JP5505548B2 - 雌端子の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、雌端子の製造方法に関する。
従来、棒状をなす雄端子を内部に嵌合可能な雌端子として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。この雌端子は、略円筒状をなして前後方向に延びる端子収容部を有し、この端子収容部には、その前縁から後方へ切り欠かれたスリットが設けられている。このスリットはすり割り加工によって形成され、端子収容部の軸心を中心として放射状に複数配置されている。これらのスリットによって端子収容部が複数の接触片に分割されている。端子収容部の内部に雄端子が嵌合されると、雄端子が各接触片に囲まれて圧接されることにより雄端子と雌端子とが導通可能に接続されるようになっている。
このような雌端子は、丸棒材を母材として形成されている。図23に示すように、丸棒材1の内部に端子接続孔2を形成し、丸棒材1の前端部から後方へ切り欠くことでスリット3を形成する。このスリット3を複数設けることによって、端子接続孔2の周りに複数の接触片4を形成する。次に、図23に示すように、各接触片4に絞り加工を施すことによって各接触片4の基端部を内側に曲げ形成し、各接触片4の先端部によって接点部5を構成する。この接点部5の内径は、雄端子の外径よりも小さいため、雄端子を雌端子の内部に嵌合すると、雄端子によって各接触片4が外側に撓み変形し、各接触片の弾性復帰力によって雄端子が接点部5によって圧接される。
しかしながら、上記の雌端子では、各接触片4を絞り加工することで接点部5を形成しているため、接点部5の仕上がり形状が崩れる場合がある。すなわち、絞り加工によって所定の仕上がり形状を得るためには、スプリングバックなどの影響を考慮しても、仕上がり形状にバラツキが発生しやすくなる。このため、接点部5と雄端子の接触面積が小さくなって接触抵抗が大きくなるおそれがある。また、接点部5における各接触片4の間隔tを規格値として管理する場合に、各接触片4を絞り加工してしまうと、やはり間隔tのばらつきが大きくなるため、間隔tの規格に適合した雌端子を製造することが困難であった。このように雌端子の製造にあっては、加工精度の高い切削加工のみによって形成する製造方法が切望されていた。
また、上記の雌端子では、周方向に隣り合う接触片を分離する空間がスリットのみで構成されており、スリットが前後方向に細長い形状であるため、複数の接触片に囲まれて形成された収容空間に異物が侵入した場合に、スリットを通して異物を外部に排出しにくい。このため、収容空間に異物が堆積されて接続信頼性を低下させるおそれがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、複数の接触片によって囲まれた収容空間の内部に異物が侵入した場合であっても、その異物を外部に排出しやすくすることを目的とする。
本発明は、前後方向に延びる棒材を切削加工することで形成され、複数の接触片によって雄端子を挟んで内部に嵌合する雌端子の製造方法であって、棒材の側部に開口する横孔を設ける横孔形成工程と、棒材の軸心を中心として放射状に配置された複数のスリットを設けることで棒材を複数の接触片に分割するスリット形成工程と、複数の接触片の外面側に隙間を有して対向配置される治具をセットし、複数の接触片を隙間に撓ませて治具に当接させた状態で棒材の前端部から横孔に連通する端子接続孔を貫通して設けることで雄端子に対する接点部を形成する端子接続孔形成工程とを備えた製造方法としたところに特徴を有する。
このような製造方法によると、横孔形成工程において横孔を形成し、スリット形成工程において複数のスリットを設けることで棒材を複数の接触片に分割し、端子接続孔形成工程において端子接続孔を設けることで接点部を形成することができる。したがって、切削加工のみによって雌端子を形成することにより、接点部の加工精度を高めることができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
端子接続孔は、雄端子の外径と同径のドリルを用いて設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、雄端子の断面形状が真円である場合に、端子接続孔の内周形状と雄端子の外周形状とを一致させることができる。つまり、ドリルによって端子接続孔を加工している状態が、雄端子が端子接続孔に嵌合した状態を再現していることになる。したがって、接点部を雄端子に全面で接触させることができる。
端子接続孔は、雄端子の外径と同径のドリルを用いて設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、雄端子の断面形状が真円である場合に、端子接続孔の内周形状と雄端子の外周形状とを一致させることができる。つまり、ドリルによって端子接続孔を加工している状態が、雄端子が端子接続孔に嵌合した状態を再現していることになる。したがって、接点部を雄端子に全面で接触させることができる。
