JP5460102B2 - リチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5460102B2
JP5460102B2 JP2009087672A JP2009087672A JP5460102B2 JP 5460102 B2 JP5460102 B2 JP 5460102B2 JP 2009087672 A JP2009087672 A JP 2009087672A JP 2009087672 A JP2009087672 A JP 2009087672A JP 5460102 B2 JP5460102 B2 JP 5460102B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
aluminum alloy
alloy foil
less
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009087672A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010236055A (ja
Inventor
兼滋 山本
智彦 古谷
覚 鈴木
和子 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
UACJ Corp
Original Assignee
Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
UACJ Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Foil Manufacturing Co Ltd, UACJ Corp filed Critical Nippon Foil Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2009087672A priority Critical patent/JP5460102B2/ja
Publication of JP2010236055A publication Critical patent/JP2010236055A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5460102B2 publication Critical patent/JP5460102B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の正極集電体として用いられるアルミニウム合金箔に関し、ピンホールが少なく、リチウムイオン二次電池の正極の製造工程での箔切れや塗工汚れを防止できるリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池の正極材は、LiCoO2などの活物質と、カーボンなどの導電材と、PVDなどの結着材と混練してペーストを作製した後、このペーストを10〜20μm程度のアルミニウム硬質箔あるいはアルミニウム軟質箔(以下、単に「アルミニウム箔」という)の両面に50〜200μm程度の厚みに塗布し乾燥させた後、アルミニウム箔にプレス、スリット、裁断の各工程を順次、施すことにより製造される。
上述した電極用基材となるアルミニウム箔への塗布から裁断までの加工工程において、より低コストで精度の良い電極材の製造が要求され、更に、高速加工が強いられる結果、上記加工工程中に切断やシワの発生が少ないアルミニウム合金が近年、強く要望されている。
又、上記ペーストをアルミニウム箔上に塗布する際に、アルミニウム箔に大きな孔(ピンホール)(以下、単に「ピンホール」という)があると、ペーストがこのピンホールを通じて脱落してロールなどを汚染し、アルミニウム箔上にペーストを正確に塗布できないという問題点が発生することがある。このトラブルを防止するためにピンホールの少ないアルミニウム箔が要求されている。
又、上記問題だけでなく、アルミニウム箔にピンホールがあると、上記加工工程中にアルミニウム箔が切れ易くなり、或いは、アルミニウム箔のピンホールを通じて脱落したペーストが異物となってアルミニウム箔に巻き込みシワが生じるといった問題点を発生させる。
従って、加工工程中における切断やシワの発生の少ないリチウムイオン二次電池の正極材を得るためには、できる限りピンホールが少なく且つ強度も高いアルミニウム箔の提供が望まれる。
ピンホールのみを少なくするのであれば、ピンホールの要因となる不純物や添加合金元素を少なくすればよいが、ピンホールのみを少なくしても、上述したアルミニウム箔の強度を満足させることができなかった。
