JP5466539B2 - 減衰バルブ - Google Patents

減衰バルブ Download PDF

Info

Publication number
JP5466539B2
JP5466539B2 JP2010052908A JP2010052908A JP5466539B2 JP 5466539 B2 JP5466539 B2 JP 5466539B2 JP 2010052908 A JP2010052908 A JP 2010052908A JP 2010052908 A JP2010052908 A JP 2010052908A JP 5466539 B2 JP5466539 B2 JP 5466539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
damping
seat
valve body
spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010052908A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011185389A (ja
Inventor
大輔 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
KYB Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYB Corp filed Critical KYB Corp
Priority to JP2010052908A priority Critical patent/JP5466539B2/ja
Publication of JP2011185389A publication Critical patent/JP2011185389A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5466539B2 publication Critical patent/JP5466539B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Safety Valves (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

本発明は、減衰バルブの改良に関する。
従来、この種の減衰バルブにあっては、たとえば、鉄道車両の台車と車体の間に介装される緩衝器の内部に設けた二つの圧力室を連通する通路の途中に設けられ、環状弁座を備えた弁孔を有するピストンと、環状弁座に離着座自在とされて弁孔内に収容される弁体と、ピストンに積層されるばね座と、弁体とばね座との間に介装されて弁体を環状弁座へ向けて附勢するコイルばねとを備えて構成されるものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
この減衰バルブは、弁孔に対してばね座側から圧力を受ける場合には弁体が環状弁座に着座して弁孔を閉じ、反対に、環状弁座側から圧力を受けると弁体が環状弁座から後退して弁孔を開放して流体の流れを許容するようになっている。より具体的には、緩衝器が作動した際に、弁孔の環状弁座側が圧縮側の圧力室に対向する場合、上昇する圧力室内の圧力によって弁体が弁孔内へ押し込まれることによって開弁するようになっている。そして、減衰バルブが開弁すると弁孔内に侵入した流体は、ピストンに設けた連通溝を介して拡大側の圧力室内へ移動するようになっている。
また、圧縮側の圧力室の上昇に応じて弁体が環状弁座から離れる方向へ後退する後退量も大きくなり、当該後退量が大きくなるほど弁体と環状弁座で制限する弁開口面積も大きくなるが、弁体が予め決められた後退量を環状弁座から後退すると、弁体と環状弁座で制限する弁開口面積が連通溝における流路面積以上となって、それ以上の弁体の後退に対しては流路面積が変化しないようになっている。
さらに、ばね座がピストンに積層されるのではなく、ピストンに設けた弁孔に螺着されるものもあって(たとえば、特許文献2参照)、この減衰バルブにあっても、緩衝器が作動した際に、弁孔の環状弁座側が圧縮側の圧力室に対向する場合、上昇する圧力室内の圧力によって弁体が弁孔内へ押し込まれることによって開弁し、圧縮側の圧力室の上昇に応じて弁体が環状弁座から離れる方向へ後退する後退量も大きくなり、当該後退量が大きくなるほど弁体と環状弁座で制限する弁開口面積も大きくなるが、弁体が予め決められた後退量を環状弁座から後退すると、弁体と環状弁座で制限する弁開口面積がばね座に設けられた通孔における流路面積以上となって、それ以上の弁体の後退に対しては流路面積が変化しないようになっている。
また、この減衰バルブを備える緩衝器は、減衰バルブに並列されるコンスタントオリフィスを備えている。そして、このような緩衝器は、伸縮速度が極低い場合には、コンスタントオリフィスによる二乗特性となる比較的に急に立ち上がる減衰力を発揮し、伸縮速度が低速域を超えて高速領域になると減衰バルブが開弁し、その弁開口面積が伸縮速度の上昇に応じて拡大するので伸縮速度の上昇に対して比較的減衰係数が小さい減衰力を出力し、さらに、伸縮速度が超高速となって弁体が後退しても流路面積が増加しなくなると、今度は、比較的減衰係数が大きな減衰力を発揮することになる。
特開2007−71233号公報 特開2007−71232号公報
ところで、特に、鉄道車両における台車と車体の横方向の振動を抑制する用途に供される緩衝器にあっては、軌道狂い、横風、トンネル走行時などにおける外乱の入力等によって生じる車体振動を主として乗り心地の向上を目的として抑制することが求められていたが、近年では、車両走行中に生じた強い地震等で車体が強振する際には、大きな減衰力を発揮して車体振動を効果的に抑制することが求められるようになってきた。
この要求を満足するには、緩衝器の伸縮速度が高速領域を超えて超高速領域に達する際に、緩衝器が大きな減衰力を発揮する必要がある。この要求にあった減衰力特性を実現するためには、伸縮速度が超高速となると、弁体と環状弁座とで制限する弁開口面積が連通溝や通孔における流路面積以上となる必要があるが、減衰バルブを構成する部材を高精度に加工しても加工誤差があり、また、ピストン等への組み付けによっても誤差が生じて、緩衝器の減衰力特性が要求される減衰力特性から外れてしまう可能性がある。
また、従来の減衰バルブにあっては、減衰力特性を調整する構造を採用しておらず、減衰力調整は実質部品交換を伴うため、従来の減衰バルブを緩衝器に組付けた後での減衰力特性の調整はできないので、減衰力特性のチューニングを行うことができなかった。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝器への組付後に減衰力特性のチューニングを行うことができ、鉄道車両の車体制振用途の緩衝器に適し、緩衝器に鉄道車両の車体の振動を抑制するのに最適な減衰力特性を発揮させることが可能な減衰バルブを提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明における課題解決手段は、環状弁座を備えた弁孔を有するハウジングと、弁孔内に移動自在に収容されて環状弁座に離着座する弁体と、弁孔内に固定されるばね座と、弁体とばね座との間に介装されて弁体を環状弁座に向けて附勢するばねとを備えて緩衝器に搭載される減衰バルブにおいて、ばね座が弁孔に螺着されるばね座本体と、弁孔内に配置されると共にばね座本体に軸方向へ移動可能に保持される規制部材とを備え、ばね座本体は上記ばねを支持するばね受部を備え、規制部材はばね受部に対向する頭部を設けて当該ばね受部に当接させ、弁体の環状弁座からの後退量が所定量となると規制部材が弁体に衝合して弁体の環状弁座からのそれ以上の後退を規制することを特徴する。


