JP5486329B2 - 偏平形電池 - Google Patents

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Description

この発明は、酸化銀を正極合剤に用いた偏平形電池に関するものである。
酸化銀を正極合剤に用いた偏平形電池は、小型化および高容量化が可能であるため、軽負荷で長時間駆動させることができる時計、および医療機器等に用いられている。
このような偏平形電池として、従来、酸化銀と、銀ニッケライト(AgNiO)と、二酸化マンガンとを含む正極合剤を備えた偏平形アルカリ電池が知られている(特許文献1)。
この偏平形アルカリ電池の正極合剤においては、二酸化マンガンの重量比率は、20〜50重量%であり、銀ニッケライトの重量比率は、5〜20重量%である。
特許第3505823号公報
しかし、従来の偏平形アルカリ電池においては、正極合剤は、銀ニッケライトを含むので、銀ニッケライトを用いずに正極合剤を作製した場合よりも偏平形アルカリ電池の生産性が低下するという問題がある。
即ち、銀ニッケライトは、秤量性が酸化銀よりも悪い。従って、銀ニッケライトを用いて正極合剤を作製する場合、酸化銀および銀ニッケライトの両方を所望量だけ正確に供給することが困難になる。その結果、正極合剤の生産性が低下し、結果的に偏平形アルカリ電池の生産性が低下する。
一方、銀ニッケライトを用いずに正極合剤を作製した場合、銀ニッケライトを用いた場合よりも酸化銀の量を多くする必要があり、偏平形アルカリ電池のコストが高くなる。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、生産性の低下を抑制し、かつ、低コスト化が可能な偏平形電池を提供することである。
この発明によれば、偏平形電池は、正極合剤と、負極合剤と、セパレータとを備える。正極合剤は、顆粒の酸化銀と、酸化銀よりも小さい粒径を有する銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛とを含む。セパレータは、正極合剤と負極合剤との間に配置される。そして、銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、正極合剤全体に対して1〜10重量%である。
好ましくは、銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、正極合剤全体に対して1〜5重量%である。
好ましくは、銀ニッケル複合酸化物は、AgNi(x/yは、1以上であり、かつ、1.9以下である)からなる。
好ましくは、酸化銀の粒径は、50μm〜500μmの範囲である。
この発明による偏平形電池においては、正極合剤は、顆粒の酸化銀と、酸化銀よりも小さい粒径を有する銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛とを含む。そして、銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、正極合剤全体に対して1〜10重量%である。その結果、正極合剤を作製するときに、銀ニッケル複合酸化物による秤量性の低下が顆粒の酸化銀を用いたことによる秤量性の向上によって補われるとともに、酸化銀の使用量が銀ニッケル複合酸化物を用いない場合よりも減少する。
従って、この発明によれば、生産性の低下を抑制して偏平形電池のコストを低減できる。
また、この発明による偏平形電池においては、正極合剤は、1〜5重量%の銀ニッケル複合酸化物を含む。その結果、正極合剤を作製するときの秤量性の低下が更に抑制される。
従って、この発明によれば、生産性の低下を抑制して偏平形電池のコストを低減できる。
更に、この発明による偏平形電池においては、AgNi(x/yは、1以上であり、かつ、1.9以下である)からなる銀ニッケル複合酸化物が正極合剤に用いられる。その結果、AgとNiとの組成を1≦x/y<1.9の範囲で変えた銀ニッケル複合酸化物を用いて正極合剤が作製される。
従って、この発明によれば、銀ニッケル複合酸化物のAgとNiとの組成が変動しても、生産性の低下を抑制して偏平形電池のコストを低減できる。
更に、この発明による偏平形電池においては、粒径が50μm〜500μmの範囲の酸化銀を用いて正極合剤が作製される。その結果、銀ニッケル複合酸化物による秤量性の低下が酸化銀の秤量性によって補われる。
従って、この発明によれば、生産性の低下を抑制して偏平形電池のコストを低減できる。
