JP5508800B2 - 薄膜の製造方法、並びに、太陽電池の製造方法 - Google Patents

薄膜の製造方法、並びに、太陽電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は薄膜の製造方法、並びに、太陽電池の製造方法に関し、さらに詳細には、ジエチル亜鉛を液体原料として用いる酸化亜鉛系の薄膜の製造方法、並びに、当該方法で製造された薄膜を透明導電膜として備えた太陽電池の製造方法に関する。
化学気相蒸着法(CVD法)によって薄膜を製造する技術が知られている。例えば、熱CVD法を用いて透明導電膜をガラス等の基板表面に成膜することができ、太陽電池の製造等に利用されている。一般に、太陽電池用の透明導電膜に求められる性能としては、電気を通しやすいこと(低抵抗)、透明度が高いこと、及び、光の散乱性能が高いこと(光閉じ込め効率が高いこと)、が挙げられる。
太陽電池用の透明導電膜材料としては、従来から、酸化スズ(SnO2)や酸化インジウムスズ(ITO)がよく用いられているが、近年、その光学特性の良さや耐プラズマ性の高さから、酸化亜鉛(ZnO)が新規の透明導電膜材料として注目されている。
熱CVD法によって酸化亜鉛の透明導電膜を得る場合には、例えば、減圧された成膜チャンバー内に昇温状態の基板を設置し、このチャンバー内に、ジエチル亜鉛(亜鉛の供給源)と水(酸素の供給源)を気化して得た各々の原料ガスを導入する(減圧CVD,LPCVD)。これにより、ジエチル亜鉛と水との気相反応、及び基板表面における表面反応が起こり、酸化亜鉛の透明導電膜が得られる。
ジエチル亜鉛を含有する原料ガスを得る方策としては、バブリング装置あるいは噴霧インジェクション装置を用いる方法が一般的である。しかし、これらの方法はいずれもキャリアガスを用いるので、液体原料のジエチル亜鉛に共存している不純物も同伴して成膜チャンバー内に導入してしまう。そのため、用いるジエチル亜鉛として、純度99.99%(重量/重量)以上の高純度のものが要求される。ジエチル亜鉛中に含まれる不純物としては、アルミニウム、マグネシウム、鉄などの金属有機化合物が挙げられる。
もう一つの原料である水についても同様であり、電気伝導度が0.01mS/m(ミリジーメンス/メートル)以下の超高純水が用いられている。水に含まれる不純物としては、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、塩素などのイオン化合物が挙げられる。
上記のように、太陽電池に適した性能を有する透明導電膜を製造するために、高純度の液体原料が採用されており、また、当該液体原料から不純物がより少ない原料ガスを得る方策が検討されている。
特許文献1には、ジエチル亜鉛中に不純物として存在し、ジエチル亜鉛に同伴して成膜チャンバー内に導入されるトリエチルアルミニウムを、そのままドーパントとして転用する技術が開示されている。
一方、キャリアガスを用いずにジエチル亜鉛の原料ガスを得る方策として、特許文献2に開示されている技術がある。この技術では、コンテナ内で液体原料であるジエチル亜鉛を気化して原料ガスを得ている。そして、コンテナと成膜チャンバーとが直接接続されており、成膜チャンバー内の圧力を0.3〜0.5mbarにまで低下させると、コンテナ内のジエチル亜鉛が表面で蒸発してガス状となり、成膜チャンバー内に導入(吸引)される。
非特許文献1に開示されているCVD装置においても、キャリアガスを用いずにジエチル亜鉛の原料ガスを得ている。
特開2006−183117号公報 特表2005−501182号公報
H.サトウ(Sato)ら,シン・ソリッド・フィルムズ(Thin Solid Films),第236巻,p14−19,1993年
しかし、特許文献1に開示された方法で必要とされる高純度ジエチル亜鉛は、非常に高価であり、供給元も限られている。また、超高純水を得るためには専用の純水製造装置が必要であり、高価であると共に設備が大がかりである。特許文献2に開示された方法ではキャリアガスも気化器も用いないが、ジエチル亜鉛を気化させて得た原料ガスを特に精製しているわけではなく、成膜チャンバー内に導入される原料ガスに不純物が含まれていることに変わりはない。さらに、非特許文献1に開示された方法では、純度99.9999%の高純度ジエチル亜鉛を用いており、高コストである。
