JP5499074B2 - レンズブランク、及びその製造方法、並びにレンズの製造方法 - Google Patents

レンズブランク、及びその製造方法、並びにレンズの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、研磨を含む二次加工によりガラス製レンズを作製するためのレンズブランク及びその製造方法、並びに該レンズブランクを二次加工してレンズを製造する方法に関する。
熔融ガラスからレンズ形状に近似した形状をもつレンズブランクと呼ばれる成形品を作製し、研削、研磨してレンズを作製する方法が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。
特開2008−207973号公報
レンズブランクからレンズを作製するには、まずレンズブランクの側面、すなわち、レンズのコバに加工される面を、カーブジェネレータと呼ばれる研削機のチャックで保持、固定し、ワーク(レンズブランク)と砥石とを反対方向に回転させて所要の曲率を有する球面に研削する。レンズブランクの両主表面を研削した後、精研削、研磨を行い、芯取りを行ってレンズに仕上げる。
ところで、望遠レンズの前玉、屈折型天体望遠鏡、双眼鏡などの対物側レンズには正のパワーをもつ大口径のガラスレンズが使用されているが、これらのレンズはコバが薄い。コバの薄いレンズを作るためのレンズブランクもコバに相当する部分は薄く、カーブジェネレータで研削する際、チャッキングが滑ってしまい研削がうまくいかない、あるいはガラスが破損するというトラブルが起こりやすい。
本発明は上記課題を解決し、良好な二次加工が可能なガラス製のレンズブランクとその製造方法、並びにレンズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決する手段として、本発明に係るレンズブランクは、研磨を含む冷間加工により二次加工が施されてレンズに仕上げられるガラス製のレンズブランクにおいて、前記二次加工により光学機能面に仕上げられる対向する二つの主表面と、前記二つの主表面を囲む側面とを備え、前記側面に一方の主表面側から他方の主表面側へと向かう凹部および/または凸部を有する構成としてある。
本発明に係るレンズブランクは、両凸形状、平凸形状、凸メニスカス形状のいずれかの形状を備えた構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、前記凹部または前記凸部が側面の全周に形成されている構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、前記凸部と前記凹部が等間隔に全周にわたって形成されている構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、前記凹部または前記凸部が側面の一部に形成されている構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、前記2つの主表面の各中心と交わる対称軸を有し、前記対称軸に対し前記凸部と前記凹部がともに一定の角度をなす構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、前記対称軸に対して前記凸部のなす角が0〜60度の範囲であり、前記対称軸と前記凹部のなす角が0〜60度の範囲である構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、前記凹部または凸部の間隔が0.5〜1.6mmの範囲にある構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、前記凸部の頂部が丸みを帯びている構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、外径が30〜105mmの範囲であり、中心肉厚が5〜30mmの範囲にある構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、外縁部が中心肉厚より肉厚が薄い肉薄部であり、前記肉薄部の厚みが1〜20mmの範囲にある構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、中心肉厚t1に対する肉薄部の厚みt2の比(t2/t1)が1/30〜1/2の範囲にある構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクは、外径φに対する肉薄部の厚さt2の比(t2/φ)が1/105〜1/2の範囲にある構成としてもよい。
