JP5485575B2 - 導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 - Google Patents

導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 Download PDF

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Description

本発明は、信頼性が高い電気接続ができる導電性微粒子に関する。また、該導電性微粒子を含有する異方性導電材料、及び、該導電性微粒子又は該異方性導電材料によって接続された接続構造体に関する。
絶縁性のバインダー樹脂に導電性微粒子が分散されている異方性導電材料は、電極接続材料として使用されている。異方性導電材料は、異方性導電フィルム、異方性導電シート、異方性導電接着剤等が挙げられる。例えば、異方性導電材料は、基板に形成されている電極を電気的に接続するために、基板や電子部品の電極間に挟み込んで使用される。特に、異方性導電材料は液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器に広く用いられている。
従来、導電性微粒子として、表面に金めっき層が形成された導電性微粒子が用いられている。特許文献1には、非金属材料の芯材粉体の表面に無電解めっき層が形成され、無電解めっき層として、最上層に位置する金めっき層と該層に隣接するニッケル層とを含む多層構造が形成された導電性無電解めっき粉体が開示されている。このような導電性無電解めっき粉体を用いれば、対向する電極間を導通させることができることが開示されている。
しかしながら、表面に金めっき層が形成された導電性微粒子が分散した異方性導電材料を用いて基板や電子部品の電極間を接続すると、導電性微粒子と電極との間に絶縁性のバインダー樹脂が残留するという問題があった。また、表面に金めっき層が形成された導電性微粒子は、電極の表面に形成された酸化被膜を突き破ることができず、電極間の接続抵抗値が高くなることがあるという問題があった。これらの問題は、金が比較的柔らかい金属であるためと考えられる。
そこで、金よりも硬い金属で形成された導電層を有する導電性微粒子が検討されている。特許文献2には、芯材粉体の表面に無電解めっき法により、ニッケル被膜を形成した導電性無電解めっき粉体が開示されている。しかしながら、ニッケルは金より酸化されやすいため、このような導電性無電解めっき粉体は信頼性が高い電気接続ができないという問題があった。
特開2004−238730号 特開2004−131800号
本発明は、信頼性が高い電気接続ができる導電性微粒子を提供することを目的とする。また、本発明は、該導電性微粒子を含有する異方性導電材料、及び、該導電性微粒子又は該異方性導電材料によって接続された接続構造体を提供することを目的とする。
本発明は、基材微粒子の表面にニッケル層が形成されている導電性微粒子であって、前記ニッケル層のニッケル含有率が96重量%以上であり、水に対する表面接触角が90°以上、かつ、体積抵抗率が0.0030Ω・cm以下である導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、基材微粒子の表面にニッケル層が形成されている導電性微粒子であっても、水に対する表面接触角が90°以上となるように表面処理を施すことにより、ニッケル層の酸化を防止できることを見出した。これは、水に対する表面接触角を一定以上とすることにより、酸化の原因となる水分の接触を最低限に抑えることができるためと考えられる。しかしながら、表面接触角を調整するために表面処理を施こす場合、導電接続性を損なうこともある。本発明者は、水に対する表面接触角が90°以上となると同時に、体積抵抗率が0.0030Ω・cm以下となるような表面処理を施すことにより、酸化の抑制と導電接続性とを両立して、信頼性が高い電気接続を行うことができることを見出し、本発明を完成した。
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子の表面にニッケル層が形成されており、水に対する表面接触角の下限が90°である。水に対する表面接触角が90°未満であると、ニッケル層が酸化しやすくなり、信頼性が高い電気接続を行うことができない。水に対する表面接触角の好ましい下限は100°であり、より好ましい下限は110°である。水に対する表面接触角の上限は特にないが、実質的には160°程度が上限である。
導電性微粒子の水に対する表面接触角は、例えば、全自動接触角測定装置(データフィジックス社製「OCA35」)を用いて測定することができる。導電性微粒子1gをスライドガラス上に置き、ニードルを導電性微粒子表面に近づけ、ニードルを用いて純水3μLを導電性微粒子表面に付着させる。純水が付着した導電性微粒子を撮影した画像を解析し、表面接触角を測定できる。
本発明の導電性微粒子は、体積抵抗率が0.0030Ω・cm以下である。体積抵抗率が0.0030Ωを超えると、信頼性の高い電気接続を行うことができない。体積抵抗率の好ましい上限は0.0025Ω・cmである。体積抵抗率の下限は特にないが、実質的には0.0010Ω・cm程度が下限である。
本明細書において体積抵抗率は、三菱化学社製「粉体抵抗率測定システム」を用いて測定できる。なお、体積抵抗率とは、導電性微粒子2.5gに20kNの荷重を与えた際の体積抵抗率を意味する。
上記基材微粒子は特に限定されず、例えば、樹脂微粒子、無機微粒子、有機無機ハイブリッド微粒子、金属微粒子等が挙げられる。
上記樹脂微粒子は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等で構成される樹脂微粒子が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。上記アクリル樹脂は特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメチルアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記無機微粒子は特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ等の金属酸化物で構成される微粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド微粒子は特に限定されず、例えば、オルガノシロキサン骨格の中にアクリルポリマーを含有するハイブリッド微粒子が挙げられる。上記金属微粒子は特に限定されず、例えば、銅を含有する金属微粒子等が挙げられる。
上記樹脂微粒子の10%K値の好ましい下限は1000N/mm、好ましい上限は15000N/mmである。上記10%K値が1000N/mm未満であると、樹脂微粒子を圧縮変形させると、樹脂微粒子が破壊されることがある。上記10%K値が15000N/mmを超えると、導電性微粒子が電極を傷つけることがある。上記10%K値のより好ましい下限は2000N/mm、より好ましい上限は10000N/mmである。
なお、上記10%K値は、微小圧縮試験器(例えば、島津製作所社製「PCT−200」)を用い、樹脂微粒子を直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、最大試験荷重10gの条件下で圧縮した場合の圧縮変位(mm)を測定し、下記式により求めることができる。
K値(N/mm)=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:樹脂微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂微粒子の半径(mm)
