JP5504298B2 - 振動発電素子およびその製造方法 - Google Patents

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    • H01L29/84Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by variation of applied mechanical force, e.g. of pressure

Description

本発明は、振動発電素子およびその製造方法に関する。
振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電素子として、対向する平面型櫛歯電極にエレクトレットを形成したものが知られている。その殆どは2つの対向する矩形領域(例えば特許文献1参照)あるいは円形領域(例えば特許文献2参照)に櫛歯を設けた構造を備えている。
これらの平面型櫛歯電極にエレクトレットを形成したものを用いた発電素子は、発電容量を増大するためには面積を大きくする必要があり、従って小型で出力の大きい発電素子の作成は困難であった。
近年MEMSの技術を利用し、櫛歯電極を立体的な構造とすることで、対向する電極間の静電容量を増加させた小型の発電素子が作成されている。例えば特許文献3に開示されている発電素子では、このような立体的な対向する櫛歯電極が用いられており、電極間の電圧印加手段として、櫛歯電極の付近に設けたエレクトレットが用いられている。
エレクトレットの形成は、一般的に絶縁膜にコロナ放電で電荷を注入することによって行われている。しかしながら、この方法で製造されたエレクトレットでは、絶縁膜での電荷密度が小さく、また長期間の使用による電荷の減少の問題があるので、より電荷密度の高いかつ長寿命のエレクトレットの構造が望まれていた。
特許文献4には平面型櫛歯電極のエレクトレットを形成した構造が開示されている。この構造では、アルカリガラスをガラス転移点未満の温度で加熱しつつ、これに約500V〜約1000Vの電圧をかけてこのアルカリガラス中のアルカリイオンを移動させてアルカリイオン空乏域を形成している。
非特許文献1には、立体的な構造の櫛歯電極の間にソフトX−rayを照射して、空気中に発生した電荷をエレクトレット用の絶縁膜に注入して、エレクトレットを形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法もコロナ放電による電荷注入と同様に、絶縁膜での電荷密度を大きくすることは難しい。
特開2010−136598号公報 特開2011−072070号公報 特開2010−011547号公報 特開2010−068643号公報
Honzumi, M., Ueno, A., Hagiwara, K., Suzuki, Y., Tajima, T., and Kasagi, N.,"Soft-X-Ray-Charged Vertical Electrets and Its Application to Electrostatic Transducers,"Proc. 23rd IEEE Int. Conf. MEMS, Hong Kong, China, January 24-28, 2010, pp.635-638
従来のエレクトレットの形成方法および構造では、大きな電荷密度を長期間維持することができなかった。また立体的に対向する櫛歯電極に高密度の電荷を持つエレクトレット電極を形成することができなかった。
(1)請求項1に記載の発明は、内部が絶縁体で満たされ、外面にアルカリイオンが注入されたSiO層が設けられた複数の櫛歯を備える立体型可動櫛歯電極と、この立体型可動櫛歯電極と対向し、立体型可動櫛歯電極が差し込まれるように配置された、内部がドーピングされた低抵抗のSiから構成される複数の櫛歯が設けられた固定型櫛歯電極とを備えたことを特徴とする振動発電素子である。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動発電素子において、アルカリイオンは、K+イオンまたはNa+イオンであることを特徴とする。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の振動発電素子において、立体型可動櫛歯電極の櫛歯内部の絶縁体は熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の振動発電素子において、立体型可動櫛歯電極の櫛歯内部の絶縁体は絶縁性ガスであることを特徴とする。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の振動発電素子において、立体型可動櫛歯電極の櫛歯内部の絶縁体は硬化したネガ型レジストであることを特徴とする。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の振動発電素子において、立体型可動櫛歯電極の櫛歯内部の絶縁体は絶縁性の構造体および/または絶縁性ガスであり、絶縁性の構造体は、立体型可動櫛歯電極の各々の櫛歯の剛性を補強する構造であることを特徴とする。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動発電素子において、立体型可動櫛歯電極は下部に錘が設けられていることを特徴とする。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動発電素子において、記振動発電素子は全面に渡り撥水性の膜が形成されていることを特徴とする。
(9)請求項9に記載の発明は、 請求項7に記載の振動発電素子の製造方法であって、基板Si層と、この基板Si層の上に設けられたSiO絶縁層と、SiO絶縁層の上に設けられたドーピングされた低抵抗のデバイスSi層からなるSOIウェハを準備する第1の工程と、デバイスSi層に、可動櫛歯電極の櫛歯を含む可動櫛歯電極の上部と、固定櫛歯電極の櫛歯を含む固定櫛歯電極の上部とを形成する第2の工程と、基板Si層に、可動櫛歯電極の錘を含む可動櫛歯電極の下部と、固定櫛歯電極の支持部を含む固定櫛歯電極の下部とを形成する第3の工程と、櫛歯電極櫛歯部の内部に空洞を形成する第4の工程と、第4の工程の前に、振動発電素子のSi層(デバイスSi層および基板Si層)が露出している部分の表面に、アルカリイオンを含むSiO層を形成する第5の工程を含むことを特徴とする振動発電素子の製造方法である。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の振動発電素子の製造方法において、第5の工程はアルカリイオンを含む水蒸気雰囲気で振動発電素子を加熱するウェット酸化で行われることを特徴とする。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の振動発電素子の製造方法において、アルカリイオンはK+イオンまたはNa+イオンであることを特徴とする。