また、本発明に係るレンズブランクの製造方法は、研磨を含む冷間加工により二次加工が施されてレンズに仕上げられるレンズブランクの製造方法において、一対の対向する押圧型と、内周面に一方の押圧型側から他方の押圧型へと向かう凹部および/または凸部を有する胴型を備えたプレス成形型により熔融ガラスをプレス成形し、前記一対の押圧型のプレス成形面と胴型の内周面をガラスに転写し、前記二次加工により光学機能面に仕上げられる対向する二つの主表面と、前記二つの主表面を囲む側面とを備え、前記側面に一方の主表面側から他方の主表面側へと向かう凹部および/または凸部を有するレンズブランクを作製する方法としてある。
また、本発明に係るレンズブランクの製造方法は、レンズブランクを研削、研磨するレンズの製造方法において、上述したレンズブランクを用い、前記レンズブランクの側面を保持して主表面を研削する工程を含む方法とすることができる。
また、本発明に係るレンズブランクの製造方法は、レンズブランクを研削、研磨するレンズの製造方法において、上述したレンズブランクの製造方法によりレンズブランクを作製し、前記レンズブランクの側面を保持して主表面を研削する工程を含む方法とすることができる。
本発明によれば、良好な二次加工が可能なガラス製のレンズブランクとその製造方法、ならびにレンズの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るレンズブランクの軸Cを含む断面図である。 図1に示すレンズブランクの凹部および凸部が形成されている側面の一部を模式的に示している。 図1に示すレンズブランクとは別の本発明の一実施形態に係るレンズブランクの凹部および凸部が形成されている側面の一部を模式的に示している。 本発明のレンズブランクの製造方法で使用するプレス成形型の一例の垂直断面図である。 図4に示す胴型の内周面に形成した凹部と凸部の一部を示している。
(レンズブランク)
本発明のレンズブランクは、研磨を含む冷間加工により二次加工が施されてレンズに仕上げられるガラス製のレンズブランクにおいて、前記二次加工により光学機能面に仕上げられる対向する二つの主表面と、前記二つの主表面を囲む側面とを備え、前記側面に一方の主表面側から他方の主表面側へと向かう凹部および/または凸部を有することを特徴とする。
レンズブランクとは、作製しようとするレンズの形状に二次加工により除去する加工しろを加えた形状、すなわち、レンズの形状に近似する形状を備えたガラス成形体を意味する。
なお、レンズブランクは、プレス成形用素材とは異なり、ガラスを加熱して塑性変形させる熱間加工を施すためのガラス物品ではなく、冷間加工によりレンズを作製するための物品である。
上記レンズブランクの一例について図1を用いて説明する。図1は両凸レンズ用のレンズブランク1を、レンズに加工したときに光軸となる軸Cを含む断面を示したものである。
なお、レンズブランクをレンズに加工する際、レンズブランクの形状とレンズの形状が近似しているほうが、加工量を少なくすることができ、加工時間を短くすることができるほか、加工により除去されるガラスを少なくすることができるので、加工屑を少なくできるので、好ましい。このような理由から、両凸レンズ用のレンズブランクは両凸形状であることが好ましく、平凸レンズ用のレンズブランクは平凸形状であることが好ましく、凸メニスカスレンズ用のレンズブランクは凸メニスカス形状であることが好ましい。
ここで、軸Cは、レンズブランクの対称軸でもある。両凸形状のレンズブランクに限らず、平凸レンズ用のレンズブランク、凸メニスカスレンズ用のレンズブランクにおいても、軸Cはレンズブランクの対称軸となる。前記対称軸は、レンズブランクの2つの主表面の中心において、前記各主表面と交わる。すなわち、前記対称軸とそれぞれの主表面との交点が、それぞれの主表面の中心となる。図1において、第一面R1、第二面R2はレンズブランク1の主表面で、二次加工によりレンズの光学機能面に加工される。コバ4はレンズブランク1の側面に相当し、両凸レンズ用のレンズブランク1では軸Cおよび軸Cに近い部分、すなわち中心部が肉厚部2、コバ4に近い部分、すなわちレンズブランクの外縁部が肉薄部3となっている。
