JP5498138B2 - 体液処理用品 - Google Patents

Description

この発明は、生理用ナプキン、尿吸収パッド、パンティライナ等の体液処理用品に関する。

従来、生理用ナプキンなど体液処理用品に着色したものが知られている。例えば、特許文献１によれば、体液処理用品は、最上部表面と低部表面とを有する吸収性コアを含み、吸収性コアはトップシートとバックシートの間に配置されている。このような体液処理用品は、着色部分と非着色部分とを有し、着色部分は、トップシートの表面から見ることができる。このように着色部分を形成することによって、ナプキンに付着した経血を見え難くすることができる。

特表２００５−５１２６８２号公報（ＪＰ ２００５−５１２６８２ Ａ）

着色部分は、着用物品の縦横方向の中央部分に形成されている。このような着色部分は、少なくとも二つの明暗の使用によって深みの知覚を作りだし、経血を見え難くすることとしている。しかし、着色部分の形成については、明暗を利用することについて記載されているのみで、その他については記載されていない。

この発明は、視認可能な表示要素を有するとともに、表示要素が着色材料によって形成され、着色材料の所定面積あたりの平均質量が、縦方向外側に向かって大きくされる体液処理用品を提供することを課題とする。

この発明は、縦方向および横方向と、身体側およびその反対側と、前記縦方向の長さ寸法を二等分する仮想横中心線と、前記仮想横中心線を含む前記縦方向における中央部分と、前記縦方向における両端部を含む両端縁と、前記縦方向における前記中央部分と前記両端部との間に位置して前記仮想横中心線を含まない中間部と、前記身体側に位置する透液性のトップシートと、前記反対側に位置する不透液性のバックシートと、これらシートの間に位置する中間層とを含む体液処理用品の改良に関わる。

この発明は、前記体液処理用品において、前記トップシートおよび前記中間層の少なくともいずれか一方には、着色材料の塗布によって複数の図形を有する表示要素が形成され、前記縦方向外側に位置する前記図形の面積が、前記縦方向内側に位置する前記図形の面積よりも大きく、かつ前記縦方向外側に位置する前記図形の前記着色材料の密度が、前記縦方向内側に位置する前記図形の前記着色材料の密度よりも高く、前記中央部分には前記表示要素が形成されない第１非表示領域が形成され、前記中間部には前記表示要素を有する中間領域が形成され、前記両端縁と前記表示要素との間には前記表示要素が形成されない第２非表示領域が配置されることを特徴とする。「中間層」とは、透液性の繊維不織布によって形成されたシート、吸液性の繊維不織布によって形成されたシート、粉砕パルプ等を含む吸収体などを含む。

この発明の実施態様のひとつとして、前記中間層として吸液性のシートを用いてある。

他の実施態様のひとつとして、前記中間層として吸収体を用いてある。

他の実施態様のひとつとして、前記第１非表示領域と前記第２非表示領域とは前記横方向における両側縁でつながる。

視認可能な表示要素は、トップシートおよび中間層の少なくともいずれか一方に塗布された着色材料によって形成され、着色材料は縦方向外側に向かってその平均質量が大きくされることとしている。したがって、縦方向内側に位置する中央部では、着色材料が少なく、これら着色材料によって体液の吸収が妨げられるのを防止することができる。

第１の実施形態のパンティライナの平面図。 図１のＩＩ−ＩＩ線断面図。 第２の実施形態のパンティライナの平面図。 第３の実施形態のパンティライナの平面図。

（第１の実施形態）
この発明の体液処理用品の一例としてパンティライナ１を用いて説明する。図１および２は、第１の実施形態を示したものである。図１は、パンティライナ１の平面図、図２は、図１のＩＩ−ＩＩ線断面図である。パンティライナ１は、縦方向Ｙおよび横方向Ｘと、横方向Ｘの長さ寸法を二等分する仮想縦中心線Ｐ−Ｐと、縦方向Ｙの長さ寸法を二等分する仮想横中心線Ｑ−Ｑとを有し、仮想縦中心線Ｐ−Ｐおよび仮想横中心線Ｑ−Ｑに対してほぼ対称に形成されている。