上記基材微粒子の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は100μmである。上記基材微粒子の平均粒子径が0.5μm未満であると、基材微粒子が凝集しやすいため、凝集した基材微粒子の表面にニッケル層を形成した導電性微粒子は、隣接する電極間を短絡させることがある。上記基材微粒子の平均粒子径が100μmを超えると、基材微粒子の表面からニッケル層が剥がれやすくなるため、接続信頼性が低下することがある。上記基材微粒子の平均粒子径のより好ましい下限は1μm、より好ましい上限は20μmである。
なお、上記基材微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の基材微粒子の粒子径を測定し、測定した粒子径を算術平均することにより求めることができる。
上記基材微粒子の平均粒子径の変動係数は特に限定されないが、10%以下であることが好ましい。上記変動係数が10%を超えると、導電性微粒子の接続信頼性が低下することがある。なお、上記変動係数とは、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除して得られる値を百分率(%)で示した数値である。
上記基材微粒子の形状は、対向する電極の間隔を維持できる形状であれば特に限定されないが、真球形状であることが好ましい。また、上記基材微粒子の表面は平滑であってもよいし、突起を有していてもよい。
上記ニッケル層のニッケル含有率は96重量%以上である。上記ニッケル含有率が96重量%未満であると、導電性微粒子の接続抵抗値が高くなるため、信頼性が高い電気接続ができない。また、上記ニッケル層が酸化されやすくなる。上記ニッケル含有率は97重量%以上であることが好ましく、99重量%以上であることがより好ましい。なお、上記ニッケル層のニッケル含有率とは、ニッケル層に含有される元素の合計重量に占めるニッケルの重量の割合を百分率(%)で示した数値である。
上記ニッケル層は、ニッケル以外の元素を含有してもよい。上記ニッケル以外の元素は特に限定されず、例えば、リン、ホウ素、コバルト、タングステン等が挙げられる。上記ニッケル層のニッケル以外の元素の含有率は4重量%以下であれば、特に限定されないが、上記ニッケル以外の元素の含有率は3重量%以下であることが好ましく、1重量%以下であることがより好ましい。
なお、上記ニッケル層のニッケル含有率は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定することができる。
上記ニッケル層は、上記基材微粒子の表面に直接形成されていてもよい。また、上記ニッケル層は、上記ニッケル層と上記基材微粒子との間に、下地金属層が形成されていてもよい。
上記下地金属層を構成する金属は特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム等が挙げられる。
上記ニッケル層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.005μm、好ましい上限は3μmである。上記ニッケル層の厚さが0.005μm未満であると、導電性微粒子の接続抵抗値が高くなることがある。上記ニッケル層の厚さが3μmを超えると、導電性微粒子の柔軟性が損なわれることがある。上記ニッケル層の厚さのより好ましい下限は0.08μm、より好ましい上限は0.3μmである。
なお、上記ニッケル層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して厚さを測定し、測定値を算術平均した厚さである。
本発明の導電性微粒子は、上記ニッケル層の表面に、セリウム、又は、チタンを含有する金属酸化物層が形成されていることが好ましい。上記ニッケル層の表面に、セリウム、又は、チタンを含有する金属酸化物層が形成されていると、上記ニッケル層が直接酸素と接触しない。その結果、上記ニッケル層の酸化をより効果的に防止することができる。なかでも、上記ニッケル層の表面に、セリウムを含有する金属酸化物層が形成されていることがより好ましい。上記セリウムを含有する金属酸化物層は自己修復機能を有するため、上記ニッケル層に亀裂が発生しても、上記ニッケル層の内部の酸化を防止する効果に優れる。
なお、上記金属酸化物層は、少なくとも酸化セリウム、又は、酸化チタンを含有すればよいが、実質的に、酸化セリウム、又は、酸化チタンで構成されていることが好ましい。
上記セリウム、又は、チタンを含有する金属酸化物層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.005μm、好ましい上限は0.05μmである。上記金属酸化物層の厚さが0.005μm未満であると、上記ニッケル層の酸化が防止できないことがある。上記金属酸化物層の厚さが0.05μmを超えると、導電性微粒子の接続抵抗値が高くなることがある。上記金属酸化物層の厚さのより好ましい下限は0.01μm、より好ましい上限は0.03μmである。
なお、上記金属酸化物層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して厚さを測定し、測定値を算術平均した厚さである。
上記ニッケル層の表面に、セリウムを含有する金属酸化物層を形成する方法は特に限定されないが、ニッケル層が形成された基材微粒子を、セリウム化合物が溶解している水溶液に添加する方法等が挙げられる。また、上記ニッケル層の表面に、チタンを含有する金属酸化物層を形成する方法は特に限定されないが、ニッケル層が形成された基材微粒子を、チタン化合物が溶解している水溶液に添加する方法等が挙げられる。
上記セリウム化合物は特に限定されないが、硫酸セリウム、塩化セリウム、硝酸セリウム、ステアリン酸セリウム等が挙げられる。上記チタン化合物は特に限定されないが、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、塩化チタン等が挙げられる。
本発明の導電性微粒子の水に対する表面接触角を100°以上、かつ、体積抵抗率が0.0030Ω・cm以下とするためには、上記ニッケル層(上記ニッケル層上に金属酸化物層が形成されている場合には金属酸化物層)の表面に表面処理を施す必要がある。
上記表面処理は特に限定されないが、例えば、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物を反応させて結合させる方法が挙げられる。炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物が結合したニッケル層又は金属酸化物層は、疎水性となって水に対する表面接触角が100°以上となる一方、導電率はそれほど低下せず、体積抵抗率が0.0030Ω・cm以下にすることができる。
上記炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物のアルキル基の炭素数の下限は6、上限は22である。上記アルキル基の炭素数が6未満であると、得られる導電性微粒子の表面接触角を100°以上とすることができず、ニッケル層が酸化しやすくなり、信頼性が高い電気接続を行うことができないことがある。上記アルキル基の炭素数が22を超えると、得られる導電性微粒子の導電率が低下して、信頼性の高い電気接続を行うことができないことがある。上記アルキル基の炭素数の好ましい上限は16である。
上記アルキル基は直鎖構造のアルキル基であってもよいし、分岐構造のアルキル基であってもよいが、直鎖構造のアルキル基であることが好ましい。
