JP5509925B2 - 繊維シート状物の製造方法 - Google Patents
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Description
但し、α=図2に示すニードルブレードの三角形断面のバーブが存在する一角の角度
β=図2に示すバーブの向き
本発明の繊維シート状物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の織編物における繊維糸条の長径とニードルのスロートデプスが次の式(2)と式(3)を満たすことである。
D1≧2J (2)
D2≧(D1)/2 (3)
但し、J=図3に示すニードルのスロートデプス
D1=シートの進行方向に対して平行角度に対応する織編物の繊維糸条の長径
D2=シートの進行方法に対して垂直角度に対応する織編物の繊維糸条の長径。
0≦β≦|α/2| (1)
ここに、バーブ2の向きβは、図2に示すとおり、シートの進行方向に直角な角度0°に対する向き(角度)である。
D1≧2J (2)
D2≧(D1)/2 (3)
但し、J=図3に示すニードルのスロートデプス
D1=シートの進行方向に対して平行角度に対応する織編物の繊維糸条の長径
D2=シートの進行方法に対して垂直角度に対応する織編物の繊維糸条の長径。
3000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)
T :織編物を構成する繊維糸条の実撚数(T/m)
DT:織編物を構成する繊維糸条の総繊度(dtex)
実撚数Tが1000/(DT1/2)以下であると、繊維の収束状態が弱く、各単糸がばらけた状態となるため、ニードルのバーブに掛かりやすく、単糸が切れたり、損傷を受けたりすることにより強度低下が発生する傾向がある。逆に撚り数が、30000/(DT1/2)以上を超えると緻密充填構造を超えてしまうため、二重旋回構造となることがある。実撚数Tのより好ましい範囲は5000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)であり、さらに好ましい範囲は12000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)である。このとき、経糸と緯糸の実撚数は同じである必要はないが、同じ実撚数とすることが好ましい。
引張強さ保持率=(織編物と不織布とを絡合一体化させて得られた複合シート中の織編物引張強さ)/(織編物自体の引張強さ)
上記式の引張強さ保持率が高いほど、剛軟度の低い柔軟な織編物を設計することが可能となるため、柔軟な人工皮革基体を得るためには、上記式の引張強さ保持率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。
また、銀付き調人工皮革に仕上げる場合は、上記の人工皮革用基体をスライス、バフィング等により所望の厚みに調整した後、表面に乾式法や湿式法等の方法により銀面を形成し、銀付き調人工皮革とすることができる。
平らな台の上で織編物組織をサンプリングして、そのサンプルを上から観察できる向きに設置し、走査型電子顕微鏡により100倍程度で写真撮影を行った。繊維糸条の最も太く見える部分と最も細く見える部分2点と他の任意の8点計10点を実測し、その平均値から算出した。
まず、織編物あるいは織編物と不織布とを絡合一体化させて得られた繊維シート状物の引張強さを、次の方法で求めた。不織布部分を除去した織編物単体とパンチ前の織編物をそれぞれからタテ20cm、ヨコ5cmの試験片を切り出し、JIS L1096(1999)のA法にしたがって、テンシロン引張試験機を用い、つかみ間隔10cmで試験片をつかんで、毎分10cmで定速伸長させてタテ方向の強力を測定した。測定はそれぞれ3回行い、平均値を算出した。
織編物と不織布とを絡合一体化させて得られた繊維シート状物について、不織布側表面の任意の範囲(10cm×10cm)をマイクロスコープ(モリテックス社製Inf−500、倍率:50倍)で観察し、織編物を構成する繊維糸条が露出した点数を数えた。但し、シート状物の厚さが2mm以上の場合もしくは不織布の上下両面に織編物を積層する場合はシート状物の厚み方向にスプリット(スライス)後に不織布側から観察した。また、効果を検証するに当たって、織編物と不織布が同色であったため、予め織編物を染色してから評価した。織編物の繊維糸条の露出は後工程でスライス(スプリット)を前提とするプロセスを取る場合、繊維糸条を切断することになるため、織編物による高強力化や形態安定化の効果が得られず、外観品位も低下させるため、10点以下にする方が好ましい。
島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分としてポリスチレンからなる質量成分比80/20、島数16本、複合繊維の単繊維繊度3.8dtex、繊維長51mm、捲縮数14山/インチの海島型複合繊維の原綿を用いて、カードおよびクロスラッパーの工程を経て不織布を作成した。次いで、プレパンチ300本/cm2のニードルパンチを行い、目付重量250g/m2の不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布を進行方向に対して0.69N/cmの張力をかけながらを搬送し、その不織布の上面もしくは下面に84dtex(長径D=125μm)−72フィラメント、撚数2500T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの繊維糸条1と繊維糸条2からなる平織物(織密度:95×76本/cm)を進行方向に対して0.35N/cmの張力をかけながら均一に広げて積層してシートとし、スロートデプスJ=60μm、ニードルブレード部の断面が正三角形(α=60°)のニードルをバーブの向きθ=0°方向に植えたニードルボードで、まずシートの不織布側から300本/cm2、その後織物側から300本/cm2と交互に計2700本/cm2のニードルパンチを行い、目付重量が370g/m2、見掛密度が0.215g/cm3の繊維シート状物を得た。
上記の実施例1において、シート進行方向に対して垂直角度に対応する織編物の繊維糸条2の長径を70μmに変更したこと以外は、実施例1と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は、シート進行方向で76%、幅方向で84%、不織布側表面への繊維糸条1と繊維糸条2の露出はいずれも0点であった。結果を表1に示す。
上記の実施例1において、バーブの向きθを30°方向に変更したこと以外は、実施例1と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は、シート進行方向で78%、幅方向で83%、不織布側表面への繊維糸条1と繊維糸条2の露出はいずれも0点であった。結果を表1に示す。