複数の接触片が隙間に撓み変位する変位量は、雄端子を弾性的に挟んだ際に複数の接触片が撓み変位する変位量に対応している構成としてもよい。
このような構成によると、隙間の寸法を設定することにより接触片の変位量を管理することができる。
このような構成によると、隙間の寸法を設定することにより接触片の変位量を管理することができる。
スリット形成工程の前に、棒材の前端部にガイド孔を形成するガイド孔形成工程を備え、端子接続孔形成工程ではガイド孔に対して端子接続孔を設ける構成としてもよい。
このようにすると、ガイド孔によって雄端子を接点部に誘導することができる。また、予め形成されたガイド孔に対して端子接続孔を形成することにより、端子接続孔を形成するのに要する時間を短縮することができる。
このようにすると、ガイド孔によって雄端子を接点部に誘導することができる。また、予め形成されたガイド孔に対して端子接続孔を形成することにより、端子接続孔を形成するのに要する時間を短縮することができる。
また、本発明の実施の態様として、複数の接触片によって雄端子を挟んで内部に嵌合する雌端子であって、複数の接触片は、本体部から対向状態をなしてに突出して設けられ、複数の接触片によって囲まれた収容空間に雄端子が収容されるようになっており、収容空間は、側方に開口する複数の横孔を主要部として構成されており、接触片における横孔を構成する面は、この面を本体部の軸心と交差する切断面で切断した断面形状が直線である構成としてもよい。
このような構成によると、横孔が側方に開口しているため、収容空間の内部に異物が侵入した場合であっても、この横孔から異物を外部に排出しやすくなる。また、本体部と交差する方向における横孔の断面形状が直線であるため、例えばドリルなどを用いて横孔を形成することができる。
横孔は、本体部の前方部分を本体部の軸心と交差する方向に貫通して設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、大きな横孔が形成されるため、異物をさらに外部に排出しやすくなり、切削加工によって横孔をさらに形成しやすくなる。
このような構成によると、大きな横孔が形成されるため、異物をさらに外部に排出しやすくなり、切削加工によって横孔をさらに形成しやすくなる。
横孔は、本体部の軸心方向に延びる長孔状とされている構成としてもよい。
このような構成によると、隣り合う接触片を分離する空間の一部として横孔を利用することができる。
このような構成によると、隣り合う接触片を分離する空間の一部として横孔を利用することができる。
前記複数の横孔は、周方向に隣り合う前記接触片を分離する空間に対応して設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、周方向に隣り合う接触片を分離する空間として横孔を利用することができる。
このような構成によると、周方向に隣り合う接触片を分離する空間として横孔を利用することができる。
本発明によれば、複数の接触片によって囲まれた収容空間の内部に異物が侵入した場合であっても、その異物を外部に排出しやすくすることができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図14の図面を参照しながら説明する。実施形態1における雌端子10は、図1に示すように、略円形の外周形状を有している。この雌端子10は、図2に示すように、前後方向に長い形状をなしており、以下の説明においては本体部11を基準として図示左側(左方)を前側(前方)とし、図示右側(右方)を後側(後方)とする。雌端子10は、図5に示すように、前後方向中央部に配置された本体部11、本体部11から対向状態をなして前方に突出した一対の接触片12、本体部11の後端縁に周設されたフランジ部13、本体部11から後方に突出するバレル部14などを備えて構成されている。
本発明の実施形態1を図1ないし図14の図面を参照しながら説明する。実施形態1における雌端子10は、図1に示すように、略円形の外周形状を有している。この雌端子10は、図2に示すように、前後方向に長い形状をなしており、以下の説明においては本体部11を基準として図示左側(左方)を前側(前方)とし、図示右側(右方)を後側(後方)とする。雌端子10は、図5に示すように、前後方向中央部に配置された本体部11、本体部11から対向状態をなして前方に突出した一対の接触片12、本体部11の後端縁に周設されたフランジ部13、本体部11から後方に突出するバレル部14などを備えて構成されている。
