JP5470777B2 - 強誘電性液晶組成物、及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents
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そのため、メモリー角の再現性があり、メモリー角が経時変化せず、焼付き現象、および反転異常によるスイッチング不良の防止に効果のある手段の開発が望まれていた。
強誘電性液晶相の温度範囲を広くして安定化するという点では、下記一般式(IV)、
光学活性化合物として具体的には一般式(V)
一般式(V)で表せる化合物の中でも特に、Z51が一般式(V−4)の構造を持ち、かつZ52がフッ素原子の化合物、または、Z51が一般式(V−5)の構造を持ち、かつR53及びR54が水素原子である化合物がさらに好ましい。
一般式(V)で表せる化合物の中で、Z51が一般式(V−4)の構造を持ち、かつZ52がフッ素原子の化合物としては、下記一般式(V−b)
これら化合物の中でも、一般式(V−b)で表される化合物の場合はR57及びR58は直鎖状又は分岐状のアルキル基がさらに好ましく、特に直鎖状アルキル基が好ましい。一方、一般式(V−c)で表される化合物の場合はR59は直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基がさらに好ましく、R510は直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく、特に直鎖状アルキル基が好ましい。
一般式(V)で表せる化合物の中で、不斉炭素の構造としてZ51が一般式(V−4)の構造を持つ化合物の例を以下に挙げる。
本願発明の強誘電性液晶組成物に使用する液晶混合物の中にリチウムイオン以外のカチオンが含まれている場合、そのカチオンは焼付きや反転異常などによるスイッチング不良の原因になるので好ましくない。この影響を無くすためには、液晶混合物あるいは液晶混合物の成分となる化合物を十分に精製することが望まれる。その際、不純物等を除去する目的で、シリカ、アルミナ等による精製処理を施すことも好ましく用いられる。液晶性混合物としては、比抵抗値が1×1011〜1×1015Ωcmである液晶性混合物を用いることが好ましく、製造・精製上の容易さを考慮すると、1×1011〜1×1014Ωcmである液晶性混合物を用いることがより好ましい。強誘電性液晶の比抵抗値は1×1010〜1×1014Ωcmであることが好ましく、1×1010〜1×1013Ωcmであることがより好ましい。液晶混合物として比抵抗値の高い液晶混合物を使用する方法以外にも、液晶混合物中にカチオン包接化合物が含まれる液晶混合物を使用することも、液晶混合物中に不純物として存在するカチオンの影響を防止する方法として好ましく用いられる。カチオン包接化合物としては、特に制限はなく公知慣用の化合物が用いられる。なかでもポダンド、コロナンド、又はクリプタンドが化合物として好ましいが、下記一般式(VI)、
液晶混合物中に不純物として存在するカチオンとカチオン包接化合物の会合力が強すぎると、カチオンを包接した包接化合物は分子量、形状ともに大きく動き難いため、カチオンの移動度を悪くすることになり、その結果カチオンがセル内部に形成された電界場の緩和がしにくくなり、焼付きや反転異常の抑制には好ましくない。液晶混合物中に不純物として存在するカチオンとカチオン包接化合物の会合力がまったくないと、カチオンは直接極性のセル界面に強く吸着し、また、カチオンは液晶媒体への溶解度も低いため、界面に強く吸着したカチオンにより内部に形成された電界場の緩和がしにくくなる。従って、液晶混合物中に不純物として存在するカチオンの悪影響を軽減するには、弱い会合力を有するカチオンとカチオン包接化合物の組み合わせが特に好ましいのであって、一般式(VI)で表されるカチオン包接化合物の強い会合力の元となっている酸素原子の1つあるいは2つ以上が、電気的に陽性であり、その結果カチオンとの会合力を適切に弱める効果がある窒素原子で置き換わっている化合物が特に好ましいのである。このような弱い会合状態では、カチオンとカチオン包接化合物が動的に分子集合体を形成していると考えられ、そのため、カチオンは液晶媒体にも溶解しやすくなり、その結果カチオンの移動度も良くなり、カチオンの局部的な蓄積による好ましくない内部電界場の形成を防止すると考えられる。
カチオン包接化合物の含有量は、強誘電性液晶組成物に対する質量割合で0.01ppm〜10%であることが好ましく、0.1ppm〜5%であることがより好ましく、1ppm〜5%であることが特に好ましい。カチオン包接化合物の含有量は、カチオン包接化合物の添加により添加前の液晶性混合物のTAC点(スメクチックC−スメクチックA相転移温度)が10℃以上変化しないような添加量を選定することが好ましい。
液晶性混合物の比抵抗値が1×1011〜1×1015Ωcmである液晶性混合物を用いて強誘電性液晶組成物を製造することが好ましく、製造・精製上の容易さを考慮すると、1×1011〜1×1014Ωcmである液晶性混合物を用いることがより好ましく、1×1011〜1×1013Ωcmである液晶性混合物を用いることが特に好ましい。強誘電性液晶組成物は比抵抗値が1×1010〜1×1014Ωcmであることが好ましく、1×1010〜1×1013Ωcmであることがより好ましい。
(実施例1)
下記構造の化合物を下記に示す割合で混合し液晶性混合物(LC-1)を作製した。