本発明の減衰バルブを搭載した緩衝器は、鉄道車両の車体と台車との間に介装した場合、特に、大きな地震が発生していない状況では、適度な減衰力を発揮して鉄道車両の走行中の車体振動を抑制して車両における乗り心地を確保できるとともに、車両走行中に地震が発生して車体振動が大きくなる状況ではより大きな減衰力を発揮して、鉄道車両の車体振動を抑制するので、効果的に車体振動を抑制することができる。
そして、減衰バルブは、ばね座におけるばね座本体に対して軸方向に移動可能な規制部材を弁体に衝合させることで、弁体の後退を規制するようにしており、規制部材と弁体との環状弁座に対する衝合位置を調節することができるので、弁体と環状弁座で規制する最大弁開口面積を調節することができるとともに、減衰係数が大きくなる減衰力特性上の変曲点をも調節することができる。
また、減衰バルブを緩衝器のピストン等へ組付けた状態で上記調整が可能であるので、減衰バルブを構成する部材の加工誤差や減衰バルブを緩衝器のピストン等へ組付けた際の組付誤差があっても、上記規制部材と弁体との衝合位置の調節によって、緩衝器の減衰力特性を狙い通りに設定することができ、車体振動を抑制するのに最適となるように緩衝器の減衰力特性をチューニングすることが可能となる。
加えて、ばねの一端を支承するばね座本体は、弁体と規制部材との衝合位置を変更しても弁孔に対して不動とすることができ、上記チューニングは、ばねが弁体に与える初期荷重の調節とは独立して行うことができるので、減衰バルブの減衰力特性を高い自由度を持って変更することができる。
さらに、上記チューニングは、ばね座本体に対して軸方向に移動可能な規制部材で行うようになっており、これらが全て弁孔内に収容されるため、チューニングのために使用される部材が他所に干渉することもなく、減衰バルブを設置するスペースが小さい緩衝器、たとえば、シリンダ径が小さくピストンやロッドガイドへの減衰バルブの搭載スペースが限られた緩衝器にも、無理なく搭載することができる。
一実施の形態における減衰バルブの縦断面図である。 一実施の形態の減衰バルブを適用した鉄道車両の車体制振用の緩衝器の概略図である。 一実施の形態における減衰バルブの平面図である。 一実施の形態の減衰バルブを適用した車体制振用の緩衝器の減衰力特性を示した図である。
以下、本発明の減衰バルブ1を図に基づいて説明する。一実施の形態における減衰バルブ1は、図1に示すように、環状弁座4を備えた弁孔2a,2bを有するハウジングとしてのピストン2と、弁孔2a,2b内に移動自在に収容されて環状弁座4に離着座する弁体5と、弁孔2a,2b内に固定されるばね座10と、弁体5とばね座10との間に介装されて弁体5を環状弁座4に向けて附勢するばねとしてのコイルばね14とを備えて構成されている。
そして、この減衰バルブ1は、たとえば、図2示すような、緩衝器Dに具現化されている。この緩衝器Dは、特に、鉄道車両の車体Bと台車Wとの間に介装されて鉄道車両の進行方向に対して横方向の車体振動を抑制する用途で使用されており、より詳しくは、緩衝器Dは、シリンダ21と、シリンダ21内に摺動自在に挿入されてシリンダ21内に作動油などの液体が充填される二つの圧力室R1,R2を画成するピストン2と、シリンダ21内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるピストンロッド22と、シリンダ21の外周を覆うとともにシリンダ21との間にリザーバRを形成する外筒23と、シリンダ21および外筒23の端部を閉塞するとともにピストンロッド22を軸支するロッドガイド24と、シリンダ21と外筒23の他端を閉塞する蓋25とを備えて構成されており、この場合、緩衝器Dは、片ロッド型の緩衝器とされている。なお、両ロッド型の緩衝器とされてもよいことは勿論である。