逆に、アルミニウム箔の強度を向上させようとするとピンホールの原因となる不純物や添加元素が多くなってしまう。不純物や添加元素には、元素の種類によって、アルミニウムのマトリックスに固溶し易い元素と固溶し難い元素が存在する。又、添加元素を固溶させるとアルミニウム箔の導電率が低く(導電性が悪く)なり、リチウムイオン二次電池の出力特性に影響することがあるため、添加元素を固溶させて、高強度化を図り、ピンホールを少なくするという解決手段が積極的に使えないという問題がある。このため、ピンポールの要因となる化合物の影響を極力回避することが必要となる。
リチウムイオン二次電池の正極材に関しては、上記の通り、集電体となるアルミニウム箔に活物質を含むペーストを塗布、乾燥させた構成となっており、正極材でのピンホールに関して、特許文献1に、塗着する際のアルミニウム箔への腐食をペースト中の活物質のアルカリ成分を中和処理することにより、アルミニウム箔のピンホールを防止することが開示されている。
又、特許文献2には、ポリマー電解質二次電池に収容される非水溶媒の電池外部への逃出を阻止するため、樹脂フィルムの片面に銅、ニッケル、アルミニウムなどの金属を蒸着させ、このアルミニウムはピンホールの少ないことが好ましいことが開示されている。
しかしながら、特許文献1、2には、アルミニウム箔自体に生じているピンホールを減少させる手段については一切の開示はない。
特開2008−226515号公報 特開平9−45313号公報
本発明は、導電性を極端に低下させることなく高強度で且つピンホールの少ないリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法を提供する。
本発明のリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔は、Mn0.50〜1.50重量%及びMg0.01〜1.30重量%を含有し且つTi0.001〜0.01重量%を含有し、FeとSiとの合計が1.00重量%以下、Siの含有量が0.3重量%以下、Feの含有量が0.4〜0.7重量%であり、Cuを0.10重量%以下含有し、Cuを除く不可避不純物元素をそれぞれ0.05重量%以下含有し、残りがAlからなり、引張強さが220MPa以上であると共に、粒径が8.0μm以上のAl−Mn化合物が10個/mm2以下の分散密度を有し且つピンホール密度が2個/m2未満であり、厚さが10〜30μmであることを特徴とする。
リチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔(以下、単に「アルミニウム合金箔」という)には、このアルミニウム合金箔の強度を向上させるためにMnが含有されている。Mnは、アルミニウムマトリックス中に比較的容易に固溶するため、アルミニウム合金箔の強度が向上する。
アルミニウム合金箔中におけるMnの含有量は、少ないと、アルミニウム合金箔の強度が低下し、多いと、硬くて粒径の大きいAl−Mn化合物が増加し、ピンホールを増加させるので、0.50〜1.50重量%に限定され、0.90〜1.20重量%が好ましい。なお、Al−Mn化合物とは、AlとMnとで形成される金属間化合物をいう。
又、アルミニウム合金箔にはMgがMnと同様にアルミニウム合金箔の強度を向上させるために含有されている。アルミニウム合金箔中におけるMgの含有量は、少ないと、アルミニウム合金箔の強度が低下し、多いと、アルミニウム合金箔が冷間圧延時に加工硬化しやすくなり、アルミニウム合金箔の材料自体が硬くなり、局部的な伸びの欠如からピンホールを増加させるので、0.01〜1.30重量%に限定され、0.50〜1.20重量%が好ましい。
又、アルミニウム合金箔中におけるTiの含有量は、0.01重量%を超えると、Al−Ti化合物が多くなり、ピンホールの起点となり、0.001重量%未満では結晶粒微細化の効果が十分ではないので、0.001〜0.01重量%とする。
FeはSiと共にアルミニウム合金箔の強度を向上させるためにアルミニウム合金箔に添加されている。アルミニウム合金箔中におけるFeとSiとの合計重量は、多いと、Al−Fe化合物或いはAl−Fe−Si化合物がアルミニウム合金箔の内部及び表面に多く存在するようになり、この化合物はマトリックスのアルミニウムよりも硬く、ピンホールを増加させるので、1.00重量%以下に限定され、0.70重量%以下が好ましい。なお、Al−Fe化合物とは、AlとFeとで形成される金属間化合物をいい、Al−Fe−Si化合物とは、AlとFeとSiとで形成される金属間化合物をいう。
又、アルミニウム合金箔中において、Siの含有量を0.3重量%以下とし且つFeの含有量を0.4〜0.7重量%としており、Al−Fe−Si化合物が殆ど生成されなくなり、殆どがAl−Fe化合物となる。より硬く平均粒径が大きくなる可能性が大きいAl−Fe−Si化合物が殆ど存在しなくなることによって、アルミニウム合金箔のピンホールを減少させることができ好ましい。