また、太陽電池の高性能化を目的として、より高品質の透明導電膜を製造する技術が求められている。
上記した現状に鑑み、本発明は、より高品質の酸化亜鉛系の薄膜を低コストで得ることができる技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、より高品質の酸化亜鉛系薄膜を製造する技術を開発すべく、鋭意研究を行った。その結果、高純度ジエチル亜鉛ではなく、純度が特定範囲である低純度ジエチル亜鉛を液体原料(液体ソース)として敢えて用い、当該ジエチル亜鉛を減圧下で加熱することにより気化させて得られる原料ガス(亜鉛原料ガス)を、酸素の供給源となる原料ガス(酸素原料ガス)と共に成膜チャンバーに導入することで、意外にも、特にヘイズ率が高く、光の散乱性能の点で高い性能を有する酸化亜鉛系の薄膜を製造できることを見出し、本発明を完成した。上記した課題を解決するための本発明は、以下のとおりである。
請求項1に記載の発明は、減圧されたチャンバー内に昇温状態の基板を設置し、ジエチル亜鉛を気化させてなる亜鉛原料ガスを前記チャンバー内に導入して、基板表面に酸化亜鉛系の薄膜を生成させる薄膜の製造方法において、
純度96.0〜99.8%のジエチル亜鉛を減圧下で加熱することによって気化させて、前記亜鉛原料ガスを生成し、当該亜鉛原料ガスを酸素の供給源となる酸素原料ガスと共に前記チャンバー内に導入するものであり、
ジエチル亜鉛を減圧下で加熱する際のジエチル亜鉛の目標温度は、前記減圧下の圧力における沸点より5〜10℃高い温度であることを特徴とする薄膜の製造方法である。
本発明は薄膜の製造方法に係るものであり、減圧されたチャンバー内に昇温状態の基板を設置し、ジエチル亜鉛を気化させてなる亜鉛原料ガスを前記チャンバー内に導入して、基板表面に酸化亜鉛系の薄膜を生成させるものである。そして、本発明の薄膜の製造方法では、純度96.0〜99.8%(重量/重量)のジエチル亜鉛を減圧下で加熱することによって気化させて、前記亜鉛原料ガスを生成し、当該亜鉛原料ガスを酸素の供給源となる酸素原料ガスと共に前記チャンバー内に導入する。
本発明の薄膜の製造方法では、チャンバー内に導入する亜鉛原料ガスを、液体原料たるジエチル亜鉛を減圧下で加熱することにより気化させて得るので、液体原料が加熱を伴った減圧蒸留に供される形となり、原料ガスから不純物が除去される。そのため、純度96.0〜99.8%の低純度ジエチル亜鉛を用いても、高純度ジエチル亜鉛の使用時と変わりなく、酸化亜鉛系の薄膜を低コストで製造することができる。
また本発明の薄膜の製造方法では、ジエチル亜鉛の気化と同時に亜鉛原料ガスが精製されるので、亜鉛原料ガスの精製工程を別途行う必要がなく、簡便である。
さらに、本発明の薄膜の製造方法によれば、特に光の散乱性能の点で高い性能を有する酸化亜鉛系の薄膜を製造することができる。
ここで「酸化亜鉛系の薄膜」とは、酸化亜鉛を主成分とする薄膜であり、必要に応じてドーパント等の他の物質を含むものをいう。
請求項2に記載の発明は、前記酸素原料ガスは、電気伝導度が0.1〜20mS/mの水を減圧下で加熱することによって気化させて生成したものであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法である。
本発明の薄膜の製造方法では、酸素原料ガスとして、電気伝導度が0.1〜20mS/mの水を減圧下で加熱することによって気化させたガスを用いる。かかる構成により、電気伝導度が0.1〜20mS/mの水を用いても、超高純水の使用時と変わりなく、酸化亜鉛系の薄膜を低コストで製造することができる。さらに、水の気化と同時に酸素原料ガスが精製されるので、酸素原料ガスの精製工程を別途行う必要がなく、簡便である。
さらに、本発明の薄膜の製造方法によれば、特に光の散乱性能の点で高い性能を有する酸化亜鉛系の薄膜を製造することができる。
請求項1又は2に記載の薄膜の製造方法において、基板はガラスであり、薄膜は透明導電膜である構成が推奨される(請求項)。
請求項に記載の発明は、透明導電膜を備えた太陽電池の製造方法であって、請求項1〜のいずれかに記載の薄膜の製造方法によって前記透明導電膜を得ることを特徴とする太陽電池の製造方法である。
