JP5502014B2 - 自動溶接ロボットの電極異常検出装置 - Google Patents

自動溶接ロボットの電極異常検出装置 Download PDF

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Description

本発明は溶接用トーチで溶接を行う自動溶接ロボットに係り、特に、溶接用トーチ内に配置されている電極の消耗や位置ずれなどの異常を簡便に検出できる電極異常検出装置に関するものである。
筒状の先端部の開口内に電極が配置されている溶接用トーチと、その溶接用トーチを三次元的に移動させるトーチ移動装置とを有し、そのトーチ移動装置により溶接用トーチを移動させて溶接を行う自動溶接ロボットが、各種の溶接分野で広く用いられている。そして、このような自動溶接ロボットにおいて、溶接用トーチを上記トーチ移動装置によって予め定められた異常検査位置へ移動させ、電極を所定の接触子に接触させて位置ずれ等の異常を検出することが提案されている。特許文献1に記載の装置はその一例で、消耗電極である溶接ワイヤと接触子との間に通電して両者の接触を検出するようになっている。また、特許文献2には、非消耗電極式のアーク溶接法であるプラズマ溶接やTIG溶接に用いられる溶接用トーチに関し、電極を交換した時の電極の位置ずれについて記載されている(段落6参照)。
特開2000−288733号公報 特開2010−115669号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の異常検出装置は、自動溶接ロボット自身で異常検出を行うため、自動溶接ロボット毎に専用のプログラムが必要で汎用性に劣る。また、特許文献1では、自動溶接ロボットが備えている溶接ワイヤ接触検出機能を用いて接触子との接触の有無を検出するため、特許文献2に記載のようにワークと電極との接触を想定していない非消耗電極式のプラズマ溶接やTIG溶接に用いられる溶接用トーチに対し、特許文献1に記載の技術をそのまま適用して位置ずれ等の異常を検出することはできない。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、自動溶接ロボットの電極の位置ずれ等の異常を簡便に検出できるとともに、非消耗電極式アーク溶接法による自動溶接ロボットを含む種々の自動溶接ロボットに対して容易に適用できる汎用性に優れた電極異常検出装置を提供することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、筒状の先端部の開口内に電極が配置されている溶接用トーチと、その溶接用トーチを三次元的に移動させるトーチ移動装置とを有し、そのトーチ移動装置によりその溶接用トーチを移動させて溶接を行う自動溶接ロボットにおいて、前記電極に関する異常を検出する電極異常検出装置であって、(a) 予め定められた異常検査位置に配設され、前記トーチ移動装置によってその異常検査位置へ移動させられた前記溶接用トーチの前記先端部が当接させられる基準当接面を有するトーチ当接部材と、(b) 前記異常検査位置へ移動させられた前記溶接用トーチの前記電極に対向するように配設された接触子を、予め定められた原位置からその電極の先端に当接するまで駆動する当接駆動装置と、(c) 前記接触子が前記原位置から前記電極に当接する当接位置まで移動する間の移動ストロークStを検出するストロークセンサと、(d) その移動ストロークStに基づいて前記電極に関する異常を検出する異常判定手段と、を有することを特徴とする。
第2発明は、第1発明の自動溶接ロボットの電極異常検出装置において、前記溶接用トーチが前記基準当接面に当接する際に前記トーチ当接部材がその溶接用トーチに押されて変位することを許容する緩衝装置を備えていることを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明の自動溶接ロボットの電極異常検出装置において、(a) 前記トーチ当接部材に設けられて前記溶接用トーチが前記基準当接面に当接したことを検出する当接検知センサを備えており、(b) 前記異常判定手段は、前記当接検知センサによって前記溶接用トーチが前記基準当接面に当接したことを検出した後に、前記当接駆動装置により前記接触子を駆動して前記移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStに基づいて異常判定を行うことを特徴とする。
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの自動溶接ロボットの電極異常検出装置において、前記異常判定手段は、前記移動ストロークStに基づいて前記電極の消耗限界を判定することを特徴とする。
第5発明は、第4発明の自動溶接ロボットの電極異常検出装置において、前記異常判定手段は、(a) 前記電極を交換した直後に前記溶接用トーチを前記異常検査位置へ移動させて前記移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStを初期位置Dpとして設定する初期位置設定手段と、(b) 予め定められた消耗検査タイミングで前記溶接用トーチを前記異常検査位置へ移動させて前記移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStと前記初期位置Dpとの差〔St−Dp〕を消耗量δとして求める消耗量検出手段と、を備えており、(c) その消耗量δが予め定められた消耗限界値δs 以上の場合に前記消耗限界と判定することを特徴とする。