この発明の実施の形態による偏平形電池の構成を示す断面図である。 図1に示す偏平形電池の製造方法を示す工程図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による偏平形電池の構成を示す断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による偏平形電池10は、正極缶1と、正極合剤2と、セパレータ3と、電解液保持層4と、ガスケット5と、負極合剤6と、負極缶7とを備える。
正極缶1は、中空の略円板形状からなる。正極缶1は、例えば、鉄にニッケルをメッキした構成からなる。そして、正極缶1は、正極端子を兼ねる。
正極合剤2は、正極缶1の底面および側面に接するように正極缶1内に配置される。そして、正極合剤2は、顆粒の酸化銀と、銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛とからなる。また、正極合剤2は、電解液を含む。正極合剤2の詳細については、後述する。
セパレータ3は、正極合剤2に接して正極合剤2上に配置される。そして、セパレータ3は、例えば、特定の重合体で構成されるグラフトフィルムと、セロハンフィルムとを積層した構成からなる。
電解液保持層4は、セパレータ3の負極合剤6側の表面に接して配置される。電解液保持層4は、電解液を保持し、発電効率をより高めるための要素である。そして、電解液保持層4は、例えば、公知の電池のセパレータに用いられているビニロン−レーヨン混抄紙等からなる。
ガスケット5は、全体的には環状形状を有し、断面がL字形状である。そして、ガスケット5は、例えば、ナイロン66等からなる。ガスケット5は、正極缶1の開口端縁に接して正極缶1と負極缶7との間に配置される。
負極合剤6は、電解液保持層4に接して負極缶7内に配置される。負極合剤6は、亜鉛または亜鉛合金からなり、アルカリ電解液を含む。亜鉛または亜鉛合金は、負極活物質である。そして、亜鉛合金は、例えば、インジウムまたはビスマスを含む。
負極合剤6は、亜鉛または亜鉛合金にアルカリ電解液を加えることによって作製される。
また、負極合剤6は、必要に応じてゲル化剤を更に含む。ゲル化剤は、ポリアクリル酸ソーダおよびカルボキシメチルセルロース等からなる。この場合、負極合剤6は、亜鉛または亜鉛合金とゲル化剤とに、アルカリ電解液を加えることによって作製される。
亜鉛または亜鉛合金は、粉末状であることが好ましい。亜鉛または亜鉛合金が粉末状である場合、その表面積が大きくなるので、負極活物質としての作用がより高められ、偏平形電池10の負荷特性が更に向上する。
亜鉛または亜鉛合金の粉末の具体的な態様としては、全粉末中、粒径が100〜200μmの粉末の割合が50体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。
また、亜鉛または亜鉛合金としては、水銀または鉛を含有していないものが好ましい。このような亜鉛または亜鉛合金を使用した偏平形電池であれば、例えば、人体内において、電池内部の亜鉛または亜鉛合金が漏れ出した場合においても、人体への悪影響を最小限に抑えることができ、また、電池の廃棄による環境汚染も抑制できるからである。
なお、上述した亜鉛または亜鉛合金の粒径は、Honeywel社製のマイクロトラック粒度分布計「9320−X100」を用いて、レーザ光の散乱により、粒子数nおよび各粒子の直径dを測定し、算出した平均粒子径である。
負極缶7は、その開口端部がガスケット5の内周縁に接するように配置される。負極缶7は、例えば、銅または銅合金と、ステンレス鋼と、ニッケルとを含む。銅または銅合金は、負極缶7のうち、負極合剤6に接する面側に形成される。そして、銅合金は、例えば、黄銅からなる。ニッケルは、負極缶7のうち、負極合剤6に接する面と反対側の面に形成される。
そして、負極缶7は、負極端子を兼ねる。
電解液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物からなる。そして、水酸化カリウムが電解液として特に好ましい。電解液の濃度は、例えば、水酸化カリウムの水溶液の場合、水酸化カリウムが20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であって、40重量%以下、より好ましくは38重量%以下である。水酸化カリウムの水溶液の濃度をこのような値に調整することによって、導電性に優れた電解液とすることができる。
また、電解液には、上記の各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて公知の各種添加剤を添加してもよい。例えば、負極合剤6に用いる亜鉛の腐食(酸化)を防止するために、酸化亜鉛を添加してもよい。
