JP5464580B2 - タイヤの共振周波数の減圧感度推定装置及び方法、並びにタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラム - Google Patents

タイヤの共振周波数の減圧感度推定装置及び方法、並びにタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、走行中の車両のタイヤの共振周波数に基づいて当該タイヤの空気圧低下を検出するタイヤ空気圧低下検出装置及び方法に用いられる、タイヤの共振周波数の減圧感度推定装置及び方法、並びにタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラムに関するものである。
自動車が安全に走行できるための要素の1つとして、タイヤの空気圧をあげることができる。空気圧が適正値よりも低下すると、操縦安定性や燃費が悪くなり、タイヤバーストの原因となる場合がある。このため、タイヤ空気圧の低下を検出し、運転者に警報を出して適切な処置を促すタイヤ空気圧警報装置(Tire Pressure Monitoring System;TPMS)は、環境の保護や運転者の安全性の確保という見地から重要な技術である。
従来の警報装置は、直接検知型と間接検知型の2つに分類できる。直接検知型は、タイヤホイール内部に圧力センサを組み込むことでタイヤの空気圧を直接計測するものである。空気圧の低下を高精度に検出することができる一方で、専用のホイールが必要となることや実環境での耐故障性能に問題があることなど、技術的、コスト的な課題を残している。
一方、間接検知型はタイヤの回転情報から空気圧を推定する方法であり、動荷重半径(Dynamic Loaded Radius;DLR)方式と、共振周波数(Resonance Frequency Mechanism;RFM)方式に細分類することができる。DLR方式は、減圧したタイヤが走行時につぶれることで動荷重半径が小さくなり、その結果正常圧のタイヤよりも速く回転する現象を利用し、4つのタイヤの回転速度を比較することで圧力低下を検出する方式である。車輪速センサから得られる車輪の回転速度信号だけを用いて比較的簡単に演算処理できることから、主に一輪のパンクを検出することを目的として広く研究が進められてきた。しかし、車輪の回転速度を相対比較しているに過ぎないため、4輪が同時に減圧する場合(自然漏れ)は検知することができない。また、車両の旋回、加減速や荷重の偏りなどの走行条件によっても車輪速差が生じるため、全ての走行状態を通じて精度良く減圧を検知できないという問題がある。
他方、RFM方式は、減圧によって車輪速信号の周波数特性が変化することを利用して正常圧との差異を検出する方式である。DLR方式と異なり、あらかじめ保持しておいた各輪の正常値との絶対比較であるため、4輪同時減圧にも対応でき、より良い間接検知方式として注目されている。しかし、走行条件によっては強いノイズなどが原因で、目的とする領域の周波数の推定値が車両速度や路面状況に頑健でないなどの課題がある。本発明は、RFM方式に基づくタイヤの状態検知装置に関するものである。以下、この方式の基本原理についてより詳しく述べる。
車両が走行すると、タイヤが路面から力を受けることで現れる前後方向のねじれ運動と、サスペンションの前後の運動とが連成共振を起こす。この共振現象は、車輪の回転運動にも影響を及ぼすため、アンチロックブレーキングシステム(Anti−Lock Braking System;ABS)に搭載された車輪センサから取得される車輪速信号にも共振現象に関する情報が含まれる。また、連成共振はタイヤのねじれ剛性に起因した固有の振動モードであるため、その励起状態はタイヤの物理特性を構成する空気圧の変化にのみ依存して変化し、車両速度や路面の変化に依存することはほとんどない。すなわち、空気圧が低下するとタイヤのねじれ運動のダイナミクスが変化するため、車輪速信号を周波数解析すると、連成共振が作るピーク(以下、「共振ピーク」という)は減圧時では正常圧時よりも低周波数側に現れる。
図3の(a)〜(d)は、空気圧の状態がそれぞれ正常圧、15%減圧、25%減圧、及び40%減圧の場合において、タイヤに発生する振動を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;FFT)により解析した結果を表しており、図4はそれらをまとめて表示している。図3〜4より、25〜30Hz付近に存在する共振ピークに対応する周波数(以下、「共振周波数」という)が、内圧の変化によってより低周波側に移動していることが分かる。この現象は、前述した特性からタイヤや車両の種類、走行速度や路面の状況などから独立して現れるため、RFM方式では共振周波数に着目し、初期化時に推定した基準周波数よりも相対的に低いと判断される場合に警報を発する。ここで、車両に搭載されているABSなどから取得される車輪速信号から共振周波数を推定する必要があるが、計算資源が限られる車載の計算機では必要な時系列データを記憶させておくことが難しいため、FFTによる周波数解析を行うことは困難である。このため、本出願人は、オンライン手法を用いて共振周波数を推定する技術を提案している(特願2008−129055。以下、「第1先願発明」という)。
この第1先願発明では、共振ピークを含む特定の周波数領域の特性を効果的に抽出するために、以下のような多段階の手続きを踏んでいる。
まず、時系列データである車輪速信号を高次の自己回帰(Autoregressive;AR)モデルに基づいて解析する。次に、時系列解析により推定されたARモデルのパラメータと推定に用いた実際の車輪速信号とから、モデルに与えられたと仮定することができる入力信号を復元する。そして、この入力信号と出力信号(車輪速信号)に帯域通過フィルタなどの適当な信号処理を施した後に、2次の自己回帰移動平均(Autoregressive moving average;ARMA)モデルに基づいてシステムを決定する。路面や車両特性に起因するノイズの影響を高次モデルに基づく時系列解析によって吸収した後、共振ピークを含む周波数領域のみを低次モデルに基づいて抽出する先願発明は、従来技術に基づく空気圧低下警報システムの性能を大きく改善するものである。
ところで、タイヤ空気圧警報装置では、各時刻において前記第1先願発明などによって推定された共振周波数の系列に基づき、タイヤが減圧しているか否かの判定(以下、「減圧判定」という)を最終的に下す必要がある。ここで、共振周波数の推定を正確に行えたとしても、減圧の判定に関して次のような問題がある。
