JP5494884B1 - 中間基材フィルム、およびタッチパネルセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な角度から視認した場合における色味のばらつきを抑制できる中間基材フィルム、およびタッチパネルセンサを提供する。
【解決手段】パターニングされた導電層を支持するための中間基材フィルム10であって、透明基材11と、透明基材11の一方の面11A上に形成された第1の高屈折率層13と、第1の高屈折率層13上に形成され、かつ第1の高屈折率層13の屈折率よりも低い屈折率を有する第1の低屈折率層14とを備え、中間基材フィルム10の表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら前記第1の低屈折率層14側から中間基材フィルム10に光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内であり、かつb*値のばらつきが1.6以内である、中間基材フィルム10が提供される。
【選択図】図1
【解決手段】パターニングされた導電層を支持するための中間基材フィルム10であって、透明基材11と、透明基材11の一方の面11A上に形成された第1の高屈折率層13と、第1の高屈折率層13上に形成され、かつ第1の高屈折率層13の屈折率よりも低い屈折率を有する第1の低屈折率層14とを備え、中間基材フィルム10の表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら前記第1の低屈折率層14側から中間基材フィルム10に光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内であり、かつb*値のばらつきが1.6以内である、中間基材フィルム10が提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、中間基材フィルム、およびタッチパネルセンサに関する。
今日、入力手段として、タッチパネル装置が広く用いられている。タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上への接触位置を検出する制御回路、配線およびFPC(フレキシブルプリント基材)を備えている。タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として表示装置とともに用いられている。このような装置においては、タッチパネルセンサが表示装置の表示面上に配置されており、これによって、表示装置に対する極めて直接的な入力が可能となっている。
タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ上への接触位置(接近位置)を検出する原理に基づいて、種々の形式に区別される。昨今では、光学的に明るいこと、意匠性があること、構造が容易であること、機能的にも優れていること等の理由から、静電容量方式のタッチパネル装置が注目されている。静電容量方式には表面型と投影型とがあるが、マルチタッチの認識(多点認識)への対応に適していることから、投影型が注目を浴びている。
投影型静電容量方式のタッチパネルに用いられるタッチパネルセンサとしては、中間基材フィルムと、中間基材フィルム上に形成された透明導電層とを備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
現在、タッチパネル装置の大面積化が進んでいるが、タッチパネル装置の大面積化が進むにつれて、画面サイズが大きくなるので、タッチパネル装置を視認する場所によって視認角度が大きく異なる傾向にある。タッチパネル装置に用いられるタッチパネルセンサの中間基材フィルムは、正面から視認することを前提として設計されているが、このような正面から視認することを前提とした設計思想では、視認する角度によって色味がばらついてしまうので、タッチパネル装置の大面積化に対応することができないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、様々な角度から視認した場合における色味のばらつきを抑制できる中間基材フィルム、およびタッチパネルセンサを提供することを目的とする。
本発明の一の態様によれば、パターニングされた導電層を支持するための中間基材フィルムであって、透明基材と、前記透明基材の一方の面上に積層され、屈折率が1.47以上1.57以下であり、かつ膜厚が1μm以上の第1の透明層と、前記第1の透明層上に積層され、屈折率が1.62以上1.72以下であり、かつ膜厚が20nm以上80nm以下の第1の高屈折率層と、前記第1の高屈折率層上に積層され、屈折率が1.44以上1.54以下であり、かつ膜厚が3nm以上45nm以下の第1の低屈折率層とを備え、前記中間基材フィルムの表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら前記第1の低屈折率層側から前記中間基材フィルムに光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内であり、かつb*値のばらつきが1.6以内である、中間基材フィルムが提供される。
上記中間基材フィルムは、前記透明基材における前記一方の面とは反対側の面上に積層され、屈折率が1.47以上1.57以下であり、かつ膜厚が1μm以上の第2の透明層と、前記第2の透明層上に積層され、屈折率が1.62以上1.72以下であり、かつ膜厚が20nm以上80nm以下の第2の高屈折率層と、前記第2の高屈折率層上に積層され、屈折率が1.44以上1.54以下であり、かつ膜厚が3nm以上45nm以下の第2の低屈折率層とをさらに備えていてもよい。
本発明の他の態様によれば、上記中間基材フィルムと、前記中間基材フィルムの前記第1の低屈折率層上に積層され、かつパターニングされた第1の導電層とを備える、タッチパネルセンサが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記中間基材フィルムと、前記中間基材フィルムの前記第1の低屈折率層上に積層され、かつパターニングされた第1の導電層と、前記中間基材フィルムの前記第2の低屈折率層上に積層され、かつパターニングされた第2の導電層とを備える、タッチパネルセンサが提供される。
本発明の一の態様の中間基材フィルおよびタッチパネルセンサによれば、様々な角度から視認した場合における色味のばらつきを抑制できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る中間基材フィルムおよびタッチパネルセンサについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る中間基材フィルムの概略構成図であり、図2は中間基材フィルムにおける分光反射率を分光反射率測定器で測定する様子を示した模式図である。なお、本明細書において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。一具体例として、「中間基材フィルム」には、「中間基材シート」等と呼ばれる部材も含まれる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る中間基材フィルムおよびタッチパネルセンサについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る中間基材フィルムの概略構成図であり、図2は中間基材フィルムにおける分光反射率を分光反射率測定器で測定する様子を示した模式図である。なお、本明細書において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。一具体例として、「中間基材フィルム」には、「中間基材シート」等と呼ばれる部材も含まれる。
≪中間基材フィルム≫
中間基材フィルムは、パターニングされた導電層を支持するためのものである。「中間基材フィルム」とは、例えば、タッチパネル等の装置に組み込んで使用される場合に、タッチパネル等の装置の最表面に用いられるものではなく、タッチパネル等の装置の内部に用いられる基材フィルムを意味する。
中間基材フィルムは、パターニングされた導電層を支持するためのものである。「中間基材フィルム」とは、例えば、タッチパネル等の装置に組み込んで使用される場合に、タッチパネル等の装置の最表面に用いられるものではなく、タッチパネル等の装置の内部に用いられる基材フィルムを意味する。
図1に示される中間基材フィルム10は、透明基材11と、透明基材11の一方の面11A上に形成された第1の透明層12と、第1の透明層12上に形成された第1の高屈折率層13と、高屈折率層13上に形成された第1の低屈折率層14と、透明基材11における一方の面11Aとは反対側の面11B上に形成された第2の透明層15とを備えている。
中間基材フィルム10は、第2の透明層15を備えているが、第2の透明層15を備えていなくてもよい。また、中間基材フィルムは、第2の透明層上に第2の高屈折率層や第2の低屈折率層を備えていてもよい。具体的には、中間基材フィルムとしては、図1に示される中間基材フィルム10の他、透明基材の一方の面上に第1の透明層、第1の高屈折率層、および第1の低屈折率層がこの順で設けられ、かつ透明基材の他方の面上に第2の透明層が設けられていない中間基材フィルム、透明基材の一方の面上に第1の透明層、第1の高屈折率層、および第1の低屈折率層がこの順で設けられ、かつ透明基材の他方の面上に第2の透明層および第2の高屈折率層がこの順で設けられた中間基材フィルム、および透明基材の一方の面上に第1の透明層、第1の高屈折率層、および第1の低屈折率層がこの順で設けられ、かつ透明基材の他方の面上に第2の透明層、第2の高屈折率層、および第2の低屈折率層がこの順で設けられた中間基材フィルムのいずれであってもよい。
