JP5460782B2 - 鳥獣威嚇装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自然エネルギーを利用した鳥獣から農作物を保護するための鳥獣威嚇装置に関する。
近年、鳥獣害が大きな問題となっている。特に中山間地域等では中山間地域の過疎化や耕作放棄地の拡大を媒介にしてイノシシやクマ、サル、カモシカ、野鳥等による農作物、家畜、人への危害が飛躍的に増大している。農業経営においては、このような野生動物によって農作物を食い荒らされる被害が後を絶たず、人材難や警備の費用等で経営を圧迫している。全国の獣害被害額は、平成16年度統計によれば127億円に達し、約40%がイノシシ害とされている。このような鳥獣害の増大によって営農意欲の減退と耕作放棄につながり、さらに被害を増加させるという悪循環に陥っている。このような背景から、国レベルにおいても、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(平成20年)が設立される等、対策が検討されている。しかしながら、このような鳥獣害を低減できる有効な具体策は未だ見つかっておらず、実用的で実効性のある鳥獣害対策方法が切望されているのが現状である。
例えば、防護柵を張り巡らす方法は、広範囲にわたる施工が必要となって膨大なコストがかかる一方、台風や強風、イノシシ等によって柵が破られることもあり、効果は限定的である。また、電力で動作する機器は、山間部においては電線を引くことが困難であるため、電力供給がなくとも動作可能な機構が望まれている。
従来から知られる電力源を必要としない対策装置としては、案山子や鹿威しを利用した威嚇音発生器具等が挙げられる。しかし、案山子の場合には、一時的には威嚇できるものの、案山子の動作に変化がないために直ぐに慣れてしまい、鳥獣が進入してしまうことがあった。また、鹿威しの威嚇音発生器具は、音と音の間隔が一定なため、これも直ぐに鳥獣が慣れてしまい、進入してしまうことがあった。
これに対して、電力源がなくても自律動作できるように、太陽エネルギーを利用して発電した電力を蓄えて動作させる電気式の案山子が開発されている(特許文献1参照)。この案山子は、図8に示すように、頭部61及び胴体部分62にソーラーパネル63を装着し、これにより得られた電気エネルギーを二重層コンデンサに蓄電し、電気エネルギーとして利用している。この電気エネルギーは、各場所に配置された遠赤外線センサーが反応することにより、回転灯とブザーを数秒間鳴らしたり、またはボンボンを数秒間動作させたり、さらに鳥の羽を数秒間動作させたりすることにより、鳥獣への威嚇動作を行う。また、案山子の内部には、シーケンサーとしてのIC(集積回路)が搭載されており、上記動作をタイマー動作として実施させることもできる。
この電気式案山子装置60は、電線を引かなくとも動作できる反面、電子回路を使用するため、装置が複雑で高価になるという問題があった。また電気で機械的に動作する部材を含む、不具合の発生も考えられ、メンテナンス作業が必要となり、維持コストもかかる。さらにこの装置では、遠赤外線センサーでもって鳥獣の侵入を検出しているため、遠赤外線センサーの認識範囲によって監視できるエリアが制限を受ける。より広い範囲を監視するには、複数台を設置しなければならず、さらに費用がかかるため、導入コストが嵩むというハードルも高い。
特許3709526号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、電力源がなくとも動作可能であって、設営による効果が高く、しかも低コストで導入可能な鳥獣威嚇装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
以上の目的を達成するため、本発明の第1の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、少なくとも一部を可動式とした可動部12を備える威嚇部10と、回動軸23を軸として、鉛直方向を含む面内で回動自在に支承され、一端に流水を受けて他端が鉛直方向を通過する位置まで回転可能とした鹿威部20と、前記鹿威部20の他端と、前記可動部12とを繋ぐワイヤー部30と、を備え、前記鹿威部20の一端に流水を受けて他端を回動させ、該回動に連動して、前記ワイヤー部30で接続された前記可動部12を揺動させて、もって威嚇動作を定期的に行えるように構成できる。
