JP5477512B2 - インピーダンス変換回路および通信端末装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナ装置等に適用するインピーダンス変換回路に関し、特に、広い周波数帯域で整合するインピーダンス変換回路およびそれを備えた通信端末装置に関する。
近年、携帯電話をはじめとする通信端末装置は、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、DCS(DigitalCommunicationSystem)、PCS(PersonalCommunication Services)、UMTS(UniversalMobile Telecommunications System)等の通信システム、さらにはGPS(GlobalPositioningSystem)やワイヤレスLAN、Bluetooth(登録商標)等への対応が求められることがある。したがって、こうした通信端末装置におけるアンテナ装置は、700MHz〜2.7GHzまでの広い周波数帯域をカバーすることが求められる。
広い周波数帯域に対応するアンテナ装置としては、特許文献1や特許文献2に開示されているように、アンテナ素子の給電端にLC並列共振回路やLC直列共振回路にて構成された受動素子にて構成されたパッシブ型の整合回路を備えたものが一般的である。また、たとえば特許文献3や特許文献4に開示されているように、能動素子を含むアクティブ型の整合回路を備えたものも知られている。
特開2004−336250号公報 特開2006−173697号公報 特開2000−124728号公報 特開2008−035065号公報
ところが、一般に、アンテナ素子のサイズや形状、周辺環境等によってアンテナ素子のインピーダンスは変化するため、特許文献1,2に示されているパッシブ型の整合回路では、通信端末装置の機種毎に整合回路を調整しなければならない。特に、複数の周波数帯域のそれぞれにインピーダンスを最適化するのは容易でない。このように複数の周波数帯域にインピーダンスを合わせ込もうとすると、整合回路を構成する素子の素子数が増えてしまいやすく、整合回路の素子数が増えると、挿入損失が大きくなり、十分な利得が得られないこともある。
また、特許文献3,4に示されているアクティブ型の整合回路でも、通信端末装置の機種毎に整合回路を調整しなければならない、という同様の課題を有する。さらに、アクティブ型の整合回路では、可変容量素子を制御するための回路、すなわち周波数帯域を切り替えるための切替回路が必要であるので回路構成が複雑になりやすい。また、切替回路での損失や歪みが大きいので十分な利得が得られないことがある。
本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、広い周波数帯域でインピーダンスの最適化が容易で、かつ、損失が少なく、簡易な構成のインピーダンス変換回路、およびこのインピーダンス変換回路を備えた通信端末装置を提供することにある。
(1)本発明のインピーダンス変換回路は、
第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
前記第1高周波回路に接続される第1インダクタンス素子、および、前記第2高周波回路に接続され、前記第1インダクタンス素子に結合された第2インダクタンス素子を含んで構成された第1整合回路と、
前記第1整合回路と前記第1高周波回路との間および前記第1整合回路と前記第2高周波回路との間の少なくとも一方に接続され、キャパシタンス素子およびインダクタンス素子の少なくとも一方からなるリアクタンス素子を含んで構成された第2整合回路と、
を有し、
前記第2整合回路における前記リアクタンス素子は、前記第1インダクタンス素子または前記第2インダクタンス素子とともに並列共振回路を構成するキャパシタンス素子を少なくとも含んでいて、
前記第2整合回路は、前記第1整合回路と前記第1高周波回路との間にシャントに接続された第1のキャパシタンス素子を含む第1の整合回路素子と、前記第1整合回路と前記第2高周波回路との間にシャントに接続された第2のキャパシタンス素子を含む第2の整合回路素子とを含んで構成され、
前記第1のキャパシタンス素子と前記第2のキャパシタンス素子のうち、キャパシタンスの大きな方のキャパシタンス素子で主として第1周波数帯の高周波信号のインピーダンス整合を行い、キャパシタンスの小さな方のキャパシタンス素子で主として第2周波数帯(ただし、前記第1周波数帯の高周波信号の周波数は、前記第2周波数帯の高周波信号の周波数よりも低い)の高周波信号のインピーダンス整合を行うことを特徴とする。
(2)本発明のインピーダンス変換回路は、
第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
前記第1高周波回路に接続される第1インダクタンス素子、および、前記第2高周波回路に接続され、前記第1インダクタンス素子に結合された第2インダクタンス素子を含んで構成された第1整合回路と、
前記第1整合回路と前記第1高周波回路との間および前記第1整合回路と前記第2高周波回路との間の少なくとも一方に接続され、キャパシタンス素子およびインダクタンス素子の少なくとも一方からなるリアクタンス素子を含んで構成された第2整合回路と、
を有し、
前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子とは、磁界および電界を介して結合されていて、
前記第1インダクタンス素子に交流電流が流れるとき、前記磁界を介した結合により前記第2インダクタンス素子に流れる電流の向きと、前記電界を介した結合により前記第2インダクタンス素子に流れる電流の向きとが同じであることを特徴とする。
(3)本発明のインピーダンス変換回路は、
第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
前記第1高周波回路に接続される第1インダクタンス素子、および、前記第2高周波回路に接続され、前記第1インダクタンス素子に結合された第2インダクタンス素子を含んで構成された第1整合回路と、
前記第1整合回路と前記第1高周波回路との間および前記第1整合回路と前記第2高周波回路との間の少なくとも一方に接続され、キャパシタンス素子およびインダクタンス素子の少なくとも一方からなるリアクタンス素子を含んで構成された第2整合回路と、
を有し、
前記第1インダクタンス素子に交流電流が流れるとき、前記第2インダクタンス素子に流れる電流の向きは、前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子との間に磁気障壁が生じる向きであることを特徴とする。
上記(1)(2)(3)において、例えば、前記第1高周波回路は給電回路であり、前記第2高周波回路は放射素子である。
また、前記第1インダクタンス素子および前記第2インダクタンス素子は、複数の誘電体層または磁性体層を積層してなる積層体にて構成されており、前記リアクタンス素子は、チップ型キャパシタンス素子またはチップ型インダクタンス素子として、前記積層体の表面に実装されていることが好ましい。
また、前記第1インダクタンス素子、前記第2インダクタンス素子および前記リアクタンス素子は、複数の誘電体層または磁性体層を積層してなる積層体にて構成されていることが好ましい。
また、前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子とを結合させることによって、等価的な負のインダクタンス成分が生じ、この負のインダクタンス成分で前記放射素子の実効的なインダクタンス成分が抑制されていることが好ましい。