偏平形電池10においては、負極合剤6を内填した負極缶7が断面L字状のガスケット5を介して正極缶1の開口端部と嵌合しており、正極缶1の開口端部が内方へ締め付けられる。これによって、ガスケット5が負極合剤6に当接する。その結果、正極缶1の開口部が封口され、偏平形電池10の内部が密閉構造になる。
正極合剤2について、詳細に説明する。正極合剤2は、顆粒の酸化銀(酸化第一銀、および酸化第二銀等)と、銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛とを含む。
なお、この発明の実施の形態においては、顆粒の酸化銀とは、粒径が50μm〜500μmの範囲である酸化銀を言う。
顆粒の酸化銀は、正極活物質であり、黒鉛は、導電助剤であり、銀ニッケル複合酸化物は、正極活物質と導電助剤との両方の役割を果たす。
顆粒の酸化銀の重量比率は、正極合剤2全体に対して85〜98.8重量%の範囲であり、銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、正極合剤2全体に対して1〜10重量%(好ましくは、1〜5重量%)の範囲であり、黒鉛の重量比率は、正極合剤2全体に対して0.2〜5重量%の範囲である。
銀ニッケル複合酸化物は、一般的には、AgNi(x/yは、1以上であり、かつ、1.9以下である)からなり、AgNiOが好適である。そして、銀ニッケル複合酸化物は、約10μmの粒径を有する。従って、銀ニッケル複合酸化物は、酸化銀よりも小さい粒径を有する。
正極合剤2においては、銀ニッケル複合酸化物の重量比率が、正極合剤2全体に対して、1〜10重量%(好ましくは、1〜5重量%)の範囲に設定されるのは、次の理由による。
銀ニッケル複合酸化物の秤量性は、顆粒の酸化銀よりも悪く、その量が増えるに従って秤量性が悪くなる。従って、顆粒の酸化銀と、銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛とを混合して正極合剤2を作製する場合、銀ニッケル複合酸化物の重量比率が10重量%よりも大きいと、顆粒の酸化銀および銀ニッケル複合酸化物の両方を所望量だけ供給するのが困難になり、正極合剤2の生産性が低下する。その結果、偏平形電池10の生産性が低下する。
一方、銀ニッケル複合酸化物の重量比率が正極合剤2全体に対して10重量%以下である場合、顆粒の酸化銀および銀ニッケル複合酸化物の両方を所望量だけ供給し易くなり、正極合剤2の生産性の低下が抑制される。
従って、銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、正極合剤2全体に対して1〜10重量%に設定される。
そして、銀ニッケル複合酸化物の重量比率が正極合剤2全体に対して1〜5重量%である場合、顆粒の酸化銀および銀ニッケル複合酸化物の両方を所望量だけ更に供給し易くなり、正極合剤2の生産性の低下が更に抑制される。
従って、銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、好ましくは、正極合剤2全体に対して1〜5重量%に設定される。
銀ニッケル複合酸化物は、次の方法によって作製される。
(I)2mol/lの濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液200ccに、10mol/lの濃度の水酸化カリウム水溶液500cc、2mol/lの濃度の硫酸ニッケル水溶液100ccを添加し、よく混合する。
(II)その後、生じた黒色の沈澱物(オキシ水酸化ニッケル:γ−NiOOH)を純水で洗浄してろ過し、60℃の恒温槽で20時間乾燥する。
(III)乾燥後、乾燥物を粉砕し、その粉砕した乾燥物のうち、100メッシュパスの粉末を10g秤量する。
(IV)10gのオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)を5mol/lの濃度の水酸化カリウム水溶液300cc中に投入してよく攪拌し、更に、1mol/lの濃度の硝酸銀水溶液100ccを加え、温度60℃で16時間攪拌する。
(V)その後、沈澱物をろ過、水洗、および乾燥することによって銀ニッケル複合酸化物を作製する。
そして、正極合剤2は、顆粒の酸化銀と、銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛との混合粉末を円板状に加圧成形することにとって作製される。
本発明に係る正極合剤2に用いる酸化銀は、顆粒状である。通常、酸化銀は、粒径が0.1〜5μmの微粉末状で供される。この微粉末状の酸化銀を造粒して顆粒状の酸化銀を作製し、その作製した顆粒状の酸化銀を用いると、微粉末の状態で用いた場合よりも抵抗が低くなる。その結果、酸化銀を用いた電池の負荷特性を向上させることができる。
