JP5469323B2 - 耐食性に優れた自動車用熱交換器 - Google Patents
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Description
特許文献1では、Mn 0.2〜2mass%を含む、またはさらにMg 0.01〜2mass%、Cu 0.01〜0.5mass%のうちの1つ以上を含むAl合金を心材とし純度99.7mass%以上の高純Alを皮材としてなることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金合わせ材が記されている。
特許文献2では、Alからなる芯材の少なくとも一方の面に犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウムクラッド材であって、犠牲陽極材がAl純度99.9mass%以上の純Alからなることを特徴とする熱交換器用高耐食Alクラッド材が記されている。
すなわち、本発明は、
(1)Al合金からなる心材の少なくとも片面に純度99.5mass%以上のAlからなる皮材をクラッドしたAl合金チューブ材の当該皮材面に、Siを3〜8mass%含有したAl合金ろう材を心材にクラッドしたフィン材を接合した材料を用いてなることを特徴とする自動車用熱交換器、
(2)Al合金からなる心材の片面に純度99.5mass%以上のAlからなる皮材をクラッドし、前記心材の皮材をクラッドした面とは反対の面にAl−Si合金ろう材をクラッドしたAl合金チューブ材の当該皮材面に、Siを3〜8mass%含有したAl合金ろう材を心材にクラッドしたフィン材を接合した材料を用いてなることを特徴とする自動車用熱交換器、
(3)Al合金からなる心材の少なくとも片面に純度99.5mass%以上のAlからなる皮材をクラッドしたAl合金チューブ材の該皮材面に接合して自動車車用熱交換器に用いられる、Siを3〜8mass%含有したAl合金ろう材を心材にクラッドしたことを特徴とするフィン材、および、
(4)Siを3〜8mass%含有したAl合金ろう材を心材にクラッドしたフィン材に接合して自動車車用熱交換器に用いられる、Al合金からなる心材の少なくとも片面に純度99.5mass%以上のAlからなる皮材をクラッドし、該皮材面にフィン材を接合させることを特徴とするAl合金チューブ材
を提供するものである。
本発明に係る純AlをクラッドしたAl合金チューブ材は、心材の皮材をクラッドした面とは反対の面に純Alをクラッドしても良いし、Al−Si合金ろうをクラッドしても良い。また、成形等の加工を行い流路となるチューブ形状のチューブ材として使用することもできる。この場合、純Alからなる皮材を内面側として作製されたチューブ材とするものである。
本発明に用いるチューブ材の製造方法については、通常の方法を採用することができ、特に限定されるものではないが、例えば次のようにすることが好ましい。
半連続鋳造により皮材、心材、ろう材の鋳塊をそれぞれ作製し、鋳塊の両面を面削して、3層を重ね合わせる。これに400〜550℃で1〜10時間の予備加熱を行い、熱間圧延により板厚を5mm程度まで減少させる。さらに、冷間圧延および300〜450℃で1〜10時間の最終焼鈍を行って、厚さ0.3mm程度のチューブ材とする。
皮材のクラッド率は3〜25%が好ましく、5〜20%がさらに好ましい。
ろう材のクラッド率は5〜20%が好ましく、8〜15%がさらに好ましい。
本発明においてフィン材のろう材はSiを3〜8mass%含有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl−Si合金からなる。ろう材に含有されるSiは融点を低下させる作用を有し、ろうが流れやすくなる。フィン材のろう材のSi含有量は通常8〜13mass%程度であるが、チューブ材皮材の純Al表面までろうが流れ耐食性を低下させるのを抑制するために、フィン材のろう材Si量を制限した。フィン材のろう材Si量が低い場合でも、ろう付加熱によってフィン材との接触している箇所のみで局所的にフィン材のろうが溶融し接合される。ろう付加熱によってフィン材とチューブ材をろう付接合するためには、3mass%以上のSiを添加する必要がある。一方Si量が8mass%を越えるとチューブ材皮材の純Al表面までろうが流れ耐食性を低下させるため、Siの上限を8mass%とした。Si含有量は4〜7mass%であることがさらに好ましい。さらに、必要に応じ、0.3mass%以下のFe、0.1mass%以下のCu、0.05〜2.0mass%のZn、0.01〜0.2mass%のIn、0.01〜0.2mass%のSnを添加しても良い。
