JP5470693B2 - 成形型用硬化性樹脂組成物、成形型の製造方法、構造体の製造方法およびディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

成形型用硬化性樹脂組成物、成形型の製造方法、構造体の製造方法およびディスプレイ用部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、成形型用硬化性樹脂組成物、特にプラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションディスプレイ、および蛍光表示管等の平面ディスプレイのパターン化された構造体の製造に好適な成形型用硬化性樹脂組成物、これを用いた成形型の製造方法、構造体の製造方法およびディスプレイ用部材の製造方法に関するものである。
近年、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションディスプレイ、蛍光表示管、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、発光ダイオードなどの平面ディスプレイの開発が急速に進められている。このうち、プラズマディスプレイは、前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に備えられた放電空間内で対向するアノード電極とカソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、上記放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線を、放電空間内に設けた蛍光体に照射することにより表示を行うものである。プラズマディスプレイや蛍光表示管などのガス放電タイプのディスプレイは、放電空間を仕切るための隔壁を必要とする。また、フィールドエミッションディスプレイなどの電界放射型ディスプレイは、ゲート電極とカソードを隔絶するための隔壁を必要とする。これらプラズマディスプレイやフィールドエミッションディスプレイなどの隔壁の形成においては、一般にガラス粉末などの無機材料をパターン加工した後に焼成して形成するため、ガラス粉末などの無機材料を、高精度かつ高アスペクト比など自在にパターン加工ができる材料や加工方法が必要である。特にプラズマディスプレイの隔壁は従来ストライプ状が主流であったが、発光効率向上のため、従来ストライプ状隔壁とは垂直方向に補助隔壁を設ける格子状隔壁など複雑な形状を有するものに変化してきている。これらの形状は、従来ストライプ状の製法を適用して作製することが困難である。
一方、高精度かつ高アスペクト比パターンを自在に形成する方法として、インプリント法がある。インプリント法は、光インプリント法と熱インプリント法などがよく用いられるが、高精度かつ高アスペクト比のパターンを得るためには、特に光インプリント法が好適である。インプリント法では、所望のパターン形状と凹凸が逆であるような成形型を作製し、成形型の凹部に成形用材料を充填し、光インプリント法を用いる場合は光照射によって硬化させ、続いて成形型を除去することによって、所望のパターンを得る。
このインプリント法をストライプ状隔壁形成に適用する方法がある(特許文献1〜4)。この方法によると、まず、隔壁とは逆凹凸形状の成形型を製造する。次に、前記成形型の凹部にガラスペーストを充填し、凹部を基板に圧着した後、光インプリント法の場合は光硬化を行い、成形型を基板から剥離してガラスペーストを基板に転写して隔壁パターンを形成する。あるいは、基板にガラスペーストを塗布し、成形型をガラスペーストに圧着した後、光インプリント法の場合は光硬化を行い、前記成形型を基板から剥離して隔壁パターンを形成する。しかる後、隔壁パターンを焼成して有機成分を除去し、所望の隔壁を得る。しかしながら、この方法を格子状隔壁に適用した場合、成形型製造時、成形型を母型から剥離する際に、成形型が変形したり、亀裂や断線が発生するという問題があった。また、ガラスペーストを充填、基板に圧着した後、成形型を基板から剥離する際に、成形型にガラスペーストが付着したり、隔壁パターンに亀裂、断線、高さムラといった欠陥が発生しやすかった。その結果、従来の方法では格子状隔壁などの複雑な形状の構造体を、低コストで自在に形成することは困難であった。
特許第3589500号(請求項1) 特許第3591910号(請求項1) 特開2001−191345(請求項10) 特表2007−503338(請求項19)
本発明は、上記従来技術の問題点に着目し、格子状隔壁などの複雑な形状の構造体を、低コストで自在に形成できる成形型用硬化樹脂、および成形型、構造体、ディスプレイ部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、上記課題は少なくとも(A)硬化性化合物、(B)ウレタン化合物、(C)重合開始剤および(D)界面活性剤を含有することを特徴とする成形型用硬化性樹脂組成物によって達成される。