本発明によるエレクトレット膜の構造を備えた櫛歯電極を用いて、高出力の発電機を製造することができる。また、本発明によるエレクトレット膜を立体的な櫛歯電極の表面に形成することにより、高出力で小型の発電機を製造することができる。
本発明による振動発電素子を作製するためのSOIウェハを準備する工程(工程1−1)を説明する図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)を形成する工程1−2を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程1−3を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程1−4を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程1−5を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程1−6を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程1−7を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の下部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の下部)を形成するための準備を行う工程1−8を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の下部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の下部)を形成する工程1−9を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の下部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の下部)を形成する工程1−10を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の可動櫛歯電極および固定櫛歯電極を形成する工程1−11を説明するための図である。本工程で可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の概略構造が形成され分離される。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の表面にK+イオンを含むSiO層を形成する工程1−12を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の可動櫛歯電極の櫛歯部に空洞の構造を形成する工程1−13を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の可動櫛歯電極の櫛歯部に空洞の構造を形成する際に、出力用の電極パッドが損傷されないように保護膜を形成する工程1−14を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の可動櫛歯電極の櫛歯部に空洞の構造を形成する工程1−15を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第1の実施形態の可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の出力用電極パッドを形成する工程1−16を説明するための図である。本図で示す振動発電素子は、第1の実施形態の最終形であるが、さらに変形実施例で説明する加工を追加で行う。 図1Lまたは図3Jに示す加工中のウェハ(振動発電素子)表面にアルカリイオン(ここではK+イオン)を含むSiO層を形成するために用いるウェット酸化法の概略図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程2−3を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程2−4を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程2−5を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程2−6を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の上部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の上部)の櫛歯構造を形成する工程2−7を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の下部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の下部)を形成するための準備を行う工程2−8を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の下部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の下部)を形成する工程2−9を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の下部(可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の下部)を形成する工程2−10を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の可動櫛歯電極および固定櫛歯電極を形成する工程2−11を説明するための図である。本工程で可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の概略構造が形成され分離される。