フランジ部13は、図3に示すように、本体部11の外周面から全周に亘って径方向外側に張り出す形態とされている。このフランジ部13は、雌端子10が収容されるキャビティ(図示せず)の後端開口縁部に対して後方から当接する。これにより、雌端子10は、キャビティに収容された状態で前止まりされる。一方、バレル部14は、図4に示すように、本体部11よりも小径で中実の小径部14Aと、この小径部14Aから後方に形成された円筒部14Bとから構成されている。電線(図示せず)の端末に露出された芯線を円筒部14Bに挿入してかしめることにより、雌端子10と電線が導通可能に接続される。なお、円筒部14Bの前端部には、側方に開口する水抜き孔14Cが貫通して形成されている。
両接触片12の間には、丸棒状をなす雄端子80(図14参照)が内部に収容される収容空間15が形成されている。すなわち、収容空間15は、両接触片12の対向面によって構成されている。また、両接触片12の前端部における内面側には、両接触片12と雄端子80が接続される端子接続孔16が形成されている。さらに、端子接続孔16の前側には、前方に向かうほど間口が広くなるガイド孔17が形成されている。収容空間15は、端子接続孔16とガイド孔17とを介して前方に開口されている。
収容空間15は、図5に示すように、前後方向に延びる長孔状をなす横孔18を主要部として形成されている。収容空間15は、横孔18と、端子接続孔16と、ガイド孔17とからなる。横孔18は、後に詳述するようにドリルによって丸棒材CRの両側部を貫通して形成された孔である。ここで、丸棒材CRとは、雌端子10を製造するための母材のことであり、以下の説明においては、雌端子10を製造する過程における半製品全般を丸棒材CRというものとする。
本実施形態では丸棒材CRの両側部を貫通する形態で単一の横孔18として形成されているものの、実際には、本体部11の軸心を中心として丸棒材CRの左右両側に開口する一対の横孔18が形成されており、これらの横孔18をドリルで一度に加工しているため、単一の横孔18が形成されているように見えるにすぎない。したがって、本実施形態の雌端子10、すなわち一対の接触片12を備えた二つ割り端子の場合、2つの横孔18を形成する必要があるものの、両横孔18を一度に形成することができる。なお、以下においては両横孔18を略して横孔18という場合がある。
接触片12において横孔18を構成する面Sは、この面を本体部11の軸心と交差する切断面(図5のB−B線断面)で切断した断面形状が直線とされている。すなわち本実施形態では、図6の断面図に示すように、横孔18を構成する上下両面Sが平面形状とされている。
端子接続孔16は、図13に示すように、上下一対の円弧面CSからなり、両円弧面CSによって雄端子80に対する接点部が構成されている。両円弧面CSは、端子接続孔16を加工するドリルDRの外周形状と一致している。さらに、本実施形態ではドリルDRの外径と雄端子80の外径が同一とされているため、両円弧面CSは、雄端子80の外周形状とも一致する。このため、図14に示すように、端子接続孔16に雄端子80を嵌合すると、両円弧面CSが同一円周上に配置され、両円弧面CSによって構成された接点部が雄端子80に対して全面で接触する。
ガイド孔17は、図1および図4に示すように、前方に開口するテーパ状をなしており、雄端子80の先端を端子接続孔16に誘導可能としてある。ガイド孔17は、図12に示すように、丸棒材CRの前端部にすり鉢状をなして凹設され、かつ、横孔18に連通している。ガイド孔17は、丸棒材CRの前端部に中ぐり加工などの切削加工を行うことによって形成されている。
接触片12は、図4に示すように、端子接続孔16における両円弧面CSの間隔tが増減する方向に撓み可能に設けられている。すなわち、両接触片12は、後端部12A側を支点として前端部12B側が互いに接近および離間する方向に変位可能とされている。接触片12における丸棒材CRの外径は、本体部11における丸棒材CRの外径よりもやや小径となるように形成されている。また、両接触片12の外周側面において端子接続孔16と対応する位置に、外周リブ12Cが周設されている。
接触片12は、丸棒材CRにおける横孔18の前方部分に左右一対のスリットSLを形成することによって本体部11の前方部分を上下に分割したものである。両スリットSLは、すり割りカッターなどを用いて丸棒材CRの前端部から横孔18の前端部へ向けて後方に切り欠くことによって形成されている。両スリットSLは、丸棒材CRにおけるガイド孔17から端子接続孔16にかけての範囲に形成されている。なお、本実施形態では上下方向に隣り合う両接触片12を分離する空間の大半が横孔18によって構成されているため、スリットSLが丸棒材CRの前端部のみに形成されている。
本実施形態は以上のような構成であって、続いて雌端子10の製造方法について説明する。まず、図7に示すように、例えば母材となるロッド材に切削加工を行うことにより、本体部11、フランジ部13、およびバレル部14が形成された丸棒材CRを予め用意しておく。収容空間15を形成するに際しては、図8に示すように、丸棒材CRの両側部を貫通するようにドリル(図示せず)で加工し、このドリルを丸棒材CRの軸心に沿って前後方向に移動させることによって長孔状の横孔18を形成する(横孔形成工程)。
