JP5513998B2 - トルクセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、トーションバーに働くトルクを磁力を介して検出するトルクセンサに関するものである。
従来、車両のステアリング系に設けられるトルクセンサとして、回転するシャフトに働く操舵トルクを磁力を介して検出する非接触タイプのものが用いられている。
この種のトルクセンサとして、特許文献1〜4に開示されたものは、いずれも、ハウジング内に回転可能に収容されるトーションバーと、このトーションバーの一端に連結される磁気発生部と、トーションバーの他端に連結される回転磁気回路部(多極ヨーク)と、ハウジングに固定される固定磁気回路部と、この固定磁気回路部に導かれる磁束密度を検出する磁気センサとを備える。
トーションバーがこれに働くトルクによって捩れ変形すると、磁気発生部と回転磁気回路部との回転方向の相対位置が変化し、これに伴って磁気発生部から回転磁気回路部を介して固定磁気回路部に導かれる磁束密度が変化する。磁気センサが、この磁束密度に応じた信号を出力し、この信号に基づいてトーションバーに働くトルクが検出される。
固定磁気回路部は、ハウジングの内壁面に取り付けられる一対の集磁リングを備え、この集磁リングが回転磁気回路部に対峙するように配置される。
回転磁気回路部がトーションバー及び磁気発生部と共に回転しても、回転磁気回路部から各集磁リングに導かれる磁束密度が変化しないように構成されており、磁気センサは回転するトーションバーに働くトルクを非接触で検出できる。
特開2005−265587号公報 特開2005−345284号公報 特開2007−240496号公報 特開2009−244134号公報
車両に搭載されるトルクセンサは、エンジンルームから受ける熱によってその温度が大きく変化する。
このため、従来のトルクセンサにあっては、ハウジングと集磁リング間の熱膨張差によって集磁リングに歪みが生じ、軟磁性体からなる集磁リングの透磁率、保磁力といった磁気特性が変化するため、トルク検出精度が悪化するという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、温度変化によって集磁リングに歪みが生じることを抑えられる非接触タイプのトルクセンサを提供することを目的とする。
本発明は、トーションバーに働くトルクを検出するトルクセンサであって、トーションバーの一端と共に回転する磁気発生部と、トーションバーの他端と共に回転する回転磁気回路部と、トーションバーが回転可能に収容されるハウジングと、このハウジングに回転磁気回路部に対峙するように取り付けられる一対の集磁リングと、この各集磁リングを介して導かれる磁束密度を測定する磁気測定器(磁気センサ)と、各集磁リングと磁気測定器の間に介装され磁束を導くとともに一対の集磁ヨークと、を備え、各集磁リングは、略同一の複数の円弧状部材に分割され、この各円弧状部材の端部どうしが隙間を介して離間した状態で配置され、各集磁リングは、それぞれの隙間の一つを跨いで各集磁ヨークに対峙するように配置されることを特徴とした。
本発明によると、トルクセンサは、ハウジングと集磁リングの間に生じる熱膨張差が、各円弧状部材の隙間の間隙が増減することによって吸収され、各円弧状部材に応力及び歪みが生じることが抑えられる。これにより、トルクセンサは、その温度変化に対する集磁リングの透磁率、保磁力といった磁気特性の変化が抑えられ、そのトルク検出精度が維持される。
そして、各集磁リングの隙間は、各集磁ヨークに対峙するように配置されるため、集磁ヨークによって磁気的に結ばれ、隙間の磁気ギャップによってトルク検出精度が悪化することが抑えられる。
本発明の実施形態を示すパワーステアリング装置の断面図である。 トルクセンサの分解斜視図である。 トルクセンサの分解斜視図である。 (a)は固定磁気回路部の横断面図であり、(b)は固定磁気回路部の平面図である。 (a)は固定磁気回路部の平面図であり、(b)は固定磁気回路部の斜視図である。 (a)はハウジング等の側面図であり、(b)は同図のA−A線に沿う断面図である。 (a)は板材を熱処理する状態を示す斜視図、(b)は同じく平面図である。 (a)は比較例として板材を熱処理する状態を示す斜視図、(b)は同じく平面図である。 他の実施形態を示すハウジング等の断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に基づいて本発明が適用される車両のパワーステアリング装置1の一例を示す。図1は、パワーステアリング装置1におけるステアリングシャフト10まわりの断面図である。
