JP5470196B2 - 構造体の設置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造体を基準面上に設置する構造体の設置方法に関する。
従来、建築構造物の鉄骨柱などのように比較的大きな構造体の支持面を、コンクリートなどで形成された支持躯体上で高さや傾きを位置決めして支えるために、様々な手法が検討されている。
たとえば、特許文献1に記載された脚柱固定方法は、NCベース形式と称される方法である。この方法では、支持躯体用の鉄筋を配筋した後で、アンカーボルトを配置するためのアンカーフレームを配置する。このとき、アンカーフレームの位置を、たとえば、上下方向における寸法精度が目標値に対して±5mm以内となるように精度を高めて配置する。
アンカーフレームにアンカーボルトを取り付けた後で、アンカーフレームにコンクリートを打設して支持躯体を形成する。このときの、コンクリートの上面の寸法精度は、たとえば、±20mm以内となる。そして、支持躯体上に寸法精度および傾き精度の高い、略半球状のレベルモルタルを設置する。レベルモルタルの頂部における寸法精度は、たとえば、±5mm以内であり、傾き精度を表す勾配率は、たとえば、1/500以下となっている。
続いて、構造体の支持面に形成された締結用の貫通孔にアンカーボルトを挿通し、レベルモルタルの頂部に構造体の支持面を載置する仮配置を行う。貫通孔を挿通したアンカーボルトをナットなどで固定することで、支持躯体上に構造体が固定される。このとき、必要に応じて、レベルモルタル上での構造体の位置を微調整して、構造体の傾きが設計範囲内となるように調節する。
次に、支持躯体と構造体の支持面との間に、流動性の高いモルタルなどの充填材を注入し、構造体を支持躯体に固定する。
特許文献2により公開された機械の据付方法では、アンカーホールは、支持躯体に対して、コンクリートを打設する前に抜き型を配置したり、コンクリートを穿孔したりすることで形成される。そして、アンカーホールにアンカーボルトを正確に位置出しして配置しておく。
支持躯体上に複数のレベリングブロックを配置し、このレベリングブロック上にさらにベースプレートを配置する。そして、レベリングブロックの高さを調節することで、ベースプレートの水平レベルを調節する。ベースプレートに形成された貫通孔に挿通されたアンカーボルトに締め付けネジを螺合させることで、ベースプレートが支持躯体に対して固定される。
この方法によるベースプレートの寸法精度は、たとえば、±5mm以内となる。
また、上記以外の設置方法として、構造体が大型で支持面が広い場合や、免震支承用に用いられる方法がある。この方法では、支持躯体用の鉄筋を配筋した後であってコンクリートを打設する前に、支持躯体側にアンカーナット付きのベースプレートと、このベースプレートを支持するアンカーフレームを配置する。このベースプレートは、構造体の支持面を広い範囲で支持するためのものである。
そして、ベースプレートの平面での位置、高さおよび傾きを正確に調節し、たとえば、ベースプレートの寸法精度を±5mm以内に、勾配率を1/500以下に設定する。
続いて、コンクリートをベースプレートの下面近傍まで打設し概ね硬化させた後、コンクリートの上面とベースプレートの下面との間にグラウト材を注入・充填し、ベースプレートおよびアンカーフレームを支持躯体に固定する。このとき、充填されたグラウト材内に空隙が形成されないように注意して注入する。
構造体に形成された貫通孔にアンカーボルトを挿入し、ベースプレート上に構造体を仮配置する。そして、アンカーボルトをベースプレートのアンカーナットに螺合させ、ベースプレート上に構造体を固定する。
特開平11−13135号公報、図12 特開昭52−93861号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載された設置方法では、構造体を位置決めするために、レベルモルタル、レベリングブロックおよびベースプレートを精度良く形成したり配置したりする必要がある。このため、構造体を位置決めするために、多大な労力が必要となっている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、構造体を上下方向に容易に位置決めして支持部の上面上に固定することができる構造体の設置方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の構造体の設置方法は、躯体において上方に開口を有する固定穴を形成する穴形成工程と、前記固定穴内に、ネジ孔が上下方向に延びるようにナット体を配置するナット配置工程と、前記躯体における前記固定穴が形成された面上および前記ナット体周りに前記ネジ孔を塞がないように流動性を有するグラウト材を打設し、上面が水平面に対して略平行となるとともに、前記上面が前記ナット体の上面に一致するか、前記上面が前記ナット体の上面より上方に位置するように前記グラウト材を硬化させて支持部を形成する支持部形成工程と、前記支持部の上面に構造体の支持面を当接させるとともにネジ部材を前記ネジ孔に螺合させることで、前記構造体を前記躯体に接続する接続工程と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、グラウト材は流動性を有するので、グラウト材に作用する重力によりグラウト材の上面が水平面に対して略平行となるように広がる。このため、グラウト材が硬化して支持部となることで、支持部の上面が水平面にほぼ平行になる。また、支持部に埋め込まれたナット体の上面は、支持部の上面に一致するか下方に位置するように設定されるので、構造体の支持面を支持部の上面に当接するように配置したときに、ナット体が構造体の支障となることはない。
