JP5476680B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、離型フィルムに関する。
モールド成形用離型フィルムは、モールド成形装置を用いた樹脂の成形加工において、モールド成形後に金型から樹脂(封止材料)を脱型するために、金型と樹脂の間に挟み込み、モールド成形された樹脂と金型を離型するために使用される。しかし、離型フィルムとして、汎用のPETフィルムや高耐熱性のポリイミドフィルムを用いた場合は、フィルムの伸度が小さいため、金型への追随性が不充分となり、フィルムにシワが発生しやすい。また、発生したフィルムのシワが、モールド樹脂に転写され、製品の表面に荒れが発生して、歩留まりが低下する。
生産性及び歩留まりの向上を目的として、熱可塑性のテトラフルオロエチレン系共重合体よりなる樹脂モールド成形用離型フィルムが提案されている(特許文献1参照)。また、延伸ポリエステル樹脂フィルムからなる基材フィルムの少なくとも片面に、フッ素樹脂からなるフィルムが積層されてなる積層フィルムであることを特徴とする半導体チップ封止用離型フィルムが提案されている(特許文献2参照)。
また、変性ポリオレフィン樹脂からなる層及びこの層の少なくとも一方の面に積層された接着性フッ素樹脂からなる層を有する、プレス加工機のブレス板とプリント基材の間に介在させる離型用積層フィルムが提案されている(特許文献3参照)。この離形フィルムは、配線基板の積層成形時の熱硬化性接着剤を高温、高圧でプレスして積層品をズレなく成形する積層プレス成形用離型フィルムであることから、プレス圧を均一にするため、またプリプレグの流出を防ぐため、クッション性を有する必要があり、0.1mm程度のフィルム厚みである。
特開2001−310336号公報 特開2006−49850号公報 国際公開第2005/115751号パンフレット
しかしながら、金型の形状や封止材料の改良にともなって、従来の離型フィルムよりも更に金型の形状への追従性及び強度に優れ、また、ガスの低透過性をも有する離型フィルムが要求される。
本発明の目的は、上記現状に鑑み、金型の形状への追従性、強度及びガス低透過性に優れた離型フィルムを提供することにある。
本発明は、含フッ素ポリマーの層、フッ素非含有ポリマーの層、及び、含フッ素ポリマーの層の3層からなり、上記フッ素非含有ポリマーの層は、3層の中間層であり、3層の合計の厚みが70μm以下であり、上記含フッ素ポリマーは、炭素−炭素二重結合、カルボニル基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホン酸基、及び、エポキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの接着性官能基を有することを特徴とする離型フィルムである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の離型フィルムは、含フッ素ポリマーの層、フッ素非含有ポリマーの層、及び、含フッ素ポリマーの層の3層からなることを特徴とする。
本発明の離型フィルムは、フッ素非含有ポリマーの層を中間層として有するので、強度及びガス低透過性に優れ、更に、上記フッ素非含有ポリマーの層の両面に含フッ素ポリマーの層を有するので、金型及び封止材料の両方に対して優れた離型性を有する。このような特性を有する本発明の離型フィルムは、金型内に熱硬化性樹脂(封止材料)を注入・硬化させ、金型形状の成形品を得る際に使用する樹脂モールド成形用離型フィルムということもできる。
上記金型は、有効面積を増加させ生産性を向上する目的で、従来よりも深く角張った形状となる傾向がある。例えば、従来の金型はR0.2〜0.3であったが、R0.1まで小さくした金型が検討されている。このような金型の形状に追従するためには、これまでないレベルで金型の形状に追従することが求められる。更に、このような金型の形状に追従することが要求される離型フィルムには、これまでにない強度が要求される。
本発明の離型フィルムは、3層の合計の厚みが70μm以下であるため、金型形状への追従性に優れる。70μmを超えると、特に金型の角張った形状部分において追従が不充分であり、しわが発生したり成形品形状が歪になったりするおそれがある。
本発明の離型フィルムの厚みは、50μm以下であることが好ましく、必要な強度を確保する必要から15μm以上であることが好ましい。
本発明の離型フィルムにおいて、フッ素非含有ポリマーの層の厚さは、10〜45μmであることが好ましく、含フッ素ポリマーの層の厚さは、3〜15μmであることが好ましい。
一方、上記のようにフィルムを薄くすると強度が不足する傾向がある。しかしながら、本発明の離型フィルムは、フッ素非含有ポリマーの層を有するため、上記のように薄膜であっても、極めて優れた強度を有する。
本発明の離型フィルムは、封止材料に対しても離型性を有する。上記封止材料としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。