パンティライナ１は、着用者の身体側に位置する透液性のトップシート２と、その反対側である着衣側に位置する不透液性のバックシート３と、これらシート２，３の間に位置する中間層としてセカンドシート４とを含む。トップシート２としては、単位面積当たりの質量が約１０〜１００ｇ／ｍ^２、好ましくは約２０〜５０ｇ／ｍ^２、さらに好ましくは約３０ｇ／ｍ^２の親水性繊維のエアスルー繊維不織布またはスパンレース繊維不織布等を用いることができる。セカンドシート４として、吸液性のシートを用いることができ、その単位面積当たりの質量が約１４〜１００ｇ／ｍ^２、好ましくは約２０〜５０ｇ／ｍ^２、さらに好ましくは約４０ｇ／ｍ^２のコットン等の親水性繊維のスパンレース繊維不織布、エアレイド繊維不織布またはティッシュ等を用いることができる。バックシート３としては、単位面積当たりの質量が約１０〜５０ｇ／ｍ^２、好ましくは約３５ｇ／ｍ^２のプラスチックフィルムまたは繊維不織布を用いることができる。バックシート３は、通気性を有することが望ましい。

上記のようなパンティライナ１は、各シートが同形同大に形成され、両端部１２から仮想横中心線Ｑ−Ｑへ向かって、横方向Ｘの長さ寸法が幅狭に形成されている。上記のような形状にすることによって、パンティライナ１を股下間に妄りに不規則に変形させることなく着用者の身体に密着させることができる。パンティライナ１は、仮想横中心線Ｑ−Ｑを含む縦方向Ｙにおける中央部分１１と、縦方向Ｙにおける両端部１２を含む両端縁１３と、仮想横中心線Ｑ−Ｑを含まず中央部分１１と両端部１２との間に位置する縦方向Ｙにおける中間部１４とを有する。

上記のようなパンティライナ１には、トップシート２から視認可能な表示要素５が形成されている。表示要素５は、図形によって形成されている。この表示要素５には着色材料が塗布され、仮想横中心線Ｑ−Ｑから縦方向Ｙの外側に向かってその濃度が高くなるようにグラデーションが形成されている。具体的には、表示要素５の内側の着色材料の密度が、外側に向かって高くされている。このようにすることによって、表示要素５における所定面積あたりの平均質量が、仮想横中心線Ｑ−Ｑから縦方向Ｙ外側に向かって大きくされることとなる。この実施形態で所定面積とは、同一図形内での縦方向Ｙの内側における一定範囲および外側における一定範囲を意味している。

着色材料の密度を高くする方法としては、図示したように線状の塗工領域の間隔を狭くするものがある。また、ドット状に着色材料を塗工し、ドット間隔を狭くする方法もある。また、着色材料の塗工量を徐々に多くする方法もある。いずれの方法においても、縦方向Ｙ外側に向かって密度が高くなるものであればよい。

表示要素５は、セカンドシート４のトップシート２に対向する面４１に例えばフレキソ印刷によって形成することができる。着色材料としては、例えば水性インクを使用することができる。このような着色材料が、経血等の体液で流れ落ちないようにするために、インクの乾燥工程でビヒクル中の樹脂を重合させることができる。重合は、乾燥、ＵＶ照射、電子線照射または加熱等によっておこなうことができる。

表示要素５は、トップシート２から視認可能であれば、着色材料の色相、彩度および明度はどのようなものであってもよい。すなわち、白色のパンティライナ１を用いた場合には、これとは異なる赤・青・黄等の色相を有する着色材料を用いることができるほか、パンティライナ１と同じ色相を有する着色材料を用い、彩度・明度によって視認可能とすることができる。また、パンティライナ１に体液が吸収される前は、表示要素５を視認することができなくても、吸収されることによって、図形が視認されるようになるようなものであってもよい。例えば、白色の着色材料を用い、経血が吸収されることによって、白色の図形が浮かび上がる場合や、体液によって着色材料が白色から他の色に変化する場合等がある。さらに、表示要素５が全体として視認可能であれば、その一部に視認できない部分が含まれていてもよい。すなわち、表示要素５を形成する着色材料の一部にパンティライナ１と同じ色を用い、それが部分的に認識できない場合であっても全体として認識可能であれば、この発明の表示要素を構成する。

表示要素５の着色材料の密度が、縦方向Ｙ内側では低く、外側では高くなるようにすることによって、仮想横中心線Ｑ−Ｑの近傍に位置する中央部分１１近傍では、その外側に比べて着色材料が少なくなる。着色材料５は、乾燥状態においては不透液性を有し、着色材料の密度が高くなれば、着色材料が塗布されたシートの透液性を阻害してしまう。しかし、この発明では、外側から内側に向かって着色材料の質量を小さくしているので、少なくともその内側において透液性を阻害することがない。パンティライナ１等の体液処理用品は、その中央部分１１を***位置に合わせるようにして使用するのが一般的であるから、特に中央部分１１の透液性を阻害しないことが重要となる。

着色材料の密度が縦方向Ｙ外側で高くなることによって、その外側でシートの透液性を抑制するから、シートにおける体液が外側ににじむのを防止することができる。また、着色材料が塗布された領域では、その下層側で吸収された体液がトップシート２側からは見えにくくなるように隠蔽することもできる。

