JP5464641B2 - 制御性t細胞製造方法及び制御性t細胞増幅装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制御性T細胞を効率的に製造する方法、及び制御性T細胞を効率的に増幅する装置に関する。
制御性T細胞(Treg:Regulatory T cells)は、CD25陽性(以下、「CD25」とも記される。)、CD4陽性(以下、「CD4」とも記される。)の表面形質を有する特殊なT細胞系列に属する細胞であり、その発生及び分化は転写因子であるFoxP3(Forkhead box P3)によってプログラムされている。制御性T細胞は、活性化T細胞(Effector T cells)と相反する免疫応答を示し、免疫寛容の維持において重要な役割を担っている。ヒトにおける制御性T細胞の減少乃至機能異常は、自己免疫疾患やアレルギーの発症原因となる。したがって、制御性T細胞の量的又は質的なコントロールは、自己免疫疾患やアレルギーの治療に有用であり、さらには、難治性移植片対宿主病(GVHD:Graft Versus Host Disease)の治療など、移植免疫や腫瘍免疫の分野における新たな細胞療法となることが期待されている。
特許文献1には、ヒトの制御性T細胞を製造する方法が開示されている。この方法では、ヒト末梢血からナイーブ表現型のCD25CD4T細胞が分離され、この細胞が、IL2やIFN−γなどのT細胞増殖因子、及び抗ヒトCD3抗体などT細胞受容体を介して細胞を刺激する物質の存在下で培養される。その結果、ナイーブ表現型のCD25CD4T細胞が100倍以上に増殖され、増殖された細胞が制御性T細胞としての機能を発揮すると示されている。
特許文献2には、ヒトの活性化Tリンパ球の誘導において、抗CD3抗体を固定した不溶性担体を用いることが開示されている。また、リンパ球の増殖を促進させるために、IL2などのサイトカインを培養補助剤として培地中に含有させることが開示されている。これらを用いることにより、少量のリンパ球から500〜10000倍の細胞が誘導できるとされている。
特開2006−280307号公報 特開2000−212200号公報
患者の末梢血から制御性T細胞を特異的に増幅する手法として、主として次の二つが考えられる。一つは、末梢血から制御性T細胞を分離してから増幅する手法である。もう一つは、末梢血から制御性T細胞を含む細胞群を分離して増幅し、その増幅過程において或いは最終的に制御性T細胞を選択する手法である。しかし、前者において、治療に必要な量の制御性T細胞を得るには、多量の末梢血を患者から採取するか、増幅効率を極めて高める必要がある。現実には極度に高い増幅効率の培養方法が実現されていないので、患者から多量の末梢血を採る必要があり、患者負担が大きいという問題がある。後者においては、増幅された多種多量の細胞群から制御性T細胞を選別する作業が難しいという問題がある。例えば、CD25は活性化T細胞でも発現されているので、CD25の+/−をもって制御性T細胞と活性化T細胞とを区別することができない。また、FoxP3は制御性T細胞に特異的に発現するが細胞内分子であるので、FoxP3の発現の有無により制御性T細胞と活性化T細胞とを区別できるとしても、FoxP3を確認するためには、細胞膜の透過処理を施して染色をする必要があり、その後は、生きた細胞として治療に用いることができない。したがって、制御性T細胞を前述された様々な細胞療法に用いるために、少ない量の末梢血から制御性T細胞が特異的かつ効率的に増幅できる手法が望まれる。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヒトから採取された血液中から制御性T細胞を特異的かつ効率的に増幅できる手段を提供することにある。
(1) 本発明にかかる制御性T細胞製造方法は、ヒトから採取された血液中からCD4陽性を示すT細胞を分離する第1ステップと、IL2及びTGF−βを含む第1液中において、上記T細胞を、抗CD3抗体及び抗CD28抗体が不溶担体に固定された固相化抗体と反応させる第2ステップと、上記固相化抗体からT細胞を分離して、IL2及びTGF−βを含む第2液中において当該T細胞を増幅させる第3ステップと、を含む。
制御性T細胞とは、T細胞受容体を介する刺激を受けることによって反応性T細胞の活性化を阻害しうる免疫応答を示す細胞を言う。制御性T細胞は、CD25陽性かつCD4陽性の表面形質を有する。また、制御性T細胞は、その発生及び分化のマスター制御分子が転写因子FoxP3である。
ヒトから採取された血液は、増幅された制御性T細胞を用いて細胞療法を行うべき患者などから得られた末梢血又は臍帯血である。末梢血とは、体の末梢を流れている血液であり、例えば静脈から採血されることによって得られる。臍帯血とは、胎児と母体とを繋ぐ臍帯に含まれる血液である。
第1ステップにおいて、ヒトから採取された血液中からCD4陽性を示すT細胞(以下、「CD4T細胞」とも称される。)を分離する方法は、フィコール比重遠心法や免疫磁気ビーズ法などの公知の方法を採用することができる。例えば免疫磁気ビーズ法であれば、ヒト末梢血若しくは臍帯血、又はバフィーコートに含まれる単核球に対して、抗CD4抗体を含む液体を加えて反応させ、さらに抗CD4抗体と特異的に反応する2次抗体が固定された磁気ビーズを加えて反応させる。この反応により、単核球のうちCD4T細胞が磁気ビーズに結合する。その後、CD4T細胞が結合した磁気ビーズと残液とを分離して、磁気ビーズからCD4T細胞を分離する。これにより、ヒトから採取された血液からCD4T細胞が分離される。
第2ステップにおいては、CD4T細胞を第1液中において固相化抗体と反応させる。
第1液は、少なくともIL2及びTGF−βを含む液であるが、一般にはIL2及びTGF−βを含む培地である。この培地として、制御性T細胞に適する公知のものが使用でき、例えば、Alys培地シリーズ(細胞科学研究所社製)があげられる。この培地は、有機酸、アミノ酸、還元剤、緩衝剤、抗生物質、サイトカイン、血清などの添加物を予め含んで調製されたものや、複数の培地の混合物であってもよい。
第1液に含まれるIL2及びTGF−βの濃度は特に限定されない。通常、IL2の濃度は、50〜2,000U/mLであり、好ましくは100〜700U/mLであり、とくに好ましくは200〜700U/mLである。また、TGF−βはTGF−β1が好適であり、その濃度は、1〜50ng/mLであり、好ましくは5〜10ng/mLである。