中間基材フィルム10においては、中間基材フィルム10の表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら第1の低屈折率層14側から中間基材フィルム10に可視光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内となり、かつb*値のばらつきが1.6以内となっている。「L*a*b*表色系」、「a*」、および「b*」は、JIS Z8729に準拠するものである。
a*値およびb*値は、JIS Z8722に準拠して測定されるものであり、具体的には、例えば、公知の分光光度計を用いて、求めることができる。図3に示される分光光度計100は、0°以上75°以下の範囲内で移動可能な光源101と、正反射方向の反射光を受光可能なように光源の移動と同期して移動する検出器102とを備えている。光源101の移動角度は中間基材フィルム10の法線方向Nを0°としている。光源101から中間基材フィルム10に光を照射し、正反射方向の反射光を検出器102で受光し、この検出器102によって受光された反射光からa*値およびb*値を求めることができる。分光光度計としては、日本分光株式会社製の絶対反射率測定装置VAR−7010や紫外可視近赤外分光光度計V−7100等が挙げられる。光源としては、タングステンハロゲン(WI)ランプ単体、または重水素(D2)ランプとタングステンハロゲン(WI)ランプとの併用が挙げられる。また、この測定においては、入射角が大きくなるに従い、s偏光とp偏光の反射率差が大きくなるため、正確な測定を行うために透過軸が45°傾いた偏光子を用いることが好ましい。
a*値およびb*値のばらつきは、上記分光光度計により、各入射角度におけるa*値およびb*値を求め、その最大値と最小値の差分の絶対値を算出することによって、求めることができる。a*値のばらつきは0.4以内となっていることが好ましく、またb*値のばらつきは1.55以内となっていることが好ましい。
上記a*値およびb*値を求めたある角度の反射光と、上記a*値およびb*値を求めた他の角度の反射光との色差ΔE*abは、5以下であることが好ましい。「ΔE*ab」は、JIS Z8730に準拠するものである。
<透明基材>
透明基材11としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン基材、ポリカーボネート基材、ポリアクリレート基材、ポリエステル基材、芳香族ポリエーテルケトン基材、ポリエーテルサルフォン基材、またはポリアミド基材が挙げられる。
透明基材11としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン基材、ポリカーボネート基材、ポリアクリレート基材、ポリエステル基材、芳香族ポリエーテルケトン基材、ポリエーテルサルフォン基材、またはポリアミド基材が挙げられる。
ポリオレフィン基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン基材等の少なくとも1種を構成成分とする基材が挙げられる。環状ポリオレフィン基材としては、例えばノルボルネン骨格を有するものが挙げられる。
ポリカーボネート基材としては、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート基材、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート基材等が挙げられる。
ポリアクリレート基材としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル基材、ポリ(メタ)アクリル酸エチル基材、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体基材等が挙げられる。
ポリエステル基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)の少なくとも1種を構成成分とする基材が挙げられる。
芳香族ポリエーテルケトン基材としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基材等が挙げられる。
透明基材11の厚みは、特に限定されないが、5μm以上300μm以下とすることが可能であり、透明基材11の厚みの下限はハンドリング性等の観点から25μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。透明基材11の厚みの上限は薄膜化の観点から250m以下であることが好ましい。
透明基材11の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤やプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。アンカー剤やプライマー剤としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸などとの共重合体、エチレンとスチレンおよび/またはブタジエンなどとの共重合体、オレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂および/またはその変性樹脂、光重合性化合物の重合体、およびエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂等の少なくともいずれかを用いることが可能である。
<第1の透明層および第2の透明層>
本実施形態における第1の透明層12および第2の透明層15は、ハードコート性をすることが好ましい。第1の透明層12および第2の透明層15がハードコート性を有する場合、第1の透明層12および第2の透明層15はJIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有する。鉛筆硬度を「H」以上とすることにより、第1の透明層12の硬さを第1の低屈折率層14の表面に十分に反映させることができ、耐久性を向上させることができる。なお、第1の透明層12上に形成する第1の高屈折率層13との密着性、靱性およびカールの防止の観点から、第1の透明層12の表面の鉛筆硬度の上限は4H程度程とすることが好ましい。タッチパネルセンサは、繰り返し押圧され高度な密着性および靱性が要求されることから、第1の透明層12の鉛筆硬度の上限を4Hとすることにより、中間基材フィルム10をタッチパネルセンサに組み込んで使用する場合に顕著な効果を発揮できる。また、第1の低屈折率層14上に導電層を形成する際には中間基材フィルムへの加熱が伴い、この加熱により透明基材からオリゴマーが析出し中間基材フィルムのヘイズを上昇させる課題が生じる場合があるが、第1の透明層12および第2の透明層15がオリゴマーの析出を抑制する層として機能することができる。
本実施形態における第1の透明層12および第2の透明層15は、ハードコート性をすることが好ましい。第1の透明層12および第2の透明層15がハードコート性を有する場合、第1の透明層12および第2の透明層15はJIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有する。鉛筆硬度を「H」以上とすることにより、第1の透明層12の硬さを第1の低屈折率層14の表面に十分に反映させることができ、耐久性を向上させることができる。なお、第1の透明層12上に形成する第1の高屈折率層13との密着性、靱性およびカールの防止の観点から、第1の透明層12の表面の鉛筆硬度の上限は4H程度程とすることが好ましい。タッチパネルセンサは、繰り返し押圧され高度な密着性および靱性が要求されることから、第1の透明層12の鉛筆硬度の上限を4Hとすることにより、中間基材フィルム10をタッチパネルセンサに組み込んで使用する場合に顕著な効果を発揮できる。また、第1の低屈折率層14上に導電層を形成する際には中間基材フィルムへの加熱が伴い、この加熱により透明基材からオリゴマーが析出し中間基材フィルムのヘイズを上昇させる課題が生じる場合があるが、第1の透明層12および第2の透明層15がオリゴマーの析出を抑制する層として機能することができる。
第1の透明層12の屈折率は、1.47以上1.57以下となっている。第1の透明層12の屈折率の下限は、1.50以上であることが好ましく、第1の透明層12の屈折率の上限は、1.54以下であることが好ましい。また、第2の透明層15の屈折率も第1の透明層12と同様の範囲となっていることが好ましい。ただし、第2の透明層15の屈折率は、必ずしも第1の透明層12の屈折率と一致している必要はない。
第1の透明層12および第2の屈折率層15の屈折率は、単独の層を形成した後、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)やエリプソメーターによって測定できる。また、中間基材フィルム10となった後に屈折率を測定する方法としては、第1の透明層12および第2の屈折率層15をそれぞれカッターなどで削り取り、粉状態のサンプルを作製し、JIS K7142(2008)B法(粉体または粒状の透明材料用)に従ったベッケ法(屈折率が既知のカーギル試薬を用い、前記粉状態のサンプルをスライドガラスなどに置き、そのサンプル上に試薬を滴下し、試薬でサンプルを浸漬する。その様子を顕微鏡観察によって観察し、サンプルと試薬の屈折率が異なることによってサンプル輪郭に生じる輝線;ベッケ線が目視で観察できなくなる試薬の屈折率を、サンプルの屈折率とする方法)を用いることができる。
