JP5475177B1 - ズボンの製作方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 見た目がスリムであり、しかも着用していて楽であり、脚を挙げる等の動作が行い易いズボンを提供する。
【解決手段】 本発明のズボンは、左右の各前身頃1において、前折り山線111が股下十字の位置における前身頃の幅の中心から脇方向に移動量1〜3cm偏位しており、ズボンの左右の各後身頃2において、後折り山線121が前記移動量と同じ分量、脇方向に偏位しており、前折り山線に沿って裾から股下十字の位置より5cm以上上まで折り目が付けられており、後折り山線に沿って裾から股下十字の位置より4cm以上上まで折り目が付けられている。ウエスト部下端から裾までの脇縫い目において、脇縫い目の上方部分が垂直になるようにズボンを配置した場合、脇縫い目168の下方部分が前側に傾いている。
【選択図】 図1

Description

本発明はズボンの製作方法に関する。特に、脚を上げる動作などが行い易く且つスマートに見えるズボンの製作方法に関するものである。
従来のズボンは真っ直ぐに立った状態に合せて形状、寸法が決定されている。そのため、日常生活において立った状態、或いは歩いている状態では何ら問題はない。
一方、最近では、レギュラーパンツ(筒状の股下部の幅が余り狭くないズボン)よりも、スマートに見えるという理由で細身のパンツが好まれる傾向がある。
しかるに、細身のパンツを着用している場合、立った状態、或いは歩いている状態では窮屈でなくても、階段の昇り降りなどのように脚を上げる動作をすると、パンツの膝付近から裾までが上方に持ち上げられるが、その際、ふくらはぎに引っ掛かり、動き難いという問題があり、また、屈む等の動作をする場合も窮屈感がある。
このような問題を解決するには、ポリウレタン糸のようなストレッチ素材が入っている生地を使用したズボンとすればよいが、このようなズボンは膝が抜け易い(膝の部分が外側に膨らんで出っぱる)という問題がある。
一方、本願出願人は先にゴルフをする際に着用するのに適したズボンを特許文献1(特許第5060679号公報)において提案した。このズボンは足を開いた状態で身体を動かし易いように、前身頃と後身頃の折り山線をそれぞれ脇方向に移動して設計されたものである。
特許第5060679号公報
先行文献1の発明では足を開いての大きな動作のし易さに着目しているが、脚を挙げる動作については配慮されていない。特に、引用文献1に開示の第1実施例では従来のズボンと同様に見た目が太めであり、第2実施例のズボンの場合は細身に仕立てるので脚を挙げ難くなると問題がある。
本発明は、従来技術のズボンの問題を解決して、見た目がスリムであり、しかも着用していて楽であり、脚を挙げる等の動作が行い易いズボンの製作方法を提供することを目的とする。
本発明は、ズボンの前身頃のパターンを作図する際に、股上部および股下部の輪郭線を描いた後に、渡り線の中心点を通るズボンの長さ方向の基線である前折り山線を脇方向に移動量1〜3cm平行移動するとともに、脇線および内股線を膝線から下方は元の脇線および内股線に平行に脇方向に前記移動量と同じ分量移動し、膝線から上の脇線および内股線は前記移動した膝線の位置の脇線および内股線と渡り線の位置における元の脇線および内股線とを繋ぐように描いて前身頃の基本パターンを作製し、ズボンの後身頃のパターンの作図においても同様に股上部および股下部の輪郭線を描いた後に、後折り山線を脇方向に前記移動量と同じ分量平行移動するとともに、脇線および内股線を膝線から下方は元の脇線および内股線に平行に脇方向に前記移動量と同じ分量移動し、膝線から上の脇線は前記移動した膝線の位置の脇線と渡り線の位置における元の脇線とを繋ぐように描き、膝線から上の内股線は前記移動した膝線の位置の内股線と元の内股線の上端とを繋ぐように描いて後身頃の基本パターンを作製し、前記前身頃および後身頃の基本パターンにおいて膝線から10〜16cm下方の位置をふくらはぎ線とし、前記前身頃の基本パターンにおいてふくらはぎ線から下方部分における脇線および内股線を前記基本パターンの脇線および内股線よりも前折り山線の方向に1〜5mm移動して描