固相化抗体は、抗CD3抗体及び抗CD28抗体が不溶担体に固定されたものである。抗CD3抗体及び抗CD28抗体は、例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、ウシなどの動物由来、及びヒト由来のものが使用でき、特にヒト由来のものが好適であるが、これに限定されるものではない。不溶担体は、抗CD3抗体及び抗CD28抗体を物理的又は化学的に結合できる部材であって、水溶液に対して不溶なものを用いることができる。例えば、抗CD3抗体及び抗CD28抗体を物理的に吸着可能な素材として、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどの合成樹脂やガラスなどがあげられる。不溶担体の形状は特に限定されず、例えば、プレート形状やビーズ形状、容器形状などが採用できる。
物理的吸着により、抗CD3抗体及び抗CD28抗体を不溶担体に結合するには、抗CD3抗体及び抗CD28抗体、及びリン酸緩衝液などの溶媒を含む抗体水溶液を不溶担体に接触させた状態で所定時間放置すればよい。抗CD3抗体及び抗CD28抗体の疎水性により、これら抗体が不溶担体の表面に物理的に吸着する。
抗CD3抗体及び抗CD28抗体が固定された不溶担体は、第1液を保持可能なバッグなどの容器に予め封入されていてもよい。この容器に、ヒトから採取された血液から分離されたCD4T細胞及び第1液を注入して、CD4T細胞と固相化抗体とを反応させることができる。
第1液中においてCD4T細胞を固相化抗体と反応させると、CD4T細胞の抗原受容体に抗CD3抗体及び抗CD28抗体がそれぞれ結合する。これにより、抗原受容体を介してCD4T細胞が刺激を受ける。さらに、第1液に含まれるIL2及びTGF−βによってもCD4T細胞が刺激を受ける。このCD4T細胞には、CD25陰性(−)FoxP3陰性(−)T細胞も含まれるが、これらの刺激によってCD4CD25FoxP3T細胞がCD4CD25FoxP3T細胞に転換されると想定される。つまり、これら刺激によって、CD4T細胞からCD4CD25FoxP3T細胞が選択的に増幅される。
第1液中におけるCD4T細胞と固相化抗体との反応は、通常、温度約30〜40℃の範囲で、1〜10%COの存在下で、1〜10日間行われ、とくに好ましくは、温度37℃、5%CO、7日間である。
第3ステップにおいて、固相化抗体からCD4T細胞が分離されて、IL2及びTGF−βを含む第2液中においてCD4T細胞が増幅される。
第2液は、少なくともIL2及びTGF−βを含む液であるが、一般には培地である。この培地として、第1液で例示されたように、制御性T細胞に適する公知のものが使用できる。この培地は、有機酸、アミノ酸、還元剤、緩衝剤、抗生物質、サイトカイン、血清などの添加物を予め含んで調製されたものや、複数の培地の混合物であってもよい。
第2液に含まれるIL2及びTGF−βの濃度は特に限定されない。通常、IL2の濃度は、50〜2,000U/mLであり、好ましくは100〜700U/mLであり、とくに好ましくは200〜700U/mLである。また、TGF−βはTGF−β1が好適であり、その濃度は、1〜50ng/mLであり、好ましくは5〜10ng/mLである。
固相化抗体からのCD4T細胞の分離は、公知の用具を用いて行うことができる。例えば、セルリフターを用いてバッグ越しに不溶担体に結合されたCD4CD25T細胞を掻き取った後に細胞を回収すればよい。また、ビーズ形状の不溶担体がバッグに封入されている場合には、バッグの上からビーズ形状の不溶担体を揉み解すように擦り合わせることによって、不溶担体に結合されたCD4T細胞を剥がし取ることができる。
CD4T細胞の増幅は、培養バッグなどの公知の容器を用いて行うことができる。この培養バッグに、固相化抗体から分離されたCD4T細胞及び第2液を注入して、CD4T細胞を増幅させることができる。なお、固相化抗体から分離されたCD4T細胞には、CD4CD25T細胞以外のCD4T細胞も含まれる場合があるが、ここでは、CD4CD25T細胞のみを選別する必要はない。
第2液中におけるCD4T細胞の増幅は、通常、温度約30〜40℃の範囲で、1〜10%COの存在下で、1〜10日間行われ、とくに好ましくは、温度37℃、5%CO、7日間である。
これにより、ヒトから採取された血液から制御性T細胞が特異的かつ効率的に増幅される。
(2) 上記第3ステップにより増幅されたT細胞に、CD4陽性、CD25陽性、かつFoxP3陽性のT細胞が含まれることが好適である。
本発明にかかる制御性T細胞製造方法により得られたT細胞が制御性T細胞であることを確認する手段として、第3ステップにより増幅されたT細胞の抗原受容体及び転写因子を確認する手法があげられる。T細胞の抗原受容体は、フローサイトメトリー解析などの公知の手法により確認することができる。FoxP3は、T細胞の細胞膜の透過処理を施してからFoxP3抗体を用いて免疫染色を施すなどの公知の手法により確認することができる。
(3) 上記第3ステップにより増幅されたT細胞に、ヒト由来の単核球をレスポンダーT細胞とし、当該ヒトに対して自己又は同種の樹状細胞若しくはリンパ球を刺激細胞とする混合リンパ球反応において、当該レスポンダーT細胞の増殖を抑制するT細胞が含まれることが好適である。
本発明にかかる制御性T細胞製造方法により得られたT細胞が制御性T細胞であることを確認する手段として、ヒト由来の単核球をレスポンダーT細胞とし、当該ヒトに対して自己又は同種の樹状細胞若しくはリンパ球を刺激細胞とする混合リンパ球反応(MLR:Mixed Lympfocyte Reaction)を用いることができる。ここで、ヒトとは、例えば、健常人、患者及びドナーなどをいう。ヒト由来の単核球をレスポンダーT細胞とし、当該ヒトに対して自己又は同種の樹状細胞若しくはリンパ球を刺激細胞とする混合リンパ球反応の系に、本制御性T細胞製造方法により得られたT細胞を添加して培養して、レスポンダーT細胞の増殖抑制効果を判定する。増殖抑制効果の判定は、主にフローサイトメトリーにより行われる。
(4) 上記第3ステップにより増幅された全T細胞に対して、制御性T細胞が占める細胞数の割合が45%以上であることが好適である。これにより、少量のヒトから採取された血液から制御性T細胞を増幅して細胞療法に用いることができる。
(5) 上記第1ステップにおいて分離された全T細胞に含まれる制御性T細胞に対する、上記第3ステップにより増幅された全T細胞に含まれる制御性T細胞の増幅率が10,000倍以上であることが好適であり、さらに好ましくは20,000倍以上である。これにより、少量のヒトから採取された血液から制御性T細胞を増幅して細胞療法に用いることができる。
