JP5507418B2 - 樹木位置検出装置、樹木位置検出方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、森林における樹木位置を検出する樹木位置検出装置、樹木位置検出方法、及びプログラムに関する。
森林の樹種、樹齢、立木数、樹高等の評価は、調査員が現地に調査に赴き、各種計測器のよる測定や目視による観測により行うことができる。しかし、調査対象の森林が広大である場合は、調査対象区域全体を現地調査することは多大な費用・労力を要し現実的ではない。そこで、従来、調査対象区域内にて代表的な林相、地形を有する一部領域にて現地調査を行い、その調査結果に基づいて当該調査対象区域の全体を評価していた。
近年では世界各国において地球温暖化対策が検討されている。森林による二酸化炭素吸収は温暖化防止策とされ、その吸収量を算定するために森林についての上記評価の精度を確保することが必要である。しかし、例えば、調査対象区域全体の樹種及び樹齢が同一であったとしても、樹木の立地条件の違いによって樹木の生育状態が異なり得る。このことからも理解されるように、一部領域の現地調査の結果に基づいて調査対象の森林全体を正確に評価することは極めて困難である。
この点、調査対象区域全体について、航空写真を目視で判読したり、航空レーザ計測データを解析したりして森林を評価することも行われる。
特開2007−198760号公報
例えば、森林管理が行き届いていない場合や、針葉樹に比較して横に広がる性質を有する広葉樹の場合に、各樹木の樹冠が互いに近接、密集したり、樹冠頂点が不明確となりやすい。このような場合、航空写真において各樹木の樹冠の形状が明瞭でなくなり、樹木の位置、本数の目視判読が難しくなる。そのため、その判読結果は判読する者の技術レベルに大きく依存し、精度・信頼性が十分でない場合もあるという問題があった。
この点、航空レーザ計測により得られる数値表層モデル(Digital Surface Model:DSM)では、樹冠表面の起伏が数値で表されるので航空写真と比較すれば樹冠形状を客観的に把握可能となるが、上述のように広葉樹が密集している場合などには、樹冠表面の起伏と樹木との対応付けは必ずしも容易ではない。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、現地調査に頼らずに樹木の位置を精度よく検出するための樹木位置検出装置、樹木位置検出方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る樹木位置検出装置は、上空からレーザパルスを掃射し、その反射信号波形を計測する航空レーザ計測により取得された森林の三次元の点群データを用いて樹木の位置を検出する装置であって、前記点群データが表す高さを地表からの実質高さに換算して正規化点群データを生成する正規化手段と、当該森林の樹冠領域とその下の枝下領域とでの前記正規化点群データの分布の違いに基づいて、当該森林内で一定した高さ範囲を枝下層として設定する枝下層設定手段と、前記枝下層に属する前記正規化点群データを抽出し、地表に沿った平面に投影して二次元頻度分布を求める平面投影手段と、所定基準に基づいて、前記二次元頻度分布にて前記正規化点群データが集まる箇所を検出して樹木位置とする位置検出手段と、を有する。
他の本発明に係る樹木位置検出装置においては、前記枝下層設定手段は、前記正規化点群データの高さ方向の頻度分布を求め、前記枝下領域での前記正規化点群データの分布密度が前記樹冠領域よりも低くなることに応じて前記頻度分布に形成される、地表側にて樹冠領域側よりも頻度が低くなる範囲に前記枝下層を設定する。
別の本発明に係る樹木位置検出装置は、さらに、前記点群データに基づいて数値標高モデルを生成する数値標高モデル生成手段を有し、前記正規化手段は、前記点群データが表す高さから前記数値標高モデルが表す高さを減算して前記実質高さを求める。
また別の本発明に係る樹木位置検出装置は、さらに上空から前記森林を撮影した画像にて樹木毎の樹冠画像を抽出する樹冠画像抽出手段と、前記位置検出手段で求めた前記樹木位置を前記樹冠画像の樹木位置との照合により確定する照合手段と、を有する。
