JP5467366B2 - 非荷電性親水性ブロック及び側鎖の一部に疎水性基が導入されたカチオン性のポリアミノ酸ブロックを含んでなる共重合体、その使用 - Google Patents

非荷電性親水性ブロック及び側鎖の一部に疎水性基が導入されたカチオン性のポリアミノ酸ブロックを含んでなる共重合体、その使用 Download PDF

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Description

本発明は、親水性ポリマー鎖ブロックと、側鎖の一部に疎水性基が導入されたカチオン性ポリアミノ酸鎖ブロックを含んでなるブロック共重合体ならびに該共重合体と核酸分子から形成される複合体、特にミセル型粒子に関する。
small interferring RNA(siRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドを始めとする生理活性を有する核酸医薬は、癌やウイルス性疾患等に対する次世代の治療薬として期待されている。しかし、これらの核酸は本質的に生体内で不安定であり、生体利用効率の低さから現在のところ実用的な用途は限定されている。核酸医薬をより幅広い疾患の治療に応用するためには、全身投与を可能とする効率的で安全な核酸デリバリーシステムが必要である(下記の非特許文献1及び2参照)。ウイルスベクターは高効率で核酸を標的部位にデリバリーできることが知られているが、免疫原性、発癌性等により臨床上の利用は制限されている(下記の非特許文献3及び4参照)。そのため、カチオン性のポリマーやカチオン性脂質から構成される非ウイルスベクターに注目が集まっている(下記の非特許文献5及び6参照)。
カチオン性ポリマーは静電的相互作用により核酸と複合体を形成するが、それだけでは標的に効率よくデリバリーできる粒子径の制御及び血中での安定性に問題があるため、カチオン性ポリマーにポリエチレングリコール(PEG)などの生体親和性の高い水溶性高分子を結合させる方法が提案されている(下記の特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献7及び8参照)。これらの複合体はPEGからなる親水性のシェルと核酸の結合したコアを有するコア−シェル型の粒子となるため粒子径の制御は可能となるが、静脈投与した場合には速やかに血中から除去されてしまうことが報告されており(下記の非特許文献9及び10参照)、さらなる安定化が望まれる。
概説すれば、特許文献1は、例えば荷電性分子であるDNAの標的デリバリー用担体として親水性セグメントおよび荷電性セグメントを含むブロック共重合体を記載しているが、該共重合体から形成された核酸複合体は上述したような血中での安定性に問題がある場合がある。特許文献2では、かような問題点を改善すること、具体的には、水性媒体中での該ブロック共重合体の複数分子から形成される高分子ミセルを安定化すること等を目的として該重合体分子間にジスルフィド架橋が形成されるようにメルカプト基が該ブロック共重合体の荷電性セグメント中に導入されている。また、特許文献3では、例えば、ポリ−L−リシンの側鎖のε−アミノ基を介して親水性基としてのPEG鎖および疎水性基としてのパルミトイル基を導入したグラフト重合体が提供されている。
他方、一方の末端にPEG鎖を導入したカチオン性ポリマー(例えば、PEG化ポリ(N−メチルジエタンアミン セバケート))に対し、側鎖として疎水性基であるコレステロールをグラフトして、ポリマーミセルを安定化する方法が提案されている(下記の非特許文献11参照)。この文献では血中滞留性の評価は報告されていないが、疎水基の導入により粒子はある程度安定化されたと考えられる。しかし、このポリマーの調製には過酷な条件(120℃、24時間)を用いる必要があり、ポリマーの分解が生じることから、ポリマーの分子量及びPEG、コレステロールの導入率を安定に制御することは困難と考えられる。また、この方法ではpH4.6という酸性条件において核酸との複合体を調製する必要があるが、そのような酸性条件ではDNAは不安定である(下記の非特許文献12参照)。これらの点で、このポリマーを使う場合には製剤化に問題が生じる可能性がある。さらに、該文献で用いられているPEGは分子量が最大で2000であり、またポリマー中のPEG含量は1.8〜8.2%である。この条件では親水性シェルの形成は不十分と考えられ、DNAとの複合体の粒子径は200nm以上と大きく、また粒子のゼータ電位はコアの性質を反映して負または正の値を示している。このような性質は高い血中滞留性を実現するための障害となる(当該技術分野に関するその他の情報も含めて下記の非特許文献6及び13〜17参照)。
引用文献の一覧:
特開平8−188541号公報 特開2001−146556号公報 WO99/61512 C.D.Novina,et al.,Nature,2004,430,161−164. W.Pun,et al.,Journal of Cellular Biochemistry,2006,98,14−35. R.G.Crystal,et al.,Science,1995,270,404−410. S.K.Tripathy,et al.,Nature Medicine,1996 2,545−550. A.de Fougerolles,et al.,Nature Review Drug Discovery,2007,6,443−453. S.Akhtar,et al.,Journal of Clinical Investigation,2007,117,3623−3632. R.M.Schiffelers,et al.,Nucleic Acids Research,2004,32,e149. S.Hu−Lieskovan,et al.,Cancer Research,2005,65,8984−8992. H.K.de Wolf,et al.,International Journal of Pharmaceutics,2007,331,167−175. J.D.Heidel,et al.,Proceedings of the National Academy of Sciences,2007,104,5715−5721. Y.Wang,et al.,Biomaterials,2007,28,5358−5368. E.Walter,et al.,Journal of Controlled Release,1999,61,361−374. C.Nicolazzi,et al.,Journal of Controlled Release,2003,88,429−443. B.Thompson,et al.,Bioconjugate Chemistry,2005,16,608−614. D.Oupicky,et al.,Gene Therapy,2001,8,713−724. Y.Takakura,et al.,International Journal of Pharmaceutics,1994,105,19−29. Y.Yamasaki,et al.,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,2002,301,467−477.