第6発明は、第5発明の自動溶接ロボットの電極異常検出装置において、前記消耗量検出手段は、前記消耗量δと前記消耗限界値δsとの差に基づいて次回の消耗検査タイミングを設定することを特徴とする。
第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかの自動溶接ロボットの電極異常検出装置において、(a) 前記接触子の先端には予め定められた大きさの先端当接面が前記基準当接面と平行に設けられており、(b) 前記異常判定手段は、前記電極を交換した直後に前記溶接用トーチを前記異常検査位置へ移動させて前記移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStが予め定められた位置ずれ判定値Ds以上の場合に、前記電極が前記基準当接面と平行な方向に位置ずれしていると判定することを特徴とする。
なお、上記第5発明および第7発明において、電極を交換した直後とは、電極が交換された後であって溶接作業が行われる前であれば良い。また、電極の交換は、新しい別の電極に交換する場合だけでなく、再研磨して同じ電極を再使用する場合も含む。
このような自動溶接ロボットの電極異常検出装置においては、トーチ移動装置によって溶接用トーチが異常検査位置へ移動させられると、その先端部がトーチ当接部材の基準当接面に当接させられ、当接駆動装置によって接触子が原位置から電極の先端に当接するまで駆動されるとともに、その時の接触子の移動ストロークStがストロークセンサによって検出され、その移動ストロークStに基づいて電極の位置ずれや消耗等の異常が異常判定手段によって自動的に検出される。すなわち、自動溶接ロボットは、トーチ移動装置によって溶接用トーチを異常検査位置へ移動させるだけで良く、当接駆動装置やストロークセンサは、自動溶接ロボットとは別個に異常検査位置に配設されるとともに、異常判定手段についても自動溶接ロボットと別個に構成することが可能で、非消耗電極式か否か等の自動溶接ロボットの種類に関係無く種々の自動溶接ロボットに容易に適用できる優れた汎用性が得られる。また、接触子を電極に当接するまで駆動するとともに、その時の移動ストロークStをストロークセンサによって検出するだけで良いため、装置が簡単で且つ安価に構成される。
第2発明では、溶接用トーチが基準当接面に当接する際にトーチ当接部材がその溶接用トーチに押されて変位することを許容する緩衝装置を備えているため、溶接用トーチが基準当接面に当接する際にトーチ移動装置に加わる衝撃が軽減されるとともに、そのトーチ移動装置に大きな負荷を掛けることなく溶接用トーチが常に確実に基準当接面に当接させられるようにして、電極に関する異常の検出精度を向上させることができる。
第3発明では、溶接用トーチが基準当接面に当接したことを検出する当接検知センサがトーチ当接部材に設けられており、その当接検知センサによって溶接用トーチが基準当接面に当接したことを検出した後に移動ストロークStを検出して電極の異常判定を行うため、溶接用トーチが常に確実に基準当接面に当接させられた状態で異常判定が行われるようになり、異常の検出精度が向上する。また、当接検知センサは、自動溶接ロボットとは別個にトーチ当接部材に設けられているため、高い汎用性が維持される。
第4発明〜第6発明は、実質的にプラズマ溶接やTIG溶接等の非消耗電極式の溶接用トーチに関するもので、移動ストロークStに基づいて電極の消耗限界を判定するため、電極の消耗限界が自動的に検出されるようになる。これにより、電極の消耗に起因する溶接不良等を適切に防止することができる。また、例えば溶接時間や溶接長さ、溶接回数等によって定期的に電極の交換や再研磨を行う場合に比較して、電極を可能な限り限界まで使用できるようになり、電極交換の間隔が長くなって自動溶接ロボットの稼働率を高めることができる。
第5発明では、電極を交換した直後に溶接用トーチを異常検査位置へ移動させて移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStを初期位置Dpとして設定する一方、所定の消耗検査タイミングで溶接用トーチを異常検査位置へ移動させて移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStと上記初期位置Dpとの差〔St−Dp〕を消耗量δとして求めるとともに、その消耗量δが予め定められた消耗限界値δs 以上の場合に消耗限界と判定するため、消耗限界を適切に検出することができる。
第6発明では、消耗量δと消耗限界値δsとの差に基づいて次回の消耗検査タイミングを設定するため、消耗量δが消耗限界値δsを大幅に超えて溶接不良等が生じることを抑制しつつ、溶接用トーチを異常検査位置へ移動させて消耗限界を判定する回数をできるだけ少なくして、自動溶接ロボットの稼働率を高めることができる。
第7発明は、接触子の先端に所定の大きさの先端当接面が設けられ、電極を交換した直後に溶接用トーチを異常検査位置へ移動させて移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStが予め定められた位置ずれ判定値Ds以上の場合に電極が位置ずれしていると判定するため、電極の位置ずれ或いは溶接用トーチそのものの位置ずれが自動的に検出される。これにより、電極や溶接用トーチの位置ずれによる溶接不良等を適切に防止することができる。