この後、図12に示すように、丸棒材CRの前端部にガイド孔17を形成し、このガイド孔17と横孔18とを連通させることによって前方と側方に開口した丸棒材CRが形成される(ガイド孔形成工程)。さらに、すり割りカッターなどを用いることにより、ガイド孔17が形成された丸棒材CRの前端部における左右両側にそれぞれスリットSLを形成する。この結果、両スリットSLによって本体部11の前方部分が上下一対の接触片12に分割形成される(スリット形成工程)。
次に、図9に示すように、上下一対の接触片12が形成された丸棒材CRを、円筒状をなす治具70に対して後方から挿入する。フランジ部13を治具70の後端開口縁部に当接させた状態では、丸棒材CRの前端が治具70の前端開口縁からわずかに前方に突出しているものの、接触片12の外周リブ12Cについては治具70の内部に留まるように設定されている。このようにして丸棒材CR側にセットされた治具70を加工装置に取り付けて固定し、ドリルDRによる加工が行われる。
ここで、外周リブ12Cと治具70の内周面との間に形成される隙間は、端子接続孔16に雄端子80を嵌合させた際に各接触片12が撓み変位する変位量と等しくなるように設定されている。一方、ドリルDRの外径は、雄端子80の外径と等しくなるように設定されている。さらに、端子接続孔16を形成する前におけるガイド孔17の最小内径は、ドリルDRの外径よりも小さく設定されている。
このため、先細り状のドリルDRをガイド孔17に挿入していくと、まず、ドリルDRの先端傾斜面によってガイド孔17が拡径され、外周リブ12Cが治具70の内周面に当接することで、両接触片12の撓み変位が規制された状態となる。この状態のままガイド孔17の内周面がドリルDRによって切削されることにより、端子接続孔16が形成される。こうして端子接続孔16がドリルDRによって形成された状態は、雄端子80が端子接続孔16に挿入された状態を再現することになる。このため、雄端子80が端子接続孔16に挿入されて拡径状態となった端子接続孔16の内径は、雄端子80の外径と一致することになる(端子接続孔形成工程)。
そして、ドリルDRを端子接続孔16から引き抜くと、両接触片12が弾性的に復帰して、外周リブ12Cと治具70の内周面とが非接触状態となる。これに伴って、端子接続孔16は、図13に示すように、上下一対の両接触片12が接近することによりやや扁平の楕円状の孔となる。こうして雌端子10が切削加工のみによって製造される。
このような雌端子10は、例えば充電用コネクタ(図示せず)に組み込まれ、雄端子80は、充電用コネクタと嵌合可能な車両側コネクタに組み込まれている。充電用コネクタを車両側コネクタに嵌合させると、端子接続孔16に雄端子80が挿入され、図14に示すように、上下一対の両接触片12が離れる方向に撓み変形することで端子接続孔16が拡径状態となる。これにより、両円弧面CSが同一円周上に配置され、両接触片12の弾性復帰力により接点部を雄端子80の外周面に対して全面で密着させることができる。
以上のように本実施形態では切削加工のみによって雌端子10を製造しているから、接点部の加工精度を高めることができる。この結果、接点部における両円弧面CSの間隔tを管理しやすくなる。また、雄端子80と同径のドリルDRを用いて端子接続孔16を加工しているから、接点部を雄端子80の外周面に対して全面で接触させることができる。また、外周リブ12Cと治具70との間に隙間を設け、この隙間に接触片12を撓ませた状態で端子接続孔16を形成しているから、隙間の寸法を設定することによって接触片12の変位量を管理することができる。
雄端子80の収容空間15の大半を横孔18によって構成しているため、収容空間15に侵入した異物を横孔18から外部に排出しやすくなる。また、横孔18を構成する上下両面Sを平面形状としたから、横孔18をドリルによって加工することができる。また、横孔18は、丸棒材CRの両側部を貫通する形態とされているから、横孔18をドリルによって一度に加工することができる。また、横孔18を前後方向に延びる長孔状に形成したから、この横孔18とスリットSLとによって丸棒材CRを複数の接触片12に分割することができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図15ないし図17の図面を参照しながら説明する。実施形態2は、実施形態1における雌端子10の製造方法を一部変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を付すものとする。実施形態1では、丸棒材CR側にセットされた治具70を加工装置に取り付けて固定し、ドリルDRによる加工を行っていたのに対して、実施形態2では、ドリルDR側に予め治具70を取り付けて固定しておき、この治具70に丸棒材CRを差し込むと同時にドリルDRによる加工を行うようにしている。