本発明は太陽電池の製造方法に係るものであり、本発明の薄膜の製造方法によって透明導電膜を得ることを特徴とする。本発明で得られる太陽電池は、光の散乱性能が特に優れた透明導電膜を備えるので、光閉じ込め効果が高く、入射した光を高効率で利用できる。さらに、低純度の液体原料を用いて透明導電膜を得るので、製造コストが低い。
本発明の薄膜の製造方法によれば、低純度のジエチル亜鉛を用いても、高純度ジエチル亜鉛の使用時と変わりなく、酸化亜鉛系の薄膜を低コストで製造することができる。さらに、本発明の薄膜の製造方法によれば、特に光の散乱性能の点で高い性能を有する酸化亜鉛系の薄膜を製造することができる。
本発明の太陽電池の製造方法によれば、入射した光を高効率で利用できる太陽電池を得ることができ、かつ製造コストが低い。
本発明に適用可能な薄膜製造装置の構成を示す概略図である。 第一原料ガス生成装置の構成を示す概略図である。
以下に、本発明の実施形態について詳しく説明する。以下の説明では、まず本発明の薄膜の製造方法に適用可能な薄膜製造装置の構成について説明し、続いて、本発明の実施形態として、当該薄膜製造装置を用いて酸化亜鉛系の薄膜を製造する方法について具体的に説明する。また、ジエチル亜鉛の純度(%)は、全て「重量/重量」の値である。
図1に示す薄膜製造装置1は熱CVD装置であり、成膜チャンバー2、第一原料ガス生成装置3、及び第二原料ガス生成装置5を基本構成とするものである。
成膜チャンバー2は、一般的な熱CVD装置が備えている成膜チャンバーと同様の構成を備えており、成膜すべき基板を内部に設置可能であると共に当該基板を加熱可能である。成膜チャンバー2の排気ラインには真空ポンプ7が接続されており、成膜チャンバー2内を減圧してLPCVDを行うことができる。排気ラインの末端には、未反応のガスを処理する排気ガス処理装置8が接続されている。
成膜チャンバー2と第一原料ガス生成装置3とはマスフローコントローラ(MFC)11を介して配管接続されており、第一原料ガス生成装置3で生成された原料ガスが流量調整されて成膜チャンバー2内に直接導入される。第一原料ガス生成装置3は、亜鉛の供給源であるジエチル亜鉛(液体原料、液体ソース)から原料ガス(亜鉛原料ガス)を生成させるものである。
同様に、成膜チャンバー2と第二原料ガス生成装置5とはマスフローコントローラ12を介して配管接続されており、第二原料ガス生成装置5で生成された原料ガスが流量調整されて成膜チャンバー2内に直接導入される。第二原料ガス生成装置5は、酸素の供給源である水から原料ガス(酸素原料ガス)を生成させるものである。
薄膜製造装置1は、さらにドーパント供給装置6を備えている。ドーパント供給装置6は、マスフローコントローラ15を介して、第一原料ガス精製装置3から成膜チャンバー2に至る配管であってマスフローコントローラ11の下流側に接続されている。なお、ドーパント供給装置6を、マスフローコントローラ15を介して成膜チャンバー2に直接接続し、ドーパントを成膜チャンバー2に直接導入する構成としてもよい。
ドーパントとしては、例えば、ジボランが使用される。
薄膜製造装置1では、第一原料ガス生成装置3の構成に特徴がある。図2に示すように、第一原料ガス生成装置3は、2基の液体原料気化容器21a,21bと2基のヒータ(加熱手段)22a,22bを主要構成とするもので、2基のリザーブタンク25a,25bとクッションタンク26をさらに備えている。
リザーブタンク25a,25bは、液体ソースであるジエチル亜鉛を貯留するものである。リザーブタンク25a,25bはいずれもクッションタンク26に配管接続されており、液体ソースをクッションタンク26に供給できる。このとき、リザーブタンク25a,25bとクッションタンク26との間に設けられた弁(図示せず)の開閉を切り替えることにより、リザーブタンク25a,25bのいずれか一方から液体ソースをクッションタンク26に供給可能となる。すなわち、リザーブタンク25a,25bは交互使用が可能である。また、リザーブタンク25a,25b内の液量は、ロードセルによって監視可能である。なお、リザーブタンク25a,25bには、液体ソースを予備加熱するためのヒータを設けてもよい。
クッションタンク26は、2基の液体原料気化容器21a,21bに配管接続されており、リザーブタンク25a,25bから供給された液体ソースを液体原料気化容器21a,21bに供給可能である。クッションタンク26と液体原料気化容器21a,21bとの間に設けられた弁(図示せず)の開閉を切り替えることにより、液体ソースの供給を、2基の液体原料気化容器21a,21bに対して同時に又は1基ずつ行うことができる。クッションタンク26には、液体ソースを予備加熱するためのヒータを設けてもよい。