近年世界的に環境問題への関心が高まる中、環境に対応した封止材料の開発が進められてきた。このような環境対応封止材料としては、鉛を含まない封止材料、これまで難燃剤として使用されてきたハロゲン化合物及びアンチモン化合物を含まない封止材料等が挙げられる。
これらの環境対応封止材料は、従来の封止材料に比べて融点が高く、また加熱時に熱分解ガスを発生する。熱分解ガスが離型フィルムを透過すると、高温環境下にある金型が腐食して歩留まりを低下させるため、離型フィルムにガス低透過性が求められるようになってきた。
本発明の離型フィルムは、フッ素非含有ポリマーの層を有するため、環境対応封止材料から発生する熱分解ガスを透過させず、金型の腐食を抑制することができる。
本発明の離型フィルムは、更に含フッ素ポリマーが接着性官能基を有することを特徴とする。従来の積層構造を有する離型フィルムでは、層間の接着性を確保するため、熱硬化性又は熱硬化性でない接着剤が使用されてきた。熱硬化性でない接着剤を使用すると、加熱時に接着剤が離型フィルムから溶出し、汚染の原因となる問題があった。また、熱硬化性の接着剤を使用すると、フィルムが延伸した際に層間の密着力が低下し、層間剥離が生じる問題があった。本発明の離型フィルムは、接着剤を使用しなくてもフッ素非含有ポリマーとの接着性に優れる。
本発明の離型フィルムにおいて、3層のうち2層を構成する含フッ素ポリマーは同一であってもよいし異なっていてもよい。本発明の離型フィルムの最も好ましい態様は、含フッ素ポリマーの層、フッ素非含有ポリマーの層、及び、含フッ素ポリマーの層がこの順に積層されており、層間が強固に接着している離型フィルムである。
上記含フッ素ポリマーは、炭素−炭素二重結合、カルボニル基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホン酸基、及び、エポキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの接着性官能基を有する。
上記接着性官能基は、フッ素非含有ポリマーとの親和性若しくは反応性を有する。本明細書において、「親和性」とは、水素結合、van der Waals力等、化学構造を変化させるまでに至らないPIフィルム等のフッ素非含有ポリマーとの相互作用を示す性質を意味し、「反応性」とは、官能基等の化学構造を変化させる性質を意味する。
上記接着性官能基は、通常、上記含フッ素ポリマーが主鎖又は側鎖に有するものである。
上記カルボニル基としては、例えば、カーボネート基、ハロゲノホルミル基、ホルミル基、カルボキシル基、カルボニルオキシ基[−C(=O)O−]、酸無水物基[−C(=O)O−C(=O)−]、イソシアネート基、アミド基[−C(=O)−NH−]、イミド基[−C(=O)−NH−C(=O)−]、ウレタン結合[−NH−C(=O)O−]、カルバモイル基[NH−C(=O)−]、カルバモイルオキシ基[NH−C(=O)O−]、ウレイド基[NH−C(=O)−NH−]、オキサモイル基[NH−C(=O)−C(=O)−]等のカルボニル基含有官能基を構成するカルボニル基であってよい。
上記カーボネート基は、[−OC(=O)O−]で表される結合を有する基であり、−OC(=O)O−R基(式中、Rは、有機基、IA族原子、IIA族原子、又は、VIIB族原子を表す。)で表されるものである。上記式中のRにおける有機基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、エーテル結合を構成する酸素分子を有する炭素数2〜20のアルキル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、エーテル結合を構成する酸素分子を有する炭素数2〜4のアルキル基等である。上記カーボネート基としては、例えば、−OC(=O)O−CH、−OC(=O)O−C、−OC(=O)O−C17、−OC(=O)O−CHCHOCHCH等が挙げられる。
上記ハロゲノホルミル基は、−COY(式中、Yは、VIIB族原子を表す。)で表されるものであり、−COF、−COCl等が好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、耐熱性、機械特性、生産性、コスト面で有利である理由で、カルボニル基を有するものであることが好ましく、導入が容易であり、反応性が高い点から、カーボネート基、及び、ハロゲノホルミル基からなる群より選択される少なくとも1種のカルボニル基含有官能基を有するものであることがより好ましい。
上記含フッ素ポリマーがカーボネート基のみをポリマー鎖末端又は側鎖に有すると、カーボネート基は、常温(20℃)から成形温度までの温度範囲で極めて安定であるので、ペレットの取り扱いが容易となる利点がある。また、カーボネート基とカルボン酸ハライド基では、反応速度と反応のし易さに大きな違いがある。従って、上記含フッ素ポリマーがカーボネート基とカルボン酸ハライド基の両方を有すると、接着反応条件の幅が広がり、接着強度が上昇する利点がある。