中央部分１１には、表示要素５が形成されない非表示領域が形成される。非表示領域は、仮想縦中心線Ｐ−Ｐおよび仮想横中心線Ｑ−Ｑが交差した中央点に重なるとともに、横方向Ｘの長さ寸法が約２０ｍｍ以上、縦方向Ｙの長さ寸法が約３０ｍｍ以上であることが好ましい。中央部分１１は、***器官が直接接触する部分であり、かつ、常に着用者に密着していることが好ましい。このような中央部分１１に表示要素が形成されると、着色材料が肌に付着してしまうのではないかという疑念を抱きかねない。しかし、この実施形態では中央部分１１は非表示領域としているので、このような懸念を抱かせることがない。

表示要素５は、仮想縦中心Ｐ−Ｐおよび仮想横中心Ｑ−Ｑが交差した中央点に対して対称に形成されている。このように点対称に形成することによって、中央部分１１には表示要素が形成されることなく、しかも、見た目にも美しくすっきりとした印象を与えることができる。このパンティライナ１では、中央部分１１には表示要素５が形成されない第１非表示領域１ａが形成され、中間部１４には表示要素５を有する中間領域１ｂが形成され、両端縁１３と表示要素５との間には表示要素５が形成されない第２非表示領域１ｃが形成される。第１非表示領域１ａと中間領域１ｂとは、横方向Ｘに延びる仮想線Ｌ１によって区切られる。

表示要素５は、セカンドシート４の面４１に印刷によって形成されているが、トップシート２の身体側面２１またはセカンドシート４と対向する面２２に形成されるようにしてもよい。ただし、トップシート２の身体側面２１に形成する場合には、インクが身体に付着しないようにする手段を講じることが好ましい。表示手段５が、セカンドシート４に形成された場合には、これがトップシート２を介して視認可能となるように、トップシート２の全光線透過率を調整することが好ましい。

（第２の実施形態）
図３は第２の実施形態を示したものであって、図１と同様の図である。この第２の実施形態では、表示要素５として大きさの異なる複数の図形５１，５２，５３を用いることを特徴としている。この特徴以外については、第１の実施形態と同様である。同様の構成要素については、第１の実施形態と同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。

図形５１，５２，５３は、仮想横中心線Ｑ−Ｑから縦方向Ｙ外側に向かって大きくなるように並んでいる。すなわち、仮想横中心線Ｑ−Ｑに最も近い図形５１がその面積が最も小さく、その外側に位置する図形５２は、図形５１よりもその面積が大きく、さらに外側に位置する図形５３は、図形５２よりもその面積が大きくされている。図形５１，５２，５３において、着色材料の密度はほぼ等しくされている。しかし、縦方向Ｙの外側に向かって図形の大きさが大きくなっているので、パンティライナ１の全体で見た場合には、外側に向かって着色材料の所定面積における質量は大きくなっている。すなわち、この実施形態で所定面積とは、パンティライナ１の横方向Ｘの全幅×縦方向Ｙの一定長さを意味し、この所定面積における着色材料の平均質量が、外側に向かって大きくされている。

図形の大きさを変えることによって、着色材料の質量を大きくすることができるので、着色材料の塗工量や塗工間隔等を変える方法よりも容易におこなうことができる。また、図形５１，５２，５３の各着色材料の密度が等しくされているが、縦方向Ｙ外側に向かって高くなるようにしてもよい。各図形の密度を変えることによって、図形５１，５２，５３の質量の大小の勾配を大きくすることができる。

（第３の実施形態）
図４は第３の実施形態を示したものであって、図１と同様の図である。この第３の実施形態では、表示要素５として大きさの異なる複数の図形５４，５５を用いることを特徴としている。この特徴以外については、第１の実施形態と同様である。同様の構成要素については、第１の実施形態と同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。

図形５５は、図形５４よりも縦方向Ｙの外側に位置するとともに、横方向Ｘの外側に位置している。このような図形５５が、図形５４よりもその面積が大きくなるようにしている。また、図形５５の着色材料の塗工量は、図形５４の着色材料のそれよりも大きくされている。

上記のようにすることによって、縦方向Ｙおよび横方向Ｘ外側に向かって着色材料の所定面積における質量を大きくすることができる。図形の大きさと、着色材料の量とのいずれをも変化させることとしたので、着色材料の質量の大小の勾配を大きくすることができる。

第１および第２の実施形態において、図形は、仮想縦中心線Ｐ−Ｐおよび仮想横中心線Ｑ−Ｑの交点に対称に、２箇所形成されているが、これに限ったものではなく、いずれか一箇所に形成されていればよい。また、点対称に図形を形成するものに限定するものではなく、非対称であってもよい。