本発明の好適な態様は、上記本発明に係る樹木位置検出装置において、前記森林について樹種又は樹齢を含む森林管理情報に基づき予め区分された区域毎に、前記樹木位置を求めるものである。
本発明に係る樹木位置検出方法は、上空からレーザパルスを掃射し、その反射信号波形を計測する航空レーザ計測により取得された森林の三次元の点群データを用いて樹木の位置を検出する方法であって、前記点群データが表す高さを地表からの実質高さに換算して正規化点群データを生成する正規化ステップと、当該森林の樹冠領域とその下の枝下領域とでの前記正規化点群データの分布の違いに基づいて、当該森林内で一定した高さ範囲を枝下層として設定する枝下層設定ステップと、前記枝下層に属する前記正規化点群データを抽出し、地表に沿った平面に投影して二次元頻度分布を求める平面投影ステップと、所定基準に基づいて、前記二次元頻度分布にて前記正規化点群データが集まる箇所を検出して樹木位置とする位置検出ステップと、を有する。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、上空からレーザパルスを掃射し、その反射信号波形を計測する航空レーザ計測により取得された森林の三次元の点群データを用いて樹木の位置を検出する処理を行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、前記点群データが表す高さを地表からの実質高さに換算して正規化点群データを生成する正規化手段、当該森林の樹冠領域とその下の枝下領域とでの前記正規化点群データの分布の違いに基づいて、当該森林内で一定した高さ範囲を枝下層として設定する枝下層設定手段、前記枝下層に属する前記正規化点群データを抽出し、地表に沿った平面に投影して二次元頻度分布を求める平面投影手段、及び、所定基準に基づいて、前記二次元頻度分布にて前記正規化点群データが集まる箇所を検出して樹木位置とする位置検出手段、として機能させる。
本発明によれば、航空レーザ計測のデータを用いて現地調査に頼らずに、かつ精度が向上した樹木位置の検出が可能となる。
本発明の実施形態に係る樹木位置検出装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の樹木位置検出装置による樹木位置検出処理の概略のフロー図である。 正規化処理を説明する森林の模式図である。 枝下層設定処理を説明する森林の模式図である。 正規化点群データの高さ方向の頻度分布を説明する模式図である。 枝下層の正規化点群データを水平面に投影して得られる二次元頻度分布の模式図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)である樹木位置検出装置2について、図面に基づいて説明する。本装置は、航空レーザ計測により取得された森林の三次元の点群データを用いて樹木の位置を検出する。
三次元の点群データは、例えば、航空機やヘリコプターなどに搭載されたレーザ計測装置を用いて取得される。レーザ計測装置は上空からレーザパルスを掃射し、その反射信号を受信し、パルス発射から受信までの時間から反射点までの距離を求める。
従来のレーザ計測装置では、反射信号波形に現れるピークのうち強度が大きいものを所定数(例えば、4点とする装置が多い)だけ記録していたが、近年、フルウェーブフォーム計測を可能とするレーザ計測装置が開発されている。フルウェーブフォーム計測では、反射信号を連続的に計測し記録することで、計測データにより波形が表される。本装置では、このフルウェーブフォーム計測によるデータを用いる。例えば、フルウェーブフォーム計測により、反射信号は256点にてサンプリングされて記録され、これにより、本装置で用いる三次元の点群データにはレーザパルスを照射した方向の任意の高さでの反射がその強度にかかわらず含まれる。