第1の透明層12の膜厚は1.0μm以上となっている。第1の透明層12の厚みが1.0μm以上であれば、所望の硬度を得ることができる。第1の透明層12の膜厚は、断面顕微鏡観察により測定することができる。第1の透明層の厚みの下限は1.5μm以上であることがより好ましく、上限は7.0μm以下であることがより好ましく、第1の透明層12の厚みは2.0μm以上5.0μm以下であることがさらに好ましい。第2の透明層15の膜厚は第1の透明層12の膜厚と同様の範囲であることが好ましい。ただし、第2の透明層15の膜厚は、必ずしも第1の透明層15の膜厚と一致している必要はない。
第1の透明層12および第2の透明層15は、例えば、樹脂から構成することができる。樹脂は、光重合性化合物の重合物(架橋物)を含むものである。樹脂は、光重合性化合物の重合物(架橋物)の他、溶剤乾燥型樹脂や熱硬化性樹脂を含んでいてもよい。光重合性化合物は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における、「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、光重合性化合物を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線のような電離放射線が挙げられる。
光重合性化合物としては、光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、または光重合性ポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して、用いることができる。光重合性化合物としては、光重合性モノマーと、光重合性オリゴマーまたは光重合性ポリマーとの組み合わせが好ましい。
光重合性モノマー
光重合性モノマーは、重量平均分子量が1000未満のものである。光重合性モノマーとしては、光重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーが好ましい。本明細書において、「重量平均分子量」は、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解して、従来公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得られる値である。
光重合性モノマーは、重量平均分子量が1000未満のものである。光重合性モノマーとしては、光重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーが好ましい。本明細書において、「重量平均分子量」は、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解して、従来公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得られる値である。
2官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO等で変性したものが挙げられる。
これらの中でも硬度が高いハードコート層を得る観点から、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)等が好ましい。
光重合性オリゴマー
光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000以上10000未満のものである。光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000以上10000未満のものである。光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性ポリマー
光重合性ポリマーは、重量平均分子量が10000以上のものであり、重量平均分子量としては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光学フィルムの外観が悪化するおそれがある。上記多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性ポリマーは、重量平均分子量が10000以上のものであり、重量平均分子量としては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光学フィルムの外観が悪化するおそれがある。上記多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性化合物を重合(架橋)させる際には、重合開始剤等を用いてもよい。重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルを発生して光重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。
重合開始剤は、光照射によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であれば特に限定されない。重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、上記バインダ樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。
溶剤乾燥型樹脂は、熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂である。溶剤乾燥型樹脂を添加した場合、防眩層12を形成する際に、塗液の塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
第1の透明層12および第2の透明層15は、上記光重合性化合物を含む透明層用組成物を、透明基材11の表面に塗布し、乾燥させた後、塗膜状の透明層用組成物に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより形成することができる。
透明層用組成物には、上記光重合性化合物の他、必要に応じて、溶剤、重合開始剤を添加してもよい。さらに、透明層用組成物には、第1の透明層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
透明層用組成物を塗布する方法としては、スピンコート、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
透明層用組成物を硬化させる際の光として、紫外線を用いる場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる紫外線等が利用できる。また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
<第1の高屈折率層>
第1の高屈折率層13は、第1の透明層12の屈折率よりも高い屈折率を有する層である。具体的には、第1の高屈折率層13の屈折率は、1.62以上1.72以下となっている。第1の高屈折率層13の屈折率の下限は、1.65以上であることが好ましく、第1の高屈折率層13の屈折率の上限は、1.69以下であることが好ましい。第1の高屈折率層13の屈折率は、上記第1の透明層12の屈折率と同様の方法によって測定することができる。第1の透明層12と第1の高屈折率層13との屈折率差は、色味のばらつきをより抑制する観点から、0.05以上0.15以下であることが好ましい。
第1の高屈折率層13は、第1の透明層12の屈折率よりも高い屈折率を有する層である。具体的には、第1の高屈折率層13の屈折率は、1.62以上1.72以下となっている。第1の高屈折率層13の屈折率の下限は、1.65以上であることが好ましく、第1の高屈折率層13の屈折率の上限は、1.69以下であることが好ましい。第1の高屈折率層13の屈折率は、上記第1の透明層12の屈折率と同様の方法によって測定することができる。第1の透明層12と第1の高屈折率層13との屈折率差は、色味のばらつきをより抑制する観点から、0.05以上0.15以下であることが好ましい。
第1の高屈折率層13の膜厚は、20nm以上80nm以下となっている。第1の高屈折率層13の膜厚の下限は、40nm以上であることが好ましく、第1の高屈折率層13の屈折率の上限は、60nm以下であることが好ましい。
第1の高屈折率層13および第1の低屈折率層14は、導電層が設けられている領域と導電層が設けられていない領域との間の光透過率および反射率の差を小さくするためのインデックスマッチング層として機能することができる。
第1の高屈折率層13としては、上記屈折率および上記膜厚を有するものであれば、特に限定されないが、第1の高屈折率層13は、例えば、高屈折率粒子と、バインダ樹脂とから構成することができる。
上記高屈折率粒子としては、金属酸化物微粒子が挙げられる。金属酸化物微粒子としては、具体的には、例えば、酸化チタン(TiO2、屈折率:2.3〜2.7)、酸化ニオブ(Nb2O5、屈折率:2.33)、酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率:2.10)、酸化アンチモン(Sb2O5、屈折率:2.04)、酸化スズ(SnO2、屈折率:2.00)、スズドープ酸化インジウム(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、酸化セリウム(CeO2、屈折率:1.95)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb2O6、屈折率:1.90〜2.00)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率:1.90)、酸化イットリウム(Y2O3、屈折率:1.87)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO、屈折率:1.75〜1.85)、リンドープ酸化スズ(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、等が挙げられる。これらの中でも、高屈折率化およびコストの観点から、酸化ジルコニウムが好ましい。