本発明に用いるフィン材の製造方法については、通常の方法を採用することができ、特に限定されるものではないが、例えば次のようにすることが好ましい。
半連続鋳造により心材及びろう材の鋳塊をそれぞれ作製し、鋳塊の両面を面削して、心材の両面にろう材を重ね合わせる。これに400〜550℃で1〜10時間の予備加熱を行い、熱間圧延により板厚を5mm程度まで減少させる。さらに、冷間圧延および300〜500℃で1〜10時間の最終焼鈍を行って、厚さ0.1mm程度のシートとする。
ろう材のクラッド率は5〜20%が好ましく、8〜15%がさらに好ましい。
本発明に係る熱交換器は、種々の部材を組み合わせ、これらをろう付けして製造される。そして、上記Al合金チューブ材の皮材面に、上記のAl合金ろう材をクラッドしたフィン材を接合した部材を少なくとも一部に有するものである。
なお、3〜8mass%Siという比較的低組成のSiを含有するろう材にてチューブ材とのろう付を行うため、チューブ材の皮材表面に非腐食性フラックスを5g/m2以上塗布することが特に好ましい。
なお、実施例と比較例に用いられるAl合金チューブ材(以下、「チューブ材」と表す)およびフィン材は以下のように製造されたものである。
表1に示す、皮材、心材、ろう材を、それぞれ、通常の半連続鋳造を行い、鋳塊の両面を10mmずつ面削し、3層重ね合わせ総厚さが550mmとなるようにした。次いで、500℃で6時間の予備加熱を行い、熱間圧延により板厚5mmまで圧延し、更に板厚0.3mmまで冷間圧延を行い、350℃で3時間の最終焼鈍を行なって、厚さ0.3mmのNo.A〜Eの板状チューブ材を作製した。
フィン材は通常の半連続鋳造を行い、鋳塊の両面を10mmずつ面削し、表2に示す心材の両面にろう材を重ね合わせ、総厚さが550mmとなるようにした。次いで、500℃で6時間の予備加熱を行い、熱間圧延で5mmまで圧延し、0.25mmまで冷間圧延を行い、400℃で3時間の中間焼鈍を行い、最終冷間圧延により厚さ0.1mmのシートを得た。次いで、このAl合金シートにコルゲート加工を施してNo.イ〜ニのフィン材を作製した。
上記のようにして作製したチューブ材とフィン材を表3に示すように組合せ、チューブ材の皮材表面に非腐食性フラックスを8g/m2塗布し、窒素雰囲気中で400℃で30分間加熱処理を施し、次いで600℃まで40℃/minの速度で昇温し、580℃〜600℃の温度範囲に5分間保持しろう付を行った。次いで、これを室温で冷却して試験用テストピース(TP)の熱交換器を作製した。
チューブ材表面の単位面積あたりの腐食体積の結果を表4に示す。
比較例1では、皮材のAl純度が低いため、金属間化合物の量が多く、カソード反応が活性に起こる。その結果、チューブ材の単位面積あたりの腐食体積が多くなり、耐食性を満足できなかった。
比較例2では、皮材としてAl−Zn合金を使用したために、チューブ材の単位面積あたりの腐食体積が多くなり、耐食性を満足できなかった。
比較例3では、フィン材のろう材のSi量が高いために、ろうの流動によって純Al表面にAl−Si合金層が形成され、カソード反応が促進される。その結果、チューブ材の単位面積あたりの腐食体積が多くなり、耐食性を満足できなかった。
Claims (4)
- Al合金からなる心材の少なくとも片面に純度99.5mass%以上のAlからなる皮材をクラッドしたAl合金チューブ材の当該皮材面に、Siを3〜8mass%含有したAl合金ろう材を心材にクラッドしたフィン材を接合した材料を用いてなることを特徴とする耐食性に優れた自動車用熱交換器。
- Al合金からなる心材の片面に純度99.5mass%以上のAlからなる皮材をクラッドし、前記心材の皮材をクラッドした面とは反対の面にAl−Si合金ろう材をクラッドしたAl合金チューブ材の当該皮材面に、Siを3〜8mass%含有したAl合金ろう材を心材にクラッドしたフィン材を接合した材料を用いてなることを特徴とする耐食性に優れた自動車用熱交換器。
- Al合金からなる心材の少なくとも片面に純度99.5mass%以上のAlからなる皮材をクラッドしたAl合金チューブ材の該皮材面に接合して自動車用熱交換器に用いられる、Siを3〜8mass%含有したAl合金ろう材を心材にクラッドしたことを特徴とするフィン材。
- 心材にSiを3〜8mass%含有したAl合金ろう材をクラッドしたフィン材に接合して自動車用熱交換器に用いられる、Al合金からなる心材の少なくとも片面に純度99.5mass%以上のAlからなる皮材をクラッドし、該皮材面にフィン材を接合させることを特徴とするAl合金チューブ材。
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