図2は、コバ4、すなわちレンズブランク1の側面の一部を拡大したものであり、下方が図1における第一面R1側、上方が第二面R2側である。図2に示すように、レンズブランク1の側面には、一方の主表面側、すなわち第一面R1側から、他方の主表面側、すなわち第二面R2側へと伸びる凸部5と凹部6が等間隔に全周にわたって形成されている。凸部5と凹部6はともに図示しない軸C、すなわちレンズブランクの対称軸に対し一定の角度をなすように形成されている。
このようにレンズブランク1の側面に凸部5と凹部6が存在することにより、レンズブランク1の側面をチャックにより保持し、レンズブランク1を軸Cの周りに回転させ、主表面を研削する際、レンズブランク1の側面(コバ4)とチャックとの間の実効的な摩擦を大きくすることができ、レンズブランク1とチャックとが滑ることなく主表面を研削することができる。
凸部5と凹部6のそれぞれと軸C、すなわちレンズブランクの対称軸とのなす角は0〜60度の範囲にすることが好ましい。角度が60度以上であると上記実効的な摩擦を大きくすることが困難となる。
図3は、他のレンズブランク1の側面の一部を拡大したものである。この例では図示しない軸Cに対し一定の角度で等間隔に形成された複数の凹部6aと、前記複数の凹部6aと一定の角度で交差する複数の凹部6bとがレンズブランク1の側面に形成されている。凹部6a,6bで囲まれた部分が凸部5となる。図3に示す例においても、レンズブランク1の側面とチャックとの間の実効的な摩擦を大きくすることができる。また凹部6a,6bと軸C、すなわちレンズブランクの対称軸とのなす角は0〜60度の範囲にすることが好ましい。
本発明によれば、レンズブランク1の側面とチャックとの間の実効的な摩擦を大きくすることができるので、両凸レンズ、平凸レンズ、凸メニスカスレンズのようにレンズの中心肉厚に比べてコバ4の厚さが薄く、研削時にレンズブランク1の側面とチャックとの間で滑りが起こりやすい場合に本発明は好適である。このような観点から、本発明のレンズブランク1は、外縁部が中心肉厚より肉厚が薄い薄肉部になっている両凸形状、平凸形状、凸メニスカス形状のいずれかの形状を備えたものであることが好ましい。
また、図1を参照しながら両凸形状のレンズブランクについて説明した事項は、平凸形状のレンズブランクや凸メニスカス形状のレンズブランクについても適用することができる。
なお、レンズブランク1の材料となるガラスは特に限定されないが、低分散性と異常部分分散性を有し、色収差補正に適し、正のパワーを有する大口径のレンズの材料として好適なフツリン酸光学ガラスが特に好ましい材料である。
なお、レンズブランク1の外径φ、中心肉厚t1、コバ4の肉厚に相当する肉薄部の厚みt2については特に限定はないが、各部位の寸法を例示すると、外径φは30〜105mm、中心肉厚t1は5〜30mmであり、両凸形状のレンズブランク、平凸形状のレンズブランク、凸メニスカス形状のレンズブランクにおいては、コバ4の肉厚に相当する肉薄部3の厚みt2は1〜20mm程度である。また、中心肉厚t1に対する肉薄部の厚みt2の比(t2/t1)は1/30〜1/2、外径φに対する肉薄部3の厚さt2の比(t2/φ)は1/105〜1/2程度である。
凹部6あるいは凸部5の間隔は特に限定されるものではないが、例えば0.5〜1.6mm程度とすることができる。
凹部6あるいは凸部5はレンズブランク1の側面の全周に形成してもよいが、レンズブランク1とチャックの滑りを防止することができれば、レンズブランク1の側面の一部に形成してもよい。
なお、レンズブランク1の側面をチャッキングしたとき、側面に形成された凸部5の頂部が破損しないようにするため、前記凸部5の頂部は丸みを帯びていることが好ましい。
さらに、レンズを実装、固定する際、コバ4を位置決め基準面に用いて固定精度を高める上から、芯取りなどの二次加工によって除去することになる加工しろよりも、レンズブランク1の側面に形成する凹部6の深さ、凸部5の高さ、あるいは凹部6と凸部5の高低差を小さく形成しておくことが好ましい。
レンズブランク1の側面の凹部6、凸部5は二次加工時の滑り防止部として機能する。
(レンズブランクの製造方法)