上記炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物は特に限定されないが、炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩、炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルコキシシラン、炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオール及び炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩は、例えば、リン酸ヘキシルエステル、リン酸ヘプチルエステル、リン酸モノオクチルエステル、リン酸モノノニルエステル、リン酸モノデシルエステル、リン酸モノウンデシルエステル、リン酸モノドデシルエステル、リン酸モノトリデシルエステル、リン酸モノテトラデシルエステル、リン酸モノペンタデシルエステル、リン酸モノヘキシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノヘプチルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノオクチルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノノニルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノウンデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノドデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノトリデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノテトラデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノペンタデシルエステルモノナトリウム塩等が挙げられる。
上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩を反応させる方法は特に限定されないが、例えば、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層が形成された基材微粒子に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩の水溶液を付着させる方法等が挙げられる。上記ニッケル層又は上記金属酸化物層が形成された基材微粒子に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩の水溶液を付着させることにより、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面のニッケル又は金属酸化物と、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩とが反応し、上記ニッケル層又は金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩が結合される。
上記リン酸エステル又はその塩の水溶液のリン酸エステルの濃度は特に限定されないが、リン酸エステルの濃度の好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は3重量%である。
なお、上記リン酸エステル水溶液は、テトラヒドロフランや、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール等の有機溶剤を含有してもよい。
上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルコキシシランは、例えば、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面を、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルコキシシランで被覆する方法は特に限定されないが、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層が形成された基材微粒子に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルコキシシランの水溶液を付着させる方法等が挙げられる。上記ニッケル層又は上記金属酸化物層が形成された基材微粒子に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルコキシシランの水溶液を付着させることにより、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面が、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルコキシシランで被覆される。
上記アルコキシシランの水溶液のアルコキシシランの濃度は特に限定されないが、アルコキシシランの濃度の好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は3重量%である。
なお、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルコキシシラン水溶液は、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール等の有機溶剤を含有してもよい。
上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールは、例えば、ヘキシルチオール、ヘプチルチオール、オクチルチオール、ノニルチオール、デシルチオール、ウンデシルチオール、ドデシルチオール、トリデシルチオール、テトラデシルチオール、ペンタデシルチオール、ヘキサデシルチオール等が挙げられる。上記アルキルチオールは、アルキル鎖の末端にチオール基が存在することが好ましい。
上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールを反応させる方法は特に限定されないが、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層が形成された基材微粒子に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールが溶解している溶液に付着させる方法等が挙げられる。上記ニッケル層又は上記金属酸化物層が形成された基材微粒子に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールが溶解している溶液に付着させることにより、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面のニッケル又は金属酸化物と、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールとが反応し、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールが結合される。
上記アルキルチオールが溶解している溶液の上記アルキルチオールの濃度は特に限定されないが、アルキルチオールの濃度の好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は3重量%である。