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の表面にアルカリイオン(ここではK+イオン)を含むSiO層を形成する工程2−12を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の出力用電極パッドを形成するための準備工程2−14を説明するための図である。 本発明による振動発電素子の第2の実施形態の可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の出力用電極パッドを形成する工程2−14を説明するための図である。本図で示す振動発電素子は、第2の実施形態の最終形であるが、さらに変形実施例で説明する加工を追加で行う。 第1の実施形態の変形例1(工程1−15A1)であり、可動櫛歯電極櫛歯部の剛性を高めるために櫛歯部の空洞に硬化する絶縁物質としてレジストを用いる場合の工程を説明する図である。ここではレジストが空洞に注入されているがまだ硬化していない。この工程は工程1−15のあとで行われる。 図4Aで可動櫛歯電極櫛歯部の空洞に注入されたレジストが硬化された(工程1−15A2)状態を示す図である。 第1の実施形態の変形例2(工程1−15B1)であり、可動櫛歯電極櫛歯部の剛性を高めるために櫛歯部の空洞に封入する絶縁物質として熱可塑性樹脂を用いる場合の工程を説明する図である。ここでは熱可塑性樹脂の粉末が空洞に注入されている。 図5Aで櫛歯部の空洞に封入した熱可塑性樹脂の粉末が過熱・冷却され熱可塑性樹脂の固形物となった(工程1−15B2)状態を示す図である。 第2の実施形態の変形例であり、可動櫛歯電極櫛歯部の剛性を高めるために櫛歯部の中空部に構造体を形成する処理を説明する図である。ここではこの構造体を形成するための櫛歯電極構造を形成するレジストパターン作製の工程(工程2−5の変形である2−5A)を示す。 図6Aのレジストパターンで形成された第2の実施形態の最終形態の可動櫛歯電極の形状(工程2−14の変形である2−14A)を示す図である。 本発明による振動発電素子の動作を説明するための図である。なお実施形態1の振動発電素子を引用して説明している。
本発明による振動発電素子は、図7に示すような概略構造を有し、固定櫛歯電極とエレクトレット電極として機能する可動櫛歯電極との相対位置が変化することにより発電を行う。以下、図1〜図6を参照して、本発明によるエレクトレット電極の構造とその形成方法、さらにこのエレクトレット電極を備えた発電機の構造について説明する。なお、以下の説明では、例えば同じエレクトレット電極の部位であって、同じ名称であっても、製造プロセスの段階で状態が変わるものは、別の参照番号を付与して説明している。
<第1の実施形態>
図1A〜Pおよび図2を参照して、本発明による振動発電素子の第1の実施形態である、櫛歯電極構造1の形成方法について説明する。
(工程1−1)
まず、図1Aに示すように、デバイスSi層2、基板Si層4およびこれらの間にSiO絶縁層(BOX層)3を備えたSOIウェハ基板1を準備する。各層の厚さは、たとえばデバイスSi層2は5〜100μm、BOX層3は0.5〜5μm、基板Si層は300〜500μmである。
デバイスSi層2は、たとえば<100>方位で形成されており、たとえばリン等をドーピングして、抵抗率が0.1Ωcm以下となるようにしたn型Si層を用いることが好ましい。これは、後述するように、振動発電素子の出力を取り出すために、このn型Si層とオーミック接触する電極パッドを形成するためである。なお、このドーピングは抵抗率を下げる目的であり、リン以外をドーピングしてもよく、したがってp型Si層であっても構わない。
また、以下の説明で参照している図面では、全て振動発電素子1個分に相当する部分を示している。実際は図面で説明するように、振動発電素子の電極や、これを形成するためのレジストのパターンが複数個ウェハ基板上に形成されている。
(工程1−2)
次に、SOIウェハ基板1のデバイスSi層2の上に、30〜150nmの厚さのSiN膜5を成膜する(図1B参照)。このSiN膜5は、櫛歯電極の形成のために、さらにパターニングされる(後述)。成膜方法としては、たとえばLP−CVDやPE−CVDが用いられるがこれらに限定するものではない。
(工程1−3)
上記のSiN膜5の上にたとえばポジ型レジストを全面に塗布し、これを露光・現像し、露光された部分のレジスト除去を行って図1Cに示すような可動櫛歯電極形成用レジストパターン6を形成する(図1C)。この際、完成した振動発電素子に配線するための、可動櫛歯電極接続パッドおよび固定櫛歯電極接続パッドそれぞれの形成用のレジストパターン7、8も一緒に形成しておく。
(工程1−4)
図1Cの状態のウェハを、たとえば炭化水素系のガスを用いてRIE処理し、SiN膜5を除去する。さらに、レジスト剥離液に浸けて残っているレジストパターン6、7、8を除去すると、図1Dに示すように、可動櫛歯電極形成用のSiNパターン9が形成される。
(工程1−5)
次に可動櫛歯電極および固定櫛歯電極形成用のレジストパターンを形成する(図1E)。図1Dの状態のウェハ上面に全面に渡ってたとえばポジ型レジストを塗布する。 露光・現像後、露光された部分のレジスト除去を行い、図1Eに示すような可動櫛歯電極形成用レジストパターン12と固定櫛歯電極形成用レジストパターン13を形成する。
なお、この工程1−5でのレジストパターンで可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の基本形状が決定されている。
(工程1−6)
図1Eの状態のウェハをたとえばICP−RIE処理し、デバイスSi層2をエッチングする。この際、レジストパターン12で覆われていない部分の可動櫛歯電極形成用SiNパターン9もエッチングされ、図1Fに示すような形状の可動櫛歯電極形成用SiNパターン14となる。
なお、ICP−RIEでのエッチングではBOX層3のエッチング速度が遅いので、デバイスSi層2と可動櫛歯電極形成用SiNパターン9の一部のみがエッチングされ、BOX層3がウェハ上面から見える状態となったらエッチングを終了する。
(工程1−7)
図1Fの状態のウェハをレジスト剥離液に浸け、超音波洗浄等も用いてレジストパターン12、13を除去すると図1Gの状態となる。
この状態では、可動櫛歯電極の櫛歯部を加工するため、および可動櫛歯電極接続パッドと固定櫛歯電極接続パッドを形成するための、それぞれのSiNパターン14、10、11が残っている。
(工程1−8)