本発明によれば、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、および蛍光表示管等の平面ディスプレイの隔壁等のパターンを、低コストで精度良く形成できるパターン形成技術を提供できる。
発明者らは、高精細かつ高アスペクト比のパターンの形成について鋭意検討を行った結果、以下に述べるような組成を有する成形型用硬化性樹脂組成物によって達成されることを見出した。
すなわち、本発明の成形型用硬化性樹脂組成物は、(B)ウレタン化合物を含有することが必要である。ウレタン化合物を含有することで、形成した成形型に柔軟性および強靭性を付与することができ、母型から成形型を離型する際の剥離変形、亀裂、断線といった欠陥を抑制できる。また、後工程で成形型からガラスペースト等の成形用材料を離型する際の亀裂、断線を抑制する効果も得られる。
(B)ウレタン化合物は、重量平均分子量が15000〜100000であることが好ましい。重量平均分子量をこの範囲とすることで、成形型の柔軟性および強靭性を十分なものとすることができると共に、成形型用硬化性樹脂組成物の相溶性を維持することができる。さらに好ましくは、18000〜80000である。
さらに、(B)ウレタン化合物は、下記一般式(1)で表されることが好ましい。
−(R−R−R−R (1)
(ここで、R、Rはそれぞれエチレン性不飽和基を含む有機基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかから選ばれたものである。R、Rは少なくとも一方がウレタン結合を含む有機基であり、Rはアルキレンオキサイド鎖であり、nは1〜10の自然数である)
一般式(1)中、R、Rはエチレン性不飽和基を含む置換基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかから選ばれたものであるが、少なくともいずれか一方がエチレン性不飽和基を含む置換基であることが好ましく、R、Rのいずれもエチレン性不飽和基を含む置換基であることがさらに好ましい。エチレン性不飽和基を含むことで、(A)硬化性化合物と架橋構造を形成し、強靭性を向上すると共にミクロ層分離を抑制する効果も得られる。エチレン性不飽和基を含む置換基が(メタ)アクリル基であることが、特に好ましい。
はアルキレンオキサイド鎖であるが、ウレタン化合物がアルキレンオキサイド鎖を含有することで、成形型をより柔軟にすることができる。また、アルキレンオキサイド鎖の極性を制御することにより、成形型用硬化性樹脂組成物の相溶性を容易に良好なものとすることができる。Rのアルキレンオキサイド鎖中プロピレンオキサイド鎖を30〜100重量%含有することが好ましい。プロピレンオキサイド鎖をこの範囲で含有することで、柔軟性を向上すると共に、ウレタン化合物の極性を低下させ、成形型の表面張力を低減し、ガラスペースト等の成形用材料の成形型への付着を抑制する効果が得られる。
本発明で好ましく用いられるウレタン化合物の具体例としては、UA−340P(分子量42000)、UA−340PM(分子量42000)、UA−2235PE(分子量18000)、UA−3238PE(分子量19000)、UA−3348PE(分子量22000)、UA−5348PE(分子量39000)(以上、新中村化学(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物は混合して用いてもよい。
(B)ウレタン化合物は、成形型用硬化性組成物中、10〜98重量%含有することが好ましい。さらに好ましくは、20〜70重量%である。含有量をこの範囲とすることで、ウレタン化合物の効果を十分なものとすることができる。
本発明の成形型用硬化性樹脂組成物は、(D)界面活性剤を含有することが必要である。界面活性剤を含有することで、成形型用硬化性樹脂組成物の表面張力を低減して離型性を向上できるため、母型から成形型用硬化性樹脂組成物を離型する際の塑性変形、ハガレ、亀裂などの欠陥の発生を抑制できる。さらに、後工程で成形型をガラスペースト等の成形用材料から離型する際、成形用材料の成形型への付着を抑制すると共に、塑性変形、ハガレ、亀裂などの欠陥を抑制できる。
(D)界面活性剤は、フッ素原子含有界面活性剤であることが好ましい。フッ素原子含有界面活性剤を用いることで、成形型の表面張力低減の効果を絶大なものとできる。その結果、母型に本発明の成形型用樹脂組成物を充填、硬化させた後、剥離する際に、母型との剥離が容易になり、成形型の塑性変形、ハガレ、亀裂などの欠陥の発生を抑制できる。また、後工程でのガラスペースト等の成形用材料の付着を抑制でき、形成されるパターンの欠陥の発生を大幅に低減することができる。さらに、界面活性剤は、アルキレンオキサイド鎖を有することが好ましく、特に、下記一般式(2)で表されることが好ましい。
−[(CHO)−R] (2)
(ここで、Rは価数1〜4の有機基であり、Rはフッ素原子を含有する有機基である。kは2〜4、lは4〜30、mは1〜4の自然数である)