平地ではレーザ計測装置は通常、直下視方式で搭載され、レーザパルスの照射は航空機等の直下方向を中心として飛行方向に直交する方向にスキャンされる。すなわち、レーザパルスは鉛直方向への照射を除き、多かれ少なかれ斜めに樹木に対して当たる。この点、地形計測の際は、森林域においてレーザパルスが樹木を通過して地表面に当たりやすくするために、スキャン角度を小さく設定して地表に対して垂直に近い角度でレーザを照射することが好適である。これに対し、本装置では樹木の位置を検出するために樹幹での反射を利用するので、スキャン角度を大きくして樹幹にレーザパルスが当たりやすくして取得されたレーザ計測データの方が好適である。さらに、スキャン幅のオーバーラップ率を調節して、各計測地点にて斜め照射によるレーザ計測データが得られるようにすることも好適である。また、斜面の計測に際して採られる斜方視方式でレーザ計測装置を搭載して取得されたレーザ計測データを用いることも好適である。
本装置は、レーザ計測データだけで樹木位置を良好な精度で検出することを可能とする一方、航空写真の情報を併用することで一層の精度・信頼性の向上を図ることもできる。そこで、例えば、レーザ計測を行う航空機にデジタルカメラも搭載しレーザ計測と同時に写真撮影を行うなどして、調査対象区域のレーザ計測データの他に、当該区域の航空写真も取得されているものとする。
図1は、樹木位置検出装置2の概略の構成を示すブロック図である。本システムは、演算処理装置4、記憶装置6、入力装置8及び出力装置10を含んで構成される。演算処理装置4として、本システムの各種演算処理を行う専用のハードウェアを作ることも可能であるが、本実施形態では演算処理装置4は、コンピュータ及び、当該コンピュータ上で実行されるプログラムを用いて構築される。
当該コンピュータのCPU(Central Processing Unit)が演算処理装置4を構成し、後述するDTM生成手段20、正規化手段22、枝下層設定手段24、平面投影手段26、位置検出手段28、樹冠画像抽出手段30及び照合手段32として機能する。
記憶装置6はコンピュータに内蔵されるハードディスクなどで構成される。記憶装置6は演算処理装置4をDTM生成手段20、正規化手段22、枝下層設定手段24、平面投影手段26、位置検出手段28、樹冠画像抽出手段30及び照合手段32として機能させるためのプログラム及びその他のプログラムや、本システムの処理に必要な各種データを記憶する。例えば、調査対象区域とする森林について上述のレーザ計測装置で取得されたレーザ計測データは地上での例えば直交座標系で表された三次元の点群データ40とされ、記憶装置6に処理対象データとして格納される。また、デジタルカメラで撮影された航空写真の画像データ42も処理対象データとして記憶装置6に格納される。記憶装置6は、各処理での中間データの保持にも用いられ、例えば、後述する正規化点群データ44を格納する。
入力装置8は、キーボード、マウスなどであり、ユーザが本システムへの操作を行うために用いる。
出力装置10は、ディスプレイ、プリンタなどであり、本システムにより求められた樹木位置を画面表示、印刷等によりユーザに示す等に用いられる。
図2は、樹木位置検出装置2による樹木位置検出処理の概略のフロー図である。この図2を参照しながら、演算処理装置4の各手段を説明する。
DTM生成手段20は、点群データ40に基づいて数値標高モデル(Digital Terrain Model:DTM)を生成する(DTM生成処理S50)。森林へ発射した各レーザパルスに対する反射信号の末尾にて得られるラストパルスは地表での反射によるものであると期待できる。そこで、DTM生成手段20は、点群データ40のうちラストパルスに対応する点に基づいてDTMを生成する。なお、その際、ラストパルスが表す三次元形状に対して、さらに樹木、建物等の地物除去のためのフィルタリング処理を行ってもよい。フルウェーブフォーム計測で得られる点群データ40には、従来の計測より地表面の反射点を多く取得できるので、DTMを精度よく求めることが可能である。地表面標高の精度の向上により樹木の根元の高さが精度よく定まり、ひいては後述の枝下層が精度よく求められる利点がある。なお、他の手段で予め得られているDTMを次の正規化処理で使用する場合は、DTM生成手段20による処理は省略することができる。