市販される乗用車には、その車の純正品として複数ブランドのタイヤが指定されていることが通常であるほか、ユーザーが純正品以外のタイヤ(いわゆる、リプレイスタイヤ)に履き替えることもあり、それらは互いにトレッドパターン、インチサイズ、扁平率、構造などが異なる。こうしたタイヤの性質が異なれば、正常圧時と減圧時の共振周波数の差(以下、「減圧感度」という。ただし、本明細書中の「共振周波数」という語がタイヤのもつ真の共振周波数ではなく、前記第1先願発明などによって推定された周波数を意味する場合は、その分布の平均値の差を指すものとする)や各空気圧条件における共振周波数も異なるが、どのようなタイヤが装着された場合であっても(装着されたタイヤの性質は空気圧低下警報システムにとって未知である。)、単一の警報システムにより減圧を検出する必要がある。
ここで、装着される可能性のあるすべてのタイヤについて減圧感度を記憶しておき、何らかの方法で装着されたタイヤの種類を特定することにより減圧判定を行う方法も考えられるが、明らかに現実的でない。したがって、初期化(空気圧の調整後に一定時間システムに対して与えられる、正常空気圧状態における共振周波数を記憶する手続きを指す。)の段階で減圧感度を推定し、そのタイヤにとって最適な位置に警報しきい値を設定する必要がある。しかし、共振周波数の振る舞いはタイヤの物理特性からあらかじめ決まっているとはいえ、車輪速信号のみから物理特性と相関する要素を取り出すことにより、未だ減圧していない状態で減圧感度を推定することは容易でなく、RFM方式に基づく空気圧低下警報システムの実用化を阻む大きな問題となっている。
この問題に対し、本出願人はベイズ推定を応用した減圧判定方法を提案している(特願2009−53654。以下、「第2先願発明」という)。
この第2先願発明は、得られた観測情報(推定した共振周波数)に基づいて、その観測の原因となった事象(タイヤの空気圧状態)を推定するための確率論的方法により減圧判定を行うものであり、複数ブランドのタイヤが純正品として指定されている場合でも優れた性能を示す。
しかし、第2先願発明における推定には各純正タイヤに応じた尤度関数の事前設計が不可欠であり、このために適当なパラメトリック分布を仮定したもとで、実車実験などで採取された実験データからあらかじめ当該分布のパラメータを決定しておく必要がある。すなわち、事前にパラメータを決定することができないリプレイスタイヤに対しては性能の保証ができず、システムを適用できる範囲が純正タイヤに限られていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、初期化の段階において減圧感度を推定することにより、そのタイヤにとって最適な位置に警報しきい値を設定することができ、これにより、いかなるタイヤが装着された場合であっても、適切に減圧判定を行うことができるタイヤの共振周波数の減圧感度推定装置及び方法、並びにタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の観点に係るタイヤの共振周波数の減圧感度推定装置(以下、単に「減圧感度推定装置」という)は、車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出手段と、この検出手段により得られる回転速度情報からシステムの伝達関数のパラメータを推定するパラメータ推定手段と、前記検出手段により得られる回転速度情報から前記タイヤの共振周波数を推定する推定手段と、この推定手段により推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定手段と、を備えたタイヤ空気圧低下検出装置に用いられ、前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定装置であって、
初期化時に、前記伝達関数のパラメータと前記推定された共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算手段と、
尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式が記憶された記憶手段と、
前記演算手段により計算された尖度と、前記所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出手段と
を備えたことを特徴としている。
本発明の第1の観点に係る減圧感度推定装置では、初期化時に計算される尖度と、あらかじめ記憶させておいた当該尖度と減圧感度との関係を示す関係式とから、車両に装着されているタイヤの減圧感度を推定することができる。前記関係式は、通常想定されるタイヤにおいて共通であるので、いかなるタイヤが装着された場合であっても最適な位置に警報しきい値を設定することができ、その結果、適切に減圧判定を行うことができる。
前記第1の観点に係る減圧感度装置において、前記共振周波数を推定する推定手段は、前記回転速度情報を含む時系列信号に対し、
第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、
第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、
第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び
第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段
を含むものとすることができる。
本発明の第2の観点に係る減圧感度装置は、車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出手段と、この検出手段により得られる回転速度情報から前記タイヤの回転加速度情報を算出する算出手段と、この算出手段により得られる回転加速度情報からシステムの伝達関数のパラメータを推定するパラメータ推定手段と、前記算出手段により得られる回転加速度情報からタイヤの共振周波数を推定する推定手段と、この推定手段により推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定手段と、を備えたタイヤ空気圧低下検出装置に用いられ、前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定装置であって、