上述したとおり、核酸のベクターとして、ウイルスベクター以外について、今日でも、多種多様な開発研究または取り組みがなされている。しかし、医療用の材料として有利に使用でき、しかも効率よく標的に核酸をデリバリーできるベクターまたは担体に対するニーズは未だ存在する。例えば、非特許文献11に記載されたPEG化ポリ(N−メチルジエタンアミン セバケート)−co−((コレステリルオキソカルボニルアミドエチル)メチルビス(エチレン)アンモニウムブロミドセバケート))はそれらから形成されるミセル型粒子が一定の安定性を有することが記載されているものの、医薬用材料に要求される材料の均質性、また、医薬それ自体の均質性を確立することが容易にできる系を提供するとの観点からは、さらなる改良が望まれるであろう。
本発明者等の一部は、上記の特許文献2に記載されているとおり、ブロック共重合体から形成される高分子ミセル(またはミセル型粒子)の安定化が該共重合体分子間にジスルフィド架橋を形成(共有結合を形成)することにより飛躍的に向上できることを明らかにした。しかし、材料の多様性を図るべく、さらなる異なる核酸デリバリー用の材料を探索してきた。
その結果、特許文献2に記載された非荷電性親水性ポリマー鎖ブロック及びカチオン性ポリアミノ酸鎖ブロックを含んでなるブロック共重合体は、非特許文献11に記載された共重合体とは本質的に構造を異にするが、ポリアミノ酸反復単位(ユニット)の側鎖の一部に疎水性基を導入して修飾したブロック共重合体は、前記のブロック共重合体分子のポリマー主鎖間をジスルフィド結合した場合以上の利点を高分子ミセルに付与し得ることを見出した。
こうして、本願発明では、非荷電性親水性ポリマー鎖ブロック及びカチオン性ポリアミノ酸鎖ブロックを含んでなるブロック共重合体であって、親水性ポリマー鎖ブロックが該ポリアミノ酸鎖ブロックの主鎖のいずれか一方の末端に共有結合を介して結合しており、かつ、該ポリアミノ酸鎖ブロックにおけるアミノ酸単位の10パーセント以上70パーセント以下の側鎖に疎水性基が共有結合を介して結合している、上記ブロック共重合体が提供される。
また、本願発明は、かような共重合体と核酸の複合体も提供する。
図1は、実施例2で合成されたPPLC1のH NMRスペクトラムである。なお、図中aはポリエチレングリコールのメチレン基由来のピークであり、bはコレステロール基中のメチル基由来のピークである。
図2は、実施例2で合成されたPPLS1のH NMRスペクトラムである。なお、図中aはポリエチレングリコールのメチレン基由来のピークであり、bはステアロイル基中のメチル基由来のピークである。
図3は、PPLC1〜PPLC4及びPEG−P(Lys)の各ポリマーとsiRNAを用い、各N/P比において形成させた粒子溶液の電気泳動の結果得られた写真である(但し、N/P比0とは、siRNAのみを泳動したレーンを指す。)。
図4は、動的光散乱法により測定したPPLC1〜PPLC4及びPEG−P(Lys)の各ポリマーとsiRNAからなる会合体の多分散度(pDI)を示すグラフである。
図5は、動的光散乱法により測定したPPLC1〜PPLC4及びPEG−P(Lys)の各ポリマーとsiRNAからなる会合体のキュムラント粒径(diameter)を示すグラフである。
図6は、動的光散乱法により測定した、PPLC2を用いsiRNAとN/P比6で形成させた粒子の粒子径分布のヒストグラムである。
図7は、PPLC2とsiRNAからなる会合体のゼータ電位(zeta potential)の測定結果を示すグラフである。
図8は、PPLC2を用いN/P比1.5〜10で調製した粒子、PPLS1を用いN/P比6で調製した粒子及び粒子化していないsiRNA(naked)の投与後1時間における血中滞留性を評価した結果を示すグラフである。
図9は、PPLC1〜4及びPEG−PLysを用い、N/P比6で調製した粒子及び粒子化していないsiRNA(naked)の、投与後2時間における血中滞留性を評価した結果を示すグラフである。
図10は、PPLZを用いN/P比8で調製した粒子、PPLZbを用いN/P比8で調製した粒子及び粒子化していないsiRNA(naked)の投与後2時間における血中滞留性を評価した結果を示すグラフである。
図11は、PPLC2を用いN/P比6で調製した粒子及び粒子化していないsiRNA(naked)の、投与後15分〜4時間までの血中滞留性を評価した結果を示すグラフである。
本発明について使用する用語または技術用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で使用されている通常の意味を有するものと理解される。
非荷電性親水性ポリマー鎖ブロックは、ポリエチレングリコール(またはポリ(オキシエチレン)からなる水溶性ポリマー由来である。ポリアミノ酸鎖ブロックがポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリホモアルギニン又はポリヒスチジンからなる群より選ばれるポリマー由来であることができる。かかる非荷電性親水性ポリマー鎖ブロックの分子量は、ブロック共重合体が薬物内包高分子ミセルを形成できる限り、限定できるものでないが、約2500〜200,000Da、好ましくは5,000〜20,000Da、より好ましくは8,000〜15,000Daであり、オキシエチレンの反復単位の数では、55〜4,500の整数であり、好ましくは110〜450、より好ましくは180〜340の整数である。