また、上記の構造体の設置方法において、前記グラウト材は、フロー試験(JASS−15 M103)におけるフロー値が220mm以上であることがより好ましい。
また、上記の構造体の設置方法において、前記ナット体は、前記ネジ孔が形成された第1のナットと、第2のネジ孔が形成された第2のナットと、前記ネジ孔の一部を残して前記ネジ孔に螺合する第1のネジ溝が一端に、前記第2のネジ孔に螺合する第2のネジ溝が他端にそれぞれ形成された連結用ネジ体と、前記ネジ孔と前記第1のネジ溝との接続部分を水密に保持する密封部と、を有することがより好ましい。

この発明によれば、第2のナットの第2のネジ孔と連結用ネジ体の第2のネジ溝とが螺合する軸線方向の範囲を調節することで、第1のナットと第2のナットとの距離が変化する。
本発明において、請求項1に記載の構造体の設置方法によれば、構造体の支持面を支持部の上面に当接するように配置することで、構造体を上下方向に容易に位置決めすることができる。そして、ネジ部材をナット体のネジ孔に螺合させることで、躯体に埋め込まれたナット体に構造体を固定することができる。
また、請求項2に記載の構造体の設置方法によれば、グラウト材のフロー値が220mm以上であるため、支持部の上面の形状が水平面に平行な形状により近づき、構造体を上下方向により正確に位置決めすることができる。
請求項3に記載の構造体の設置方法によれば、第1のナットと第2のナットとの距離、すなわちナット体の全長が変化するため、固定穴の深さに応じてナット体の長さを調節して使用することができる。
本発明の第1実施形態の構造体の設置方法により柱体が設置された状態を説明する一部を破断した正面図である。 同構造体の設置方法を示すフローチャートである。 同構造体の設置方法において固定穴内にナットを配置した状態を説明する正面断面図である。 同構造体の設置方法において支持部を形成した状態を説明する正面断面図である。 本発明の第2実施形態の構造体の設置方法により柱体が設置された状態を説明する一部を破断した正面図である。 同構造体の設置方法で用いられるナット体の側面断面図である。 本発明の変形例の構造体の設置方法で用いられるナット体の側面断面図である。 本発明の変形例の構造体の設置方法で用いられるナット体の側面断面図である。 本発明の変形例の構造体の設置方法で用いられるナット体の側面断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る構造体の設置方法の第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。図1に示すように、本構造体の設置方法は、柱体(構造体)10を、鉄筋コンクリート(躯体)20上に形成された支持部24の上面24a上に当接させるとともに、ネジ部材30により鉄筋コンクリート20に埋め込まれたナット(ナット体)40に接続する方法である。
図2に示すように、本実施形態の構造体の設置方法は、鉄筋コンクリート20に後述する固定穴21を形成する穴形成工程S1と、固定穴21内にナット40を配置するナット配置工程S2と、鉄筋コンクリート20上に支持部24を形成する支持部形成工程S3と、柱体10を鉄筋コンクリート20に接続する接続工程S4とを備えている。
まず、図3に示すように、穴形成工程S1において、コンクリートカッターなどを用いた穿孔などにより、鉄筋コンクリート20の上面20aに、上方に開口を有する固定穴21を形成する。
次に、ナット配置工程S2において、固定穴21内に、ナット40のネジ孔40aが上下方向に延びるとともに、ナット40の下面40bが固定穴21の底面に当接するようにナット40を配置する。
続いて、支持部形成工程S3において、鉄筋コンクリート20の上面20aに型枠22を、内部に一定の空間T1を形成し、この空間T1に固定穴21の開口が入るように配置する。そして、図4に示すように、鉄筋コンクリート20の上面20a上およびナット40周りに、ネジ孔40aを塞がないように、所定の流動性を有する液状のグラウト材23を打設する。ここで、「所定の流動性」とは、フロー試験(JASS−15 M103)におけるフロー値が220mm以上である流動性のことを意味する。
なお、グラウト材23としては、セメントやモルタルなどを適宜選択して用いることができる。