初期化時に、前記伝達関数のパラメータと前記推定された共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算手段と、
尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式が記憶された記憶手段と、
前記演算手段により計算された尖度と、前記所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出手段と
を備えたことを特徴としている。
本発明の第2の観点に係る減圧感度推定装置では、前記第1の観点に係る減圧感度推定装置の効果に加え、回転速度情報よりも変化が少ない回転加速度情報を含む時系列信号に対し時系列推定を行っているので、演算精度を上げることができる。
前記第2の観点に係る減圧感度装置において、前記共振周波数を推定する推定手段は、前記回転加速度情報を含む時系列信号に対し、
第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、
第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転加速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、
第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転加速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び
第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段
を含むものとすることができる。
前記尖度は、前記伝達関数を連続に変換したものを
Figure 0005464580
である。以上の計算により、共振周波数を推定するプロセスにおいて算出された伝達関数のパラメータと共振周波数とから尖度を計算することができる。
本発明の第3の観点に係るタイヤの共振周波数の減圧感度推定方法(以下、単に「減圧感度推定方法」という)は、車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出工程と、この検出工程において得られる回転速度情報からシステムの伝達関数のパラメータを推定するパラメータ推定工程と、前記検出工程において得られる回転速度情報からタイヤの共振周波数を推定する推定工程と、この推定工程において推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定工程と、を含むタイヤ空気圧低下検出方法に用いられ、前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定方法であって、
初期化時に、前記伝達関数のパラメータと前記推定された共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算工程と、
前記演算工程において計算された尖度と、予め記憶手段に記憶されている前記尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出工程と
を含むことを特徴としている。
本発明の第3の観点に係る減圧感度推定方法では、初期化時に計算される尖度と、あらかじめ記憶させておいた当該尖度と減圧感度との関係を示す関係式とから、車両に装着されているタイヤの減圧感度を推定することができる。前記関係式は、通常想定されるタイヤにおいて共通であるので、いかなるタイヤが装着された場合であっても最適な位置に警報しきい値を設定することができ、その結果、適切に減圧判定を行うことができる。
前記第3の観点に係る減圧感度推定方法において、前記共振周波数を推定する推定工程は、前記回転速度情報を含む時系列信号に対し、
3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定する第1の工程、
推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する第2の工程、
推定された入力信号と、前記回転速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定する第3の工程、及び
2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する第4の工程
を含むものとすることができる。
本発明の第4の観点に係る減圧感度推定方法は、車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出工程と、この検出工程において得られる回転速度情報から前記タイヤの回転加速度情報を算出する算出工程と、この算出工程において得られる回転加速度情報からシステムの伝達関数のパラメータを推定するパラメータ推定工程と、前記算出工程において得られる回転加速度情報からタイヤの共振周波数を推定する推定工程と、この推定工程において推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定工程と、を含むタイヤ空気圧低下検出方法に用いられ、前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定方法であって、
初期化時に、前記伝達関数のパラメータと前記推定された共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算工程と、
前記演算工程において計算された尖度と、予め記憶手段に記憶されている前記尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出工程と
を含むことを特徴としている。
本発明の第4の観点に係る減圧感度推定方法では、前記第3の観点に係る減圧感度推定方法の効果に加え、回転速度情報よりも変化が少ない回転加速度情報を含む時系列信号に対し時系列推定を行っているので、演算精度を上げることができる。
前記第4の観点に係る減圧感度推定方法において、前記共振周波数を推定する推定工程は、前記回転加速度情報を含む時系列信号に対し、
3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定する第1の工程、