正規化手段22は、直交座標系XYZのZ値で表される点群データ40の高さを地表からの実質高さに換算して正規化点群データ44を生成する(正規化処理S52)。具体的には、正規化点群データ44は、点群データ40の高さ(標高)を、その高さからDTMが表す高さ(標高)を減算して得られる実質高さで置き換えることにより生成される。
図3は正規化処理S52を説明する森林の模式図であり、横方向は水平方向(X,Y軸方向)に対応し、縦方向は垂直方向(Z軸方向)に対応する。図3(a)は、正規化処理S52の前の状態、図3(b)は正規化処理S52の後の状態を表している。
図3(a)に示す森林の樹木70は地表72に立っている。同図において点群データ40を構成する反射点74の位置を“×”印で例示している。樹木70の反射点74の高さは点群データ40では標高で表されているので、その値は当該樹木70が立つ地表72の標高に、樹木70の根元から当該反射点74までの実質高さを加えたものとなる。すなわち、図3(a)に示すように、地表72が起伏を有する場合、各樹木70にて枝葉が茂る樹冠部分76の下の樹幹部分78の高さ範囲が地表72の標高に応じて変動する。
正規化処理S52は、樹木70の反射点74の高さから地表72の標高を表すDTMの値を減算することで、図3(b)に示すように、樹幹部分78の根元を高さ0の平面に変換された地表72bに揃え、これにより後述の処理での樹幹部分78の抽出処理を容易とする。
枝下層設定手段24は、調査対象の森林の樹冠領域とその下の枝下領域とでの正規化点群データ44の分布の違いに基づいて、当該森林内で一定した高さ範囲を枝下層として設定する(枝下層設定処理S54)。
図4は、枝下層設定処理S54を説明する森林の模式図であり、図3(b)で示した正規化処理S52後の状態に当たる。図4には、各樹木70の樹冠部分76からなる樹冠領域80と、その下の枝葉を有さない樹幹部分78からなる枝下領域82とを示している。枝下領域82の下端は、平面である地表72bに一致するのに対し、上端は各樹木70によって異なり得る。
樹冠領域80と枝下領域82とでの正規化点群データ44の分布の違いは、正規化点群データ44の高さ方向の頻度分布に現れる。図5は当該頻度分布を説明する模式図であり、同図の左側には図4に示した森林の模式図を示し、その右側に当該森林の高さ方向の頻度分布90を示している。頻度分布90は、そのZ軸を左側の森林の模式図のZ軸と共通にして表示している。樹木70はその樹冠部分76では、樹幹に茂る枝葉によって樹幹よりも水平方向に広がり、その枝葉がレーザパルスの反射点74となり得るので、基本的に樹幹部分78より反射点74が多く生じ、その分布密度が高くなる。一方、樹幹部分78は基本的に樹冠部分76より細いので、樹冠部分76と比較してレーザパルスが当たりにくく反射点74が少ないので分布密度が低くなる。その結果、頻度分布90は、樹冠領域80に対応する高さ範囲Raでの頻度が枝下領域82に対応する高さ範囲Rbより概して大きくなる。頻度分布90は、高さ範囲Raでの樹冠領域80と枝下領域82とが共存する高さ範囲Rmにて、高さ範囲Raでの相対的に高い平均レベルを有する状態から高さ範囲Rbでの低い頻度分布へ遷移する。すなわち、頻度分布90は、地表72b側にて樹冠領域80側の高さ範囲Raよりも頻度が低くなる高さ範囲Rtを有する。
この高さ範囲Rtは図5に示すように、例えば、頻度分布90の高さ範囲Raでの平均レベルAより低い所定の閾値Thを設定し、当該閾値Thより低い範囲として抽出することができる。ここで、閾値Thは高さ範囲Rbでの反射点74の頻度より大きく設定するが、高さ範囲Rbでの頻度は森林内の樹木70の数に応じて変化するので、閾値Thも固定値ではなく、樹木70の数に応じて変化させるのが好適である。例えば、高さ範囲Raでの頻度の平均値Aも樹木70の数に応じて変化するので、0<α<1なる比例係数を用いて、Th=αAと設定することができる。αはいくつかの木を実測して予め設定される。