また、ピストン2には、弁孔2a,2bが設けられており、減衰バルブ1は、ピストン2をハウジングとして設置され、弁孔2a,2b内にはそれぞれ弁体5の向きを互い違いにして収容されている。そして、この緩衝器Dにあっては、ピストン2が図2中左方へ移動しようとする場合、図中の左方の圧力室R1内の圧力が上昇し、当該圧力で弁孔2a側の減衰バルブ1が開弁すると、減衰バルブ1は、弁孔2a内を介して圧力室R1内の流体を図中右方の圧力室R2へ逃がしつつ液体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮する。なお、弁孔2b側の減衰バルブ1は、圧力室R1の圧力を受けて閉じたままとなって、弁孔2bを遮断する。反対に、ピストン2が図2中右方へ移動しようとする場合、図中の右方の圧力室R2内の圧力が上昇し、当該圧力で弁孔2b側の減衰バルブ1が開弁し、減衰バルブ1は、弁孔2bを介して圧力室R2内の流体を図中左方の圧力室R1へ逃がしつつ液体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮する。なお、弁孔2a側の減衰バルブ1は、圧力室R2の圧力を受けて閉じたままとなって、弁孔2aを遮断する。
このように、減衰バルブ1は、緩衝器Dに振動が入力された際に、緩衝器Dに減衰力を発揮させる減衰バルブとして作用する。また、この緩衝器Dの場合、ピストンロッド22がシリンダ21内に出入りする体積分の流体を蓋25に設けた通路25a,25bを介してリザーバRから流体を給排することによって補償しており、特に、シリンダ21内にピストンロッド22が侵入する行程にあっては、通路25aの途中に設けた減衰バルブ26が開いて、圧力室R2からリザーバRへ流体が排出されるが、減衰バルブ26で当該流体の流れに抵抗を与えてシリンダ21内の内圧を上昇せしめて、上記した弁孔2b側の減衰バルブ1と協働して減衰力を発揮するようになっている。なお、減衰バルブ26に、上記した減衰バルブ1の構成を採用することも可能である。反対に、シリンダ21内からピストンロッド22が退出する行程にあっては、通路25bの途中に設けたチェックバルブ27が開いて、リザーバRから圧力室R2へ流体が供給されるが、チェックバルブ27は、当該流体の流れに殆ど抵抗を与えないようになっている。
また、緩衝器Dは、上記した減衰バルブ1に並列して圧力室R1と圧力室R2とを連通するコンスタントオリフィス28を備えており、減衰バルブ1が開弁するまでは、流体は、コンスタントオリフィス28を介して圧力室R1、R2を行き来するようになっている。このコンスタントオリフィス28は、ピストン2に設けられているが、ロッドガイド24、シリンダ21、蓋25に設けられてもよい。
なお、緩衝器Dの構成は、上記に限られるものではなく、たとえば、緩衝器DのリザーバR,圧力室R1、圧力室R2およびリザーバRを数珠繋ぎに通路で連通し、緩衝器Dが伸縮の際に流体をリザーバR、圧力室R2、圧力室R1、リザーバRの順に循環させるユニフロー緩衝器とされる場合には、ロッドガイド24をハウジングとして圧力室R1とリザーバRとを連通する弁孔を設けて、減衰バルブ1を圧力室R1からリザーバRに向けて流体が流れる際に抵抗を与えるように設置するようにしてもよい。また、蓋25に設けた減衰バルブ26に本発明における減衰バルブ1を適用してもよく、さらに、蓋25は、外筒23のみを閉塞するとして、チェックバルブ27と減衰バルブ26を備える部材でシリンダ21内とリザーバRとを仕切るようにしてもよい。