上記構成により、流水を利用して、鹿威しの要領で威嚇部を動作させることができ、電力源がなくとも作動できることから山間部等への設置に有効となる。さらに、通常のししおどしよりも回動動作範囲を大きくして、威嚇部の動作を大きくでき、もって威嚇効果を高めることができる。
また、第2の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、前記鹿威部20を回動自在に支承する回動軸23を設けた支承部27を備え、前記鹿威部20が、流水を受ける水受部21と、前記ワイヤー部30に繋がれた回動端24と、を備え、前記支承部27の設置面から回動軸23までの長さが、前記鹿威部20の回動軸23から回動端24までの長さよりも長く構成できる。
上記構成により、鹿威部の回動端が支承部を通過できるため、鹿威部の回動範囲を大きくして、もって威嚇部の動作を大きくすることができる。
さらに、第3の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、前記鳥獣威嚇装置はさらに、前記鹿威部20の水受部21側の下方に叩き石25を備え、前記回動端24の回動により、前記叩き石25に衝突させることができる。
上記構成により、鹿威部の回動端が回動により、叩き石に衝突し威嚇音及び威嚇振動を地中に起こすことができ、地上の鳥獣のみならず地中のモグラ避けにも効果を発揮することができる。
さらにまた、第4の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、さらに離間して設置された前記鹿威部20と威嚇部10との間で、張設された前記ワイヤー部30を支持するための一以上の支柱32を備えることができる。
上記構成により、流水が得られる場所と離れた位置でも威嚇部を配置できるので、鳥獣の追い払いにより効果的な位置に威嚇部を配置でき、より実効性を高めることができる。
さらにまた、第5の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、前記ワイヤー部30が、複数の威嚇材34を離間して設けており、前記鹿威部20が回動されると、前記ワイヤー部30が移動され、これに応じて前記威嚇材34も微動するよう構成できる。
上記構成により、ワイヤー部に沿って設けられた威嚇材を定期的に微動させて、威嚇効果を一層高めることができる。
さらにまた、第6の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、さらに前記ワイヤー部30に連結された、発音体50を備えることができる。
上記構成により、威嚇部の動作に加えて音でも威嚇できる。
さらにまた、第7の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、さらに前記発音体50は、鈴を含むことができる。
さらにまた、第8の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、前記威嚇部10が、外観を虎を模して形成されており、前記可動部12が、虎の尻尾様に形成できる。
上記構成により、虎の尻尾を跳ね上げるように動作させることができ、鳥獣に対する威嚇効果を高めることが期待できる。
さらにまた、第9の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、前記威嚇部10が、外観を人型に模して形成されており、前記可動部12を、人の腕様に形成することができる。
上記構成により、人が腕を振り上げるように動作させることができ、鳥獣に対する威嚇効果を高めることが期待できる。
さらにまた、第10の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、前記威嚇部10が、外観を人面に模して形成されており、前記可動部12が、目玉を強調させた顔型に形成することができる。
上記構成により、威嚇部を簡易的に作成することができ、鳥獣が目の動きに敏感であることを利用して威嚇効果を高めることが期待できる。
さらにまた、第11の側面に係る鳥獣威嚇装置によれば、前記ワイヤー部30を、二以上の異なる素材を連結して構成することができる。