第1の高屈折率層13に含まれるバインダ樹脂は特に制限されることがなく、熱可塑性樹脂を用いることもできるが、表面硬度を高くする観点から、熱硬化性樹脂又は光重合性化合物等の重合物(架橋物)であるものが好ましく、中でも光重合性化合物の重合物であるものがより好ましい。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を硬化させる際には、硬化剤を用いてもよい。
光重合性化合物としては、特に限定されないが、光重合性モノマー、オリゴマー、ポリマーを用いることができる。1官能の光重合性モノマーとしては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。また、2官能以上の光重合性モノマーとしては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、これらの化合物をエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド等で変性した化合物等が挙げられる。
また、これらの化合物は、芳香族環、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄、窒素、リン原子等を導入して、屈折率を高く調整したものであってもよい。さらに、上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用することができる。光重合性化合物を重合(架橋)させる際には、第1の透明層および第2の透明層の欄で説明した重合開始剤を用いてもよい。
第1の高屈折率層13は、例えば、第1の透明層12の形成方法と同様の方法によって形成することが可能である。具体的には、まず、第1の透明層12の表面に、少なくとも高屈折率微粒子と光重合性化合物を含む第1の高屈折率層用組成物を塗布する。次いで、塗膜状の第1の高屈折率層用組成物を乾燥させる。その後、塗膜状の透明層用組成物に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより第1の高屈折率層13を形成することができる。
<第1の低屈折率層>
第1の低屈折率層14は、第1の高屈折率層13の屈折率よりも低い屈折率を有する層である。第1の低屈折率層は、第1の高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を有すればよく、必ずしも第1の透明層の屈折率よりも低い屈折率を有さなくともよい。具体的には、第1の低屈折率層14の屈折率は、1.44以上1.54以下となっている。第1の低屈折率層14の屈折率の下限は、1.47以上であることが好ましく、第1の低屈折率層14の屈折率の上限は、1.51以下であることが好ましい。第1の低屈折率層14の屈折率は、上記第1の透明層12の屈折率と同様の方法によって測定することができる。第1の高屈折率層13と第1の低屈折率層14との屈折率差は、色味のばらつきをより抑制する観点から、0.10以上0.22以下であることが好ましい。
第1の低屈折率層14は、第1の高屈折率層13の屈折率よりも低い屈折率を有する層である。第1の低屈折率層は、第1の高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を有すればよく、必ずしも第1の透明層の屈折率よりも低い屈折率を有さなくともよい。具体的には、第1の低屈折率層14の屈折率は、1.44以上1.54以下となっている。第1の低屈折率層14の屈折率の下限は、1.47以上であることが好ましく、第1の低屈折率層14の屈折率の上限は、1.51以下であることが好ましい。第1の低屈折率層14の屈折率は、上記第1の透明層12の屈折率と同様の方法によって測定することができる。第1の高屈折率層13と第1の低屈折率層14との屈折率差は、色味のばらつきをより抑制する観点から、0.10以上0.22以下であることが好ましい。
第1の低屈折率層14の膜厚は、3nm以上45nm以下となっている。第1の低屈折率層14の膜厚の下限は、5nm以上であることが好ましく、第1の低屈折率層14の膜厚の上限は、25nm以下であることが好ましい。
第1の低屈折率層14としては、上記屈折率および上記膜厚を有するものであれば、特に限定されないが、第1の低屈折率層14は、例えば、低屈折率粒子と、バインダ樹脂とから、または低屈折率樹脂から構成することができる。
低屈折率粒子としては、例えば、シリカ、またはフッ化マグネシウムからなる中実または中空粒子等が挙げられる。これらの中でも、中空シリカ粒子が好ましく、このような中空シリカ粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
低屈折率微粒子としては、シリカ表面に反応性官能基を有する反応性シリカ微粒子を用いることが好ましい。反応性官能基としては、光重合性官能基が好ましい。このような反応性シリカ微粒子は、シランカップリング剤等によってシリカ微粒子を表面処理することによって作成することができる。シリカ微粒子の表面をシランカップリング剤で処理する方法としては、シリカ微粒子にシランカップリング剤をスプレーする乾式法や、シリカ微粒子を溶剤に分散させてからシランカップリング剤を加えて反応させる湿式法等が挙げられる。
第1の低屈折率層14を構成するバインダ樹脂としては、第1の高屈折率層13を構成するバインダ樹脂と同様のものが挙げられる。ただし、バインダ樹脂に、フッ素原子を導入した樹脂や、オルガノポリシロキサン等の屈折率の低い材料を混合してもよい。
低屈折率樹脂としては、フッ素原子を導入した樹脂や、オルガノポリシロキサン等の屈折率の低い樹脂が挙げられる。
第1の低屈折率層14は、例えば、第1の透明層12の形成方法と同様の方法によって形成することが可能である。具体的には、まず、第1の高屈折率層13の表面に、少なくとも低屈折率微粒子と光重合性化合物を含む第1の低屈折率層用組成物を塗布する。次いで、塗膜状の第1の低屈折率層用組成物を乾燥させる。その後、塗膜状の第1の低屈折率層用組成物に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより第1の低屈折率層14を形成することができる。
従来、中間基材フィルムの低屈折率層等の屈折率や膜厚は、主に、中間基材フィルムの反射率と中間基材フィルム上に積層される導電層の反射率との差(反射率差)を小さくする観点から決定されており、様々な角度から中間基材フィルムを視認したときの色味のばらつきに関しては何ら注目されていなかった。一方で、人の目は、上記反射率差よりも色味の変化を感じ取りやすく、また中間基材フィルムと導電層との反射率差を小さくするために高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を大きくすると、色味のばらつきは大きくなってしまう傾向がある。本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、中間基材フィルムのa*値およびb*値を調整すれば、色味のばらつきが抑えられることを見出した。具体的には、中間基材フィルムの表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら第1の低屈折率層側から中間基材フィルムに光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内であり、かつb*値のばらつきが1.6以内であれば、観察者が様々な方向から中間基材フィルムを視認した場合であっても、色味がばらついているとは認識されなかったことを実験より見出した。また、透明基材上に、屈折率が1.47以上1.57以下であり、かつ膜厚が1μm以上の第1の透明層と、屈折率が1.62以上1.72以下であり、かつ膜厚が20nm以上80nm以下の第1の高屈折率層と、屈折率が1.44以上1.54以下であり、かつ膜厚が3nm以上45nm以下の第1の低屈折率層とをこの順に積層した場合に、上記中間基材フィルムにおけるa*値のばらつきを1.0以内とし、かつb*値のばらつきを1.6以内とすることができることを見出した。本実施形態によれば、中間基材フィルム10の表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら第1の低屈折率層14側から中間基材フィルム10に光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内であり、かつb*値のばらつきが1.6以内となっているので、様々な角度から基材フィルム10を視認した場合における色味のばらつきを抑制できる。上記屈折率および膜厚を有する第1の透明層12と、上記屈折率および膜厚を有する第1の高屈折率層13と、上記屈折率および膜厚を有する第1の低屈折率層14とを有する中間基材フィルム10においては、導電層との反射率差が許容範囲内となるものの、従来の中間基材フィルムよりも導電層との反射率差が大きくなるので、従来のように、中間基材フィルムと導電層との反射率差を小さくする観点からは、決して採用し得ないものである。したがって、第1の透明層12、第1の高屈折率層13、および第1の低屈折率層14の屈折率および膜厚を上記範囲内にして、a*値およびb*値を上記範囲内にすることによって奏される上記効果は、従来の中間基材フィルムの技術水準に照らして、予測され得る範囲を超えた顕著な効果であると言える。
≪タッチパネルセンサ≫