(6) 本発明にかかる制御性T細胞増幅装置は、抗CD3抗体及び抗CD28抗体を固定可能な不溶担体と、抗CD3抗体及び抗CD28抗体が固定された上記不溶担体に、ヒトから採取された血液から分離されたCD4陽性を示すT細胞が付着した状態で、当該固相化抗体をIL2及びTGF−βを含む第1液と共に保持する容器と、を具備する。
本制御性T細胞増幅装置は、任意のT細胞の増幅にも用いることができるが、特に、前述された制御性T細胞製造方法に好適に用いられる。
(7) 上記不溶担体が、上記容器が第1液を保持する空間の少なくとも一部を構成し、かつ保持された第1液と接触しうる部材であってもよい。
つまり、不溶担体を容器と一体にしてもよい。例えば、ボトル形状やバッグ形状の壁の一部を不溶担体として、その壁の内面(第1液と接触しうる面)に抗CD3抗体及び抗CD28抗体を固定してもよい。
本発明にかかる制御性T細胞製造方法によれば、ヒトから採取された血液から分離されたCD4T細胞を、IL2及びTGF−βを含む第1液中において抗CD3抗体及び抗CD28抗体により刺激した後、抗CD3抗体及び抗CD28抗体から分離して増幅させるので、CD4T細胞からCD4CD25FoxP3T細胞が選択的に増幅されて、制御性T細胞を特異的かつ効率的に得ることができる。これにより、採血量を少なくして患者への負担を軽減し、かつ細胞療法に必要な量の制御性T細胞を簡易に得ることができる。
本発明にかかる制御性T細胞増幅装置によれば、前述された制御性T細胞製造方法の如く、CD4T細胞への刺激によるCD4CD25FoxP3T細胞の選択的増幅を簡便に実施することができる。
図1は、本発明の実施形態にかかる制御性T細胞増幅装置10の外観構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態にかかる制御性T細胞製造方法の手順を示すフローチャートである。 図3は、プレート12に抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)が固定された状態を示す模式的な断面図である。 図4は、プレート12に固定された抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)にCD4T細胞20が結合した状態を示す模式的な断面図である。 図5は、本発明の第1変形例にかかる制御性T細胞増幅装置10を示す斜視図である。 図6は、本発明の第2変形例にかかる制御性T細胞増幅装置のバッグ32を示す斜視図である。 図7は、実施例における自己のT細胞を刺激細胞とする混合リンパ球反応におけるフローサイトメトリー測定結果を示す図である。 図8は、実施例における同種のT細胞を刺激細胞とする混合リンパ球反応におけるフローサイトメトリー測定結果を示す図である。 図9は、実験例3におけるCCDカメラシステムの観察結果を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
[制御性T細胞増幅装置10]
図1に示されるように、制御性T細胞増幅装置10は、バッグ11とプレート12とを具備する。バッグ11が、本発明における容器に相当する。プレート12が、本発明における不溶担体に相当する。
バッグ11は、平面視において矩形であって、その内部に一定容量の培地を封入可能なものである。なお、バッグ11の形状は特に限定されるものではなく、培地(第1液体、第2液体)の容量や操作性などを考慮して、形状及び容量が設定される。要するに、バッグ11は、所望の容量の培地を保持できるものであればよい。本実施形態にように、バッグ11が培地を保持する密閉空間を形成するものであれば、バッグ11の内部空間に雑菌などが侵入するおそれが低減される。バッグ11の容量としては、例えば、20〜400mLが採用される。
バッグ11は、平面視において矩形の樹脂シート2枚が、その周縁領域が熱溶着されてバッグ形状をなしている。そして、2枚の樹脂シートが溶着されていない中央の領域が、バッグ11において培地が封入される所定容量の内部空間である。バッグ11を形成する樹脂シートは、公知のものを採用することができ、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリエチレン−ポリテトラフルオロエチレン共重合体、ポリエチレン−1,2−ジクロロエタン共重合体などのポリオレフィン系樹脂からなるシートがあげられる。
バッグ11には、内部空間に細胞や培地などを流出入するためのポート13,14が設けられている。ポート13,14は、バッグ11の周縁領域において、前述された2枚の樹脂シートの間に樹脂チューブが介在されることにより形成されている。なお、本実施形態では、バッグ11に2つのポート13,14が設けられているが、ポートの数は適宜変更されてよい。
バッグ11の内部空間には、プレート12が配置されている。本実施形態では、前述されたように2枚の樹脂シートが溶着されてバッグ形状とされる際に、バッグ11の内部空間となる位置にプレート12が配置されて、バッグ11の内部空間に封入されているが、ポート13,14以外にプレート12を内部空間へ挿入可能な開口をバッグ11に形成して、任意のタイミングでプレート12をバッグ11の内部空間へ挿入できるようにしてもよい。その場合には、プレート12を挿入するための開口は、プレート12挿入後に封止できることが好ましい。
プレート12は、矩形の平板であるが、バッグ11の内部空間に封入可能であれば、形状や厚みなどは特に限定されない。プレート12は、培地や緩衝液などに対して不溶であり、抗CD3抗体及び抗CD28抗体を固定可能な素材からなる。抗CD3抗体及び抗CD28抗体を固定可能な素材は、抗体の固定方法を考慮して選択されるが、例えば物理的吸着により抗体を固定する場合には、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどの合成樹脂を用いることができる。なお、プレート12において抗体が固定される表面が前述された合成樹脂であればよく、例えばプレート12の内部に磁性体などが用いられてもよい。
[制御性T細胞製造方法]
以下に、制御性T細胞増幅装置10を用いた制御性T細胞製造方法が説明される。本制御性T細胞製造方法は、以下に示される第1ステップから第3ステップの3つのステップを含む。
(1)ヒトから採取された血液中からCD4陽性を示すT細胞(以下、「CD4T細胞」とも称される。)を分離する第1ステップ。
(2)IL2及びTGF−βを含む第1液中において、CD4T細胞をプレート12に固定された抗CD3抗体及び抗CD28抗体と反応させる第2ステップ。
(3)プレート12からCD4T細胞を分離して、IL2及びTGF−βを含む第2液中においてCD4T細胞を増幅させる第3ステップ。