フロー試験は、日本建築学会が制定した建築工事標準仕様書(Japanese Architectural Standard Specification)において、JASS−15 M103:セルフレベリング材の品質基準で規定された試験である。
その概要は、以下のようである。厚さ5mmのみがき板ガラスあるいは塩化ビニル製平板の上に、内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプを置く。練り混ぜたセルフレベリング材をパイプに充填した後、パイプを引きあげる。セルフレベリング材の広がりが静止した後、平板上の直角2方向のセルフレベリング材の直径を測定し、その直径の平均値をフロー値とする。
従来の高い流動性を有するグラウト材は、隙間への流動性が重要視されていたため、J14ロート試験値(JSCE(日本土木学会基準)−F 541−1999)などの、流体としての狭窄部への流入性(流れ易さ)が重要視されていた。本発明で使用するグラウト材23は、狭窄部への流入性よりも水平化特性(広がり易さ)が重要視されるため、J14ロート試験による流入性が高い必要はなく、フロー試験におけるフロー値を重要視する。
グラウト材23を打設すると、グラウト材23は自身に作用する重力により、上面23aが水平面に対して略平行となる。このとき、グラウト材23の上面23aを目視して空隙がないことを確認する。上面23aに空隙がある場合には、空隙を取り除くための必要な処置を行う。
この状態で所定の時間放置すると、グラウト材23は、ほぼこの形状を保ったままセメントと水との反応により硬化、収縮し、鉄筋コンクリート20の上面20a上に支持部24が形成される。支持部24の上面24aは、グラウト材23の上面23aとほぼ同形状の、水平面に対して略平行な形状となる。このとき、支持部24の上面24aがナット40の上面40cに一致するか、上面24aがナット40の上面40cより上方に位置するように設定する。以上の手順により、ナット40が鉄筋コンクリート20に埋め込まれる。
支持部24が完全に硬化してから、鉄筋コンクリート20から型枠22を取り外す。
次に接続工程S4において、図1に示すように、柱体10の下面に設定された支持面10aを支持部24の上面24aに当接させることで、上面24a上で柱体10が上下方向に位置決めされる。そして、ネジ部材30を柱体10に形成された貫通孔10bを通してナット40のネジ孔40aに螺合させることで、柱体10を鉄筋コンクリート20に接続する。
以上説明したように、本実施形態の構造体の設置方法によれば、液状のグラウト材23は所定の流動性を有するので、グラウト材23に作用する重力によりグラウト材23の上面23aが水平面に対して略平行となるように広がる。このため、グラウト材23が硬化して支持部24となることで、支持部24の上面24aが水平面にほぼ平行になる。また、支持部24に埋め込まれたナット40の上面40cは、支持部24の上面24aに一致するか下方に位置するように設定されるので、柱体10の支持面10aを支持部24の上面24aに当接するように配置したときに、ナット40が柱体10の支障となることはない。
柱体10の支持面10aを支持部24の上面24aに当接するように配置することで、柱体10を上下方向に容易に位置決めすることができる。そして、柱体10に形成された貫通孔10bを通してネジ部材30をナット40のネジ孔40aに螺合させることで、鉄筋コンクリート20に埋め込まれたナット40に柱体10を固定することができる。
本実施形態では、鉄筋コンクリート20内にアンカーフレームを配置する必要がない。一般的に、アンカーフレームは、高い寸法精度が要求されるとともに、本実施形態で用いられるネジ部材30またはナット40に比べて重い。このため、従来の設置方法では、構造体の設置に要する時間と費用が増大するという問題がある。これに対して本実施形態の構造体の設置方法によれば、アンカーフレームを配置しない分、施工に要する時間や費用を低減させることができる。
さらに、本実施形態では、上記従来の設置方法とは異なり、充填したグラウト材23の上面23aを目視により確認することができる。したがって、支持部24に空隙が形成されるのを防止することができる。
液状のグラウト材23は、フロー試験におけるフロー値が220mm以上である。フロー値が220mm以上であることで、支持部24の上面24aの形状が水平面に平行な形状により近づくので、柱体10を上下方向により正確に位置決めすることができる。
なお、フロー値を所定の値以下に設定することで、グラウト材23が硬化するときの支持部24の上面24aの変形を抑えることができる。支持部24の上面24aの形状を水平面に平行な形状により近づけるとともに、硬化するときの上面24aの変形を抑えるために、フロー値を220mm以上であって所定の値以下に設定することが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5に示すように、本実施形態の構造体の設置方法は、前記第1実施形態の構造体の設置方法においてナット40に代えてナット体50を用いている。
