JP5471047B2 - 光拡散フィルム - Google Patents

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本発明は、光散乱性材料に関し、さらに詳しくは、照明カバー、照明看板、各種ディスプレイ、あるいは透過型スクリーン等、光の拡散を目的とする部材に好適に用いることができる光拡散層を有する光拡散フィルムに関するものである。
従来から、照明カバー、照明看板、各種ディスプレイ、あるいは透過型スクリーン等において、光源の光を均一に広げ視認性を高めるために光拡散層を有する光拡散フィルムが用いられている。例えば、パーソナルコンピューターや携帯電話、デジタルカメラなどに装備されている液晶ディスプレイ装置においては、バックライトと液晶表示素子の間に光拡散フィルムを配置することにより、バックライトの光をディスプレイ全体に均一に広げている。
一例として図1に、液晶ディスプレイ装置のバックライト周辺の一般的な構成を示す。光源2から照射された光は、導光板3および反射板4を経て、光拡散フィルム1によって面方向に均一に拡散通過され、拡散フィルム上方に配備された液晶表示素子部5に導かれる。
図2に一般的な光拡散フィルムの構成を示す。透明な基材6の片面に、光拡散剤7と、透明バインダー樹脂8とからなる光拡散層が積層される(たとえば特許文献1)。基材6としてはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、アセチルセルロースなどの透明樹脂からなる樹脂フィルム、あるいはガラスなどの透明無機物質が用いられる。また、光拡散剤としてはガラス、アクリル樹脂、スチレン樹脂、MS樹脂(スチレン/メタクリル酸メチル共重合体)、シリコーン樹脂などからなる微粒子が、バインダーとしてはアクリルやポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。通常、光拡散フィルムは、光拡散層が積層されていない面が光源側の面となるよう配置される。
また、光拡散フィルムのもう一方の面には、いくつかの目的で積層体9が形成される。具体的には、導光板からの光の反射を防ぐ反射防止層(特許文献2)や、導光板との密着を防ぐブロッキング防止層(特許文献3、4、5)、導光板の傷つきを妨げる傷つき防止層(特許文献6)などがある。
近年、液晶ディスプレイのバックライト用光拡散フィルムや有機EL照明における光取出し層に用いられるフィルムなどには、光の高透過率と高拡散率の両立が要求されている。しかし、光の透過率(全光線透過率)を高めようとすると、光拡散剤の量を低減せざるを得ない事から光拡散率が低下し、逆に光拡散率を高めようとすると光拡散剤の添加量を増量せざるをえず、この結果として全光線透過率が低下する。
特開2008−250129号公報 特開平10−239504号公報 特開2006−126822号公報 特開2007−286166号公報 実用新案2529650号公報 国際公開第03/032074号パンフレット
本発明は、光透過率と光拡散率が共に優れ、各種ディスプレイの光源装置や照明用途などに好適に用いることができる光拡散フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、透明基材上に、ポリアミド多孔質粒子からなる光拡散剤を含む光拡散層を積層した光拡散フィルムであって、光拡散層における光拡散剤の含有量が25〜60重量%、次式で定義される全光線透過率の変化率ΔT%が1以上、かつ、ヘイズの変化率ΔH%が0.5以上であることを特徴とする光拡散フィルムである。
Figure 0005471047
Figure 0005471047

(ただし、TF→B、HF→Bは光拡散層を積層した面から光を入射したときの全光線透過率TおよびヘイズHをそれぞれ表し、TB→F、HB→Fは光拡散層を積層した面の裏側から光を入射したときの全光線透過率TおよびヘイズHをそれぞれ表す。)
本発明に用いるポリアミド多孔質粒子は、ポリアミドを溶解させる良溶媒中にポリアミドを溶解させたポリアミド溶液(A)とポリアミドを溶解させることができない非溶媒(B)とを混合して一時的に均一な混合溶液を形成し、その後静置する方法で製造された、結晶化度が40%以上のポリアミド多孔質粒子であるのが好ましい。
