JP5476199B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、各種の上塗り剤に対する密着性の優れた塗布層を有するポリエステルフィルムに関するものである。
近年、液晶ディスプレイがテレビ、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の表示装置として広く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、液晶表示ユニット単独では発光機能を有していないので、裏側からバックライトを使用して光を照射することにより表示させる方式が普及している。
バックライト方式には、エッジライト型あるいは直下型と呼ばれる構造がある。最近は液晶ディスプレイを薄型化する傾向があり、エッジライト型を採用する場合が多くなってきている。エッジライト型は、一般的には、反射シート、導光板、光拡散シート、プリズムシートの順で構成されている。光線の流れとしては、バックライトから導光板に入射した光線が反射シートで反射され、導光板の表面から出射される。導光板から出射された光線は光拡散シートに入射し、光拡散シートで拡散・出射され、次に存在するプリズムシートに入射する。プリズムシートで光線は法線方向に集光させられ、液晶層に向けて出射される。
本構成で使用されるプリズムシートは、バックライトの光学的な効率を改善して輝度を向上させるためのものである。透明基材フィルムとしては、透明性、機械特性を考慮してポリエステルフィルムが一般的に使用され、基材のポリエステルフィルムとプリズム層との密着性を向上させるために、これらの中間層として易接着性の塗布層が設けられる場合が一般的である。易接着性の塗布層としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が知られている(特許文献1〜3)。
プリズム層の形成方法としては、例えば、活性エネルギー線硬化性塗料をプリズム型に導入し、ポリエステルフィルムと挟み込んだ状態で活性エネルギー線を照射し、樹脂を硬化させ、プリズム型を取り除くことにより、ポリエステルフィルム上に形成する方法が挙げられる。このような手法の場合、プリズム型が精巧に形成されるためには、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性塗料を使用する必要がある。しかし、無溶剤型の塗料は、溶剤系の塗料に比べて、ポリエステルフィルム上に積層された易接着層への浸透、膨潤効果が低く、密着性が不十分となりやすい。特定のウレタン樹脂からなる塗布層が提案されており、密着性の向上が図られているが、無溶剤型の塗料に対しては、このような塗布層でも密着性が必ずしも十分ではなくなってきている(特許文献4)。
特開平8−281890号公報 特開平11−286092号公報 特開2000−229395号公報 特開平2−158633号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、活性エネルギー線の量が少なくても良好な密着性を有し、例えば、液晶ディスプレイのバックライトユニット等に用いられるマイクロレンズやプリズムシート用部材として好適に利用することができる積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる積層ポリエステルフィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ゲルマニウム化合物またはチタン化合物を触媒として得られたポリエステルを含有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂と、脂肪族または脂環族のイソシアネート系化合物を含有する塗布層を有し、当該塗布層上に、無溶剤型の活性エネルギー線硬化樹脂層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明の積層ポリエステルフィルムによれば、マイクロレンズやプリズム層等を形成した際に、密着性、耐湿熱性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
本発明におけるポリエステルは、従来公知の方法で、例えばジカルボン酸とジオールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとジオールとを従来公知のエステル交換触媒で反応させた後、重合触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。重合触媒としては、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物等公知の触媒を使用して良いが、金属元素量として100ppm以下にすることにより、フィルムのくすみを低減したものが好ましい。また重合触媒の中でも、輝度が低下しないという観点から、アンチモン化合物よりゲルマニウム化合物やチタン化合物の方が好ましい。
本発明のポリエステルフィルムで、重合触媒としてチタン化合物を使用する場合は、チタン化合物およびリン化合物の双方を含有することが好ましい。本発明のフィルムの少なくとも一つの層中のチタン元素含有量は、20ppm以下である必要があり、好ましくは10ppm以下であり、下限は通常1ppmであるが、好ましくは2ppmである。チタン化合物の含有量が多すぎると、輝度の低下やフィルムの着色が懸念される。また、チタン元素を全く含まない場合、ポリエステル原料製造時の生産性が劣り、目的の重合度に達したポリエステル原料を得られない。一方、リン元素量は、1ppm以上であることが好ましく、より好ましくは5ppm以上であり、上限は300ppm、好ましくは200ppm、さらに好ましくは100ppmである。リン化合物の含有量が多すぎると、ゲル化が起こり、異物となってフィルムの品質を低下させる原因となることがある。上記した範囲でチタン化合物とリン化合物を含有させることにより、オリゴマーの副生も防止でき、透明性の高いフィルムを作成することができる。
本発明のフィルムのポリエステル層中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、易滑性を十分に付与できなかったり、粒子が凝集して、分散性が不十分となり、フィルムの透明性を低下させたりする場合がある。一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程においてプリズム層や光拡散層等の機能層を形成させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.0001〜5重量%、好ましくは0.0003〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.0001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜350μm、好ましくは50〜250μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムは少なくとも片面に塗布層を有するが、フィルムの反対面に同様のあるいは他の塗布層や機能層を設けていても、本発明の概念に当然含まれるものである。