くとともに、該移動した脇線および内股線の上端と前記基本パターンの膝線の位置における脇線および内股線とを繋ぐように描いて、膝線から下方部分の幅を狭めた修正パターンを作製し、前記後身頃の基本パターンにおいてはふくらはぎ線から下方部分における脇線および内股線を前記基本パターンの脇線および内股線よりも後折り山線から離れる方向に前記前身頃で狭めた分量と同じ分量を移動して描くとともに、該移動した脇線および内股線の上端と前記基本パターンの膝線の位置における脇線および内股線とを繋ぐように描いて、膝線から下方部分の幅を広げた修正パターンを作製し、該前身頃および後身頃の修正パターンに基いて生地を裁断し、該裁断した前身頃生地を前記移動後の前折り山線に沿って裾から内股線の上端の位置より5cm以上上までプレスにより折り目を付け、前記裁断した後身頃生地を前記移動後の後折り山線に沿って裾から内股線の上端の位置より4cm以上上までプレスにより折り目を付け、その後、前身頃生地と後身頃生地とを縫製し、膝線付近から下方部分の脇縫い目および内股縫い目を真っ直ぐにするようにプレスすることを特徴とするズボンの製作方法により前記目的を達成する。
本発明の方法により製作されたズボンは、見た目がスリムであり、しかも着用していて楽であり、脚を挙げる等の動作が行い易い。
本発明によれば、ズボンの左右の各前身頃および後身頃において、股下十字の位置においてズボンの前折り山線および後折り山線が中心から脇方向に移動して設計されている。従って、股下十字の位置(ヒップ下)において前側折り目から後側折り目までの幅が狭く、横方向から見た場合にスリムに見える。しかも、前身頃および後身頃において股下十字付近では内股縫い目から前側折り目および後側折り目までの幅が従来よりも広くなっている。このため、内股の部分に従来よりもゆとりができるので、窮屈な感じがしない。
また、本発明の方法により製作されたズボンでは折り目が左右の各前身頃および後身頃において股下十字の位置よりも上方まで付けられているので、横方向から見た場合、足が長く見える。
従来はズボンを仕立てた後に、仕上げプレス工程において折り目をプレスして付けるので、股下から裾までの前身頃と後身頃とを幅方向に半分に折って股下プレスするが、股上部では後側折り目は尻ぐり線(後中心)の上端に向かって付けられる。すなわち、ヒップ下(股下十字の位置)からウエスト方向に後身頃の幅が広がった状態で折り目が付けられる。そのため、外観から着用者の足はヒップ下までの長さであると他者から認識される。
これに対して、本発明のズボンの製造方法においては、前身頃と後身頃とを縫合わせる前に、それぞれ前折り山線と後折り山線に沿ってプレスして折り目を付けるので、股下十字の位置よりも上方まで折り目を付けることができる。
従って、本発明のズボンは折り目が左右の各前身頃および後身頃において股下十字の位置よりも上方まで折り目が付けられているので、折り目の付いているところまでが着用者の足であると外観から判断されることになり、すなわち、足が長く見えることになる。
本発明のズボンの製造方法によれば、前身頃のパターンにおいて膝線から下方部分はふくらはぎ線に向かって幅を狭めて、ふくらはぎ線から裾までは狭めた幅のままとし、後身頃のパターンにおいて膝線から下方部分はふくらはぎ線に向かって幅を広げ、ふくらはぎ線から裾までは広げた幅のままとして、修正パターンを作製している。
このような修正パターンを使用したことにより、製造されたズボンの脚部ではふくらはぎ部の高さにおける周囲長は修正前と同じであるが、ふくらはぎ部における後身頃の幅が広くなり、ゆとりが生じるので、脚を挙げる動作をした際にも、ふくらはぎに引っ掛かることがなく、スムーズに脚を挙げることができる。
本発明のズボンの製造方法によれば、修正パターンに基いて裁断した前身頃と後身頃とを脇線および内股線に沿って縫い合わせるが、膝線から下方部分では前身頃の脇線および内股線はやや凹状であり、逆に後身頃の脇線および内股線はやや凸状である。このような脇線および内股線に沿って縫われた脇縫い目と内股縫い目はやや屈曲する。仕上げプレス工程において、膝線付近から下方部分の脇縫い目および内股縫い目を真っ直ぐにするようにプレスする。