従来のように、酸化銀を微粉末の状態で用いた場合には、抵抗を低減するために多量の導電助剤を添加する必要があるが、導電助剤として使用する銀ニッケル複合酸化物および黒鉛は、かさ密度が小さいため、銀ニッケル複合酸化物および黒鉛を多量に添加すると、活物質である酸化銀の充填量を高めることが困難になる。
しかし、本発明のように、顆粒状の酸化銀を用いると、秤量性が向上してバラツキが低減したり、また、加圧成形した場合に充填性が高まり、成形性が向上する。
従って、酸化銀の抵抗が低減するとともに、複数の正極合剤2(結果的に偏平形電池10)を製造した場合に、個々の正極合剤2の特性が安定する。更に、導電助剤として添加する銀ニッケル複合酸化物および黒鉛の使用量も、微粉末の酸化銀を用いる場合よりも低減でき、酸化銀の充填量を増やすこともできる。
更に、例えば、酸化第一銀では、黒鉛と次式のような反応を起こして還元されるため、放電性能が低下する。
2AgO+C→4Ag+CO
しかし、顆粒の酸化銀を用いることによって、上記反応が抑制される上に、上述したように黒鉛の添加量も低減されるので、酸化銀の還元反応が更に抑制される。従って、放電特性(特に、低温重負荷特性)の低下を抑制することができる。
本発明に係る正極合剤2に用いる顆粒の酸化銀の粒径は、50μm〜500μmであり、好ましくは、75μm〜300μmである。また、正極合剤2に用いる顆粒の酸化銀のかさ密度は、好ましくは、1.5g/cm〜3.5g/cmであり、より好ましくは、1.8g/cm〜2.6g/cmである。
このような形態の酸化銀であれば、粉末状の酸化銀に比べて流動性がよく、上述したように、秤量性および成形性が向上し、抵抗が低下して反応性が向上する。
その結果、偏平形電池10は、負荷特性に優れたものとなり、また、製造される正極合剤2(結果的に偏平形電池10)の個々の特性が安定化する。
なお、上述した酸化銀の粒径は、上述した方法によって計測された平均粒子径である。また、顆粒の酸化銀のかさ密度は、JIS R 1628に規定のかさ密度測定方法に準じて、所定量の顆粒の酸化銀を容器に入れ、かさ密度測定装置を用いて求めた値である。
上述したように、本発明に係る正極合剤2は、粒径が顆粒の酸化銀よりも小さい銀ニッケル複合酸化物を顆粒の酸化銀に添加して作製される。
この場合、銀ニッケル複合酸化物は、顆粒の酸化銀よりも秤量性が悪いので、正極合剤を構成する材料の秤量性を保持するという観点からは、銀ニッケル複合酸化物を酸化銀に添加するという思想に想到することは困難である。
一方、酸化銀は、銀ニッケル複合酸化物よりもコストが高いので、銀ニッケル複合酸化物を用いずに正極合剤を作製すると、偏平形電池のコストが高くなる。
そこで、本発明においては、正極合剤を構成する材料の秤量性の低下を抑制し、かつ、偏平形電池のコストを低減するために、酸化銀として顆粒の酸化銀を採用し、銀ニッケル複合酸化物を添加することにした。
即ち、本発明は、銀ニッケル複合酸化物の添加によって偏平形電池のコストを低減し、銀ニッケル複合酸化物の添加による秤量性の低下を顆粒の酸化銀を用いることによる秤量性の向上によって補うという思想を新たに採用することにした。
そして、この思想に沿って、銀ニッケル複合酸化物の添加による秤量性の低下を顆粒の酸化銀を用いることによる秤量性の向上によって補える銀ニッケル複合酸化物の重量比率として、1〜10重量%、好ましくは、1〜5重量%を新たに見出したものである。
正極合剤を構成する材料の秤量性の低下が抑制されれば、正極合剤の生産性の低下が抑制される。
従って、この発明によれば、偏平形電池の生産性の低下を抑制し、コストを低減できる。
また、この発明の実施の形態においては、銀ニッケル複合酸化物として、AgNi(x/yは、1以上であり、かつ、1.9以下である)が用いられる。
その結果、AgとNiとの組成比x/yが1≦x/y≦1.9の範囲で変動しても、銀ニッケル複合酸化物の添加による秤量性の低下が顆粒の酸化銀を用いることによる秤量性の向上によって補われる。
従って、銀ニッケル複合酸化物のAgとNiとの組成が変動しても、生産性の低下を抑制して偏平形電池10のコストを低減できる。
図2は、図1に示す偏平形電池10の製造方法を示す工程図である。なお、図2においては、正極合剤2は、見易くするために工程(b),(c),(d),(h),(i)において拡大されて図示されており、負極合剤6は、見易くするために工程(g),(h),(i)において拡大されて図示されている。
図2を参照して、偏平形電池10の製造が開始されると、85〜98.8重量%の顆粒の酸化銀と、1〜10重量%の銀ニッケル複合酸化物と、0.2〜5重量%の黒鉛とを混合し、その混合した混合粉を円板形状に加圧成形して正極合剤2を作製する(工程(a)参照)。