次に図1Gの状態のウェハの上面に全面に渡ってたとえばスパッタリングを用いて保護用のアルミニウム膜17を形成する(図1H)。この後ウェハの下面側の処理が行われるが、この際上面側が影響を受けないようにアルミニウム膜17により保護するためである。
(工程1−9)
これから振動発電素子の櫛歯電極下側部分を形成するために、ウェハ下面側の加工を行う。
図1Hの状態のウェハを上下反転し、可動櫛歯電極および固定櫛歯電極それぞれの下部を形成するためのレジストパターンを形成する。まず、たとえばポジ型レジストを全面に渡って塗布し、露光・現像して図1Iに示すような、可動櫛歯電極下部(錘)形成用レジストパターン18と固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)形成用レジストパターン19を形成する。
(工程1−10)
図1Iの状態のウェハで、厚い基板Si層をICP−RIEを用いてエッチングし、可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の下部を形成する(図1J)。
(工程1−11)
続いてSPM洗浄により可動櫛歯電極下部(錘)形成用レジストパターン18と固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)形成用レジストパターン19およびアルミニウム膜17を除去する。アッシングを用いてレジストパターン18、19を除去する場合は、アルミニウム膜17は別工程、たとえば混酸などを用いて除去する。
さらに緩衝フッ酸溶液を用いたウェットエッチング、あるいはHF蒸気を用いたドライエッチング等でBOX層3を除去し、図1Kに示すように、可動櫛歯電極下部(錘)20と固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)21を形成し、振動発電素子の原型を形成する。
BOX層3は本工程により、可動櫛歯電極および固定櫛歯電極それぞれの上下部分の接続部分を除き除去される。
なお、本工程でウェハ基板として当初からあった全体に共通な構造がなくなり、この工程以降デバイス全体をウェハでなく振動発電素子と呼称する。ただし、図1Kに示す振動発電素子は1つのウェハで複数個形成されているので、実際は振動発電素子が複数個結合されたウェハ状の形態で以降も加工される。
(工程1−12)
図1L以降では、振動発電素子が再度上下左右反転されて、図1A〜Hと同様に正立状態となっている。
この工程では、図1Kに示す状態の振動発電素子が、ウェット酸化(後述)によって、図1Lに示すように、その露出しているSi部分の表面がSiOに酸化されてSiO膜が形成されるとともに、たとえばK+イオンのようなアルカリイオンがこのSiO膜に注入される。このSiO膜はたとえば2μm程度となるようにする。
なお、SiNパターンが残っている、可動櫛歯電極櫛歯形成用SiNパターン14、可動櫛歯電極接続パッド形成用SiNパターン10、固定櫛歯電極接続パッド形成用SiNパターン11に覆われたSi部分は酸化されず、それぞれ以降の工程で加工される。
(工程1−13)
この工程では、SiNが残っている上記のパターン14、10、11が、たとえばリン酸水溶液等を用いたウェットエッチングにより除去され、図1A〜EのデバイスSi層に相当する部分(図1M中の可動櫛歯電極Si露出部28)が露出される。図1Mに示すように、これらのSi層が露出されている部分は、参照番号28〜30で示される部分である。
(工程1−14)
この工程では次の工程で行われるSi部分のエッチングで、可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の接続パッドがエッチングされないように、保護用のアルミニウム膜を形成する。図1Nに示すように、可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の接続パッドの上にそれぞれ、可動櫛歯電極接続パッド形成用および固定櫛歯電極接続パッド形成用のアルミニウム保護膜31、32が形成されている(図1N)。なお、このアルミニウム保護膜の形成は、接続パッドの周囲を含むような開口をもったステンシルマスクを用いスパッタリング等によって行われる。
(工程1−15)
図1Nの状態の振動発電素子をICP−RIEを用いてエッチングする。これにより、Si部分が露出している可動櫛歯電極のSi露出部分28(図1M参照)が垂直な方向に除去され、開口部34を備える空洞の櫛歯部33が形成される(図1O)。この櫛歯部33では、工程1−12のウェット酸化で形成されたSiO層が残されている。この櫛歯部33のSiO層がエレクトレットとして機能する。
(工程1−16)
図1Oに示す状態の振動発電素子において、可動櫛歯電極の接続パッドのアルミニウム保護膜を除去し、この接続パッドにワイヤボンディングできるように加工する。具体的には、アルミニウム保護膜を除去し、露出されたSi部分にCr/Ni/Auの3層からなる層を形成する。Cr層がSi部分と密着し、Au層にワイヤボンディングが接着する。
以上で本発明による振動発電素子100の第1の実施形態である櫛歯電極構造1の形成が完了となる(図1P)。本発明による振動発電素子の櫛歯電極は、立体型の櫛歯電極となっているので、エレクトレットとして機能するアルカリイオン(K+イオン)を含んだSiO層の面積を櫛歯電極で大きくすることができ、振動発電素子の出力を大きくすることができる。
なお、図1Oおよび図1Pで可動櫛歯電極24の一部を参照番号24aで示してあるが、この部分は可動櫛歯電極を支持するバネ性のサポート部である。またこの可動櫛歯電極サポート部24aの一部に可動櫛歯電極接続パッド35が形成されている。
(アルカリイオンのSiO層への拡散方法)
図2は、図1Lを参照して説明した上記の工程1−12での、アルカリイオン(K+イオン)を注入したSiO層の形成方法の原理を簡単に示したものであり、いわゆるウェット酸化方法と呼ばれる方法である。
K+イオンを注入したSiO層を形成する場合は、純水にKOHを溶解した水溶液41にNガスを通過させ、このNガスにK+イオンを含んだ水蒸気を含有させる。この水蒸気を加熱炉42に流し、この加熱炉内に設置したSiウェハ基板44上に、K+イオンを含んだSiO層を形成させる。
K+イオンなどのアルカリイオンがSiO層に取り込まれるのは、SiOの表面に存在するOH基が寄与していると思われる。とりわけ本発明で用いるウェットエッチングでは、Si層に形成されるSiO表面にOH基が多量に存在し、このOH基と結合するようにアルカリイオンが効率良く取り込まれると推測される。
