JP5493392B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
図1は9スロット10極の9相駆動モータ1であり、外周側の円筒状のステータ10とこのステータ10にエアギャップを介して対向するように内挿されたロータ20にて構成されている。
図1に示すように、隣り合う3つ(p=3)のステータコイルL2,L1,L9が冷媒30に浸かっている9スロット10極のモータを9相で駆動する場合を考える。誘起電圧位相と同位相の電流を各ステータコイルに流すことにより、モータを効率よく駆動することができる。ただ、冷媒30に浸かっている3つのステータコイルL2,L1,L9に流れるコイル電流の位相は240°、40°、200°であるから、この3つのステータコイルL2,L1,L9に流す電流を増やすと中性点P0で電流の和が0にならず、冷媒30に浸かっていない残りのステータコイルL3〜L8に意図しない電流が流れてしまう。
中性点P0を結線した場合には、冷媒30に浸かっているステータコイルL2,L1,L9の電流和が0で、冷媒30に浸かっていない残りのステータコイルL3〜L8の電流和も0となる必要がある。そこでインバータ制御部4は、冷媒30に浸かっていないステータコイルは6個(=9−p)であるから、冷媒30に浸かっていないステータコイルL3〜L8に電流位相が360°/(9−p)=60°ずつずれた6相電流を流す制御を行う。その様子を表したのが図4である。ロータ20内に書かれている数字は、数字の近くのステータコイルそれぞれに発生する誘起電圧位相を示している。また、ステータ10内に書かれた数字は、数字の近くのステータコイルに流す電流の位相を表している。
図7は2つ(p=2)のステータコイルL1,L9が冷媒30に浸っているときの通電方法を説明する図である。ロータ20の高速回転で冷媒30が上部にかき上げられると、このような状況になる。そこでインバータ制御部4は、冷媒30に浸かっている2つのステータコイルL1,L9に位相が180°異なる2相電流を流し、冷媒30に浸かっていない残りの7つ(=9−p)のステータコイルL2〜L8に位相が360°/7異なる7相電流を流す制御を行う。ロータ20に書かれている数字は、近くのステータコイルに発生する誘起電圧位相を示している。ステータ10に書かれている数字は近くのステータコイルに流す電流位相を表している。
図10は勾配のある道を走行する状況などにおいて、モータ1のステータ10が回転軸を中心として水平に対して回転した状態になったときの駆動方法を説明する図である。ステータ10が回転軸を中心にして回転した状態になると、その回転角度、冷媒30の量によってはそれまで冷媒30に浸かっていなかったステータコイルが冷媒に浸かり、逆にそれまで冷媒30に浸かっていたステータコイルが冷媒30に浸からなくなる状況になる。
次に、空冷モータで風がモータ1の径方向に当たる場合を考える。図1において風が紙面の左側から吹いているとすると、ステータコイルL2,L3,L4の温度が他のステータコイルよりも低くなる。したがって、これら3つのコイルL2,L3,L4に流す電流を増大させる。モータ1に当たる風量が多いほど、ステータコイルL2,L3,L4と他のステータコイルL1,L5〜L9との温度差は大きくなることから、風量からコイル温度を推定することが可能である。さらに風量は車速と関係していることから、車速からコイル温度を推測することができる。したがって、風量もしくは車速を測定することにより熱電対などでコイル温度を測定する必要がなくなる。熱電対を付ける必要がなくなりコストを削減できる。
図11は別のコイル温度検出方法を示した図である。ステータコイルL1〜L9それぞれの電圧Vと電流Aを測定することにより、それぞれのコイルインピーダンスZが求まる。コイル抵抗は温度により変化することからインピーダンスZを測定することにより各ステータコイルL1〜L9のコイル温度T(=f(Z))を知ることができる。このように温度を計測することにより熱電対などの温度計測手段を設ける必要がなくなる。
図12は中性点を結線せずに各相をインバータINVのHブリッジで構成した図である。このように構成することで、インバータINVのスイッチング素子(Q11;Q12;Q13;Q14),……,(Q91;Q92;Q93;Q94)の素子数は増えてしまうものの、各コイルL1〜L9それぞれの電流を自由に可変調整することが可能となる。また、全てのコイルL1〜L9において誘起電圧と電流位相を一致させることが可能となり、力率が高く高効率にトルクを発生できる。
L1〜L9…ステータコイル
1…交流モータ 2…直流電源
3…フィルタコンデンサ 4…インバータ制御部
10…ステータ 20…ロータ
30…冷媒
Claims (7)
- 温度の低いステータコイルに温度が高いステータコイルよりも多くの電流を流すモータ制御装置において、
少なくとも1つのステータコイルの温度がコイル温度上限になったとき、コイル温度上限に達していない他のステータコイルに大きな電流を流すとともに、
前記他のステータコイルのうち隣り合ういくつかのステータコイルの温度が前記コイル温度上限よりも低いとき、それらのステータコイルに流れる交流電流の電流ベクトルの和が0となるように交流電流を流すことを特徴とするモータ制御装置。 - m相で駆動される交流モータであって、m個のティースがあり、各ティースに巻かれたステータコイルの一端はインバータに接続され、各ティースに巻かれたステータコイルの他端は中性点として結線されている交流モータを制御するモータ制御装置において、
p個のステータコイルの温度がコイル温度上限未満であり、コイル温度上限に達した残りの(m−p)個のステータコイルの電流を減少させることにより、温度の低いステータコイルに温度が高いステータコイルよりも多くの電流を流す際に、
前記p個のステータコイルに電流位相が360°/pずつずれて振幅の等しい交流電流を流し、前記残りの(m−p)個のコイルに電流位相が360°/(m−p)ずれて振幅が等しい交流電流を流すことを特徴とするモータ制御装置。 - 前記p個のステータコイルに電流位相が360°/pずつずれて振幅の等しい交流電流を流す際に、前記p個のステータコイルそれぞれが巻かれているp個のティースそれぞれに生じる誘起電圧ベクトルと各ティースに巻かれているステータコイルに流す交流電流の電流ベクトルとの内積をティースごとに加えた値が最も大きくなるように誘起電圧位相と電流位相の関係を決め、
前記(m−p)個のステータコイルに電流位相が360°/(m−p)ずつずれて振幅が等しい交流電流を流す際に、前記(m−p)個のティースに生じる誘起電圧ベクトルと前記(m−p)個のティースそれぞれに巻かれたステータコイルに流す交流電流の電流ベクトルの内積とをティースごとに加えた値が最も大きくなるように誘起電圧ベクトルと電流ベクトルの関係を決めることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。 - 低回転領域で、前記(m−p)個のステータコイルに電流位相が360°/(m−p)ずつずれて振幅が等しい電流を流す際に、前記(m−p)個のティースに生じる誘起電圧ベクトルと前記(m−p)個のティースそれぞれに巻かれたステータコイルに流す交流電流の電流ベクトルの内積とをティースごとに加えた値が最も大きくなるように誘起電圧ベクトルと電流ベクトルの関係を決めることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
- 坂の勾配により交流モータと冷媒の相対位置を検出することを特徴と請求項1に記載のモータ制御装置。
- 隣り合ういくつかの温度が低いステータコイルを検出する手段として、前記モータに当たる風量を用いることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
- 風量を検出する手段として車速を用いることを特徴とする請求項6に記載のモータ制御装置。
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JP2009048123A JP5493392B2 (ja) | 2009-03-02 | 2009-03-02 | モータ制御装置 |
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