なお、上記含フッ素ポリマーは、1つのポリマー鎖の片末端又は両末端に接着性官能基をもつポリマー鎖のみで構成されているものだけでなく、片末端あるいは、両末端に接着性官能基を有するポリマー鎖と、接着性官能基を含まないポリマー鎖との混合物であっても良い。
上記接着性官能基の数は、基材の種類、形状、用途、必要とされる接着強度、上述のフルオロポリマーの種類の違い等により適宜選択されうるが、通常、主鎖炭素数1×10個あたり3以上、1000個未満である。
本明細書において、上記「接着性官能基」の数は、国際公開99/45044号パンフレットに記載のカルボニル基含有官能基の個数の測定方法に準じた赤外吸収スペクトル分析を行うことにより測定するものである。
上記接着性官能基の数は、主鎖炭素数1×10個あたり10個以上であることが好ましく、20個以上であることがより好ましく、1000個以下であることが好ましい。
上記接着性官能基の数が主鎖炭素数1×10個あたり10個以上であると、含フッ素ポリマーの接着の際に通常行われる表面処理などを行わなくとも、フッ素非含有ポリマーに対し、驚くべき強力な接着力を示す。
上記接着性官能基の数が主鎖炭素数1×10個あたり1000個以下であると、接着性官能基の化学変化に起因するガスの発生を抑えることができ、接着力を上昇させ、接着力のバラツキを抑制することができる。また、含フッ素ポリマーの耐熱性および耐薬品性を向上させることができる。
上記含フッ素ポリマーは、少なくとも1種の含フッ素エチレン性モノマーから誘導される繰り返し単位を有する重合体(単独重合体または共重合体)である。
上記含フッ素エチレン性モノマーは、少なくとも1つのフッ素原子を有するオレフィン性不飽和モノマーであり、具体的には、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、式(ii): CH=CX(CF (ii)
[式中、XはH又はF、XはH、F又はCl、nは1〜10の整数である。]で示されるモノマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等である。
また、上記含フッ素ポリマーは、上記含フッ素エチレン性モノマー単位およびフッ素を有さないエチレン性モノマー単位を有する共重合体であってもよい。
含フッ素エチレン性モノマーとフッ素を有さないエチレン性モノマーとは、10〜100モル%(例えば30〜100モル%)と0〜90モル%(例えば0〜70モル%)の量比であってよい。
フッ素を有さないエチレン性モノマーは、耐熱性や耐薬品性などを低下させないためにも炭素数5以下のエチレン性モノマーから選ばれることが好ましい。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。
そのなかでも耐熱性の面で、テトラフルオロエチレン単位を必須成分とする含フッ素ポリマー、成形加工性の面でフッ化ビニリデン単位を必須成分とする含フッ素ポリマーが好ましい。
上記含フッ素ポリマーにおいては、含フッ素エチレン性モノマーの種類、組合せ、組成比などを選ぶことによって重合体の結晶融点またはガラス転移点を調整することができ、またさらに樹脂状のもの、エラストマー状のもののどちらにもなりうる。接着の目的や用途、積層体の目的や用途に応じて、含フッ素ポリマーの性状は適宜選択できる。
上記含フッ素ポリマーの好ましい具体例としては、(I)テトラフルオロエチレン単位とエチレン単位とを含有する共重合体、(II)フッ化ビニリデン単位を含有する重合体、及び、(III)テトラフルオロエチレン単位と式(i): CF=CF−Rf (i)
[式中、RfはCFまたはORf(Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である。)である。]で示されるモノマーの単位とを含有する共重合体が挙げられる。
テトラフルオロエチレン単位とエチレン単位とを含有する共重合体(I)として、後述する接着性官能基含有モノマーを除いたモノマー全体に対し、テトラフルオロエチレン単位20〜90モル%(例えば20〜60モル%)、エチレン単位10〜80モル%(例えば20〜60モル%)及びこれらと共重合可能なモノマー単位0〜70モル%とからなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体が挙げられる。
共重合可能なモノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、式(ii):CH=CX(CF (ii)
[式中、XはHまたはF、XはH、FまたはCl、nは1〜10の整数である。]で示されるモノマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、プロピレンなどがあげられ、通常これらの1種又は2種以上が用いられる。