中間基材フィルム10は、例えば、タッチパネルセンサに組み込んで使用することができる。図3は本実施形態に係る中間基材フィルムを組み込んだタッチパネルセンサの概略構成図であり、図4は図3に示される第1の導電層の一部の平面図であり、図5は図3に示される第2の導電層の一部の平面図である。図6は本実施形態に係る中間基材フィルムを組み込んだ他のタッチパネルセンサの概略構成図である。
中間基材フィルム10は、例えば、タッチパネルセンサに組み込んで使用することができる。図3は本実施形態に係る中間基材フィルムを組み込んだタッチパネルセンサの概略構成図であり、図4は図3に示される第1の導電層の一部の平面図であり、図5は図3に示される第2の導電層の一部の平面図である。図6は本実施形態に係る中間基材フィルムを組み込んだ他のタッチパネルセンサの概略構成図である。
図3に示されるタッチパネルセンサ20は、第1の導電性フィルム30と、第2の導電性フィルム40とを積層した構造を有している。第1の導電性フィルム30は、中間基材フィルム10と、中間基材フィルム10に支持され、パターニングされた第1の導電層31と、中間基材フィルム10および第1の導電層31上に設けられた第1の透明粘着層32とを備えている。第2の導電性フィルム40は、中間基材フィルム10と、中間基材フィルム10に支持され、パターニングされた第2の導電層41と、中間基材フィルム10および第2の導電層41上に設けられた第2の透明粘着層42とを備えている。
第1の導電層31および第2の導電層41は、所望の形状にパターニングされており、また導電性を有するものであれば、特に限定されない。第1の導電層31および第2の導電層41は、取出パターン(図示せず)を介して端子部(図示せず)に接続されている。第1の導電層31および第2の導電層41の形状としては、特に限定されないが、正方形状、菱形状、またはストライプ状が挙げられる。第1の導電層31および第2の導電層41は、図4および図5に示されるように正方形状になっている。
第1の導電層31は、タッチパネルセンサ20におけるX方向の電極として機能するものであるので、図4に示されるように第1の導電層31を構成するパターン形状は横方向に電気的に接続されている。第1の導電層31は、第1の導電性フィルム30を構成する中間基材フィルム10の第1の低屈折率層14上に設けられている。
第2の導電層41は、タッチパネルセンサ20におけるY方向の電極として機能するものであるので、図5に示されるように第2の導電層41を構成するパターン形状は縦方向に電気的に接続されている。第2の導電層41は、第2の導電性フィルム40を構成する中間基材フィルム10の第1の低屈折率層14上に設けられている。
第1の導電層31は、第1の導電性フィルム30を構成する中間基材フィルム10よりも観察者側に配置されており、第2の導電層41は、第2の導電性フィルム40を構成する中間基材フィルム10よりも観察者側に配置されている。すなわち、第2の導電層41は、第1の導電性フィルム30を構成する中間基材フィルム10と第2の導電性フィルム40を構成する中間基材フィルム10との間に配置されている。第1の導電性フィルム30と第2の導電性フィルム40は、第2の透明粘着層42によって貼り付けられている。
中間基材フィルム10は、他の態様のタッチパネルセンサに組み込まれてもよい。図6に示されるタッチパネルセンサ50は、中間基材フィルム10と、中間基材フィルム10に支持され、パターニングされた第1の導電層51および第2の導電層52と、第1の導電層51と第2の導電層52とを固定する透明粘着層53とを備えている。第2の導電層51は、ガラス板54の一方の面に形成されたものであり、第2の導電層51とガラス板54とは一体化している。
第1の導電層51は、タッチパネルセンサ30におけるX方向の電極として機能するものであり、第1の導電層31と同様のパターン形状となっている。第2の導電層52は、タッチパネルセンサ30におけるY方向の電極として機能するものであり、第2の導電層41と同様のパターン形状となっている。第1の導電層51および第2の導電層52は、いずれも中間基材フィルム10の第1の低屈折率層14上に設けられている。
<第1の導電層および第2の導電層>
第1の導電層31、51および第2の導電層41、52は、例えば、透明導電材料から構成された透明導電層であることが好ましい。透明導電材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛、酸化インジウム(In2O3)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ、酸化亜鉛−酸化スズ系、酸化インジウム−酸化スズ系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物等が挙げられる。なお、第1の導電層31、51および第2の導電層41、52は、透明導電層に限らず、例えば、パターニングされた金属メッシュ層であってもよい。金属メッシュ層は、ニッケルや酸化銅によって黒色被覆されていることが好ましい。この黒色被覆によって、金属メッシュ層の金属反射を抑制できる。
第1の導電層31、51および第2の導電層41、52は、例えば、透明導電材料から構成された透明導電層であることが好ましい。透明導電材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛、酸化インジウム(In2O3)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ、酸化亜鉛−酸化スズ系、酸化インジウム−酸化スズ系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物等が挙げられる。なお、第1の導電層31、51および第2の導電層41、52は、透明導電層に限らず、例えば、パターニングされた金属メッシュ層であってもよい。金属メッシュ層は、ニッケルや酸化銅によって黒色被覆されていることが好ましい。この黒色被覆によって、金属メッシュ層の金属反射を抑制できる。
第1の導電層31、51および第2の導電層41、52の形成方法は、特には限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、塗工法、印刷法などを用いることができる。第1の導電層31、51および第2の導電層41、52をパターニングする方法としては、例えばフォトリソグラフィー法が挙げられる。
<透明粘着層>
第1の透明粘着層32、第2の透明粘着層42、および粘着層53としては、公知の感圧接着層や粘着シートが挙げられる。
第1の透明粘着層32、第2の透明粘着層42、および粘着層53としては、公知の感圧接着層や粘着シートが挙げられる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る中間基材フィルムおよびタッチパネルセンサについて、図面を参照しながら説明する。図7は本実施形態に係る中間基材フィルムの概略構成図である。なお、本実施形態において、第1の実施形態で説明した部材と同じ符号が付してある部材は、第1の実施形態で説明した部材と同じ部材であることを意味するものであり、また第1の実施形態と重複する内容については特記しない限り省略するものとする。
以下、本発明の第2の実施形態に係る中間基材フィルムおよびタッチパネルセンサについて、図面を参照しながら説明する。図7は本実施形態に係る中間基材フィルムの概略構成図である。なお、本実施形態において、第1の実施形態で説明した部材と同じ符号が付してある部材は、第1の実施形態で説明した部材と同じ部材であることを意味するものであり、また第1の実施形態と重複する内容については特記しない限り省略するものとする。
図7に示される中間基材フィルム60は、透明基材11と、透明基材11の一方の面11A上に形成された第1の透明層12と、第1の透明層12上に形成された第1の高屈折率層13と、第1の高屈折率層13上に形成された第1の低屈折率層14と、透明基材11の一方の面11Aとは反対側の面11B上に形成された第2の透明層15と、第2の透明層15上に形成された第2の高屈折率層61と、第2の高屈折率層61上に形成された第2の低屈折率層62とを備えている。すなわち、中間基材フィルム60は、中間基材フィルム10の第2透明層15上に第2の高屈折率層61および第2の低屈折率層62を形成したものである。
第2の高屈折率層61は、第1の高屈折率層13と同様の屈折率および膜厚等を有していることが好ましい。すなわち、第2の高屈折率層61は、屈折率が1.62以上1.72以下であり、かつ膜厚が20nm以上80nm以下となっていることが好ましい。また、第2の高屈折率層61は、第1の高屈折率層13と同様の材料から構成することが可能である。
第2の低屈折率層62は、第1の低屈折率層14と同様の屈折率および膜厚等を有していることが好ましい。すなわち、第2の低屈折率層62は、屈折率が1.44以上1.54以下であり、かつ膜厚が3nm以上45nm以下となっていることが好ましい。また、第2の低屈折率層62は、第1の低屈折率層13と同様の材料から構成することが可能である。
中間基材フィルム60においては、中間基材フィルム60の表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら第1の低屈折率層14側から中間基材フィルム60に可視光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内となり、かつb*値のばらつきが1.6以内となっている。a*値のばらつきは0.4以内となっていることが好ましく、またb*値のばらつきは1.55以内となっていることが好ましい。