液体原料気化容器21a,21bは、供給された液体ソースを気化して原料ガスを生成させるものであり、ヒータ22a,22bと共に第一原料ガス生成装置3の主要部分を構成している。液体原料気化容器21a,21bは円筒形のタンクであり、その直径Dと高さLが「L/D=0.1〜0.4」を満たす、横長の形状を有している。液体原料気化容器21a,21bは減圧可能なタンクであり、後述するように、成膜チャンバー2の減圧操作に伴って液体原料気化容器21a,21b内も減圧される。
液体原料気化容器21a,21bには、容器内部の初期排気に用いる脱気ライン27a,27bがそれぞれ設けられている。
ヒータ22a,22bは、液体原料気化容器21a,21bに導入された液体ソースを加熱するためのものであり、液体原料気化容器21a,21bを外部から加熱可能なものである。ヒータ22a,22bにより、液体原料気化容器21a,21b内の液体ソースを減圧下で加熱することができる。
液体原料気化容器21a,21bは、気化した液体ソースを成膜チャンバー2へ送るための原料ガス供給ライン28a,28bを有している。原料ガス供給ライン28a,28bは途中で合流し、マスフローコントローラ11に接続され、成膜チャンバー2へ繋がっている。原料ガス供給ライン28a,28bは弁(図示せず)の開閉によって切り替え可能であり、液体原料気化容器21a,21bのいずれか一方のみから成膜チャンバー2に原料ガスを供給できる。すなわち、液体原料気化容器21a,21bは交互使用が可能である。
液体原料気化容器21a,21bにおいては、液体ソースに対して加熱を伴った減圧蒸留が行われ、原料ガスが精製される。そのため、分離された不純物が液体原料気化容器21a,21b内に蓄積し、定期的なクリーニングが必要となる。薄膜製造装置1では液体原料気化容器21a,21bが交互使用可能であるので、クリーニング時でも原料ガスの生成を中断する必要がなく、長期間の連続運転が可能である。
生成した亜鉛原料ガスの液化を防止するために、原料ガス供給ライン28a,28bと脱気ライン27a,27bは、保温可能な構成となっている(図2の一点鎖線で囲んだ部分)。同様に、マスフローコントローラ11から成膜チャンバー2に繋がる配管も保温可能である。
一方、第二原料ガス生成装置5は、上述した第一原料ガス生成装置3と同じ構成(図2)を有しており、その動作・作用も同じである。ただし、後述するように、第二原料ガス生成装置5については、液体原料気化容器以外の構成を省略可能である。
次に、本発明の一実施形態として、薄膜製造装置1を用いて酸化亜鉛系の薄膜を製造する方法について説明する。この例では、ジエチル亜鉛(亜鉛の供給源)、水(酸素の供給源)、及びジボラン(ドーパント)を原料として基板表面に酸化亜鉛系の薄膜を製造する。
まず、第一原料ガス生成装置3における準備として、リザーブタンク25a,25bに液体ソースとなるジエチル亜鉛を投入する。ここで用いるジエチル亜鉛は、純度が特定範囲のものであり、通常は純度96.0〜99.8%、より好ましくは純度97.0〜98.5%である。すなわち、ここで用いるジエチル亜鉛は低純度のものであり、従来から用いられている純度99.99%等の高純度のジエチル亜鉛は用いない。
一方、脱気ライン27a,27bから液体原料気化容器21a,21b内の残留空気を排出する(初期引き)。続いて、リザーブタンク25a(片方のみ)からクッションタンク26にジエチル亜鉛を供給し、続いて、クッションタンク26から液体原料気化容器21a,21bにジエチル亜鉛を供給する。なおリザーブタンク25bは予備とし、リザーブタンク25a内の残量が規定値以下になった時点で自動的にザーブタンク25bに切り替わる。
ここで、液体原料気化容器21a内への液体ソース(ジエチル亜鉛)の充填量としては特に限定はないが、例えば、液体原料気化容器21aの全容積の0.1倍〜0.3倍とすることができる。
続いて、ヒータ22a(片方のみ)を運転し、液体原料気化容器21a内のジエチル亜鉛を加熱する。このときの加熱温度(目標値)は、後の減圧状態におけるジエチル亜鉛の沸点より少し高い温度(例えば、プラス5℃〜10℃程度)とすることが好ましく、例えば70〜95℃とすることができ、より好ましくは70℃〜80℃である。