これらのなかでも、(I−1)テトラフルオロエチレン単位62〜80モル%、エチレン単位20〜38モル%、その他のモノマー単位0〜10モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体、(I−2)テトラフルオロエチレン単位20〜80モル%、エチレン単位10〜80モル%、ヘキサフルオロプロピレン単位0〜30モル%、その他のモノマー単位0〜10モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体が、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体の優れた性能を維持し、融点的を比較的低くすることができ、フッ素非含有ポリマーとの接着性にも優れる点で好ましい。
フッ化ビニリデン単位を含有する重合体(II)として、後述する接着性官能基含有モノマーを除いたモノマー全体に対し、フッ化ビニリデン単位10〜100モル%、テトラフルオロエチレン単位0〜80モル%、ヘキサフルオロプロピレン又はクロロトリフルオロエチレンのいずれか1種以上の単位0〜30モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体が好ましい例である。
さらに具体的には、
(II−1)カルボニル基含有官能基を有するポリフッ化ビニリデン(PVdF)、(II−2)フッ化ビニリデン単位30〜99モル%、テトラフルオロエチレン単位1〜70モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体、(II−3)フッ化ビニリデン単位60〜90モル%、テトラフルオロエチレン単位0〜30モル%、クロロトリフルオロエチレン単位1〜20モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体、(II−4)フッ化ビニリデン単位60〜99モル%、テトラフルオロエチレン単位0〜30モル%、ヘキサフルオロプロピレン単位1〜10モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体、(II−5)フッ化ビニリデン単位15〜60モル%、テトラフルオロエチレン単位35〜80モル%、ヘキサフルオロプロピレン単位5〜30モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体等が挙げられる。
フッ化ビニリデン単位を含有するカルボニル基含有官能基を有する含フッ素ポリマー(II)は耐候性などに優れ、さらに低温での成形や加工が可能であるため、それほど耐熱性を有さないフッ素非含有ポリマーなどとの積層化も可能である。
重合体(III)として、(III−1)テトラフルオロエチレン単位65〜95モル%、好ましくは75〜95モル%、ヘキサフルオロプロピレン単位5〜35モル%、好ましく5〜25モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体、(III−2)テトラフルオロエチレン単位70〜97モル%、CF=CFORf(Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)単位3〜30モル%からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体、(III−3)テトラフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、CF=CFORf(Rfは上記と同じ)単位からなるカルボニル基含有官能基を有する共重合体であって、ヘキサフルオロプロピレン単位とCF=CFORf単位の合計が5〜30モル%である共重合体などが好ましい。
これらは、所謂、パーフルオロ系共重合体でもあり、含フッ素ポリマーの中でも耐熱性、耐薬品性、撥水性、非粘着性、電気絶縁性などに最も優れている。
本発明の離型フィルムが接触する金型は、生産性の向上を目的として従来よりも深く角張った形状となる傾向にある。また、金型の温度もより高くなる傾向にある。従って、離型フィルムは優れた強度だけでなく、高温環境下での金型への追随性が優れるものが好ましい。従って、上記含フッ素ポリマーとしては、高温での引張伸びに優れる点で、テトラフルオロエチレン単位とエチレン単位とを含有する共重合体(I)が特に好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、モールド成形時の成形温度以上の融点を有することが好ましく、例えば、半導体封止材料は180℃程度で成形するため、融点が200℃以上であることが好ましい。また、発光ダイオード封止材料は135〜150℃程度で成形するため、融点が200℃未満であっても180℃以上であれば使用できる。
本明細書において、上記融点は、示差走査熱量計(セイコー社製)を用い、昇温速度10℃/分にて測定し、得られた融解ピークの極大値での温度である。