なお、K+イオン以外のアルカリイオンを用いてエレクトレット電極として動作するSiO層を形成することができる。たとえばNa+イオンを注入したSiO層を形成する場合は、KOHの水溶液の代わりにNaOHの水溶液を用いればよい。
<第2の実施形態>
第2の実施形態も本発明による振動発電素子の櫛歯電極構造(櫛歯電極構造1)である。この櫛歯電極構造の形成方法を図3A〜Lを参照して説明する。
第1の実施形態と異なるのは、図1O、Pに示す可動櫛歯電極の櫛歯部33にSiOの底部が無く、貫通孔の形状を呈していることである。第1の実施形態と比較し、SiOの底部が無いことにより櫛歯部分が変形する場合があるが、製造は簡単となる。なお、変形を防ぐための構造上の工夫は、後述の変形例で説明する。
第2の実施形態の振動発電素子の形成方法が第1の実施形態と異なるのは、第1の実施形態で説明した工程1−3以降であり、以下の説明では第2の実施形態の振動発電素子の形成方法の工程2−3以降について説明する。工程2−1と2−2はそれぞれ第1の実施形態での工程1−1、1−2と同じである。したがって、工程2−3以降での加工されるウェハ部位については、実施形態1と同等な部位であっても異なる参照番号を付して説明する。
(工程2−3)
第1の実施形態で説明した図1Bの状態のウェハのSiN膜5の上にたとえばポジ型レジストを全面に塗布し、これを露光・現像し、露光された部分のレジスト除去を行って図3Aに示すような、完成した振動発電素子に配線するための、可動櫛歯電極接続パッドおよび固定櫛歯電極接続パッドそれぞれの形成用のレジストパターン51、52を形成する。
(工程2−4)
図3Aの状態のウェハを、たとえば炭化水素系のガスを用いてRIE処理し、SiN膜5を除去する。さらに、レジスト剥離液に浸けて残っているレジストパターン7、8を除去すると、図3Bに示すように、可動櫛歯電極接続パッドおよび固定櫛歯電極接続パッド形成用のSiNパターン53、54が形成される。
(工程2−5)
次に可動櫛歯電極および固定櫛歯電極形成用のレジストパターンを形成する(図3C)。図3Bの状態のウェハ上面に全面に渡ってたとえばポジ型レジストを塗布する。 露光・現像後、露光された部分のレジスト除去を行い、図3Cに示すような可動櫛歯電極形成用レジストパターン55と固定櫛歯電極形成用レジストパターン56を形成する。
なお、この工程2−5でのレジストパターン55、56で可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の基本形状が決定されている。
(工程2−6)
図3Cの状態のウェハをたとえばICP−RIE処理し、デバイスSi層2をエッチングし、図3Dに示すように、ウェハ上面から見てレジストパターン55、56と同じ形状の可動櫛歯電極上部57および固定櫛歯電極上部58が形成される(図3E参照)。
なお、ICP−RIEでのエッチングではBOX層3のエッチング速度が遅いので、デバイスSi層2がエッチングされ、BOX層3がウェハ上面から見える状態となったらエッチングを終了する。
(工程2−7)
図3Dの状態のウェハをレジスト剥離液に浸け、超音波洗浄等も用いてレジストパターン55、56を除去すると図3Eの状態となる。
なお、この状態では、可動櫛歯電極接続パッドと固定櫛歯電極接続パッドを形成するための、それぞれのSiNパターン53、54が残っている。
(工程2−8)
次に図3Eの状態のウェハの上面に全面に渡ってたとえばスパッタリングを用いて保護用のアルミニウム膜59を形成する(図3F)。この後ウェハの下面側の処理が行われるが、この際アルミニウム膜59により上面側が影響を受けないように保護される。
(工程2−9)
これから振動発電素子の櫛歯電極下側部分を形成するために、ウェハ下面側の加工を行う。
図3Fの状態のウェハを上下反転し、可動櫛歯電極および固定櫛歯電極それぞれの下部を形成するためのレジストパターンを形成する。まず、たとえばポジ型レジストを全面に渡って塗布し、露光・現像して図3Gに示すような、可動櫛歯電極下部(錘)形成用レジストパターン61と固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)形成用レジストパターン62を形成する。
(工程2−10)
図3Gの状態のウェハで、厚い基板Si層をICP−RIEを用いてエッチングし、可動櫛歯電極および固定櫛歯電極の下部を形成する(図3H)。
(工程2−11)
続いてSPM洗浄により可動櫛歯電極下部(錘)形成用レジストパターン61と固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)形成用レジストパターン62およびアルミニウム膜59を除去する。アッシングを用いてレジストパターン61、62を除去する場合は、アルミニウム膜59は別工程、たとえば混酸などを用いて除去する。
さらに緩衝フッ酸溶液を用いたウェットエッチング、あるいはHF蒸気を用いたドライエッチング等でBOX層3を除去し、図3Iに示すように、可動櫛歯電極下部(錘)63と固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)64を形成し、振動発電素子の原型を形成する。
BOX層3は本工程により、可動櫛歯電極および固定櫛歯電極それぞれの上下部分の接続部分を除き除去される。
なお、本工程でウェハ基板として当初からあった全体に共通な構造がなくなり、この工程以降個々のデバイスを振動発電素子と呼称する。ただし、図3Iに示す振動発電素子は1つのウェハで複数個形成されているので、実際は振動発電素子が複数個結合されたウェハ状の形態で以降も加工されるので、全体としてはウェハ形状となっている。
(工程2−12)
図3J以降では、振動発電素子が再度上下左右反転されて、図3A〜Fと同様に正立状態となっている。
この工程では、図3Iに示す状態の振動発電素子が、前述のウェット酸化によって、図3Jに示すように、その露出しているSi部分の表面がSiOに酸化されてSiO膜が形成されるとともに、たとえばK+イオンのようなアルカリイオンがこのSiO膜に注入される。このSiO膜はたとえば2μm程度となるようにする。
なお、SiNパターンが残っている、可動櫛歯電極接続パッド形成用SiNパターン53、固定櫛歯電極接続パッド形成用SiNパターン54で覆われたSi部分は酸化されず、それぞれ以降の工程で加工される。
(工程2−13)
この工程では、SiNが残っている上記のパターン53、54が、たとえばリン酸水溶液等を用いたウェットエッチングにより除去され、デバイスSi層の残りの部分が露出している、可動櫛歯電極接続パッド部71と固定櫛歯電極接続パッド部72が露出される(図3K)。