上記構成により、鹿威部から可動部までの距離や求められる張力等に応じて、ワイヤー部を任意の素材を連結して構成することにより、長さや強度等を調整できる。例えば近距離の場合は、同一の素材でワイヤー部を構成して簡素化する一方、遠距離の場合には複数の異なる素材を連結させてワイヤー部の延長を行うことにより、ワイヤー部の軽量化を図ることができ、さらに風などによる撓みを減少させることもできる。
本発明の実施例1に係る鳥獣威嚇装置を示す模式図である。 変形例に係る水受部を示す拡大斜視図である。 図a(a)〜(d)は鹿威部が回動する動作を示す模式図であり、図3(a)は水受部が水受け姿勢にある状態、図3(b)は水受部が排出姿勢にある状態、図3(c)は水受部が鉛直方向を超えて跳ね上げられた状態、図3(d)は水受部が水受け姿勢に戻った状態をそれぞれ示している。 本発明の実施例2に係る鳥獣威嚇装置を示す模式図である。 本発明の実施例3に係る鳥獣威嚇装置を示す模式図である。 本発明の実施例4に係る鳥獣威嚇装置を示す模式図である。 本発明の実施例5に係る鳥獣威嚇装置を示す模式図である。 従来の電気式の案山子を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための鳥獣威嚇装置を例示するものであって、本発明は鳥獣威嚇装置を以下のものに特定しない。さらに、本明細書においては、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(実施例1)
図1に、本発明の実施例1に係る鳥獣威嚇装置100を示す。この図に示す鳥獣威嚇装置100は、鹿威部20と、可動部12を有する威嚇部10と、可動部12と鹿威部20とを繋ぐワイヤー部30とを備える。
(威嚇部10)
威嚇部10は、外観を威嚇効果のある形状としている。また、その一部に可動部12を備えている。図1の例では、威嚇部10の外観が虎、可動部12が尻尾となるように、その外形を構成している。また可動部12は、ワイヤー部30の一端と接続されている。ワイヤー部30は後述する鹿威部20と接続されており、鹿威部20の動作に連動してワイヤー部30が引かれて、可動部12が揺動する。図1の例では、可動部12である尻尾の先端にワイヤー部30が固定されており、ワイヤー部30を引くことで尻尾が跳ね上がるように構成されている。このように、威嚇部10は本体を固定しつつも、可動部12を動作させることで、鳥獣に対して威嚇する効果を発揮できる。
威嚇部10に設けた可動部12は、極力外観を目立たせることが好ましい。このため、外形を大きく、また派手な色で着色する。ただ、鹿威部20の回動で動作するよう、可動部12は比較的弱い力でも駆動できるように、軽量とすることが好ましい。例えば、可動部12の一例として尻尾を用いる場合、棒状の尻尾の内部を中空とすることにより軽量化を図ることができる。また可動部12の軽量化によって、跳ね上げ易くして威嚇効果を高めることもできる。
(鹿威部20)
鹿威部20は、一般の鹿威しとほぼ同様の構成が利用できる。すなわち、竹筒のような筒状として、その長手方向の中央近傍に回動軸23を設け、回動軸23を回転軸として支承部27により回動自在に支承されている。支承部27は、その先端近傍に、鹿威部20を回動自在に支承するための回動軸23を設けている。
(水受部21)
また鹿威部20の一端には、流水を受けるための水受部21が設けられる。この水受部21は、竹筒を斜めにカットした形態で、竹筒内を節を利用して、水溜が可能な状態に加工している。さらに、図2の変形例に示すように、より大きな口径とした箱状の水桶部22を追加形成してもよい。これにより、水受部21及び水桶部22により多くの水を蓄えて重くすることができ、モーメントを高めて鹿威部20の回転力を付勢でき、もって威嚇部の動きを激しくできる。水受部21及び水桶部22は、流水を受けるのに適した位置に配置される。また、流水を水配管28及び補助配管29a、29bなどで水受部21及び水桶部22に案内することもできる。鹿威部20の水受部21は、支承部27の上方近傍まで回転する。そのため、小川や湧き水等からの流水を水配管28で引き込み、さらに排水箇所を延長し補助配管29bにより水受部21に給水している。さらにまた、水配管28及び補助配管29bの水の吐出口との間までを補助配管29aの吐出口として設け、鹿威部20の回動に対して補助給水を行い、吸水可能な範囲を広くして水受部21及び水桶部22で十分な受水を可能としている。