本発明の一実施例である電極異常検出装置が設けられた自動溶接ロボットの一例を説明する概略構成図である。 図1の異常検出用電子制御装置が備えている電極の異常判定に関する機能を説明する機能ブロック線図である。 図2の各種の手段による信号処理を具体的に説明するフローチャートである。 図1の電極異常検出装置の接触子と交換直後の電極との当接状態を示す図で、(a) は位置ずれがない正規の当接状態、(b) は電極が位置ずれしている場合の当接状態である。 図1の電極異常検出装置で電極の消耗限界を判定する際の作動を説明する図で、(a) は電極の交換直後の初期位置Dpを示す図、(b) は電極が消耗した状態を示す図である。
本発明は、プラズマ溶接やTIG溶接等の非消耗電極式のアーク溶接用や、電極として溶接ワイヤが用いられる消耗電極式のアーク溶接用の溶接用トーチに好適に適用されるが、筒状の先端部の開口内に電極が配置されている種々の溶接用トーチに適用され得る。溶接用トーチの先端部は、一般に径寸法が一定の円筒状、或いは先端へ向かうに従って径寸法が小さくなるテーパ状とされ、その中心線上に電極が配置される。電極は、一般に円形断面の長手形状(円柱形状やワイヤ)を成しており、トーチ先端部の中心線と平行に同心に保持されている。電極の先端は、軸心に対して直角に切断した円形の平坦面であっても良いが、非消耗電極式のアーク溶接用トーチの場合、先端へ向かうに従って径寸法が徐々に小さくなるテーパ形状或いは放物線形状等の先細形状が適当である。
本発明の電極異常検出装置で検出できる電極に関する異常は、例えば電極の軸心と直角な方向の位置ずれや軸方向の位置ずれ、或いは非消耗電極の場合の消耗限界などである。電極の軸心と直角な方向の位置ずれは、溶接用トーチ毎ずれている場合の異常を含む。溶接用トーチを三次元的に移動させるトーチ移動装置は、多関節型ロボットや互いに直角なxyz方向へ移動させる三軸直交型ロボットが好適に用いられる。溶接用トーチは、このトーチ移動装置によって異常検査位置へ移動させられ、先端部が基準当接面に当接させられるが、例えば電極の軸心方向(一般には溶接用トーチの中心線方向と同じ)へ溶接用トーチを移動させて基準当接面に当接させることが望ましい。また、基準当接面は、電極の軸心(溶接用トーチの中心線)に対して直角であることが望ましく、溶接用トーチの先端部が中心線まわりにおいて均等に基準当接面に当接することが望ましい。
基準当接面は、例えば水平面と平行に上向きに設定され、先端部が下向きになる姿勢の溶接用トーチが上方から鉛直方向の下方へ真っ直ぐ下降させられて基準当接面に垂直に当接させられるが、基準当接面を例えば水平面に対して垂直に設定し、横向き姿勢の溶接用トーチを水平方向へ移動させて基準当接面に垂直に当接させることもできるなど、種々の態様が可能である。
異常検査位置は、予めティーチング等により自動溶接ロボットの制御装置等に記憶させておけば良い。異常検査位置へ移動させられた溶接用トーチの電極に対向するように配設された接触子を、電極の先端に当接させる当接駆動装置は、電極の軸心(溶接用トーチの中心線)と平行に接触子を駆動するように構成される。接触子は、例えば円柱形状を成していて、電極の軸心と平行すなわち当接駆動装置による駆動方向と平行に配設され、その円柱形状の中心線に対して直角な平坦な円形の先端当接面が電極の先端に当接させられるように構成される。当接駆動装置は、例えば送りねじ機構等の直線移動機構を有して構成される。第4発明のように消耗限界を検出する場合、接触子の先端は必ずしも円形である必要はなく、四角形等の角形や楕円形等であっても良い。
本発明は、自動溶接ロボットと別個に設けられた電子制御装置等に異常判定手段の機能を持たせ、自動溶接ロボットとは別個に電極異常検出装置を構成することにより、種々の自動溶接ロボットに対して容易に適用できる優れた汎用性が得られるが、自動溶接ロボットを制御する電子制御装置等に異常判定手段の機能を持たせることも可能である。その場合は、自動溶接ロボットの電子制御装置等によって当接駆動装置の作動を制御するとともに、ストロークセンサの電気信号がその電子制御装置等に供給されるようにすれば良い。
第2発明では、溶接用トーチが基準当接面に当接する際にトーチ当接部材が変位することを許容する緩衝装置を備えているが、例えば溶接用トーチが基準当接面に当接しても過大な負荷が作用しないように自動溶接ロボットがトルクリミッタ等を備えている場合には、緩衝装置は必ずしも必要ない。緩衝装置を設ける場合、前記当接駆動装置やストロークセンサをトーチ当接部材に配設し、トーチ当接部材と一体的に移動させることが望ましい。緩衝装置は、例えばゴムやばね等の弾性体、或いはエアスプリングなどを用いて構成される。
第3発明では、溶接用トーチが基準当接面に当接したことを検出する当接検知センサが設けられるが、他の発明の実施に際しては当接検知センサは必ずしも必要なく、例えばトーチ移動装置の作動状態や経過時間などから溶接用トーチが基準当接面に当接したと推定して、当接駆動装置により接触子を駆動して移動ストロークStを検出するようにしても良い。当接検知センサとしては、例えばタッチセンサや荷重センサ、圧電変換素子等が好適に用いられる。