推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転加速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する第2の工程、
推定された入力信号と、前記回転加速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定する第3の工程、及び
2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する第4の工程
を含むものとすることができる。
前記尖度は、前記伝達関数を連続に変換したものを
Figure 0005464580
である。以上の計算により、共振周波数を推定するプロセスにおいて算出された伝達関数のパラメータと共振周波数とから尖度を計算することができる。
本発明の第5の観点に係るタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラム(以下、単に「プログラム」ともいう)は、走行中の車両のタイヤの共振周波数に基づいて当該タイヤの空気圧低下を検出するべく前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定するためにコンピュータを、
初期化時に、前記タイヤの回転速度情報から推定された、システムの伝達関数のパラメータと、前記共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算手段、及び、前記演算手段により計算された尖度と、予め記憶手段に記憶されている、前記尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出手段
として機能させることを特徴としている。

前記第5の観点に係るプログラムにおいて、前記共振周波数を推定するためにコンピュータを、車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出手段から得られる回転速度情報を含む時系列信号に対し、
第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、
第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、
第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び
第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段
として機能させることができる。
また、前記第5の観点に係るプログラムにおいて、前記共振周波数を推定するためにコンピュータを、車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出手段から得られる回転速度情報から、タイヤの回転加速度情報を算出する算出手段、並びに、この算出手段により得られる回転加速度情報を含む時系列信号に対し、
第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、
第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転加速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、
第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転加速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び
第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段
として機能させることができる。
前記尖度は、前記伝達関数を連続に変換したものを
Figure 0005464580
である。以上の計算により、共振周波数を推定するプロセスにおいて算出された伝達関数のパラメータと共振周波数とから尖度を計算することができる。
本発明の減圧感度推定装置及び方法、並びにプログラムによれば、初期化の段階において減圧感度を推定することにより、そのタイヤにとって最適な位置に警報しきい値を設定することができる。
本発明の減圧感度推定装置を備えたタイヤ空気圧低下検出装置の一例を示すブロック図である。 図1に示されるタイヤ空気圧低下検出装置の電気的構成を示すブロック図である。 減圧によりタイヤの共振周波数が変化する様子を示す図である。 減圧によりタイヤの共振周波数が変化する様子を示す図である。 タイヤの振動特性を示す図である。 図5のものとは減圧感度が異なるタイヤの振動特性を示す図である。 複数種類のタイヤの減圧感度を計測し、本発明の減圧感度推定方法に基づいて尖度を計算した結果をプロットした図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の減圧感度推定装置及び方法、並びにプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明の減圧感度推定装置を備えたタイヤ空気圧低下検出装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤの左前輪(FL)、右前輪(FR)、左後輪(RL)および右後輪(RR)の回転速度情報を検出するため、各タイヤに関連して設けられた通常の車輪速度検出手段(回転速度情報検出手段)1を備えている。
前記車輪速度検出手段1としては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させ、パルスの数から回転角速度及び車輪速度を測定するための車輪速センサや、ダイナモのように回転を利用して発電を行い、この電圧から回転角速度及び車輪速度を測定するためのものを含む角速度センサなどを用いることができる。前記車輪速度検出手段1の出力は、ABSなどのコンピュータである制御ユニット2に与えられる。この制御ユニット2には、例えばタイヤが減圧していることを表示するための液晶表示素子、プラズマ表示素子またはCRTなどで構成された表示器3、ドライバーによって操作することができる初期化ボタン4、タイヤ減圧であることをドライバーに知らせる警報器5、及びタイヤ近傍の温度を検出する温度センサ6が接続されている。