表示要素５の形成手段として、フレキソ印刷をその一例としてあげているが、グラビア印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等、他の印刷方法によっても形成することができる。また、インクとしては水性インク、油性インクのほか、ＵＶインクを使用することもできる。それぞれのインク特性に応じた印刷方法を選択することができるとともに、この技術分野で慣用されている顔料、ビヒクルを用いることができる。

トップシート２、セカンドシート４およびバックシート３としては、この実施形態のものに限られることなく、種々のシートを用いることができる。セカンドシート４として、吸液性の一枚のシートを用いているが、これが複数枚積層されていてもよい。また、セカンドシート４として透液性のシートを用いることもできる。透液性のシートとしては、単位面積当たりの質量が約１０〜１００ｇ／ｍ^２、好ましくは約２０〜５０ｇ／ｍ^２、さらに好ましくは約３０ｇ／ｍ^２の親水性のエアスルー不織布等を用いることができる。セカンドシート４として、透液性のシートと吸液性のシートとを積層させたものを用いることもできる。これらシートは、ホットメルト接着剤等の接着手段によって、互いに対向する面が接合されている。

中間層としてセカンドシート４を用いた例を説明しているが、これに限ったものではなく、例えば、中間層として吸収体を用いることもできる。吸収体としては、圧縮成形した粉砕パルプを用いることができ、この粉砕パルプを直接トップシート２およびバックシート３で挟んで体液処理用品とすることができる。この場合には、表示要素５は、トップシート２に形成されることが望ましい。また、吸収体として、粉砕パルプや高吸収性ポリマー粒子をティッシュペーパ等で包んだものを用いることもできる。

第１および第２の実施形態において、パンティライナ１の縦方向Ｙの長さ寸法を約９０〜２００ｍｍとしているが、この寸法に限定されることなく、種々の寸法に設定することができる。パンティライナ１の縦方向Ｙの長さ寸法を大きくした場合には、表示要素５の縦方向Ｙの長さ寸法を小さくし、中央部分１１の非表示領域が大きくなるようにすることが好ましい。このような寸法関係にすることによって、縦方向Ｙの大きなパンティライナ１は、その縦方向Ｙの長さ寸法をより大きく見せることができ、着用者に対して安心感を与えることができる。

表示要素５の図形としては、さまざまなものを使用することができることは当然であり、例えば、雪の結晶のマークや、花柄等を用いることができる。また、体液処理用品としては、パンティライナのほか、生理用ナプキンや尿吸収パッド等があげられる。

１ パンティライナ（体液処理用品）
１ａ 第１非表示領域
１ｂ 中間領域
１ｃ 第２非表示領域
２ トップシート
３ バックシート
４ セカンドシート（中間層）
５ 表示要素
１１ 中央部分
１２ 両端部
１３ 両端縁
１４ 中間部
１５ 両側縁
５１ 図形
５２ 図形
５３ 図形
５４ 図形
５５ 図形
Ｘ 横方向
Ｙ 縦方向

Claims (4)

1. 縦方向および横方向と、身体側およびその反対側と、前記縦方向の長さ寸法を二等分する仮想横中心線と、前記仮想横中心線を含む前記縦方向における中央部分と、前記縦方向における両端部を含む両端縁と、前記縦方向における前記中央部分と前記両端部との間に位置して前記仮想横中心線を含まない中間部と、前記身体側に位置する透液性のトップシートと、前記反対側に位置する不透液性のバックシートと、これらシートの間に位置する中間層とを含む体液処理用品において、
   前記トップシートおよび前記中間層の少なくともいずれか一方には、着色材料の塗布によって複数の図形を有する表示要素が形成され、
   前記縦方向外側に位置する前記図形の面積が、前記縦方向内側に位置する前記図形の面積よりも大きく、かつ前記縦方向外側に位置する前記図形の前記着色材料の密度が、前記縦方向内側に位置する前記図形の前記着色材料の密度よりも高く、
   前記中央部分には前記表示要素が形成されない第１非表示領域が形成され、前記中間部には前記表示要素を有する中間領域が形成され、前記両端縁と前記表示要素との間には前記表示要素が形成されない第２非表示領域が配置されることを特徴とする前記体液処理用品。
2. 前記中間層として吸液性のシートを用いてある請求項１に記載の体液処理用品。
3. 前記中間層として吸収体を用いてある請求項１に記載の体液処理用品。
4. 前記第１非表示領域と前記第２非表示領域とは前記横方向における両側縁でつながる請求項１〜３のいずれかに記載の体液処理用品。

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