[抗CD3抗体及び抗CD28抗体の固定]
プレート12に抗CD3抗体(図3における参照符号15)及び抗CD28抗体(図3における参照符号16)が固定されて、本発明における固相化抗体が作製される(図2:S1)。この工程は、第1ステップの直前に行われても、制御性T細胞増幅装置10が作製される際に予め行われていてもよい。固定すべき抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)は、リン酸緩衝液などを用いて所定の濃度に調製される。抗体の濃度は、抗体の活性などの特性を考慮して適宜設定されるが、通常、1〜100μg/mL程度に調製される。
調製された抗体溶液がポート13,14を通じてバッグ11の内部空間へ注入される。注入される抗体溶液の量はバッグ11の容量やプレート12の大きさなどを考慮して設定されるが、バッグ11の内部空間においてプレート12が抗体溶液で浸される程度の量であることが好ましい。
抗体溶液を注入した後、プレート12を内包するバッグ11を、冷蔵乃至室温で所定時間放置する。これにより、図3に示されるように、プレート12の表面に抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)が物理的に吸着する。所定時間放置後に抗体溶液をバッグ11から排出して、バッグ11の内部空間及びプレート12をリン酸緩衝液などで洗浄する。
[第1ステップ]
第1ステップでは、先ず、ヒトの末梢血又は臍帯血を採血する(図2:S2)。ヒトは患者でも健常人でもよいが、GVHDにおける細胞療法などを目的とする場合には、移植を行った患者又はドナーから採血する。採血量は、目的とする制御性T細胞の量により異なるが、通常、10〜50mL程度である。採血は、採血管や注射器などを用いて公知の手法により行う。また、採血に際して末梢血又は臍帯血にヘパリンなどの凝固防止剤が加えられてもよい。
得られた末梢血又は臍帯血から、CD4T細胞を分離する(図2:S3)。具体的には、フィコール比重遠心法を用いて末梢血又は臍帯血から単核球を分離する。次いで、免疫ビーズ法を用いて単核球からCD4T細胞を分離する。ここで、単核球とは、リンパ球及び単球を含む総称である。まず、採血により得られた末梢血又は臍帯血に対してフィコール比重遠心法における遠心分離を行ってバフィーコートを得る。このバフィーコートに、抗CD4抗体を含む液体を加えて反応させる。これにより、末梢血若しくは臍帯血、又はバフィーコート中の単核球であって、表面マーカーとしてCD4分子を有する細胞、つまりCD4T細胞(ヘルパーT細胞)に抗CD4抗体が免疫結合する。つづいて、抗CD4抗体と特異的に反応する2次抗体が固定された磁気ビーズを加えて反応させる。この反応により、抗CD4抗体が免疫結合したCD4T細胞が磁気ビーズに結合する。したがって、磁気ビーズをマグネットに吸着させることにより、反応残液を除去することができる。CD4T細胞が結合した磁気ビーズと反応残液とを分離してから、磁気ビーズからCD4T細胞を分離する。分離したCD4T細胞は液中に浮遊するので、この液と磁気ビーズとを分離することにより、CD4T細胞の浮遊液が得られる。なお、本工程(図2:S3)は、末梢血又は臍帯血にCD4抗体を含む液体を直接加えて反応させ、次いで免疫磁気ビーズ法によりCD4T細胞を分離する手法であってもよい。また、CD4T細胞を除去してCD4T細胞を得る手法であってもよい。
[第2ステップ]
第2ステップでは、第1液を充填されたバッグ11の内部空間において、CD4T細胞を、プレート12に固定された抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)と反応させる(図2:S4)。
バッグ11に充填される第1液は、Alys培地に、5%ヒトAB型血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、アムホテリシンB、IL2(図4における参照符号17)、TGF−β(図4における参照符号18)を添加した液である。この第1液をポート13,14を通じてバッグ11の内部空間へ注入する。つづいて、前述されたCD4T細胞の浮遊液を、ポート13,14を通じてバッグ11の内部空間へ注入する。このバッグ11を、COインキュベータに入れて、37℃、5%COで7日間放置する。なお、放置期間中においては、適宜、第1液などをバッグ11へ追加したり、バッグ11を裏返したりする。この放置期間中に、CD4T細胞が抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)と反応するとともに、IL2(17)、TGF−β(18)により刺激を受ける。
詳細には、第1液中において、CD4T細胞20の抗原受容体であるCD3(図4における参照符号21)及びCD28(図4における参照符号22)に抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)がそれぞれ結合する。これにより、CD3(21)及びCD28(22)を介してCD4T細胞20が刺激を受ける。
さらに、第1液に含まれるIL2(17)及びTGF−β(18)によってもCD4T細胞20が刺激を受ける。CD4T細胞20には、CD25陰性(−)FoxP3陰性(−)T細胞も含まれるが、これらの刺激によってCD4CD25FoxP3T細胞がCD4+CD25FoxP3T細胞に転換されると想定される。つまり、プレート12に固定された抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)と結合したCD4T細胞20がIL2(17)及びTGF−β(18)に刺激されることによって、CD4T細胞20からCD4CD25FoxP3T細胞が選択的に増幅される。この選択的な増幅により、バッグ11におけるCD4T細胞20の大半がCD4CD25FoxP3T細胞となる。
[第3ステップ]
第3ステップでは、プレート12からCD4CD25T細胞が分離されて(図2:S5)、第2液中においてCD4CD25T細胞が増幅される(図2:S6)。
プレート12からCD4CD25T細胞の分離は、セルリフターを用いてバッグ11の壁越しにプレート12に結合されたCD4T細胞20を掻き取ることにより行われる。掻き取られたCD4T細胞20はバッグ11内において第1液中に浮遊する。そして、バッグ11の同様のバッグをポート13又はポート14に連結して、バッグ11内の第1液を移し取る。移し取られた第1液にはCD4T細胞20が浮遊しているので、遠心分離により、このCD4T細胞20の細胞浮遊液を収集する。