ブロック共重合体のもう一方のブロックであるポリアミノ酸鎖ブロックは、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリホモアルギニン又はポリヒスチジンからなる群より選ばれるポリマー由来の反復単位を含んでなるか、または該反復単位からなることができる。これらのブロックは該反復単位が10〜100の整数にあり、好ましくは20〜80の整数にあり、より好ましくは20〜60の整数にある。このポリアミノ酸鎖ブロックのアミノ酸残基のうち、全反復単位数(nで表される整数)の10%〜70%に相当する数のアミノ酸残基は、疎水性基をその側鎖に担持する。疎水性基を担持するアミノ酸残基は、ポリアミノ酸ブロック中にどのように配置されていても良く、例えば無秩序またはランダムに配置されている場合、およびブロックとして配置されている場合(すなわち、ポリエチレングリコールブロックと、疎水基を担持するポリアミノ酸からなるブロックと、疎水基を担持しないポリアミノ酸からなるブロックがトリブロックを形成する場合)が挙げられる。疎水性基としては、ステロール誘導体の残基またはC4−24ヒドロカルビル基が挙げられる。ステロールとは、シクロペンタノンヒドロフェナントレン環(C1728)をベースとする天然、半合成または合成の化合物を意味し、例えば、天然のステロールとしては、限定されるものではないが、コレステロール、コレスタノール、ジヒドロコレステロール、コール酸等が挙げられ、その半合成または合成の化合物としては、これら天然物の例えば、合成前駆体(必要により、存在する場合には、一定の官能基、ヒドロキシ基の一部もしくは全部が当該技術分野で既知のヒドロキシ保護基により保護されているか、またはカルボキシル基がカルボキシル保護により保護されている化合物を包含する)であることができる。また、ステロール誘導体とは、本発明の目的に悪影響を及ぼさない範囲内で、シクロペンタノンヒドロフェナントレン環にC1−12アルキル基、ハロゲン原子、例えば、塩素、臭素、フッ素、が導入されていてもよく、該環系は飽和、部分不飽和、であることができること等を意味する。ステロール誘導体の残基は、好ましくは、コレステロール、コレスタノール、ジヒドロキシコレステロールの3位ヒドロキシ基の水素原子が除去された基である。さらに好ましくは、コレステロール3位ヒドロキシ基の水素原子が除去された基である。C4−24ヒドロカルビル基に言う、ヒドロカルビルとは、炭素原子と水素原子からなり、直鎖もしくは分岐のC4−24、好ましくはC12−24アルキル、直鎖もしくは分岐のC4−24、好ましくはC12−24アルケニル、直鎖もしくは分岐のC4−24、好ましくはC12−24アルキニル、C4−24、好ましくはC12−24の籠状化合物、例えば、アダマンチル等、およびアリールアルキルで、アリールがフェニルまたはナフチルであり、アルキルがC−Cであるもの、例えば、ベンジル基等を挙げることができるが、好ましくは、直鎖もしくは分岐C20、より好ましくはC12−20アルキル、直鎖もしくは分岐のC4−20、好ましくはC12−20アルケニル、およびベンジル基である。なお、上述のアルケニル及びアルキニル基には複数の不飽和結合が含まれていても良い。
このような、ブロック共重合体のより具体的なものとしては、一般式I又はII
で表される共重合体を挙げることができる。
上式中、式中、Aは水素原子、または式R(R)CH(CH−で表される基を表し、R及びRは独立して水素原子、C1−6アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールC1−3オキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、C1−6アルコキシカルボニル基、C2−7アシルアミド基、トリ−C1−6アルキルシロキシ基、シロキシ基、シリルアミノ基を示すか、またはRおよびRは一緒になってC1−3アルキル基で置換されていているかもしくは未置換のエチレンジオキシまたはプロピレンジオキシ基を表し、またはRおよびRはそれらが結合している=CH−基と一緒になってホルミル基を表し、
qは0〜10の整数を表し、
Lは−(CH)rNH−、−NHCHCHNH−、−NHCHCHCHNH−または−COCHCH−NH−を表し、但し、rは0〜5の整数を表し、
L’は、−CO−、−OCO−(CH)r’−CO−および−NHCO−(CH)r’−CO−を表し、但し、r’は1〜5の整数を表し、
Bは−NH−、−NHCOO−、−NHCO−または式IIIで表される置換基を介して結合するステロール誘導体残基またはC4−24ヒドロカルビル基を表し、
QはNH、−NHC(=NH)NHまたは式IVで表される置換基を表し、
Zは水素原子、C2−12アルキルカルボニル基、C3−12アルケニルカルボニル基、C3−12アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールC1−3カルボニル基またはBについて規定する基であり、
Z’は−NH−Rを表し、但し、Rは未置換または置換された直鎖もしくは分枝のC1−12アルキル基であり、
mは55〜5,000の整数を表し、
nは10〜100の整数を表し、
pは1、3または4の整数を表し、
xはポリアミノ酸鎖ブロックに含有される置換基Qを有するユニットの数、yはポリアミノ酸鎖ブロックに含有される置換基Bを有するユニットの数であるが、
x+y=nであり、yはnの10パーセント以上70パーセント以下までを占める整数である。
上式中のC1−12アルキル、C1−3アルキル、または本明細書に言うアルキルとしては、それぞれに該当する炭素数を有する、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキサン、n−ヘプタンデカン、ウンデシル等の直鎖もしくは分岐のアルキルを挙げることができる。
上式中のBが水素原子であるブロック共重合体をはじめとする疎水性基を導入する前のブロック共重合体は、一部はそれ自体公知であるか、それ自体公知の方法で製造できる。一般的に、本発明で使用できるブロック共重合体は、それ自体公知のまたは市販されている非荷電性親水性ポリマー鎖を有するポリマー及びカチオン性ポリアミノ酸鎖を有するポリマーをそのまま、または必要により、分子量分布を狭くするように精製した後、それ自体公知の方法によりカップリングして製造することができる。ポリアミノ酸側鎖への疎水性基の導入は、非荷電性親水性ポリマー鎖とのカップリングによるブロック共重合体の製造の前に行っても良く、または後に行っても良い。これらの場合共重合体の構造は一般式IまたはIIとなる。別法としては、例えば、非荷電性親水性ポリマー鎖がポリエチレングリコール鎖であり、ポリアミノ酸鎖がリシンまたはオルニチンである場合、前者を例えば、一般式IのAをもたらすことのできる開始剤を用いてアニオンリビング重合を行うことにより製造し、次いで、成長末端側にアミノ基を導入し、そのアミノ末端から、Nε−TFA−L−リシン、Nε−Z−L−リシン、Nδ−Z−L−オルニチン、1−ベンジル−L−ヒスチジン、Nδ,Nω−ジ−Z−L−アルギニン等の保護されたアミノ酸のN−カルボン酸無水物(NCA)を重合させてブロック共重合体を合成し、次いで、ポリアミノ酸側鎖に疎水性基を導入することにより、本発明のブロック共重合体を提供できる。この場合共重合体の構造は一般式Iとなる。また、必要により、かような側鎖基の導入と同時に一般式IのZ基として、水素原子以外に該側鎖基と同一の基を導入してもよい。