次に、本発明の実施形態2を図15ないし図17の図面を参照しながら説明する。実施形態2は、実施形態1における雌端子10の製造方法を一部変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を付すものとする。実施形態1では、丸棒材CR側にセットされた治具70を加工装置に取り付けて固定し、ドリルDRによる加工を行っていたのに対して、実施形態2では、ドリルDR側に予め治具70を取り付けて固定しておき、この治具70に丸棒材CRを差し込むと同時にドリルDRによる加工を行うようにしている。
治具70は、図15に示すように、ドリルDRと同軸で配置されており、ドリルDRの先端Eが円筒状をなす治具70の開口縁71から突出しない態様で配置されている。つまり、治具70の開口縁71からドリルDRの先端Eまでの距離は、ドリルDRの先端傾斜面がガイド孔17の内周面に接触してガイド孔17が拡径するよりも前に外周リブ12Cが治具70の内部に収容され、両接触片12を所定量だけ撓ませた状態で外周リブ12Cが治具70の内周面に摺接するように設定されている。
したがって、丸棒材CRを治具70の内部に挿入してガイド孔17を拡径し、外周リブ12Cを治具70の内周面に摺接させることで、ガイド孔17の拡径が規制される。引き続き、丸棒材CRを治具70の内部に挿入することで、図16に示すように、ガイド孔17の内周面がドリルDRによって切削され、端子接続孔16が形成される。端子接続孔16の加工が終了したら、丸棒材CRを治具70の内部から引き抜き、両接触片12を弾性的に復帰させることにより、雌端子10が製造される。
このような製造方法によると、丸棒材CRを治具70に差し込んで加工装置側にセットする手間をなくすことができる。さらに、治具70を予め加工装置側にセットしておくことができるため、治具70とドリルDRを予め同軸で配置し、固定することができる。このため、治具70の位置決めを本体部11で行う必要がなく、治具70を本体部11まで嵌合させなくてもよい。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図18および図19の図面を参照しながら説明する。実施形態3の雌端子30は、実施形態1における雌端子10の構成を一部変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と対応する構成については、各構成を表す符号の数字部分に20を加えた数字部分からなる符号を付すものとする。実施形態1の雌端子10は、いわゆる二つ割り端子であるのに対して、実施形態3の雌端子30は、いわゆる三つ割り端子とされている。
次に、本発明の実施形態3を図18および図19の図面を参照しながら説明する。実施形態3の雌端子30は、実施形態1における雌端子10の構成を一部変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と対応する構成については、各構成を表す符号の数字部分に20を加えた数字部分からなる符号を付すものとする。実施形態1の雌端子10は、いわゆる二つ割り端子であるのに対して、実施形態3の雌端子30は、いわゆる三つ割り端子とされている。
本実施形態では、図18に示すように、3つの接触片32が本体部31の軸心を中心として周方向に等角度間隔(120°間隔)で配置されている。このため、実施形態3では、3つのスリットSLが本体部31の軸心を中心として放射状に形成されている。これに対応して、各スリットSLの後方に連通して各横孔38が形成されている。このため、各スリットSLを雌端子30の前端部のみに形成すればよく、3つのスリットSLを加工するのに要する時間を短縮することができる。
本実施形態では、上記したように、3つのスリットSLに対応して3つの横孔38が設けられている。これらの横孔38を構成する各面Sは、図19に示すように、1つの横孔38が2つの面Sによって構成されているため、端子収容部35全体として6つの面Sが配置されている。このようにすると、端子収容部35の内部に異物が侵入した場合に、3つの横孔38を通して端子収容部35の外部に異物を排出することができる。したがって、実施形態1の雌端子10(横孔18の数が2つ)よりも異物を外部に排出しやすくなる。
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図20の図面を参照しながら説明する。実施形態4の雌端子40は、実施形態1における雌端子10の構成を一部変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と対応する構成については、各構成を表す符号の数字部分に30を加えた数字部分からなる符号を付すものとする。実施形態4の雌端子40は、いわゆる四つ割り端子とされている。すなわち、本実施形態では、4つの接触片42が本体部41の軸心を中心として周方向に等角度間隔(90°間隔)で配置されている。