また他端は、回動によって円弧状の軌跡を描くように移動する回動端24としている。鹿威部20は、通常時は水受部21側が上側に、回動端24が下側となるように、回転軸の位置や回動端24側に固定した重りにより設定される。水受部21及び回動端24に固定した重り26a、26bの位置や重さを調整することにより、鹿威部20の回転力を増すことができる。
(支承部27)
図3(a)〜(d)に、鹿威部20が回動する動作を示す。支承部27は、ほぼ垂直姿勢で設置され、上端近傍に回動軸23を設けている。ここで図3(c)に示すように、設置面から回動軸23までの長さaを、鹿威部20の回動軸23から回動端24までの長さbよりも長くしている。このようにすることで、鹿威部20の回動端24が支承部27を通過でき、鹿威部20の回動範囲を大きくできる。
鹿威し部は、通常状態では図3(a)に示すような水受け姿勢となるよう、重り26a、26bなどが設定されている。この状態で水受部21及び水桶部22に流水が水配管28及び補助配管29a、29bから供給され、水受部21及び水桶部22に溜まった水によって水受部21側が徐々に重くなると、図3(b)に示すように回動し始める。いいかえると、他端の回動端24側が上方に移動し始める。この回動によって水受部21及び水桶部22が下降し水が排出される排出姿勢となる。その後、水受部21及び水桶部22が軽くなった鹿威部20は再び回動端24を降下させ始める。このとき、回動端24は重りの反動により水受け姿勢を超えて、さらに支承部27をも通過して、図3(c)に示すように垂直姿勢よりもさらに回動し、排出姿勢における水受部の位置に近付く位置まで旋回する。その後、水受け姿勢から振れすぎた回動端24は重りによって振り戻され、振動しながら再び図3(d)に示す水受け姿勢となるように近付く。そして水受け姿勢に近付く程、水受部21及び水桶部22が再度流水を受けることが可能となるため、さらに振動が抑制されて水受け姿勢に近付くようになる。そして水受部21及び水桶部22に蓄えられる水が多くなるほど、再度図3(b)に示す排水姿勢に近付いていく。以下、この動作を繰り返すことで、鹿威部20は回動を繰り返し、回動端24に連結されたワイヤーを介して、威嚇部10が大きく動作されると共に、動作が継続されることとなる。
(叩き石25)
また、実施例1に示すように水受部21側に叩き石25等を設けることもでき、回動端24が下方に復帰する反動の際に、叩き石25を叩いて威嚇音を鳴らすことができる。これにより、地上の鳥獣はもとより、地中に生息するモグラ等への威嚇振動も与えることができる。ただ、叩き石25の材質に関しては、石材の他に木材等とすることもできる。
このようにして、水受部21及び水桶部22が水を排出した後に、回動端24が叩き石25を叩いて音を出すことができる。特に従来のししおどしは、水受け側と反対側に叩き石を設けることが一般的であるところ、実施例1に係る鳥獣威嚇装置では、水受け側と反対側の叩き石を排除したことで、回動端が叩き石に当接して回転が阻害される事態を回避している。
さらに、回動端24側には、威嚇部10の可動部12と同様に、虎柄の模様で色彩を付着させることもできる。これにより、鹿威部20側の回動端24は、大きな半回転動作を行うことにより威嚇効果を高めることができる。
(ワイヤー部30)
この鹿威部20の回動端24は、ワイヤー部30の他端と固定されている。ワイヤー部30は、鹿威部20の回動を、可動部12の揺動として伝えるため、回動端24と可動部12とを接続している。このワイヤー部30には、軽量で丈夫な金属線やテグス等の材質が好適に利用できる。特に小動物等に噛み切られたり引き千切られることのないよう、十分な強度の材質で構成することが好ましい。また、ワイヤー部30は同一の素材で構成する他、異なる素材を組み合わせて構成することもできる。例えば回動端24と可動部12との距離が近距離の場合は、ワイヤー部30を一種類の素材で構成する。一方、回動端24と可動部12とが遠距離に配置される場合には、ステンレス等の金属線、及びナイロンライン、フロロライン、PEライン等のテグスを複数連結させることにより、ワイヤー部30の軽量化を図ることもできる。
鹿威部20と威嚇部10とは、別の場所に配置される。鹿威部20は流水を受けることができるよう、小川や湧き水等を引き込んだ水配管28及び補助配管29a、29bの下方部位に水受部21を配置させる。このように鹿威部20は、主に流水の位置によって規定される。