本発明のレンズブランクの製造方法は、研磨を含む冷間加工により二次加工が施されてレンズに仕上げられるレンズブランクの製造方法において、一対の対向する押圧型と、内周面に一方の押圧型側から他方の押圧型へと向かう凹部および/または凸部を有する胴型を備えたプレス成形型により熔融ガラスをプレス成形し、前記一対の押圧型のプレス成形面と胴型の内周面をガラスに転写し、前記二次加工により光学機能面に仕上げられる対向する二つの主表面と、前記二つの主表面を囲む側面とを備え、前記側面に一方の主表面側から他方の主表面側へと向かう凹部および/または凸部を有するレンズブランクを作製することを特徴とする。
上記方法おいて使用するプレス成形型の一例の垂直断面を図4に示す。上型10と下型21とが一対の押圧型を構成し、下型21は胴型22にはめ込まれ金型20を構成している。複数個の金型20をターンテーブル上に配置し、ターンテーブルをインデックス回転して各金型20を循環移送するが、図4には示さない熔融ガラス流出パイプの流出口の真下に停留した金型20の下型成形面21a上に流出口から流出する熔融ガラス流の先端を受け、シアブレードで熔融ガラス流を切断し、下型成形面21a上にレンズブランク1の一個分に相当する熔融ガラス塊を取得する。次に熔融ガラス塊を載せた金型20をインデックス回転により上型10が上方で待機する位置に停留させ、上型10および下型21により熔融ガラス塊をプレスし、ガラスを上型10、下型21、胴型22で囲まれる空間(キャビティー)に押し広げ、ガラスに上型成形面10a、下型成形面21a、胴型内周面の形状を転写するとともに、レンズブランク1に成形する。
胴型22の内周面には、図5に図示したように凹部50と凸部60とが形成されており、プレス成形によって胴型内周面の形状がレンズブランク1の側面としてガラスに転写されるので、胴型22の内周面に形成した凹部50がレンズブランク1の側面に凸部5を形成し、胴型22の内周面に形成した凸部60がレンズブランク1の側面に凹部6を形成する。
なお、プレス成形時のガラスの粘度は1dPa・s〜10dPa・s程度を目安とすればよい。プレス時間は3〜100秒、プレス圧力は15KPa〜60KPaを目安にすることができる。
次にプレス成形終了後、上型10を上方へ退避し、金型20を金型内のレンズブランク1とともに後段の停留位置へ順次移送する。この移送過程でレンズブランク1は冷却、固化し、金型から取り出されてアニールされる。
ターンテーブルを回転することにより、各金型20で上記プロセスを実行することにより、熔融ガラスからレンズブランク1を次々と製造する。
このようにして作製したレンズブランク1の一例が図1に示すものである。ここで、第一面R1は下型成形面21aを転写して成形した面であり、第二面R2は上型成形面10aを転写して成形した面であり、コバ4は胴型22の内周面を転写して成形した面である。
そして、レンズブランク1の側面には図2に示す凸部5と凹部6が形成される。
なお、下型成形面21aの外周と上型成形面10aの外周にテーパーを付けて、これらテーパーをガラスに転写することにより、第一面R1とコバ4の間と第二面R2とコバ4の間に面取り部を成形してもよい。レンズブランク1にこのような面取り部を設けることは、二次加工を含む後工程においてガラスの破損を防止する上で有効である。
上記方法により、本発明のレンズブランク1を製造することができ、上述した発明の効果を得ることができる。
なお、レンズブランク1側面に図3に示す凸部5と凹部6a,6bを形成したい場合は、レンズブランク1側面の凹部6a,6bの形状、凸部5の形状をそれぞれ反転した形状の凸部60と凹部50を胴型内周面に形成すればよい。
また、胴型内周面の凹部50、凸部60を上型10側から下型21側に向かうように形成することにより、金型20からレンズブランクを取り出しやすくなる。
(レンズの製造方法)
本発明のレンズの製造方法の第一の態様は、レンズブランクを研削、研磨するレンズの製造方法において、上記本発明のレンズブランクを用い、前記レンズブランク1の側面を保持して主表面を研削する工程を含むことを特徴とする。
本発明のレンズの製造方法の第二の態様は、レンズブランクを研削、研磨するレンズの製造方法において、上記本発明の方法によりレンズブランクを作製し、前記レンズブランクの側面を保持して主表面を研削する工程を含むことを特徴とする。