また、Zが水素原子、該側鎖基以外の基である場合には、対応する酸無水物等を反応体として用いて、それ自体公知の縮合反応により目的とする基をZ基として導入することができる。
上記式中のQはNH、−NHC(=NH)NHまたは式IIIで表される置換基を示すが、これらは同一の分子中で混在して存在していても良い。
上記式中のQに−C(=NH)NHで表される置換基を導入する方法としては、例えば、ブロック共重合体中のリシン及びオルチニン残基の側鎖に存在するアミノ基に対し3,5−Dimethyl−1−pyrazolylformaminidium nitrateを反応させる方法や、水酸化アンモニウム等の塩基存在下でO−メチルイソ尿素を反応させる方法を用いることができる。これらの反応は、Bに疎水基を導入する前、導入した後のいずれにおいても行うことができる。
こうして提供できる本発明のブロック共重合体は、カチオン荷電性基を有するため、例えば、アニオン荷電性化合物、核酸またはアニオン荷電性薬物とイオンコンプレックスを形成することができる。このようなイオンコンプレックは水性媒体中で、自律的に会合してミセル、所謂、高分子ミセルを形成することができる。かようなミセルは、コア部に核酸または薬物を内包し、シェル部として非荷電性親水性ポリマー鎖を有するコア−シェル型構造であることができる。ブロック共重合体には、必要により、一般式Iで示されるブロック共重合体のRCH−で示される特定の官能基、例えば、ホルミル基、アミノ基もしくはカルボキシル基を介し、必要に応じて活性エステル基、マレイミド基等を有する結合基を導入した後に、特定の受容体タンパク質等に対するリガンドまたは抗体(その断片:F(ab‘)2、F(ab)等)を結合して、当該ミセルに標的指向性を付与してもよい。
上記イオンコンプレックスを生成することのできる核酸または薬物は安定性が向上するものであれば何ら制限されることなく使用できる。しかし、好ましくは核酸を使用できるので、説明を簡潔にする目的で、以下では、核酸について説明する。本発明にいう核酸は、プリンまたはピリミジン塩基、ペントース、リン酸からなるヌクレオチドを基本単位とするポリもしくはオリゴヌクレオチドを意味し、オリゴもしくはポリ二本鎖RNA、オリゴもしくはポリ二本鎖DNA、オリゴもしくはポリ一本鎖DNAおよびオリゴもしくはポリ一本鎖RNAを挙げることができ、また同一の鎖にRNAとDNAが混在したオリゴもしくはポリ2本鎖核酸、オリゴもしくはポリ1本鎖核酸も含まれる。また核酸に含有されるヌクレオチドは天然型であっても、化学修飾された非天然型のものであっても良く、またアミノ基、チオール基、蛍光化合物などの分子が付加されたものであっても良い。限定されるものでないが、該核酸は、4〜20,000塩基、好ましくは10〜10,000塩基、さらに好ましくは18〜30塩基からなるものであることができる。また、機能もしくは作用を考慮すると、プラスミドDNA、siRNA、micro RNA、アンチセンス核酸、デコイ核酸、アプタマーおよびリボザイムを挙げることができる。siRNAは標的とする遺伝子またはポリヌクレオチドに対し、公知の方法で設計されたすべてのものを用いることができる。siRNAは長さがヌクレオチド約18〜30個にある一本鎖もしくは二本鎖のいずれかであることができ、当該技術分野で公知の化合物、また、それらと同様な作用または機能を有するすべてのヌクレオチドを包含する。限定されるものでないが、siRNAの具体例は、遺伝子療法の対象となりうる遺伝子を参照して設計することができる。このような遺伝子としては、限定されるものでないが、非小細胞肺癌等に関係のあるPKCα、悪性黒色腫等に関係のあるBCL−2、クローン病に関係のあるICAM−1、C型肝炎に関係のあるHCV、関節リュウマチもしくは乾癬に関係のあるTNFα、喘息に関係のあるアデノシンAI受容体、卵巣癌等に関係のあるc−raf kinase、膵臓癌等に関係のあるH−ras、冠動脈疾患に関係のあるc−myc、大腸癌に関係のあるPKA Ria、エイズに関係のあるHIV、固形癌に関係のあるDNAメチルトランスフェラーゼ、癌に関係のあるVEGF受容体、腎臓癌に関係のあるリボヌクレオチド還元酵素、CMV性網膜炎に関係のあるCMV IE2、前立腺癌に関係のあるMMP−9、悪性グリオーマに関係のあるTGFβ2、多発性硬化症に関係のあるCD49d、糖尿病に関係のあるPTP−1B、癌に関係のあるc−myb、乳癌等に関係のあるEGFR、癌に関係のあるmdr1、autotaxin及びGLUT−1の遺伝子を挙がることができる。
アンチセンス核酸も当該術分野で公知ものまたはそれらと同様の機能または作用を有するすべてのものを用いることができる。かような機能は、mRNAに対してハイブリッドを形成し、二本鎖分子を形成して遺伝子の翻訳を阻害する。他方、リボザイムは、DNA制限エンドヌクレアーゼト同様内その他の一本鎖RNAを特異的に分解できる能力を有するRNA分子を意味する。
本発明のブロック共重合体と核酸との複合体を形成させる方法としては、ブロック共重合体および核酸が溶解した極性有機溶媒含有水溶液中の極性有機溶媒の含有率を低下させる方法を用いることができる。該極性有機溶媒としては、限定されるものではないが、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンからなる群より、1又は複数を用いることができる。極性有機溶媒含有水溶液中の極性有機溶媒の含有率を低下させる方法としては、限定されるものではないが、透析又は留去による方法や、水溶液で希釈した後、必要に応じて限外ろ過等の方法により濃縮する方法などが挙げられる。