第5発明では、電極を交換した直後に移動ストロークStを検出して初期位置Dpを設定し、その初期位置Dpに基づいて消耗量δを求めて消耗限界を判定するが、電極を交換した時の電極の軸方向位置に大きなばらつきが無い場合には必ずしも初期位置Dpを設定する必要はなく、所定の消耗検査タイミングで検出した移動ストロークStが予め定められた消耗限界移動ストロークを超えた場合に消耗限界と判定するようにしても良い。
第6発明では、消耗量δと消耗限界値δsとの差に基づいて次回の消耗検査タイミングを設定しているが、第5発明では、例えば溶接時間や溶接回数、或いは溶接長さ等に基づいて定められた一定間隔で消耗検査を行うようにしても良い。また、電極を交換した初期には、消耗限界値δsを超えることがないように予め定められた所定の間隔(溶接時間や溶接回数、溶接長さなど)で消耗検査を行って消耗量δを求め、次からはその消耗量δの変化量に基づいて消耗検査タイミングを設定することもできる。第6発明の実施に際しても、消耗量δの変化履歴を記憶しておいて、その消耗量δの変化量、および消耗量δと消耗限界値δsとの差に基づいて次回の消耗検査タイミングを設定することにより、電極の消耗によって溶接不良が発生することを防止しつつ、消耗検査回数ができるだけ少なくなるように消耗検査タイミングを設定することが可能で、自動溶接ロボットの稼働率を一層向上させることができる。例えば、現在の消耗量δと消耗限界値δsとの差が大きい場合は、消耗量δの変化量に基づいて消耗検査間隔が比較的長くなるように消耗検査タイミングを設定し、現在の消耗量δと消耗限界値δsとの差が小さくなったら、消耗量δの変化量に基づいて消耗検査間隔が比較的短くなるように消耗検査タイミングを設定することが望ましい。
第7発明の接触子の先端当接面は円形が適当で、その径寸法は、許容位置ずれ寸法に応じて適宜設定される。すなわち、円形の先端当接面の半径が許容位置ずれ寸法に対応する。電極が単純な円柱形状の場合、その電極の半径寸法と接触子の先端当接面の半径寸法との和が許容位置ずれ寸法となる。その場合、接触子と電極との当接が不能になるため、位置ずれ判定値Dsは、接触子が電極に当接する通常の移動ストロークStよりも大きい値が適宜定められる。一方、電極の先端がテーパ形状等の先細形状の場合、接触子の先端当接面の半径寸法を超えて位置ずれが生じると、接触子の先端当接面から電極の先端がずれて移動ストロークStが徐々に増加し、位置ずれ寸法に応じて移動ストロークStが増大する。したがって、接触子の先端当接面の半径寸法や電極先端の先細形状、許容位置ずれ寸法に応じて位置ずれ判定値Dsが適宜設定される。なお、電極の位置ずれ方向が略一定方向に偏っている場合には、接触子の先端当接面を四角形等にしても差し支えないなど、先端当接面の形状は適宜定められる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である電極異常検出装置10が自動溶接ロボット12に配設された概略構成図である。自動溶接ロボット12は、プラズマ溶接やTIG溶接等の非消耗電極式のアーク溶接を行う溶接用トーチ14と、その溶接用トーチ14を三次元的に移動させる多関節型ロボット等のトーチ移動装置16と、それ等の溶接用トーチ14およびトーチ移動装置16の作動を制御する溶接用電子制御装置18とを備えており、溶接用トーチ14を予め定められた移動経路に従って移動させてアーク溶接を行う。溶接用トーチ14には、円筒形状のノズル20の先端部の開口内に、図示しないチャック等により電極22が着脱可能に取り付けられている。電極22は円柱形状の棒状の部材で、テーパ形状の先端部24を備えているとともに、軸心Sとノズル20の中心線とが略一致するように上記チャック等により保持されている。この電極22は、タングステン等の耐熱性を有する導電体にて構成されている。
電極異常検出装置10は、上記自動溶接ロボット12の近傍すなわち溶接用トーチ14が移動可能な範囲内で、予め定められた異常検査位置に配設されたトーチ当接部材30を備えている。トーチ当接部材30は、略水平な上向きの基準当接面32を有する上ブロック34と、その上ブロック34の下側に設けられた絶縁板36と、その絶縁板36の更に下側に設けられた下部ユニットベース38とを相互に一体的に固定したもので、下部ユニットベース38は緩衝装置40上に配置されている。緩衝装置40は、トーチ当接部材30が上下方向に所定の変位量だけ変位できるように支持するもので、ゴムやばね等の弾性体、或いはエアスプリングなどを用いて構成されている。
前記自動溶接ロボット12は、トーチ移動装置16により溶接用トーチ14を上記異常検査位置の上方へ移動させるとともに、ノズル20を鉛直方向の下向きになる姿勢で白抜き矢印Aで示すように下降させ、そのノズル20の先端部を前記基準当接面32に略垂直に当接させる。これにより、そのノズル20内に保持されている電極22も、鉛直方向と略平行で先端部24が下向きとなる姿勢で異常検査位置に位置決めされる。自動溶接ロボット12の溶接用電子制御装置18には、溶接用トーチ14を上記異常検査位置へ移動させるための移動経路が予めティーチング機能等によって記憶されている。前記緩衝装置40は、溶接用トーチ14が基準当接面32に当接する際に、トーチ当接部材30が溶接用トーチ14に押されて下方へ変位することを許容し、当接時の衝撃を緩和するとともに、溶接用トーチ14と基準当接面32との接触状態を確実に確保するためのものである。