並行して、第二原料ガス生成装置5においても同様の準備を行う。ここで用いる水は、電気伝導度が特定範囲のものであり、通常は0.1〜20mS/m、より好ましくは1〜10mS/mである。すなわち、ここで用いる水はUF膜やRO膜による1次処理のみ行った程度の水であり、従来から用いられている超高純度水は用いない。
一方、成膜チャンバー2側においては、成膜すべき基板を成膜チャンバー2内に設置し、170℃程度まで昇温させる。続いて、真空ポンプ7を運転して成膜チャンバー2内を40Pa程度まで減圧する。この状態で、液体原料気化容器21aから成膜チャンバー2に至る配管の弁(図示せず)を開放する。そうすると、液体原料気化容器21a内の圧力が5000Pa程度に減圧され、液体原料気化容器21a内のジエチル亜鉛が加熱を伴った減圧蒸留に供される形となり、精製されたジエチル亜鉛の原料ガスが得られる。得られた亜鉛原料ガスは、マスフローコントローラ11で流量調整され、成膜チャンバー2内に直接導入される。
第二原料ガス生成装置5においても同様であり、精製された水の原料ガス(酸素原料ガス)が得られ、マスフローコントローラ12で流量調整され、成膜チャンバー2内に導入される。
同時に、ドーパント供給装置6から成膜チャンバー2への配管の弁も開放し、マスフローコントローラ15で流量調整されたジボランが、ジエチル亜鉛の原料ガス(亜鉛原料ガス)と共に成膜チャンバー2内に導入される。
以上の操作により、ジエチル亜鉛(亜鉛の供給源)の原料ガス(亜鉛原料ガス)、水(酸素の供給源)の原料ガス(酸素原料ガス)、及びジボラン(ドーパント)が減圧状態の成膜チャンバー2内に導入され、熱CVDによって基板表面に酸化亜鉛系の薄膜が製造される。
以後、必要に応じて、液体原料気化容器21aと21bの交互運転、リザーブタンク25aと25bの切り替えを行い、連続的に薄膜製造を行う。なお、液体原料気化容器21a,21bの切り替えは、例えば、所定時間経過後に自動的に切り替わる構成とすることができる。
なお、液体原料気化容器21a,21b内の圧力は、成膜チャンバー2内の圧力によって決まるが、好ましくは1000Pa〜10000Pa程度、より好ましくは3000Pa〜8000Pa程度、さらに好ましくは4500Pa〜5500Pa程度である。
本実施形態によれば、純度96.0〜99.8%の低純度ジエチル亜鉛、及び、電気伝導度0.1〜20mS/mの低純度水を液体ソースとして用いた場合でも、高純度ジエチル亜鉛と超高純水を用いる従来の方法と比較しても遜色のない高品質の酸化亜鉛系透明導電膜を製造することができる。
上記した実施形態では、第二原料ガス生成装置5は第一原料ガス生成装置3と同様の構成(図2)を有しているが、第二原料ガス生成装置5については、リザーブタンクとクッションタンクを省略してもよい。すなわち、水の供給元から液体原料気化容器に直接水を供給する構成としてもよい。さらに、第二原料ガス生成装置5自体を省略して、従来技術のように、バブリング装置等で超高純水から原料ガスを生成させる構成としてもよい。酸素の供給源として気体ソースを用いる場合も、原料を気化させる必要がないので、第二原料ガス生成装置5は不要である。
本発明の太陽電池の製造方法は、透明導電膜を備えた太陽電池の製造方法に係るものであり、本発明の薄膜の製造方法によって前記透明導電膜を得るものである。当該透明導電膜を製造する方法については、上記した実施形態をそのまま採用することができる。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示す薄膜製造装置1と同等の装置を用い、以下の条件にて、ガラス基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜した。
(成膜条件)
ガラス基板の加熱温度: 170℃
ジエチル亜鉛の純度: 98.5%
水の電気伝導度: 10mS/m
ドーパント: ジボラン
原料ガスの流量比(亜鉛原料ガス:酸素原料ガス:ドーパント): 2:3:2
成膜チャンバー内圧力:40Pa
成膜された酸化亜鉛系透明導電膜の厚さは1.8μmであった。また、ヘイズ率(曇度)は23.0%であり、これは光電変換装置における光散乱効果を得るのに十分な曇度であった。