ステアリングシャフト10は、ステアリングハンドル(図示せず)に連係して回転する入力シャフト11と、車輪の操舵機構に連係して回転する出力シャフト12とを備え、ステアリングハンドルの回転を車輪の操舵機構に伝達する。車輪の操舵機構は、出力シャフト12の下端に形成されるピニオン(図示せず)に噛み合うラック軸が軸方向に移動することにより車輪が操舵される。
パワーステアリング装置1は、図示しないが、車輪の操舵力を補助するアシスト機構として、出力シャフト12にウォームホイールが連結され、このウォームホイールに噛み合うウォームを回転駆動する電動モータを備え、この電動モータによって出力シャフト12に操舵補助トルクが付与される。
以下、トルクセンサ2の具体的な構造について説明する。図2、3はトルクセンサ2の分解斜視図である。
入力シャフト11は、ハウジング30に転がり軸受37を介して回転可能に支持される。出力シャフト12は、図示しないハウジングに転がり軸受を介して回転可能に支持される。入力シャフト11の下端部と出力シャフト12との間には滑り軸受39が介装される。これにより、入力シャフト11と出力シャフト12とは互いに同一軸上で相対回転できるように支持される。
ハウジング30と入力シャフト11との間にはダストシール36が介装され、このダストシール36によってハウジング30内が密封される。入力シャフト11は円筒状に形成され、その内側にトーションバー21が収められる。
トーションバー21は、その上端部がピン(図示せず)を介して入力シャフト11に連結され、その下端部がセレーション29を介して出力シャフト12に連結される。これにより、トーションバー21は入力シャフト11に入力される操舵トルクを出力シャフト12に伝えるとともに、この操舵トルクに応じて捩れ変形する。
非接触タイプのトルクセンサ2は、トーションバー21と、入力シャフト11と共に回転する磁気発生部22と、出力シャフト12と共に回転する回転磁気回路部(多極ヨーク)25と、ハウジング30に固定して設けられる固定磁気回路部31と、固定磁気回路部31に導かれる磁束密度を検出する磁気センサ(磁気測定器)48とによって構成され、ステアリングシャフト10に接触することなく、トーションバー21の捩れ変形に伴って変化する磁束密度に応じてトーションバー21の捩れ角度を検出する。
なお、出力シャフト12に磁気発生部22を設け、入力シャフト11に回転磁気回路部25を設ける構成としてもよい。
磁気発生部22は、入力シャフト11に固定されるバックヨーク(継鉄)24と、このバックヨーク24に固定される筒状のリング磁石23(多極磁石)とを備える。
リング磁石23は、磁気を入力シャフト11、トーションバー21の回転軸O方向に発生するものであり、硬磁性体を入力シャフト11の回転軸O方向へ向けて着磁することにより形成される。
円筒状のリング磁石23の上端面と下端面には、それぞれ12個の磁極が周方向について等間隔に形成され、例えば6個のN極と6個のS極とが交互に並ぶ。
円筒状のバックヨーク24は、軟磁性体によって形成され、リング磁石23の上端面(磁極面)に当接する。バックヨーク24は、リング磁石23を入力シャフト11に連結する支持部材の働きと、リング磁石23の隣合う磁極を結んで磁束を導く継鉄の働きをし、リング磁石23の下端面(磁極面)に磁界を集中させる。
回転磁気回路部25は、リング磁石23の磁束を導く第一回転リング26と第二回転リング27を備える。
回転リング26と回転リング27は、リング磁石23の下端面(磁極面)に対峙する6個の磁路先端部26a、27aと、この磁路先端部26a、27aから曲折して互いに遠ざかる方向に延びる6個の磁路柱部と、この磁路柱部を結んで環状に延びる1個の磁路環部26c、27cとをそれぞれ有し、これらがプレス加工によって一体形成される。
上記の回転リング26と回転リング27の構造については、本出願人により特願2008−93636として提案されている。
固定磁気回路部31は、ハウジング30に固定される第一集磁リング71と第二集磁リング72と、センサホルダ40に固定される第一集磁ヨーク34と第二集磁ヨーク35を備える。
リング状の集磁リング71と集磁リング72は、ハウジング30の内壁に取り付けられる。集磁リング71と集磁リング72は、その内周面が回転リング26と回転リング27の磁路環部26c、27cに対峙するように配置される。