(工程2−14)
図3Kに示す状態の振動発電素子において、接続パッド部71、72にワイヤボンディングできるように、Cr/Ni/Auの3層からなる層を形成し、それぞれ可動櫛歯電極接続パッド74、固定櫛歯電極接続パッド75とする(図3L)。Cr層がSi部分と密着し、Au層にワイヤボンディングが接着する。
以上で本発明による振動発電素子100の第2の実施形態である櫛歯電極構造1の形成が完了となる。この第2の実施形態においても、振動発電素子の櫛歯電極は、立体型の櫛歯電極となっているので、エレクトレットとして機能するK+イオンを含んだSiO層の面積を櫛歯電極で大きくすることができ、振動発電素子の出力を大きくすることができる。
なお、図3Kおよび図3Lで可動櫛歯電極67の一部を参照番号67aで示してあるが、この部分は可動櫛歯電極67を支持するバネ性のサポート部である。またこの可動櫛歯電極サポート部67aの一部に可動櫛歯電極接続パッド73が形成されている。
<第1の実施形態の変形実施例1>
第1の実施形態の可動櫛歯電極櫛歯部33は、その底部にもSiO層が形成されているので、第2の実施形態の可動櫛歯電極櫛歯部75と比較して剛性が高いが、振動発電素子の上面側は開放状態となっており、変形する可能性がある。工程1−15(図1O)で説明した、可動櫛歯電極櫛歯部33でデバイスSi部が除去され、空洞となった櫛歯部33に絶縁体を注入して強度を高めることが可能である。
図4A、4Bを参照して第1の実施形態の櫛歯部33に絶縁体を注入して剛性を高めた構造およびこの形成方法を説明する。
図1O(工程1−15A1)または図1P(工程1−15A2)に示す、第1の実施形態の可動櫛歯電極櫛歯部33の開口部34(図1M参照)に合わせた開口部81を備えるステンシルマスク80を準備し、振動発電素子1の上面に設置する。前述のように、振動発電素子は多数形成されてウェハ状になっており、このウェハ状の振動発電素子全体をレジストに浸せるような深さのトレイに設置する。ネガ型レジストをトレイに注ぎ入れ、櫛歯部33の空洞部にもネガ型レジストを注入する工程1−15A1)。
この状態でステンシルマスクの上から露光し、加熱等により櫛歯部33に注入されたレジストを硬化させる。その後ウェハ状の振動発電素子を洗浄する(工程1−15A2)。櫛歯部33の空洞部分には硬化したレジスト83が残り、これにより剛性が高くなった可動櫛歯電極櫛歯部84が形成される。
<第1の実施形態の変形実施例2>
本変形実施例も第1の実施形態の可動櫛歯電極櫛歯部33の剛性の補強構造及びこの形成方法である。上記の変形実施例1と同様のステンシルマスクを用いるが、レジストは用いず、したがって露光・現像も行わない。図5Aに示すように、図1O(工程1−15B1)または図1P(工程1−15B2)に示す、第1の実施形態の可動櫛歯電極櫛歯部33の開口部34(図1M参照)に合わせた開口部81を備えるステンシルマスク80を準備し、振動発電素子1の上面に設置する。このステンシルマスク80の開口部81から、空洞となっている可動櫛歯電極33の櫛歯部に粉末状の熱可塑性樹脂85を充填する(工程1−15B1)。
この後、ウェハ状の振動発電素子全体を加熱し、粉末状の熱可塑性樹脂85を少なくとも部分的に融解して、冷却し、この熱可塑性樹脂の構造体で内部が満たされた可動櫛歯電極の櫛歯部88を形成する(工程1−15B2)。
<第2の実施形態の変形実施例>
本変形実施例は、前述の第2の実施形態での可動櫛歯電極の櫛歯部75(図3K、3L参照)の剛性を高める構造とその形成方法である。図3Kあるいは3Lに示す櫛歯部75の個々の櫛歯は中空の構造となっているが、本変形実施例では、この中空部分に剛性を高めるような構造体をプロセスによって形成している。具体的には、図6Bに示すように(可動櫛歯電極櫛歯部93)、図3Kあるいは3Lの上面図a)で個々の櫛歯において相対する2つの長辺となっている面の間にこれらの面を結合する1つ以上の構造体を形成する。図6Bの例では複数の柱状の構造体が並行に相対する面の間に形成されているが、トラス状の構造体を上記の櫛歯部75の中空部分に形成してもよい。
図6Bに示すような可動櫛歯電極櫛歯部93を形成するため、前記の工程2−5A(図3−C)での可動櫛歯電極形成用レジストパターン55、56を、図6Aに示すような可動櫛歯電極形成用レジストパターン91、92とする。このようなレジストパターン91、92を用いて前述の実施形態2の製造プロセスを実施することにより、図6Bに示すような最終形態の可動櫛歯電極の櫛歯部93を備えた振動発電素子(工程2−14A)を製造することができる。
なお、このように形成された可動櫛歯電極の櫛歯部93内部の構造体にも、図2を参照して説明した前述のウェット酸化を用いてK+イオンが注入されたSiO層が形成されている。また、櫛歯部93の構造体以外の中空部分は、空気や窒素あるいは他の絶縁性ガスで満たされている。あるいは、さらに、上記の第1の実施形態の変形実施例で説明したような絶縁性物質を充填してもよい。
<エレクトレット電極の保護膜形成>
上記で説明した実施形態1、2およびこれらの変形実施例で作製した振動発電素子の櫛歯電極にはK+イオンが注入されたSiO2層が形成されているが、この櫛歯電極を長時間空気中に曝すと、空気中の水分とK+イオンが反応して次第に中和され、エレクトレットとしての機能が低下する。
このようなK+イオンの中和を防ぐためには、SiO層の表面をさらに撥水性の皮膜で覆うことが望ましい。
このような撥水性皮膜はたとえば特開2008−110436号公報で記載されているような化学吸着単分子膜を用いてもよい。SiO層の上には、たとえばフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基とを主成分とする物質を用いて、化学吸着単分子膜を容易に形成することができる。
複数の振動発電素子がウェハ状になっているものを、チャンバ内に収容し、このチャンバ内に化学吸着単分子膜を形成する上記物質の蒸気を導入する。SiO膜は、この蒸気に曝されるとその表面上に化学吸着単分子膜が形成される。
この化学吸着単分子膜は上記物質の蒸気によって形成されるため、本発明による振動発電素子の可動櫛歯電極の中空の構造の内部にも化学吸着単分子膜が形成され、K+イオンの中和を防ぐことができる。