なお、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールが溶解している溶液は、アルキルチオールが溶解すれば特に限定されず、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール等の有機溶剤を含有してもよい。
上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドは、例えば、ジヘキシルジスルフィド、ジヘプチルジスルフィド、ジオクチルジスルフィド、ジノニルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ジウンデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジトリデシルジスルフィド、ジテトラデシルジスルフィド、ジペンタデシルジスルフィド、ジヘキサデシルジスルフィド等が挙げられる。
上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドを反応させる方法は特に限定されないが、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層が形成された基材微粒子に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドが溶解している溶液に付着させる方法等が挙げられる。上記ニッケル層又は上記金属酸化物層が形成された基材微粒子に、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドが溶解している溶液を付着させることにより、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面のニッケル又は金属酸化物と、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドとが反応し、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドが結合される。
上記ジアルキルジスルフィドが溶解している溶液の上記ジアルキルジスルフィドの濃度は特に限定されないが、ジアルキルジスルフィドの濃度の好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は3重量%である。
なお、上記ジアルキルジスルフィドが溶解している溶液は、ジアルキルジスルフィドが溶解すれば特に限定されず、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール等の有機溶剤を含有してもよい。
上記表面処理の方法のなかでも、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩を反応させる方法、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールを反応させる方法、及び、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドを反応させる方法が好ましく、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩を反応させる方法、及び、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールを反応させる方法がより好ましく、上記ニッケル層又は上記金属酸化物層の表面に上記炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩を反応させる方法が更に好ましい。なお、上記表面接触角及び体積抵抗率は、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物の炭素数を変更したり、上記炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物を反応させる時間、温度等を制御したりすることによって調整することができる。
本発明の導電性微粒子の製造方法は特に限定されず、例えば、以下の方法により製造することができる。
基材微粒子の表面に、ニッケル含有率が96重量%以上となるように、ニッケル層を形成させる。基材微粒子の表面に、ニッケル層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解めっき法、無電解めっき法等の方法が挙げられる。
電解めっき法を用いて基材微粒子の表面に、ニッケル層を形成すると、ニッケル含有率が高いニッケル層が形成できる。しかし、電解めっき法を用いて、平均粒子径が100μm未満の基材微粒子の表面に、ニッケル層を形成させると、基材微粒子が凝集してしまうことがあった。
また、従来の無電解めっき法を用いて、基材微粒子の表面に、ニッケル層を形成すると、無電解めっき浴に含まれる還元剤由来のリンやホウ素等が、ニッケル層に含まれてしまうことがあった。リンやホウ素がニッケル層に含まれてしまうと、導電性微粒子の接続抵抗値が高くなってしまう。
従来の無電解めっき法では、基材微粒子が分散している懸濁液に、還元剤を含有する無電解ニッケルめっき液を滴下していたため、懸濁液中の還元剤濃度が高くなる。還元剤由来のリンやホウ素等がニッケル層に含まれるため、ニッケル層のニッケル含有率が低くなることがあった。また、このような無電解めっき法では、懸濁液のpHや、液温を調整しても、ニッケル層のニッケル含有率を高くすることは困難であった。
したがって、本発明では、ニッケル含有率が高いニッケル層を形成するために、無電解めっき浴中の還元剤の濃度を低く保ちながら、前期めっき工程と、後期めっき工程とを行うことが好ましい。このような工程で無電解めっきを行うことにより、ニッケル含有率が高いニッケル層を得ることができる。
本発明では、無電解めっき法において、一般にエッチング工程、触媒化工程を行った後、無電解めっき工程を行うことが好ましい。
上記エッチング工程は、クロム酸、硫酸−クロム酸混液、過マンガン酸溶液等の酸化剤や、塩酸、硫酸等の強酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリの水溶液等を用いて基材微粒子の表面に微小な凹凸を形成させ、ニッケル層の密着をよくするための工程である。
上記触媒化工程は、基材微粒子の表面に無電解めっきの起点となる触媒を付与する工程である。上記触媒化工程では、例えば、センシタイジング工程と、アクチベイジング工程とが行われる。上記センシタイジング工程として、エッチングされた基材微粒子を二塩化錫溶液に浸漬させることにより、基材微粒子の表面にSn2+イオンが吸着される。上記アクチベイジング工程として、Sn2+イオンが吸着した基材微粒子を、二塩化パラジウム溶液に浸漬させることにより、基材微粒子の表面にパラジウム触媒が付与される。なお、上記アクチベイジング工程では、基材微粒子の表面で、Sn2++Pd2+→Sn4++Pdで示される反応が行われる。
上記無電解めっき工程は、パラジウム触媒が付与された基材微粒子を還元剤の存在下で、無電解めっき浴中に浸漬し、付与されたパラジウム触媒を起点として基材微粒子の表面にめっき金属を析出させる工程である。上記無電解めっき工程では、前期めっき工程と、後期めっき工程とを有することが好ましい。
例えば、上記無電解めっき工程において、前期めっき工程の反応が停止した後、ニッケル層が形成された基材微粒子を洗浄する。洗浄された基材微粒子を還元剤が含まれないイオン交換水等に分散させ、後期めっき工程を行なうことが好ましい。このようなめっき工程を有することで、ニッケル層に含まれるリンやホウ素等の含有率を低減できる。