本発明の複合体を形成させる際のブロック共重合体と核酸は、[ブロック共重合体中のカチオン残基のモル濃度]/[核酸中のリン酸基のモル濃度]で定義されるN/P比が、1〜50となるように混合されることが好ましく、より好ましくは2〜20の場合であり、さらに好ましくは4〜10の場合である。ここで、ブロック共重合体中のカチオン残基のモル濃度とは、ブロック共重合体中のポリアミノ酸鎖ブロックに含有される、リシン残基のモル数、オルニチン残基のモル数、アルギニン残基のモル数、ホモアルギニン残基のモル数及びヒスチジン残基のモル数、リシン又はオルニチン残基に疎水性基が結合し、結合により二級アミノ基が生成する場合には該疎水性基が結合したリシン又はオルニチン残基のモル数、ヒスチジン残基に疎水性基が結合している場合には該疎水性基が結合したヒスチジン残基のモル数、の総和として算出することができる。例えば、ブロック共重合体が一般式I又はIIで表される場合のカチオン残基のモル濃度は、QにおけるNHで表される置換基のモル数、−NHC(=NH)NHで表される置換基のモル数、式IVで表される置換基のモル数、Bにおける−NH−を介してポリアミノ酸ブロックに結合している疎水性置換基のモル数、Bにおける式IIIで表される置換基を介してポリアミノ酸ブロックに結合している疎水性置換基のモル数、の総和から算出することができる。
本発明のブロック共重合体と核酸との複合体は、平均粒子径が10〜300nmの粒子であることが好ましいが、より好ましくは平均粒子径が20nm〜200nmの場合である。
本発明のブロック共重合体と核酸との複合体は、ゼータ電位が−10〜10mVであることが好ましい。さらに好ましくは−5〜5mVである。
本発明によれば、ブロック共重合体と核酸の複合体は、以下のような特性及び利点を有する。
特性
核酸と緩やかな条件で調製が可能であることから核酸を不安定化することなく安定に生産できる。更に核酸との結合状態は可逆的であることから核酸の化学的構造変化を伴わないため核酸の持つ特性、作用を損なわない。
利点
製造が簡単であるため工業的な生産性に優れているため医療経済上の利点ともなる。生体内などでの安定性が高く、例えば注射剤として投与された後の有効利用される率が格段に改善されるため投与量の大幅な軽減による医療経済上の改善や効果的な薬理作用の発現が期待される。投与量の低減は、核酸に対する免疫応答の惹起や化学修飾オリゴ核酸による血液凝固系への影響などの副作用の抑制などの観点でも有用である。
以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、これらは本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明をこれらに限定することを意図するものではない。
実施例1: ポリエチレングリコール−ポリ(L−リシン)ブロック共重合体の合成及び該重合体へのコレステロール基の導入
(1)Mw(重量平均分子量)12000のα−メトキシ−ω−アミノポリ(エチレングリコール)(日油株式会社)1.5gをジメチルスルホキシド22.5mlに溶解し、ε−トリフルオロアセチル−L−リシンのN−カルボン酸無水物(NCA)1.5g(ポリエチレングリコールに対し45等量)のジメチルスルホキシド溶液22.5mlを加え、35℃で48時間反応を行った。こうして得られたポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ε−トリフルオロアセチル−L−リシン)(PEG−P(Lys(TFA)))をメタノール300ml、1N NaOH30mlに溶解し、35℃で6時間撹拌することによって脱保護を行った。この溶液は、分画分子量6000〜8000の再生セルロース製透析チューブ(Spetra/Por 1、Spectrum Laboratories)を用い、0.01N HClに対して3回透析を行うことにより精製した。透析膜内の溶液を凍結乾燥し、2.2gのポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(L−リシン)(PEG−P(Lys))の塩酸塩を得た。H−NMRによる解析から、P(Lys)部分の重合度は40であった。
(2)コレステロール基の導入(その1)
PEG−P(Lys)の塩酸塩50mgをメタノール2.5mlに溶解し、コレステリルクロロホルメート4.8mg(リシンユニットに対するモル分率10%)の塩化メチレン溶液2.5mlを加え、さらにトリエチルアミン30μlを添加した後に室温で24時間攪拌した。反応溶液をジエチルエーテル溶液150mlへ滴下することで、ポリマーを析出させた。このポリマーを減圧濾過により回収した後、0.01N塩酸水溶液5ml及びメタノール5mlを加えて溶解させ、分画分子量6000−8000の透析膜を用いて、500mlの0.01N塩酸水溶液に対し2時間の透析を2回行った。透析外液を500mlの水に交換し、さらに2時間透析を行った後に、透析膜内の溶液を凍結乾燥することにより白色固体の目的物であるPEG−PLys(cholesterol)の塩酸塩38mgを得た(以下、PPLC1と称す)。
得られたポリマーの構造は、H−NMRにより分析した(スペクトラムは図1参照)。
NMR用の溶媒としては、メタノール−d4とクロロホルム−dを体積比1:1で混合したものを用いた。コレステロール基の導入率は、コレステロール基に由来するメチル基のプロトン(CH:0.6ppm)とPEGのメチレン基のプロトン(OCHCH:3.5ppm)のピークの強度比から算出した。本実施例で得られたPPLC1では、全リシンユニット中の11%に対し、コレステロール基が導入されていた。
実施例2: ポリエチレングリコール−ポリ(L−リシン)ブロック共重合体へのコレステロール基の導入(その2)
コレステリルクロロホルメートの添加量を変えた以外は実施例2と同様にして、PPLC(2)〜(5)を得た。コレステリルクロロホルメートの添加量、リシンユニットに対するコレステリルクロロホルメートのモル分率およびH−NMRにより分析したリシンユニットに対するコレステロール基の導入率を表1に示した。なお、コレステリルクロロホルメートをリシンユニットに対し70%添加したPPLC5はNMR溶媒に溶解せず、導入量の算出はできなかった。
実施例3: ポリエチレングリコール−ポリ(L−リシン)ブロック共重合体へのステアロイル基の導入
ステアリン酸1.87gをジクロロメタン50mlに溶解させ、N−ヒドロキシスクシンイミド0.76g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.25gを添加し室温で24時間撹拌した。反応後の溶液に水100mlを加え、分液漏斗により分液を行った。得られた有機層は硫酸マグネシウムを加え脱水し、エバポレーターにより濃縮を行った。この溶液を20倍体積のエタノール中に滴下することで、白色の沈殿が生成した。ろ過により沈殿を回収し、減圧乾燥を行いN−スクシンイミジルステアレートを得た。