戻って、以下、減衰バルブ1の各部について詳しく説明する。ハウジングとしてのピストン2は、環状であって、弁体5が収容される弁孔2a,2bが設けられている。なお、減衰バルブ1は、ピストン2に弁孔2a,2b側で互いに逆向きに設置されるが、構造は同一であって、説明が重複するので以下では、弁孔2aを例に具体的構造について説明することとする。
図1に示すように、弁孔2aの図1中下端内周は、縮径されて縮径部3が形成され、この縮径部3の形成によって設けられた段部で環状弁座4が形成されている。さらに、弁孔2aの図1中上端内周には、螺子部9が設けられており、この螺子部9には、ばね座10が螺着されている。
弁体5は、上記弁孔2a内に軸方向へ移動自在に収容され、環状弁座4に離着座する円盤状の弁本体6と、弁本体6の正面側となる図1中下端に形成の円柱状の弁頭7と、弁本体6の反弁頭側に突出されるばね嵌合部8とを備えている。また、弁頭7は、弁孔2aにおける縮径部3内に摺動自在に挿入され、弁頭7をガイドとして弁体5は、弁孔2aの縮径部3に軸ぶれすることなく軸方向へ移動することができるようになっている。なお、弁本体6の外周を弁孔2aの内周面に摺接させることで弁体5の移動をガイドさせるようにしてもよく、その場合、弁本体6を軸方向に貫く孔や外周に切欠などを設けて、流体の通過を許容するようにしておけばよい。
そして、弁本体6の図1中下端を環状弁座4の図1中上面に当接させて着座させると、減衰バルブ1は閉弁し、弁孔2a内への流体の流入を遮断することができるようになっている。また、弁頭7には、先端から基端にかけてU字状の溝7aを備えており、弁本体6の図1中下端が環状弁座4の図1中上面から図1中上方となる弁孔2a内側へ後退すると、その後退量に応じて溝7aが縮径部3より弁孔2a内に対面して開弁し、当該溝7aを介して流体が弁孔2a内へ流入することができるようになっている。そして、この弁体5における弁本体6の後退量に応じて溝7aが弁孔2a内に対面する面積が大きくなり、弁開口面積が増加するようになっている。なお、弁頭7の形状は、上記したところには限定されるものではなく、特に、弁体5の移動についてのガイドとしての機能を果さずともよい。
そして、上記した弁孔2a内には、弁体5の他にばね座10が収容されており、当該ばね座10は、弁孔2aに螺着されるばね座本体11と、ばね座本体11に軸方向へ移動可能に保持されて、弁体5の環状弁座4からの後退を規制する規制部材12とを備えている。
ばね座本体11は、円筒状のばね嵌合部11aと、ばね嵌合部11aの外周に設けられて弁孔2aの螺子部9に螺着されるばね受部11bとを備えており、ばね受部11bの外周は二面幅に面取部11c,11cが設けられていて、図3に示すように、ばね座本体11の面取部11c,11cと弁孔2aとの間に流体の通過を許容する通路13a,13bが設けられている。
また、規制部材12は、ばね嵌合部11aの内周に螺合される螺子部12aと、螺子部12aの図1中上端に設けられる頭部12bとを備えており、ばね嵌合部11aの上端と頭部12bとの間には環状の複数のシム15が介装されている。このように、規制部材12は、ばね嵌合部11aに螺合されることで、ばね座本体11に対して軸方向に移動可能に保持されており、また、シム15の介装枚数によって規制部材12の先端となる図1中下端位置をばね座本体11に対して軸方向に位置決めすることができるようになっている。なお、シム15を介装する必要が無い場合には、これを廃止して直接頭部12bをばね受部11bに当接しても良い。