式(2)において、lは4〜30であることが好ましい。lを4〜30とすることで、他の有機成分と相溶性が良好となり、かつフッ素による表面張力低減の効果を十分なものとすることができる。
本発明で好ましく用いられる(D)界面活性剤の具体的な例を挙げると、(株)ネオス製FTX−240D、FTX−220D、FTX−212D、FTX−204Fなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの化合物は、混合して用いても良い。
(D)界面活性剤は、成形型用硬化性樹脂組成物の0.001〜5重量%含有することが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜3重量%である。含有量をこの範囲とすることで、表面張力低減の効果を十分なものとすることができ、かつ支持体と成形型用硬化性樹脂組成物の密着力を損なわない。
本発明の成形型用硬化樹脂組成物には、(A)硬化性化合物が用いられる。硬化性化合物は光、熱などのエネルギーによって硬化するものであれば特に限定されないが、高精度かつ高アスペクト比のパターンを形成するためには、光硬化性化合物であることが好ましく、特に(メタ)アクリルモノマーであることが好ましい。(メタ)アクリルモノマーを使用することで、成形型を透明なものとすることができ、構造体製造に用いる成形用材料として光硬化性の組成物を用いる場合、成形用材料の光硬化を容易に行うことができる。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、カルボン酸(例えば、酢酸プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルとの反応生成物、アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなど)、エポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との反応物などを挙げることができるが、少なくとも一部に2官能、3官能などの多官能化合物を用いることが好ましい。多官能化合物を用いることで、本発明の成形型用硬化性樹脂組成物を効率的に架橋させることができる。このような多官能化合物として、例えば、2官能化合物としては、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、グリセリンジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA−ジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA物ジアクリレートなどが挙げられる。3官能あるいはそれ以上の多官能化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(以上、3官能化合物)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、(4官能化合物)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6官能化合物)などが挙げられる。また、これらの多官能化合物において、アクリル基は、一部もしくは全部をメタクリル基に置き換えて使用しても良い。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
(A)硬化性化合物は、成形型用硬化性樹脂組成物中、1〜90重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、3〜70重量%である。含有量をこの範囲とすることで、成形型の柔軟性、強靭性を適正な範囲に保つことができる。
本発明に用いる(C)重合開始剤は、光照射や熱によりラジカル種を発生するものが好ましい。重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2ーヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、N−フェニルグリシン、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。重合開始剤は、成形型用硬化性樹脂組成物中0.05〜10重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは、0.1〜10重量%である。重合開始剤の含有量をこの範囲とすることで、成形型用硬化性樹脂組成物の反応率を十分増加すると同時に、十分な重合度を得ることができる。