上記の実施例2において、バーブの向きθを30°方向に変更したこと以外は、実施例2と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は、シート進行方向で76%、幅方向で85%、不織布側表面への繊維糸条1と繊維糸条2の露出はいずれも0点であった。結果を表1に示す。
上記の実施例1において、繊維糸条1の長径を100μmに変更した他は、実施例1と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は、シート進行方向で71%、幅方向で85%であり、繊維糸条1の長径D1とニードルのスロートデプスJの関係式を満たしていないため、繊維糸条1の露出は7点あったものの10点以下であったため、判定は○とした。結果を表1に示す。
島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分としてポリスチレンからなる質量成分比55/45、島数36本、複合繊維の単繊維繊度3.1dtex、繊維長51mm、捲縮数14山/インチの海島型複合繊維の原綿を用いて、カードおよびクロスラッパーの工程を経て不織布を作成した。次いで、プレパンチ300本/cm2のニードルパンチを行い、目付重量400g/m2の不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布を進行方向に対して0.69N/cmの張力をかけながらを搬送し、その不織布の片面に84dtex(長径D=125μm)−72フィラメント、撚数2500T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの繊維糸条1と56dtex(長径D=90μm)−12フィラメント、撚数1500T/mの潜在捲縮型ポリエチレンテレフタレート糸使いの繊維糸条2からなる平織物A(織密度:69×83本/cm)を進行方向に対して0.35N/cmの張力をかけながら均一に広げて積層してシートとし、スロートデプスJ=60μm、ニードルブレード部の断面が正三角形(α=60°)のニードルをバーブの向きθ=0°方向に植えたニードルボードで、シートの不織布側から300本/cm2のニードルパンチを行い、不織布と平織物Aを一体化させ、次いで平織物Aを積層した反対側の面に平織物Aと同設計の平織物Bを積層し、最初に積層した平織物A側の面から300本/cm2のニードルパンチを行い、織物/不織布/織物の積層シート得、その後さらに300本/cm2ずつ交互に計2800本/cm2のニードルパンチを行い、目付重量が500g/m2、見掛密度が0.220g/cm3の繊維シート状物を得た。
上記の実施例1において、目付重量250g/m2の不織布(フェルト)を2枚作成し、うち1枚と織物を実施例1と同一条件で積層し、まずシートの不織布側から300本/cm2のニードルパンチを行い、不織布と織物を絡合一体化させたシートを得た。その後、該シートの織物側の面に作成したもう一方の目付250g/m2の不織布を積層し、積層した不織布側の面から実施例1と同一条件で300本/cm2、次いで反対側の面から300本/cm2と交互に計2400本/cm2のニードルパンチを行い、目付重量が650g/m2、見掛密度が0.220g/cm3の繊維シート状物を得た。
上記の実施例1において、補強布を84dtex(長径D=125μm)−72フィラメント、撚数2500T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使い、50ウェール、45コースの平編物に変更したこと以外は、実施例1と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、編物の強力保持率は、シート進行方向で72%、幅方向で75%、不織布側表面への繊維糸条の露出は0点であった。結果を表1に示す。
上記の実施例1において、バーブの向きを40°に変更した他は、実施例1と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は、シート進行方向で78%、幅方向で66%まで低下し、繊維糸条2の露出が17点であった。結果を表1に示す。
上記の実施例2において、バーブの向きを40°に変更した他は、実施例2と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は、シート進行方向で79%、幅方向で49%まで低下し、繊維糸条2の露出が29点であった。結果を表1に示す。
上記の実施例1において、バーブの向きを60°に変更した他は、実施例1と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は、シート進行方向で78%、幅方向で55%まで低下し、繊維糸条2の露出が27点であった。結果を表1に示す。
上記の実施例1において、バーブの向きを90°に変更した他は、実施例1と同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は、シート進行方向で81%、幅方向で38%まで低下し、繊維糸条2の露出が34点であった。結果を表1に示す。
2:ニードルのバーブ
3:ニードル
4:繊維糸条
5:繊維糸条
α:ニードルブレード部の三角形断面の一角の角度
β:バーブの向き
6:ニードル
J:ニードルのスロートデプス
Claims (2)
- 不織布と織編物からなるシートをニードルパンチにより一体化させる繊維シート状物の製造工程において、前記織編物がポリエチレンテレフタレート繊維からなり、前記織編物に進行方向に対して0.35N/cm以上の張力をかけながら前記不織布と積層し、ニードルブレード部の断面が三角形のニードルを用い、前記シートの進行方法に対して直角角度を0°とした場合、ニードルのバーブを|0°〜30°|に方向規制し、かつバーブの向きβを次の式(1)の範囲内に規制してニードルパンチを行うことを特徴とする繊維シート状物の製造方法。
0≦β≦|α/2| (1)
但し、α=図2に示すニードルブレードの三角形断面のバーブが存在する一角の角度
β=図2に示すバーブの向き - 織編物における繊維糸条の長径とニードルのスロートデプスが、次の式(2)と式(3)を満たすことを特徴とする請求項1記載の繊維シート状物の製造方法。
D1≧2J (2)
D2≧(D1)/2 (3)
但し、J=図3に示すニードルのスロートデプス
D1=シートの進行方向に対して平行角度に対応する織編物の繊維糸条の長径
D2=シートの進行方法に対して直角角度に対応する織編物の繊維糸条の長径
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