上述した化学吸着単分子膜を形成する物質である、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基とを主成分とするものとしては、CF(CF)n(CH)2Si(OA),[CF(CF(CH]2Si(OA),あるいは[CF(CF(CH]3SiOA(nは整数、Aはメチル基、エチル基、プロピル基等の短鎖アルキル基)があげられる。具体的には、CFCHO(CH)15Si(OCH)3、CF(CH)2Si(CH(CH)15Si(OCHなどがある。
(振動発電素子の動作概略)
図7を参照して本発明によるエレクトレット電極を備えた振動発電素子100の動作を簡単に説明する。なお、図7は前述の実施形態1に基づいており(図1P参照)、参照番号も実施形態1と同じ部分は同じ参照番号としている。
以上で説明したように、本発明による振動発電素子100は、立体的な固定櫛歯電極25と、この固定櫛歯電極25に対向して差し込まれる立体的な可動櫛歯電極24とを備え、この立体的な可動櫛歯電極24の櫛歯部33の各々の櫛歯は空洞となっているか、またはこの空洞部に絶縁物質が充填されており、櫛歯の外面にはK+などのアルカリイオンが注入されたSiO層が形成されている。このアルカリイオンが注入されたSiO層がエレクトレットとして機能する。あるいは、空洞となっている場合には内部に空気や窒素あるいは他の絶縁ガスからなる絶縁物質が入っている場合であると考えてもよいので、本発明による振動発電素子100においては、外面にエレクトレットの機能を持つSiO層と、内部に絶縁物質が充填された構造とを持つ立体的な可動櫛歯電極とを備える。
また、前述の実施形態2の変形実施例のように、可動櫛歯電極67の櫛歯部73の中空部に補強用の構造体を備える場合であっても、この構造体は、上記で説明した製造プロセスで表面が酸化されたSiO2層を備えるとともに、この構造体の内部に導電性のSiが残っている場合であっても、電気回路的に絶縁されているので、この構造体も絶縁体あるいはエレクトレット電極の機能を持つ可動櫛歯電極67の一部であるとみなして差し支えない。
さらには、絶縁ガスが充填されず、真空状態であっても差し支えないので、便宜上真空も充填用の絶縁体と見做す。
このように、櫛歯内部に絶縁物質を充填するのは、可動櫛歯電極の櫛歯の外面に形成された電荷(ここではK+イオンなどのアルカリイオン)が生成する電気力線は、周囲が均一な絶縁物質であれば、電荷から外向きに空間的に等方に生成されるが、電荷の近くに導電体が存在する場合はこの導電体に向かって電気力線が集中することによる。
本発明による振動発電素子の可動櫛歯電極では、エレクトレットとなっている櫛歯の近傍では、可動櫛歯電極の導電性のあるSiが除去され、代わりに絶縁体が充填されている。また、本発明による振動発電素子の場合では固定櫛歯電極の内部はドーピングされて導電性のあるSiで構成されている。したがって、図7のように可動櫛歯電極24が固定櫛歯電極25に差し込まれると、可動櫛歯電極のエレクトレットの電気力線はこの固定櫛歯電極に向かうことになる。可動櫛歯電極24が固定櫛歯電極25に深く差し込まれるほど、可動櫛歯電極24で生成する多くの電気力線は固定櫛歯電極25に向かうことになる。
これは言い換えれば、可動櫛歯電極24が固定櫛歯電極25に深く差し込まれるほど、固定櫛歯電極内部のSi部分に負の電荷が多く生成されることである。したがって、可動櫛歯電極24と固定櫛歯電極25相対位置が変化すると、固定櫛歯電極内部のSi部分に生成される負電荷の量が変化することになり、したがってこの相対位置の変化により電流が流れ発電されることになる。
図7は振動発電素子100を電圧出力素子として使用する場合を示す。可動櫛歯電極接続パッド34と固定櫛歯電極接続パッド35の間には出力抵抗200が接続され、この出力抵抗200の両端の電圧が、振動発電素子100の出力電圧として出力される。なお、出力を電流として利用する場合は、例えば出力抵抗200の代わりに、整流回路を接続し、さらに整流後のDC電流を蓄えるコンデンサを用いる。
振動発電素子100に外部から振動が印加されると、バネ性を持った可動櫛歯電極サポート部24aに支持された可動櫛歯電極24は、その下部に設けられた錘の部分26と共に慣性によって、外部振動に対して移動しにくい。つまり、可動櫛歯電極24と固定櫛歯電極25の相対的位置が変化する。
前述のように、可動櫛歯電極24の表面のSiO2層はK+イオンを含んだエレクトレット層となっている。また、固定櫛歯電極内部は前述のように、たとえばリン等がドーピングされて導通性のあるSiで構成されている。可動櫛歯電極24と固定櫛歯電極25の相対的位置が変化すると、この固定櫛歯電極内部のSi部分の可動櫛歯電極24に対向する面積が変化し、このSi部分に誘起される電荷量が変化する。これにより、可動櫛歯電極24と固定櫛歯電極25の相対的位置の変化に対応して出力抵抗200に電流が流れ、この抵抗200で生じる電圧が変化する。
なお、上記の実施形態では、エレクトレット電極を形成するためのイオンとしてK+イオンを使用した例を説明したが、K+イオン以外の正イオンであっても本発明によるエレクトレット膜の構造を用いることができる。ただし、上記で図2を参照して説明したウェット酸化では、水溶液とした場合に容易にイオン化するので、アルカリ元素イオンを用いることが好ましい。
以上で説明した、本発明による振動発電素子の製造方法は、実施形態1および2で共通して以下のようにまとめることができる。
1)第1の工程
基板Si層と、この基板Si層の上に設けられたSiO絶縁層と、このSiO絶縁層の上に設けられたドーピングした低抵抗のデバイスSi層からなるSOIウェハを準備する(図1A)。
2)第2の工程
デバイスSi層に、可動櫛歯電極の櫛歯を含む可動櫛歯電極の上部と、固定櫛歯電極の櫛歯を含む固定櫛歯電極の上部とを形成する(図1B〜1G、および図3A〜3Bと図3E)。
3)第3の工程
基板Si層に、可動櫛歯電極の錘を含む可動櫛歯電極の下部と、固定櫛歯電極の支持部を含む固定櫛歯電極の下部とを形成する(図1H〜1J、および図3F〜3H)。
4)第4の工程
櫛歯電極櫛歯部の内部に空洞を形成する(図1M〜1N、および図3C〜3D)。
5)第5の工程
第4の工程の前に、振動発電素子のSi層(デバイスSi層および基板Si層)が露出している部分の表面に、アルカリイオンを含むSiO層を形成する(図1L、および図3J、および図2)
6)第6の工程
振動発電素子の出力を取り出すための、可動櫛歯電極接続パッドと固定櫛歯電極接続パッドを形成する(図1B〜1Gと図1N〜1P、および図3Eと図3K〜3L)。
実施形態の1と2とでは、アルカリイオンを含むSiO層をウェット酸化で形成する工程の順番が異なっているが、概ね以上のような工程に大きく分けることができる。