一方の威嚇部10は、鳥獣を威嚇したい場所に近接して設置される。例えば田畑や果樹園等、鳥獣対策が求められる部位に配置される。このように、異なる場所に設置された鹿威部20と威嚇部10とを繋ぐために、ワイヤー部30を介在させている。また、異なる場所でワイヤー部30を円滑に動作させるため、鹿威部20と威嚇部10との間には必要に応じて一本以上の支柱32を設置する。図1の例では、3本以上の支柱32を設けている。各支柱32は、ワイヤー部30を支承しつつ、鹿威部20によって押し引きされるワイヤー部30を円滑に動作させるため、滑車状の受け部を設けている。またワイヤー部30の素材は、各支柱32で押し引きされる部分をステンレス等の金属線として強度を高め、摩耗等による劣化を抑制できる。また各金属線同士の間を一種類又は複数種類のテグスで連結することにより、全体を金属線とする場合に比べ軽量化を図り、またコストを削減することができる。さらに金属線は支柱32の部分のみならず、強度が要求される任意の部分に利用できる。例えば、回動端24及び可動部12から最初の支柱32までを金属線として、接続強度を向上させる。このようにして、ワイヤー部30を延長して長距離を連結する場合でも、回動端24と可動部12間における牽引力に対応できる。またワイヤー部が風を受けて撓む場合にも、応力を吸収して負荷を軽減できる。
(威嚇材34)
さらにワイヤー部30に威嚇材34を付加することもできる。すなわちワイヤー部30は、鹿威部20によって移動されるため、この移動を利用して動作や音を発する部材を、威嚇材34として設けることで、さらに威嚇効果が高められる。このような威嚇材34には、例えば銀色のモールやCD−ROMの廃材のような反射率の高い板材等が利用できる。特に表面に反射率の高い部材を使用することで、モールの動きによって太陽光を反射、散乱させ、鳥獣に対する威嚇を発揮できる。特に太陽光の散乱は、虫よけに対しても効果がある。図1の例では、ワイヤー部30の全長に亘って、モール状の威嚇材34を複数、それぞれ一定間隔毎に離間して設けている。
また、威嚇材34には音を出すものを利用することもできる。例えば鈴や板のような、大きい音や高い音の出やすい物を威嚇材として利用できる。このように音を発する威嚇材を付加すれば、定期的に音を発して警戒心の強い鳥獣が近付き難い環境が実現できる。特にワイヤー部30から吊り下げた威嚇材34は、鹿威部20によるワイヤー部30の移動のみならず、風によっても揺動される。山頂部近傍であれば、風が強いことも有利に働く。また、僅かな微動しか得られない場合であっても、光の散乱効果は発揮できる。加えて、鹿威部20と威嚇部10との距離が長い程、多くの威嚇材34を配置できるので、より広範囲に亘って威嚇効果を発揮できる利点も得られる。
このようにして、実施例1に係る鳥獣威嚇装置100は、流水を利用して、鹿威しの要領で威嚇部10を動作させることができる。またこの構成であれば、可動部12の動力源として電力が不要であり、電線を引かずとも動作できることから、山間部等、人里離れた部所への設置も可能となる。
本発明者が実際に実施例1に係る鳥獣威嚇装置を2箇所に設置して行った試験によれば、サルとイノシシに対しては効果が確認できた。一方、シカに対しては顕著な効果が認められなかった。その理由は明らかでないが、このような簡単且つ安価な構成であっても現実に一定の効果が認められることが確認できたことから、問題となっている鳥獣害対策の有効な方策として期待できる。
なお、以上の例では威嚇部として虎を模した例を説明したが、他の動物等とすることも可能である。特に、威嚇対象の鳥獣が嫌う対象物を模すことが好ましく、オオカミやクマ、ドーベルマン等のイヌ、あるいはライオン等とすることもできる。
また、目立ちやすい外観や色使いとすることも効果的である。特に虎は、黄色と黒色のストライプ状となってコントラストが目立つ色の組み合わせであることから、好ましい。ただ、赤色やピンク色等、他の色としてもよい。特に赤色は血を想起させるため、威嚇効果が高い。
また、必ずしも現実の物を模す必要はなく、鳥獣を威嚇できる形態であれば足りる。例えば巨大なカニや恐竜のような、現実に存在しない生物、あるいは機械や屑鉄のオブジェのような幾何学的な形状であっても、山間部に配置されると異様で威嚇効果が発揮できる。このように、周囲の環境と溶け込むような物とは正反対の、違和感の高い異物であることが好ましい。
(実施例2)