また、前記第1整合回路は、前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子とが相互インダクタンスを介して結合したトランス型回路を含み、前記トランス型回路を、高周波回路に接続される第1ポート、前記放射素子に接続される第2ポート、グランドに接続される第3ポート、前記第1ポートと分岐点との間に接続されたインダクタンス素子、前記第2ポートと前記分岐点との間に接続されたインダクタンス素子、および前記第3ポートと前記分岐点との間に接続されたインダクタンス素子で構成されるT型回路に等価変換した際に、前記等価的な負のインダクタンス成分は前記分岐点と前記第2ポートとの間に接続されたインダクタンス素子に相当することが好ましい。
また、前記第1インダクタンス素子の第1端は前記第1高周波回路に接続され、第1インダクタンス素子の第2端はグランドに接続され、前記第2インダクタンス素子の第1端は前記第2高周波回路に接続され、前記第2インダクタンス素子の第2端はグランドに接続されていることが好ましい。
また、前記第1インダクタンス素子は第1コイル素子および第2コイル素子を含み、前記第1コイル素子および前記第2コイル素子は互いに直列的に接続されていて、且つ閉磁路を作るように導体の巻回パターンが形成されていることが好ましい。
また、前記第2インダクタンス素子は第3コイル素子および第4コイル素子を含み、前記第3コイル素子および前記第4コイル素子は互いに直列的に接続されていて、且つ閉磁路を作るように導体の巻回パターンが形成されていることが好ましい。
(4)本発明の通信端末装置は、
放射素子と、前記放射素子と給電回路との間に挿入されたインピーダンス変換回路とを備え、
前記インピーダンス変換回路は、前記給電回路に接続される第1インダクタンス素子、および、前記放射素子に接続され、前記第1インダクタンス素子に結合された第2インダクタンス素子を含んで構成された第1整合回路と、前記第1整合回路と前記給電回路との間および前記第1整合回路と前記放射素子との間の少なくとも一方に接続され、キャパシタンス素子およびインダクタンス素子の少なくとも一方からなるリアクタンス素子を含んで構成された第2整合回路と、を有し、
前記第2整合回路における前記リアクタンス素子は、前記第1インダクタンス素子または前記第2インダクタンス素子とともに並列共振回路を構成するキャパシタンス素子を少なくとも含んでいて、
前記第2整合回路は、前記第1整合回路と前記給電回路との間にシャントに接続された第1のキャパシタンス素子を含む第1の整合回路素子と、前記第1整合回路と前記放射素子との間にシャントに接続された第2のキャパシタンス素子を含む第2の整合回路素子とを含んで構成され、
前記第1のキャパシタンス素子と前記第2のキャパシタンス素子のうち、キャパシタンスの大きな方のキャパシタンス素子で主として第1周波数帯の高周波信号のインピーダンス整合を行い、キャパシタンスの小さな方のキャパシタンス素子で主として第2周波数帯(ただし、前記第1周波数帯の高周波信号の周波数は、前記第2周波数帯の高周波信号の周波数よりも低い)の高周波信号のインピーダンス整合を行うことを特徴とする。
本発明のインピーダンス変換回路によれば、広い周波数帯域に亘って、第1高周波回路と第2高周波回路との間のインピーダンス整合をとることが可能で、損失が少なく、簡易な構成のインピーダンス変換回路を実現することができる。
また、本発明の通信端末装置によれば、損失が少なく、簡易な構成で、広い周波数帯域をカバーする通信端末装置を実現することができ、各種の通信システムを利用するための通信端末装置に容易に適用できる。
図1(A)は第1の実施形態のインピーダンス変換回路について予備的に説明するための第1整合回路25を備えたアンテナ装置101の回路図、図1(B)はその等価回路図である。 図2はアンテナ装置101の具体的な回路図であり、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子とを高い結合度で結合させるための、より具体的な構成を示すものである。 図3は、第1整合回路で等価的な負のインダクタンス成分の作用および第1整合回路の作用を模式的に示す図である。 図4(A)は第1整合回路の前段と後段にそれぞれ第2整合回路を備えたインピーダンス変換回路モジュール91およびそのインピーダンス変換回路モジュール91を備えたアンテナ装置101Aの回路図である。図4(B)は給電回路側整合回路31、アンテナ側整合回路32およびインピーダンス変換比(トランス比)を示すための図である。 図5はインピーダンス変換回路モジュールの具体的な回路の例を示す図である。 図6(A)は、ハイバンドの2GHz付近での、周波数変化に対するインピーダンス変化の傾きを大きくした例である。図6(B)は、周波数変化に対するインピーダンス変化の傾きをあまり大きくすることなくローバンドの800MHz付近でインピーダンスを高めた例である。 図7は図5に示したアンテナ装置101Aの給電ポートPRFからみた通過特性S21と反射特性S11である。 図8は700MHz〜2.3GHzの範囲で周波数をスイープしたときの、給電ポートPRFからアンテナ側をみたインピーダンス軌跡である。 図9(A)は第2の実施形態のアンテナ装置の回路図である。図9(B)は第2の実施形態のアンテナ装置102の、各コイル素子の配置関係を考慮した回路図である。 図10は第2の実施形態のインピーダンス変換回路モジュール92の斜視図である。 図11はインピーダンス変換回路モジュール92を構成する積層体の分解平面図である。 図12は、高周波回路から放射素子方向へ電流が流れている瞬間におけるコイル素子に流れる電流の方向を示す図である。 図13(A)は第3の実施形態のアンテナ装置103の基本構成図、図13(B)は第3の実施形態の第1整合回路45の前段と後段にそれぞれ第2整合回路を備えたインピーダンス変換回路モジュール93およびそのインピーダンス変換回路モジュール93を備えたアンテナ装置103Aの回路図である。 図14は第4の実施形態のアンテナ装置104の回路図である。 図15(A)は第5の実施形態の第1例である通信端末装置、図15(B)は第2例である通信端末装置のそれぞれの構成図である。 図16(A)、図16(B)は第6の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールの回路図である。 図17は第6の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールのさらに別の回路図である。 図18は第7の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールを構成する積層体の分解平面図である。 図19は第8の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールを構成する積層体の断面図である。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態のインピーダンス変換回路について予備的に説明するための第1整合回路25を備えたアンテナ装置101の回路図、図1(B)はその等価回路図である。
図1(A)に示すように、アンテナ装置101は、放射素子11と、この放射素子11に接続された第1整合回路とを備えている。放射素子11はモノポール型アンテナであり、この放射素子11の給電端に第1整合回路が接続されている。第1整合回路は(厳密に言うと、第1整合回路のうち第1インダクタンス素子L1は)放射素子11と給電回路30との間に挿入されている。給電回路30は高周波信号を放射素子11に給電するための給電回路であり、高周波信号の生成や処理を行うが、高周波信号の合波や分波を行う回路を含んでいてもよい。
第1整合回路は、給電回路30に接続された第1インダクタンス素子L1と、第1インダクタンス素子L1に結合した第2インダクタンス素子L2とを備えている。より具体的には、第1インダクタンス素子L1の第1端は給電回路30に、第2端は放射素子11にそれぞれ接続されていて、第2インダクタンス素子L2の第1端は放射素子11に、第2端はグランドにそれぞれ接続されている。