収集されたCD4T細胞20の細胞浮遊液を、公知の培養バッグなどに注入して培養する。この培養バッグには第2液を充填する。本実施形態で用いられる第2液は、前述された第1液と同じ組成であり、Alys培地(細胞科学研究所社製)に、5%ヒトAB型血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、アムホテリシンB、IL2、TGF−βを添加した液である。この第2液を用いて、CD4T細胞20を培養する。この培養は、37℃、5%COで7日間行う。なお、培養期間中においては、適宜、第2液などを培養バッグへ追加する。培養後に、遠心分離により、培養バッグからCD4T細胞20を収集する。このCD4T細胞20の大半がCD4CD25FoxP3T細胞である。得られたCD4T細胞20の細胞浮遊液は、Alys培地及びDMSOを含む液体中で凍結保存することもできる(図2:S7)。
[制御性T細胞の確認]
前述された制御性T細胞製造方法により得られたCD4T細胞20に制御性T細胞が含まれることは、以下の2つの方法により確認される。
[確認方法1]
確認方法の1つめとしては、CD4T細胞20に、CD4CD25FoxP3T細胞が含まれることを直接フローサイトメトリーを用いて判定する方法があげられる。この方法では、主に、CD4T細胞20の細胞膜の透過処理を施してから、CD25抗体及びFoxP3抗体を用いて免疫染色を施すことにより、CD4CD25FoxP3T細胞を確認することができる。また、この方法によれば、全CD4T細胞20におけるCD4CD25FoxP3T細胞の存在比率を算出することもできる。
[確認方法2]
確認方法の2つめとしては、混合リンパ球反応系に上記第3ステップにより増幅されたT細胞を加えることにより、レスポンダーT細胞の増殖が抑制されることを確認する方法があげられる。この判定は、ヒト由来の単核球をレスポンダーT細胞とし、自己又は同種の樹状細胞若しくはリンパ球を刺激細胞とする混合リンパ球反応(MLR:Mixed Lympfocyte Reaction)を用いて行うことができる。具体的には、ヒト由来の単核球をレスポンダーT細胞とし、自己又は同種の樹状細胞若しくはリンパ球を刺激細胞とする混合リンパ球反応の系に、上記第3ステップにより得られたCD4T細胞20を添加して培養する。レスポンダーT細胞に対する増殖抑制効果の判定は、主にフローサイトメトリーにより、レスポンダーT細胞を染色した化合物の輝度の減衰度にて行われる。この確認手法において、レスポンダーT細胞が染色される。染色は、例えば、CFSE染色キット(Vybrant CFDA SE Cell Tracer Kit、ダイナール・インビトロゲン社製)を用いて行うことができる。
[本実施形態の効果]
本制御性T細胞製造方法によれば、ヒト末梢血又は臍帯血から分離されたCD4T細胞20を、IL2(17)及びTGF−β(18)を含む第1液中において抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)により刺激した後、抗CD3抗体(15)及び抗CD28抗体(16)から分離して増幅させるので、CD4T細胞20からCD4CD25FoxP3T細胞が選択的に増幅されて、制御性T細胞を特異的かつ効率的に得ることができる。これにより、採血量を少なくしてヒトへの負担を軽減し、かつ細胞療法に必要な量の制御性T細胞を簡易に得ることができる。特に、制御性T細胞増幅装置10を用いることにより、本制御性T細胞製造方法を簡便に実施できる。
[第1変形例]
前述された実施形態では、バッグ11の内部空間にプレート12が封入されているが、本発明における不溶担体は、プレート形状以外の他の形状が採用されてもよい。例えば、図5に示されるように、バッグ11の内部空間に複数のビーズ31が封入されてもよい。ビーズ31の素材として、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどの合成樹脂を用いることができる。また、ビーズ31は、その内部に磁性体が用いられた磁性ビーズであってもよい。このビーズ31への抗CD3抗体及び抗CD28抗体の固定は、プレート12と同様の手法を用いることができる。
[第2変形例]
前述された実施形態では、本発明における不溶担体として、バッグ11とは別のプレート12が用いられているが、本発明における不溶担体は、バッグなどの容器と一体に構成されていてもよい。不溶担体を容器と一体に構成する場合には、不溶担体は、容器が第1液を保持する空間の少なくとも一部を構成し、かつ保持された第1液と接触しうる部材である。
例えば、図6に示されるように、バッグ32の内壁の一部を不溶担体としてもよい。バッグ32は、バッグ11と同様に2枚の樹脂シート33,34から構成されているが、これら樹脂シート33,34は、第1液を保持した状態で撓むことなく形状を維持する曲げ剛性を有する。この曲げ剛性は、樹脂シート33,34の素材、厚み、ラミネート構造などによって達成される。例えば、樹脂シート33,34の素材として低密度ポリエチレンを選択した場合には厚みを200μm以上とすることにより適度な曲げ剛性が得られる。また、樹脂シート33,34の素材として超高分子量ポリエチレンを選択した場合には厚みを25μm以上とし、環状ポリオレフィン系樹脂を選択した場合には厚みを100μm以上とすることにより適度な曲げ剛性が得られる。
そして、樹脂シート33,34の内壁の一部を抗体固定領域35(図6において2点鎖線で囲まれた領域)とする。この抗体固定領域35は、抗体を固定可能な樹脂素材を樹脂シート33,34の内壁側に積層して形成されている。この抗体固定領域35に、前述された手法によって抗CD3抗体及び抗CD28抗体が固定される。そして、バッグ32の内部空間に第1液が充填されることにより、抗体固定領域35が第1液と接触する。
以下に、本発明の実施例が説明される。本実施例は、本発明の一実施形態であり、本発明が実施例に記載された態様に限定されないことは言うまでもない。
[実施例1]
制御性T細胞増幅装置10のバッグ11及びプレート12は、ニプロ社にて製造されたものを用いた。抗ヒトCD3抗体(オルソクローン、ヤンセン協和/協和発酵社製)及び抗ヒトCD28抗体(eBiosience社製)をリン酸緩衝液で希釈して各々5μg/mLとして抗体溶液を調製した。予め内部をリン酸緩衝液で洗浄したバッグ11に、この抗体溶液5mLを注入し、室温に30分間放置した後、4℃で冷蔵保存した。そして、後述される制御性T細胞製造方法を実施する前に、バッグ11内から抗体溶液を排出してリン酸緩衝液で洗浄した(S1)。