集磁ヨーク34と集磁ヨーク35と磁気センサ48と基板47とは樹脂製センサホルダ40に固定される。図3に示すように、樹脂製センサホルダ40は金属製ハウジング30にボルト13を介して締結される。ハウジング30とセンサホルダ40の間にはOリング46が介装され、両者間の密封がはかられる。
ブロック状の集磁ヨーク34と集磁ヨーク35は、集磁リング71と集磁リング72の外周面に対峙する。集磁ヨーク34と集磁ヨーク35の間に一対の磁気ギャップ14が空隙として形成され、この各磁気ギャップ14に磁気センサ48がそれぞれ介装される。
磁気センサ48は、例えばホール素子が用いられ、集磁ヨーク34と集磁ヨーク35の間の磁場の大きさと方向に応じた出力が基板47と端子を介して取り出される。ホール素子はこれを通過する磁束密度に応じた電圧を基板47の回路を介して信号として出力するものである。なお、磁気センサ48はホール素子の信号を増幅する回路や温度補償を行う回路、ノイズフィルタの回路等を備えるものを用いてもよい。
磁気センサ48の信号は、センサホルダ40に設けられる図示しない端子と、この端子に接続される配線を介してコントローラに送られる。
次に、トルクセンサ2がトーションバー21に働く操舵トルクを検出する作用について説明する。
トーションバー21にトルクが働かない中立状態において、回転リング26の磁路先端部26aと回転リング27の磁路先端部27aが、それぞれリング磁石23のN極及びS極に同一面積を持って対峙して両者を磁気短絡し、磁束が回転磁気回路部25と固定磁気回路部31に導かれない。
運転者がステアリングハンドルを操作してトーションバー21に一方向のトルクが働く場合、トーションバー21がこのトルクの方向に応じて捩れ変形し、回転リング26の磁路先端部26aがN極よりS極に大きな面積を持って対峙する一方、回転リング27の磁路先端部27aがS極よりN極に大きな面積を持って対峙し、リング磁石23からの磁束が回転磁気回路部25と固定磁気回路部31に導かれ、磁気センサ48から磁場の強さ及び方向に応じた信号が出力される。この磁束が導かれる回転磁気回路部25と固定磁気回路部31における磁気経路は、N極→回転リング26→集磁リング71→集磁ヨーク34→磁気センサ48→集磁ヨーク35→集磁リング72→回転リング27→S極となる。
運転者がステアリングハンドルを操作してトーションバー21に逆方向のトルクが働く場合、トーションバー21が逆方向に捩れ変形し、回転リング26の磁路先端部26aがS極よりN極に大きな面積を持って対峙する一方、回転リング27の磁路先端部27aがN極よりS極に大きな面積を持って対峙し、磁束が上記の磁気経路と逆の磁気経路にて導かれ、磁気センサ48から磁場の強さ及び方向に応じた信号が出力される。この磁束が導かれる回転磁気回路部25と固定磁気回路部31における磁気経路は、N極→回転リング27→集磁リング72→集磁ヨーク35→磁気センサ48→集磁ヨーク34→集磁リング71→回転リング26→S極となる。
このようにトーションバー21がこれに働くトルクに応じて捩れ変形し、回転リング26と回転リング27の磁路先端部27aがリング磁石23のN極とS極に対峙する面積差が大きくなると、磁気センサ48に導かれる磁束密度が大きくなり、磁気センサ48からこのトルクに応じた信号が出力される。
なお、リング磁石23の一端面に形成される磁極数は、2個以上の範囲で任意に設定される。リング磁石23に対峙する回転リング26と回転リング27の面積が同じ条件において、磁極数を増やすことにより、磁気センサ48に導かれる磁束密度を高められる。
以下、固定磁気回路部31の構成について詳述する。
固定磁気回路部31は、ハウジング30に固定される集磁リング71と集磁リング72と、センサホルダ40に固定される集磁ヨーク34と集磁ヨーク35を備える。
リング状の集磁リング71と集磁リング72は、ハウジング30の内壁に取り付けられる。集磁リング71と集磁リング72は、その内周面が回転リング26と回転リング27の磁路環部26c、27cに対峙するように配置される。
図4の(a)は固定磁気回路部31が介装されるハウジング30及びセンサホルダ40の横断面図であり、(b)は固定磁気回路部31を構成する集磁リング71及びセンサホルダ40の平面図である。図5の(a)は固定磁気回路部31を構成する集磁リング71、集磁ヨーク34、磁気センサ48の平面図であり、(b)は集磁リング71、72、集磁ヨーク34、35、磁気センサ48の斜視図である。