本発明の光拡散フィルムは、光拡散層を積層した面を光源側に配置することにより、光の透過率と拡散率が共に優れた光拡散フィルムとして用いることができる。また、本発明の光拡散フィルムは導光板との密着を防ぐ効果も有する。
本発明の光拡散フィルムは、透明な基材の片面に、光拡散剤および透明バインダー樹脂からなる光拡散層を積層することで作成する。図3に本発明の構成を示す。本発明の光拡散フィルムは、通常の光拡散フィルムと異なり、光拡散層を積層した面を光源側(導光板側)に配置して使用する光拡散フィルムである。
本発明に用いられる光拡散剤は多孔質粒子からなるものであればよく、具体的には、多孔質シリカ粒子、多孔質アクリル粒子およびポリアミド多孔質粒子などが挙げられる。このうちシリカのような無機材料からなる多孔質粒子は導光板を傷つけやすいため、有機材料からなる多孔質粒子のほうが好ましい。特に、透明バインダー樹脂としてよく用いられるアクリル樹脂に対する屈折率差が大きく、光散乱性が高くなるポリアミド多孔質粒子が好ましい。
多孔質粒子を構成するポリアミドとしては、公知の種々のものを用いることができる。例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等の環状アミドの開環重合、またはε−アミノカプロン酸、ω−アミノドデカン酸、ω−アミノウンデカン酸などのアミノ酸の重縮合で得られるポリアミドを挙げることができる。また、蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などのジカルボン酸またはその誘導体と、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、m−キシリレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどのジアミンを重縮合して得られるポリアミドを挙げることもできる。
用いるポリアミドの融点は110〜320℃であるのが好ましい。特に、140〜280℃であるのが好ましい。融点が110℃より低いと、加工時の熱安定性に問題が生じる場合がある。
具体的なポリアミドとして、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド66/6T(Tはテレフタル酸成分を表す)、ポリアミド46、ポリアミド9Tなどを挙げることができるが、ポリアミド6またはポリアミド66が好ましい。また、これらポリアミドは二種類以上を混合して用いることもできるし、共重合体として用いることもできる。
本発明に用いられる多孔質粒子の形状に制限はなく、球状、略球状、勾玉(C型)状、もしくはダンベル状などの任意の形状のものを用いることができるが、70重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上が一種類の粒子形状で構成された均一な粒子であることが望ましい。
多孔質粒子の数平均粒子径は0.1〜30μmが好ましく、より好ましくは1〜20μmである。数平均粒子径が0.1μmより小さいと可視光のレイリー散乱領域となるため前方散乱効果が低くなるため好ましくない。また数平均粒子径が30μmより大きいと光拡散層の厚みが厚くなるため好ましくない。
また、粒子径分布において、数平均粒子径(または数基準平均粒子径)に対する体積平均粒子径(または体積基準平均粒子径)の比が1〜2.5であることが好ましい。数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(粒度分布指数PDI)が2.5より大きいと、粉体としての取り扱いが悪くなる。
多孔質粒子のBET比表面積は、3〜120m/gであることが好ましい。比表面積が3m/gより小さいと内部散乱効果が少なくなり好ましくない。また比表面積が120m/gより大きくなると粉体の表面エネルギーが高く凝集しやすくなるため、光拡散層形成時に均一な分散層が作りにくくなるので好ましくない。
