JP5487729B2 - コークス炉燃料ガス混合装置 - Google Patents

Description

本発明は、コークス炉の燃焼室に供給する燃料ガスの混合装置に関し、特にコークス炉ガスと高炉ガスを混合して燃料ガスとする場合に好適なものである。

コークス炉は、炭化室内の石炭を乾留して、還元材として高炉に投入するコークスを製造するものであり、炭化室や燃焼室を夫々複数基備え、予熱した燃料ガスを燃焼室で燃焼して炭化室内の石炭を乾留する。コークス炉の操業では、均一な品質のコークスを製造することが重要であり、複数の炭化室間お及び各炭化室内の温度分布調整を燃料ガスの燃焼制御によって行う。この燃料ガスには、コークス炉から回収されるコークス炉ガスが適するが、燃焼制御を行うには発熱量が大き過ぎる。そのため、不燃性の高炉ガスと混合して燃料ガスとする。このコークス炉ガスと高炉ガスの混合装置並びに燃料ガスの供給方法として、下記特許文献１に記載されるものがある。この特許文献１に記載される燃料ガス供給方法は、コークス炉ガスと高炉ガスを燃料ガスの流れ方向直角断面において均一に混合した後、燃料ガスのガスカロリーを計測するようにしている。また、管路中を流れる高炉ガスにコークス炉ガスを投入して両者を混合する場合に、管路の断面中央部と壁部にコークス炉ガスを投入することで、両者がより効率よく混合されるようにしている。

特開２００７−８９７９号公報

しかしながら、前記特許文献１に記載されるコークス炉燃料ガス混合装置では、コークス炉ガスと高炉ガスが完全に混合するまでに管路中の距離が必要であり、より短い距離で２つのガスの混合が完了するコークス炉燃料ガス混合装置が望まれている。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、より短い距離で２つのガスの混合が完了するコークス炉燃料ガス混合装置を提供することを目的とするものである。

上記課題を解決するために、本発明のコークス炉燃料ガス混合装置は、所定のガスが流れている流路中に個別のガスを投入して混合するコークス炉燃料ガス混合装置であって、前記流路の壁部に取付けられる枠体と、前記枠体から流路の径方向内側に向けて立設され且つ流路中を流れる所定のガスに渦巻き方向の向きを与える複数枚の羽根とを備えたことを特徴とするものである。
また、所定のガスが流れている流路中に個別のガスを投入して混合するコークス炉燃料ガス混合装置であって、前記流路中を流れる所定のガスの向きと逆向きに個別のガスを流入する流入管と、前記流入管のガス吐出口から所定の間隔をあけて当該ガス吐出口に対向して配設された邪魔板とを備えたことを特徴とするものである。

而して、本発明のコークス炉燃料ガス混合装置によれば、流路の壁部に取付けられる枠体と、枠体から流路の径方向内側に向けて立設され且つ流路中を流れる所定のガスに渦巻き方向の向きを与える複数枚の羽根とを備えたことにより、流路中を流れるガスに渦が生じ、この渦によって投入されるガスと流路中を流れるガスがより短い距離で混合される。
また、流路中を流れる所定のガスの向きと逆向きに個別のガスを流入する流入管と、流入管のガス吐出口から所定の間隔をあけて当該ガス吐出口に対向して配設された邪魔板とを備えたことにより、流入管から邪魔板にぶつかった個別のガスは、流路の径方向外側に拡散するため、流路中を流れている所定のガスとの間に乱流が生じ、この乱流によって投入されるガスと流路中を流れるガスがより短い距離で混合される。

本発明のコークス炉燃料ガス混合装置を適用したコークス炉の一実施形態を示す全体図である。 本発明のコークス炉燃料ガス混合装置の第１実施形態を用いた流路の説明図である。 図２のコークス炉燃料ガス混合装置の斜視図である。 本発明のコークス炉燃料ガス混合装置の第２実施形態を用いた流路の説明図である。 図４のコークス炉燃料ガス混合装置の斜視図である。

次に、本発明のコークス炉燃料ガス混合装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図１は、本実施形態のコークス炉燃料ガス混合装置が適用されたコークス炉である。図中の符号１は炭化室であり、炭化室１の紙面垂直方向両隣には、図示しない燃焼室が設けられている。この燃焼室内で燃料ガスを燃焼させることにより、炭化室１内の石炭を乾留してコークスとする。また、図中の符号２は、炭化室１内のコークスを押出す押出機、符号３は、押出されたコークスをガイドするガイド車、符号４は、ガイド車３でガイドされたコークスを受け取る消火車である。

前記炭化室１や燃焼室の下方には、炉底５が形成されている。本実施形態では、炉底５の両側に煙道６が形成されており、炉底５の内部には、コークス炉の燃料ガスとしてのコークス炉ガス配管７や、高炉から供給される高炉ガス配管８が設置されている。コークス炉ガスは、燃焼室内の燃料ガスとして用いられるが、発熱量が大きすぎるため、高炉ガスを混合して発熱量を制御するのである。
これらのガス配管７、８の保守点検などのため、炉底５には、人が出入りせざるを得ない。そこで、炉外に設けられた換気ブロワー９で炉外の空気を加圧し、それを炉底５内に配設された換気配管１０内に送給し、換気配管１０に設けられた開口部から換気用空気として炉底内に吹き出す。