あるいは、人型に模した威嚇部を用いることもできる。このような例を実施例2として、図4に示す。この図に示す鳥獣威嚇装置200は、威嚇部10B以外の部材、例えば鹿威部20やワイヤー部30は、実施例1とほぼ同様の構成が利用できるので、詳細説明を省略する。図4の威嚇部10Bは、人型乃至案山子状に構成されており、また可動部12Bを人の腕を模した形状としている。このように直立された人型として、しかも腕を振り上げる動作を行わせることで、鳥獣に対して強い威嚇効果を与えることができる。
また、可動部12Bである腕には、鉄砲や槍、梳等、鳥獣に対して威嚇効果の高い道具や武器、あるいはこれらを模した物を持たせてもよい。もちろん、可動しない側の腕にこれらの道具を持たせることも可能である。
(実施例3)
さらには、簡素化した人面等の顔型に模した威嚇部を用いることもできる。このような例を実施例3として図5に示す。この図に示す鳥獣威嚇装置300は、威嚇部10B以外の部材、例えば鹿威部20やワイヤー部30は、実施例1とほぼ同様の構成が利用できるので、詳細説明を省略する。図5の威嚇部10Cは、人型をもっと簡素化して人面状に構成されており、可動部12Cを目と口及び腕を模した形状としている。鳥獣が目の動きに敏感なことを利用して、鳥獣に対する威嚇効果を与えることができる。
(実施例4)
なお、上記の例では可動部を一のみとしているが、複数の可動部を設けることもできる。また複数の可動部は、同じ鹿威部と連結する他、鹿威部を複数設けて、別個に動作させることもできる。このような例を実施例4として図6に示す。この鳥獣威嚇装置400では、鹿威部20a、20bを2つ設けており、威嚇部10Dである巨大なカニの左右のハサミに対して、それぞれワイヤー部30でもって別個の鹿威部20a、20bと連結している。このように、複数の可動部12Dを備えることで、一層の威圧効果を発揮できる。特に可動部が一のみの場合は、鹿威部と連動した動作となる結果、動きが一定周期の単調なものとなりやすい。これに対して、複数の鹿威部20a、20bでもって個別の可動部12Dをそれぞれ動作させる方法では、周期の異なる動作を組み合わせることができるので、動きの単調さが低減される。また、各鹿威部の周期を変更させるため、例えば各水受部21の容量をそれぞれ変化させたり、鹿威部の筒状の長さを異ならせたり、あるいは流水を引き出す場所や流水源を変更する等、適宜変更を加えることも好ましい。このようにして各鹿威部の周期を変化させることで、動きが単調で一定なものとなることを避け、鳥獣による動作の慣れを回避できる。なお図6に示す巨大なカニは、赤色に着色して目立つようにしており、さらに現実には存在しない生物であることから、高い威嚇を発揮できる。
(実施例5)
さらに、以上のような可動部に加えて、発音体50を付加することもできる。このような例を実施例5として図7に示す。発音体50としては、例えば鈴のように、弱い力でも大きな又は高い音を発する部材が好ましい。これによって、可動部の動きに加えて音でも鳥獣を威嚇できる。加えて、発音体50は上述の通り鹿威部の動作のみならず、風の力も利用できるため、定期的な鹿威部の動作とは異なる、不定期の発音が加味されるため、鳥獣側で動作の慣れが生じる事態を抑制できる効果も期待できる。発音体50は、ワイヤー部30等により連結できる。また発音体50を牽引している両側の支柱と可動部12の先端との間に、スプリング31を設けてもよい。このようにすることで、ワイヤー部30の牽引力にスプリング31の伸縮性を加えて、発音体50の振動を大きくすることができる。
以上のようにして、本発明によれば、流水を利用して、鹿威しの要領で威嚇部を動作させることができ、電力源がなくとも作動できることから山間部等への設置に有効となる。さらに、鹿威部の音に加えて、可動部分を含むことで威嚇効果を一層高め、鳥獣害への対策を効果的に行える。
本発明に係る鳥獣威嚇装置は、シカ、イノシシ、クマ、サル、カモシカ、野鳥等を田畑や果樹園に近付けない鳥獣害対策用途において、好適に利用できる。
100、200、300、400…鳥獣威嚇装置
10、10B、10C、10D…威嚇部
12、12B、12C、12D…可動部
20、20a、20b…鹿威部
21…水受部
22…水桶部
23…回動軸
24…回動端
25…叩き石
26a、26b…重り
27…支承部
28…水配管
29a、29b…補助配管
30…ワイヤー部
31…スプリング
32…支柱
34…威嚇材
50…発音体