また、平均細孔径は、0.01〜0.8μmであることが好ましい。平均細孔径が0.01μmより小さければ、細孔内に樹脂バインダー等が十分に入り込めないことから、気泡が残り形成した光拡散層に散乱ムラが生じることがある。また、平均細孔径が0.8μmより大きければ、可視光の波長領域以上の大きさを持つことにより、散乱特性が落ちることがある。
多孔質粒子の多孔度指数(RI)は、5〜100が好ましい。ここで多孔度指数(RI)とは、同じ直径の平滑な球状粒子の比表面積(Sp)に対する、多孔質の球状粒子の比表面積(Sp)の比(Sp/Sp)と定義する。多孔度指数が5より小さければ、細孔体積が小さいために光の多重散乱特性が失われて、散乱性が落ちることがある。多孔度が100より大きいと、取り扱いづらくなる。
本発明に用いられるポリアミド多孔質粒子は、DSCで測定された結晶化度が40%以上であることが好ましい。結晶化度は、X線解析より求める方法、DSC測定法により求める方法、密度から求める方法があるが、DSC測定法により求める方法が好適である。結晶化度が40%より低いと、多孔質粒子を熱加工する際に溶融しやすくなり好ましくない。
ポリアミド多孔質粒子は、相分離法などの公知の方法で製造することができる。例えば、室温付近においてポリアミドを溶解させる良溶媒中にポリアミドを溶解させたポリアミド溶液(A)に、室温付近でポリアミドを溶解させることができない非溶媒(B)を混合することでポリアミドの溶解度を低下させて析出させる方法を用いて製造することができる。特に、溶液(A)と非溶媒(B)とを混合して一時的に均一な混合溶液を形成し、その後静置する方法で製造することが好ましい。この方法により表面積が大きく、粒子系分布が狭く、結晶化度が高い多孔質ポリアミド粒子が得られる。この粒子は単一粒子そのものが球晶構造を有した多孔質粒子となり、本発明の光拡散剤として好適に使用できる。
「単一粒子そのものが球晶構造」であるとは、一つの単独粒子の中心付近の単数または複数のコアから高分子フィブリルが三次元等方あるいは放射状に成長して形成した結晶性高分子特有の球晶構造であることを意味する。
本発明に用いられる透明バインダー樹脂としては、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、MS樹脂およびそれらのオリゴマーやモノマー混合物などを挙げることができる。
本発明に用いられる透明な基材の材質としては、透明樹脂であるポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、アセチルセルロースからなる樹脂フィルム、あるいはガラスなどの透明無機物質のシートなどを挙げることができる。
本発明の光拡散フィルムの光拡散層は、まず透明バインダー樹脂および溶媒、さらに必要に応じて、重合開始剤や酸化防止剤、光安定化剤、帯電防止剤などを配合した溶液組成物と、多孔質粒子からなる光拡散剤とを分散機や攪拌によって均一分散スラリー体とし、次いでこのスラリー体を透明基板上に塗布して硬化させることで積層する事ができる。このとき、前記溶液組成物の代わりに市販の透明性塗料を用いても良い。
具体的には、前記均一分散スラリー体をスプレー法、ディッピング法、カーテンフロー法、ロールコーター法、印刷法等の手段を用いて透明基板の表面に均一に塗布し、紫外線照射又は加熱で硬化させる方法が用いられる。また、多孔質粒子からなる光拡散剤を直接透明性基板に接着剤等で接着してもよい。
本発明の光拡散フィルムは、次式で定義される全光線透過率の変化率ΔT%が1以上、かつ、ヘイズの変化率ΔH%が0.5以上であることが好ましい。より好ましくはΔT%が2以上、かつ、ヘイズの変化率ΔH%が0.7以上、特にΔT%が3以上、かつ、ヘイズの変化率ΔH%が1以上であるのが好ましい。
Figure 0005471047
Figure 0005471047
(ただし、TF→B、HF→Bは光拡散層を積層した面から光を入射したときの全光線透過率TおよびヘイズHをそれぞれ表し、TB→F、HB→Fは光拡散層を積層した面の裏側から光を入射したときの全光線透過率TおよびヘイズHをそれぞれ表す。)