なお、本発明による振動発電素子は様々な装置に使用することができる。たとえば、マイクロフォン、小型スピーカー、などのトランスデューサーや時計用の発電素子などとして応用が可能である。
以上の説明は本発明の実施形態の例であり、本発明はこれらの実施形態や実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の特徴を損なわずに様々な変形実施が可能である。
1・・・SOIウェハ基板
2・・・デバイスSi層
3・・・SiO絶縁層(BOX層)
4・・・基板Si層
5・・・SiN
6・・・可動櫛歯電極形成用レジストパターン
7、51・・・可動櫛歯電極接続パッド形成用レジストパターン
8、52・・・固定櫛歯電極接続パッド形成用レジストパターン
9・・・可動櫛歯電極形成用SiNパターン
10、53・・・可動櫛歯電極接続パッド形成用SiNパターン
11、54・・・固定櫛歯電極接続パッド形成用SiNパターン
12、55・・・可動櫛歯電極形成用レジストパターン
13、56・・・固定櫛歯電極形成用レジストパターン
14・・・可動櫛歯電極形成用SiNパターン
15、57・・・可動櫛歯電極上部
16、58・・・固定櫛歯電極上部(デバイスSi層)
17、59・・・アルミニウム膜
18、61・・・可動櫛歯電極下部(錘)形成用レジストパターン
19、62・・・固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)形成用レジストパターン
20、63・・・可動櫛歯電極下部(錘)
21、64・・・固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)
22、65・・・可動櫛歯電極上下接続部
23、66・・・固定櫛歯電極上下接続部
24、67・・・可動櫛歯電極上部
25、68・・・固定櫛歯電極上部
26、69・・・可動櫛歯電極下部(錘)
27、70・・・固定櫛歯電極下部(振動発電素子サポート枠)
28・・・可動櫛歯電極Si露出部
29、71・・・可動櫛歯電極接続パッド部(Si露出部)
30、72・・・固定櫛歯電極接続パッド部(Si露出部)
31・・・可動櫛歯電極接続パッド形成用アルミニウム保護膜
32・・・固定櫛歯電極接続パッド形成用アルミニウム保護膜
33・・・可動櫛歯電極櫛歯部
34、73・・・開口部(可動櫛歯電極櫛歯部)
35、74・・・可動櫛歯電極接続パッド
36、75・・・固定櫛歯電極接続パッド
40・・・Nガス
41・・・水酸化カリウム溶液
42・・・加熱炉
43・・・ヒーター
44・・・振動発電素子ウェハ基板
80・・・ステンシルマスク
81・・・ステンシルマスク開口部
82・・・レジスト
83・・・硬化レジスト
84・・・可動櫛歯電極櫛歯部
85・・・熱可塑性樹脂(粉末)
87・・・熱可塑性樹脂(加熱後)
88・・・可動櫛歯電極櫛歯部
91・・・可動櫛歯電極形成用レジストパターン
92・・・固定櫛歯電極形成用レジストパターン

Claims (11)

  1. 内部が絶縁体で満たされ、外面にアルカリイオンが注入されたSiO層が設けられた複数の櫛歯を備える立体型可動櫛歯電極と、当該立体型可動櫛歯電極と対向し、当該立体型可動櫛歯電極が差し込まれるように配置された、内部がドーピングされた低抵抗のSiから構成される複数の櫛歯が設けられた固定型櫛歯電極とを備えたことを特徴とする振動発電素子。
  2. 請求項1に記載の振動発電素子において、
    前記アルカリイオンは、K+イオンまたはNa+イオンであることを特徴とする振動発電素子。
  3. 請求項1または2に記載の振動発電素子において、
    前記立体型可動櫛歯電極の櫛歯内部の絶縁体は熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする振動発電素子。
  4. 請求項1または2に記載の振動発電素子において、
    前記立体型可動櫛歯電極の櫛歯内部の絶縁体は絶縁性ガスであることを特徴とする振動発電素子。
  5. 請求項1または2に記載の振動発電素子において、
    前記立体型可動櫛歯電極の櫛歯内部の絶縁体は硬化したネガ型レジストであることを特徴とする振動発電素子。
  6. 請求項1または2に記載の振動発電素子において、
    前記立体型可動櫛歯電極の櫛歯内部の絶縁体は絶縁性の構造体および/または絶縁性ガスであり、前記絶縁性の構造体は、前記立体型可動櫛歯電極の各々の櫛歯の剛性を補強する構造であることを特徴とする振動発電素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動発電素子において、
    前記立体型可動櫛歯電極は下部に錘が設けられていることを特徴とする振動発電素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動発電素子において、
    前記振動発電素子は全面に渡り撥水性の膜が形成されていることを特徴とする振動発電素子。
  9. 請求項7に記載の振動発電素子の製造方法であって、
    基板Si層と、当該基板Si層の上に設けられたSiO絶縁層と、当該SiO絶縁層の上に設けられたドーピングされた低抵抗のデバイスSi層からなるSOIウェハを準備する第1の工程と、
    前記デバイスSi層に、前記可動櫛歯電極の櫛歯を含む前記可動櫛歯電極の上部と、前記固定櫛歯電極の櫛歯を含む前記固定櫛歯電極の上部とを形成する第2の工程と、
    前記基板Si層に、前記可動櫛歯電極の錘を含む前記可動櫛歯電極の下部と、前記固定櫛歯電極の支持部を含む前記固定櫛歯電極の下部とを形成する第3の工程と、
    前記櫛歯電極櫛歯部の内部に空洞を形成する第4の工程と、
    前記第4の工程の前に、前記振動発電素子のSi層(デバイスSi層および基板Si層)が露出している部分の表面に、アルカリイオンを含むSiO層を形成する第5の工程を含むことを特徴とする振動発電素子の製造方法。
  10. 請求項9に記載の振動発電素子の製造方法において、
    前記第5の工程はアルカリイオンを含む水蒸気雰囲気で前記振動発電素子を加熱するウェット酸化で行われることを特徴とする振動発電素子の製造方法。
  11. 請求項9または10に記載の振動発電素子の製造方法において、
    前記アルカリイオンはK+イオンまたはNa+イオンであることを特徴とする振動発電素子の製造方法。


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