制御ユニット2は、図2に示されるように、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェース2aと、演算処理の中枢として機能するCPU2bと、このCPU2bの制御動作プログラムが格納されたROM2cと、前記CPU2bが制御動作を行う際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータが読み出されたりするRAM2dとから構成されている。
前記車輪速度検出手段1では、タイヤの回転数に対応したパルス信号(以下、「車輪速パルス」ともいう)が出力される。そして、この車輪速パルスを所定の周期ΔT(sec)、例えばΔT=0.005秒で再サンプリングすることにより、車輪速信号の時系列データを得ることができる。着目するタイヤのねじり方向の共振周波数は数十Hz付近に現れるため、ナイキスト周波数内にそれが含まれるようにサンプリング周期を設定する必要がある。
前記タイヤ空気圧低下検出装置は、車輪速度検出手段(回転速度情報検出手段)1と、この車輪速度検出手段により得られる回転速度情報から、この車輪速度検出手段により得られる回転速度情報から前記タイヤの共振周波数を推定する推定手段と、推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定手段と、タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定装置とで主に構成されている。そして、本発明の減圧感度推定装置は、初期化時に、前記共振周波数を推定するに際し推定された伝達関数のパラメータと当該共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算手段と、尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式が記憶された記憶手段と、前記演算手段により計算された尖度と、前記所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出手段とを備えている。
また、タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する本発明のプログラムは、前記制御ユニット2を、演算手段及び減圧感度算出手段として機能させる。
前記共振周波数を推定する推定手段は、前記回転速度情報を含む時系列信号に対し、第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段を含んでいる。また、タイヤ近傍の温度に基づいて、推定された共振周波数を補正する補正手段も含んでいる。
また、前記判定手段は、推定されたタイヤのねじり方向の共振周波数に基づいてタイヤの空気圧の低下を判定するように構成されている。
本発明は、タイヤ空気圧の低下を判定するためのしきい値を設定する際に必要な共振周波数の減圧感度を、共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度に基づいて、当該タイヤが正常圧にされた初期化時に推定するものである。
まず、減圧感度の推定に必要な共振周波数を推定する方法の一例について説明する。この一例は前記第1先願発明と同様である。
〔共振周波数の推定〕
仮定したシステムモデルを同定する場合、入力信号と出力信号が得られるのであれば、当該入出力信号を使ってシステムの同定を行うのが一般的である。しかしながら、本発明のように出力信号(車輪回転信号)しか得られない場合、入力はホワイトノイズであると仮定して時系列推定を行い、システムを同定する方法が採られる。
そして、車輪の回転信号に含まれる振動成分をモデル化し、同定する場合、タイヤをバネとバンパーで構成された2次系のモデルと仮定し、このモデルを同定するのが一般的である。
しかし、実際の車輪の回転信号には様々な振動が含まれている。そこで、着目したい周波数帯域だけを通過させるようなフィルタを通すことで余分な振動成分を除去し、残った振動成分に対してシステム同定を行うのが一般的である。着目する周波数としては、タイヤのねじり方向の共振成分が当該タイヤの内圧に依存していることから、数十Hz付近の回転信号だけを通過させるようなフィルタが用いられる。その結果、フィルタを通過した信号には1つの共振成分しか含まれないので、2次の線形モデルで充分であるとも考えられる。
しかし、出力信号しか得られないような時系列推定において、出力信号だけに対して、所定の通過帯域をもったフィルタ(バンドパスフィルタ)を適用した場合、フィルタを通過して得られた信号は当該フィルタの中心周波数に向かって引っ張られる傾向があり、真の共振点からずれてしまうという問題がある。この傾向は、通過帯域幅を狭く設定すればするほど顕著に現れる。
また、一方において、タイヤのねじり方向の共振成分は、確かにタイヤ内圧に依存して変化するものの、車輪の回転信号に含まれる振動成分は、車両速度や路面の凹凸などによっても大きく変化することが知られている。その結果、前記共振点からのずれを回避するために、あまりにフィルタの通過帯域幅を大きくとりすぎると、ねじり共振以外の振動成分の除去が充分ではなく、時系列推定の精度が低下するという問題がある。
本発明では、これらの手法とは異なり、たとえタイヤモデルが2次系で近似できるとしても、一旦高次のモデルで時系列推定を行い、得られた高次のパラメータと出力信号とから入力信号を推定し、推定された入力信号及び出力信号を用いた2次モデルをシステム同定している。
入力信号が得られるメリットとして、2次にモデルを低次元化する際に、たとえバンドパスフィルタのような所定の通過帯域幅をもったフィルタを通したとしても、入出力信号両方にフィルタを施すことで、信号をひずませることなく、所定の帯域のみについてシステム同定を行うことが可能となることが挙げられる。
本発明において、2次にモデルを低次元化する理由は、共振点の算出を容易にするためである。高次で得られたパラメータから、タイヤのねじり方向の共振点である40Hz付近のピーク周波数を計算することは、演算処理が複雑になることから容易ではない。また、コンピュータリソースの面からも、2次に低次元化して共振ピーク周波数を推定することが望ましい。
次に、共振周波数を推定する手順を具体的に説明する。
(1)まず、車輪速度検出手段により、車輪の回転信号を検出する。
(2)ついで、前記車輪の回転信号を所定の周期にしたがって再サンプリングすることで、車輪速信号を得る。その周期は、着目するタイヤのねじり方向の共振周波数を考慮して決める必要がある