5例の健常人から末梢血20mLをそれぞれヘパリン加採血し(S2)、予め3mLフィコール(GE-Amersham Pharmacia社製)を分注したコニカルチューブ(15mL、コーニング社製)社に、各末梢血をそれぞれ重層した。そのコニカルチューブを、1800rpm、20分間遠心分離した後、分離されたバフィーコートを採取した。得られたバフィーコートにリン酸緩衝液を加えて2度遠心分離し(1,500rpm、10分間、4℃)、Alys培地(Alys505Nw/oIL2、細胞化学研究所製)を加えて細胞浮遊液を得た。
前述された細胞浮遊液に、抗CD4抗体(Dynabeads FlowComp Human CD4、ダイナール・インビトロゲン社製)を5μL/1×10cellの割合で添加して、4℃、10分間放置して反応させた。1回、分離用の緩衝液(PBS, 0.1% AB serum, 2mM EDTA)にて洗浄後、分離用の緩衝液200μL/1×10cellの割合で細胞を浮遊させ、磁性ビーズ(Dynabeads FlowComp Human CD4、ダイナール・インビトロゲン社製)を15μL/1×10cellの割合でそれぞれ加えて、4℃、15分間撹拌した。マグネットにより磁性ビーズを固定して上清を廃棄及び洗浄した後、製品添付のリリース緩衝液(Dynabeads FlowComp Human CD4、ダイナール・インビトロゲン社製)を加えて室温で10分間撹拌して、磁性ビーズからCD4T細胞を遊離させた(S3)。CD4T細胞の浮遊液の一部を試験して、純度が95%以上であることを確認した。
CD4T細胞の浮遊液を、第1液(Alys 505N, 5% AB serum, Penicilin, Streptomycin, Amphotericin B, recombinat human IL2 200U/ml, recombinant human TGF-β1, 10ng/ml)を用いて5×10cell/5mLに調製して、10mLをバッグ11に注入した。そのバッグ11をCOインキュベータ(37℃、5%CO)に入れて、1日毎にバッグ11を裏返し、3日目に第1液を適宜追加した(S4)。
7日目に、セルリフターを用いてバッグ11の壁越しにプレート12からCD4T細胞を剥がし取り、バッグ11内の細胞浮遊液50mLをコニカルチューブへ移した(S5)。このコニカルチューブ内の細胞浮遊液を遠心分離(400G、10分間、4℃)した後、上清を廃棄した。このコニカルチューブに第2液(Alys 505N, 5% AB serum, Penicilin, Streptomycin, Amphotericin B, recombinat human IL2 200U/ml, recombinant human TGF-β1, 5ng/ml)を1×10cellあたり50mLを加え、これを2次培養バッグ(ニプロ社製)に移した。その2次培養バッグをCOインキュベータ(37℃、5%CO)に入れて培養した(S6)。3日目及び6日目(初期から10日目及び13日目)に第2液を適宜追加した。
14日目に、2次培養バッグから評価試験用サンプルを採取すると共に、前述と同様にコニカルチューブを用いて2次培養バッグの細胞浮遊液を得た。
[実施例2]
5例の健常人の末梢血(サンプルNo.1〜5)に代えて、予めインフォームドコンセントを得た慢性GVHD患者の末梢血(サンプルNo.6)及び臍帯血移植患者の末梢血(サンプルNo.7)を用いたこと以外は、前述された実施例1と同様に行った。
[比較例1]
第1液及び第2液においてTGF−β1を加えなかったこと以外は実施例1と同様に行った。
[実験例1]
実施例1、実施例2及び比較例1におけるCD4CD25FoxP3T細胞の確認をフローサイトメトリーを用いて行った。
フローサイトメトリー測定用のチューブに、上記で採取した実施例1及び比較例1の評価試験用サンプルを0.5〜1×10cell/mLチューブ添加し、100μLリン酸緩衝液(PBS)に浮遊させた。FITC標識抗CD25抗体5μL、ECD標識抗CD4(若しくはCD69)抗体を2μL添加し細胞表面を公知の方法でまず標識した。死細胞を区別するためにエチジウムモノアジドブロマイド(EMA、Molecular Probe社製)を最終濃度5μg/mLとなるように加え、一旦氷上で近距離(蛍光灯下10〜20cm)から蛍光灯の光を10分間あてた。光を当てた後に、PE antihuman Foxp3 Staining Set(eBioScience社製)の方法に準じて染色した。即ち、Fixation/Permealization buffer(1:3で希釈、PE antihuman Foxp3 Staining Set付属)を加え、30分間から1時間4℃遮光にて放置した。その後1回PBSにて洗浄後、0.5mLのPermealization buffer(PE antihuman Foxp3 Staining Set付属)にてさらに2回洗浄後、デカントで上清を廃棄した。残りの細胞浮遊液に2%(0.5μL) normal rat serum(PE antihuman Foxp3 Staining Set付属)およびPE標識抗FoxP3抗体(eBioScience社製)を10μL添加し4℃、30分間静置した。Permealization buffer 0.5mLにて2回洗浄後、適量のPBSに浮遊させた。この細胞浮遊液の入ったフローサイトメトリー測定用のチューブをフローサイトメトリー(EPICS XL、ベックマン・コールター株式会社製)にセットし、測定を行った。その結果を解析し、CD4T細胞数におけるCD25FoxP3T細胞の存在比率を算出した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例により培養された全T細胞数に対する制御性T細胞が占める細胞数の割合は、少なくとも45%以上であった。一方、比較例1では、最も高い割合で42%であった。このことから、本制御性T細胞製造方法により、CD4CD25FoxP3T細胞が効率的に増幅されることが明らかとなった。
また、上記第1ステップにおいて分離された全T細胞に含まれる制御性T細胞(CD4CD25FoxP3T細胞)に対して、上記第3ステップにより増幅された全T細胞に含まれる制御性T細胞(CD4CD25FoxP3T細胞)の増幅率を、前述されたフローサイトメトリーの測定結果から算出して表2に示した。なお、増幅率は、実施例1及び比較例1については5例(サンプルNo.1〜5)の平均値±SDが示され、実施例2については各例(サンプルNo.6,7)において算出された値が示されている。