いずれの態様においても、レンズブランク1の側面を保持して主表面を研削する際、レンズブランク1の側面に形成された凹部6および/または凸部5により、レンズブランク1とレンズブランク1を保持する保持具、すなわちチャックの間の滑りを防止することができ、確実にレンズの形状を所望の形状に加工することができ、さらには、上記滑りによるガラスの破損を防止することができる。
レンズブランク1の二次加工には公知の加工法を適用することができる。
すなわち、レンズブランク1の側面をカーブジェネレータの保持具、すなわち、チャックに固定し、レンズブランク1の主表面を球面研削、所謂、荒摺りを行う。二つの主表面の荒摺りを終えたら、二つの主表面に順次、砂掛けと呼ばれる精研削を施し、次いで研磨を実行して二つの光学機能面を形成する。それから、芯取りによりレンズブランク1の側面に相当する外周部を削り、光軸Cの周りに対称なレンズ形状に仕上げる。
この芯取りによって、レンズブランク1側面に形成した凹部6および/または凸部5を除去することが好ましい。すなわち、コバ4に前記凹部6、凸部5の無いレンズを作製することが好ましい。凹部6および/または凸部5を除去することにより、レンズを実装、固定する際、コバ4を位置決め基準面に用い、レンズの固定精度を高精度にすることができる。
そのためには、芯取りの加工しろよりも、凹部6の深さ、凸部5の高さ、あるいは凹部6と凸部5の高低差を小さく形成しておくことが好ましい。
このようにして、両凸レンズ、平凸レンズ、凸メニスカスレンズなどの各種球面レンズを高精度かつ高い生産性のもとに製造することができる。
なお、レンズの光学機能面には必要に応じて反射防止膜などをコートしてもよい。
次に実施例に基づき、より詳細に説明する。
まず、フッ化物、リン酸塩、酸化物を秤量し、十分混合して調合原料とし、調合原料を坩堝に投入して加熱、熔融した後、清澄、均質化してフツリン酸ガラスの熔融ガラスを得た。
なお、このフツリン酸ガラスの屈折率ndは1.49700、アッベ数νdは81.61、ガラス転移温度は457℃である。
そして、図4に示すプレス成形型を用い、下型成形面21a上に上記フツリン酸光学ガラスの熔融ガラスを流出し、図示しないシアブレードで熔融ガラス流を切断して下型成形面21a上に熔融ガラス塊を得た。流出時の熔融ガラスの温度は650〜680℃である。次いで下型21上の熔融ガラス塊を上型10でプレスし、上型10、下型21、胴型22で囲まれたキャビティー内にガラスを押し広げ、レンズブランク1を成形した。なお、胴型内周面には予め図5に示す凹部50と凸部60を形成しておいた。プレス成形後、上型10を離型し、レンズブランク1が外力によって変形しない温度まで冷却されてから金型から取り出し、アニールした。
なお、上型成形面10a、下型成形面21aには輪帯状の凹凸を設け、レンズブランク1の主表面にその形状を転写した。このようにすることで、レンズブランク1の表面積を増加させ、レンズブランク1の主表面からの放熱を促進することにより、冷却過程におけるガラスのヒケによる形状精度の低下を防止した。なお、輪帯状の凹凸の高低差は二次加工によって除去される加工しろよりも小さくした。
なお、プレス成形時の圧力は15.7KPa、プレス時間は15秒、下型21、胴型22、上型10の温度はそれぞれ420℃、430℃、460℃とした。下型21、胴型22はヒータによる加熱あるいは高周波誘導加熱によって上記温度に制御した。
このようにして外径φが54.1mm、中心肉厚t1が8.5mm、肉薄部の厚さt2が1.8mm、第一の主表面(第一面R1)の曲率半径が+74.5mm、第二の主表面(第二面R2)の曲率半径が+370mmのレンズブランク1を得た。第一の主表面と側面の間には0.5mmの面取り、第二の主表面と側面の間には0.5mmの面取りを設け、側面に形成した凹部6と凸部5の高低差は0.066〜0.068mm、凹部6と凸部5の間隔は0.977mmピッチとした。側面に形成した凹部6と凸部5の高低差は後工程における芯取りによって除去される加工しろ0.5mmよりも小さいため、芯取りによって凹部6および凸部5を完全に除去することができる。なお、加工しろが0.5mmであることから、芯取りにより直径は1.0mm減少する。
プレス成形時、胴型の温度を上記温度に設定することにより、ガラスが胴型内周面に達すると急激に冷され粘度が上昇し、胴型内周面に形成した凹部50の奥までガラスが入り込まないようにすることができる。その結果、レンズブランク1側面の凸部5の頂部は自由表面となりエッジ状ではなく丸みをつけることができる。