60…電気式案山子装置
61…頭部
62…胴体部分
63…ソーラーパネル

Claims (11)

  1. 少なくとも一部を可動式とした可動部(12)を備える威嚇部(10)と、
    回動軸(23)を軸として、鉛直方向を含む面内で回動自在に支承され、一端に流水を受けて他端が鉛直方向を通過する位置まで回転可能とした鹿威部(20)と、
    前記鹿威部(20)の他端と、前記可動部(12)とを繋ぐワイヤー部(30)と、
    を備え、
    前記鹿威部(20)の一端に流水を受けて他端を回動させ、該回動に連動して、前記ワイヤー部(30)で接続された前記可動部(12)を揺動させて、もって威嚇動作を定期的に行えるようにしてなることを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  2. 請求項1に記載の鳥獣威嚇装置であって、さらに、
    前記鹿威部(20)を回動自在に支承する回動軸(23)を設けた支承部(27)を備え、
    前記鹿威部(20)が、
    流水を受ける水受部(21)と、
    前記ワイヤー部(30)に繋がれた回動端(24)と、
    を備え、
    前記支承部(27)の設置面から回動軸(23)までの長さが、前記鹿威部(20)の回動軸(23)から回動端(24)までの長さよりも長いことを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  3. 請求項2に記載の鳥獣威嚇装置であって、
    前記鳥獣威嚇装置はさらに、前記鹿威部(20)の水受部(21)側の下方に叩き石(25)を備え、
    前記回動端(24)が回動により、前記叩き石(25)に衝突することを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一に記載の鳥獣威嚇装置であって、さらに、
    離間して設置された前記鹿威部(20)と威嚇部(10)との間で、張設された前記ワイヤー部(30)を支持するための一以上の支柱(32)を備えていることを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一に記載の鳥獣威嚇装置であって、
    前記ワイヤー部(30)が、複数の威嚇材(34)を離間して設けており、
    前記鹿威部(20)が回動されると、前記ワイヤー部(30)が移動され、これに応じて前記威嚇材(34)も微動することを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一に記載の鳥獣威嚇装置であって、さらに、
    前記ワイヤー部(30)に連結された、発音体(50)を備えてなることを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  7. 請求項6に記載の鳥獣威嚇装置であって、さらに、
    前記発音体(50)が、鈴を含むことを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一に記載の鳥獣威嚇装置であって、
    前記威嚇部(10)が、外観を虎を模して形成されており、
    前記可動部(12)が、虎の尻尾様に形成されてなることを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  9. 請求項1から7のいずれか一に記載の鳥獣威嚇装置であって、
    前記威嚇部(10)が、外観を人型に模して形成されており、
    前記可動部(12)が、人の腕様に形成されてなることを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  10. 請求項1から7のいずれか一に記載の鳥獣威嚇装置であって、
    前記威嚇部(10)が、外観を人面に模して形成されており、
    前記可動部(12)が、目玉を強調させた顔型に形成されてなることを特徴とする鳥獣威嚇装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一に記載の鳥獣威嚇装置であって、
    前記ワイヤー部(30)が、二以上の異なる素材を連結して構成されてなることを特徴とする鳥獣威嚇装置。
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