プラズマCVD法にて、得られた透明導電膜上に、厚さ13nmのボロンドープの一導電型層(p型層)、厚さ300nmのノンドープの非晶質シリコン系光電変換層(i型層)、および厚さ20nmのリンドープの逆導電型層(n型層)を成膜して、p−i−n接合の非晶質シリコン系の前方光電変換ユニットを形成した。この前方光電変換ユニット上に、さらに、厚さ10nmのボロンドープの一導電型層(p型層)、厚さ3μmのノンドープの多結晶シリコン系光電変換層(i型層)、および厚さ15nmのリンドープの逆導電型層(n型層)を成膜して、p−i−n接合の多結晶シリコン系の後方光電変換ユニットを形成した。
次いで、スパッタ法により、酸化亜鉛からなる厚さ100nmの透明導電性酸化膜、並びに、銀からなる厚さ300nmの光反射性金属電極を成膜して、裏面電極を形成した。
得られたタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置に、AM1.5の光を100mW/cm2の光量で入射して出力特性を測定した。その結果、短絡電流密度は13.5mA/cm2であり、光散乱効果による高電流値が得られた。また、光電変換効率も13.84%と高いものであった。
〔実施例2〕
ジエチル亜鉛の純度: 97.0%
水の電気伝導度: 0.1mS/m
とする以外は実施例1と同様にして、透明導電膜を成膜した。得られた透明導電膜のヘイズ率は22.5%であり、光電変換装置における光散乱効果を得るのに十分な曇度であった。
続いて、実施例1と同様にしてタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を形成した。その結果、短絡電流密度は13.3mA/cm2であり、光散乱効果による高電流値が得られた。また、光電変換効率も13.26%と高いものであった。
〔比較例1〕
ジエチル亜鉛の純度: 99.99%(高純度ジエチル亜鉛)
とする以外は実施例1と同様にして、透明導電膜を成膜した。得られた透明導電膜のヘイズ率は14.5%であり、光電変換装置における光散乱効果を得るには不十分な曇度であった。
続いて、実施例1と同様にしてタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を形成した。その結果、短絡電流密度は11.2mA/cm2と低いものであり、光電変換効率も10.73%と低いものであった。
実施例1,2と比較例1の実験結果を以下の表1にまとめた。
Figure 0005508800
以上のように、低純度のジエチル亜鉛と低純度水を液体原料として用いることにより、ヘイズ率が高く、優れた光散乱効果を有する酸化亜鉛系の透明導電膜を、低コストで製造できることが示された。さらに、当該の透明導電膜を用いることにより、高い光電変換効率を有する太陽電池を製造できることが示された。

Claims (4)

  1. 減圧されたチャンバー内に昇温状態の基板を設置し、ジエチル亜鉛を気化させてなる亜鉛原料ガスを前記チャンバー内に導入して、基板表面に酸化亜鉛系の薄膜を生成させる薄膜の製造方法において、
    純度96.0〜99.8%のジエチル亜鉛を減圧下で加熱することによって気化させて、前記亜鉛原料ガスを生成し、当該亜鉛原料ガスを酸素の供給源となる酸素原料ガスと共に前記チャンバー内に導入するものであり、
    ジエチル亜鉛を減圧下で加熱する際のジエチル亜鉛の目標温度は、前記減圧下の圧力における沸点より5〜10℃高い温度であることを特徴とする薄膜の製造方法。
  2. 前記酸素原料ガスは、電気伝導度が0.1〜20mS/mの水を減圧下で加熱することによって気化させて生成したものであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  3. 基板はガラスであり、薄膜は透明導電膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜の製造方法。
  4. 透明導電膜を備えた太陽電池の製造方法であって、請求項1〜のいずれかに記載の薄膜の製造方法によって前記透明導電膜を得ることを特徴とする太陽電池の製造方法
JP2009227097A 2009-09-30 2009-09-30 薄膜の製造方法、並びに、太陽電池の製造方法 Active JP5508800B2 (ja)

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