上記において、ΔT%およびΔH%が0以上であれば本発明の効果である、光透過性および光拡散性の両者が向上していることを示し、数値が大きければ大きいほど、光透過性または光拡散性が優れていると判断できる。
本発明における光拡散フィルムの光拡散層中の多孔質粒子の含有量は、膜厚にもよるが25〜60重量%が好ましい。さらに好ましくは、30〜50重量%である。含有量が20重量%未満では、本発明の効果が発現しないことがある。一方、60重量%を超えると、光拡散層の厚みを均一にするのが困難となるので好ましくない。光散乱層の膜厚は、通常、5〜100μmである。好ましくは、8〜50μmの範囲である。
以上のようにして製造することができる本発明の光拡散フィルムは、光拡散層を積層した面を光源側に配置した場合に光の透過率と拡散率が共に優れ、照明カバー、照明看板、各種ディスプレイ、透過型スクリーン等の光源装置に好適に用いることができる。また、LEDや有機EL照明など光拡散光が必要な種々の用途に適用する事ができる。特に、液晶表示装置用バックライトユニットを構成する光拡散フィルムとして利用するのに好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また結晶化度、粒子径、平均細孔径、空孔率、比表面積、全光線透過率、ヘイズなどの測定は次のように行なった。
(結晶化度)結晶化度は、DSC(示差走査熱量計)で測定した。具体的には、流速40ml/min窒素気流中で、昇温速度5℃/min、温度範囲120〜230℃の吸熱ピークの面積から求めた結晶融解熱と、既知のポリアミドの結晶融解熱量との比(下式)から求めた。なお、ポリアミド6の融解熱は、 R.Viewegら、kunststoffeIV polyamide、218頁、Carl Hanger Verlag、1966年の記載により、45cal/gとした。
Figure 0005471047
χ ;結晶化度(%)
ΔHobs;サンプルの融解熱 (cal/g)
ΔH;ポリアミドの融解熱 (cal/g)
(平均粒子径)平均粒子径および粒子径分布は、電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡 SEM)を用いて、微粒子100個の平均値として測定した。数平均粒子径、体積平均粒子径および粒子径分布指数(PDI)は次式で表される。
数平均粒子径:
Figure 0005471047
体積平均粒子径:
Figure 0005471047
粒子径分布指数:
Figure 0005471047
ここで、Xi;個々の粒子径、nは測定数である。
(比表面積)比表面積は、窒素吸着によるBET法で3点測定をおこなった。
(平均細孔径・空孔率)平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した。測定範囲は、0.0036から14μmの範囲で平均細孔径を求めた。ポリアミド多孔質微粒子の空孔率は、1個の粒子中のポリアミドの体積と空間体積の割合を表す。ここで、ポリアミドの密度をρとして、空孔率(porousity)を次式で表すことができる。ここで、
Vp;粒子内空孔体積、
Vs;粒子内ポリマー体積とする。
Figure 0005471047
即ち、粒子内累積細孔容積(P)とすると
Figure 0005471047
で表される。
細孔径に対する累積細孔容積の図から、粒子内累積細孔容積を算出し、下式に従って、粒子内空孔率を算出する。このときポリアミド微粒子の密度ρは、DSCで求めた結晶化度χと結晶密度ρc、非晶密度ρaから求めた。ここでポリアミド6の結晶密度(ρc)は1.23cm/g、非晶密度(ρa)は1.09cm/gとした。
Figure 0005471047
ポリアミド多孔質微粒子の多孔質度(RI)は、同一粒子径で真球状微粒子を仮定したときの比表面積値Spと多孔質微粒子の場合のBET比表面積Spの比で表すことができる。また、
Figure 0005471047
Figure 0005471047
で求められる。dは粒子の直径、ρは密度である。
全光線透過率(T)、およびヘイズ(H)は日本電色工業製のヘイズメーターNDH5000を用い、JIS K7361−1およびJIS K7136に準拠して測定した。