本発明の成形型用硬化性樹脂組成物は、上述の(A)〜(D)以外にバインダー樹脂を含有することができる。バインダー樹脂を含有することで、硬化時の硬化応力をさらに低減することができる。バインダー樹脂として用いられる例としては、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特にアクリル樹脂が、相溶性、透明性、柔軟性の観点から好ましい。アクリル樹脂のガラス転移点(以下、Tgという)は−50〜50℃であることが好ましく、さらに好ましくは、0〜25℃である。アクリル樹脂のTgをこの範囲とすることで、取り扱いの容易さと柔軟性を両立することが可能となる。バインダー樹脂の含有量は、成形型用硬化性樹脂組成物中、0.1〜50重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜30重量%である。含有量をこの範囲とすることで、硬化性樹脂組成物の硬化を十分にできると同時に、成形型を柔軟し硬化時の硬化応力を十分に低減できる。
本発明の成形型用硬化性樹脂組成物は、可塑剤を含有することも好ましい。可塑剤を含有することにより、さらに成形型の柔軟性を向上することができる。可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジノニル、アジピン酸ジ−2−ブトキシエチルなどのアジピン酸エステル、アゼライン酸ジオクチルなどのアゼライン酸エステル、セパシン酸エステル、リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油、トリメリット酸エステルなどや、これらのうち1種以上を含有する可塑剤が挙げられるが、安全性の面から、アジピン酸エステル、セパシン酸エステルなどが好ましい。可塑剤の含有量は、成形型用硬化性樹脂組成物中、0.1〜70重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜50重量%である。
本発明の成形型用硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて溶媒を含有することができる。溶媒としては、一般的に使用される溶媒を用いることができるが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、2,2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
本発明の成形型の製造方法は、母型に上述の成形型用硬化性樹脂組成物を充填する工程、前記成形型用硬化性樹脂組成物を硬化させる工程、前記母型を除去する工程、を含む。
具体例として、本発明の成形型用硬化性樹脂組成物により、プラズマディスプレイの隔壁形成に用いる成形型を形成する方法の例について詳細に説明する。
まず、母型を用意する。母型は、所望の隔壁と同じ凹凸形状を有しているもので、成形型用硬化性樹脂組成物の硬化による収縮率および隔壁の形成に用いるガラスペーストの硬化、焼成による収縮率を考慮して設計することができる。母型は、鉄鋼、炭素鋼、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅合金、チタン合金などの合金や、ガラスなどの無機材料を切削して作製することもできるが、感光性ペースト法によって作製することも好ましい。感光性ペースト法によって作製する場合、例えば次のようにして作製することができる。まず基板に、感光性有機成分と無機成分からなる感光性ペーストを所望の厚みに塗布し、必要に応じて乾燥し、続いて露光マスクを介して露光を行い、不要部分の感光性ペーストを現像によって除去してパターンを得、最後に焼成によってパターン中の感光性有機成分を除去して、無機成分のみからなる母型を得る。
次に、母型に本発明の成形型用硬化樹脂を充填する。充填方法としては、スクリーン印刷、ナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーター等の方法を用いることができ、必要に応じて乾燥することができる。充填厚みは、所望の隔壁の高さと硬化性樹脂組成物の硬化および焼成による収縮率を考慮して決めることができる。通常は、5〜1000umの範囲であり、好ましくは、30〜800umの範囲である。充填厚みは、スクリーンのメッシュ、硬化性樹脂組成物の粘度等によって調整できる。乾燥は熱風乾燥機、IR乾燥機等を用いて行い、乾燥温度や時間は用いた硬化性樹脂組成物の溶剤や塗布膜厚によって調整できる。
次に、支持体を、硬化性樹脂組成物を充填した母型に圧着する。支持体は、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルムポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルムなどを使用することができるが、柔軟、強靭かつ透明であることが好ましく、特にポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルムなどの高透明フィルムが好適に用いられる。圧着方法としては特に限定されないが、ラミネートロールによるラミネート法を用いると、抜けや気泡のない均一な膜が得られる。