上記含フッ素ポリマーは、重合によりフルオロポリマーを製造するに際し接着性官能基を導入することにより得ることができるが、接着性官能基を導入する方法としては特に限定されず、例えば、(1)接着性官能基を有する接着性官能基含有モノマーを共重合する方法、(2)接着性官能基を有する重合開始剤を存在させて乳化重合等の水性媒体中での重合を行い、ポリマー鎖末端に該重合開始剤に由来する接着性官能基を導入する方法、(3)重合に際し又は重合後の加熱等によりポリマー鎖中の炭素−炭素単結合が二重結合に変化することにより接着性官能基を有することとなる方法等が挙げられる。
上記(1)の方法は、例えば、接着性官能基含有モノマーを、目的の含フッ素ポリマーに応じた種類と配合の含フッ素モノマーと、所望によりフッ素非含有モノマーとを公知の方法により共重合させることによって行うことができる。
上記共重合の方法としては特に限定されず、例えば、含フッ素モノマー等の他の共モノマーによるポリマー鎖形成時に接着性官能基含有モノマーを系内に導入して行うランダム共重合であってもよいし、ブロック共重合、グラフト共重合であってもよい。グラフト共重合としては、例えば、フルオロポリマーに上記不飽和カルボン酸類を付加させる方法等が挙げられる。
上記「接着性官能基含有モノマー」とは、接着性官能基を有する重合可能な化合物を意味し、フッ素原子を有していてもよいし、有していなくてもよい。なお、本明細書において、上述した「含フッ素モノマー」及び「フッ素非含有モノマー」は、上記接着性官能基を有していないものである。
上記接着性官能基含有モノマー(B)としては、例えば、接着性官能基がカルボニル基である場合、パーフルオロアクリル酸フルオライド、1−フルオロアクリル酸フルオライド、アクリル酸フルオライド、1−トリフルオロメタクリル酸フルオライド、パーフルオロブテン酸等のフッ素を有するモノマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸クロライド、ビニレンカーボネート等のフッ素を有さないモノマーが挙げられる。
上記接着性官能基含有モノマーとしては、更に、不飽和カルボン酸類が挙げられる。本明細書において、上記不飽和カルボン酸類とは、共重合を可能にする炭素−炭素不飽和結合(以下、「共重合性炭素−炭素不飽和結合」ともいう。)を1分子中に少なくとも1個有し、且つ、カルボニルオキシ基[−C(=O)−O−]を1分子中に少なくとも1個有する化合物であればよく、なかでも、上記共重合性炭素−炭素不飽和結合が1分子中に1個であるものが好ましい。
上記不飽和カルボン酸類としては、例えば、脂肪族不飽和カルボン酸及びその酸無水物が挙げられる。上記脂肪族不飽和カルボン酸としては、脂肪族不飽和モノカルボン酸であってもよいし、カルボキシル基を2個以上有する脂肪族不飽和ポリカルボン酸であってもよい。
上記脂肪族不飽和モノカルボン酸としては、例えば、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、それらの酸無水物等、炭素数3〜20の脂肪族モノカルボン酸等が挙げられる。上記脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸〔CAC〕、イタコン酸、アコニット酸、無水イタコン酸〔IAH〕及び無水シトラコン酸〔CAH〕等が挙げられる。
上記(2)の方法における重合開始剤としては、下記式(1)〜(4):
Figure 0005476680
[式中、RおよびR’は、炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の一価飽和炭化水素基、もしくは末端にアルコキシ基を含有する炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の一価飽和炭化水素基、R″は、炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の二価飽和炭化水素基、もしくは末端にアルコキシ基を含有する炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の二価飽和炭化水素基を表す。]で示される化合物が好ましく用いられる。
とりわけ、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどが好ましい。
パーオキシカーボネートの使用量は、目的とする重合体の種類(組成など)、分子量、重合条件、使用するパーオキシカーボネートの種類によって異なるが、重合で得られる重合体100質量部に対して、0.05〜20質量部、特に0.1〜10質量部であることが好ましい。
重合方法としては、工業的には含フッ素系溶媒を用い、重合開始剤としてパーオキシカーボネートを使用した水性媒体中での懸濁重合が好ましいが、他の重合方法、例えば溶液重合、乳化重合、塊状重合、なども採用できる。