そして、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とは密結合(トランス結合)している。このことにより等価的な負のインダクタンス成分が生じている。そして、この負のインダクタンス成分によって、放射素子11自身が持つインダクタンス成分を打ち消すことにより、放射素子11のインダクタンス成分が見かけ上小さくされている。すなわち、放射素子11の実効的な誘導性リアクタンス成分が小さくなるため、放射素子11は高周波信号の周波数に依存しにくくなる。
この第1整合回路は、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とを相互インダクタンスMを介して結合したトランス型回路を含む。このトランス型回路は、図1(B)に示すように、三つのインダクタンス素子Z1,Z2,Z3によるT型回路に等価変換できる。すなわち、このT型回路は、高周波回路に接続される第1ポートP1、放射素子11に接続される第2ポートP2、グランドに接続される第3ポートP3、第1ポートP1と分岐点Aとの間に接続された第1インダクタンス素子Z1、第2ポートP2と分岐点Aとの間に接続された第2インダクタンス素子Z2、および第3ポートP3と分岐点Aとの間に接続された第3インダクタンス素子Z3で構成される。
図1(A)に示した第1インダクタンス素子L1のインダクタンスをL1、第2インダクタンス素子L2のインダクタンスをL2、相互インダクタンスをMで表すと、図1(B)の第1インダクタンス素子Z1のインダクタンスは、L1+M、第2インダクタンス素子Z2のインダクタンスは−M、第3インダクタンス素子Z3のインダクタンスはL2+Mである。すなわち、第2インダクタンス素子Z2のインダクタンスは、L1,L2の値に関わらず負の値である。すなわち、ここに等価的な負のインダクタンス成分が形成されている。
一方、放射素子11は図1(B)に表れているように、等価的にインダクタンス成分LANT、放射抵抗成分Rr、および、キャパシタンス成分CANTで構成される。この放射素子11単体のインダクタンス成分LANTは、第1整合回路25における前記負のインダクタンス成分(−M)によって打ち消されるように作用する。すなわち、インピーダンス変換回路のA点から放射素子11側を見た(第2インダクタンス素子Z2を含めた放射素子11の)インダクタンス成分は小さく(理想的にはゼロに)なり、その結果、このアンテナ装置106のインピーダンス周波数特性が小さくなる。
このように負のインダクタンス成分を生じさせるためには、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子とを高い結合度で結合させることが重要である。具体的には、インダクタンス素子の素子値によもよるが、この結合度は0.1以上、さらには0.5以上あることが好ましい。すなわち、このような構成であれば、第1の実施形態における結合度のような極めて高い結合度が必ずしも要求されるわけではない。
図1(B)に示したT型回路は分岐点Aから放射素子11をみた場合の誘導性リアクタンスを相殺する部分(Z2およびLANT)と、高周波回路に接続される点P1と分岐点Aおよびグランドに接続されるポートP3間で形成されるインピーダンス変換をおこなう部分(Z1およびZ3)に分けることができる。
図2は前記アンテナ装置101の具体的な回路図であり、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子とを高い結合度で結合させるための、より具体的な構成を示すものである。
図2に表れているように、第1インダクタンス素子L1は第1コイル素子L1aおよび第2コイル素子L1bで構成されていて、これらのコイル素子は互いに直列的に接続され、且つ閉磁路が構成されるように巻回されている。また、第2インダクタンス素子L2は第3コイル素子L2aおよび第4コイル素子L2bで構成されていて、これらのコイル素子は互いに直列的に接続され、且つ閉磁路を構成するように巻回されている。換言すると、第1コイル素子L1aと第2コイル素子L1bとは逆相で結合(加極性結合)し、第3コイル素子L2aと第4コイル素子L2bとは逆相で結合(加極性結合)する。
図2に示すように、高周波回路から図中矢印a方向に電流が供給されたとき、第1コイル素子L1aに図中矢印b方向に電流が流れるとともに、コイル素子L1bには図中矢印c方向に電流が流れる。そして、これらの電流により、図中矢印Aで示される磁束(閉磁路を通る磁束)が形成される。
コイル素子L1aとコイル素子L2aは互いに並走しているので、コイル素子L1aに電流bが流れて生じる磁界がコイル素子L2aに結合して、コイル素子L2aに誘導電流dが逆方向に流れる。同様に、コイル素子L1bとコイル素子L2bは互いに並走しているので、コイル素子L1bに電流cが流れて生じる磁界がコイル素子L2bに結合して、コイル素子L2bに誘導電流eが逆方向に流れる。そして、これらの電流により、図中矢印Bで示されるように、閉磁路を通る磁束が形成される。
コイル素子L1a,L1bによる第1インダクタンス素子L1に生じる磁束Aの閉磁路と、コイル素子L1b,L2bによる第2インダクタンス素子L2に生じる磁束Bの閉磁路とは独立しているので、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2との間には等価的な磁気障壁MWが生じることになる。
また、コイル素子L1aとコイル素子L2aとは電界によっても結合されている。同様に、コイル素子L1bとコイル素子L2bとは電界によっても結合されている。したがって、コイル素子L1aおよびコイル素子L1bに交流信号が流れるとき、コイル素子L2aおよびコイル素子L2bには電界結合により電流が励起される。図2中のキャパシタCa,Cbは前記電界結合のための結合容量を表象的に表した記号である。
第1インダクタンス素子L1に交流電流が流れるとき、前記磁界を介した結合により第2インダクタンス素子L2に流れる電流の向きと、前記電界を介した結合により第2インダクタンス素子L2に流れる電流の向きとは同じである。したがって、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とは磁界と電界の両方で強く結合することになる。
第1整合回路は、第1インダクタンス素子L1に交流電流が流れるとき、磁界を介した結合により第2インダクタンス素子L2に流れる電流の向きと、電界を介した結合により第2インダクタンス素子L2に流れる電流の向きとが同じになるよう構成された回路であると言うこともできる。
図3は、前記第1整合回路の等価的な負のインダクタンス成分の作用および第1整合回路の作用を模式的に示す図である。図3において曲線S0は放射素子11の使用周波数帯域に亘って周波数をスイープしたときのインピーダンス軌跡をスミスチャート上に表したものである。放射素子11単体ではインダクタンス成分LANTが比較的大きいので、図2に表れているようにインピーダンスは大きく推移する。
図3において曲線S1は図1(B)におけるインピーダンス変換回路のA点から放射素子11側を見たインピーダンスの軌跡である。このように、インピーダンス変換回路の等価的な負のインダクタンス成分によって放射素子のインダクタンス成分LANTが相殺されて、A点から放射素子側を見たインピーダンスの軌跡は大幅に縮小される。
図3において曲線S2は給電回路30から見たインピーダンスすなわちアンテナ装置101のインピーダンスの軌跡である。このように、トランス型回路によるインピーダンス変換比(L1:L2)によって、アンテナ装置101のインピーダンスは50Ω(スミスチャートの中心)に近づく。このインピーダンスの微調整は、次に示す整合回路で行う。
このようにして、広帯域に亘ってアンテナ装置のインピーダンス変化を抑制できる。ゆえに、広い周波数帯域に亘って高周波回路と放射素子とのインピーダンス整合がとれる。