集磁リング71、72は、円筒形のリング状に形成され、回転磁気回路部25の回転リング26、27の磁路環部26c、27cに環状の間隙をもって対峙する。
集磁ヨーク34、35は、集磁リング71、72の外周面に対峙するブロック状に形成される。集磁ヨーク34、35は、集磁リング71、72の外周面に対峙する集磁リング向け対峙部49と、一対の磁気センサ48にそれぞれ対峙する一対の磁気センサ向け対峙部50とを有する。
図6の(a)はハウジング30等の側面図であり、(b)は同図のA−A線に沿う断面図である。ハウジング30は、センサホルダ40が取り付けられる取付座53と、この取付座53に開口する円形のセンサ向け開口部54とを有する。
ハウジング30のセンサ向け開口部54には、集磁リング71、72の集磁ヨーク34、35に対峙する集磁ヨーク向け対峙部73が臨む。
図3に示すように、センサホルダ40は、取付座53にボルト13を介して締結されるフランジ部57と、ハウジング30のセンサ向け開口部54に嵌合する円筒面状の嵌合部56とを有する。嵌合部56の内側に設けられる集磁ヨーク34、35の集磁リング向け対峙部49がハウジング30のセンサ向け開口部54に臨む。
図4の(a)、(b)に示すように、センサホルダ40がハウジング30に組み付けられた状態では、ハウジング30のセンサ向け開口部54にて集磁ヨーク34、35の集磁リング向け対峙部49と集磁リング71、72の集磁ヨーク向け対峙部73とが互いに当接する。これにより、集磁リング71、72は、集磁ヨーク34、35を介して磁気センサ48に磁束を導く磁気回路を構成する。
図5の(a)、(b)に示すように、円筒形(環状)の集磁リング71、72は、2個の円弧状部材70に分割される。
集磁リング71、72を構成する2個の円弧状部材70は、ステアリングシャフト10の回転軸Oを中心とする半円弧状に湾曲し、互いに同一形状に形成される。
集磁リング71、72及び集磁ヨーク34、35は、パーマロイ(ニッケル−鉄合金)等からなる軟磁性体によって形成される。
集磁リング71、72は、以下の工程が順に行われることによって製造される。
(1).軟磁性体の母材から平板状の板材を打ち抜く切断工程。
(2).打ち抜かれた板材をプレス成形して、円弧状に湾曲した円弧状部材70を形成するプレス成形工程。
(3).プレス成形された円弧状部材70を熱処理する熱処理工程。
(4).2個の円弧状部材70を環状に並べて集磁リング71、72を組み立てる組み立て工程。
(1)の切断工程と(2)のプレス成形工程にて、切断された後にプレス成形される円弧状部材70に応力、歪みが生じる。円弧状部材70の軟磁性体は、応力、歪みよって磁気特性が変化し、透磁率が小さくなり、保磁力が大きくなる。
(3)の熱処理工程にて、熱処理炉内にプレス成形された円弧状部材70を搬入し、熱処理炉内を水素雰囲気あるいは真空雰囲気にした後、所定温度(例えば1300℃程度)に加熱した状態を所定時間(例えば2〜3時間)が経過する間にわたって維持した後、円弧状部材70が熱処理炉内から搬出される。
円弧状部材70は、こうして熱処理が施されることにより、プレス成形時に生じた応力、歪みが解消され、所期の透磁率、保磁力が得られる。
図7の(a)、(b)は、熱処理炉内に複数の円弧状部材70が並べられた状態を示す斜視図、平面図である。円弧状部材70は、平面状の端面が熱処理炉内の台上に当接するように置かれる。
列に沿って並べられる半環状の各円弧状部材70は、同じ向きに配置されることによって、互いに接することなく近づくように並べられる。
図8の(a)、(b)は、比較例として、1箇所が切り欠かれた環状の軟磁性部材100が並べられた状態を示す斜視図、平面図である。
図7に示すように半円弧状(半環状)にプレス成形された各円弧状部材70(ワーク)は、隣り合うものどうしが平面方向に重なり合うように並べられるため、図8に示すように環状の軟磁性部材100が並べられることに比べて、熱処理炉内に搬入されるワークの個数が大幅に増え、熱処理に要するコストを低減できる。
以下、(4)の組み立て工程について説明する。
図4の(a)、図6の(b)に示すように、金属製ハウジング30の内壁に介装される樹脂製ケース80が設けられ、このケース80の内壁に集磁リング71、72が取り付けられる。
ケース80は、その一部が切り欠かれた円筒状に形成される。ケース80は、センサ向け開口部54に係合するように切り欠かれた開口部84を有する。
