JP5482520B2 - ターボ機械 - Google Patents
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Description
本発明に係るターボ機械は、回転することで気体を流動させるインペラと、インペラを回転駆動させる駆動装置と、駆動装置の回転駆動力をインペラに伝達する回転軸と、回転軸を回転自在に支持する軸受と、を備えるターボ機械であって、少なくとも駆動装置が配置される第1空間と、第1空間と区画され且つ軸受を介して第1空間に連通される第2空間と、を有するケーシングと、第1空間内を吸引する吸引装置と、を備え、ケーシングには、軸受と異なる位置に配されるとともに第1空間と第2空間とを互いに連通させて軸受を通る気体の流量を調整する連通孔が形成されている、という構成を採用する。
本発明によれば、第2空間の気体は、軸受だけでなく連通孔をも通りつつ第1空間に流入する。軸受を通る気体の流量を調整する連通孔が形成されることで、軸受を通る気体の流量は適切に維持される。よって、軸受を潤滑するためにグリースを用いる場合であっても、軸受からグリースが過度に排出されることを防止し、軸受に適切な量のグリースを保持し、軸受の円滑な回転を維持できるという効果がある。
図1は、本実施形態におけるターボブロアS1の概略構成を示す断面図である。
ターボブロアS1は、外部から導入された気体を圧縮して流動させるターボ機械である。ターボブロアS1は、例えばガスレーザー(炭酸ガスレーザー等)で使用される。ガスレーザーで使用されるターボブロアS1は、ガスレーザーの媒体であるレーザーガスを、レーザー発振器に向けて流動させるために用いられる。
ターボブロアS1は、インペラ1と、モータ2(駆動装置)と、回転軸3と、軸受4と、ケーシング5と、吸引ポンプ6(吸引装置)と、を備えている。なお、図1及び図2おいて、回転軸3の軸線方向を鉛直方向とし、インペラ1が設けられている側を上側とする。
本実施形態における軸受4としては、上側軸受41(軸受)と下側軸受42(軸受)とが用いられている。上側軸受41は、回転軸3の上側の端部、すなわちインペラ1側の端部を支持している。下側軸受42は、回転軸3の下側の端部、すなわちインペラ1と逆側の端部を支持している。本実施形態の上側軸受41及び下側軸受42には、グリースが供給されている。このグリースは、上側軸受41及び下側軸受42の円滑な回転を維持するためのものであり、ターボブロアS1の製造時に供給されるのみで使用中には供給されない構成となっている。なお、上側軸受41を、グリースの外部への排出を抑制できるシール付き軸受としてもよい。このようなシールは、上側軸受41における転動体の、上側及び下側のいずれにも設けられることが好ましい。
インペラ配置空間51aは、スクロールケーシング51内に形成され、インペラ1が配置される空間である。また、インペラ配置空間51aは、インペラ1の回転に伴って気体が流動する空間である。吸入口51bは、インペラ1に向けて気体が導入される箇所である。ディフューザ51cは、インペラ1を囲んで環状に形成されており、インペラ1が回転することで送り出された気体が導入される流路である。ディフューザ51cに導入された気体は圧縮され、その圧力は上昇する。スクロール室51dは、インペラ1を囲んで環状に形成されており、ディフューザ51cと連通して設けられる流路である。スクロール室51dには不図示の吐出口が設けられており、インペラ1の回転によって送り出された気体はディフューザ51c及びスクロール室51dを介して、この吐出口からケーシング5の外部に供給される。
インペラ背面空間51eは、インペラ1とケーシング5との間に形成される空間である。より詳細には、インペラ背面空間51eは、インペラ1の背面側(インペラ1における吸入口51bの逆側)と、ケーシング5における上側軸受支持部53との間に形成される空間である。なお、上述した上側軸受41は、インペラ背面空間51eに臨む位置に設けられている。
コネクタ55bは、モータ2に電力を供給する電源ケーブル(図示せず)との接続に用いられるものである。また、コネクタ55bとステータ22とは、所定の配線によって電気的に接続されている。なお、ターボブロアS1がガスレーザー等で使用される場合には、ケーシング5を密閉構造とする必要があるため、コネクタ55bには接続部分を密閉できるハーメチックコネクタが用いられる。