本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散させることにより異方性導電材料を製造することができる。本発明の導電性微粒子と、バインダー樹脂とを含有する異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
本発明の異方性導電材料として、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
上記バインダー樹脂は特に限定されないが、絶縁性の樹脂が用いられ、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体、エラストマー等が挙げられる。
上記ビニル樹脂は特に限定されないが、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
上記硬化性樹脂は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は硬化剤と併用してもよい。
上記熱可塑性ブロック共重合体は特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。
上記エラストマーは特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の異方性導電材料は、本発明の導電性微粒子、及び、上記バインダー樹脂の他に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で、例えば、増量剤、可塑剤、粘接着性向上剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等を含有してもよい。
本発明の異方性導電材料の製造方法は特に限定されず、例えば、上記バインダー樹脂に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電接着剤等を製造する方法が挙げられる。また、上記バインダー樹脂に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に分散させるか、又は、加熱溶解させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定のフィルム厚さとなるように塗工し、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電シート等を製造する方法も挙げられる。
また、上記バインダー樹脂と、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
本発明の導電性微粒子、又は、本発明の異方性導電材料によって接続されている接続構造体もまた、本発明の1つである。
本発明の接続構造体は、一対の回路基板間に、本発明の導電性微粒子又は本発明の異方性導電材料を充填することにより、一対の回路基板間を電気接続させた接続構造体である。
本発明によれば、信頼性が高い電気接続ができる導電性微粒子を提供することができる。また、該導電性微粒子を含有する異方性導電材料、及び、該導電性微粒子又は該異方性導電材料によって接続された接続構造体を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)樹脂微粒子の作製
ポリビニルアルコールを3重量%含む水溶液800重量部に、ジビニルベンゼン70重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート30重量部、過酸化ベンゾイル2重量部を加え、混合物を攪拌した。窒素気流下にて、混合物を撹拌しながら80℃で、15時間重合し、樹脂微粒子を得た。
得られた樹脂微粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した後、分級操作を行った。樹脂微粒子の平均粒子径は4.1μm、変動係数は5.0%であった。
得られた樹脂微粒子10gをエッチング処理し水洗した。パラジウムイオンを吸着させた樹脂微粒子を0.5重量%のジメチルアミンボラン水溶液に添加し、パラジウムが付与された樹脂微粒子を得た。
(2)ニッケル層の形成
パラジウムが付与された樹脂微粒子10gを、イオン交換水1200mLに分散させ、めっき安定剤4mLを添加し、懸濁液Aを作製した。次いで、硫酸ニッケル450g/Lと、次亜リン酸ナトリウム150g/Lと、クエン酸ナトリウム116g/Lと、めっき安定剤6mLとの混合溶液120mLをアンモニアでpH8.5に調整し、前期めっき液を作製した。懸濁液Aに、81mL/分の添加速度で定量ポンプを通して、前期めっき液を添加した。その後、水溶液のpHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するまで、前期めっき工程を行った。前期めっき工程が終了した後、めっき液をろ過し、粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した。洗浄した粒子を、イオン交換水1200mLに分散させ、懸濁液Bを作製した。
次いで、硫酸ニッケル450g/Lと、次亜リン酸ナトリウム150g/Lと、クエン酸ナトリウム116g/Lと、めっき安定剤35mLとの混合溶液650mLをアンモニアでpH9.5に調整し、後期めっき液を作製した。懸濁液Bに、27mL/分の添加速度で定量ポンプを通して、後期めっき液を添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するまで、後期めっき工程を行った。
次いで、めっき液をろ過し、粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、ニッケル層が形成された樹脂微粒子を得た。
なお、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)により測定すると、ニッケル層のニッケル含有率は97重量%であった。また、ニッケル層の厚さは、0.1μmであった。
(3)アルキル基の付与
リン酸モノヘキシルエステル1gを、50重量%エタノール水溶液(水:エタノール=50重量%:50重量%)99gに溶解させた。実施例1で作製したニッケル層が形成された樹脂微粒子10gを、エタノール水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。エタノール水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、ニッケル層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ヘキシル基が形成されていることが確認された。
(実施例2)
リン酸モノヘキシルエステルを、リン酸モノオクチルエステルに変更したこと以外は、実施例1と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例3)
リン酸モノヘキシルエステルを、リン酸モノドデシルエステルに変更したこと以外は、実施例1と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例4)
リン酸モノヘキシルエステルを、リン酸モノヘキサデシルエステルに変更したこと以外は、実施例1と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例5)