PEG−P(Lys)の塩酸塩50mgをメタノール2.5mlに溶解し、N−スクシンイミジルステアレート16.4mg(リシンユニットに対するモル分率40%)の塩化メチレン溶液2.5mlを加え、さらにジイソプロピルエチルアミン37.5μlを添加した後に室温で24時間攪拌した。反応溶液をジエチルエーテル溶液600mlへ滴下することで、ポリマーを析出させた。このポリマーを減圧濾過により回収した後、0.01N塩酸水溶液5ml及びメタノール5mlを加えて溶解させ、分画分子量6000−8000の透析膜を用いて0.01N塩酸水溶液500mlに対し2時間の透析を2回行った。透析外液を500mlの水に交換し、さらに2時間透析を行った後に、透析膜内の溶液を凍結乾燥することにより白色固体の目的物であるPEG−PLys(stearoyl)の塩酸塩を得た(以下、PPLS1と称す)。
実施例1と同様に、H−NMRによりPPLS1の分析を行った(スペクトラムは図2参照)。ステアロイル基の導入率はメチル基のプロトン(CH:0.8ppm)とPEGのメチレン基のプロトン(OCHCH:3.5ppm)のピークの強度比から算出した。本実施例で得られたPPLS1では、全リシンユニット中の40%に対し、ステアロイル基が導入されていた。
実施例4: ポリエチレングリコール−ポリ(L−リシン−ε−ベンジルオキシカルボニル)−ポリ(L−リシン)ブロック共重合体の合成
(1)Mw(重量平均分子量)12000のα−メトキシ−ω−アミノポリ(エチレングリコール)(日油株式会社)1.5gをジメチルスルホキシド22.5mlに溶解し、ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシンのN−カルボン酸無水物(NCA)1.03g(ポリエチレングリコールに対し27等量)およびε−トリフルオロアセチル−L−リシンのN−カルボン酸無水物(NCA)603mg(ポリエチレングリコールに対し18等量)のジメチルスルホキシド溶液24.5mlを加え35℃で48時間反応を行った。こうして得られたポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシン/ε−トリフルオロアセチル−L−リシン)(PEG−P(Lys(Z)/Lys(TFA))をメタノール300ml、1N NaOH30mlに溶解し、35℃で6時間撹拌することによって脱保護を行った。この溶液は、分画分子量6000〜8000の再生セルロース製透析チューブ(Spetra/Por 1、Spectrum Laboratories)を用い、0.01N HClに対して3回透析を行うことにより精製した。透析膜内の溶液を凍結乾燥することにより、ポリアミノ酸ブロックとして、ランダムにε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシン基とL−リシン基が重合されたポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシン/L−リシン)(PEG−P(Lys(Z)/Lys)の塩酸塩2.0gを得た(以下PPLZと称す)。H−NMRによる解析から、ポリマー当たりのε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシンユニットの含有数は24であり、L−リシンユニットの含有数は16であった。
実施例5: ポリエチレングリコール−ポリ(L−リシン−ε−ベンジルオキシカルボニル)−ポリ(L−リシン)ブロック共重合体の合成
(1)Mw(重量平均分子量)12000のα−メトキシ−ω−アミノポリ(エチレングリコール)(日油株式会社)1.5gをジメチルスルホキシド22.5mlに溶解し、ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシンのN−カルボン酸無水物(NCA)1.03g(ポリエチレングリコールに対し27等量)のジメチルスルホキシド溶液15.5mlを加え35℃で24時間反応を行った後、ε−トリフルオロアセチル−L−リシンのN−カルボン酸無水物(NCA)603mg(ポリエチレングリコールに対し18等量)のジメチルスルホキシド溶液9mlを加え、35℃でさらに24時間反応を行った。こうして得られたポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシン)−ブロック−ポリ(ε−トリフルオロアセチル−L−リシン)(PEG−PLys(Z)−block−PLys(TFA))をメタノール300ml、1N NaOH30mlに溶解し、35℃で6時間撹拌することによって脱保護を行った。この溶液は、分画分子量6000〜8000の再生セルロース製透析チューブ(Spetra/Por 1、Spectrum Laboratories)を用い、0.01N HClに対して3回透析を行うことにより精製した。透析膜内の溶液を凍結乾燥し、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシン)、及びポリ(L−リシン)がトリブロックを形成したポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシン)−ブロック−ポリ(L−リシン)(PEG−PLys(Z)−PLys)の塩酸塩2.0gを得た(以下PPLZbと称す)。H−NMRによる解析から、ポリ(ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リシン)部分の重合度は24であり、ポリ(L−リシン)部分の重合度は16であった。
実施例4: 粒子の調製
本実施例で用いるsiRNAは、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子を標的として設計されたものであり、センス鎖として5’−CUUACGCUGAGUACUUCGAdTdT−3’、アンチセンス鎖として5’−UCGAAGUACUCAGCGUAAGdTdT−3’を用い、常法により2重鎖を形成させたものであり、株式会社日本イージーティーに合成を依頼し、購入したものである。