(3)次に、得られた車輪速度を微分して車輪加速度とする。車輪速信号を時系列データとして時系列解析することもできるが、車輪加速度データのほうが車輪速度データよりも変化が少ないことから、演算精度を上げる点からは車輪加速度データをデータとして用いることが望ましい。
(4)ついで、演算された車輪の回転加速度データを時系列データとして、時系列解析を行う。
まず、第1工程において、回転加速度データを時系列信号として、以下の式(1)のn次(nは3以上の整数)の線形モデルとして、時系列推定手段により各パラメータを時系列推定する。時系列推定は、コンピュータリソースなどを考慮すると、逐次最小二乗法を用いて行うことが望ましい。
Figure 0005464580
ここに、y(k)は車輪回転加速度の時系列信号、nはモデル次数(3以上の整数)、aiは各パラメータ、w(k)は外乱である。
(5)ついで、第2工程において、第1工程で推定された各パラメータと出力信号である車輪回転加速度の時系列信号y(k)から、入力信号推定手段により入力を推定する。
具体的に、第1工程における時系列推定では、システムへの入力は外乱w(k)として定義されており、この外乱w(k)はタイヤが路面から受けるホワイトノイズ的な力であると仮定している。かかる外乱w(k)、すなわち入力信号を、第1工程で推定された各パラメータと、車輪回転加速度の時系列信号とから、以下の式(2)に従って推定する。
Figure 0005464580
(6)ついで、第3工程において、第2工程で推定された入力信号w(k)と、出力信号である車輪回転加速度の時系列信号y(k)とから、パラメータ同定手段により2次のモデルのパラメータを同定する。このときの伝達関数G(z)は、以下の式(3)で表すことができる。
Figure 0005464580
ここで、z-1は1サンプル遅延である。
なお、2次に低次元化する際に、特にタイヤの共振周波数に着目するために、入力信号及び出力信号に対して、所定の通過帯域幅をもったフィルタ手段によるフィルタリング処理を施した後に、システム同定を行うことが望ましい。
(7)次に、2次に低次元化したモデルのパラメータから、共振周波数推定手段により共振周波数を推定する。共振特性を、連続時間2次系モデル式(4)に近似させると、共振周波数は、以下の式(5)で表される。
Figure 0005464580
Figure 0005464580
ここで、ωnは固有振動数、ζは減衰係数、ωpは共振周波数である。
(8)また、タイヤの近傍の温度を検出する温度センサ(例えば、車載の外気温センサなど)からの温度情報に基づいて、前記推定されたタイヤのねじり方向の共振周波数を補正することができる。これは、タイヤの周囲温度が高くなるとタイヤを構成するゴムの硬度が低くなり、その結果、タイヤのねじり方向の剛性が小さくなることで共振周波数が低くなるのを補正するものである。逆に、タイヤの周囲温度が低くなるとタイヤを構成するゴムの硬度が高くなり、その結果、タイヤのねじり方向の剛性が大きくなることで共振周波数が高くなるのを補正するものである。
温度情報としては、タイヤのサイドウォールの温度情報が最も適しているが、タイヤ付近の雰囲気温度又は外気温度でも実用できる。補正の方法としては、推定された共振周波数をωp、補正係数をα、補正後の共振周波数をωpp、タイヤ周囲温度をTempとすると、以下の式(6)に基づいて補正される。
Figure 0005464580
〔減圧感度の推定〕
次に、車両に装着されたタイヤの減圧感度を初期化時に推定する方法について説明する。この減圧感度に基づけば、タイヤ空気圧の低下を判定する際のしきい値を設定する等の処理を行うことができる。
従来から、共振ピークが明瞭に立ち上がるタイヤほど減圧感度が良いことが知られている。これは、柔らかい(剛性が低い)タイヤほど充填された空気がタイヤ全体の物理特性に与える影響が大きいため、同量の空気が抜けた場合に硬い(剛性が高い)タイヤに比べて共振周波数の変化幅が大きいと同時に、柔らかい物質ほど振動の収束が遅い(減衰が悪く、いつまでも振動している)ため、周波数解析を行った場合の共振周波数のゲインが大きくなるためである。
図5〜6は、計測設備を用いて、減圧感度が異なる2種類のタイヤの振動特性を計測した結果を示している。なお、両タイヤにおける正常内圧の設定、減圧時の減圧率は同じである。図5は減圧感度の良いタイヤ、図6は減圧感度の悪いタイヤである。後者の周波数特性は前者に比べて傘が広がった形をしており、全体的にピークの立ち上がりが悪い。したがって、正常圧時における共振ピークの鋭さ(以下、「尖度」という)を定量化し、これと減圧感度との間に相関があれば、初期化時に行われる時系列解析の結果のみから減圧感度を推定できる。
本発明では、以下のように「尖度」を定義する。前述した共振周波数の推定方法において同定された伝達関数をG(z)とし、これを連続に変換したものを、
Figure 0005464580
すなわち、本発明における尖度は、前述した第1先願発明の共振周波数の推定プロセスにおける伝達関数のパラメータ{α0、α1、β0、β1、β2}と共振周波数ωPが求まれば、前記式にしたがって簡単に計算することができる。
図7は、メーカー、パターン、サイズが異なる11種類のタイヤについて減圧感度を計測し、本発明の方法に基づいて尖度を計算した結果をプロットしたものである。図7における縦軸の「減圧感度指標」とは、正常圧から1%減圧したときの共振周波数の変化率をいう。また、前記式にしたがって計算される尖度は、ピークの立ち上がりが大きいほど値が小さくなることに注意する。両者には強い負の相関があるため、尖度を計算できれば減圧感度を計算できる。したがって、本発明の減圧感度推定方法を用いれば、通常想定されるいかなるタイヤが装着された場合であっても、適切に減圧判定を行うことができる。図7に示される尖度と減圧感度との関係を示す式は、あらかじめ前記ROM2cに記憶させておく。
本発明の減圧感度推定方法を適用する場合は、図7において前記式により計算された尖度に対応する減圧感度指標を計算する。例えば、共振周波数が40Hzと推定されるタイヤにおいて減圧感度指標が0.345と計算される場合、当該タイヤの共振周波数は25%減圧することにより40×0.345×25/100=3.45Hz変化すると推定される。このとき、減圧タイヤの予想共振周波数と正常圧の共振周波数の中央にしきい値を設定する場合は、40−3.45/2≒38.3付近に警報しきい値を設定すればよいことが分かる。