懸濁重合においては、水に加えて含フッ素系溶媒を使用してよい。懸濁重合に用いるフッ素系溶媒としては、ハイドロクロロフルオロアルカン類(例えば、CHCClF、CHCClF、CFCFCClH、CFClCFCFHCl)、クロロフルオロアルカン類(例えば、CFClCFClCFCF、CFCFClCFClCF)、パーフルオロアルカン類(例えば、パーフルオロシクロブタン、CFCFCFCF、CFCFCFCFCF、CFCFCFCFCFCF)が使用でき、中でもパーフルオロアルカン類が好ましい。フッ素系溶媒の使用量は、重合時の懸濁安定性、経済性の面から、水に対し10〜100質量%とするのが好ましい。
重合温度は特に限定されないが、0〜100℃でよい。
重合圧力は、用いる溶媒の種類、量および蒸気圧、重合温度などの他の重合条件に応じて適宜定められるが、通常0〜100kgf/cmGであってよい。
上記含フッ素ポリマーの製造に際しては、分子量調整のために、通常の連鎖移動剤、例えばイソペンタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチルなどのハロゲン化炭化水素を用いることができる。
末端のカーボネート基の含有量は、重合条件を調整することによってコントロールできる。とりわけ重合開始剤として用いるパーオキシカーボネートの使用量、連鎖移動剤の使用量、重合温度などによってコントロールできる。
ポリマー分子末端にカルボン酸ハライド基を有する含フッ素ポリマーを得るためには、種々の方法を採用できるが、例えば、前述のカーボネート基を末端に有する含フッ素ポリマーのカーボネート基を加熱により熱分解(脱炭酸)させることにより得ることができる。
カーボネート基の種類、含フッ素ポリマーの種類によって異なるが、重合体自体が270℃以上、好ましくは280℃以上、特に好ましくは300℃以上になるよう加熱するのが好ましい。加熱温度の上限は、含フッ素ポリマーのカーボネート基以外の部位の熱分解温度以下にすることが好ましく、具体的には、400℃以下、特に好ましくは350℃以下である。
上記含フッ素ポリマーは、それ自体が有する接着性と耐熱性や耐薬品性などを損なわないため、単独で接着性材料に用いることが好ましいが、目的や用途に応じてその性能を損なわない範囲で、無機質粉末、ガラス繊維、炭素繊維、金属酸化物、あるいはカーボンなどの種々の充填剤を配合できる。また、充填剤以外に、顔料、紫外線吸収剤、その他任意の添加剤を混合できる。添加剤以外にまた他の含フッ素ポリマーや熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂、合成ゴムなどを配合することもでき、機械特性の改善、耐候性の改善、意匠性の付与、静電防止、成形性改善などが可能となる。
本発明の離型フィルムは、フッ素非含有ポリマーの層を有する。
上記フッ素非含有ポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、アクリル系、酢酸ビニル系、ポリオレフィン、塩化ビニル系、ポリカーボネート、スチレン系、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリアラミド、ポリアセタール、ポリエーテルイミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル、セルロース誘導体等が挙げられる。
それらのなかでも、分子中に接着性官能基と反応性又は親和性を有する官能基を有するポリマー材料が上記含フッ素ポリマーとの接着性において好ましい。本発明において、接着性官能基と反応性を有する官能基とは、後述する成形条件を採用した際に、接着性官能基と成形時に反応し、化学結合を形成し得る官能基をいう。また、接着性官能基と親和性を有する官能基とは、カーボネート基やカルボン酸ハライド基のような極性基とある程度の分子間力を発現し得る官能基であって、炭素原子および水素原子以外の原子を少なくとも1つ有する官能基である。具体的にはヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩類、エステル基、カーボネート基、アミノ基、アミド基、イミド基、メルカプト基、チオレート基、スルホン酸基、スルホン酸塩類、エポキシ基などの官能基を有するものが好ましい。(1)耐熱性に優れたポリマー材料が、含フッ素ポリマーに必要とされる高い成形温度に耐え、積層体全体の耐熱性を維持し、含フッ素ポリマーの優れた特性と相手材となるポリマー材料の特徴を合わせもった積層体をうることができる点で好ましい。(2)熱可塑性樹脂であることが上記含フッ素ポリマーとの接着と成形が同時に行うことができる点、すなわち、多層での溶融成形が可能である点で好ましく、なかでも結晶融点が270℃以下さらには230℃以下の熱可塑性樹脂が共押出等の多層成形が適用でき、しかも得られた積層体は優れた接着性を示す点で好ましい。