(参考例1)
ポリアミド6(宇部興産社製、「1010X1」、数平均分子量8000)100gを70℃でフェノール810gに完全に溶解した後、イソプロピルアルコールを90g加えて攪拌しながら徐冷し、ポリアミド濃度10重量%のフェノール/イソプロピルアルコール溶液を得て、常温で保持した。イソプロピルアルコール4kgと水2.5kgからなる混合液6.5kgを5℃で作成し、前記ポリアミド溶液と混合して、溶液が均一になった時点で攪拌を停止して静置し、ポリアミド6粒子を析出させた。2時間静置後、析出した粒子をろ紙を用いてろ別し、ろ紙上で25℃のイソプロピルアルコール10000mlで5回洗浄を行なった。次に、熱風乾燥機を用いて温度60℃で8時間乾燥した。さらに真空乾燥機を用いて温度60℃で8時間乾燥した。乾燥した粒子10gを保温付きソックスレー抽出器に充填し、抽出器内でイソプロピルアルコールを10時間還流した後、粒子を水10重量%スラリーにして、180℃にて噴霧乾燥を行い、ポリアミド6からなるポリアミド多孔質粒子を得た。得られた粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径5.1μm、体積平均粒子径6.3μmの多孔質球晶状粒子であった。PDIは1.23であった。BET比表面積は28.2m/g、平均細孔径は、0.130μm、結晶化度は57%であった。
(実施例1)
参考例1で作成したポリアミド多孔質粒子5重量部にMS樹脂15重量部およびトルエン80重量部を分散させて、均一分散スラリー体を作成した。このスラリー体を市販のトリアセチルセルロース樹脂フィルム(膜厚80μm)上にバーコーターを用いてコーティングし、その後加熱処理し光拡散層を積層した。このときの光拡散層の厚みは8μmであった。このフィルムの光拡散層を積層した面から光を入れたとき、およびその反対の面から光を入れたときの全光線透過率およびヘイズ値を測定した。結果を表1に示した。
(実施例2)
ポリアミド多孔質粒子の重量を15重量部、MS樹脂の重量を20重量部にした以外は、実施例1と同様にして光拡散フィルムを作成した。結果を表1に示した。
(比較例1)
ポリアミド多孔質粒子の代わりに積水化成品工業製テクポリマーMBX−5(5μm)を5重量部配合した以外は、実施例1と同様にして光拡散フィルムを作成した。結果を表1に示した。
(実施例3)
参考例1で作成したポリアミド多孔質粒子30重量部にウレタンアクリレート系オリゴマー(日本合成化学製UV−7600B)50重量部、光重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(和光純薬製)0.8重量部およびトルエン50重量部を均一分散させて、スラリー体を作成した。このスラリー体を無アルカリガラス(t=1mm)にバーコーターにてコーティング後、UV照射(850mJ/cm)により硬化、乾燥処理をおこない、光拡散層を積層したフィルムを作成した。結果を表1に示した。
(実施例4)
ポリアミド多孔質粒子の重量を25重量部とした以外は、実施例3と同様にして光拡散フィルムを作成した。結果を表1に示した。
(実施例5)
ポリアミド多孔質粒子の重量を20重量部とした以外は、実施例3と同様にして光拡散フィルムを作成した。結果を表1に示した。
(比較例2)
ポリアミド多孔質粒子の重量を15重量部とした以外は、実施例3と同様にして光拡散フィルムを作成した。結果を表1に示した。
(比較例3)
ポリアミド多孔質粒子の重量を10重量部とした以外は、実施例3と同様にして光拡散フィルムを作成した。結果を表1に示した。
(参考例2)