一方、トーチ当接部材30には、上ブロック34の基準当接面32に開口するように有底穴42が設けられているとともに、その有底穴42の内部には、異常検査位置へ移動させられた溶接用トーチ14の電極22に対向するように接触子44および当接駆動装置46が配設されている。すなわち、有底穴42は、上ブロック34から絶縁板36を貫通して下部ユニットベース38に至るように設けられており、その有底穴42の底部に当接駆動装置46が上向きに配設され、上方へ突き出す出力ロッド48に円柱形状の接触子44が取り付けられている。当接駆動装置46は送りねじ等の直線移動機構を有して構成されており、例えば電動モータで送りねじを正逆両方向へ回転させるなどして接触子44を上下方向へ移動させるもので、異常検出用電子制御装置60によって制御される。円柱形状の接触子44は、その中心線Oが略鉛直方向となる姿勢で出力ロッド48に配置されているとともに、その上端(先端)には中心線Oに対して略直角な平坦な円形の先端当接面50が設けられており、図1に実線で示す原位置から上方へ向かって駆動されることにより、一点鎖線で示すように先端当接面50が電極22の先端に当接させられる。当接駆動装置46は、接触子44が電極22に当接する当接位置に達すると、その負荷(抵抗)に基づいて接触子44のそれ以上の駆動を停止する。この接触子44は、電極22が正しく溶接用トーチ14に取り付けられている場合、その溶接用トーチ14が異常検査位置へ移動させられることにより、図1に示すように電極22の軸心Sと中心線Oとが略一致する位置に配設されている。
前記基準当接面32には、溶接用トーチ14の先端部が当接させられることにより電気信号(当接信号)を出力するタッチセンサ52が配設されているとともに、当接駆動装置46には、接触子44が原位置(下降端)から当接位置(上昇端)まで移動する際の移動ストロークStを検出するストロークセンサ54が配設されている。タッチセンサ52は当接検知センサに相当するもので、例えば感圧導電体等を有して構成される。ストロークセンサ54は、出力ロッド48の直線移動の移動量を検出するものでも良いし、出力ロッド48を直線移動させる送りねじの回転量等を検出するものでも良い。そして、これ等のタッチセンサ52およびストロークセンサ54の検出信号は、電極22の位置ずれや消耗限界を検出する異常検出用電子制御装置60に供給される。この異常検出用電子制御装置60にはまた、異常表示ランプやブザー等の表示装置56が接続されており、位置ずれまたは消耗限界を検出した場合に異常表示が為される。
異常検出用電子制御装置60および前記溶接用電子制御装置18は、何れもCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を有するマイクロコンピュータを備えて構成されているとともに、互いに必要な情報を授受できるように信号ケーブルや無線を介して信号伝達可能に接続されている。異常検出用電子制御装置60から溶接用電子制御装置18に出力する情報は、例えば電極22の異常を検出するために溶接用トーチ14を異常検査位置へ移動させる移動指令などで、溶接用電子制御装置18から異常検出用電子制御装置60に供給される情報は、例えば電極22を自動交換したことを表す信号や、電極22の消耗検査タイミングを判断するために必要な溶接時間や溶接回数、溶接長さ等に関する情報などである。
異常検出用電子制御装置60は、図2に示すように移動指令手段62、検査位置判定手段64、および異常判定手段70を機能的に備えている。異常判定手段70は更に、ストローク検出手段72、位置ずれ判定手段74、初期位置設定手段76、消耗量検出手段78、および消耗判定手段80を備えている。図3は、図2の各種の機能によって実行される信号処理を具体的に説明するフローチャートで、ステップS5は移動指令手段62に相当し、ステップS6は検査位置判定手段64に相当し、ステップS7はストローク検出手段72に相当し、ステップS1、S9、S13は位置ずれ判定手段74に相当し、ステップS1、S10は初期位置設定手段76に相当し、ステップS3、S11、S15、S17は消耗量検出手段78に相当し、ステップS16、S19は消耗判定手段80に相当する。
図3のステップS1では、溶接用トーチ14の電極22が交換されたか否かを判断し、交換された場合はステップS2以下を実行するが、交換されない場合はステップS3を実行する。電極22の交換は、電極22を新品に交換する場合でも、電極22の先端部24を研磨して再使用する場合でも良く、溶接用電子制御装置18によって電極交換が自動的に行われる場合は、その電極交換情報に基づいてステップS1の判断はYES(肯定)になる。また、電極交換が作業者の手作業で行われる場合は、電極交換したことが図示しないスイッチ等の操作で入力されるようにすれば良い。そして、電極交換が行われた場合は、ステップS2で電極交換フラグFを1とした後にステップS5以下を実行する。ステップS3では、電極22の消耗を検査する予め定められた消耗検査タイミングか否かを判断し、消耗検査タイミングでなければそのまま終了するが、消耗検査タイミングの場合はステップS4で電極交換フラグFを0とした後にステップS5以下を実行する。消耗検査タイミングはステップS11、S17で設定される。