図7で示した11種類のタイヤについて、線形モデル(回帰直線)にしたがって推定した減圧感度と実際の減圧感度との誤差の標準偏差の95%信頼区間は、0.004291≦σ=0.006251≦0.009879となる。すなわち、正確に減圧判定を行うためには減圧感度を0.01の精度で推定する必要があることが経験的に分かっているところ、誤差の標準偏差は最悪でもこれを下回るため、約7割のデータは少なくともこの区間におさまることが分かる。これは、実用に十分に堪える精度であるといえる。
1 車輪速度検出手段
2 制御ユニット
2a インターフェース
2b CPU
2c ROM
2d RAM
3 表示器
4 初期化ボタン
5 警報器
6 温度センサ

Claims (14)

  1. 車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出手段と、この検出手段により得られる回転速度情報からシステムの伝達関数のパラメータを推定するパラメータ推定手段と、前記検出手段により得られる回転速度情報から前記タイヤの共振周波数を推定する推定手段と、この推定手段により推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定手段と、を備えたタイヤ空気圧低下検出装置に用いられ、前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定装置であって、
    初期化時に、前記伝達関数のパラメータと前記推定された共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算手段と、
    尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式が記憶された記憶手段と、
    前記演算手段により計算された尖度と、前記所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出手段と
    を備えたことを特徴とする減圧感度推定装置。
  2. 前記共振周波数を推定する推定手段は、前記回転速度情報を含む時系列信号に対し、
    第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、
    第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、
    第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び
    第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段
    を含む請求項1に記載の減圧感度推定装置。
  3. 車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出手段と、この検出手段により得られる回転速度情報から前記タイヤの回転加速度情報を算出する算出手段と、この算出手段により得られる回転加速度情報からシステムの伝達関数のパラメータを推定するパラメータ推定手段と、前記算出手段により得られる回転加速度情報からタイヤの共振周波数を推定する推定手段と、この推定手段により推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定手段と、を備えたタイヤ空気圧低下検出装置に用いられ、前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定装置であって、
    初期化時に、前記伝達関数のパラメータと前記推定された共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算手段と、
    尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式が記憶された記憶手段と、
    前記演算手段により計算された尖度と、前記所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出手段と
    を備えたことを特徴とする減圧感度推定装置。
  4. 前記共振周波数を推定する推定手段は、前記回転加速度情報を含む時系列信号に対し、
    第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、
    第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転加速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、
    第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転加速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び
    第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段
    を含む請求項3に記載の減圧感度推定装置。
  5. 前記尖度は、前記伝達関数を連続に変換したものを
    Figure 0005464580

    である請求項1〜4のいずれかに記載の減圧感度推定装置。
  6. 車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出工程と、この検出工程において得られる回転速度情報からシステムの伝達関数のパラメータを推定するパラメータ推定工程と、前記検出工程において得られる回転速度情報からタイヤの共振周波数を推定する推定工程と、この推定工程において推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定工程と、を含むタイヤ空気圧低下検出方法に用いられ、前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定方法であって、
    初期化時に、前記伝達関数のパラメータと前記推定された共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算工程と、
    前記演算工程において計算された尖度と、予め記憶手段に記憶されている前記尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出工程と
    を含むことを特徴とする減圧感度推定方法。
  7. 前記共振周波数を推定する推定工程は、前記回転速度情報を含む時系列信号に対し、