ポリアミド6(宇部興産社製、1011FK、分子量11,000)100gを、70℃にてフェノール溶液810gに溶解し、イソプロピルアルコールを90g加えて攪拌しながら徐冷し、ポリアミド濃度10重量%のフェノール/イソプロピルアルコール溶液を得て、常温で保持した。この溶液に、攪拌しながら、2−プロパノール5kgと水3kgからなる混合液8kgを常温で15秒かけて投入した。溶液が均一になった時点で攪拌を停止して静置し、ポリアミド6粒子を析出させた。30分静置後、析出した粒子をろ紙を用いてろ別し、ろ紙上で25℃の2−プロパノール1000mlで5回洗浄を行ない、真空乾燥機を用いて温度60℃で8時間乾燥した。次に、乾燥した粒子を保温付きソックスレー抽出器に充填し、抽出器内で2−プロパノールを10時間還流した後、イオン交換水10重量%スラリーにして、180℃にて噴霧乾燥を行い、ポリアミド6からなるポリアミド多孔質粒子を得た。得られた粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径10.4μm、体積平均粒子径11.2μmの多孔質球晶状粒子であった。PDIは1.08であった。比表面積は9.8m2/g、平均細孔径は、0.124μm、結晶化度は50%であった。
(実施例6)
参考例2で作成したポリアミド多孔質粒子50重量部にウレタンアクリレート系オリゴマー(日本合成化学製UV−7600B)100重量部、光重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(和光純薬製)0.8重量部およびトルエン100重量部を均一分散させて、スラリー体を作成した。これらをポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(t=100μm)にバーコーターにてコーティング後、UV照射(850mJ/cm)により硬化、乾燥処理をおこない、光拡散層を積層したフィルムを作成した。結果を表1に示した。
(実施例7)
ポリアミド多孔質粒子100重量部にした以外は実施例6と同様にした。結果を表1に示した。
Figure 0005471047
表1より、本発明のポリアミド多孔質粒子からなる光拡散剤を含む光拡散層を光源側の面に積層した光拡散フィルムは、全光線透過率の変化率ΔT%、ヘイズの変化率ΔH%ともに優れることが分かる。
液晶ディスプレイ装置のバックライト近傍部の一般的な構成を示した分解図である。 光拡散フィルムの一般的な構成の一例を示した断面図である。 本発明の光拡散フィルムの構成を示した断面図である。
1 光拡散フィルム
2 光源
3 反射板
4 導光板
5 液晶表示素子部
6 透明性基板
7 光拡散剤
8 透明バインダー樹脂
9 積層体

Claims (2)

  1. 透明基材上に、ポリアミド多孔質粒子からなる光拡散剤を含む光拡散層を積層した光拡散フィルムであって、光拡散層における光拡散剤の含有量が25〜60重量%、次式で定義される全光線透過率の変化率ΔT%が1以上、かつ、ヘイズの変化率ΔH%が0.5以上であり、光拡散層が光源側に配置されることを特徴とする光拡散フィルム。
    Figure 0005471047
    Figure 0005471047
    (ただし、TF→B、HF→Bは光拡散層を積層した面から光を入射したときの全光線透過率TおよびヘイズHをそれぞれ表し、TB→F、HB→Fは光拡散層を積層した面の裏側から光を入射したときの全光線透過率TおよびヘイズHをそれぞれ表す。)
  2. 透明基材上に、ポリアミド多孔質粒子からなる光拡散剤を含む光拡散層を積層した光拡散フィルムであって、光拡散層における光拡散剤の含有量が25〜60重量%、次式で定義される全光線透過率の変化率ΔT%が1以上、かつ、ヘイズの変化率ΔH%が0.5以上であり、
    上記ポリアミド多孔質粒子が、ポリアミドを溶解させる良溶媒中にポリアミドを溶解させたポリアミド溶液(A)とポリアミドを溶解させることができない非溶媒(B)とを混合して一時的に均一な混合溶液を形成し、その後静置する方法で製造された、結晶化度が40%以上のポリアミド多孔質粒子であることを特徴とする光拡散フィルム。
    Figure 0005471047
    Figure 0005471047
    (ただし、T F→B 、H F→B は光拡散層を積層した面から光を入射したときの全光線透過率TおよびヘイズHをそれぞれ表し、T B→F 、H B→F は光拡散層を積層した面の裏側から光を入射したときの全光線透過率TおよびヘイズHをそれぞれ表す。)
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