また、ばね受部11bと弁体5との間には、コイルばね14が圧縮状態で介装されており、ばね受部11bがコイルばね14の上端を支持し、圧縮されたコイルばね14の附勢力が弁体5に環状弁座4へ向けて作用している。
よって、弁孔2a側の減衰バルブ1は、圧力室R1内の圧力が弁体5の弁頭7に作用して、弁体5を押す力がコイルばね14の弁体5を附勢する附勢力を上回ると開弁して、弁体5を押し退けて溝7aを通過した流体は弁孔2a内および通路13a,13bを通って、圧力室R2へと抜けていくことになる。
そして、弁体5は、先端側に作用する圧力が大きくなればなるほど、環状弁座4から離れて弁孔2a内方への後退量が増加し、後退量の増加とともに弁体5と環状弁座4で制限する弁開口面積も増加する。そして、弁体5の後退が進んで、弁体5の環状弁座4からの後退量が所定の後退量となると、弁体5のばね嵌合部8が規制部材12の先端に衝合して、弁体5のそれ以上環状弁座4から遠ざかる方向への移動が規制されるようになっている。すなわち、弁体5は、ばね座10によって、環状弁座4からのそれ以上の後退が規制される。よって、それ以降は、弁体5の後退が阻止されるので、圧力室R1内の圧力が上昇しても、弁開口面積は増えないことになる。また、規制部材12は、ばね座本体11に対して軸方向に移動可能となっているので、弁体5の後退が規制される所定の後退量を調節することができる。
他方、弁孔2b側の減衰バルブ1は、圧力室R2内の圧力が弁体5の弁頭7に作用して、弁体5を押す力がコイルばね14の弁体5を附勢する附勢力を上回ると開弁して、弁体5を押し退けて溝7aを通過した流体は弁孔2b内および通路13a,13bを通って、圧力室R1へと抜けていくことになる。
そして、弁体5は、先端側に作用する圧力が大きくなればなるほど、環状弁座4から離れて弁孔2b内方への後退量が増加し、後退量の増加とともに弁体5と環状弁座4で制限する弁開口面積も増加する。そして、弁体5の後退が進んで、弁体5の環状弁座4からの後退量が所定の後退量となると、弁体5のばね嵌合部8が規制部材12の先端に衝合して、弁体5のそれ以上環状弁座4から遠ざかる方向への移動が規制されるようになっている。すなわち、弁体5は、ばね座10によって、環状弁座4からのそれ以上の後退が規制される。よって、それ以降は、弁体5の後退が阻止されるので、圧力室R2内の圧力が上昇しても、弁開口面積は増えないことになる。また、規制部材12は、ばね座本体11に対して軸方向に移動可能となっているので、弁体5の後退が規制される所定の後退量を調節することができる。
つづいて、減衰バルブ1の動作について緩衝器Dの弁孔2a内に設置されたものを例に説明する。上述のように構成される減衰バルブ1にあっては、ピストン2に図2中左向きの変位入力があると、図中の左方の圧力室R1内の圧力が上昇する。しかし、上記圧力が減衰バルブ1の開弁圧に達するまでは開弁しないので、流体は、コンスタントオリフィス28のみを介して圧力室R1から圧力室R2へ移動する。したがって、減衰バルブ1が開弁するまでの緩衝器Dのピストン速度に対する減衰力の特性は、図4中の区間Aに示すように、オリフィス特有の二乗特性となり、緩衝器Dは、ピストン速度に対して比較的高い減衰係数の減衰力を発揮する。
ピストン2の移動速度が高くなり、図中の左方の圧力室R1内の圧力が上昇し、当該圧力が減衰バルブ1の開弁圧に達すると、上述したように、弁体5は、上記圧力によって押圧されてコイルばね14を圧縮し、環状弁座4から離れて後退して弁孔2aを開放する。このように減衰バルブ1が開弁すると、圧縮される左方の圧力室R1内の流体は、弁孔2a内に流れ込んで、通路13a,13bを介して圧力室R2へ移動することになる。緩衝器Dは、このピストン2の左方への移動に対して、流体の流れに減衰バルブ1で抵抗を与えて、当該ピストン2の移動を抑制する減衰力を発生する。その際、コンスタントオリフィス28における抵抗は、減衰バルブ1に比較して大きく、これを流れる流量は僅であり、緩衝器Dの減衰力特性は、減衰バルブ1による特性が支配的となる。
そして、ピストン2の左方への移動速度が所定の移動速度にまで達せず、弁体5に作用する圧力室R1内の圧力では、弁体5をばね座10における規制部材12に衝合させるまで後退させられない状態では、弁体5は、ピストン速度の上昇による圧力室R1内の圧力上昇に見合って環状弁座4から遠ざかり弁開口面積を増加させることができるので、緩衝器Dは、図4中の区間Bに示すように、ピストン速度の上昇に対して比較的小さな傾きで減衰力を上昇させる減衰力特性を発揮する。
なお、この減衰バルブ1にあっては、流体が弁体5と環状弁座4の間を通過する際に、当該流体の流れに抵抗が与えられるだけでなく、流体が通路13a,13bを通過する際にも、当該流体の流れに抵抗が与えられるようになっている。そのため、弁体5と環状弁座4の間を通過した流体が上記通路13a,13bを通過することによって、弁孔2a内の圧力が上昇して、この圧力を二次圧として弁体5の背面側となる図1中上面側に作用させて弁体5を閉弁方向となる環状弁座4側へ附勢することができるようになっている。このように、通路13a,13bの開口面積によって、二次圧を任意に設定することができ、通路13a,13bの開口面積は減衰バルブ1の開弁後における緩衝器Dの減衰力特性を特徴づける調整要素でもあるが、通路13a,13bの流路面積を充分に大きく確保して、二次圧を積極的に弁体5に作用させないようにしてもよい。