ステップS5では、溶接用電子制御装置18に対して溶接用トーチ14を異常検査位置へ移動させる移動指令を出力する。ステップS6では、溶接用トーチ14が異常検査位置まで移動させられたか否かを判断する。具体的には、溶接用トーチ14の先端部がトーチ当接部材30の基準当接面32に当接し、タッチセンサ52から当接信号が供給された否かを判断する。そして、タッチセンサ52により溶接用トーチ14が異常検査位置に達したことが検出されると、ステップS7を実行し、当接駆動装置46により接触子44を原位置から上方へ駆動して電極22に当接させるとともに、その原位置から当接位置に達するまでの移動ストロークStをストロークセンサ54から供給される信号によって検出する。
次のステップS8では、電極交換フラグFが1か否かを判断し、F=1の場合、すなわち前記ステップS2でF=1とされる電極交換直後の場合はステップS9以下を実行する一方、F=1でない場合、すなわち前記ステップS4でF=0とされる消耗検査タイミングの場合はステップS15以下を実行する。ステップS9では、移動ストロークStが予め設定された位置ずれ判定値Ds以上か否かにより、電極22が基準当接面32と平行な方向、すなわち軸心Sと直角な方向へ位置ずれしているか否かを判断する。図4の(a) は、電極22が異常検査位置に正しく位置決めされている場合、すなわち電極22の軸心Sと接触子44の中心線Oとが略一致している場合で、電極22の先端は接触子44の先端当接面50の略中心に当接させられる。これに対し、図4の(b) は電極22の軸心Sが接触子44の中心線Oに対して位置ずれ寸法φ(>先端当接面50の半径r)だけ軸心Sと直角方向に位置ずれし、その電極22の尖り先端が接触子44の先端当接面50から外れている場合で、接触子44の移動ストロークStは(a) の場合に比較して寸法eだけ大きくなる。したがって、先端当接面50の半径rや電極22の先端部24のテーパ角度、許容位置ずれ寸法φmax に応じて、位置ずれ寸法φが許容位置ずれ寸法φmax に達した時の移動ストロークStを、上記位置ずれ判定値Dsとして予め設定しておけば良い。許容位置ずれ寸法φmax は、溶接位置(線)に対する要求精度等に応じて適宜定められる。先端当接面50の半径rは、許容位置ずれ寸法φmax や先端部24のテーパ角度等に応じて適宜設定され、本実施例では約0.5mmである。なお、本実施例では接触子44が一定の径寸法の円柱形状であるが、先端部(上端部)に小径の円柱形状部を設けたり、截頭円錐形状部を設けたりすることも可能である。
上記ステップS9の判断がYES(肯定)の場合、すなわちSt≧Dsの場合は、電極22が位置ずれしていると判断し、ステップS13で表示装置56の位置ずれ表示ランプを点灯したりブザーを鳴らしたりして、作業者に電極22が位置ずれしていることを知らせる。この電極22の位置ずれは、溶接用トーチ14に対して電極22が位置ずれしている場合は勿論、溶接用トーチ14そのものが位置ずれしている場合、すなわち溶接用電子制御装置18による溶接用トーチ14の位置決め制御に関する異常も含む。また、ステップS14では、自動溶接ロボット12の作動を停止させるための停止指令を溶接用電子制御装置18に出力する。
一方、ステップS9の判断がNO(否定)の場合、すなわちSt<Dsで電極22が位置ずれしていない場合、具体的には位置ずれ寸法φが許容位置ずれ寸法φmax 以内の場合は、ステップS10を実行し、その時の移動ストロークStを、電極22の消耗量δを求める際の基準となる初期位置Dpとして設定する。例えば、図5の(a) は電極交換直後に前記位置ずれ寸法φ≒0で、移動ストロークStが位置ずれ判定値Dsよりも小さく、前記ステップS9の判断がNOとなって、ステップS9に続いてステップS10が実行される場合で、移動ストロークStが初期位置Dpとして設定される。次のステップS11では、電極22の消耗を検出する消耗検査タイミングの初期設定を行う。この消耗検査タイミングは、移動ストロークStを求めて電極22の消耗量δを検出するまでの溶接時間や溶接回数、或いは溶接長さなどで、電極22が溶接条件に拘らず消耗限界値δsに達することがないように予め一定値が設定される。この初期設定値を学習補正などで更新することも可能である。また、次のステップS12では、自動溶接ロボット12によって溶接用トーチ14を異常検査位置から原位置へ戻すための移動指令を溶接用電子制御装置18に出力し、一連の電極異常検出処理を終了する。
前記ステップS8の判断がNOの場合、すなわち電極交換フラグF=0の消耗検査タイミングの場合は、先ずステップS15を実行し、ステップS7で検出した移動ストロークStと前記ステップS10で設定した初期位置Dpとの差〔St−Dp〕を消耗量δとして算出する。図5の(b) は、(a) に比較して電極22の先端が消耗量δだけ消耗し、移動ストロークStが初期位置Dpよりも消耗量δだけ大きくなった状態である。次のステップS16では、消耗量δが予め定められた消耗限界値δs以上か否かにより、電極22が消耗限界に達したか否かを判断する。消耗限界値δsは、電極22の消耗でアーク溶接を適切に行うことができなくなって溶接不良を生じることがないように、所定の余裕を見込んで適宜設定される。