実施例1では、培養0日目の細胞数に対して62,249±33,597倍の細胞が得られた。また、実施例2のサンプルNo.6では、培養0日目の細胞数に対して86,767倍の細胞が得られ、サンプルNo.7では、培養0日目の細胞数に対して602,784倍の細胞が得られた。一方、比較例1では、26,340±27,781倍であった。この結果から、本制御性T細胞製造方法が、当業者の予測を遙かに超えた倍率でCD4CD25FoxP3T細胞の増幅を可能とすることが明らかとなった。
[実験例2]
実施例1及び比較例1におけるCD4CD25FoxP3T細胞の増殖抑制効果の確認を、混合リンパ球反応とフローサイトメトリーを組み合わせた方法により評価を行った。
(1)レスポンダーT細胞の懸濁液の調製
まず、レスポンダーT細胞を調製した。具体的には、サンプルNo.1の提供者の末梢血20mLをヘパリン加採血し、予め3mLのLymphoprep液(AXIS-SHIELD PoC AS社製)を分注したコニカルチューブに、各個体の末梢血をそれぞれ重層した。そのコニカルチューブを、1,800rpm、20分間遠心分離した後、分離された単核球を採取した。得られた単核球にリン酸緩衝液を加えて2度遠心分離し(1,500rpm、5分間)、リン酸緩衝液を加えて、1〜5×10cells/mLのレスポンダーT細胞懸濁液を得た。これに、CFSE最終濃度1μM(1mMのストックを1000倍希釈)となるように添加し、約15分間、37℃、遮光環境下で、培養した。培養は、途中で撹拌しながら行った。その後、4℃で、2%AB型血清のリン酸緩衝溶液を1mL添加し、さらにリン酸緩衝液を加えて、染色の反応を止めた。遠心分離後、リン酸緩衝液をAssay Medium(Alys 505N, 10% AB serum)に置き換えて、レスポンダーT細胞を再度洗浄した。その後、適量のAssay Mediumを添加後、血球計算板(萱垣製作所社製)により、レスポンダーT細胞の細胞数をカウントした。そして、Assay Mediumを用いて、細胞濃度が2×10cells/mLとなるように、レスポンダーT細胞の懸濁液を調製した。また、後述の混合リンパ球反応における、コントロールとしてこのレスポンダーT細胞の懸濁液を、ポジティブコントロールとしてこのレスポンダーT細胞の懸濁液にPHA-L (5μg/mL添加)をそれぞれ用意した。
(2)樹状細胞の懸濁液の調製
次に、樹状細胞を調製した。制御性T細胞を含むT細胞と同一者を自己、他人を同種として上記(1)の採血(混合リンパ球反応試験日)より概ね1週間前に採取し、それぞれの単核球を、リン酸緩衝液を用いて、細胞濃度が1×10cells/mLとなるように細胞懸濁液を調製した。次に、10cm Dishにこの細胞懸濁液10mLを入れ、37℃、5%CO環境下で、約2時間培養した。浮遊細胞を除去した後、培養液を10%FCS含有RPMI培地に置換し、サイトカインとして、IL4を500U/mL、GM−CSFを10ng/mLを加えて、37℃、5%CO環境下で、約6日間培養した。これにより、未熟樹状細胞が作製される。さらに、浮遊細胞を除去した後、再度10%FCS含有RPMI培地で、37℃、5%CO環境下で、TNF−α 20ng/mLを加えて約2日間培養した。これにより、成熟樹状細胞が作製される。スクレーパー又はセルリプターを用いて付着細胞を剥離し、浮遊細胞も含めて細胞を回収した。そして、Assay Mediumを用いて、細胞濃度が2×10cells/mLとなるように、樹状細胞の懸濁液を調製した。なお、この懸濁液は、50Gyのγ線を照射して、樹状細胞自体の増殖はできないようにした。また、同種の樹状細胞の懸濁液を調製するために、サンプルNo.3の提供者にも協力いただいた。
(3)制御性T細胞を含むT細胞の懸濁液の調製
まず、制御性T細胞を含むT細胞の懸濁液を調製した。具体的には、上記で採取した実施例1の評価試験用サンプル(サンプルNo.1、1×10cells)を回収した後、無血清・無抗生剤RPMI培地にて2回洗浄し、25μL以下となるように、上清を除去した。次に、PKH26染色キット(Mini26-1KT PKH26 Red Fluorescent Cell Linker Mini Kit, for General Cell Membrane Labeling, #037K0464, Sigma社製)を用いて、この評価試験用サンプルの制御性T細胞を含むT細胞を染色した。具体的には、洗浄した実施例1及び比較例1の評価試験用サンプルに、上記キット添付のDiluent Cを0.5mLを加え、次いで、PKH26溶液(4×10−6M)を0.5mLを加えた。そして、ときどき撹拌しながら室温(25℃)で、5分間培養した。その後、2%AB型血清のリン酸緩衝溶液を1mL添加して反応を止め、1分間室温(25℃)で放置した。その後、Assay Mediumを加え、1500rpm、5分間遠心分離した後、Assay Mediumで3回洗浄した。血球計算板(萱垣製作所社製)により、制御性T細胞を含むT細胞数をカウントした。最後に、Assay Mediumを用いて、細胞濃度が1×10cells/mLとなるように、制御性T細胞を含むT細胞の懸濁液を調製した。
(4)混合リンパ球反応
上記(1)〜(3)の各細胞懸濁液を用いて、混合リンパ球反応を行った。詳細には、上記(1)〜(3)の各細胞懸濁液を、下記表3の混合比(細胞数として)に従って、96 well plate U 型に播種した。全容量が200μLとなるようにAssay Mediumを加えた後、抗CD3抗体(5μg/mL)のAssay Medium溶液を2μLずつさらに各Wellに加え、約5日間培養した。下記表3における系(a)〜(d)は、樹状細胞若しくはリンパ球が同種の場合と、自己の場合のそれぞれで行った。
(5)フローサイトメトリーによる評価
上記(4)における混合リンパ球反応の結果を、フローサイトメトリーを用いて、レスポンダーT細胞に染色したCFSEの輝度の減衰により評価した。詳細には、フローサイトメトリー測定用のチューブに、ECD抗CD4抗体を1μL添加した。一方で、別途用意したフローサイトメトリー測定用のチューブに、ECD抗CD8抗体を1μL添加した。そして、各チューブに、上記(4)における混合リンパ球反応後に採取した細胞懸濁液をそれぞれ95μLずつ添加し、4℃、30分間、遮光環境下で静置した。リン酸緩衝液で洗浄後、PI(Propidium Iodine)を添加した。この懸濁液を収容したフローサイトメトリー測定用のチューブを、フローサイトメトリー(EPICS XL、ベックマン・コールター株式会社製)にセットし、レスポンダーT細胞のうち各CD4T細胞又はCD8T細胞におけるCFSEの輝度の測定を行った。