つづいて、ピストン2の左方への移動速度(緩衝器Dの伸縮速度)が所定速度にまで達し、弁体5に作用する圧力室R1内の圧力が大きくなって弁体5をばね座10における規制部材12に衝合させるまで後退させると、その後のピストン速度の上昇によって圧力室R1内の圧力がいくら上昇しても、弁体5の環状弁座4から遠ざかる方向への後退が阻止されるので、それ以上弁開口面積を増加させることができず、緩衝器Dは、図4中の区間Cに示すように、ピストン速度の上昇に対して比較的大きな傾きで減衰力を上昇させる減衰力特性を発揮する。詳しくは、開口面積に応じた二乗特性となる。すなわち、この緩衝器Dにあっては、区間Bと区間Cとの境を変曲点として減衰係数が変化して減衰係数が大きくなるのである。なお、緩衝器Dの弁孔2b内に設置される減衰バルブ1の動作は、ピストン2の移動方向が上記とは反対のときに、上記したところと同様の動作を呈するので、詳しい説明を省略する。
このように減衰バルブ1を搭載した緩衝器Dは、特に、大きな地震が発生していない状況では、適度な減衰力を発揮して鉄道車両の走行中の車体振動を抑制して車両における乗り心地を確保できるとともに、車両走行中に地震が発生して車体振動が大きくなる状況ではより大きな減衰力を発揮して、鉄道車両の車体振動を抑制するので、効果的に車体振動を抑制することができる。
そして、減衰バルブ1は、ばね座10におけるばね座本体11対して軸方向に移動可能な規制部材12を弁体5に衝合させることで、弁体5の後退を規制するようにしており、規制部材12と弁体5との環状弁座4に対する衝合位置を調節することができるので、弁体5と環状弁座4で規制する最大弁開口面積を調節することができるとともに、減衰係数が大きくなる減衰力特性上の変曲点をも調節することができる。
また、減衰バルブ1を緩衝器Dのピストンなどへの組付けた状態で上記調整が可能であるので、減衰バルブ1を構成する部材の加工誤差や減衰バルブ1を緩衝器Dのピストンなどへの組付けた際の組付誤差があっても、上記規制部材12と弁体5との衝合位置の調節によって、緩衝器Dの減衰力特性を狙い通りに設定することができ、車体振動を抑制するのに最適となるように緩衝器Dの減衰力特性をチューニングすることが可能となる。
加えて、コイルばね14の一端を支承するばね座本体11は、弁体5と規制部材12との衝合位置を変更しても弁孔2a,2bに対して不動とすることができ、上記チューニングは、コイルばね14が弁体5に与える初期荷重の調節とは独立して行うことができるので、減衰バルブ1の減衰力特性を高い自由度を持って変更することができる。
さらに、上記チューニングは、ばね座本体11に対して軸方向に移動可能な規制部材12で行うようになっており、これらが全て弁孔2a,2b内に収容されるため、チューニングのために使用される部材が他所に干渉することもなく、減衰バルブ1を設置するスペースが小さい緩衝器、たとえば、シリンダ径が小さくピストンやロッドガイドへの減衰バルブ1の搭載スペースが限られた緩衝器にも、無理なく搭載することができる。
したがって、この減衰バルブ1は、緩衝器Dに特に鉄道車両の車体振動を抑制するのに最適な減衰力を発揮させることが可能であり、鉄道車両の車体制振用途の緩衝器Dに最適となる。
なお、上記規制部材12が上記弁体5に衝合して弁体5の環状弁座4からの後退を規制する際の緩衝器Dの所定速度は、任意に設定することができるが、具体的にはたとえば、大きな地震によって車体が振動する際に達することが見込まれる伸縮速度に設定されるとよい。また、当該所定速度に達すると、上記規制部材12が上記弁体5に衝合して弁体5の環状弁座4からの後退を規制するようにすればよいので、上記規制部材12が上記弁体5に衝合する際の所定の後退量については所定速度に応じて設定すればよい。
以上、本発明の実施の形態について説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
本発明は、緩衝器の減衰バルブに利用可能である。
1 減衰バルブ
2 ハウジングとしてのピストン
2a,2b 弁孔
3 縮径部
4 環状弁座
5 弁体
6 弁本体
7 弁頭
7a 溝
8 ばね嵌合部
9 螺子部
10 ばね座
11 ばね座本体
11a ばね嵌合部
11b ばね受部
11c 面取部
12 規制部材
12a 螺子部
12b 頭部
13a,13b 通路
14 コイルばね
15 シム
21 シリンダ
22 ピストンロッド
23 外筒
24 ロッドガイド
25 蓋
25a,25b 通路
26 減衰バルブ
27 チェックバルブ
28 コンスタントオリフィス
D 緩衝器
B 車体
R リザーバ
R1,R2 圧力室
W 台車