このように抽出された高さ範囲Rtに枝下層100を設定する。枝下層100は図5に示すように水平方向に平らな領域である。枝下層100の高さ範囲は高さ範囲Rtに一致させる設定も可能であるし、高さ範囲Rtの一部だけを占める設定とすることも可能である。例えば、高さ範囲Rtの上限側の領域は、樹冠領域80と枝下領域82との共存領域の高さ範囲Rmに位置し、樹冠領域80の反射点74を一部含み得る。その樹冠領域80の反射点74は後述する樹幹部分78の位置検出の精度を低下させ得るので、当該位置検出の精度をより好適としたい場合には、枝下層100の高さ上限を高さ範囲Rtの上限より低く設定する。また、地表72b近くには草などに起因する反射点74が存在し得、このような反射点74も樹幹部分78の位置検出の精度を低下させ得るので、枝下層100の高さ下限を高さ範囲Rtの下限である地表72bよりも高く設定してもよい。
このようにして枝下層100からは正規化点群データ44において大きな比率を占める樹冠部分76の反射点74が基本的に除去され、枝下層100に含まれる反射点74は樹幹部分78のものが支配的となる。
平面投影手段26は、枝下層100に属する正規化点群データを抽出し、地表72bに沿った平面に投影して二次元頻度分布を求める(平面投影処理S56)。図6は当該二次元頻度分布110の模式図であり、水平面であるXY面での枝下層100内の正規化点群データ44の投影点112の位置を“○”印で示している。正規化点群データ44のうち大半が樹冠部分76の反射点74であり、樹幹部分78の反射点74は少数である。そのため、枝下層100内の樹幹部分78の反射点74は三次元的にはまばらに分布し、その分布から樹幹部分78の位置を特定することは一般には容易ではない。この点、樹幹部分78はおおまかには高さ方向に延在する特徴を有するので、高さ方向の投影で得られる二次元頻度分布110では、各樹幹部分78の複数の反射点74は互いに近い位置に投影される。すなわち、二次元頻度分布110では各樹幹部分78の投影点112は樹幹の位置に互いに集まってグループ114を形成し、これにより樹幹部分78の位置特定が容易となる。
位置検出手段28は、所定基準に基づいて、二次元頻度分布110にて正規化点群データ44が集まりグループ114を形成する箇所を検出して樹木位置とする(位置検出処理S58)。グループ114が多数の投影点112から構成され、二次元頻度分布110にピークが形成される場合には、例えば、二次元頻度分布110から閾値判定により、閾値以上の頻度が得られた箇所にグループ114の存在を検知する。また、閾値判定以外のピーク検出手法によりピークの位置を求めても良い。
なお、樹幹部分78の投影点112の数が少ない場合は、グループ114の領域でも二次元頻度分布110の値は“0”か“1”のいずれかとなり、頻度分布のピークが形成されないことが想定される。このような場合は、例えば、単純な投影で得られた二次元頻度分布110を樹幹の太さ程度のウィンドウで走査し平滑化するフィルタリングを行い、投影点112が集まる箇所ではピークが形成されるようにすればよい。
位置検出手段28は、例えば、ピークの位置を樹木位置(Xd,Yd)として出力する。また、グループ114毎に投影点112の重心位置を求めて樹木位置(Xd,Yd)としてもよい。樹木位置検出装置2は、この位置検出処理S58により検出された樹木位置(Xd,Yd)を例えば出力装置10へ出力することができる。
また、樹木位置検出装置2はさらに、航空写真の画像データ42を用いて、樹木位置の精度・信頼性の向上を図ることもできる。この場合は位置検出処理S58で求められた位置(Xd,Yd)は樹木位置の候補となる。
樹冠画像抽出手段30は、画像データ42を解析して樹木毎の樹冠画像を抽出する(樹冠画像抽出処理S60)。樹冠画像抽出手段30は例えば、特開2003−344048号公報に示されるように、画像データ42からウォーターシェッド・アルゴリズムに基づいて樹冠形状を抽出する。さらに樹冠画像抽出手段30は例えば、その樹冠形状の中心に当たる点(Xh,Yh)を樹木位置として求める。なお、作業者が航空写真を判読して樹冠画像を抽出し樹木位置として求めた点(Xh,Yh)を記憶装置6に格納し、次の照合手段32で利用してもよい。