次に、図4〜図8を参照して、本発明の第1の実施形態であるインピーダンス変換回路を備えたアンテナ装置101Aについて説明する。
図4(A)は前記第1整合回路25の前段と後段に第2整合回路を備えたインピーダンス変換回路モジュール91およびそのインピーダンス変換回路モジュール91を備えたアンテナ装置101Aの回路図である。インピーダンス変換回路モジュール91は本発明に係る「インピーダンス変換回路」に相当する。ここでは第1整合回路25および放射素子11については図1(B)に示した等価回路で表している。
給電回路側整合回路31は給電回路30の給電ポートPRFと第1整合回路25との間のインピーダンス整合をとり、アンテナ側整合回路32は放射素子11のポートと第1整合回路25との間のインピーダンス整合をとる。給電回路30は本発明に係る「第1高周波回路」、放射素子11は本発明に係る「第2高周波回路」に相当する。また、給電回路側整合回路31およびアンテナ側整合回路32は本発明に係る「第2整合回路」に相当する。
図4(B)は前記第1整合回路25およびインピーダンス変換比(トランス比)を示すための図である。
図4(B)において、負のインダクタンス(−M)≒(アンテナ側整合回路32+LANT)のインダクタンスとすることにより、A点から放射素子11側のインダクタンスを見ると、放射素子11の放射抵抗Rrが見えることになる。
また、A点からグランドまでの特性インピーダンスはL2+Mであり、このインピーダンス(L2+M)の実部≒放射素子11のインピーダンス(Rr)となるように、アンテナ側整合回路32がインピーダンス整合をとるようにする。
また、図4(A)に示した第1整合回路25の入力ポートP1からグランドまでの特性インピーダンスはL1+M+L2+M=L1+L2+2Mであり、給電回路30の給電ポートPRFから見たインピーダンスが給電回路30の特性インピーダンスとなるように、給電回路側整合回路31がインピーダンス整合をとる。
第1整合回路25のインピーダンス変換比(トランス比)は
(L1+L2+2M):(L2+M)である。
図5はインピーダンス変換回路モジュールの具体的な回路の例を示す図である。
給電回路側整合回路31は、給電ポートPRFと給電回路30側接続ポートP1とを結ぶ線路に挿入されたインダクタンス素子La1、インダクタンス素子La1の給電回路30側にシャントに接続されたキャパシタンス素子Ca1、および、インダクタンス素子La1の第1整合回路25側にシャント接続されたキャパシタンス素子Ca2を備え、これらの整合回路素子にていわゆるπ型の整合回路を構成している。
アンテナ側整合回路32は、第1整合回路25側ポートP2と入出力ポートPANTとを結ぶ線路に挿入されたインダクタンス素子Lb1、インダクタンス素子Lb1の第1整合回路25側にシャント接続されたキャパシタンス素子Cb1、および、インダクタンス素子Lb1の放射素子11側にシャント接続されたキャパシタンス素子Cb2を備え、これらの整合回路素子にていわゆるπ型の整合回路を構成している。また、アンテナ側整合回路32は、第1整合回路25側ポートP2と入出力ポートPANTとを結ぶ線路に挿入されたキャパシタンス素子Cb3からなる整合回路素子を有する。
図6(A)は、図5に示したアンテナ側整合回路32のキャパシタCb1とインダクタンス素子L2+M−M=L2との並列共振周波数を例えば3GHzに設定して、ハイバンドの2GHz付近での、周波数変化に対するインピーダンス変化の傾きを大きくした例である。図6(A)において、破線の曲線はインダクタンス素子L2の特性、実線の曲線は前記並列共振回路の特性である。
図6(B)は、図5に示した給電回路側整合回路31のキャパシタCa2とインダクタンス素子L1+M+L2+M=L1+L2+2Mとの並列共振周波数を例えば4GHzに設定して(キャパシタCa2のキャパシタンスを前記キャパシタCb1のキャパシタンスより小さく設定して)、周波数変化に対するインピーダンス変化の傾きをあまり大きくすることなくローバンドの800MHz付近でインピーダンスを高めた例である。
周波数変化に対する放射素子11のインピーダンスの実部の変化はローバンドにおいては小さく、ハイバンドにおいては周波数上昇にともない比較的大きな傾きで変化する。そのため、前記給電回路側整合回路31でローバンドでの整合をとり、アンテナ側整合回路32でハイバンドでの整合をとることができる。
なお、前記2つのキャパシタ(Cb1,Ca2)のうちキャパシタンスの大きいほうでハイバンドでのインピーダンス比の周波数特性を定めることができるので、第1整合回路の前段に設ける第1整合回路でハイバンド、後段に設ける第2整合回路でローバンドの整合を図るようにしてもよい。
図7は図5に示したアンテナ装置101Aの給電ポートPRFからみた通過特性S21と反射特性S11である。このようにローバンドの800MHz帯からハイバンドの2GHz帯まで低挿入損失および低反射特性が得られている。
図8は700MHz〜2.3GHzの範囲で周波数をスイープしたときの、給電ポートPRFからアンテナ側をみたインピーダンス軌跡である。このようにインピーダンス軌跡はスミスチャートの中心の周囲を周回していて、広い周波数範囲にわたって整合していることがわかる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なるインダクタンス素子の構成およびインピーダンス変換回路モジュールについて示す。
図9(A)は第2の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールの回路図である。ここで用いられている第1整合回路35は、第1インダクタンス素子L1と二つの第2インダクタンス素子L21,L22を備えたものである。第1インダクタンス素子L1は第1コイル素子L1aと第2コイル素子L1bとで構成されている。第2インダクタンス素子L21は第3コイル素子L2aと第4コイル素子L2bとで構成されている。また、もう一つの第2インダクタンス素子L22は第3コイル素子L2cと第4コイル素子L2dとで構成されている。
図9(B)は第2の実施形態のインピーダンス変換回路の、各コイル素子の配置関係を考慮した回路図である。第1の直列回路26は第3コイル素子L2aと第4コイル素子L2bとが直列に接続された回路である。第2の直列回路27は第1コイル素子L1aと第2コイル素子L1bとが直列に接続された回路である。第3の直列回路28はもう一つの第3コイル素子L2cともう一つの第4コイル素子L2dとが直列に接続された回路である。
図9(B)において、囲みM34はコイル素子L1aとL1bとの結合、囲みM12はコイル素子L2aとL2bとの結合、囲みM56はコイル素子L2cとL2dとの結合をそれぞれ表している。また、囲みM135はコイル素子L1aとL2aとL2cとの結合を表している。同様に、囲みM246はコイル素子L1bとL2bとL2dとの結合を表している。
図10は第2の実施形態のインピーダンス変換回路モジュール92の斜視図である。図9に示した第1整合回路35は誘電体または磁性体の積層体(コア)に構成され、この積層体の上面に第1・第2の整合回路31,32を構成するチップ部品Ca1,Ca2,Cb1,Cb2,Cb3,La1,Lb1が搭載されている。第1・第2の整合回路31,32の回路は図5に示したものと同じである。このインピーダンス変換回路モジュール92と放射素子とでアンテナ装置が構成される。
図11は前記インピーダンス変換回路モジュール92を構成する積層体の分解平面図である。また、図12は、高周波回路から放射素子方向へ電流が流れている瞬間におけるコイル素子に流れる電流の方向を示す図である。各層は誘電体シートまたは磁性体シートで構成され、各層に導体パターンが形成されている。図11において基材層(1)は最上層のシート、基材層(14)は最下層のシートである。基材層(14)については積層体が構成された後に形成された、積層体の下面の外部電極のパターンを示している。