支持体、成形型用硬化性樹脂組成物が母型に圧着された状態で、成形型用硬化性樹脂組成物を硬化させる。本用途においては成形型用硬化性樹脂組成物を光硬化性とすることが好ましく、この場合は支持体側から光照射を行う。この際使用される活性光源は、例えば、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。光照射条件は塗布厚みにより異なるが、通常、1〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて0.01〜10分間行う。
その後、支持体および硬化樹脂を母型から分離し、成形型を得る。得られた成形型は変形、亀裂、断線などの欠陥がない。
図1に光硬化型の成形型用硬化性樹脂組成物を用いてプラズマディスプレイの隔壁形成に用いる成形型を形成する方法の例を模式的に示す。
まず、図1(a)に示すように、母型1上に成形型用硬化性樹脂組成物4aを配置し、さらに支持体3(PETフィルム)を配置して、ラミネートロール2を用いて圧着させることによって、母型1に成形型用硬化性樹脂組成物4aを充填する。
次に、図1(b)に示すように、支持体3側から紫外線9を照射し成形型用硬化性樹脂組成物を硬化させる。さらに、母型から硬化した成形型用硬化性樹脂組成物を剥離することによって、図1(c)のように成形型4bを得ることができる。
続いて、作製した成形型を用いて、構造体を形成する方法について、詳細に説明する。
まず、成形用材料を用意する。成形用材料は特に限定されないが、成形型に充填可能で、成形型離型後にパターン保持できる材料が好適に用いられる。光や熱で反応して硬化する材料がさらに好ましく、高精度、高アスペクト比のパターンを形成する場合には、光により硬化する感光性組成物を用いることが特に好ましい。本発明により製造された成形型が透明な場合、感光性組成物を用いることで、高精度、高アスペクト比のパターンが、少ない露光量で素早く形成できる。感光性を付与するには、硬化性化合物と光重合開始剤を含有することで達成される。本発明を用いてガラス構造体を形成する場合は、成形用材料に、有機成分とガラスを含む無機成分からなるガラスペーストを使用する。成形用材料の一例を以下に示す。
・硬化性化合物:ポリエチレングリコールジアクリレート(3〜20重量%)
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(0.05〜10重量%)
・界面活性剤:F含有界面活性剤(0〜10重量%)
・溶剤:γ−ブチロラクトン(0〜30重量%)
・無機粒子:低軟化点ガラスとセラミックフィラーの混合物(40〜97重量%)
続いて、成形用材料を基板に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーター等の方法を用いて塗布し、必要に応じて乾燥することができる。塗布厚みは、所望の構造体の高さと成形用材料の収縮率を考慮して決めることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、成形用材料の粘度等によって調整できる。乾燥は熱風乾燥機、IR乾燥機等を用いて行い、乾燥温度や時間は用いた成形用材料の溶剤や塗布膜厚によって調整できる。
次に、本発明の成形型を成形用材料塗布膜上に圧着する。圧着方法としては特に限定されないが、ラミネートロールによるラミネート法を用いると、抜けや気泡のない均一な膜が得られる。
光硬化型の成形用材料を用いる場合、成形型が成形用材料に圧着された状態で、光照射を行うことができる。この際使用される活性光源は、例えば、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。光照射条件は塗布厚みにより異なるが、通常、1〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて0.01〜30分間行う。
その後、成形型を成形用材料塗布膜から除去し、所望の構造体を得る。得られた構造体は変形、亀裂、断線などの欠陥がない。後工程で焼成を行う場合、焼成により成形型を除去することも可能である。
続いて、特に成形用材料にガラスペーストを用いた場合、焼成炉にて焼成を行うことができる。焼成雰囲気や温度は、成形用材料や基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉などを用いることができ、350〜800℃、好ましくは520〜620℃の温度で1〜60分間保持して焼成を行う。また、先に述べた通り、成形型を成形用材料から分離せずに焼成を行うこともできる。成形型が有機成分のみからなる場合、焼成により成形型を成形用材料から除去できる。
本発明はディスプレイ用部材の製造方法に特に好ましく適用することができ、その場合、基板と上述の方法により作製した成形型との間にガラスペーストを充填する工程、350〜800℃の温度で焼成する工程を含む製造方法により隔壁を形成する。