Claims (3)

  1. 環状弁座を備えた弁孔を有するハウジングと、弁孔内に移動自在に収容されて環状弁座に離着座する弁体と、弁孔内に固定されるばね座と、弁体とばね座との間に介装されて弁体を環状弁座に向けて附勢するばねとを備えて緩衝器に搭載される減衰バルブにおいて、ばね座が弁孔に螺着されるばね座本体と、弁孔内に配置されると共にばね座本体に軸方向へ移動可能に保持される規制部材とを備え、ばね座本体は上記ばねを支持するばね受部を備え、規制部材はばね受部に対向する頭部を設けて当該ばね受部に当接させ、弁体の環状弁座からの後退量が所定量となると規制部材が弁体に衝合して弁体の環状弁座からのそれ以上の後退を規制することを特徴する減衰バルブ。
  2. 緩衝器の伸縮速度が所定速度に達すると上記規制部材に上記弁体が衝合して当該弁体の環状弁座からの後退を規制することを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
  3. 頭部とばね受部との間にシムを介装したことを特徴とする請求項1又は2に記載の減衰バルブ。
JP2010052908A 2010-03-10 2010-03-10 減衰バルブ Active JP5466539B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010052908A JP5466539B2 (ja) 2010-03-10 2010-03-10 減衰バルブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010052908A JP5466539B2 (ja) 2010-03-10 2010-03-10 減衰バルブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011185389A JP2011185389A (ja) 2011-09-22
JP5466539B2 true JP5466539B2 (ja) 2014-04-09