    3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定する第1の工程、
    推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する第2の工程、
    推定された入力信号と、前記回転速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定する第3の工程、及び
    2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する第4の工程
    を含む請求項6に記載の減圧感度推定方法。
  8. 車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出工程と、この検出工程において得られる回転速度情報から前記タイヤの回転加速度情報を算出する算出工程と、この算出工程において得られる回転加速度情報からシステムの伝達関数のパラメータを推定するパラメータ推定工程と、前記算出工程において得られる回転加速度情報からタイヤの共振周波数を推定する推定工程と、この推定工程において推定された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の低下を判定する判定工程と、を含むタイヤ空気圧低下検出方法に用いられ、前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定する減圧感度推定方法であって、
    初期化時に、前記伝達関数のパラメータと前記推定された共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算工程と、
    前記演算工程において計算された尖度と、予め記憶手段に記憶されている前記尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出工程と
    を含むことを特徴とする減圧感度推定方法。
  9. 前記共振周波数を推定する推定工程は、前記回転加速度情報を含む時系列信号に対し、
    3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定する第1の工程、
    推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転加速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する第2の工程、
    推定された入力信号と、前記回転加速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定する第3の工程、及び
    2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する第4の工程
    を含む請求項8に記載の減圧感度推定方法。
  10. 前記尖度は、前記伝達関数を連続に変換したものを
    Figure 0005464580

    である請求項6〜9のいずれかに記載の減圧感度推定方法。
  11. 走行中の車両のタイヤの共振周波数に基づいて当該タイヤの空気圧低下を検出するべく前記タイヤの共振周波数の減圧感度を推定するためにコンピュータを、
    初期化時に、前記タイヤの回転速度情報から推定された、システムの伝達関数のパラメータと、前記共振周波数とから共振ピークの立ち上がりの程度を表す尖度を計算する演算手段、及び、前記演算手段により計算された尖度と、予め記憶手段に記憶されている、前記尖度と減圧感度との関係を示す所定の関係式とからタイヤの減圧感度を求める減圧感度算出手段
    として機能させることを特徴とする、タイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラム。
  12. 前記共振周波数を推定するためにコンピュータを、車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出手段から得られる回転速度情報を含む時系列信号に対し、
    第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、
    第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、
    第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び
    第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段
    として機能させる請求項11に記載のタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラム。
  13. 前記共振周波数を推定するためにコンピュータを、車両の各輪に装着されたタイヤの回転速度情報を検出する検出手段から得られる回転速度情報から、タイヤの回転加速度情報を算出する算出手段、並びに、この算出手段により得られる回転加速度情報を含む時系列信号に対し、
    第1の工程として、3次以上の線形モデルのパラメータを時系列推定するパラメータ推定手段、
    第2の工程として、推定された線形モデルと、線形モデルの出力信号である前記回転加速度情報とから、当該線形モデルに対する入力信号を推定する入力信号推定手段、
    第3の工程として、推定された入力信号と、前記回転加速度情報とから、2次に低次元化した線形モデルのパラメータを同定するパラメータ同定手段、及び
    第4の工程として、2次に低次元化して同定されたパラメータからタイヤのねじり方向の共振周波数を推定する共振周波数推定手段
    として機能させる請求項11に記載のタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラム。
  14. 前記尖度は、前記伝達関数を連続に変換したものを
    Figure 0005464580

    である請求項11〜13のいずれかに記載のタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラム。
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