本実施形態によれば、透明基材11上に、屈折率が1.47以上1.57以下であり、かつ膜厚が1μm以上の第1の透明層12と、屈折率が1.62以上1.72以下であり、かつ膜厚が20nm以上80nm以下の第1の高屈折率層13と、屈折率が1.44以上1.54以下であり、かつ膜厚が3nm以上45nm以下の第1の低屈折率層14とをこの順に積層しているので、中間基材フィルム60の表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら第1の低屈折率層14側から中間基材フィルム60に光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、中間基材フィルム60におけるa*値のばらつきを1.0以内とし、かつb*値のばらつきを1.6以内とすることができる。これにより、様々な角度から視認した場合における色味のばらつきを抑制できる。
中間基材フィルム60においては、中間基材フィルム60の表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら第2の低屈折率層62側から中間基材フィルム60に可視光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内となり、かつb*値のばらつきが1.6以内となっていることが好ましい。a*値のばらつきは0.4以内となっていることが好ましく、またb*値のばらつきは1.55以内となっていることが好ましい。この場合、基材フィルム60の両面において、a*値のばらつきが1.0以内となり、かつb*値のばらつきが1.6以内となっているので、基材フィルム60の両面において、様々な角度から視認した場合における色味のばらつきを抑制できる。
≪タッチパネルセンサ≫
中間基材フィルム60は、例えば、タッチパネルセンサに組み込んで使用することができる。図8は本実施形態に係る中間基材フィルムを組み込んだタッチパネルセンサの概略構成図である。
中間基材フィルム60は、例えば、タッチパネルセンサに組み込んで使用することができる。図8は本実施形態に係る中間基材フィルムを組み込んだタッチパネルセンサの概略構成図である。
図8に示されるタッチパネルセンサ70は、中間基材フィルム60と、中間基材フィルム60に支持され、パターニングされた第1の導電層71および第2の導電層72と、中間基材フィルム60および第1の導電層71上に設けられた第1の透明粘着層73と、中間基材フィルム60および第1の導電層72上に設けられた第2の透明粘着層74とを備えている。
第1の導電層71は、タッチパネルセンサ70におけるX方向の電極として機能するものであり、第1の導電層31と同様のパターン形状となっている。第1の導電層71は、中間基材フィルム60の第1の低屈折率層14上に設けられている。第2の導電層72は、タッチパネルセンサ70におけるY方向の電極として機能するものであり、第2の導電層41と同様のパターン形状となっている。第2の導電層72は、中間基材フィルム60の第2の低屈折率層62上に設けられている。
第1の導電層71は、中間基材フィルム10よりも観察者側に配置されており、第2の導電層72は、中間基材フィルム10よりも光源側に配置されている。
第1の導電層71および第2の導電層72は、第1の導電層31、51および第2の導電層41、52と同様の構成となっていることが好ましい。また第1の導電層71および第2の導電層72は、第1の導電層31、51および第2の導電層41、52と同様の材料から構成することが可能である。
第1の導電層71および第2の導電層72は、中間基材フィルム60の両面に形成されているので、フォトリソグラフィー法によってパターニングすることができ、そして、この場合には、第1の導電層71および第2の導電層72の位置精度を高めることができる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
<透明層用組成物の調製>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、透明層用組成物を得た。
(透明層用組成物1)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):30質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):1.5質量部
・メチルイソブチルケトン:70質量部
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、透明層用組成物を得た。
(透明層用組成物1)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):30質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):1.5質量部
・メチルイソブチルケトン:70質量部
(透明層用組成物2)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):18質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):12質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):1.5質量部
・メチルイソブチルケトン:70質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):18質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):12質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):1.5質量部
・メチルイソブチルケトン:70質量部
<高屈折率層用組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、高屈折率層用組成物を得た。
(高屈折率層用組成物1)
・高屈折率微粒子分散液(ZrO2微粒子のメチルエチルケトン分散液(固形分:30質量%)、製品名「MZ−230X」、住友大阪セメント社製):58.8質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):11.8質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.6質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):28.8質量部
下記に示す組成となるように各成分を配合して、高屈折率層用組成物を得た。
(高屈折率層用組成物1)
・高屈折率微粒子分散液(ZrO2微粒子のメチルエチルケトン分散液(固形分:30質量%)、製品名「MZ−230X」、住友大阪セメント社製):58.8質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):11.8質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.6質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):28.8質量部
(高屈折率層用組成物2)
・高屈折率微粒子分散液(ZrO2微粒子のメチルエチルケトン分散液(固形分:30質量%)、製品名「MZ−230X」、住友大阪セメント社製):59.5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):11.1質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.6質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):28.8質量部
・高屈折率微粒子分散液(ZrO2微粒子のメチルエチルケトン分散液(固形分:30質量%)、製品名「MZ−230X」、住友大阪セメント社製):59.5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):11.1質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.6質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):28.8質量部
(高屈折率層用組成物3)
・高屈折率微粒子分散液(ZrO2微粒子のメチルエチルケトン分散液(固形分:30質量%)、製品名「MZ−230X」、住友大阪セメント社製):59.9質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):10.7質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.6質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):28.8質量部
・高屈折率微粒子分散液(ZrO2微粒子のメチルエチルケトン分散液(固形分:30質量%)、製品名「MZ−230X」、住友大阪セメント社製):59.9質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):10.7質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.6質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):28.8質量部
(高屈折率層用組成物4)
・高屈折率微粒子分散液(ZrO2微粒子のメチルエチルケトン分散液(固形分:30質量%)、製品名「MZ−230X」、住友大阪セメント社製):62.0質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):8.6質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.6質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):28.8質量部