Family

ID=44791916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010052908A Active JP5466539B2 (ja) 2010-03-10 2010-03-10 減衰バルブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5466539B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106545676A (zh) * 2016-10-28 2017-03-29 江阴市天润机械制造有限公司 一种自动变速箱用压力调节电磁阀
CN110905962A (zh) * 2019-11-29 2020-03-24 中国北方车辆研究所 环形减振阀

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5550975B2 (ja) * 2010-04-21 2014-07-16 不二ラテックス株式会社 ショックアブソーバ用ピストン
JP5550980B2 (ja) * 2010-04-28 2014-07-16 不二ラテックス株式会社 単筒式ショックアブソーバ
JP5917140B2 (ja) * 2011-12-28 2016-05-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 流体圧緩衝器
JP6489977B2 (ja) * 2015-08-31 2019-03-27 日立オートモティブシステムズ株式会社 緩衝器
CN109312808B (zh) * 2016-06-24 2020-07-17 日立汽车***株式会社 缓冲器及其制造方法
CN109488799A (zh) * 2017-09-12 2019-03-19 博西华电器(江苏)有限公司 流量调节装置以及具有该装置的家用电器
CN113631831A (zh) * 2019-08-02 2021-11-09 日立安斯泰莫株式会社 缓冲器
CN110877530A (zh) * 2019-12-12 2020-03-13 绍兴上虞渡进电子科技有限公司 一种铁路机车刹车能量回收装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4510530Y1 (ja) * 1966-11-19 1970-05-14
JPS51112234U (ja) * 1975-03-08 1976-09-10
JP4141077B2 (ja) * 2000-03-01 2008-08-27 カヤバ工業株式会社 リリーフ弁

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106545676A (zh) * 2016-10-28 2017-03-29 江阴市天润机械制造有限公司 一种自动变速箱用压力调节电磁阀
CN110905962A (zh) * 2019-11-29 2020-03-24 中国北方车辆研究所 环形减振阀
CN110905962B (zh) * 2019-11-29 2022-02-01 中国北方车辆研究所 一种带有环形减振阀的油气弹簧

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011185389A (ja) 2011-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5466539B2 (ja) 減衰バルブ
KR101068992B1 (ko) 쇽업소버의 감쇠력 가변 밸브
EP3048327B1 (en) Shock absorber
WO2012128007A1 (ja) 減衰バルブ
KR102570753B1 (ko) 감쇠력 가변 밸브 조립체 및 이를 포함하는 감쇠력가변식 쇽업소버
JP2013506807A (ja) デジタルバルブを備えたダンパー
JP4181940B2 (ja) リリーフ弁および車高調整機能付油圧緩衝器
JP5936128B2 (ja) 緩衝器
JP5324502B2 (ja) 減衰バルブ
KR101948008B1 (ko) 충격완충기
JPWO2019221098A1 (ja) シリンダ装置
US20210070130A1 (en) Shock absorber for vehicle
CN114585827B (zh) 缓冲器
JP5667487B2 (ja) 減衰バルブ
JP6093615B2 (ja) ストッパ
KR101337858B1 (ko) 쇽업소버의 감쇠력 가변밸브 조립체
JP2007138979A (ja) フロントフォーク
JP2010216601A (ja) ショックアブソーバのオリフィス機構
JP5667488B2 (ja) 減衰バルブ
KR20160060548A (ko) 충격 완충기
EP4311955A1 (en) Damper
US20220341482A1 (en) Hydraulic damper
JP5166334B2 (ja) 緩衝装置
KR101229443B1 (ko) 쇽업소버의 감쇠력 가변밸브
KR101993645B1 (ko) 직선형 한 방향 댐퍼

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140124

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5466539

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350