このようにプレスすると、本発明の方法により製作されたズボンにおいては、脇縫い目は膝線より上方の部分に対して下方の部分は前側に傾くことになり、ズボンの裾は後が下がり、前が上がった状態となる。
一般にズボンの丈(裾)は足の踵側で決めるので、ズボンの裾が甲側でたるむ傾向がある。しかし、本発明のズボンでは裾の前側すなわち甲側は踵側より上がっているので、大きくたるんでしまうことがなく、スッキリとしたシルエットとなる。
図1は本発明の方法により製作されたズボンと従来のズボンの形状を比較するための図であり、図1(a)は本発明の方法により製作されたズボンを左右の脚部を重ね合せて平らにした状態でウエストベルトの方向から見た上面図であり、図1(b)は図1(a)に示した状態の本発明のズボンの側面図であり、図1(c)は図1(a)と同様に従来のズボンを平らにした状態での上面図であり、図1(d)は図1(c)に示した状態の従来のズボンの側面図である。 図2はズボンのパターンの一実施例を示す平面図であり、図2(a)は前身頃のパターンを示し、図2(b)は後身頃のパターンを示している。図2(a)および(b)において、実線により本発明のズボンのパターンの基本線および輪郭線を示し、一点鎖線により基本パターンにおける膝線から裾までの内股線と脇線を示し、二点鎖線で従来のレギュラーパンツのパターンの折り山線および股下部の輪郭線(内股線と脇線)を示す。なお、股上部の輪郭線は3つのパターンにおいて共通であり、実線で示している。 図3は図2に示した膝線から下方の部分の拡大図であり、図3(a)は前身頃の部分の拡大図であり、図3(b)は後身頃の部分の拡大図である。実線により本発明のズボンのパターンにおける基本線と膝線から裾までの内股線と脇線を示し、一点鎖線により基本パターンにおける膝線から裾までの内股線と脇線を示している。 本発明のズボンの右脚部の内股上部の拡大平面図である。
従来のレギュラーパンツは真っ直ぐに立った状態に合せて形状、寸法が決定されている。本発明のズボンにおいては、寸法は従来のものと同じであるが、パターンを変更し、同時に縫製およびプレス工程を従来と異なったものとすることにより、着用感が楽であり、足挙げ等の動作が行い易く、しかもスリムに見えるズボンとしている。
本発明のズボンは従来のレギュラーパンツのパターンにおいて折り山線および股下部の内股線と脇線を変更し、更に膝線から下方の内股線と脇線を修正したパターンに基いて製作するものであるので、以下に、従来のズボンのパターン、折り山線および股下部の内股線と脇線を変更した基本パターン、そして、膝線から下方の内股線と脇線を修正したパターンの順に説明する。
図2はズボンの左身頃用のパターンであり、前身頃1と後身頃2からなる(なお、右身頃用パターンはこれらと対称である)。本発明のズボンのパターンと従来のズボンのパターンとでは、折り山線および股下部の内股線と脇線とが異なっているが、他の部分は共通である。異なっている折り山線および股下部の内股線と脇線のみ、従来のパターンを二点鎖線で示した。
図2において、従来のズボンのパターンの基本線は折り山線11、21と渡り線12、22である。渡り線12、22から上が股上部となり、下が股下部となる。膝線13、23はこの位置に膝小僧があるわけではなく、ズボンの筒状部にアクセント(例えば、直線から曲線に切り替える)をつける位置であり、一般に裾線14、24から股下寸法の1/2+4〜15cmの位置である。図2では膝線13、23は裾線14、24から股下寸法の2/3の位置にとった。膝線13、23から裾までの長さが長い方が足長効果がでる。
図2(a)に示すように、前身頃1においては渡り線12の位置で前折り山線11の左右に同寸法に点15、16をとる。点15は内股線17の上端となる。点16は脇線18が通る。渡り線12の長さはデザインやゆとり等によっても異なるが、(尻囲寸法×1/4+小股幅)程度とするのが一般的である。
点16は仕立てられたズボンにおいては股下十字(左右脚部の内股縫い目と尻縫い目が出会う股底の箇所)に位置する。
膝線13の位置でも前折り山線11の左右に同寸法に点31、32をとり、膝幅(なお、膝幅はデザインの関係で裾口幅と同じでも、狭くても、広くてもよい)とする。図2に示したパターンでは膝幅は裾口幅よりもやや広い。また、裾線14の位置でも所望の裾口幅よりやや狭い寸法(前身頃の裾幅)を前折り山線11の左右に同寸法で振り分けて点33、34をとる。