上記フッ素非含有ポリマーは、強度及びガス低透過性に優れる点で、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、及び、エチレン/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記フッ素非含有ポリマーは、ガス低透過性に特に優れる点で、ポリアミド、及び、エチレン/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
上記ポリアミドとしては、(1)ポリアミド系樹脂、(2)ポリアミド系エラストマー、(3)ポリアミド系樹脂アロイなどが例示できる。
具体例は以下の通りである。
(1)環状脂肪族ラクタムの開環重合;脂肪族および/または脂環族ジアミンと脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸との縮合重合;アミノカルボン酸の縮合重合;不飽和脂肪酸の二量化により得られる炭素数36のジカルボン酸を主成分とするいわゆるダイマー酸と短鎖二塩基酸とジアミン類の共重合等で合成されるポリアミド系樹脂。
例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン66/12、ナイロン46およびメタキシリレンジアミン/アジピン酸の重合体、あるいはこれらを構成するモノマー類とダイマー酸との共重合体、ならびにこれらのブレンド物等を挙げることができる。
ポリアミド樹脂の平均分子量は、通常5,000〜500,000である。これらのポリアミド樹脂の中でも本発明の離型フィルムに好ましく使用されるのは、ナイロン6/66である。
(2)ポリアミド成分を結晶性のハードセグメントとし、ポリエーテルあるいはポリエステルをソフトセグメントとするABA型ブロックタイプのポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドおよびポリエステルアミドであるエラストマーであるポリアミドエラストマー。これは、例えば、ラウリルラクタムとジカルボン酸およびポリテトラメチレングリコールとの縮合反応で得られる。
ハードセグメント部のポリアミド中の繰り返し単位の炭素数およびソフトセグメント部の繰り返し単位の化学構造並びにそれらの割合、あるいはそれぞれのブロックの分子量は、柔軟性と弾性回復性の面から自由に設計できる。
(3)ポリアミド系アロイ (3.1)ポリアミド/ポリオレフィン系アロイ 例えば、デュポン社製ザイテルST、旭化成株式会社製レオナ4300、三菱化学株式会社製ノパミッドST220、株式会社ユニチカ製ナイロンEX1020等。
(3.2)ポリアミド/ポリプロピレン系アロイ 例えば、昭和電工社製システマーS。
(3.3)ポリアミド/ABS系アロイ 例えば、東レ株式会社製トヨラックSX。
(3.4)ポリアミド/ポリフェニレンエーテル系アロイ 例えば、日本GEプラスチックス製ノリルGTX600、三菱化学株式会社製レマロイB40等。
(3.5)ポリアミド/ポリアリレート系アロイ 例えば、株式会社ユニチカ製X9などが挙げられる。
上記含フッ素ポリマーとフッ素非含有ポリマーとから、本発明の離型フィルムを得ることができる。
上記含フッ素ポリマーとフッ素非含有ポリマーとは、上記含フッ素ポリマーが接着性官能基を有することから、熱溶融接着することによって強固に接着できる。代表的な接着方法として熱ロール法や、熱プレス法、高周波加熱法、真空圧着法(真空プレスなど)、空気圧法、共押出法等が挙げられる。
たとえば、含フッ素ポリマーを用いて含フッ素ポリマーフィルムを作製し、フッ素非含有ポリマーのフィルムと重ね合わせ、熱溶融接着によって接着してもよい。
共押出法は、上記含フッ素ポリマーとフッ素非含有ポリマーとを成形温度、つまり成形時の樹脂温度がそれぞれの結晶融点又はガラス転移点を越える温度で同時押出しにより成形する方法である。共押出法は、含フッ素ポリマーとフッ素非含有ポリマーの接着と、目的の形状への成形を同時に、連続的に達成できるため生産性に優れ、かつ接着性能も良好となる点で好ましい。
このような理由から、含フッ素ポリマー及びフッ素非含有ポリマーがいずれも、結晶融点又はガラス転移点が270℃以下の熱可塑性樹脂、さらには230℃以下の熱可塑性樹脂を選択することが層間接着力が良好な点で好ましい。
さらに、成形温度、つまり成形時の樹脂温度を350℃以下で、さらには300℃以下におさえることが、層間接着力、成形品の外観が良好となる点で好ましい。
成形温度(樹脂温度)が、上記含フッ素ポリマー又はフッ素非含有ポリマーの結晶融点又はガラス転移点以下である場合には、含フッ素ポリマー又はフッ素非含有ポリマーのいずれかの流動性が不充分となり、層間の接着が充分に達成できなかったり、成形体表面の肌荒れなどの外観不良が生じたりすることがある。成形温度が高すぎると、層間での接着不良や、剥離が生じたり、成形体表面や、層間の界面での発泡や肌荒れ、着色などの外観不良が生じたりするため好ましくない。