siRNAをpH7.4の10mM Tris HCl buffer(1.0ml)に溶解させ、20μMに調製した。このsiRNA溶液250μlに対し、目的のN/P比を満たすように濃度を調製したPPLC1のDMF溶液を250μl加え、混合した。なおN/P比とは、[ブロック共重合体中のカチオン残基の濃度]/[核酸中のリン酸基濃度]である。この溶液を分画分子量10000の透析キット(Slide−A−Lyzer Dialysis Casset、Pierce)を用い、pH7.4の10mM Tris HCl buffer50mlに対し、4時間の透析を3回行うことで、siRNAを内包した粒子の溶液を得た。粒子の溶液は、pH7.4の10mM Tris HCl bufferにより希釈するか、または遠心ろ過ユニット(Amicon Ultra、Millipore)により濃縮を行い、適宜濃度を調製した。
また、PPLC2〜PPLC4、PPLS1、PPLZ、PPLZb及びPEG−P(Lys)についても同様に粒子を調製した。
実施例5: 電気泳動によるキャラクタリゼーション
ポリアクリルアミドゲル(Novex 20% TBE Gel、Invitrogen)に、100ngのsiRNAを含有する各粒子の溶液をロードし、TBE溶液を泳動バッファーとして用い、引加電圧100V、泳動時間1時間の条件で泳動を行った。終了後、SYBR(登録商標)Green II(Invitrogen)により染色を行い、Molecular Imager FX(Bio−Rad)により画像化した。
図3に結果を示す。siRNAが粒子に取り込まれた場合には電気泳動での泳動度が小さくなるため、フリーのsiRNA由来のバンドは消失する。全てのポリマーにおいて、N/P比が1.5以上の場合にフリーのsiRNA由来のバンドは確認できなくなり、ほぼ全てのsiRNAが粒子に取り込まれていた。
実施例6: 動的光散乱法(DLS)によるキャラクタリゼーション
Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments)を用い、動的光散乱法により各粒子の多分散度(PDI)、キュムラント平均粒径及び粒子径分布のヒストグラムの測定を行った。各粒子溶液は、それぞれsiRNA濃度が5μMとなるように調製したものを用いた。
結果を図4〜6に示す。図4の結果から、疎水基を持たないPEG−PLysを用いて形成させた粒子はPDIが大きく、不均一な会合体が形成されていた。これに対しPPLC1〜PPLC4を用いて形成させた粒子においてはPDIの値は小さく、より分布の狭い粒子が形成されていた。特にリシンユニットに対しコレステロールが24%以上導入されたPPLC2〜4を用いて形成させた粒子の場合には、PDIは0.25以下となり、単分散な粒子を得ることができた。
また、図5の結果からPPLC1〜PPLC4を用いて形成させた粒子では、いずれのN/P比においてもキュムラント平均粒子径は40〜100nmであった。代表的な例として、PPLC2を用いsiRNAとN/P比6で形成させた粒子の粒子径分布のヒストグラムを図6に示した。
実施例7: ゼータ電位測定によるキャラクタリゼーション
Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments)を用い、PPLC2を用いて形成させた粒子のゼータ電位を測定した結果を図7に示す。N/P比1においては負の値を示したものの、N/P比1.5〜10においてはゼータ電位の絶対値は非常に小さく、ほぼ0mVに近いものであった。このようにカチオンの電荷が過剰な条件においてもゼータ電位が小さく保たれていることから、粒子の表面にはPEG層が存在し、粒子内部の電荷をほぼ完全に遮蔽できていることがわかる。
実施例8: 血中滞留性の評価
本実施例で用いるsiRNAは、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子を標的として設計されたsiRNAにおいて、アンチセンス鎖の5’末端にCy3標識したものであり、センス鎖として5’−CUUACGCUGAGUACUUCGAdTdT−3’、アンチセンス鎖として5’−Cy3−UCGAAGUACUCAGCGUAAGdTdT−3’を用い、常法により2重鎖を形成させたものであり、株式会社日本バイオサービスに合成を依頼し、購入したものである。
各ポリマーを用い、実施例5と同様にしてCy3標識siRNAを内包する粒子の溶液を得た。これらの溶液に対し、1/20体積の3M塩化ナトリウム水溶液を加えることで、150mM塩化ナトリウムを含有する等張液としたものを評価に用いた。
Balb/cマウス(日本チャールズリバー)に対し、尾静脈よりCy3修飾siRNA20μgを含有する粒子溶液を投与し、一定時間後に下大静脈より血液200μlを採取した。次に血液を4℃、2000Gで10分遠心し、上清から70μlの血漿を得た。この血漿に5μlの1/400Nポリビニル硫酸カリウム溶液(和光純薬工業)を加えた後、Fluoroskan Ascent FL system(Lab systems)により、蛍光強度を測定した(励起波長544nm、蛍光波長590nm)。この蛍光強度から、血中に残存するCy3の定量を行い、血中滞留性を評価した。なお、投与量に対する血漿中の残存率は、マウスの血液量を体重の80%として算出した。
PPLC2を用いN/P比1.5〜10で調製した粒子、PPLS1を用いN/P比6で調製した粒子及び粒子化していないsiRNA(naked)の投与後1時間における血中滞留性を評価した結果を表2及び図8に示す。PPLC2ではN/P比1.5〜4に比べ、6〜10で形成させた粒子は高い滞留性を示した。また、PPLS1を用いてN/P比6で形成させた粒子についても、PPLC2にはやや劣るものの良好な滞留性を示した。
PPLC1〜4及びPEG−PLysを用い、N/P比6で調製した粒子及び粒子化していないsiRNA(naked)の、投与後2時間における血中滞留性を評価した結果を表3及び図9に示す。naked、PEG−PLysと比較し、各PPLCは高い滞留性を示した。また、PPLC1に比べPPLC2〜4はより高い滞留性を示した。