図11において、基材層(1)に各チップ部品搭載用の電極パッドが形成されている。基材層(3)(13)にはグランド導体GNDがそれぞれ形成されている。基材層(4)〜(6)にはコイル素子L2c,L2dの導体パターン、基材層(7)〜(9)にはコイル素子L1a,L1bの導体パターン、基材層(10)〜(12)にはコイル素子L2a,L2bの導体パターンがそれぞれ形成されている。また、積層体の下面には給電端子PRF、アンテナ端子PANTおよびグランド端子PGNDがそれぞれ形成されている。また、各基材層には、各コイル素子やグランド導体、チップ部品を接続するための層間配線導体(ビアホール導体)が設けられている。
さらに具体的に説明すると、図11および図12に示すように、誘電体コアの裏面に設けられた入出力端子電極PRFは、各基材層に設けられたビアホール導体および面内配線導体を介して、誘電体コアの表面に搭載されたチップ型インダクタLa1の一端およびチップ型キャパシタCa1の一端に接続されている。チップ型インダクタLa1の他端は、面内配線導体およびビアホール導体を介して、チップ型キャパシタCa2の一端および基材層(8)に設けられたコイル素子L1aの導体パターン(以下、単に「コイルパターン」)の一端に接続されている。チップ型キャパシタCa1の他端およびチップ型キャパシタCa2の他端は、面内配線導体およびビアホール導体を介して基材層(3)に設けられたグランド導体GNDに接続されている。基材層(8)のコイルパターンL1aの他端は、基材層(7)に設けられたコイルパターンL1aの一端および基材層(9)に設けられたコイルパターンL1aの一端に接続されている。そして、基材層(7)に設けられたコイルパターンL1aの他端および基材層(9)に設けられたコイルパターンL1aの他端は、同じく基材層(7)に設けられたコイルパターンL1bの一端および基材層(9)に設けられたコイルパターンL1bの一端にそれぞれ接続されている。基材層(7)に設けられたコイルパターンL1bの他端および基材層(9)に設けられたコイルパターンL1bの他端は、基材層(8)に設けられたコイルパターンL1bの一端にそれぞれ接続されている。コイルパターンL1aとコイルパターンL1bとは、各コイルに流れる電流の向きが逆方向になるように、つまりコイルパターンL1aとコイルパターンL1bとで閉磁路が形成されるように、巻回されている。
また、基材層(8)に設けられたコイルパターンL1bの他端は、ビアホール導体および面内配線導体を介して、チップ型インダクタLb1の一端およびチップ型キャパシタCb1の一端にそれぞれ接続されるとともに、基材層(10)に設けられたコイルパターンL2bの一端および基材層(6)に設けられたコイルパターンL2dの一端にそれぞれ接続されている。基材層(10)に設けられたコイルパターンL2bの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(11)に設けられたコイルパターンL2bの一端に接続されており、基材層(11)に設けられたコイルパターンL2bの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(12)に設けられたコイルパターンL2bの一端に接続されている。基材層(6)に設けられたコイルパターンL2dの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(5)に設けられたコイルパターンL2dの一端に接続されており、基材層(5)に設けられたコイルパターンL2dの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(4)に設けられたコイルパターンL2dの一端に接続されている。
そして、基材層(12)に設けられたコイルパターンL2bの他端は同じく基材層(12)に設けられたコイルパターンL2aの一端に接続されており、基材層(12)に設けられたコイルパターンL2aの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(11)に設けられたコイルパターンL2aの一端に接続されている。基材層(11)に設けられたコイルパターンL2aの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(12)に設けられたコイルパターンL2aの一端に接続されている。同様に、基材層(4)に設けられたコイルパターンL2dの他端は同じく基材層(4)に設けられたコイルパターンL2cの一端に接続されており、基材層(4)に設けられたコイルパターンL2cの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(5)に設けられたコイルパターンL2cの一端に接続されている。基材層(5)に設けられたコイルパターンL2cの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(6)に設けられたコイルパターンL2cの一端に接続されている。このように、コイルパターンL2cとコイルパターンL2dとは、各コイルに流れる電流の向きが逆方向になるように、つまりコイルパターンL2cとコイルパターンL2dとで閉磁路が形成されるように、巻回されていて、コイルパターンL2aとコイルパターンL2bとは、各コイルに流れる電流の向きが逆方向になるように、つまりコイルパターンL2aとコイルパターンL2bとで閉磁路が形成されるように、巻回されている。基材層(10)に設けられたコイルパターンL2aの他端および基材層(6)に設けられたコイルパターンL2cの他端は、ビアホール導体を介して、基材層(3)に設けられたグランド導体および基材層(13)に設けられたグランド導体にそれぞれ接続されている。
また、基材層(8)に設けられたコイルパターンL1bの他端、基材層(10)に設けられたコイルパターンL2bの一端、および、基材層(6)に設けられたコイルパターンL2dの一端は、それぞれビアホール導体や面内配線導体を介して、誘電体コアの表面に搭載されたチップ型インダクタLb1の一端およびチップ型キャパシタCb1の一端に接続されている。チップ型インダクタLb1の他端は、ビアホール導体および面内配線導体を介して、誘電体コアの表面に搭載されたチップ型キャパシタCb2の一端およびチップ型キャパシタCb3の一端に接続されている。チップ型キャパシタCb1の他端およびチップ型キャパシタCb2の他端は、ビアホール導体を介して、基材層(3)に設けられたグランド導体に接続されている。チップ型キャパシタCb3の他端は、ビアホール導体および面内配線導体を介して、積層体の裏面に設けられたアンテナ端子PANTに接続されている。
また、基材層(3)に設けられたグランド導体は、ビアホール導体を介して、基材層(13)に設けられたグランド導体に接続されており、基材層(13)に設けられたグランド導体GNDは、基材層(14)に設けられた4つのグランド端子電極PGNDに接続されている。
このように、コイルパターンL1aは、コイルパターンL2aおよびコイルパターンL2cにて挟まれており、積層方向から平面視したとき、コイルパターンL1a、コイルパターンL2aおよびコイルパターンL2cが互いに重なるように配置されている。同様に、コイルパターンL2bは、コイルパターンL2bおよびコイルパターンL2dにて挟まれていて、積層方向から平面視したとき、コイルパターンL1b、コイルパターンL2bおよびコイルパターンL2dが互いに重なるように配置されている。さらに、これらのコイルパターンは、基材層(3)に設けられたグランド導体および基材層(13)に設けられたグランド導体にて挟みこまれている。そして、図12に示すように、高周波回路から放射素子の方向に電流が流れたとすると(PRFから電流が入ってきたとすると)、コイルパターンL1aには、図中矢印方向に電流が流れ、コイルパターンL1bには、図中矢印方向に電流が流れ、その結果、コイルパターンL1aとコイルパターンL1bとに閉磁路が形成される。同様に、コイルパターンL2aおよびコイルパターンL2cには、図中矢印方向に電流が流れ、コイルパターンL2bおよびコイルパターンL2dには、図中矢印方向に電流が流れ、その結果、コイルパターンL2aとコイルパターンL2bとに閉磁路が形成されるとともに、コイルパターンL2cとコイルパターンL2dにも閉磁路が形成される。また、コイルパターンL1aとコイルパターンL1bとに形成される閉磁路は、コイルパターンL2aとコイルパターンL2bとに形成される閉磁路およびコイルパターンL2cとコイルパターンL2dとに形成される閉磁路とは、互いに反発しあうよう(同方向に磁束が生じるよう)に構成されているため、各閉磁路の間には磁気障壁が形成される。