このように前折り山線11は股下部の幅方向の中心となる線である。
内股線17は点15、31、33を結ぶ線であり、線分15−31(点15と点31を結ぶ線)はややカーブし、点33から上に向かって直角に10cm程度線を引き、その上端と点31を直線で結ぶ。
脇線18は点34、32、16、35を結ぶ線であり、線分16−32はややカーブし、点34から上に向かって直角に10cm程度線を引き、その上端と点32を直線で結ぶ。
なお、線分15−36は股上部の設計(股上寸法、小股幅、ウエスト寸法、ゆとり分、デザイン等)により決まり、小股および前中心となるものである。線分16−35は股上部の脇線であり、股上部の設計(股上寸法、ウエスト寸法、ゆとり分、デザイン等)により決まり、ややカーブしている。
図2(b)に示すように、後身頃2においても、膝線23の位置で後折り山線21の左右に同寸法に点41、42をとり、膝幅とする。また、裾線24の位置でも所望の裾口幅より広い寸法(後身頃の裾幅)を後折り山線21の左右に同寸法で振り分けて点43、44をとる。なお。通常、前身頃の膝幅(線分31−32の長さ)および裾幅(線分33−34の長さ)よりも後身頃の膝幅(線分41−42の長さ)および裾幅(線分43−44の長さ)の方が広い。
このように後折り山線21は股下部の幅方向の中心となる線である。
内股線27は点25、41、43を結ぶ線であり、線分25−41はややカーブし、点43から上に向かって直角に10cm程度線を引き、その上端と点41を直線で結ぶ。
脇線28は点44、42、26、45を結ぶ線であり、線分26−42はややカーブし、点44から上に向かって直角に10cm程度線を引き、その上端と点42を直線で結ぶ。
なお、線分25−46は股上部の設計(股上寸法、小股幅、ウエスト寸法、ゆとり分、デザイン等)により決まり、尻ぐり線(後中心)29となるものである。線分26−45は股上部の脇線であり、股上部の設計(股上寸法、ウエスト寸法、ゆとり分、デザイン等)により決まり、ややカーブしている。
このパターンに基いて裁断・縫製したズボンにおいて、前身頃1の内股線17と後身頃2の内股線27が縫合わされる。図2に示したパターンにおいては、点25は渡り線22より下がっているが、縫製する際には前身頃1の点15と後身頃2の点25が出会うようにして縫合わされ、内股縫い目となる。前身頃1の脇線18と後身頃2の脇線28が縫合わされ、脇縫い目となる。また、左右脚部の尻ぐり線29は縫合わされ、尻縫い目となる。
このように、パターン上の点15、25は、仕立てられたズボンにおける股下十字の箇所となる。ズボンの左右の各前身頃において、前身頃の裾幅の中心と股下長さの半分の位置(膝線13より下である)における前身頃の幅の中心とを通る前折り山線が、股下十字の位置における前身頃の幅の中心に位置する。同様に、ズボンの左右の各後身頃において、後身頃の裾幅の中心と股下長さの半分の位置における後身頃の幅の中心とを通る後折り山線が、股下十字の位置における後身頃の幅の中心に位置する。
次に、前述したような従来の手法に従ってパターンを作図した後、折り山線および股下部の内股線と脇線を変更する基本パターンの作図について説明する。なお、図2において基本パターンにおける膝線から下の内股線と脇線は一点鎖線で示したが、折り山線、膝線から上の内股線と脇線は最終の修正パターンでも同じであるので実線で示している。
前身頃1において、渡り線12の中心点を通るズボンの長さ方向の基本線である前折り山線11を脇方向〔図2(a)では右方向〕に、すなわち脇線の方へ平行に移動する。この際、移動する分量(移動量)は1〜3cmであり、例えば2cm移動する。移動後の前折り山線111を実線で示した。
内股線117を膝線13から下方は二点鎖線で示した元の内股線17に平行に脇方向に移動する。移動する分量は前折り山線111の移動量と同じであり、例えば、前折り山線111を2cm移動した場合は、内股線117も2cm移動する。移動後の膝線13から下方の内股線117を一点鎖線で示した。膝線13から上方の内股線117は点131と渡り線12の位置の点15(元の内股線の上端)とを滑らかなカーブで繋ぐ(実線で示した)。