・高屈折率微粒子分散液(ZrO2微粒子のメチルエチルケトン分散液(固形分:30質量%)、製品名「MZ−230X」、住友大阪セメント社製):62.0質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):8.6質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.6質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):28.8質量部
<低屈折率層用組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、低屈折率層用組成物を得た。
(低屈折率層用組成物1)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):40質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):10質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
下記に示す組成となるように各成分を配合して、低屈折率層用組成物を得た。
(低屈折率層用組成物1)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):40質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):10質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
(低屈折率層用組成物2)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):40.5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):9.5質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):40.5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):9.5質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
(低屈折率層用組成物3)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):41質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):9質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):41質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):9質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
(低屈折率層用組成物4)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):38.4質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):8.4質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):38.4質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):8.4質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
(低屈折率層用組成物5)
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):35.7質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):5.7質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
・中空シリカ微粒子(中空シリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液(固形分:20質量%)、平均粒径:50nm):35.7質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):5.7質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア127」、BASFジャパン社製):0.35質量部
・変性シリコーンオイル(製品名「X22164E」、信越化学工業社製):0.5質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):320質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):161質量部
<実施例1>
透明基材として屈折率が1.62および厚さが125μmのポリエチレンテレフタレート基材(製品名「コスモシャイン」、東洋紡績社製)を準備し、ポリエチレンテレフタレート基材の両面に、透明層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、屈折率が1.52および膜厚が4.5μmの透明層を形成した。次いで、各透明層上に、高屈折率層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。そして、形成した塗膜を、40℃で1分間乾燥させた後、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて、積算光量100mJ/cm2で紫外線照射を行って硬化させて、屈折率が1.67および膜厚が50nmの高屈折率層を形成した。次いで、各高屈折率層上に、低屈折率層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。そして、形成した塗膜を、40℃で1分間乾燥させた後、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて、積算光量100mJ/cm2で紫外線照射を行って硬化させて、屈折率が1.49および膜厚が20nmの低屈折率層を形成し、実施例1に係る中間基材フィルムを作製した。
透明基材として屈折率が1.62および厚さが125μmのポリエチレンテレフタレート基材(製品名「コスモシャイン」、東洋紡績社製)を準備し、ポリエチレンテレフタレート基材の両面に、透明層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、屈折率が1.52および膜厚が4.5μmの透明層を形成した。次いで、各透明層上に、高屈折率層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。そして、形成した塗膜を、40℃で1分間乾燥させた後、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて、積算光量100mJ/cm2で紫外線照射を行って硬化させて、屈折率が1.67および膜厚が50nmの高屈折率層を形成した。次いで、各高屈折率層上に、低屈折率層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。そして、形成した塗膜を、40℃で1分間乾燥させた後、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて、積算光量100mJ/cm2で紫外線照射を行って硬化させて、屈折率が1.49および膜厚が20nmの低屈折率層を形成し、実施例1に係る中間基材フィルムを作製した。
<実施例2>
実施例2においては、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに高屈折率層用組成物2、低屈折率層用組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。実施例2に係る基材フィルムの高屈折率層の屈折率は1.69であり、低屈折率層の屈折率は1.51であった。
実施例2においては、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに高屈折率層用組成物2、低屈折率層用組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。実施例2に係る基材フィルムの高屈折率層の屈折率は1.69であり、低屈折率層の屈折率は1.51であった。
<実施例3>
実施例3においては、透明層用組成物1、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに透明層用組成物2、高屈折率層用組成物3、低屈折率層用組成物3を用い、かつ高屈折率層の膜厚を60nmにした以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。実施例3に係る基材フィルムの透明層の屈折率は1.53であり、高屈折率層の屈折率は1.70であり、低屈折率層の屈折率は1.53であった。
実施例3においては、透明層用組成物1、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに透明層用組成物2、高屈折率層用組成物3、低屈折率層用組成物3を用い、かつ高屈折率層の膜厚を60nmにした以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。実施例3に係る基材フィルムの透明層の屈折率は1.53であり、高屈折率層の屈折率は1.70であり、低屈折率層の屈折率は1.53であった。