《第3の実施形態》
図13(A)は第3の実施形態のインピーダンス変換回路について予備的に説明するための第1整合回路45を備えたアンテナ装置103の回路図、図13(B)は第3の実施形態の第1整合回路45の前段と後段に第2整合回路を備えたインピーダンス変換回路モジュールおよびそのインピーダンス変換回路モジュールを備えたアンテナ装置103Aの回路図である。
図13(A)に示すように、アンテナ装置103は、放射素子11と、この放射素子11に接続された第1整合回路45とを備えている。放射素子11はモノポール型アンテナであり、この放射素子11の給電端に第1整合回路45が接続されている。第1整合回路45は放射素子11と給電回路30との間に挿入されている。給電回路30は高周波信号を放射素子11に給電するための高周波回路であり、高周波信号の生成や処理を行うが、高周波信号の合波や分波を行う回路を含んでいてもよい。
第1整合回路45は、給電回路30に接続された第1インダクタンス素子L1と、第1インダクタンス素子L1に結合した第2インダクタンス素子L2とを備えている。より具体的には、第1インダクタンス素子L1の第1端は給電回路30に、第2端はグランドにそれぞれ接続されていて、第2インダクタンス素子L2の第1端は放射素子11に、第2端はグランドにそれぞれ接続されている。
そして、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とは結合している。このことにより等価的な負のインダクタンス成分が生じている。この負のインダクタンス成分で、放射素子11自身が持つインダクタンス成分が打ち消されることにより、放射素子11のインダクタンス成分は見かけ上小さい。すなわち、放射素子11の実効的な誘導性リアクタンス成分が小さくなるため、放射素子11は高周波信号の周波数に依存しにくくなる。
この第1整合回路45は、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とを相互インダクタンスMを介して結合したトランス型回路を含む。このトランス型回路は、図13(B)に示すように、三つのインダクタンス素子Z1,Z2,Z3によるT型回路に等価変換できる。すなわち、このT型回路は、高周波回路に接続される第1ポートP1、放射素子11に接続される第2ポートP2、グランドに接続される第3ポートP3、第1ポートP1と分岐点との間に接続された第1インダクタンス素子Z1、第2ポートP2と分岐点Aとの間に接続された第2インダクタンス素子Z2、および第3ポートP3と分岐点Aとの間に接続された第3インダクタンス素子Z3で構成される。
図13(A)に示した第1インダクタンス素子L1のインダクタンスをL1、第2インダクタンス素子L2のインダクタンスをL2、相互インダクタンスをMで表すと、図13(B)の第1インダクタンス素子Z1のインダクタンスは、L1−M、第2インダクタンス素子Z2のインダクタンスはL2−M、第3インダクタンス素子Z3のインダクタンスは+Mである。ここで、L2<Mの関係であれば、第2インダクタンス素子Z2のインダクタンスは負の値である。すなわち、ここに等価的な負の合成インダクタンス成分が形成されている。
一方、放射素子11は図13(B)に表れているように、等価的にインダクタンス成分LANT、放射抵抗成分Rr、およびキャパシタンス成分CANTで構成される。この放射素子11単体のインダクタンス成分LANTは、第1整合回路45における前記負の合成インダクタンス成分(L2−M)によって打ち消されるように作用する。すなわち、インピーダンス変換回路のA点から放射素子11側を見た(第2インダクタンス素子Z2を含めた放射素子11の)インダクタンス成分は小さく(理想的にはゼロに)なり、その結果、このアンテナ装置103のインピーダンス周波数特性が小さくなる。
このように負のインダクタンス成分を生じさせるためには、第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子とを高い結合度で結合させることが重要である。具体的には、この結合度は1以上であればよい。
トランス型回路によるインピーダンス変換比は、第1インダクタンス素子L1のインダクタンスL1と相互インダクタンスMの比(L1:M)である。
このように第1インダクタンス素子L1を1次側、第2インダクタンス素子L2を2次側とするトランス型の第1整合回路45を備えたインピーダンス変換回路モジュール93も第1の実施形態と同様に構成できる。
図13(B)において、給電回路側整合回路31は給電回路30の給電ポートPRFと第1整合回路45との間のインピーダンス整合をとり、アンテナ側整合回路32は放射素子11のポートと第1整合回路45との間のインピーダンス整合をとる。給電回路30は本発明に係る「第1高周波回路」、放射素子11は本発明に係る「第2高周波回路」に相当する。また、給電回路側整合回路31およびアンテナ側整合回路32は本発明に係る「第2整合回路」に相当する。
《第4の実施形態》
図14は第4の実施形態のアンテナ装置104の回路図である。放射素子はモノポールアンテナに限らず、図14に示したような構成のアンテナであってもよい。このアンテナ装置104は、GSM(登録商標)方式やCDMA方式に対応可能なマルチバンド対応型移動体無線通信システム(800MHz帯、900MHz帯、1800MHz帯、1900MHz帯)に用いられるアンテナ装置である。放射素子11は分岐モノポール型アンテナである。
このアンテナ装置104は通信端末装置のメインアンテナとして利用される。分岐モノポール型の放射素子11の第1放射部は主にハイバンド側(1800〜2400MHz帯)のアンテナ放射素子として作用し、第1放射部と第2放射部の両者で主にローバンド側(800〜900MHz帯)の放射素子として作用する。ここで、分岐モノポール型の放射素子11は必ずしもそれぞれの対応周波数帯で共振する必要はない。なぜなら、第1整合回路が、各放射部のもつ特性インピーダンスを給電回路30のインピーダンスにマッチングさせているからである。第1整合回路25は、例えば、800〜900MHz帯で、第1放射部と第2放射部のもつ特性インピーダンスを給電回路30のインピーダンス(通常は50Ω)にマッチングさせている。これにより、給電回路30から供給されたローバンドの高周波信号を第1放射部および第2放射部から放射させ、または、第1放射部および第2放射部で受信したローバンドの高周波信号を給電回路30に供給することができる。同様に、給電回路30から供給されたハイバンドの高周波信号を第1放射部から放射させ、または、第1放射部で受信したハイバンドの高周波信号を給電回路30に供給することができる。
《第5の実施形態》
第5の実施形態では通信端末装置の例を示す。
図15(A)は第5の実施形態の第1例である通信端末装置、図15(B)は第2例である通信端末装置のそれぞれの構成図である。これらは、例えば携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス(通称:ワンセグ)の高周波信号の受信用(470〜770MHz)の端末である。