同様に、脇線118を膝線13から下方は元の脇線18に平行に脇方向に移動する。移動する分量は前折り山線111の移動量と同じであり、例えば、前折り山線111を2cm移動した場合は、脇線118も2cm移動する。移動後の膝線13から下方の脇線118を一点鎖線で示した。膝線から上方の脇線118は点132と点16(渡り線12の位置における元の脇線の点)とを滑らかなカーブで繋ぐ(実線で示した)。
ズボンの後身頃のパターンの作図においても同様に股上部および股下部の輪郭線を描いた後に、後折り山線21を前折り山線111の移動量と同じ分量、脇方向〔図2(b)では左方向〕に平行移動する。移動後の後折り山線121を実線で示した。内股線127および脇線128を膝線13から下方は元の内股線27および脇線28に平行に脇方向に前折り山線111の移動量と同じ分量移動する。膝線13から下方の移動後の内股線127および脇線128を一点鎖線で示した。膝線13から上方の内股線127は移動後の点141(膝線23の位置の点)と点25(元の内股線の上端)とを滑らかなカーブで繋ぐ(実線で示した)。膝線23から上方の脇線128は移動後の点142と点26(渡り線22の位置における元の脇線の点)とを滑らかなカーブで繋ぐ(実線で示した)。
このようにして、ズボンの前身頃および後身頃の基本パターンを作製する。
次に、図2および図3に基いて、本発明のズボンの修正パターンの作図方法を説明する。なお、図3は図2の膝線から下方部分の拡大図であるが、分かりやすくするために図2における従来パターン(二点鎖線で示した)を省略している。また、分かりやすくするために、実際のパターンにおける幅に対する移動量の割合よりも、移動量を大きくして描いている。
前身頃1および後身頃2の基本パターンにおいて膝線13、23から10〜16cm下方の位置をふくらはぎ線10、20とする。ふくらはぎ線は人体におけるふくらはぎが最も太い位置を想定したものであるが、実際の人体では背丈などによってふくらはぎが最も太い位置にはバラツキが生じる。多人数を3D計測した結果、膝とふくらはぎ(太い箇所)との間隔は殆ど10〜16cmの間にあった。ふくらはぎ線10、20は膝線13、23から下方に10cmから16cmの間の位置にあればよく、例えば13cmとして設定する。
図3(a)に示すように、前身頃1の基本パターンにおいて、ふくらはぎ線10から下方部分における内股線217bを基本パターンの内股線117よりも前折り山線111の方向に1〜5mm移動して描き、内股線217bの上端210と基本パターンの膝線13の位置における内股線117の点131とを繋ぐように内股線217a描く。この際、上端210の箇所が尖らないように滑らかに内股線217aと内股線217bとを繋ぐことが好ましい。
同様に、ふくらはぎ線10から下方部分における脇線218bを基本パターンの脇線118よりも前折り山線111の方向に1〜5mm移動して描き(移動量は内股線217bと同じ)と、脇線218bの上端211と基本パターンの膝線13の位置における脇線118の点132とを繋ぐように脇線218a描く。この際、上端211の箇所が尖らないように滑らかに脇線218aと脇線218bとを繋ぐことが好ましい。
このようにして、前身頃1の膝線13から下方部分の幅を狭めた修正パターンを作製する。
図3(b)に示すように、後身頃2の基本パターンにおいては、ふくらはぎ線20から下方部分における内股線227bを基本パターンの内股線127よりも後折り山線121から離れる方向に1〜5mm移動して描き(移動方向は逆であるが、移動量は前身頃の内股線217bと同じ)、内股線227bの上端220と基本パターンの膝線23の位置における内股線127の点141とを繋ぐように内股線227a描く。この際、上端220の箇所が尖らないように滑らかに内股線227aと内股線227bとを繋ぐことが好ましい。