水冷ジャケット55cは、モータ2を冷却するためのものであって、モータ2を回転軸線周りで囲んで設けられている。
吸引口55dは、モータケーシング55を貫通して形成される開口部であって、モータ配置空間55aを吸引するための吸引ポンプ6が接続される箇所である。
上側軸受支持部53は、スクロールケーシング51内のインペラ背面空間51eと、モータケーシング55内のモータ配置空間55aとの間に設けられている。すなわち、インペラ背面空間51eとモータ配置空間55aとは、上側軸受支持部53によって区画されている。上側軸受支持部53は、円板状に成形された部材である。上側軸受支持部53のモータケーシング55に対する着脱の方向は、鉛直方向と同一である。上側軸受支持部53の中央部には回転軸3が隙間をあけて貫通しており、上側軸受41も上側軸受支持部53の中央部に設置されている。
下側軸受支持部54は、有底の円筒状に成形された部材であり、その内部には支持部空間54a(第2空間)が形成されている。すなわち、支持部空間54aとモータ配置空間55aとは、下側軸受支持部54によって区画されている。下側軸受支持部54の上側開口部からは、支持部空間54a内に回転軸3の下側端部が突入して設けられている。下側軸受42は、下側軸受支持部54の上側開口部の近傍に設置されている。そのため、支持部空間54aは、下側軸受42を介してモータ配置空間55aに連通している。なお、支持部空間54aは、下側軸受42から排出された排グリースが貯留される貯留部となっている。
ベースプレート56には、第1下側連通孔54bと協働して支持部空間54aとモータ配置空間55aとを互いに連通させる第2下側連通孔56b(連通孔)が形成されている。なお、凹部56aの深さが浅く、第1下側連通孔54bのみで支持部空間54aとモータ配置空間55aとが互いに連通される場合には、第2下側連通孔56bを設けずともよい。
また、より詳細には、下側軸受支持部54は下側に向かうに従い僅かにその径が小さくなる形状となっており、下側軸受支持部54と凹部56aとの間には隙間54cが形成されている。よって、支持部空間54aとモータ配置空間55aとは、第1下側連通孔54b、隙間54c及び第2下側連通孔56bを介して、互いに連通されている。隙間54cが形成されていることで、下側軸受支持部54が回転軸3の回転軸線周りで回転しどのような姿勢になったとしても、第1下側連通孔54bと第2下側連通孔56bとの間の連通を確保することができる。
例えばターボブロアS1のメンテナンス時においては、ケーシング本体52からスクロールケーシング51を離脱させ、上側軸受支持部53をケーシング本体52に固定している締結ボルト等を取り外すのみで、モジュール部7をケーシング本体52から離脱させることが可能となっている。
吸引ポンプ6の作動によって、モータ配置空間55a内が吸引される。この吸引により、インペラ背面空間51eの気圧に比べてモータ配置空間55aの気圧は低くなる。そのため、上側軸受41を介してインペラ背面空間51eからモータ配置空間55aに向かう気体の流れが生じる。このような気体の流れが生じることで、グリース及びその潤滑油(基油)がインペラ背面空間51eやディフューザ51c、スクロール室51dに飛散・流入することを抑制できる。また、上側軸受41としてシール付き軸受を用いた場合には、グリース及びその潤滑油のインペラ背面空間51e側への飛散・流入をより抑制できる。
もっとも、モータ配置空間55aとインペラ背面空間51eとの間の気圧の差が大きくなると、上側軸受41を通る気体の流量が増加する。気体の流量が増加すると、気体の流動に伴って、上側軸受41に供給されているグリースが上側軸受41からモータ配置空間55aに向けて排出され除去される虞がある。
グリースが除去されると、上側軸受41及び下側軸受42を潤滑できなくなり、それらの円滑な回転が確保できず、結果として上側軸受41及び下側軸受42の焼き付き等が生じる虞がある。
図3は、本実施形態におけるターボブロアS2の概略構成を示す断面図である。なお、図3において、図1に示す第1の実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