ニッケルをメッキした鉄をプレス加工して正極缶1を作製し、その作製した正極缶1の略中央部に電解液11を滴下する(工程(b)参照)。
その後、電解液11が滴下された正極缶1内に正極合剤2を挿入する(工程(c)参照)。
引き続いて、セパレータ3を正極合剤2に接して正極合剤2上に配置し、電解液保持層4をセパレータ3に接してセパレータ3上に形成する(工程(d)参照)。
一方、工程(a)〜(d)と並行して、負極合剤6および負極缶7の作製、および負極合剤6の負極缶7への挿入等が行なわれる。
即ち、銅または銅合金と、ステンレス鋼と、ニッケルとからなる金属板をプレス加工して負極缶7を作製する(工程(e)参照)。そして、その作製した負極缶7の開口端部が環状のガスケット5の内側に接するように負極缶7をガスケット5に嵌合する(工程(f)参照)。
その後、亜鉛粉末からなる負極合剤6を負極缶7に挿入し、負極合剤6の略中央部に電解液12を滴下する(工程(g)参照)。
引き続いて、ガスケット5の内側に嵌合された負極缶7を負極合剤6が電解液保持層4に接するように正極缶1内に配置する(工程(h)参照)。
そして、正極缶1の開口端部をかしめる。これによって、偏平形電池10が完成する(工程(i)参照)。
この発明においては、正極合剤2を構成する材料の秤量性の低下が抑制されるように、顆粒の酸化銀と、銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛とを供給して正極合剤2を作製する(工程(a)参照)。その結果、正極合剤2の生産性の低下が抑制され、顆粒の酸化銀の使用量が銀ニッケル複合酸化物を用いない場合よりも減少する。
従って、偏平形電池10の生産性の低下を抑制してコストを低減できる。
なお、上記においては、正極合剤2は、顆粒の酸化銀と、銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛とを含むと説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、正極合剤2は、顆粒の酸化銀と、銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛と、二酸化マンガンとを含んでいてもよい。
この場合、顆粒の酸化銀の重量比率は、正極合剤2全体に対して55〜68.8重量%の範囲であり、銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、正極合剤2全体に対して1〜10重量%の範囲であり、黒鉛の重量比率は、正極合剤2全体に対して0.2〜5重量%の範囲であり、二酸化マンガンの重量比率は、正極合剤2全体に対して30重量%である。そして、二酸化マンガンは、正極の活物質として機能する。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、下記の実施例は、本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
正極活物質として、酸化第一銀(AgO)を単独で加圧成形した後、この成形体を粉砕し、篩い分けして、平均粒径150μmおよびかさ密度2.0g/cmの顆粒状にした酸化第一銀を準備した。この顆粒の酸化銀を93重量%、平均粒径10μm、およびかさ密度0.68g/cmの粉末状の銀ニッケル複合酸化物(Ag1.05Ni0.95)を5重量%、導電助剤として鱗片状黒鉛を2重量%、混合して正極合剤2とした。そして、この正極合剤2を擦り切り秤量装置を用いて100mgずつ秤量し、秤量後、充填密度6g/cmのペレット状に加圧成形することによって、正極成形体を作製し、これにアルカリ電解液の一部を含浸させた。
負極には、200メッシュの篩い目を通過し得る粒子の割合が95重量%の亜鉛粒子16mgを用いた。
アルカリ電解液としては、酸化亜鉛を5質量%溶解した36質量%水酸化カリウム水溶液を用いた。また、外装缶は、SUS430を用いて作製した。更に、封口板は、銅−ステンレス鋼(SUS304)−ニッケルクラッド板を用いて作製した。更に、セパレータ3には、株式会社ユアサメンブレンシステムの「YG9132」を用いた。このセパレータは、厚みが20μmのセロハンフィルムと、厚みが30μmのグラフトフィルムとを積層してなるものであり、該グラフトフィルムは、ポリエチレン主鎖にアクリル酸をグラフト共重合させた構造を有するグラフト共重合体で構成されている。また、電解液保持層4として、厚みが200μmのビニロン−レーヨン混抄紙を用いた。
上記の正極、負極、アルカリ電解液、外装缶、封口板、セパレータおよび電解液保持層を用い、更に、ナイロン66製の環状ガスケットを用いて、図1に示す底敷構造で、直径(D)6mm、厚さ(t)2.6mmの酸化銀電池を作製した。