次に、本発明の実施形態4を図20の図面を参照しながら説明する。実施形態4の雌端子40は、実施形態1における雌端子10の構成を一部変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と対応する構成については、各構成を表す符号の数字部分に30を加えた数字部分からなる符号を付すものとする。実施形態4の雌端子40は、いわゆる四つ割り端子とされている。すなわち、本実施形態では、4つの接触片42が本体部41の軸心を中心として周方向に等角度間隔(90°間隔)で配置されている。
本実施形態の雌端子40は、実施形態1の雌端子10の両接触片12にそれぞれスリットSLを追加して設けたものである。つまり、横孔48は左右両側に配置された両スリットSLに対応して設けられているものの、上下両側に配置された両スリットSLに対応する横孔は設けられていない。このようにすると、実施形態1のスリット形成工程において上下一対のスリットSLを追加で形成するだけでよく、実施形態1の製造方法を大幅に変更することなく、四つ割りの雌端子40を製造することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では雌端子が略円筒状に形成されているものの、本発明によると、雌端子を角筒状に形成してもよい。すなわち、雄端子が平板状をなすタブ端子の場合には、略円筒状に雌端子を形成する必要がなく、角棒材を母材として略角筒状に雌端子を形成すればよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では雌端子が略円筒状に形成されているものの、本発明によると、雌端子を角筒状に形成してもよい。すなわち、雄端子が平板状をなすタブ端子の場合には、略円筒状に雌端子を形成する必要がなく、角棒材を母材として略角筒状に雌端子を形成すればよい。
(2)上記実施形態では治具70が円筒状をなしているものの、本発明によると、各接触片の外側に押さえ板を配置して、この押さえ板によって各接触片の撓みを規制してもよい。
(3)上記実施形態では丸棒材CRの前端部にガイド孔を形成し、このガイド孔に端子接続孔を形成しているものの、本発明によると、丸棒材CRの前端部にガイド孔を形成することなく端子接続孔を直接形成してもよい。
(4)上記実施形態では接点部が全面で雄端子80に接触しているものの、本発明によると、図21に示すように、小径の雄端子81を用いる場合は、接点部を構成する両円弧面CSの一部を雄端子81に接触させる構成としてもよい。
(5)上記実施形態では横孔が前後方向に延びる長孔状に形成されているものの、本発明によると、横孔を円孔として形成し、横孔が形成される予定であった部分のうち円孔以外のところにスリットを設けてもよい。
10、30、40…雌端子
11、31、41…本体部
12、32、42…接触片
15、35、45…収容空間
16、36、46…端子接続孔
17、37、47…ガイド孔
18、38、48…横孔
70…治具
80、81…雄端子
CR…丸棒材(棒材)
CS…円弧面(接点部)
DR…ドリル
S…横孔を構成する各面
SL…スリット
11、31、41…本体部
12、32、42…接触片
15、35、45…収容空間
16、36、46…端子接続孔
17、37、47…ガイド孔
18、38、48…横孔
70…治具
80、81…雄端子
CR…丸棒材(棒材)
CS…円弧面(接点部)
DR…ドリル
S…横孔を構成する各面
SL…スリット
Claims (4)
- 前後方向に延びる棒材を切削加工することで形成され、複数の接触片によって雄端子を挟んで内部に嵌合する雌端子の製造方法であって、
前記棒材の側部に開口する横孔を設ける横孔形成工程と、
前記棒材の軸心を中心として放射状に配置された複数のスリットを設けることで前記棒材を前記複数の接触片に分割するスリット形成工程と、
前記複数の接触片の外面側に隙間を有して対向配置される治具をセットし、前記複数の接触片を前記隙間に撓ませて前記治具に当接させた状態で前記棒材の前端部から前記横孔に連通する端子接続孔を貫通して設けることで前記雄端子に対する接点部を形成する端子接続孔形成工程とを備えた雌端子の製造方法。 - 前記端子接続孔は、前記雄端子の外径と同径のドリルを用いて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の雌端子の製造方法。
- 前記複数の接触片が前記隙間に撓み変位する変位量は、前記雄端子を弾性的に挟んだ際に前記複数の接触片が撓み変位する変位量に対応していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の雌端子の製造方法。
- 前記スリット形成工程の前に、前記棒材の前端部にガイド孔を形成するガイド孔形成工程を備え、前記端子接続孔形成工程では前記ガイド孔に対して前記端子接続孔を設けることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の雌端子の製造方法。
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