ハウジング30にケース80が収まる溝45が形成され、この溝45にケース80が嵌め込まれ、固定される。
ケース80は、合成樹脂を射出成形して一体形成され、金属製の集磁リング71、72がインサート成型によって埋め込まれる。
以下、図示しない金型設備を用いてケース80の射出成形する手順を説明する。
1.まず、金型に集磁リング71、72を構成する半環状の各円弧状部材70が設置される。
2.溶融樹脂が金型に充填され、ケース80に各円弧状部材70がインサート成形される。
3.成形されたケース80が金型から取り外される。
以上の各工程を経て樹脂製ケース80に金属製の集磁リング71、72が埋設される。ケース80は、集磁リング71、72が埋設される溝81、82を有する。
集磁リング71、72がケース80に埋設された状態にて、2個の円弧状部材70は、それぞれの端部どうしが互いに離間するように配置され、それぞれの端部の間に2つの隙間74、75が設けられる。
集磁リング71、72は、一方の隙間74が集磁ヨーク34、35に対峙するようにハウジング30に組み付けられる。
図5の(a)に示す平面図上にて、一方の隙間74は、集磁ヨーク34、35の集磁リング向け対峙部49の中央部に対峙するように配置される。
他方の隙間75は、ハウジング30のセンサ向け開口部54と反対側に位置し、集磁ヨーク34、35から最も離れる構成とする。これにより、集磁リング71、72を通って集磁ヨーク34、35へと導かれる磁束は、隙間75を通らない。このため、隙間75を設けることによって集磁リング71、72を通って集磁ヨーク34、35に導かれる磁束密度が低下することが回避される。
なお、集磁リングが例えば3個以上の円弧状部材に分割される場合には、集磁リングを通って集磁ヨークへと導かれる磁束が通る経路に隙間が配置されるため、隙間を設けることによって集磁リングを通って集磁ヨーク5に導かれる磁束密度が低下する。これに対処して、磁束が通る経路に配置される隙間は、できるだけ小さく形成する必要がある。
隙間75の間隙(隙間巾)は、隙間74の間隙より小さく形成される。
以上のように、トルクセンサ2は、ハウジング30(ケース80)に組み付けられる環状の集磁リング71、72が複数個(2個)の円弧状部材70に分割され、この各円弧状部材70の端部どうしが隙間74、75を介して離間される状態で配置され、一つの隙間74が集磁ヨーク34、35に対峙するように配置される。
車両に搭載されるトルクセンサ2は、エンジンルームから受ける熱等によってその温度が変化し、ハウジング30(ケース80)と集磁リング71、72の間に熱膨張差が生じる。
トルクセンサ2は、ハウジング30(ケース80)と集磁リング71、72の間に生じる熱膨張差が、各円弧状部材70の隙間74、75の間隙が増減することによって吸収され、各円弧状部材70に応力及び歪みが生じることが抑えられる。これにより、トルクセンサ2は、その温度変化によって集磁リング71、72の透磁率、保磁力といった磁気特性が変化することが抑えられ、そのトルク検出精度が維持される。
そして、集磁リング71、72は、集磁ヨーク34、35と別体で形成されるため、各円弧部材70の形状の簡素化がはかれ、各円弧部材70に応力及び歪みが生じることを抑えられる。
さらに、集磁リング71、72の隙間74は、集磁ヨーク34、35に対峙するように配置されるため、集磁ヨーク34、35によって磁気的に結ばれ、隙間74の磁気ギャップによってトルク検出精度が悪化することが抑えられる。
また、集磁リング71、72が集磁ヨーク34、35に対峙して設けられる構造により、例えば磁気センサ48等の故障時に、集磁リング71、72を交換する必要がなく、磁気センサ48を集磁ヨーク34、35と一緒に交換することが容易に行える。
本実施形態では、集磁ヨーク34、35の間に一対の磁気センサ48が設けられ、一方の磁気センサ48が故障しても、他方の磁気センサ48によってトルクセンサ2のトルク検出が行われ、フェイルセーフ機能が果たされる。なお、トルクセンサ2は、これに限らず、集磁ヨーク34、35の間に単一の磁気センサ48を設けて、構造の簡素化をはかることも可能である。
本実施形態では、金属製ハウジング30に介装される樹脂製ケース80を備え、円弧状部材70がケース80にインサート成型によって埋設される構成とした。