図6に示すように、ナット体50は、多角形の筒状に形成された上部ナット(第1のナット)51、中部ナット(第2のナット)52および下部ナット(第2のナット)53と、上部ナット51と中部ナット52、中部ナット52と下部ナット53をそれぞれ接続する連結用ネジ体54、55と、上部ナット51の内周面に形成されたネジ孔51aと連結用ネジ体54に形成されたネジ溝54aとの接続部分を水密に保持する密封部56とを有している。
上部ナット51、中部ナット52および下部ナット53は、同一の形状に形成されている。すなわち、上部ナット51のネジ孔51a、中部ナット52に形成されたネジ孔(第2のネジ孔)52aおよび下部ナット53に形成されたネジ孔(第2のネジ孔)53aは、同一の内径およびピッチに設定されている。
連結用ネジ体54、連結用ネジ体55には、全長にわたりネジ溝(第1のネジ溝、第2のネジ溝)54a、ネジ溝(第1のネジ溝、第2のネジ溝)55aがそれぞれ形成されている。
連結用ネジ体54のネジ溝54aは、上部ナット51のネジ孔51aの一部を残してネジ孔51aに一端が螺合するとともに、中部ナット52のネジ孔52aの一部を残してネジ孔52aに他端が螺合している。同様に、連結用ネジ体55のネジ溝55aは、中部ナット52のネジ孔52aにおけるネジ溝54aが螺合していない部分に一端が螺合するとともに、下部ナット53のネジ孔53aの一部を残してネジ孔53aに螺合している。
密封部56は、ネジ溝54aとネジ孔51aの端部との接続部分に配置され、本実施形態では樹脂で形成された接着剤が用いられている。密封部56は、ネジ溝54aにおける軸線C方向の所定の位置に、全周にわたり配置されている。
下部ナット53において、連結用ネジ体55が螺合する側と反対側の端部には、調節用ネジ体57が接続されている。
調節用ネジ体57は、ネジ溝(第2のネジ溝)57aと、ネジ溝57aの端部に設けられた大径部57bとを有している。大径部57bは、外径がネジ溝57aの外径より大きな円板状に形成されている。ネジ溝57aは、大径部57bが下部ナット53から所定の距離離間するように、下部ナット53のネジ孔53aに螺合している。
以上のように構成されたナット体50は、それぞれのネジ孔とネジ溝とが螺合する範囲を調節することで、軸線C方向の長さを変化させることができる。
以上説明したように、本実施形態の構造体の設置方法によれば、柱体10を上下方向に容易に位置決めして支持部24の上面24a上に固定することができる。
さらに、中部ナット52のネジ孔52aと連結用ネジ体54のネジ溝54aとが螺合する軸線C方向の範囲を調節することで、上部ナット51と中部ナット52との距離が変化しナット体50の全長が変化する。このため、固定穴21の深さに応じて、ナット体50の長さを調節して使用することができる。
また、ナット体50は、ナット51、52、53を軸線C方向に接続させた構造となっている。したがって、それぞれナット51、52、53のネジ孔51a、52a、53aにおける内径に対する長さの比を抑えることができる。この比の値が大きいナットを製造するには特殊な工具が必要な場合があるが、本実施形態では、特殊な工具を用いることなく、ナット51、52、53を備えるナット体50を容易に製造することができる。
密封部56により、ネジ孔51aとネジ溝54aとの接続部分を通して上部ナット51のネジ孔51a内に液状のグラウト材23が侵入することを防止することができる。
なお、本実施形態では、密封部56として樹脂で形成された接着剤を用いた。しかし、これに代えて、密封部が、樹脂、ゴム、油脂、および溶接接続部(ネジ溝54aとネジ孔51aとを溶接により接続した部分)の少なくとも一つを含んで構成されるものとしてもよい。密封部の具体的な例としては、コーティング材を挙げることができる。
以上、本発明の第1実施形態および第2実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更なども含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
たとえば、前記第1実施形態におけるナット40、および第2実施形態におけるナット体50は、以下の図7〜図9に説明するナット体のように様々な構成とすることができる。
図7に示すナット体60は、前記第2実施形態のナット体50における下部ナット53、連結用ネジ体55および調節用ネジ体57が備えられていない構成となっている。ナット体60は、このような簡単な構成であっても、中部ナット52のネジ孔52aと連結用ネジ体54のネジ溝54aとが螺合する範囲を調節することで、ナット体60の軸線C方向の長さを変化させることができる。
なお、本変形例において、ナット体に備えられるナットの数は、2つ以上であればいくつでもよく、この場合には、ナット体に備えられる数のナットを接続するための連結用ネジ体がナット体に備えられる。