図15(A)に示す通信端末装置1は、蓋体部である第1筺体10と本体部である第2筺体20とを備え、第1筺体10は第2筺体20に対して折りたたみ式あるいはスライド式で連結されている。第1筺体10にはグランド板としても機能する第1放射素子11が設けられ、第2筺体20にはグランド板としても機能する第2放射素子21が設けられている。第1および第2放射素子11,21は金属箔などの薄膜あるいは導電性ペーストなどの厚膜からなる導電体膜で形成されている。この第1および第2放射素子11,21は給電回路30から差動給電することでダイポールアンテナとほぼ同等の性能を得ている。給電回路30はRF回路やベースバンド回路のような信号処理回路を有している。
なお、インピーダンス変換回路モジュール92のインダクタンス値は、二つの放射素子11,21を結ぶ接続線33のインダクタンス値よりも小さいことが好ましい。周波数特性に関する接続線33のインダクタンス値の影響を小さくすることができるからである。
図15(B)に示す通信端末装置2は第1放射素子11をアンテナ単体として設けたものである。第1放射素子11はチップアンテナ、板金アンテナ、コイルアンテナなど各種放射素子を用いることができる。また、この放射素子としては、例えば、筺体10の内周面や外周面に沿って設けられた線状導体を利用してもよい。第2放射素子21は第2筺体20のグランド板としても機能するものであり、第1放射素子11と同様に各種のアンテナを用いてもよい。ちなみに、通信端末装置2は折りたたみ式やスライド式ではないストレート構造の端末である。なお、第2放射素子21は、必ずしも放射体として十分に機能するものでなくてもよく、第1放射素子11がいわゆるモノポールアンテナのように振る舞うものであってもよい。
給電回路30は一端が第2放射素子21に接続され、他端がインピーダンス変換回路モジュール92を介して第1放射素子11に接続されている。また、第1および第2放射素子11,21は接続線33によって互いに接続されている。この接続線33は第1および第2筺体10,20のそれぞれに搭載されている電子部品(図示省略)の接続線として機能するもので、高周波信号に対してはインダクタンス素子として振る舞うがアンテナの性能に直接的に作用するものではない。
インピーダンス変換回路モジュール92は、給電回路30と第1放射素子11との間に設けられ、第1および第2放射素子11,21から送信される高周波信号、あるいは、第1および第2放射素子11,21にて受信する高周波信号の周波数特性を安定化させる。それゆえ、第1放射素子11や第2放射素子21の形状、第1筺体10や第2筺体20の形状、近接部品の配置状況などに影響されることなく、高周波信号の周波数特性が安定化する。特に、折りたたみ式やスライド式の通信端末装置にあっては、蓋体部である第1筺体10の本体部である第2筺体20に対する開閉状態に応じて、第1および第2放射素子11,21のインピーダンスが変化しやすいが、インピーダンス変換回路モジュール92を設けることによって高周波信号の周波数特性を安定化させることができる。すなわち、アンテナの設計に関して重要事項である中心周波数の設定・通過帯域幅の設定・インピーダンスマッチングの設定などの周波数特性の調整機能をこのインピーダンス変換回路モジュール92が担うことが可能になり、放射素子そのものは、主に指向性や利得を考慮するだけでよいため、アンテナの設計が容易になる。
《第6の実施形態》
第6の実施形態では整合回路などの構成が異なる例を示す。
図16(A)、図16(B)は第6の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールの回路図である。図17は第6の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールのさらに別の回路図である。
図16(A)に示すように、インピーダンス変換回路モジュールにおける給電回路側整合回路31とアンテナ側整合回路32の両方をπ型の整合回路で構成してもよい。あるいは、図16(B)のように、給電回路側整合回路31をシャント接続されたキャパシタンス素子のみで構成してもよい。また、給電回路側整合回路31のみ、またはアンテナ側整合回路32のみを有したものであってもよい。第2整合回路はT型整合回路やLC並列型整合回路、LC直列型整合回路など、各種整合回路を利用できる。
また、図17に示すように、ローパスフィルタとハイパスフィルタとを含むダイプレクサを一体化したモジュールであってもよい。ローパスフィルタやハイパスフィルタを構成するインダクタンス素子やキャパシタンス素子は、誘電体または磁性体の積層体(コア)の内部に形成してもよいし、積層体の表面にチップ部品として実装してもよい。
《第7の実施形態》
第7の実施形態ではインピーダンス変換回路モジュールの別の導体パターンの例を示す。
図18は第7の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールを構成する積層体の分解平面図である。図11に示した例と異なるのは、基材層(3)(13)に形成されたグランド導体のパターンである。その他の構成は図11に示したものと基本的に同じである。
基材層(3)のグランド導体はGND1a,GND1bの二つに分割し、基材層(13)のグランド導体はGND2a,GND2bの二つに分割している。このように、グランド導体にはコイルパターンを横切るようなスリットが入っていることが好ましい。すなわち、平面視でコイルパターンL2aとコイルパターンL2cに対応するグランド導体が2つに分割されており、コイルパターンL2bとコイルパターンL2dに対応するグランドが2つに分割されていることが好ましい。
この構造により、コイルパターンに電流が流れたとき、グランド導体にその誘導電流が流れ、コイルのQ値が低下することがあるが、グランド導体を分割することで、その低下を抑制することができる。
《第8の実施形態》
図11・図18に示した例では、誘電体または磁性体の積層体(コア)の表面に第2整合回路のリアクタンス素子であるチップ型キャパシタンス素子およびチップ型インダクタンス素子を実装したが、第1整合回路を構成する第1インダクタンス素子、第2インダクタンス素子とともに、第2整合回路を構成するリアクタンス素子も誘電体または磁性体の積層体(コア)内に構成してもよい。第8の実施形態ではその例を示す。
図19は第8の実施形態のインピーダンス変換回路モジュールを構成する積層体の断面図である。積層体は各種入出力端子が形成された底面(実装面)Sb、下層部Lb、中層部Lm、上層部Ltを備える。
第1整合回路と第2整合回路を積層体内部に形成する場合、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子による第1整合回路は積層体の中層部Lmに構成され、第2整合回路のうち、グランドに対してシャントに接続されるキャパシタンス素子形成用の電極は積層体の下層部Lbに構成され、線路に対してシリーズに接続されるインダクタンス素子は積層体の上層部Ltに構成されることが好ましい。
この構造によれば、グランド電極を積層体の下層部に設けることにより、キャパシタンス素子形成用の電極はグランド電極に近接配置され、ビア導体による配線の引き回しが少なくなる。そのため、ビア導体による不要なインダクタンス成分が少なくなって、所望のキャパシタンス成分を小さなキャパシタンス素子形成用電極で構成できる。また、インダクタンス素子を上層部に配置することにより、この上層部と入出力端子との間に接続されるビア導体のインダクタンス成分を有効に利用できるので、小型化できる。
なお、中層部の第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子と上層部のインダクタンス素子とは、互いの不要結合をなるべく少なくするため間隔を大きくすることが好ましい。
第8の実施形態によれば、チップ部品を積層体に搭載する場合に比べて、チップ部品のロット毎の特性のばらつきの影響を受けることがない。また、第1整合回路を積層体に構成する場合に比較して僅かなコストアップでインダクタンス変換回路を構成できるので、低コスト化が図れる。