ニッケル層の形成において、前期めっき液のpHを8.0に変更し、後期めっき液のpHを9.0に変更したこと以外は、実施例1と同様にニッケル層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)により測定すると、ニッケル層のニッケル含有率は96重量%であった。また、ニッケル層の厚さは、0.1μmであった。
(実施例6)
ヘキシルチオール1gを、エタノール99gに溶解させた。実施例1で作製したニッケル層が形成された樹脂微粒子10gを、エタノールに添加し、エタノールの液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。エタノールをろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、ニッケル層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ヘキシル基が形成されていることが確認された。
(実施例7)
ヘキシルチオールを、オクチルチオールに変更したこと以外は、実施例6と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例8)
ヘキシルチオールを、ドデシルチオールに変更したこと以外は、実施例6と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例9)
ヘキシルチオールを、ヘキサデシルチオールに変更したこと以外は、実施例6と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例10)
ジ−n−ヘキシルジスルフィド1gを、エタノール99gに溶解させた。実施例1で作製したニッケル層が形成された樹脂微粒子10gを、エタノールに添加し、エタノールの液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。エタノールをろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、ニッケル層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ヘキシル基が形成されていることが確認された。
(実施例11)
ジ−n−ヘキシルジスルフィドを、ジ−n−オクチルジスルフィドに変更したこと以外は、実施例10と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例12)
ジ−n−ヘキシルジスルフィドを、ジ−n−ドデシルジスルフィドに変更したこと以外は、実施例10と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例13)
ヘキシルトリエトキシシラン1gを、95重量%プロパノール水溶液(水:プロパノール=5重量%:95重量%)99gに溶解させた。実施例1で作製したニッケル層が形成された樹脂微粒子10gを、プロパノール水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。プロパノール水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、ニッケル層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ヘキシル基が形成されていることが確認された。
(実施例14)
ヘキシルトリエトキシシランを、オクチルトリエトキシシランに変更したこと以外は、実施例13と同様に導電性微粒子を作製した。
(実施例15)
ヘキシルトリエトキシシランを、ドデシルトリエトキシシランに変更したこと以外は、実施例13と同様に導電性微粒子を作製した。
(比較例1)
(1)樹脂微粒子の作製
ポリビニルアルコールを3重量%含む水溶液800重量部に、ジビニルベンゼン70重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート30重量部、過酸化ベンゾイル2重量部を加え、混合物を攪拌した。窒素気流下にて、混合物を撹拌しながら80℃で、15時間重合し、樹脂微粒子を得た。
得られた樹脂微粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した後、分級操作を行った。樹脂微粒子の平均粒子径は4.1μm、変動係数は5.0%であった。
得られた樹脂微粒子10gをエッチング処理し水洗した。パラジウムイオンを吸着させた樹脂微粒子を0.5重量%のジメチルアミンボラン水溶液に添加し、パラジウムが付与された樹脂微粒子を得た。
(2)ニッケル層の形成
パラジウムが付与された樹脂微粒子10gを、イオン交換水1200mLに分散させ、めっき安定剤4mLを添加し、水溶液を調整した。この水溶液に硫酸ニッケル450g/Lと、次亜リン酸ナトリウム150g/Lと、クエン酸ナトリウム116g/Lと、めっき安定剤6mLとの混合溶液120mLを81mL/分の添加速度で定量ポンプを通して添加した。その後、水溶液のpHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するまで、前期めっき工程を行った。
次いで、前期めっき工程が終了した水溶液に、硫酸ニッケル450g/Lと、次亜リン酸ナトリウム150g/Lと、クエン酸ナトリウム116g/Lと、めっき安定剤35mLとの混合溶液650mLを27mL/分の添加速度で定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するまで、後期めっき工程を行った。次いで、めっき液をろ過し、粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、ニッケル層が形成された樹脂微粒子を得た。
なお、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)により測定すると、ニッケル層のニッケル含有率は94重量%であった。また、ニッケル層の厚さは、0.1μmであった。
(比較例2)
比較例1で得られたニッケル層が形成された樹脂微粒子を使用したこと以外は、実施例3と同様に、導電性微粒子を作製した。
(比較例3)
比較例1で得られたニッケル層が形成された樹脂微粒子を使用したこと以外は、実施例1と同様に、導電性微粒子を作製した。
(比較例4)
リン酸モノブチルエステル1gを、50重量%エタノール水溶液(水:エタノール=50重量%:50重量%)99gに溶解させた。実施例1で作製したニッケル層が形成された樹脂微粒子10gを、エタノール水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。エタノール水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、ニッケル層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ブチル基が形成されていることが確認された。
(比較例5)
実施例1で得られたニッケル層が形成された樹脂微粒子を導電性微粒子として使用した。
<評価>
実施例1〜15及び比較例1〜5で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)水に対する表面接触角の測定
導電性微粒子の水に対する表面接触角は、全自動接触角測定装置(データフィジックス社製「OCA35」)を用いて測定した。即ち、得られた導電性微粒子1gをスライドガラス上に置き、ニードルを導電性微粒子表面に近づけ、ニードルを用いて純水3μLを導電性微粒子表面に付着させた。純水が付着した導電性微粒子を撮影した画像を解析し、表面接触角を測定した。