図2に上述の隔壁形成用の成形型と光硬化型のガラスペーストを用いてプラズマディスプレイの隔壁を形成する方法の例を模式的に示す。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板5上にストライプ状のアドレス電極6およびアドレス電極6を覆う誘電体層7を設けた基板10を用意し、基板10上に光硬化型のガラスペースト8aを塗布する。次に上述の成形型4bを配置し、ラミネートロール2を用いて圧着させることにより、基板10と成形型4bとの間にガラスペースト8aを充填する。
次に図2(b)に示すように、成形型4b側から紫外線9を照射してガラスペースト8aを硬化させ、次いで基板10およびガラスペースト硬化物から成形型4bを剥離して図2(c)に示すような隔壁パターン8bが形成された基板10を得る。さらにこれを焼成することによって、隔壁8cを有するプラズマディスプレイ用部材を得ることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を用いて、画素数207万画素の42インチプラズマディスプレイを作製した。
成形型用硬化性樹脂組成物に用いた原料は次の通りである。
硬化性化合物I:1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製)
硬化性化合物II:テトラプロピレングリコールジアクリレート(日本油脂(株)製)
ウレタン化合物I:ウレタンジアクリレート(新中村化学(株)製“UA−340P”、分子量42000)
ウレタン化合物II:ウレタンジアクリレート(新中村化学(株)製“UA−2235PE”、分子量18000)
ウレタン化合物III:ウレタンジメタクリレート(新中村化学(株)製“UA−340PM”、分子量42000)
ウレタン化合物IV:ウレタンジアクリレート(新中村化学(株)製“UA−4120P”、分子量13000)
重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(チバスペシャリティーケミカルズ社製“IC369”)
界面活性剤I:F系界面活性剤((株)ネオス製“FTX−240D”、エチレンオキサイド鎖繰り返し単位10)
界面活性剤II:F系界面活性剤((株)ネオス製“FTX−220D”、エチレンオキサイド鎖繰り返し単位10)
界面活性剤III:F系界面活性剤((株)ネオス製“FTX−212D”、エチレンオキサイド鎖繰り返し単位10)
界面活性剤IV:Si系界面活性剤(ビッグケミー社製“BYK−3700”)
バインダー樹脂:アクリルポリマー(藤倉化成(株)製“MM−2002”)
A.成形型用硬化性組成物の作製
成形型用硬化性組成物は以下の要領で作製した。
硬化性化合物、ウレタン化合物、界面活性剤、重合開始剤(0.5重量%)、バインダー樹脂(10重量%)、可塑剤(30重量%)を所定量秤量後、溶剤を適宜添加して粘度を調整し、加熱攪拌して成形型用硬化性組成物とした。各実施例、比較例で用いた硬化性化合物、ウレタン化合物、界面活性剤の添加量を表1に示した。
Figure 0005470693
B.母型の用意
母型の作製には、ネガ型感光性ペースト法を用いた。まず基板に、ネガ型感光性有機成分と、低軟化点ガラスを含む無機成分からなるネガ型感光性ペーストを所望の厚みに塗布、乾燥し、続いて露光マスクを介して露光を行い、現像によって未硬化部分の感光性ペーストを除去してパターンを得、最後に600℃で15分間焼成することでパターン中の感光性有機成分を除去すると共にガラスを軟化させ、無機成分のみからなる母型を得た。作製した母型は、ストライプ状の主隔壁(ピッチ160μm、頂部線幅50μm、底部線幅80μm、高さ120μm)と、該主隔壁と交差するストライプ状の補助隔壁(ピッチ800μm、頂部線幅80μm、底部線幅100μm、高さ110μm)からなる格子状の隔壁パターンを有するものであった。
C.成形型の作製
作製した成形型用硬化性組成物を用い、成形型を以下の手順で作製した。
成形型用硬化性組成物を、ブレード塗布により母型に均一充填した。続いて、支持体(PETフィルム、東レ(株)製“ルミラー”)を母型上に配置し、ラミネートロールを用いて、均一に圧着した。膜厚は凹部(母型の凸部上の位置)で約300μmであった。成形型用硬化性組成物を介して、母型に支持体が圧着している状態で、支持体面から、50mW/cm出力の超高圧水銀灯で20秒間紫外線露光した。しかる後、支持体と硬化した成形型用硬化性組成物を母型から剥離し、所望の隔壁形状と逆の凹凸を有する成形型を得た。得られた成形型の亀裂、断線および支持体からのハガレの有無を観察した。亀裂、断線および支持体からのハガレが1ヶ所以下ならば成形型評価はAA、2〜5ヶ所であれば成形型評価はA、6〜19ヶ所であれば成形型評価はB、20ヶ所以上では成形型としては不可であり、Cとした。
D.プラズマディスプレイ隔壁の作製方法