以上、本発明を望ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
上記では、第1高周波回路である給電回路と第2高周波回路であるアンテナ素子(放射素子)との間に接続されるインピーダンス変換回路について説明したが、第1高周波回路は給電回路に限定されるものではなく、また、第2高周波回路についてもアンテナ素子に限定されるものではない。さらには、「第1高周波回路」は複数の回路素子で構成された回路に限らず、単一の回路素子であってもよい。同様に、「第2高周波回路」は複数の回路素子で構成された回路に限らず、単一の回路素子であってもよい。例えば、50Ωの伝送線路より高インピーダンスの高周波増幅ICの出力側に本発明のインピーダンス変換回路を設けて、その高周波増幅ICと伝送線路とをインピーダンス整合させる、といった回路にも本発明は適用できる。本発明のインピーダンス変換回路は、各種の高周波回路素子におけるインピーダンス変換に適用できる。
Ca1,Ca2,Cb1,Cb2,Cb3…キャパシタンス素子(チップ型キャパシタ)
CANT…キャパシタンス成分
GND…グランド導体
L1…第1インダクタンス素子
L1a…第1コイル素子
L1b…第2コイル素子
L2,L21,L22…第2インダクタンス素子
L1a…第1コイル素子
L1b…第2コイル素子
L2a…第3コイル素子
L2b…第4コイル素子
La1…インダクタンス素子(チップ型インダクタ)
Lb1…インダクタンス素子(チップ型インダクタ)
LANT…インダクタンス成分
M…相互インダクタンス
MW…磁気障壁
PANT…入出力ポート(アンテナ端子)
PGND…グランド端子
PRF…給電ポート(給電端子)
Rr…放射抵抗
Z1…第1インダクタンス素子
Z2…第2インダクタンス素子
Z3…第3インダクタンス素子
10,20…筺体
11…放射素子(第1放射素子)
21…第2放射素子
25…第1整合回路
26…第1の直列回路
27…第2の直列回路
28…第3の直列回路
30…給電回路
31…給電回路側整合回路(第2整合回路)
32…アンテナ側整合回路(第2整合回路)
33…接続線
35,45…第1整合回路
91,92…インピーダンス変換回路モジュール(インピーダンス変換回路)
101,101A…アンテナ装置
102,103,103A…アンテナ装置
104,106…アンテナ装置

Claims (4)

  1. 第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
    前記第1高周波回路に接続される第1インダクタンス素子、および、前記第2高周波回路に接続され、前記第1インダクタンス素子に結合された第2インダクタンス素子を含んで構成された第1整合回路と、
    前記第1整合回路と前記第1高周波回路との間および前記第1整合回路と前記第2高周波回路との間の少なくとも一方に接続され、キャパシタンス素子およびインダクタンス素子の少なくとも一方からなるリアクタンス素子を含んで構成された第2整合回路と、
    を有し、
    前記第2整合回路における前記リアクタンス素子は、前記第1インダクタンス素子または前記第2インダクタンス素子とともに並列共振回路を構成するキャパシタンス素子を少なくとも含んでいて、
    前記第2整合回路は、前記第1整合回路と前記第1高周波回路との間にシャントに接続された第1のキャパシタンス素子を含む第1の整合回路素子と、前記第1整合回路と前記第2高周波回路との間にシャントに接続された第2のキャパシタンス素子を含む第2の整合回路素子とを含んで構成され、
    前記第1のキャパシタンス素子と前記第2のキャパシタンス素子のうち、キャパシタンスの大きな方のキャパシタンス素子で主として第1周波数帯の高周波信号のインピーダンス整合を行い、キャパシタンスの小さな方のキャパシタンス素子で主として第2周波数帯(ただし、前記第1周波数帯の高周波信号の周波数は、前記第2周波数帯の高周波信号の周波数よりも低い)の高周波信号のインピーダンス整合を行うことを特徴とするインピーダンス変換回路。
  2. 第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
    前記第1高周波回路に接続される第1インダクタンス素子、および、前記第2高周波回路に接続され、前記第1インダクタンス素子に結合された第2インダクタンス素子を含んで構成された第1整合回路と、
    前記第1整合回路と前記第1高周波回路との間および前記第1整合回路と前記第2高周波回路との間の少なくとも一方に接続され、キャパシタンス素子およびインダクタンス素子の少なくとも一方からなるリアクタンス素子を含んで構成された第2整合回路と、
    を有し、
    前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子とは、磁界および電界を介して結合されていて、
    前記第1インダクタンス素子に交流電流が流れるとき、前記磁界を介した結合により前記第2インダクタンス素子に流れる電流の向きと、前記電界を介した結合により前記第2インダクタンス素子に流れる電流の向きとが同じであることを特徴とするインピーダンス変換回路。
  3. 第1高周波回路と第2高周波回路との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
    前記第1高周波回路に接続される第1インダクタンス素子、および、前記第2高周波回路に接続され、前記第1インダクタンス素子に結合された第2インダクタンス素子を含んで構成された第1整合回路と、
    前記第1整合回路と前記第1高周波回路との間および前記第1整合回路と前記第2高周波回路との間の少なくとも一方に接続され、キャパシタンス素子およびインダクタンス素子の少なくとも一方からなるリアクタンス素子を含んで構成された第2整合回路と、
    を有し、
    前記第1インダクタンス素子に交流電流が流れるとき、前記第2インダクタンス素子に流れる電流の向きは、前記第1インダクタンス素子と前記第2インダクタンス素子との間に磁気障壁が生じる向きであることを特徴とするインピーダンス変換回路。
  4. 放射素子と、前記放射素子と給電回路との間に挿入されたインピーダンス変換回路とを備えた通信端末装置であって、
    前記インピーダンス変換回路は、前記給電回路に接続される第1インダクタンス素子、および、前記放射素子に接続され、前記第1インダクタンス素子に結合された第2インダクタンス素子を含んで構成された第1整合回路と、前記第1整合回路と前記給電回路との間および前記第1整合回路と前記放射素子との間の少なくとも一方に接続され、キャパシタンス素子およびインダクタンス素子の少なくとも一方からなるリアクタンス素子を含んで構成された第2整合回路と、を有し、
    前記第2整合回路における前記リアクタンス素子は、前記第1インダクタンス素子または前記第2インダクタンス素子とともに並列共振回路を構成するキャパシタンス素子を少なくとも含んでいて、
    前記第2整合回路は、前記第1整合回路と前記給電回路との間にシャントに接続された第1のキャパシタンス素子を含む第1の整合回路素子と、前記第1整合回路と前記放射素子との間にシャントに接続された第2のキャパシタンス素子を含む第2の整合回路素子とを含んで構成され、
    前記第1のキャパシタンス素子と前記第2のキャパシタンス素子のうち、キャパシタンスの大きな方のキャパシタンス素子で主として第1周波数帯の高周波信号のインピーダンス整合を行い、キャパシタンスの小さな方のキャパシタンス素子で主として第2周波数帯(ただし、前記第1周波数帯の高周波信号の周波数は、前記第2周波数帯の高周波信号の周波数よりも低い)の高周波信号のインピーダンス整合を行うことを特徴とする通信端末装置。
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