図２には、前述した高炉ガスとコークス炉ガスを混合する流路２０を示す。例えば、この流路２０では、図の右から左に高炉ガスが流れており、この流路２０中を流れる高炉ガスにコークス炉ガスを投入して両者を混合し、この混合ガスを燃焼室の燃料ガスとして供給する。流路２０の断面は円形である。図中の符号１１は、前記流路２０中にコークス炉ガスを投入するための供給管であり、前記特許文献１に記載されるように、コークス炉ガスを流路２０の中央部と壁部に分散して供給する。このように供給することで、高炉ガスとコークス炉ガスが混合しやすくなる。

また、図２中の符号１２は、流路２０を流れる高炉ガスと、当該流路２０に投入されたコークス炉ガスを強制的に混合するための混合器である。図３には、この混合器１２の詳細を示す。この混合器１２は、断面円形の流路２０の壁部に緊密に嵌合して取付けられる円筒状の枠体１３と、この枠体１３から径方向内側に向けて等間隔に立設された４枚の羽根１４からなる。羽根１４は全て同じ形状であり、枠体１３への取付端部から先端部まで幅が均一である。また、断面は、中央がやや膨らんだ形状になっている。

そして、これらの羽根１４の幅方向を、流路２０の長手方向に対して、同じ方向に所定角度だけ捻って取付けてある。このため、この混合器１２内をガスが通過すると、通過するガスが斜めに捻られ、ガス全体に渦が発生する。渦は、流体に対して撹拌・混合作用を有するので、混合器１２を通過した高炉ガスとコークス炉ガスは激しく撹拌され、混合する。その結果、短い距離で混合が完了する。

図４には、本発明のコークス炉ガス混合装置の第２実施形態を示す。図中の符号１２は、前記図２と同じ混合器である。本実施形態では、この混合器１２の上流に設けられたコークス炉ガスの投入器１５が異なる。この投入器１５は、自体が高炉ガスとコークス炉ガスの混合装置を兼ねている。図５に詳細を示す。この投入器１５は、流路２０中を流れる高炉ガスの向きと逆向きにコークス炉ガスを流路２０のほぼ中央部に流入する流入管１６と、流入管１６のガス吐出口から所定の間隔をあけて当該ガス吐出口に対向して配設された邪魔板１７と、流入管１６と邪魔板１７とを接続する接続プレート１８とからなる。

この投入器１５では、流入管１６のガス吐出口から吐出されるコークス炉ガスは邪魔板１７にぶつかり、邪魔板１７にぶつかったコークス炉ガスは、流路２０の径方向に拡散する。流路２０中には高炉ガスが流れているので、流路２０の径方向に拡散しようとするコークス炉ガスとの間に乱流が生じる。乱流は、比較的狭い範囲ではあっても、流体に対して撹拌・混合作用を有するので、投入器１５から投入されたコークス炉ガスは高炉ガスと激しく撹拌され、混合する。その結果、短い距離で混合が完了する。

なお、前記各実施形態では、何れも混合器１２をコークス炉ガス投入位置より高炉ガス流方向下流側に配設したが、混合器１２の位置は、コークス炉ガス投入位置の近傍であれば、高炉ガス流方向の上流側でも下流側でも構わない。特に、第２実施形態の投入器１５との組合せでは、両者が高炉ガス流の上下に接近して配設されていれば、短い距離での燃料ガスの混合が可能となる。

１は炭化室、２は押出機、３はガイド車、４は消火車、５は炉底、６は煙道、７はコークス炉ガス配管、８は高炉ガス配管、１０は換気配管、１１は供給管、１２は混合器、１３は枠体、１４は羽根、１５は投入器、１６は流入管、１７は邪魔板、１８は接続プレート、２０は流路

Claims (1)

1. 高炉ガスが流れている流路中にコークス炉ガスを投入して混合するコークス炉燃料ガス混合装置であって、前記流路中を流れる高炉ガスの向きと逆向きにコークス炉ガスを流入する流入管と、前記流入管のガス吐出口から所定の間隔をあけて当該ガス吐出口に対向して配設され、接続プレートを介して前記流入管に接続された邪魔板と、その下流にあって、前記流路の壁部に取付けられる枠体と、前記枠体から流路の径方向内側に向けて立設され且つ前記流入管部分で混合されたガスに渦巻き方向の向きを与える複数枚の羽根とを備え、前記流入管及び邪魔板を備えた投入器と前記枠体及び羽根を備えた混合器とを、前記流路内で、前記高炉ガスの流れ方向に接近して配設したことを特徴とするコークス炉燃料ガス混合装置。

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