次に本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層の形成について説明する。塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよく、両者を併用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であり、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることができるという点でインラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に塗布層を高温で処理することができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
各種の検討を行った結果、ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂とイソシアネート系化合物を含有する塗布層を形成することで、プリズム層やマイクロレンズ層との密着性が向上することを見出した。
本発明における塗布層は、特に無溶剤型の活性エネルギー線硬化性層との密着性を向上させることができるものであり、例えば、プリズム層やマイクロレンズ層を塗布層の上に形成することができる。
本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂と、イソシアネート系化合物を含有する塗布層を有することを必須の要件とするものである。
本発明におけるポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂とは、ウレタン樹脂の主要な構成成分であるポリオールの一つがポリカーボネートポリオール類であるウレタン樹脂を指す。
ポリカーボネートポリオール類は、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
本発明におけるポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂を構成するポリイソシアネート類としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等が例示される。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。また、上記イソシアネートの中でも、活性エネルギー線硬化性塗料との密着性の向上、および紫外線による黄変防止の点から、芳香族イソシアネートよりも脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートがより好ましい。
ウレタン樹脂を合成する際に鎖延長剤を使用しても良く、鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、一般的には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1 ,8−オクタンジアミン、1 ,9−ノナンジアミン、1 ,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1 ,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
本発明におけるウレタン樹脂は、溶剤を媒体とするものであってもよいが、好ましくは水を媒体とするものである。ウレタン樹脂を水に分散または溶解させるには、乳化剤を用いる強制乳化型、ウレタン樹脂中に親水性基を導入する自己乳化型あるいは水溶型等がある。特に、ウレタン樹脂の骨格中にイオン基を導入しアイオノマー化した自己乳化タイプが、液の貯蔵安定性や得られる塗布層の耐水性、透明性、密着性に優れており好ましい。
また、導入するイオン基としては、カルボキシル基、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、第4級アンモニウム塩等、種々のものが挙げられるが、カルボキシル基が好ましい。ウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法が取り得る。例えば、プレポリマー合成時に、カルボキシル基を持つ樹脂を共重合成分として用いる方法や、ポリオールやポリイソシアネート、鎖延長剤などの一成分としてカルボキシル基を持つ成分を用いる方法がある。特に、カルボキシル基含有ジオールを用いて、この成分の仕込み量によって所望の量のカルボキシル基を導入する方法が好ましい。例えば、ウレタン樹脂の重合に用いるジオールに対して、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸等を共重合させることができる。またこのカルボキシル基はアンモニア、アミン、アルカリ金属類、無機アルカリ類等で中和した塩の形にするのが好ましい。特に好ましいものは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。
本発明におけるポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂は、ガラス転移点(以下、Tgと記載することがある)が好ましくは0℃以下、より好ましくは−15℃以下、さらに好ましくは−30℃以下である。Tgが0℃より高いものは、易接着性が不十分となることがある。ここで言うTgは、ウレタン樹脂の乾燥皮膜を作成し、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した温度を指す。
本発明におけるイソシアネート系化合物とは、イソシアネート、あるいはブロックイソシアネートに代表されるイソシアネート誘導体由来の化合物のことである。イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等が例示される。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。上記イソシアネートの中でも、紫外線による黄変を避けるために、芳香族イソシアネートよりも脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートがより好ましい。
本発明におけるブロックイソシアネートのブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩類、フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール系化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール系化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、ε‐カプロラクタム、δ‐バレロラクタムなどのラクタム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物が挙げられ、これらは単独でも2種以上の併用であってもよい。