(2)体積抵抗率の測定
導電性微粒子の体積抵抗率は、三菱化学社製「粉体抵抗率測定システム」を用い、導電性微粒子2.5gに20kNの荷重を与えた条件下で測定した。
(3)異方性導電フィルムの作製
バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部を、遊星式攪拌機を用いて充分に混合し、混合物を得た。得られた混合物を、離型フィルム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布し、トルエンを揮発させて接着性フィルム1を得た。
次いで、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部に、導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合し、混合物を得た。得られた混合物を、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを揮発させて導電性微粒子を含有する接着性フィルム2を得た。なお、接着性フィルム2における導電性微粒子の含有量は5万個/cmとなるように調整した。
得られた接着性フィルム1と接着性フィルム2とを常温でラミネートし、2層構造を有する厚さ17μmの異方性導電フィルムを得た。
(4)接続構造体の作製
得られた異方性導電フィルムを5mm×5mmの大きさに切断した。切断した異方性導電フィルムを、一方に抵抗測定用の引き回し線を有するアルミニウム電極(高さ0.2μm、L/S=20μm/20μm)が形成されたガラス基板のアルミニウム電極側のほぼ中央に貼り付けた。次いで、同じアルミニウム電極が形成されたガラス基板を、電極同士が重なるように位置合わせをしてから貼り合わせた。このガラス基板の積層体を、10N、180℃の圧着条件で熱圧着し、接続構造体を得た。
(5)接続抵抗値の測定
得られた接続構造体の対向する電極間の接続抵抗値を4端子法により測定した。また、PCT試験後の接続構造体の接続抵抗値を同様に測定した。なお、PCT試験とは、得られた接続構造体を85℃、相対湿度85%の恒温恒湿器内に100時間保管する加速試験を意味する。
Figure 0005485575
(実施例16)
(1)樹脂微粒子の作製
ポリビニルアルコールを3重量%含む水溶液800重量部に、ジビニルベンゼン70重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート30重量部、過酸化ベンゾイル2重量部を加え、混合物を攪拌した。窒素気流下にて、混合物を撹拌しながら80℃で、15時間重合し、樹脂微粒子を得た。
得られた樹脂微粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した後、分級操作を行った。樹脂微粒子の平均粒子径は4.1μm、変動係数は5.0%であった。
得られた樹脂微粒子10gをエッチング処理し水洗した。パラジウムイオンを吸着させた樹脂微粒子を0.5重量%のジメチルアミンボラン水溶液に添加し、パラジウムが付与された樹脂微粒子を得た。
(2)ニッケル層の形成
パラジウムが付与された樹脂微粒子10gを、イオン交換水1200mLに分散させ、めっき安定剤4mLを添加し、懸濁液Aを作製した。次いで、硫酸ニッケル450g/Lと、次亜リン酸ナトリウム150g/Lと、クエン酸ナトリウム116g/Lと、めっき安定剤6mLとの混合溶液120mLをアンモニアでpH8.5に調整し、前期めっき液を作製した。懸濁液Aに、81mL/分の添加速度で定量ポンプを通して、前期めっき液を添加した。その後、水溶液のpHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するまで、前期めっき工程を行った。前期めっき工程が終了した後、めっき液をろ過し、粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した。洗浄した粒子を、イオン交換水1200mLに分散させ、懸濁液Bを作製した。
次いで、硫酸ニッケル450g/Lと、次亜リン酸ナトリウム150g/Lと、クエン酸ナトリウム116g/Lと、めっき安定剤35mLとの混合溶液650mLをアンモニアでpH9.5に調整し、後期めっき液を作製した。懸濁液Bに、27mL/分の添加速度で定量ポンプを通して、後期めっき液を添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するまで、後期めっき工程を行った。
次いで、めっき液をろ過し、粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、ニッケル層が形成された樹脂微粒子を得た。
なお、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)により測定すると、ニッケル層のニッケル含有率は97重量%であった。
(3)酸化セリウム層の形成
ニッケル層が形成された樹脂微粒子10gを、1重量%の硫酸セリウム水溶液1Lに添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。硫酸セリウム水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化セリウム層が形成された導電性微粒子を作製した。
なお、エネルギー分散型X線分光器により測定すると、ニッケル層の表面に酸化セリウム層が形成されていることが確認された。また、得られた導電性微粒子のニッケル層の厚さは、0.1μm、酸化セリウム層の厚さは、0.005μmであった。
(4)アルキル基の付与
リン酸モノドデシルエステル1gを、テトラヒドロフラン水溶液(水:テトラヒドロフラン=50重量%:50重量%)1Lに溶解させた。得られた導電性微粒子10gを、テトラヒドロフラン水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。テトラヒドロフラン水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化セリウム層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ドデシル基が形成されていることが確認された。
(実施例17)
実施例16と同様にして得られたニッケル層が形成された樹脂微粒子10gを、1重量%のシュウ酸チタンカリウム水溶液1Lに添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。シュウ酸チタンカリウム水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化チタン層が形成された導電性微粒子を作製した。
なお、エネルギー分散型X線分光器により測定すると、ニッケル層の表面に酸化チタン層が形成されていることが確認された。また、得られた導電性微粒子のニッケル層の厚さは、0.1μm、酸化チタン層の厚さは、0.005μmであった。
リン酸モノドデシルエステル1gを、テトラヒドロフラン水溶液(水:テトラヒドロフラン=50重量%:50重量%)1Lに溶解させた。得られた導電性微粒子10gを、テトラヒドロフラン水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。テトラヒドロフラン水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化チタン層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ドデシル基が形成されていることが確認された。