上述のようにプレス成形型の温度を制御することにより、プレス成形からレンズブランク1の取り出しまでの金型20の収縮量をガラスの収縮量よりも小さくすることができる。その結果、レンズブランク1が冷却する過程でレンズブランク1側面の凸部5が胴型内周面の凹部50から外れやすくなり、金型20からレンズブランク1をより容易に取り出すことができる。
このようにして図1に示す両凸レンズ用のレンズブランク1を作製した。
次にレンズブランク1の側面をカーブジェネレータの保持具にチャッキングし、第一の主表面を研削し、次いでチャッキングを解除し、レンズブランク1を反転してから再度、側面を保持具でチャックし、第二の主表面を研削した。
二つの主表面を研削する際、ワーク(レンズブランク1)とチャックとの間での滑りは一度も発生しなかった。そのため、二つの主表面を所要の精度で球面研削することができた。
カーブジェネレータによる荒摺り後、二つの主表面に順次砂掛けと呼ばれる精研削を施し、さらに研磨を行い、レンズの光学機能面を形成した。
次に芯取りを行い、側面に形成した凹部と凸部を完全に除去した。
このようにして作製した両凸レンズをカメラのレンズ鏡筒に取り付け、撮影を行ったところ、高画質の映像、画像を得ることができた。
(比較例)
胴型内周面に凹部、凸部を設けず、レンズブランク側面に凹部、凸部を形成しない点を除き、上記実施例と同様にしてフツリン酸光学ガラスからなるレンズブランクを作製した。このレンズブランクを実施例と同様にカーブジェネレータの保持具に固定し、荒摺りを開始したところ、ワークと保持具とが滑ってしまい、加工を中断し、最初からやり直さなければならなくなった。
このように何度か同様の荒摺りを行ったところ、ワークと保持具との滑りによりワークが破損したり、ワークの取り付け角度が加工中に変ったことによると考えられる加工精度の低下が見られた。
本発明のレンズブランクは、良好な二次加工が可能なレンズブランクである。
1 レンズブランク
2 肉厚部
3 肉薄部
4 コバ
C 光軸
R1 第一面
R2 第二面
10 上型
10a 上型成形面
20 金型
21 下型
21a 下型成形面
22 胴型

Claims (7)

  1. 研磨を含む冷間加工により二次加工が施されてレンズに仕上げられるガラス製のレンズブランクにおいて、
    前記二次加工により光学機能面に仕上げられる対向する二つの主表面と、前記二つの主表面を囲む側面とを備え、前記側面に一方の主表面側から他方の主表面側へと向かう凹部および/または凸部を有することを特徴とするレンズブランク。
  2. 両凸形状、平凸形状、凸メニスカス形状のいずれかの形状を備えた請求項1に記載のレンズブランク。
  3. 研磨を含む冷間加工により二次加工が施されてレンズに仕上げられるレンズブランクの製造方法において、
    一対の対向する押圧型と、内周面に一方の押圧型側から他方の押圧型へと向かう凹部および/または凸部を有する胴型を備えたプレス成形型により熔融ガラスをプレス成形し、前記一対の押圧型のプレス成形面と胴型の内周面をガラスに転写し、
    前記二次加工により光学機能面に仕上げられる対向する二つの主表面と、前記二つの主表面を囲む側面とを備え、前記側面に一方の主表面側から他方の主表面側へと向かう凹部および/または凸部を有するレンズブランクを作製することを特徴とするレンズブランクの製造方法。
  4. 粘度が1dPa・s〜10 dPa・sの熔融ガラスをプレス成形する請求項3に記載のレンズブランクの製造方法。
  5. レンズブランクを研削、研磨するレンズの製造方法において、
    請求項1または2に記載のレンズブランクを用い、前記レンズブランクの側面を保持して主表面を研削する工程を含むことを特徴とするレンズの製造方法。
  6. レンズブランクを研削、研磨するレンズの製造方法において、
    請求項3または4に記載のレンズブランクの製造方法によりレンズブランクを作製し、前記レンズブランクの側面を保持して主表面を研削する工程を含むことを特徴とするレンズの製造方法。
  7. 前記レンズブランクの二つの主表面を球面研削する請求項5または6に記載のレンズの製造方法。
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