なお、本実施形態の上側軸受41としてシール付き軸受を用いる場合には、シールは上側軸受41における転動体の上側のみに設けられる。このようなシール付き軸受を用いた場合には、グリース及びその潤滑油のインペラ背面空間51e側への飛散・流入をより抑制できる。
第1上側流路55fは、ケーシング本体52のモータケーシング55に形成されている。第2上側流路53bは、上側軸受支持部53に形成されている。第1上側流路55f及び第2上側流路53bが形成されていることで、外部から供給されるグリースを上側軸受41に供給できる構成となっている。
第1下側流路56cは、ケーシング本体52のベースプレート56に形成されている。第2下側流路54eは、下側軸受支持部54に形成されている。第1下側流路56c及び第2下側流路54eが形成されていることで、外部から供給されるグリースを下側軸受42に供給できる構成となっている。
グリース供給装置8は、ケーシング5の外部に設置され、上側軸受41及び下側軸受42にグリースを供給するためのものである。グリース供給装置8の内部には、グリースが充填された一対のシリンジ81が収容されている。また、グリース供給装置8の内部には、シリンジ81を動作させる駆動装置が設けられており、この駆動装置の作動によってシリンジ81が動作し、シリンジ81内のグリースを供給できる構成となっている。
インペラ1を回転させて気体を圧送するために、モータ2は回転軸3を高速で回転させる。そのため、上側軸受41及び下側軸受42は高速で回転し、軸受に供給されたグリースは攪拌される。また、インペラ1における流動の損失やモータ2の動作を原因として、熱が生じる。この熱は上側軸受41及び下側軸受42に伝わり、軸受に供給されたグリースの温度は上昇する。
このような回転による攪拌や熱の影響により、グリースが変質・劣化し、劣化したグリースが下方に向けて排出され、基油である潤滑油が枯渇する虞がある。グリースの潤滑油が枯渇すれば、上側軸受41及び下側軸受42の焼き付きが生じる虞がある。
なお、上側軸受41から排出される排グリースは、グリース受け皿57に貯留され、下側軸受42から排出される排グリースは、支持部空間54a内に貯留される。
Claims (5)
- 回転することで気体を流動させるインペラと、前記インペラを回転駆動させる駆動装置と、前記駆動装置の回転駆動力を前記インペラに伝達する回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、を備えるターボ機械であって、
少なくとも前記駆動装置が配置される第1空間と、前記第1空間と区画され且つ前記軸受を介して前記第1空間に連通される第2空間と、を有するケーシングと、
前記第1空間内を吸引する吸引装置と、を備え、
前記ケーシングには、前記軸受と異なる位置に配されるとともに前記第1空間と前記第2空間とを互いに連通させて前記軸受を通る気体の流量を調整する連通孔が形成されていることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1に記載のターボ機械において、
前記ケーシングは、前記第1空間を有するケーシング本体と、前記ケーシング本体に着脱自在に設置されるとともに前記軸受を支持する軸受支持部と、を具備し、
前記第1空間及び前記第2空間は、前記軸受支持部によって区画され、
前記連通孔は、前記軸受支持部に形成されていることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1又は2に記載のターボ機械において、
前記第2空間は、前記インペラと前記ケーシングとの間に形成される空間であることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1又は2に記載のターボ機械において、
前記第2空間は、前記軸受に供給されたグリースが排出される空間であることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のターボ機械において、
前記連通孔の孔径を調整する孔径調整部を備えることを特徴とするターボ機械。
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