(実施例18)
リン酸モノへキシルエステル1gを、テトラヒドロフラン水溶液(水:テトラヒドロフラン=50重量%:50重量%)1Lに溶解させた。実施例16と同様にして得られた導電性微粒子10gを、テトラヒドロフラン水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。テトラヒドロフラン水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化セリウム層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ヘキシル基が形成されていることが確認された。
(実施例19)
リン酸モノヘキシルエステル1gを、テトラヒドロフラン水溶液(水:テトラヒドロフラン=50重量%:50重量%)1Lに溶解させた。実施例17と同様にして得られた導電性微粒子10gを、テトラヒドロフラン水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。テトラヒドロフラン水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化チタン層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ヘキシル基が形成されていることが確認された。
(実施例20)
リン酸モノヘキサデシルエステル1gを、テトラヒドロフラン水溶液(水:テトラヒドロフラン=50重量%:50重量%)1Lに溶解させた。実施例16と同様にして得られた導電性微粒子10gを、テトラヒドロフラン水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。テトラヒドロフラン水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化セリウム層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ヘキサデシル基が形成されていることが確認された。
(実施例21)
リン酸モノヘキサデシルエステル1gを、テトラヒドロフラン水溶液(水:テトラヒドロフラン=50重量%:50重量%)1Lに溶解させた。実施例17と同様にして得られた導電性微粒子10gを、テトラヒドロフラン水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。テトラヒドロフラン水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化チタン層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ヘキサデシル基が形成されていることが確認された。
(実施例22)
ニッケル層の形成において、前期めっき液のpHを8.0に変更し、後期めっき液のpHを9.0に変更したこと以外は、実施例16と同様に導電性微粒子を作製した。
なお、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)により測定すると、ニッケル層のニッケル含有率は96重量%であった。また、ニッケル層の厚さは、0.1μm、酸化セリウム層の厚さは、0.005μmであった。
リン酸モノドデシルエステル1gを、テトラヒドロフラン水溶液(水:テトラヒドロフラン=50重量%:50重量%)1Lに溶解させた。得られた導電性微粒子10gを、テトラヒドロフラン水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。テトラヒドロフラン水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化セリウム層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ドデシル基が形成されていることが確認された。
(実施例23)
ニッケル層の形成において、前期めっき液のpHを8.0に変更し、後期めっき液のpHを9.0に変更したこと以外は、実施例17と同様に導電性微粒子を作製した。
なお、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)により測定すると、ニッケル層のニッケル含有率は96重量%であった。また、ニッケル層の厚さは、0.1μm、酸化チタン層の厚さは、0.005μmであった。
リン酸モノドデシルエステル1gを、テトラヒドロフラン水溶液(水:テトラヒドロフラン=50重量%:50重量%)1Lに溶解させた。得られた導電性微粒子10gを、テトラヒドロフラン水溶液に添加し、水溶液の液温を50℃に保ちながら、1時間攪拌した。テトラヒドロフラン水溶液をろ過し、粒子を蒸留水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥させ、酸化チタン層の表面にアルキル基を有する導電性微粒子を作製した。
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析すると、導電性微粒子の表面に、ドデシル基が形成されていることが確認された。
<評価>
実施例16〜23で得られた導電性微粒子について実施例1等と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
Figure 0005485575
本発明によれば、信頼性が高い電気接続ができる導電性微粒子を提供することができる。また、該導電性微粒子を含有する異方性導電材料、及び、該導電性微粒子又は該異方性導電材料によって接続された接続構造体を提供することができる。

Claims (6)

  1. 基材微粒子の表面にニッケル層が形成されている導電性微粒子であって、
    前記ニッケル層のニッケル含有率が96重量%以上であり、
    前記ニッケル層の表面に炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物が結合しており、
    水に対する表面接触角が90°以上、かつ、体積抵抗率が0.0030Ω・cm以下であることを特徴とする導電性微粒子。
  2. 炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物は、炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩、炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルコキシシラン、炭素数が6〜22のアルキル基を有するアルキルチオール及び炭素数が6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
  3. 炭素数が6〜22のアルキル基を有する化合物は、炭素数が6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
  4. 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子と、バインダー樹脂とを含有することを特徴とする異方性導電材料。
  5. 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子を用いて接続されていることを特徴とする接続構造体。
  6. 請求項4記載の異方性導電材料を用いて接続されていることを特徴とする接続構造体。
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