  8. 少なくとも1つ以上の発光素子を搭載する基板上に、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(A)とポリオルガノシロキサン及び無機充填材を含有する樹脂層(B)とを有する保護層を形成してなり、
    該保護層は、波長400〜800nmにおける平均反射率が80%以上であり、かつ260℃で10分間熱処理した後の波長470nmにおける反射率の低下率が5%以下であることを特徴とする発光素子搭載用基板。
  9. 請求項8記載の発光素子搭載用基板に導体回路を形成して、該基板と該基板に搭載された発光素子とを導通させ、該発光素子を樹脂封止してなることを特徴とする光源装置。
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