同様に、ふくらはぎ線20から下方部分における脇線228bを基本パターンの脇線128よりも後折り山線121から離れる方向に1〜5mm移動して描き(移動方向は逆であるが、移動量は前身頃の脇線218bと同じ)、脇線228bの上端221と基本パターンの膝線23の位置における脇線128の点142とを繋ぐように脇線228a描く。この際、上端221の箇所が尖らないように滑らかに脇線228aと脇線228bとを繋ぐことが好ましい。
このようにして、後身頃2の膝線23から下方部分の幅を広げた修正パターンを作製する。
図2(a)および(b)において実線で示した前身頃および後身頃の修正パターンに基いて生地を裁断する。そして、前身頃および後身頃を縫合わせる前に、前身頃生地および後身頃生地の移動後の折り山線111、121に沿ってプレスして折り目を付ける。この場合、前身頃生地では移動後の前折り山線111に沿って裾から内股線の上端15の位置より5cm以上上まで、好ましくは前身頃の上縁まで、プレスにより折り目を付ける。他方、後身頃生地では移動後の後折り山線121に沿って裾から内股線の上端25の位置より4cm以上上まで、好ましくはヒップライン52付近まで、プレスにより折り目を付ける。
この折り目(プリーツ)を付ける際、熱と圧力によるプレス仕上げだけでよいが、ウール素材の生地の場合はシロセット加工やリントラク加工を行ったり、綿素材の生地の場合はリントラク加工を行ったりしてもよい。また、合成繊維の素材の生地の場合はプレスだけで充分熱セットできるが、リントラク加工を行ってもよい。
その後、通常通りに、前身頃生地と後身頃生地とを縫製してズボンを仕立てる。そして、仕上げプレスを行う際に、ズボンの筒状の脚部において、膝線付近から下方部分の脇縫い目および内股縫い目がわずかであるが、歪んでいるので、ここを真っ直ぐにするようにプレスする。
膝線付近から下方部分の脇縫い目および内股縫い目が歪む理由は、膝線13、から下方部分では前身頃1の脇線218および内股線217はやや凹状であり、逆に後身頃2の脇線228および内股線227はやや凸状であり、凹部と凸部を縫合わせるために、屈曲する。
すなわち、図3に示すように、前身頃1の膝線13から下方部分では、内股線217は点131と点233を結ぶ直線(図示せず)に対して点210は前折り山線111側に位置するので、線分217aと線分217bは全体として凹状となる。同様に、脇線218は点132と点234を結ぶ直線(図示せず)に対して点211は前折り山線111側に位置するので、線分218aと線分218bは全体として凹状となる。
一方、後身頃2の膝線23から下方部分では、内股線227は点141と点243を結ぶ直線(図示せず)に対して点220は後折り山線121とは反対側に位置するので、線分227aと線分217bは全体として凸状となる。同様に、脇線228は点142と点244を結ぶ直線(図示せず)に対して点221は後折り山線121とは反対側に位置するので、線分228aと線分228bは全体として凸状となる。
そして、凸部と凹部を縫合わせると、真っ直ぐな縫い目とはならず、歪んだ縫い目となる。このように歪んだ縫い目を仕上げプレス工程において、膝線付近から下方部分の内股縫い目および脇縫い目を真っ直ぐにするようにプレスする。
このようにプレスすると、前身頃生地および後身頃生地の地の目が変形して、膝線付近から下方部分が前側に移動した状態となり、脇縫い目は膝線より上方の部分に対して下方の部分は前側に傾く。すなわち、本発明のズボンにおいては、図1(b)に示すように、ウエスト部下端から裾までの脇縫い目において、脇縫い目168の上方部分が垂直になるようにズボンを配置した場合、脇縫い目168の下方部分が前側に傾いている。
これに対して、図1(d)に示す従来のズボンでは、脇縫い目68の上方部分が垂直になるようにズボンを配置した場合、ズボンの脇縫い目68は裾まで垂直になる。
また、図1(a)に示すように、本発明の方法により製作されたズボンを上から見ると、後側折り目121がヒップライン52付近までプレスで付けられているので、ウエストベルト3の後中心が窪んでいる。また、前折り山線を脇方向に移動したことにより、前身頃の股上部は外側部(前側折り目から脇縫い目まで)の幅が狭く、内側部(前側折り目から前中心まで)の幅が広くなっている。
これに対して図1(c)に示したように、従来のズボンを上から見ると、ウエストベルト3は後中心で2つ折りにされており、前身頃の股上部の内側部は本発明のズボンに比較すると幅が狭い。