本発明の離型フィルムは、半導体封止材料又は発光ダイオード封止材料のモールド成形において、封止材料とモールド成形機の金型との間に挟み込み、封止材料と金型とを離型するためのモールド成形用離型フィルムとして使用することができる。
本発明の離型フィルムは、上述の構成を有するので、強度が高く、ガスの透過性が小さく、金型追従性に優れる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1及び2
接着性を有するフッ素樹脂ETFEペレット(ダイキン工業社製 ネオフロンETFE EP−7000、融点255℃、MFR20.6g/10min(297℃、49N))とフッ素非含有樹脂ペレット ナイロン6.66 ノヴァミド2430J(三菱エンジニアプラスチック社製)を用いて、2種3層フィルムをマルチダイを備えた同時押出機により表1に示した条件で成形し、離型フィルムを得た。
実施例3
接着性を有するフッ素樹脂をEFEPペレット(ダイキン工業社製 ネオフロンEFEP RP−5000、融点196℃、MFR25.1g/10min(265℃、49N))に変えた以外は実施例1と同様にして成形し離型フィルムを得た。
比較例1及び2
離型フィルムとして ETFE,FEP(ダイキン工業社製 ネオフロンETFE、FEPフィルム)を用いた。
比較例3
厚さを75μmとした以外は実施例3と同様にして成形し離型フィルムを得た。
Figure 0005476680
得られた離型フィルムについて、それぞれ以下の方法により評価した。
引張強度(MPa)及び引張伸度(%)
JIS K 7127の3.2試験温度における23±2℃を175℃に変更以外はJIS K 7127に記載の方法で測定した。MDとTDについて測定した。フィルムから10mm巾の試験片を切取り、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製)にて500mm/分の速度で測定した。
引裂強度(N/mm)
JIS K 7128−1のトラウザー引裂法に記載の方法で測定した。MDとTDについて測定した。フィルムから50mm巾150mm長さの試験片を切取り、試験片中央にスリット長さ75mmの切れ込みを入れた試験片を作成し、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製)にて200mm/分の速度で測定した。
ガスバリア性
10cm角のフィルムの3方を熱融着機でシールし袋状物を作成し、その中に一定量の封止用エポキシ樹脂(環境対策品)を入れ、残りの部分をシールし、密閉したサンプルを作成した。そのサンプルを専用の密閉ビンの中にいれヘッドスペースサンプリング法により180℃30分加熱後のアウトガスをGC−MS(クララス500(パーキンエルマー製))にて測定した。ガスバリア性の評価はエポキシ樹脂からの熱分解ガスのアウトガス量を相対比較し、少ない場合を○、多い場合を×とした。
離型性、金型追従性
樹脂モールド成形法で、一定温度の金型内に離型フィルムをセットした後、金型上部の穴から真空吸引して、離形フィルムを金型上部形状に追従、密着させた。そこに未硬化の封止用のエポキシ樹脂、シリコーン樹脂を流動させ、120〜300秒間保持し、樹脂を硬化させた後、金型を開き、成形品を脱型させた。
離型性の評価は脱型時の離型性が良好な場合を○、破れが発生した場合を×とした。金型追従性の評価は金型形状にフィルムが完全に追従し、成形圧力にフィルムが耐え、成形品形状が金型形状通りに成形されるかどうかを評価するもので、形状が良好でフィルム破れが無い場合を○、成形品形状が不良であったり、フィルム破れにより、スジ、バリ等が発生した場合を×とした。
結果を表2に示す。
Figure 0005476680
本発明の離型フィルムは、半導体、発光ダイオード等の封止材料のモールド成形に好適に利用できる。

Claims (2)

  1. 含フッ素ポリマーの層、フッ素非含有ポリマーの層、及び、含フッ素ポリマーの層の3層からなり、
    前記フッ素非含有ポリマーの層は、3層の中間層であり、
    3層の合計の厚みが70μm以下であり、
    前記含フッ素ポリマーは、炭素−炭素二重結合、カルボニル基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホン酸基、及び、エポキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの接着性官能基を有し、
    前記含フッ素ポリマーは、テトラフルオロエチレン単位とエチレン単位とを含有する共重合体であり、
    前記フッ素非含有ポリマーは、ナイロン6.66である
    ことを特徴とする樹脂モールド成形用離型フィルム。
  2. 含フッ素ポリマーは、主鎖炭素数1×10個あたり3個以上の接着性官能基を有する請求項1記載の離型フィルム。
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