上記構成に基づき、ケース80に円弧状部材70をインサート成型する際における合成樹脂の硬化時に生じる合成樹脂の体積変化が、各円弧状部材70の隙間74、75の間隙が減少することによって吸収され、各円弧状部材70に応力及び歪みが生じることを抑えられる。これにより、トルクセンサ2は、ケース80に円弧状部材70をインサート成型する際に集磁リング71、72の磁気特性が大きく変化しないため、磁気センサ48に導かれる磁束変化が抑えられ、そのトルク検出精度が維持される。
集磁リング71、72は樹脂製ケース80を介して金属製ハウジング30に組み付けられるため、組み付け時に集磁リング71、72が過度に変形することが樹脂製ケース80によって抑えられ、集磁リング71、72に応力及び歪みが生じることが抑えられる。
(第2実施形態)
次に図9に示す他の実施形態を説明する。図9はハウジング30等の断面図である。これは基本的に図1〜7の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
本実施形態では、前記実施形態における樹脂製ケース80が廃止され、ハウジング30の内壁に集磁リング71、72が収まる溝41、42が形成され、この溝41、42に集磁リング71、72が嵌合される。
(4)の組み立て工程として、ハウジング30の内壁面43にカシメ工具を打ち込んで溝41、42の側縁部を変形させることにより集磁リング71、72を固定するカシメ部が形成される。
集磁リング71、72はカシメ部によってハウジング30に対して回転軸方向と回転径方向について固定されるとともに、回り止めが行われ、十分な固定強度が得られる。
上記の集磁リング71と集磁リング72がハウジング30の内壁にカシメ固定される構造については、本出願人により特願2008−91838(
特開2009−244134号公報)として提案されている。
この場合も、トルクセンサ2は、集磁リング71、72が2つの円弧状部材70に分割される構成のため、ハウジング30と集磁リング71、72の間に生じる熱膨張差が、各円弧状部材70の隙間74、75の間隙が増減することによって吸収され、各円弧状部材70の軟磁性体に応力及び歪みが生じることが抑えられる。
集磁リング71、72が溝41、42に嵌合される際、集磁リング71、72が2つの円弧状部材70に分割されているため、円弧状部材70を大きく撓ませることなく溝41、42に嵌合させられ、集磁リング71、72に応力及び歪みが生じることが抑えられる。
さらに他の実施の形態として、集磁リング71、72が3つ以上の円弧状部材70に分割される構成としてもよい。
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
2 トルクセンサ
21 トーションバー
22 磁気発生部
25 回転磁気回路部
30 ハウジング
31 固定磁気回路部
34、35 集磁ヨーク
48 磁気センサ
70 円弧状部材
71 集磁リング
72 集磁リング
74、75 隙間
80 ケース

Claims (3)

  1. トーションバーに働くトルクを検出するトルクセンサであって、
    前記トーションバーの一端と共に回転する磁気発生部と、
    前記トーションバーの他端と共に回転する回転磁気回路部と、
    前記トーションバーが回転可能に収容されるハウジングと、
    このハウジングに前記回転磁気回路部に対峙するように取り付けられる一対の集磁リングと、
    この各集磁リングを介して導かれる磁束密度を測定する磁気測定器と、
    前記各集磁リングと前記磁気測定器の間に介装され磁束を導くとともに前記集磁リングとは別体の一対の集磁ヨークと、を備え、
    前記各集磁リングは、略同一の二つ円弧状部材に分割され、これら二つの半円弧状部材の端部どうしが隙間を介して離間した状態で配置され、
    前記各集磁リングは、それぞれの前記隙間の一つを跨いで前記各集磁ヨーク対峙するように配置されることを特徴とするトルクセンサ。
  2. 前記ハウジングに固定される樹脂製センサホルダを備え、
    前記半円弧状部材は、前記ハウジングに取り付けられ、
    前記集磁ヨークは、前記樹脂製センサホルダに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. 前記ハウジングに介装される樹脂製ケースを備え、
    前記半円弧状部材は、前記ケースにインサート成型によって埋設されることを特徴とする請求項1又は2に記載のトルクセンサ。
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