図8に示すナット体70は、前記第2実施形態のナット体50の中部ナット52、連結用ネジ体54、55に代えて、中部ナット71、連結用ネジ体72、73をそれぞれ備えている。
中部ナット71は、中部ナット52より外径、および中部ナット71に形成されるネジ溝71aの内径がそれぞれ大きく設定されている。
連結用ネジ体72は、前述のネジ溝54aが一端に形成されているとともに、中部ナット71のネジ溝71aに螺合するネジ溝72aが他端に形成されている。また、連結用ネジ体72には、ネジ溝54aとネジ溝72aとの間にネジ溝72aより大径のフランジ部72bが設けられている。
同様に、連結用ネジ体73は、中部ナット71のネジ溝71aに螺合するネジ溝73aが一端に形成されているとともに、前述のネジ溝55aが他端に形成されている。また、連結用ネジ体73には、ネジ溝73aとネジ溝55aとの間にネジ溝73aより大径のフランジ部73bが設けられている。
本変形例のように、互いに内径の異なる上部ナット51および中部ナット71であっても、連結用ネジ体72を用いることで互いに接続してナット体70を構成することができる。
さらに、中部ナット71の外径は上部ナット51の外径より大きく設定されているので、ナット体70の周囲にグラウト材23が注入され硬化したときに、ナット体70を軸線C方向にさらに移動しにくくすることができる。
図9に示すナット体80は、前記変形例のナット体70において密封部56が備えられず、連結用ネジ体72に設けられたフランジ部72bが上部ナット51のネジ孔51aの縁部に水密に当接するように構成したものである。
本変形例においては、フランジ部72bが密封部を構成する。
ナット体80をこのように構成することで、ネジ孔51aの縁部とフランジ部72bとの接続部分を、より確実に水密に保持することができる。
なお、前記第2実施形態および前記変形例では、それぞれのナットの軸線C方向の長さは互いに異なっていてもよい。
また、前記第1実施形態および第2実施形態では、ネジ部材30を柱体10の貫通孔10bを通してナットのネジ孔に螺合させることで、柱体10を鉄筋コンクリート20に接続した。しかし、ネジ部材30が柱体10に回転可能に支持されるように構成し、このネジ部材30をナットのネジ孔に螺合させることで、柱体10を鉄筋コンクリート20に接続するように構成してもよい。
前記第1実施形態および第2実施形態では、鉄筋コンクリート20の固定穴21は、型枠を配置してからコンクリートを流入させる箱抜きにより形成してもよい。
10 柱体(構造体)
20 鉄筋コンクリート(躯体)
21 固定穴
23 グラウト材
24 支持部
40 ナット(ナット体)
40a ネジ孔
40c 上面
50、60、70、80 ナット体
51 上部ナット(第1のナット)
51a ネジ孔
52、71 中部ナット(第2のナット)
52a、53a、71a ネジ孔(第2のネジ孔)
53 下部ナット(第2のナット)
54、55、72、73 連結用ネジ体
54a、55a ネジ溝(第1のネジ溝、第2のネジ溝)
56 密封部
57 調節用ネジ体
57a、72a ネジ溝(第2のネジ溝)
57b 大径部
S1 穴形成工程
S2 ナット配置工程
S3 支持部形成工程
S4 接続工程

Claims (3)

  1. 躯体において上方に開口を有する固定穴を形成する穴形成工程と、
    前記固定穴内に、ネジ孔が上下方向に延びるようにナット体を配置するナット配置工程と、
    前記躯体における前記固定穴が形成された面上および前記ナット体周りに前記ネジ孔を塞がないように流動性を有するグラウト材を打設し、上面が水平面に対して略平行となるとともに、前記上面が前記ナット体の上面に一致するか、前記上面が前記ナット体の上面より上方に位置するように前記グラウト材を硬化させて支持部を形成する支持部形成工程と、
    前記支持部の上面に構造体の支持面を当接させるとともにネジ部材を前記ネジ孔に螺合させることで、前記構造体を前記躯体に接続する接続工程と、
    を備えることを特徴とする構造体の設置方法。
  2. 前記グラウト材は、フロー試験(JASS−15 M103)におけるフロー値が220mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の構造体の設置方法。
  3. 前記ナット体は、
    前記ネジ孔が形成された第1のナットと、
    第2のネジ孔が形成された第2のナットと、
    前記ネジ孔の一部を残して前記ネジ孔に螺合する第1のネジ溝が一端に、前記第2のネジ孔に螺合する第2のネジ溝が他端にそれぞれ形成された連結用ネジ体と、
    前記ネジ孔と前記第1のネジ溝との接続部分を水密に保持する密封部と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の構造体の設置方法。
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