(実施例2)
正極合剤2として、顆粒の酸化銀89重量%、銀ニッケル複合酸化物10重量%、鱗片状黒鉛1重量%を混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして酸化銀電池を作製した。
(実施例3)
正極合剤2として、顆粒の酸化銀93.5重量%、銀ニッケル複合酸化物2重量%、鱗片状黒鉛3.5重量%を混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして酸化銀電池を作製した。
(実施例4)
正極合剤2として、顆粒の酸化銀95重量%、銀ニッケル複合酸化物1重量%、鱗片状黒鉛4重量%を混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして酸化銀電池を作製した。
(比較例1)
正極合剤2として酸化第一銀を単独で加圧成形したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形酸化銀電池を作製した。
(比較例2)
正極合剤2として、顆粒の酸化銀84重量%、銀ニッケル複合酸化物15重量%、鱗片状黒鉛1重量%を混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして酸化銀電池を作製した。
(比較例3)
正極合剤2として、顆粒の酸化銀95.5重量%、銀ニッケル複合酸化物0.5重量%、鱗片状黒鉛4重量%を混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして酸化銀電池を作製した。
実施例1〜4および比較例1〜3の電池の正極合剤2の秤量性を、秤量装置にて秤量する際の、正極合剤2の流動性の目視による確認によって評価した。その結果を表1に示す。なお、表1への秤量性の確認結果の表示にあたっては、その評価結果を次の基準により記号化して示す。
◎:正極合剤の流動性が良好で、秤量性に優れている。
○:正極合剤の流動性は若干低下するものの、秤量性に問題はない。
×:正極合剤の流動性が大幅に低下し、秤量性が悪い。
また、実施例1〜4および比較例1〜3の電池、各10個について、電池作製後、60℃で2日間のエージング処理を行ない、20℃で、放電抵抗を15kΩとし、終止電圧を1.2Vとして、連続放電を行い、放電容量を測定した。これらの結果を表1に示す。
また、実施例1および比較例1,2の電池各10個について、20℃における内部抵抗を交流インピーダンス測定(1kHz)によって測定し、これにより電池の負荷特性を評価した。これらの結果を表1に併記する。但し、表1においては、放電容量および内部抵抗について、実施例1の放電容量および内部抵抗を100としたときの指数で示す。
Figure 0005486329
表1から分かるように、実施例の銀ニッケル複合酸化物の含有量が適正な範囲の酸化銀電池の場合には、秤量性が優れているのに対して、比較例2の酸化銀電池では、秤量性が悪かった。
また、実施例1〜4の酸化銀電池は、比較例1および3の酸化銀電池に比べて、内部抵抗が低く負荷特性が向上している。
更に、銀ニッケル複合酸化物を含有させる事で、放電容量を大幅に低下させることなく、コストを低下させた酸化銀電池となっている事が確認できた。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、ボタン形またはコイン形と呼ばれる偏平形電池に適用される。
1 正極缶、2 正極合剤、3 セパレータ、4 電解液保持層、5 ガスケット、6 負極合剤、7 負極缶、10 偏平形電池、11,12 電解液。

Claims (4)

  1. 顆粒の酸化銀と、前記酸化銀よりも小さい粒径を有する銀ニッケル複合酸化物と、黒鉛とを含む正極合剤と、
    負極合剤と、
    前記正極合剤と前記負極合剤との間に配置されたセパレータとを備え、
    前記銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、前記正極合剤全体に対して1〜10重量%である、偏平形電池。
  2. 前記銀ニッケル複合酸化物の重量比率は、前記正極合剤全体に対して1〜5重量%である、請求項1に記載の偏平形電池。
  3. 前記銀ニッケル複合酸化物は、AgNi(x/yは、1以上であり、かつ、1.9以下である)からなる、請求項1または請求項2に記載の偏平形電池。
  4. 前記酸化銀の粒径は、50μm〜500μmの範囲である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の偏平形電池。
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