照合手段32は樹木位置(Xd,Yd)を樹冠画像から求めた樹木位置(Xh,Yh)との照合により修正する(照合処理S62)。照合処理S62は、任意の候補位置(Xd,Yd)に対応する樹木位置(Xh,Yh)が存在するか否かを調べ、存在すれば照合成立として、位置(Xd,Yd)を樹木位置として確定し、存在しなれば照合不成立として候補位置(Xd,Yd)は樹木位置ではないと判定する。すなわち、照合手段32は、位置検出処理S58で得られる一群の樹木位置から、照合不成立のものを除去する修正を行う。
具体的には、照合における位置ずれの許容距離をβとして、次の(1)式及び(2)式を共に満たす樹冠画像の位置(Xh,Yh)が存在すれば照合成立と判定する。なお、βは例えば、樹冠形状に応じた大きさの円の半径以下に設定することができる。
Xd−β≦Xh≦Xd+β ・・・(1)
Yd−β≦Yh≦Yd+β ・・・(2)
樹木位置検出装置2は、照合処理S62を行った場合には、照合が成立した樹木位置(Xd,Yd)を例えば出力装置10へ出力することができる。
さて以上、説明を簡単とするため、調査対象区域の森林を一括して扱う例を述べた。しかし、例えば、広大な森林を調査対象とする場合、場所に応じて樹種、樹齢、地形などに違いが存在することから、調査対象区域の森林を複数の区域に区分し、当該区域毎に上述の処理の全部又は一部を実行することが好適である。例えば、枝下領域82は、樹種、樹齢により高さが異なり、また地形やその他の生育環境も枝下領域82の高さに影響を与える。よって、それらの要因が共通する、又は大きくは異ならない範囲で区域を設定すれば、樹冠部分76の反射点74を好適に排除し、かつ樹幹部分78の反射点74が多く含まれるように枝下層100を設定できるので、二次元頻度分布110に樹木の位置が一層明確に現れ得る。
森林の多くは人により管理・手入れされて、場所毎に樹種や樹齢が概ね揃えられる。そして、当該状況は森林管理情報として把握されていることが多い。よって、この場合には、森林管理情報に基づいて区域を設定することが可能である。地形図に基づいて、地形を考慮して区域を設定することもできる。また、単純に調査対象区域全体を所定サイズのメッシュ状に区分しても、枝下層100が場所毎に好適に調整され、樹木位置の検出精度が向上する効果が期待できる。
なお、枝下層の設定の仕方の他の構成では、地表72側の高さに枝下層100を仮に設定し、当該仮設定の枝下層100に対する二次元頻度分布110を求める。望ましい枝下層100では樹幹部分78の反射点74の比率が多い結果、図6に示すように投影点112は樹幹に対応した位置に集中する一方、樹幹相互間の領域には投影点112は存在しない。これに対し、仮設定の枝下層100に樹冠部分76や地表72b近くの草などの反射点74が含まれると、樹幹の位置以外にも投影点112が分布し、集中の度合いが低くなる。このような分布の相違は、生物学における分布様式と同様に分散指数を用いて定量化し比較することができる。そこで、枝下層設定手段24は、仮設定の枝下層100の上限高さや下限高さを変化させて、二次元頻度分布110での分散指数を求め、投影点112が好適に集中する高さ範囲を枝下層100として決定することができる。
以上、森林における樹木位置の検出に焦点を当てて本願発明を説明したが、樹木位置が求められれば、樹木の本数を計数することは容易に樹木位置検出装置2にて行われ、また樹木の密度を求めることもできる。
2 樹木位置検出装置、4 演算処理装置、6 記憶装置、8 入力装置、10 出力装置、20 DTM生成手段、22 正規化手段、24 枝下層設定手段、26 平面投影手段、28 位置検出手段、30 樹冠画像抽出手段、32 照合手段、40 点群データ、42 画像データ、44 正規化点群データ、70 樹木、72 地表、74 反射点、76 樹冠部分、78 樹幹部分、80 樹冠領域、82 枝下領域、90 頻度分布、100 枝下層、110 二次元頻度分布、112 投影点、114 グループ。

Claims (7)

  1. 上空からレーザパルスを掃射し、その反射信号波形を計測する航空レーザ計測により取得された森林の三次元の点群データを用いて樹木の位置を検出する樹木位置検出装置であって、