また、本発明におけるイソシアネート系化合物は単体で用いても良いし、各種ポリマーとの混合物や結合物として用いても良い。イソシアネート系化合物の分散性や架橋性を向上させるという意味において、ウレタン樹脂やポリエステル樹脂との混合物や結合物を使用することが好ましく、更に密着性をより向上させるという意味において、ウレタン樹脂がより好ましい。
滑り性改良やブロッキングを改良するために、塗布層の構成成分として、粒子を含有することが好ましい。
その粒子の平均粒子径はフィルムの透明性の観点から0.15μm以下の範囲であるのが好ましく、より好ましくは0.12μm以下の範囲である。また、固着性および滑り性の観点から、平均粒子径は好ましくは0.03μm以上の範囲、より好ましくは0.05μm以上の範囲である。
粒子の含有量としては、塗布層全体の重量比で、3〜25重量%の範囲であることが好ましく、5〜15重量%の範囲であることがより好ましく、5〜10重量%の範囲であることがさらに好ましい。3重量%未満の場合、滑り性の付与やブロッキングを防止する効果が不十分となる場合がある。また25重量%を超える場合、塗布層の透明性の低下、塗布層の連続性が損なわれることによる塗膜強度の低下、あるいは易接着性の低下が懸念される。
用いる粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化金属等の無機粒子、あるいは架橋高分子粒子等の有機粒子等を挙げることができる。特に、塗布層への分散性や得られる塗膜の透明性の観点からは、シリカ粒子が好適である。
本発明における塗布層には、塗布面状の向上、塗布面上に種々のマイクロレンズ層やプリズム層等が形成されたときの視認性の向上や透明性を向上させるために上述したウレタン樹脂以外のバインダーポリマーを併用することも可能である。
本発明において「バインダーポリマー」とは高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するものと定義する。
バインダーポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート構造を有しないウレタン樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布層には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料等が含有されてもよい。
本発明において、塗布層中に占める前記ウレタン樹脂の含有量は、通常5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは10〜75重量%である。5重量%未満の場合は、ウレタン樹脂成分が少ないことにより密着性が十分でない場合があり、90重量%を超える場合は、イソシアネート系化合物が少ないことで塗布層がもろくなり、密着性が十分でない場合や、耐湿熱性が十分ではない場合がある。
本発明において、塗布層中に占める前記イソシアネート系化合物の含有量は、通常5〜90重量%、好ましくは10〜85重量%、より好ましくは20〜70重量%である。5重量%未満の場合は、イソシアネート系化合物が少ないことで塗布層がもろくなり、密着性が十分でない場合や、耐湿熱性が十分ではない場合があり、90重量%を超える場合は、ウレタン樹脂成分が少ないことにより密着性が十分でない場合がある。
塗布層中の各種成分の分析は、例えば、TOF−SIMS等の表面分析によって行うことができる。
インラインコーティングによって塗布層を設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の塗布量は、通常0.002〜1.0g/m、より好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.2g/mの範囲である。塗布量が0.002g/m未満の場合は十分な密着性が得られない可能性があり、1.0g/mを超える場合は、外観や透明性、フィルムのブロッキング性が悪化する可能性がある。
本発明において、塗布層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムの塗布層上には、輝度を向上させるため、プリズム層やマイクロレンズ層等を設けるものが一般的である。プリズム層は、近年、輝度を効率的に向上させるため、各種の形状が提案されているが、一般的には、断面三角形状のプリズム列を並列させたものである。また、マイクロレンズ層も同様に各種の形状が提案されているが、一般的には、多数の半球状凸レンズをフィルム上に設けたものである。いずれの層も従来公知の形状のものを設けることができる。
プリズム層の形状としては、例えば、厚さ10〜500μm、プリズム列のピッチ10〜500μm、頂角40°〜100°の断面三角形状のものが挙げられる。プリズム層に使用される材料としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂からなるものが挙げられ、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられる。
マイクロレンズ層の形状としては、例えば、厚さ10〜500μm、直径10〜500μmの半球状のものが挙げられるが、円錐、多角錘のような形状をしていても良い。マイクロレンズ層に使用される材料としては、プリズム層と同様、従来公知のものを使用することができ、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法は下記の通りである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)ガラス転移点の測定
ウレタン樹脂の水分散液をシャーレ内で乾燥させて樹脂皮膜を得た。得られた皮膜をNETZSCH社製DSC 204F Phoenixを用いて、−100℃〜100℃の温度範囲で、10℃/分の速度で昇温させてDSCチャートを測定し、さらに熱容量の変化からガラス転移点を測定した。
(4)密着性の評価方法
ポリエステルフィルムの塗布層上に、下記に示す活性エネルギー線硬化樹脂組成物を硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、紫外線照射装置から紫外線を水銀ランプ80Wで25mJ/cm照射して樹脂を硬化させ<ポリエステルフィルム/塗布層/活性エネルギー線硬化樹脂層>という構成の積層フィルムを得た。その直後(密着性1)およびカッターナイフで5mm間隔にキズをつけて(密着性2)、24mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−24)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、剥離面積が5%以下ならば◎、5%を超え20%以下なら○、20%を超え50%以下ならば△、50%を超えるならば×とした。
・活性エネルギー線硬化樹脂組成物:日本化薬製 KARAYAD DPHAを80重量部、日本化薬製 KARAYAD R‐128Hを20重量部、チバスペシャリティケミカルズ製IRGACURE651を5重量部からなる組成物。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを、Ti(チタン)含有量として5ppmとなるように反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.63のポリエステル(A)を得た。