得られた結果を図7及び図8に示す。自己又は同種ともに樹状細胞若しくはリンパ球の存在によって、各図(a)と比較して、CFSEの輝度が減衰していることがわかる(図7(b)及び図8(b))。これは、樹状細胞若しくはリンパ球の存在によりレスポンダーT細胞が活性化され、増幅していることを示す結果である。
しかしながら、さらに、本制御性T細胞製造方法により得られた制御性T細胞を含むT細胞を存在させると、各図(a)と比較して、CFSEの輝度がほとんど減衰していないことがわかる(図7(c)及び図8(c))。これは、制御性T細胞を含むT細胞の存在により、レスポンダーT細胞の増幅が抑制されていることを示す結果である。
そして、各図(c)における制御性T細胞を含むT細胞の存在比よりも、その存在比を低くすると、各図(a)と比較して、CFSEの輝度が若干ではあるが減衰していることがわかる(図7(d)及び図8(d))。これは、レスポンダーT細胞の増幅抑制効果が、制御性T細胞を含むT細胞の存在比に依存していることを示す結果である。
[実験例3]
In vivoでの制御性T細胞の投与効果を確認した。
(1)Xenogenetic-GVHD発症モデルマウス
生後8〜14日目の4匹のNOD/SCIDマウス(重症免疫力不全マウス)を、日本SLC社から得た。これらのNOD/SCIDマウスは、国立大学法人東京大学医科学研究所のガイドラインに従って取り扱った。Xenogenetic-GVHD(Xeno−GVHD)発症用の細胞として、ある2人のドナー(以下、各々がドナー1、ドナー2と称される。)から得られた末梢血単核細胞(以下、「PBMC」とも称される。)を用いた。このPBMCを、抗CD3CD28抗体をコートしたフラスコにて培養することによって、活性化T細胞とした。この培養は、IL−2(200units/mL)を含むAlys505N培地(細胞科学研究所製)を用い、6ウェル−プレートに細胞を播種して行った。培養開始から2日後に、活性化T細胞に対してルシフェラーゼ発現(HIV-EF1a-Luciferase)第3世代レンチウイルスベクターで遺伝子導入を行った。実際には、細胞ペレットにMOI(multiplicity of infection)20のレンチウイルスとともに2時間培養して感染、洗浄した。遺伝子導入後の細胞を、さらに1週間、抗CD3CD28抗体をコートしたフラスコにて培養し、Xeno−GVHD発症用活性化T細胞とした。
前述された各NOD/SCIDマウスに対して、細胞を投与する前に、350cGyのγ線を照射した。そして、2匹のNOD/SCIDマウスに、形質転換されたドナー1のXeno−GVHD発症用活性化T細胞30×10個を腹腔内投与し、別の2匹のNOD/SCIDマウスに、形質転換されたドナー2のXeno−GVHD発症用活性化T細胞30×10個を腹腔内投与することによって、Xeno−GVHD発症モデルマウスを作成した。
(2)制御性T細胞の投与
ドナー1のXeno−GVHD発症用活性化T細胞投与によるXeno−GVHD発症から13日経過後の1匹のXeno−GVHD発症モデルマウスに、実施例1に従って製造された制御性T細胞10×10個を投与した(マウス1)。また、ドナー2のXeno−GVHD発症用活性化T細胞投与によるXeno−GVHD発症から13日経過後の1匹のXeno−GVHD発症モデルマウスにも、実施例1に従って製造された制御性T細胞10×10個を投与した(マウス2)。一方、ドナーがそれぞれ異なる残りの2匹のXeno−GVHD発症モデルマウスに対しては、制御性T細胞を投与せずに、それぞれの比較対象とした(マウス3,4)。
(3)In vivoでの評価
In vivoでの制御性T細胞の投与効果を、CCDカメラシステム(Xenogen社製、IVIS Image System)を用いて行った。具体的には、CCDカメラシステムにて観察する直前に、各Xeno−GVHD発症モデルマウスに、75mg/kgのD−ルシフェリン(Promega社製)を皮下投与した。そして、Xeno−GVHD発症モデルマウスに対してイソフルランで麻酔しながら、CCDカメラシステムの試料室にXeno−GVHD発症モデルマウスを置いて、イソフルラン投与10分後のマウスの腹部を各3回ずつ撮影した。撮影は、制御性T細胞の投与前と、制御性T細胞投与後の3〜76日後の任意の複数の日とにおいてそれぞれ行った。マウス1〜4の撮影結果を図9に示す。
マウス1,2においては、いずれも活性化T細胞の増加が抑制されることが確認された。マウス3,4においては、いずれも活性化T細胞の増加が確認され、マウス3では46日後にマウスが死亡し、マウス4では76日後にマウスが死亡した。このことから、GVHD患者に対して制御性T細胞を投与することによって、活性化T細胞の増加が抑制されることがIn vivoで証明された。
10・・・制御性T細胞増幅装置
11,32・・・バッグ(容器)
12・・・プレート(不溶担体)
31・・・ビーズ(不溶担体)
35・・・抗体固定領域(不溶担体)

Claims (4)

  1. ヒトから採取された血液中からCD4陽性を示すT細胞を分離する第1ステップと、
    抗CD3抗体及び抗CD28抗体が固相化抗体として固定された不溶担体を内部空間に有する可撓性のバッグに、IL2及びTGF−βを含む第1液と共に上記T細胞を注入して、当該バッグ内において上記T細胞と固相化担体とを反応させる第2ステップと、
    上記バッグの外側からアクセスして上記不溶担体から上記T細胞を剥がし取って上記バッグから取り出し、取り出されたT細胞を別のバッグに充填されたIL2及びTGF−βを含む第2液中において増幅させる第3ステップと、を含み、
    上記第3ステップにより増幅された全T細胞に対して、制御性T細胞が占める細胞数の割合が45%以上であり、
    上記第1ステップにおいて分離された全T細胞に含まれる制御性T細胞に対する、上記第3ステップにより増幅された全T細胞に含まれる制御性T細胞の増幅率が10000倍以上である制御性T細胞製造方法。
  2. 上記不溶担体が、上記バッグの内壁の少なくとも一部である請求項1に記載の制御性T細胞製造方法。
  3. 上記第3ステップにより増幅されたT細胞に、CD4陽性、CD25陽性、かつFoxP3陽性のT細胞が含まれる請求項1又は2に記載の制御性T細胞製造方法。
  4. 上記第3ステップにより増幅されたT細胞に、ヒト由来の単核球をレスポンダーT細胞とし、当該ヒトに対して自己又は同種の樹状細胞若しくはリンパ球を刺激細胞とする混合リンパ球反応において、当該レスポンダーT細胞の増殖を抑制するT細胞が含まれる請求項3に記載の制御性T細胞製造方法。
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