この強誘電性液晶組成物(FLC-1)の比抵抗値は5.2×1011Ωcmであった。次にポリイミド−ラビング処理を施したセルギャップ2μmのセルに真空注入法によりFLC-1を注入し、強誘電性液晶素子(FLCD-1)を得た。このようにして得られた強誘電性液晶素子(FLCD-1)を用いて、メモリー角の評価を行ったところ、1回目の測定では18.0°を示した。その後、10Vの直流電圧を約10分間印加後、再度メモリ角を測定したところ、18.0°を示し、再現性のあるメモリー角が得られた。10Vの直流電圧を10分間印加した後、液晶セルの対向する電極を短絡させた状態で3分間放置した液晶セルのメモリ角を測定したところ、メモリ角は18.0°を示し、経時変化は見られなかった。LCD-1を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼付きを起こさず、また反転異常を示す透過率変化は0.2%であり、反転異常が起こらなく好適であった。
液晶混合物(LC-1)は、エマルボンT−20を含まないこと以外は実施例1の強誘電性液晶組成物(FLC-1)と同様な組成を有する強誘電性液晶であるので、(LC-1)を比較用として用い、実施例1に記載の方法と同様にして強誘電性液晶素子(LCD-1)を作製した。このようにして得られた強誘電性液晶素子(LCD-1)を用いて、メモリー角の評価を行ったところ、1回目の測定では18.1°を示した。10Vの直流電圧を約10分間印加後、再度メモリー角を測定すると19.5°のメモリー角を示し、メモリ角の再現性は見られなかった。また、10Vの直流電圧を10分間印加した後、短絡させた状態で3分間放置した液晶セルのメモリ角を測定したところ、メモリ角は18.4°を示し、10Vの直流電圧を10分間印加した直後のメモリ角と比べて1.1°の経時変化が見られた。LCD-1を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼付きが起こり、また反転異常を示す透過率変化は7.6%であり、明確に反転異常が観察され、実施例1よりも劣っていることは明らかであった。
(実施例2)
下記構造の化合物を下記に示す割合で混合し液晶性混合物(LC-2)を作製した。
液晶混合物(LC-2)は、EB−1を含まないこと以外は実施例2の強誘電性液晶組成物(FLC-2)と同様な組成を有する強誘電性液晶であるので、(LC-2)を比較用として用い、実施例1に記載の方法と同様にして強誘電性液晶素子(LCD-2)を作製した。このようにして得られた強誘電性液晶素子(LCD-2)を用いて、メモリー角の評価を行ったところ、1回目の測定では18.5°を示した。10Vの直流電圧を約10分間印加後、再度メモリー角を測定すると19.7°のメモリー角を示し、メモリ角の再現性は見られなかった。また、10Vの直流電圧を10分間印加した後、短絡させた状態で3分間放置した液晶セルのメモリ角を測定したところ、メモリ角は18.7°を示し、10Vの直流電圧を10分間印加した直後のメモリ角と比べて1.0°の経時変化が見られた。LCD-2を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼付きが起こり、また反転異常を示す透過率変化は4.6%であり、明確に反転異常が観察され、実施例2よりも劣っていることは明らかであった。
(実施例3)
下記構造の化合物を下記に示す割合で混合し液晶性混合物(LC-3)を作製した。
この液晶性混合物(LC-3)の比抵抗値は6.2×1012Ωcmであった。この液晶混合物(LC-3)に半極性有機ホウ素化合物として、EB−1を10ppm添加して強誘電性液晶組成物(FLC−3)を作製した。
液晶混合物(LC-3)は、EB−1を含まないこと以外は実施例3の強誘電性液晶組成物(FLC-3)と同様な組成を有する強誘電性液晶であるので、(LC-3)を比較用として用い、実施例1に記載の方法と同様にして強誘電性液晶素子(LCD-3)を作製した。このようにして得られた強誘電性液晶素子(LCD-3)を用いて、メモリー角の評価を行ったところ、1回目の測定では25.3°を示した。10Vの直流電圧を約10分間印加後、再度メモリー角を測定すると26.7°のメモリー角を示し、メモリ角の再現性は見られなかった。また、10Vの直流電圧を10分間印加した後、短絡させた状態で3分間放置した液晶セルのメモリ角を測定したところ、メモリ角は25.6°を示し、10Vの直流電圧を10分間印加した直後のメモリ角と比べて1.1°の経時変化が見られた。LCD-3を用いて、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼き付き及び反転異常の評価を行ったところ、焼付きが起こり、また反転異常を示す透過率変化は10.5%であり、明確に反転異常が観察され、実施例3よりも劣っていることは明らかであった。
(実施例4)
実施例1に記載の液晶性混合物(LC-1)に半極性有機ホウ素化合物としてEB−1を10ppm、及びカチオン包接化合物として下記構造の化合物(I−aa)、
Claims (7)
- 半極性有機ホウ素化合物として一般式(I-1)又は一般式(I-2)
- 強誘電性液晶組成物が、下記一般式(I−a)
- 強誘電性液晶組成物が強誘電性を示すことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の強誘電性液晶組成物。
- 比抵抗値が1×1010〜1×1014Ωcmである請求項1から4の何れかに記載の強誘電性液晶組成物。
- 半極性有機ホウ素化合物の含有量が0.01ppm〜10%である請求項1から5の何れかに記載の強誘電性液晶組成物。
- 請求項1から6の何れかに記載の強誘電性液晶組成物を用いた液晶表示素子。
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