本発明のズボンのパターンでは、前身頃1および後身頃2の折り山線111および121を脇方向に移動したことにより、渡り線12、22付近において、折り山線から内股線までの幅が広くなり、逆に折り山線から脇線までの幅が狭くなっている。従って、図4に示すように、本発明のズボンにおいては、股下十字付近では内股縫い目169から前側折り目111および後側折り目121までの幅が従来よりも広くなっている。このため、内股の部分に従来よりもゆとり1a、2aができる。このようなゆとりがあるので、動きやすく、また、着用者に窮屈な感じを与えない。着用者の内腿に贅肉がついている場合にも、その部分にゆとりがあるので、窮屈感が生じない。
1 前身頃
2 後身頃
11 従来の前折り山線
21 従来の後折り山線
111 本発明の前折り山線
121 本発明の後折り山線
12、22 渡り線
13、23 膝線
10、20 本発明のふくらはぎ線
15、25 内股線の上端
16、26 渡り線の位置における脇線
17、27 従来の内股線
117、127 本発明における基本パターンの内股線
217、227 本発明の内股線
18、28 脇線
118、128 本発明における基本パターンの脇線
218、228 本発明の脇線
131、141 膝線の位置における本発明の内股線の点
132、142 膝線の位置における脇線の点
210、220 ふくらはぎ線の位置における内股線の点
211、221 ふくらはぎ線の位置における脇線の点

Claims (1)

  1. ズボンの前身頃のパターンを作図する際に、股上部および股下部の輪郭線を描いた後に、渡り線の中心点を通るズボンの長さ方向の基線である前折り山線を脇方向に移動量1〜3cm平行移動するとともに、脇線および内股線を膝線から下方は元の脇線および内股線に平行に脇方向に前記移動量と同じ分量移動し、膝線から上の脇線および内股線は前記移動した膝線の位置の脇線および内股線と渡り線の位置における元の脇線および内股線とを繋ぐように描いて前身頃の基本パターンを作製し、ズボンの後身頃のパターンの作図においても同様に股上部および股下部の輪郭線を描いた後に、後折り山線を脇方向に前記移動量と同じ分量平行移動するとともに、脇線および内股線を膝線から下方は元の脇線および内股線に平行に脇方向に前記移動量と同じ分量移動し、膝線から上の脇線は前記移動した膝線の位置の脇線と渡り線の位置における元の脇線とを繋ぐように描き、膝線から上の内股線は前記移動した膝線の位置の内股線と元の内股線の上端とを繋ぐように描いて後身頃の基本パターンを作製し、前記前身頃および後身頃の基本パターンにおいて膝線から10〜16cm下方の位置をふくらはぎ線とし、前記前身頃の基本パターンにおいてふくらはぎ線から下方部分における脇線および内股線を前記基本パターンの脇線および内股線よりも前折り山線の方向に1〜5mm移動して描くとともに、該移動した脇線および内股線の上端と前記基本パターンの膝線の位置における脇線および内股線とを繋ぐように描いて、膝線から下方部分の幅を狭めた修正パターンを作製し、前記後身頃の基本パターンにおいてはふくらはぎ線から下方部分における脇線および内股線を前記基本パターンの脇線および内股線よりも後折り山線から離れる方向に前記前身頃で狭めた分量と同じ分量を移動して描くとともに、該移動した脇線および内股線の上端と前記基本パターンの膝線の位置における脇線および内股線とを繋ぐように描いて、膝線から下方部分の幅を広げた修正パターンを作製し、該前身頃および後身頃の修正パターンに基いて生地を裁断し、該裁断した前身頃生地を前記移動後の前折り山線に沿って裾から内股線の上端の位置より5cm以上上までプレスにより折り目を付け、前記裁断した後身頃生地を前記移動後の後折り山線に沿って裾から内股線の上端の位置より4cm以上上までプレスにより折り目を付け、その後、前身頃生地と後身頃生地とを縫製し、膝線付近から下方部分の脇縫い目および内股縫い目を真っ直ぐにするようにプレスすることを特徴とするズボンの製作方法。
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