そして、上記ステップS16の判断がYES(肯定)の場合、すなわちδ≧δsの場合は、電極22が消耗限界に達していると判断し、ステップS19で表示装置56の消耗限界表示ランプを点灯したりブザーを鳴らしたりして、作業者に電極22が消耗限界であることを知らせる。また、ステップS20では、自動溶接ロボット12の作動を停止させるための停止指令を溶接用電子制御装置18に出力する。一方、ステップS16の判断がNO(否定)の場合、すなわちδ<δsで電極22が未だ消耗限界に達していない場合は、ステップS17を実行し、次に電極22の消耗を検出する消耗検査タイミングを設定する。この消耗検査タイミングは、前記ステップS11と同様に移動ストロークStを求めて電極22の消耗量δを検出するまでの溶接時間や溶接回数、或いは溶接長さなどで、消耗限界値δsを大きく超えて溶接不良が発生することを回避しつつ、消耗検査回数ができるだけ少なくなるように、消耗量δの変化履歴や現在の消耗量δと消耗限界値δsとの差などに基づいて適宜定められる。例えば、現在の消耗量δと消耗限界値δsとの差が大きい場合は、消耗量δの変化量に基づいて消耗検査間隔が比較的長くなるように消耗検査タイミングを設定し、現在の消耗量δと消耗限界値δsとの差が小さくなったら、消耗量δの変化量に基づいて消耗検査間隔が比較的短くなるように消耗検査タイミングを設定する。また、次のステップS18では、自動溶接ロボット12によって溶接用トーチ14を異常検査位置から原位置へ戻すための移動指令を溶接用電子制御装置18に出力し、一連の電極異常検出処理を終了する。
このような本実施例の自動溶接ロボット12の電極異常検出装置10においては、トーチ移動装置16によって溶接用トーチ14が異常検査位置へ移動させられると、その先端部がトーチ当接部材30の基準当接面32に略垂直に当接させられ、当接駆動装置46によって接触子44が原位置から上方へ駆動されて電極22の先端に当接させられるとともに、その時の接触子22の移動ストロークStがストロークセンサ54によって検出され、その移動ストロークStに基づいて電極22の位置ずれや消耗限界が異常検出用電子制御装置60によって自動的に検出される。すなわち、自動溶接ロボット12は、トーチ移動装置16によって溶接用トーチ14を異常検査位置へ移動させるだけで良く、当接駆動装置46やストロークセンサ54は、自動溶接ロボット12とは別個に異常検査位置に配設されるとともに、異常判定手段70等の機能を有する異常検出用電子制御装置60についても自動溶接ロボット12の溶接用電子制御装置18とは別個に設けられているため、自動溶接ロボット12の種類に関係無く種々の自動溶接ロボットに対して容易に適用できる優れた汎用性が得られる。また、接触子44を駆動して電極22に当接させるとともに、その時の移動ストロークStをストロークセンサ54によって検出するだけで良いため、電極異常検出装置10が簡単で且つ安価に構成される。
また、本実施例では、溶接用トーチ14が基準当接面32に当接する際にトーチ当接部材30がその溶接用トーチ14に押されて下方へ変位することを許容する緩衝装置40を備えているため、溶接用トーチ14が基準当接面32に当接する際にトーチ移動装置16に加わる衝撃が軽減されるとともに、そのトーチ移動装置16に大きな負荷を掛けることなく溶接用トーチ14を常に確実に基準当接面32に当接させることができる。これにより、トーチ当接部材30に配設された当接駆動装置46により電極22に当接する当接位置まで駆動される接触子44の移動ストロークStが常に高い精度で検出されるようになり、その移動ストロークStに基づく電極22に関する異常の検出精度が向上する。
また、本実施例では、溶接用トーチ14が基準当接面32に当接したことを検出するタッチセンサ52が基準当接面32に設けられており、そのタッチセンサ52によって溶接用トーチ14が基準当接面32に当接したことを検出した後に移動ストロークStを検出して電極22の異常判定を行うため、溶接用トーチ14が常に確実に基準当接面32に当接させられた状態で異常判定が行われるようになり、異常の検出精度が向上する。また、タッチセンサ52は、自動溶接ロボット12とは別個にトーチ当接部材30に設けられているため、高い汎用性が維持される。
また、本実施例はプラズマ溶接やTIG溶接等の非消耗電極式の溶接用トーチ14を備えている自動溶接ロボット12に適用された場合で、移動ストロークStに基づいて消耗量δを算出して電極22の消耗限界を判定するため(ステップS16、S19)、電極22の消耗限界が自動的に検出されるようになる。これにより、電極22の消耗に起因する溶接不良等を適切に防止することができる。また、例えば溶接時間や溶接長さ、溶接回数等によって定期的に電極22の交換や再研磨を行う場合に比較して、電極22を可能な限り限界まで使用できるようになり、電極交換の間隔が長くなって自動溶接ロボット12の稼働率を高めることができる。
また、本実施例では、電極22を交換した直後に溶接用トーチ14を異常検査位置へ移動させて移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStを初期位置Dpとして設定する一方(ステップS10)、所定の消耗検査タイミングで溶接用トーチ14を異常検査位置へ移動させて移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStと上記初期位置Dpとの差〔St−Dp〕を消耗量δとして求めるとともに(ステップS15)、その消耗量δが予め定められた消耗限界値δs 以上の場合に消耗限界と判定するため(ステップS16、S19)、消耗限界を適切に検出することができる。
また、本実施例では、ステップS17で次回の消耗検査タイミングを設定する際に、消耗量δの変化履歴や現在の消耗量δと消耗限界値δsとの差などに基づいて、消耗量δが消耗限界値δsを大幅に超えて溶接不良等が生じることを防止しつつ、溶接用トーチ14を異常検査位置へ移動させて消耗限界を判定する回数ができるだけ少なくなるように消耗検査タイミングが定められるため、自動溶接ロボット12の稼働率を高めることができる。