作製した成形型を用い、プラズマディスプレイ隔壁を以下の手順にて作製した。旭硝子株式会社製 “PD−200”ガラス基板(42インチ)上に、感光性銀ペーストを用いたフォトリソグラフィ法により、ピッチ160μm、線幅50μmのアドレス電極パターンを形成した。次いで、アドレス電極が形成されたガラス基板上に誘電体層をスクリーン印刷法により20μmの厚みで形成した。しかる後、以下に示す組成のガラスペーストをダイコート塗布法によりアドレス電極パターンおよび誘電体層が形成された背面板ガラス基板上に厚み100μmになるように均一に塗布した。
(ガラスペーストの組成)
・硬化性化合物:テトラエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学(株)製) 4.5重量%
・硬化性化合物:EO変性ビスフェノールAジアクリレート(日本油脂(株)製) 5重量%
・重合開始剤:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 1重量%
・分散剤:ノニルエーテル系分散剤 1重量%
・溶剤:γ−ブチロラクトン 9.5重量%
・無機粒子:低軟化点ガラスとセラミックフィラーの混合物 80重量%
つづいて、ラミネートロールによるラミネート法にて、前述の成形型をガラスペーストに圧着した。ガラスペースト、誘電体層、電極を介して、基板に支持体が圧着している状態で、成形型面から、50mW/cm出力の超高圧水銀灯で20秒間紫外線露光した。しかる後、成形型を隔壁ガラスペーストから剥離し、所望の隔壁形状を有する隔壁パターンを得た。その後、560℃で30分保持して焼成することにより隔壁を形成した。得られた隔壁の亀裂、断線および高さムラの有無を観察した。亀裂、断線および高さムラが1ヶ所以下ならば隔壁評価はAA、2〜5ヶ所であれば隔壁評価はA、6〜19ヶ所であれば隔壁評価はB、20ヶ所以上では隔壁としては不可であり、Cとした。
E.プラズマディスプレイの作製方法
得られた隔壁付き基板に、蛍光体層をディスペンサー法にて厚さ20μmに形成し、焼成してプラズマディスプレイ背面板を得た。
続いて、プラズマディスプレイ前面板を以下の手順にて作製した。旭硝子株式会社製“PD−200”ガラス基板(42インチ)上に、フォトエッチング法によりITO電極を1μmの厚みで形成した後、感光性銀ペーストを用いたフォトリソグラフィ法によりバス電極パターンを形成した。しかる後、透明誘電体層をスクリーン印刷法により30μmの厚みで形成した。最後に、500nm厚のMgO膜を電子ビーム蒸着により形成して、前面板を得た。
作製した前面板と背面板を封着後、前背面の基板間隔に形成された空間に、キセノンが5体積%のキセノン−ネオン混合ガスの希ガスを450mmHgの圧力で封入することによって、プラズマディスプレイのパネル部分を作製した。さらに、駆動用のドライバーICを実装することによって、画素数207万画素のプラズマディスプレイを作製した。得られたプラズマディスプレイを隔壁方向に沿って、1列おきに点灯させ、誤放電による点灯、不灯、またはちらつきがないか目視で評価した。評価は、誤放電による点灯セルや不灯セルの数が1個以下ならばディスプレイ評価はAA、2〜5個であればディスプレイ評価はA、6〜19個であればディスプレイ評価はB、20個以上ではディスプレイパネルとしては不可であり、Cとした。ちらつきのみが発生した場合には、ディスプレイ評価はAとした。
(実施例1)
表1に示す成形型用硬化性樹脂組成物を用いて成形型を作製したところ、良好な形状でかつ変形や亀裂、断線などの欠陥がない成形型が得られ、成形型評価はAAであった。得られた成形型を用いて作製したプラズマディスプレイ用隔壁は形状が良好で欠陥もなく、隔壁評価はAAであり、プラズマディスプレイを作製したところ、ディスプレイ評価もAAであった。
(実施例2)
ウレタン化合物にウレタン化合物IIを50重量%添加し、界面活性剤に界面活性剤IIを用いた他は、実施例1を繰り返した。得られた成形型、プラズマディスプレイ用隔壁およびプラズマディスプレイは欠陥がなく良好であり、評価はいずれもAAであった。
(実施例3)
ウレタン化合物にウレタン化合物IIIを用いた他は、実施例1を繰り返した。得られた成形型、プラズマディスプレイ用隔壁およびプラズマディスプレイは欠陥がなく良好であり、評価はいずれもAAであった。
(実施例4)
ウレタン化合物にウレタン化合物IVを用いた他は、実施例1を繰り返した。成形型の柔軟性が不十分であったため、母型からの離型時に亀裂が12ヶ所発生し、成形型評価はBであった。得られた成形型を用いて作製したプラズマディスプレイ用隔壁は同じく欠陥が12ヶ所発生し、プラズマディスプレイも不灯セルが12ヶ所あり、いずれも評価Bであった。
(実施例5)
界面活性剤Iの添加量を0.005重量%とした他は、実施例1を繰り返した。得られた成形型は欠陥もなく良好な形状で成形型評価はAAであったが、得られた成形型を用いてプラズマディスプレイ用隔壁を作製する際、成形型の離型性が不十分なため、断線が4ヶ所発生し、隔壁評価はAであった。プラズマディスプレイも不灯セルが4ヶ所あり、ディスプレイ評価はAであった。