<比較例1>
比較例1においては、透明層用組成物1、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに透明層用組成物2、高屈折率層用組成物4、低屈折率層用組成物3を用い、かつ高屈折率層の膜厚を60nmにした以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。比較例1に係る基材フィルムの透明層の屈折率は1.53であり、高屈折率層の屈折率は1.76であり、低屈折率層の屈折率は1.53であった。
比較例1においては、透明層用組成物1、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに透明層用組成物2、高屈折率層用組成物4、低屈折率層用組成物3を用い、かつ高屈折率層の膜厚を60nmにした以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。比較例1に係る基材フィルムの透明層の屈折率は1.53であり、高屈折率層の屈折率は1.76であり、低屈折率層の屈折率は1.53であった。
<比較例2>
比較例2においては、透明層用組成物1、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに透明層用組成物2、高屈折率層用組成物4、低屈折率層用組成物4を用い、高屈折率層の膜厚を65nmにし、かつ低屈折率層の膜厚を30nmにした以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。比較例2に係る基材フィルムの透明層の屈折率は1.53であり、高屈折率層の屈折率は1.76であり、低屈折率層の屈折率は1.43であった。
比較例2においては、透明層用組成物1、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに透明層用組成物2、高屈折率層用組成物4、低屈折率層用組成物4を用い、高屈折率層の膜厚を65nmにし、かつ低屈折率層の膜厚を30nmにした以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。比較例2に係る基材フィルムの透明層の屈折率は1.53であり、高屈折率層の屈折率は1.76であり、低屈折率層の屈折率は1.43であった。
<比較例3>
比較例3においては、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに高屈折率層用組成物2、低屈折率層用組成物5を用い、高屈折率層の膜厚を65nmにし、かつ低屈折率層の膜厚を30nmにした以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。比較例3に係る基材フィルムの高屈折率層の屈折率は1.76であり、低屈折率層の屈折率は1.33であった。
比較例3においては、高屈折率層用組成物1、低屈折率層用組成物1の代わりに高屈折率層用組成物2、低屈折率層用組成物5を用い、高屈折率層の膜厚を65nmにし、かつ低屈折率層の膜厚を30nmにした以外は、実施例1と同様にして、中間基材フィルムを作製した。比較例3に係る基材フィルムの高屈折率層の屈折率は1.76であり、低屈折率層の屈折率は1.33であった。
<a*およびb*のばらつき>
実施例および比較例で得られた各中間基材フィルムにおいて、以下のようにして、a*およびb*のばらつきを求めた。具体的には、日本分光株式会社製のVAR−7010を用いて、5°〜65°の範囲内で入射角度を5°毎変えながら低屈折率層側から各中間基材フィルムに光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からa*値およびb*値を得た。測定条件は以下の通りとした。光源として、重水素(D2)ランプとタングステンハロゲン(WI)ランプを用い、また透過軸が45°傾いた偏光子を用い、測定範囲を380nm〜780nmとし、データ取込間隔を1nmとし、入射角度と検出器の位置を同期させ、正反射光を取り込むように測定を行った。そして、得られた各入射角度におけるa*値およびb*値から、その最大値と最小値の差分の絶対値を算出して、a*値のばらつきおよびb*値のばらつきを求めた。
実施例および比較例で得られた各中間基材フィルムにおいて、以下のようにして、a*およびb*のばらつきを求めた。具体的には、日本分光株式会社製のVAR−7010を用いて、5°〜65°の範囲内で入射角度を5°毎変えながら低屈折率層側から各中間基材フィルムに光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からa*値およびb*値を得た。測定条件は以下の通りとした。光源として、重水素(D2)ランプとタングステンハロゲン(WI)ランプを用い、また透過軸が45°傾いた偏光子を用い、測定範囲を380nm〜780nmとし、データ取込間隔を1nmとし、入射角度と検出器の位置を同期させ、正反射光を取り込むように測定を行った。そして、得られた各入射角度におけるa*値およびb*値から、その最大値と最小値の差分の絶対値を算出して、a*値のばらつきおよびb*値のばらつきを求めた。
<色味のばらつき>
実施例および比較例で得られた各中間基材フィルムを様々な方向から視認したときに各中間基材フィルムの色味がばらつきているか否か評価した。評価基準は以下の通りであった。
○:色味のばらつきが確認できなかった。
×:色味のばらつきが確認できた。
実施例および比較例で得られた各中間基材フィルムを様々な方向から視認したときに各中間基材フィルムの色味がばらつきているか否か評価した。評価基準は以下の通りであった。
○:色味のばらつきが確認できなかった。
×:色味のばらつきが確認できた。
表3に示されるように、比較例1〜3の中間基材フィルムは、a*値のばらつきが1.0以内であり、かつb*値のばらつきが1.6以内であるという要件を満たしていないので、色味のばらつきを抑制できなかった。
これに対し、実施例1〜3の中間基材フィルムは、a*値のばらつきが1.0以内であり、かつb*値のばらつきが1.6以内であるという要件を満たしているので、色味の変化を抑制できた。
10、60…中間基材フィルム
11…透明基材
11A、11B…面
12…第1の透明層
13…第1の高屈折率層
14…第1の低屈折率層
15…第2の透明層
20、50、80…タッチパネルセンサ
31、51、71…第1の導電層
41、52、72…第2の導電層
61…第2の高屈折率層
62…第2の低屈折率層
11…透明基材
11A、11B…面
12…第1の透明層
13…第1の高屈折率層
14…第1の低屈折率層
15…第2の透明層
20、50、80…タッチパネルセンサ
31、51、71…第1の導電層
41、52、72…第2の導電層
61…第2の高屈折率層
62…第2の低屈折率層
Claims (8)
- パターニングされた導電層を支持するための中間基材フィルムであって、
透明基材と、
前記透明基材の一方の面上に積層された第1の高屈折率層と、
前記第1の高屈折率層上に積層され、かつ前記第1の高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を有する第1の低屈折率層とを備え、
前記中間基材フィルムの表面の法線方向を0°とし、0°以上75°の範囲内で入射角度を5度毎変えながら前記第1の低屈折率層側から前記中間基材フィルムに光を照射し、それぞれの正反射方向への反射光からL*a*b*表色系のa*値およびb*値を求めたとき、a*値のばらつきが1.0以内であり、かつb*値のばらつきが1.6以内である、中間基材フィルム。 - 前記第1の高屈折率層と前記第1の低屈折率層との屈折率差が0.10以上0.22以下である、請求項1に記載の中間基材フィルム。
- 前記第1の高屈折率層が、20nm以上80nm以下の膜厚および1.62以上1.72以下の屈折率を有し、かつ前記第1の低屈折率層が、3nm以上45nm以下の膜厚および1.44以上1.54以下の屈折率を有する、請求項1または2に記載の中間基材フィルム。
- 前記透明基材と前記第1の高屈折率層との間に、屈折率が1.47以上1.57以下の第1の透明層をさらに備える、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の中間基材フィルム。
- 前記第1の透明層が、1μm以上の膜厚を有する、請求項4に記載の中間基材フィルム。
- 前記透明基材における前記一方の面とは反対側の面上に積層された第2の高屈折率層と、
前記第2の高屈折率層上に積層され、かつ前記第2の高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を有する第2の低屈折率層とをさらに備える、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の中間基材フィルム。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の中間基材フィルムと、
前記中間基材フィルムの前記第1の低屈折率層上に積層され、かつパターニングされた第1の導電層と
を備える、タッチパネルセンサ。 - 請求項6に記載の中間基材フィルムと、
前記中間基材フィルムの前記第1の低屈折率層上に積層され、かつパターニングされた第1の導電層と、
前記中間基材フィルムの前記第2の低屈折率層上に積層され、かつパターニングされた第2の導電層と
を備える、タッチパネルセンサ。
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