    前記点群データが表す高さを地表からの実質高さに換算して正規化点群データを生成する正規化手段と、
    当該森林の樹冠領域とその下の枝下領域とでの前記正規化点群データの分布の違いに基づいて、当該森林内で一定した高さ範囲を枝下層として設定する枝下層設定手段と、
    前記枝下層に属する前記正規化点群データを抽出し、地表に沿った平面に投影して二次元頻度分布を求める平面投影手段と、
    所定基準に基づいて、前記二次元頻度分布にて前記正規化点群データが集まる箇所を検出して樹木位置とする位置検出手段と、
    を有することを特徴とする樹木位置検出装置。
  2. 請求項1に記載の樹木位置検出装置において、
    前記枝下層設定手段は、前記正規化点群データの高さ方向の頻度分布を求め、前記枝下領域での前記正規化点群データの分布密度が前記樹冠領域よりも低くなることに応じて前記頻度分布に形成される、地表側にて樹冠領域側よりも頻度が低くなる範囲に前記枝下層を設定すること、を特徴とする樹木位置検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の樹木位置検出装置において、
    前記点群データに基づいて数値標高モデルを生成する数値標高モデル生成手段を有し、
    前記正規化手段は、前記点群データが表す高さから前記数値標高モデルが表す高さを減算して前記実質高さを求めること、
    を特徴とする樹木位置検出装置。
  4. 請求項1から請求項3に記載の樹木位置検出装置において、
    上空から前記森林を撮影した画像にて樹木毎の樹冠画像を抽出する樹冠画像抽出手段と、
    前記位置検出手段で求めた前記樹木位置を前記樹冠画像の樹木位置との照合により確定する照合手段と、
    を有することを特徴とする樹木位置検出装置。
  5. 請求項1から請求項4に記載の樹木位置検出装置において、
    前記森林について樹種又は樹齢を含む森林管理情報に基づき予め区分された区域毎に、前記樹木位置を求めること、を特徴とする樹木位置検出装置。
  6. 上空からレーザパルスを掃射し、その反射信号波形を計測する航空レーザ計測により取得された森林の三次元の点群データを用いて樹木の位置を検出する方法であって、
    前記点群データが表す高さを地表からの実質高さに換算して正規化点群データを生成する正規化ステップと、
    当該森林の樹冠領域とその下の枝下領域とでの前記正規化点群データの分布の違いに基づいて、当該森林内で一定した高さ範囲を枝下層として設定する枝下層設定ステップと、
    前記枝下層に属する前記正規化点群データを抽出し、地表に沿った平面に投影して二次元頻度分布を求める平面投影ステップと、
    所定基準に基づいて、前記二次元頻度分布にて前記正規化点群データが集まる箇所を検出して樹木位置とする位置検出ステップと、
    を有することを特徴とする樹木位置検出方法。
  7. コンピュータに、上空からレーザパルスを掃射し、その反射信号波形を計測する航空レーザ計測により取得された森林の三次元の点群データを用いて樹木の位置を検出する処理を行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、
    前記点群データが表す高さを地表からの実質高さに換算して正規化点群データを生成する正規化手段、
    当該森林の樹冠領域とその下の枝下領域とでの前記正規化点群データの分布の違いに基づいて、当該森林内で一定した高さ範囲を枝下層として設定する枝下層設定手段、
    前記枝下層に属する前記正規化点群データを抽出し、地表に沿った平面に投影して二次元頻度分布を求める平面投影手段、及び、
    所定基準に基づいて、前記二次元頻度分布にて前記正規化点群データが集まる箇所を検出して樹木位置とする位置検出手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
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