<ポリエステル(B)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸をP(リン)含有量として1000ppmとなるように添加した後、二酸化ゲルマニウムを加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.65のポリエステル(B)を得た。
<ポリエステル(C)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2μmのシリカ粒子0.2部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いて、極限粘度0.66のポリエステル(C)を得た。
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。ただし文中「部」とあるのは、樹脂固形分での重量比を表す。
(U1:ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂)1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール400部、ネオペンチルグリコール10.4部、シクロヘキサンジイソシアネート58.4部、ジメチロールブタン酸74.3部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られる、Tgが−30℃のポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂の水分散体。
(U2:ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂)1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール80部、数平均分子量400のポリエチレングリコール4部、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)12部、ジメチロールブタン酸4部からなるウレタン樹脂をトリエチルアミンで中和した、Tgが−32℃のポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂の水分散体。
(U3:ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂)1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール400部、ブタンジオール14部、ペンタエチレングリコール15部、イソホロンジイソシアネート100部、ジメチロールプロピオン酸75部からなるウレタン樹脂をトリエチルアミンで中和した、Tgが−3℃のポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂の水分散体。
(U4:ポリエステル構造を有するウレタン樹脂)Tgが10℃の水分散型ポリエステル構造を有するウレタン樹脂(DIC製、ハイドランAP‐30)
(C1:イソシアネート系化合物)ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー158部、数平均分子量が1400のメトキシポリエチレングリコール26部からなるポリイソシアネートのイソシアネート基を、メチルエチルケトンオキシム66部でブロックして得られるブロックイソシアネートと、1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール115部、トリメチロールプロパン1部、イソホロンジイソシアネート40部、ジメチロールプロピオン酸8部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、ジエチレントリアミンで鎖延長して得られるウレタン樹脂を含有する、水性ブロックイソシアネート系化合物。
(C2:イソシアネート系化合物)ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物とマレイン酸からなる数平均分子量2000のポリエステル200部と、ヘキサメチレンジイソシアネート33.6部からなるポリイソシアネートのイソシアネート基を30%重亜硫酸ナトリウム84部でブロックして得られる、ポリエステル樹脂含有ブロックイソシアネート系化合物。
(C3:オキサゾリン化合物)オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤(日本触媒社製、WS‐500)。
(C4:エポキシ化合物)ポリグリセロールポリグリシジルエーテルである、水溶性エポキシ化合物(ナガセケムテックス社製 EX−521)
(C5:メラミン化合物)メトキシメチロールメラミン。
(F1:粒子)粒径65nmのシリカゾル。
実施例1:
ポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ85%、5%、10%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1/18/1の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗布量(乾燥後)が表2に示すような塗布層を有する厚さ188μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムに関して密着性を評価したところ良好であった。このフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例2〜10:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。出来上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり密着性は良好であった。
比較例1〜6:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。出来上がったポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおりであり、密着性が弱いものであった。
Figure 0005476199

Figure 0005476199


本発明のフィルムは、例えば、液晶ディスプレイのバックライトユニット等、マイクロレンズ層やプリズム層と良好な密着性が必要な用途に好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ゲルマニウム化合物またはチタン化合物を触媒として得られたポリエステルを含有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂と、脂肪族または脂環族のイソシアネート系化合物を含有する塗布層を有し、当該塗布層上に、無溶剤型の活性エネルギー線硬化樹脂層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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