PPLZ及びPPLZbを用い、N/P比8で調製した粒子及び粒子化していないsiRNA(naked)の、投与後2時間における血中滞留性を評価した結果を表4及び図10に示す。ポリリシンユニット中にランダムにベンジルオキシカルボニル基が導入されたPPLZは、nakedに対し約20倍の高い滞留性を示した。一方、トリブロックポリマーであるPPLZbは100倍以上の非常に高い滞留性を示した。PPLZbを用いて調製した粒子では、ポリエチレングリコールからなるシェル層の内側に疎水性のポリアミノ酸ブロックからなる保護層が形成され、さらにその内側にsiRNAが担持されるため、安定にsiRNAを保持できると考えられる。
PPLC2を用いN/P比6で調製した粒子及び粒子化していないsiRNA(naked)の、投与後15分〜4時間までの血中滞留性を評価した結果を表5及び図11に示す。PPLC2で粒子化したsiRNAは、少なくとも投与後2時間まで有意にnakedよりも高い滞留性を示した。
本発明に従う、親水性ポリマー鎖ブロックと、側鎖の一部に疎水性基が導入されたカチオン性ポリアミノ酸鎖ブロックを含んでなるブロック共重合体は、上述した利点ともに、例えば、小分子核酸である、siRNAとの安定な会合体を形成し、しかもこのような会合体は平均粒径が数十nm〜数百nmの間で単分散性の粒子を形成し、血流中で長期間滞留性を示すとともに高い細胞導入効率を示す。したがって、限定されるものでないが、治療用遺伝子の標的細胞への送達キャリヤーとして有用であり、製薬または医療産業で利用できる。
[配列表]

Claims (11)

  1. ポリエチレングリコール鎖ブロックである非荷電性親水性ポリマー鎖ブロックと、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリホモアルギニン及びポリヒスチジンからなる群より選ばれるカチオン性ポリアミノ酸鎖ブロックを含んでなるブロック共重合体であって、
    親水性ポリマー鎖ブロックが該ポリアミノ酸鎖ブロックの主鎖のいずれか一方の末端に共有結合を介して結合しており、かつ、
    該ポリアミノ酸鎖ブロックにおけるアミノ酸単位の10パーセント以上70パーセント以下の側鎖に、ステロール誘導体残基及びC 12−24 ヒドロカルビル基から選択される疎水性基が、−NH−、−NHCOO−又は−NHCO−を介して結合している、上記ブロック共重合体。
  2. 一般式I
    又は一般式II
    式中、Aは水素原子、または式R(R)CH(CH−で表される基を表し、R及びRは独立して水素原子、C1−6アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、C1−6アルコキシカルボニル基、C2−7アシルアミド基、トリ−C1−6アルキルシロキシ基、シリルアミノ基を示すか、またはRおよびRは一緒になってC1−3アルキル基で置換されていているかもしくは未置換のエチレンジオキシまたはプロピレンジオキシ基を表し、またはRおよびRはそれらが結合しているCH基と一緒になってホルミル基を表し、
    qは0〜10の整数を表し、
    Lは−(CHNH−、−NHCHCHNH−、−NHCHCHCHNH−または−COCHCH−NH−を表し、但し、rは0〜5の整数を表し、
    L’は、−CO−、−OCO−(CHr’−CO−および−NHCO−(CHr’−CO−を表し、但し、r’は1〜5の整数を表し、
    Bは−NH−、−NHCOO−、又は−NHCO−を介して結合するステロール誘導体残基、またはC 12−24ヒドロカルビル基を表し
    はNH、−NHC(=NH)NHまたは式IVで表される置換基を表し、
    Zは水素原子、C2−12アルキルカルボニル基、C3−12アルケニルカルボニル基、C3−12アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、またはBについて規定する基であり、
    Z’は−NH−Rを表し、但し、Rは未置換または置換された直鎖もしくは分枝のC1−12アルキル基であり、
    mは55〜5,000の整数を表し、
    nは10〜100の整数を表し、
    は4の整数を表し、
    xはポリアミノ酸鎖ブロックに含有される置換基Qを有するユニットの数、
    yはポリアミノ酸鎖ブロックに含有される置換基Bを有するユニットの数であるが、x+y=nであり、yはnの10パーセント以上70パーセント以下までを占める整数である、
    で表される請求項1記載のブロック共重合体。
  3. ステロール誘導体残基がコレステロール、コレスタノール、ジヒドロキシコレステロール、コール酸よりなる群から選ばれる化合物に由来する、請求項記載のブロック共重合体。
  4. ヒドロカルビル基がC12−20アルキル基よりなる群から選ばれる、請求項記載のブロック共重合体。
  5. ヒドロカルビル基がフェニルまたはナフチルであるフェニルとC1−5のアルキルからなるアリールアルキル基よりなる群から選ばれる、請求項記載のブロック共重合体。
  6. 核酸と請求項1〜のいずれか一項に記載のブロック共重合体との複合体。
  7. 核酸がオリゴもしくはポリ二本鎖RNA、オリゴもしくはポリ二本鎖DNA、オリゴもしくはポリ一本鎖DNAおよびオリゴもしくはポリ一本鎖RNAからなる群より選ばれる、請求項記載の複合体。
  8. 核酸がプラスミドDNA、siRNA、micro RNA、アンチセンス核酸、デコイ核酸、アプタマーおよびリボザイムからなる群より選ばれる請求項記載の複合体。
  9. コア−シェル型高分子ミセル構造を有し、コア部に核酸を内包した請求項のいずれか一項に記載の複合体。
  10. ブロック共重合体と核酸が、[ブロック共重合体中のカチオン残基の濃度]/[核酸中のリン酸基濃度]ので定義されるN/P比が1〜50となるように含有されることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の複合体。
  11. 平均粒子径が10〜300nmの粒子である、請求項10のいずれか一項に記載の複合体。
JP2010502885A 2008-03-10 2009-03-06 非荷電性親水性ブロック及び側鎖の一部に疎水性基が導入されたカチオン性のポリアミノ酸ブロックを含んでなる共重合体、その使用 Expired - Fee Related JP5467366B2 (ja)

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