(実施例6)
界面活性剤Iの添加量を5重量%とした他は、実施例1を繰り返した。成形型を母型から離型する際、支持体との密着性が低下したため、一部支持体からのハガレが発生した。得られた成形型を用いて作製したプラズマディスプレイ用隔壁は、成形型のハガレ発生部分において隔壁高さが部分的に異なるため、プラズマディスプレイ点灯時にちらつきが発生した。成形型、隔壁、ディスプレイ評価はいずれもAであった。
(実施例7)
界面活性剤に界面活性剤IIIを用いた他は、実施例1を繰り返した。成形型用硬化性樹脂組成物は不透明で、十分に均一ではなかった。得られた成形型は欠陥もなく良好な形状で、成形型評価はAAであったが、得られた成形型を用いてプラズマディスプレイ用隔壁を作製する際、成形型の離型性が部分的に不十分となり、断線が3ヶ所発生した。プラズマディスプレイも不灯セルが3ヶ所あり、隔壁、ディスプレイ評価はいずれもAであった。
(実施例8)
界面活性剤に界面活性剤IVを用いた他は、実施例1を繰り返した。成形型を母型から離型する際、母型からの離型性が不十分で断線が7ヶ所発生し、成形型評価はBであった。得られた成形型を用いてプラズマディスプレイ用隔壁を作製する際、成形型の離型性が不十分なため、さらに断線が発生し、断線は12ヶ所となった。プラズマディスプレイも不灯セルが12ヶ所あり、隔壁、ディスプレイ評価はいずれもBであった。
(比較例1)
ウレタン化合物を添加しない他は、実施例1を繰り返した。成形型の柔軟性が極めて不十分であり、母型からの離型時に亀裂が20ヶ所以上発生した。得られた成形型を用いて作製したプラズマディスプレイ用隔壁は欠陥が20ヶ所以上発生し、プラズマディスプレイも不灯セルが20ヶ所以上あり、評価はいずれもCであった。
(比較例2)
界面活性剤を添加しない他は、実施例1を繰り返した。成形型を母型から離型する際、母型からの離型性が極めて不十分で断線が20ヶ所以上発生した。得られた成形型を用いてプラズマディスプレイ用隔壁を作製する際、成形型の離型性が極めて不十分なため、さらに断線が発生し、プラズマディスプレイも不灯セルが20ヶ所以上あり、評価はいずれもCであった。
本発明によりプラズマディスプレイの隔壁形成に用いる成形型を形成する方法の一例を模式的に示した図である。 本発明によりプラズマディスプレイの隔壁を形成する方法の一例を模式的に示した図である。
符号の説明
1:母型
2:ラミネートロール
3:支持体
4a:成形型用硬化性樹脂組成物
4b:成形型
5:ガラス基板
6:アドレス電極
7:誘電体層
8a:ガラスペースト
8b:隔壁パターン
8c:隔壁
9:紫外線
10:基板

Claims (7)

  1. 少なくとも(A)硬化性化合物、(B)ウレタン化合物、(C)重合開始剤および(D)アルキレンオキサイド鎖を有するフッ素原子含有界面活性剤を含有することを特徴とする成形型用硬化性樹脂組成物。
  2. (B)ウレタン化合物の重量平均分子量が15000〜100000であることを特徴とする請求項1記載の成形型用硬化性樹脂組成物。
  3. (B)ウレタン化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1または2記載の成形型用硬化性樹脂組成物。
    −(R−R−R−R (1)
    (ここで、R、Rはそれぞれエチレン性不飽和基を含む有機基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかから選ばれたものである。R、Rは有機基であり、少なくとも一方がウレタン結合を含む有機基である。Rはアルキレンオキサイド鎖であり、nは1〜10の自然数である。)
  4. (D)アルキレンオキサイド鎖を有するフッ素原子含有界面活性剤が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形型用硬化性樹脂組成物。
    −[(CHO)−R] (2)
    (ここで、Rは価数1〜4の有機基であり、Rはフッ素原子を含有する有機基である。kは2〜4、lは4〜30、mは1〜4の自然数である。)
  5. 母型に請求項1〜のいずれかに記載の成形型用硬化性樹脂組成物を充填する工程、前記成形型用硬化性樹脂組成物を硬化させる工程および前記母型を除去する工程を含むことを特徴とする成形型の製造方法。
  6. 請求項記載の成形型の製造方法により作製した成形型に成形用材料を充填する工程および該成形型を除去する工程を含むことを特徴とする構造体の製造方法。
  7. 基板と請求項記載の成形型の製造方法により作製した成形型との間にガラスペーストを充填する工程、および350〜800℃の温度で焼成する工程を含む製造方法により隔壁を形成することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
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