また、本実施例では、接触子22の先端に所定の大きさの先端当接面50が設けられ、電極22を交換した直後に溶接用トーチ14を異常検査位置へ移動させて移動ストロークStを検出し、その移動ストロークStが予め定められた位置ずれ判定値Ds以上の場合に電極22が位置ずれしていると判定するため(ステップS9、S13)、電極22の位置ずれ或いは溶接用トーチ14そのものの位置ずれが自動的に検出される。これにより、電極22や溶接用トーチ14の位置ずれによる溶接不良等を適切に防止することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:電極異常検出装置 12:自動溶接ロボット 14:溶接用トーチ 16:トーチ移動装置 22:電極 30:トーチ当接部材 32:基準当接面 40:緩衝装置 44:接触子 46:当接駆動装置 50:先端当接面 52:タッチセンサ(当接検知センサ) 54:ストロークセンサ 60:異常検出用電子制御装置 70:異常判定手段 72:ストローク検出手段 74:位置ずれ判定手段 76:初期位置設定手段 78:消耗量検出手段 80:消耗判定手段 St:移動ストローク φ:位置ずれ寸法 Dp:初期位置 δ:消耗量

Claims (7)

  1. 筒状の先端部の開口内に電極が配置されている溶接用トーチと、該溶接用トーチを三次元的に移動させるトーチ移動装置とを有し、該トーチ移動装置により該溶接用トーチを移動させて溶接を行う自動溶接ロボットにおいて、前記電極に関する異常を検出する電極異常検出装置であって、
    予め定められた異常検査位置に配設され、前記トーチ移動装置によって該異常検査位置へ移動させられた前記溶接用トーチの前記先端部が当接させられる基準当接面を有するトーチ当接部材と、
    前記異常検査位置へ移動させられた前記溶接用トーチの前記電極に対向するように配設された接触子を、予め定められた原位置から該電極の先端に当接するまで駆動する当接駆動装置と、
    前記接触子が前記原位置から前記電極に当接する当接位置まで移動する間の移動ストロークStを検出するストロークセンサと、
    該移動ストロークStに基づいて前記電極に関する異常を検出する異常判定手段と、
    を有することを特徴とする自動溶接ロボットの電極異常検出装置。
  2. 前記溶接用トーチが前記基準当接面に当接する際に前記トーチ当接部材が該溶接用トーチに押されて変位することを許容する緩衝装置を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動溶接ロボットの電極異常検出装置。
  3. 前記トーチ当接部材に設けられて前記溶接用トーチが前記基準当接面に当接したことを検出する当接検知センサを備えており、
    前記異常判定手段は、前記当接検知センサによって前記溶接用トーチが前記基準当接面に当接したことを検出した後に、前記当接駆動装置により前記接触子を駆動して前記移動ストロークStを検出し、該移動ストロークStに基づいて異常判定を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動溶接ロボットの電極異常検出装置。
  4. 前記異常判定手段は、前記移動ストロークStに基づいて前記電極の消耗限界を判定する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の自動溶接ロボットの電極異常検出装置。
  5. 前記異常判定手段は、
    前記電極を交換した直後に前記溶接用トーチを前記異常検査位置へ移動させて前記移動ストロークStを検出し、該移動ストロークStを初期位置Dpとして設定する初期位置設定手段と、
    予め定められた消耗検査タイミングで前記溶接用トーチを前記異常検査位置へ移動させて前記移動ストロークStを検出し、該移動ストロークStと前記初期位置Dpとの差〔St−Dp〕を消耗量δとして求める消耗量検出手段と、
    を備えており、該消耗量δが予め定められた消耗限界値δs 以上の場合に前記消耗限界と判定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の自動溶接ロボットの電極異常検出装置。
  6. 前記消耗量検出手段は、前記消耗量δと前記消耗限界値δsとの差に基づいて次回の消耗検査タイミングを設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の自動溶接ロボットの電極異常検出装置。
  7. 前記接触子の先端には予め定められた大きさの先端当接面が前記基準当接面と平行に設けられており、
    前記異常判定手段は、前記電極を交換した直後に前記溶接用トーチを前記異常検査位置へ移動させて前記移動ストロークStを検出し、該移動ストロークStが予め定められた位置ずれ判定値Ds以上の場合に、前記電極が前記基準当接面と平行な方向に位置ずれしていると判定する
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の自動溶接ロボットの電極異常検出装置。
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