アルミニウム合金箔中におけるFeの含有量は、少ないと、地金を高純度に保たなければならず高価になることがあり、多いと、Al−Fe化合物が多くなり、Al−Fe−Si化合物よりは硬くないが、アルミニウム合金箔のピンホールが増加することがあるので、0.4〜0.7重量%が好ましい。
アルミニウム合金箔中におけるSiの含有量は、多いと、Si又はAl−Fe−Si化合物が析出し、ピンホールの起点となることがあるので、0.3重量%以下が好ましく、0.05〜0.26重量%がより好ましい。
そして、アルミニウム合金箔中におけるAlの含有量は、少ないと、アルミニウム合金箔の強度が低下し、或いは、アルミニウム合金箔にピンホールが多く発生するので、95重量%以上が好ましい。
アルミニウム合金箔には、上述した元素以外に不可避不純物元素を含有している。この不可避不純物元素としては、例えば、Zn,Cr,Ga,V,Niなどが挙げられる。アルミニウム合金箔中において、不可避不純物元素は、各不可避不純物元素ごとに0.05重量%以下含有されている。
アルミニウム合金箔の引張強さは、低いと、アルミニウム合金箔の強度が不足して、アルミニウム合金箔上に活物質を含むペーストを塗布する際に加わる張力によってアルミニウム合金箔が切断する虞れがあるので、220MPa以上に限定される。
なお、アルミニウム合金箔の引張強さは、アルミニウム合金箔から縦12cm×横1.5cmの試験片を切り出し、この試験片の引張強さを、引張強さ試験機を用いて、JIS Z2241−1998に準拠して チャック間距離50mm、引張速度10mm/分の条件下で測定し、得られた引張強さをアルミニウム合金箔の引張強さとする。引張強さ試験機としては、島津製作所社から商品名「インストロン型オートグラフAG−10kNX」にて市販されているものを用いることができる。
アルミニウム合金箔におけるAl−Mn化合物の平均粒径は、大きいと、アルミニウム合金箔のピンホールが多くなるので、8.0μm以下が好ましい。
又、アルミニウム合金箔において、粒径が8.0μm以上のAl−Mn化合物の分散密度は、高いと、アルミニウム合金箔のピンホールが多くなるので、10個/mm2以下に限定される。
なお、アルミニウム合金箔において、Al−Mn化合物の平均粒径及び粒径が8.0μm以上のAl−Mn化合物の分散密度は下記の要領で測定されたものをいう。過塩素酸とエタノールとを容積比で1:4の割合で混合させて得られた0〜10℃の混合溶液中にアルミニウム合金箔を浸漬する。アルミニウム合金箔を混合溶液に浸漬した状態でアルミニウム合金箔の表面20Vにて電解研磨する。
電解研磨したアルミニウム合金箔の表面を走査型電子顕微鏡を用いて加速電圧15kV、照射電流65nAの条件下で反射電子像を観察し、この反射電子像を画像処理によって粒子解析する。そして、1個のAl−Mn化合物の占める面積を測定し、その面積に相当する仮想円の直径を粒径とする。なお、複数個のAl−Mn化合物が合体して集合体となっているものについては、その集合体を1個のAl−Mn化合物とみなす。Al−Mn化合物は、定性マッピング分析でAl、Mnの両元素の存在分布状態により確認する。
又、ジェット研磨によって、Al−Mn化合物が脱落した箇所も存在するが、これらは全てAl−Mn化合物が脱落した場所に存在するものとして、Al−Mn化合物の粒径及び数を測定する。このAl−Mn化合物の粒径及び数に基づいて、Al−Mn化合物の平均粒径及び粒径が8.0μm以上のAl−Mn化合物の分散密度を算出することができる。
アルミニウム合金箔におけるピンホール密度は、高いと、活物質を含むペーストをアルミニウム合金箔上に塗布した際にピンホールを通じてペーストが脱落し、或いは、アルミニウム合金箔の強度が低下して加工工程中に切断する虞れがあるので、2個/mm2以下に限定される。
なお、アルミニウム合金箔におけるピンホール密度は下記の要領で測定されたものをいう。アルミニウム合金箔から一辺500mmの平面正方形状の試験片を20枚、切り出し、各試験片に目視にてピンホール数を数え、このピンホール数を試験片の平面面積で除して1m2面積当たりのピンホール数を算出し、その相加平均値をピンホール密度とする。
次に、上記アルミニウム合金箔の製造方法について説明する。先ず、Mn0.50〜1.50重量%及びMg0.01〜1.30重量%を含有し、FeとSiとの合計が1.00重量%以下であり、且つ、Ti0.01重量%以下含有し、不可避不純物元素をそれぞれ0.05重量%以下含有し、残りがAlからなるアルミニウム合金溶湯を調整し、鋳造速度を30mm/分以上としてアルミニウム鋳塊を製造する。鋳造速度が30mm/分よりも小さいと鋳塊時点でのAl−Mn化合物が粗大となり、粒径が8.0μm以上のAl−Mn化合物の分布密度が高くなる。
そして、本発明のアルミニウム合金箔は、アルミニウム鋳塊に均質化処理、熱間圧延、冷間圧延及び箔圧延を順次施して得ることができる。なお、必要に応じて熱間圧延直後又は冷間圧延の途中で圧延板にバッチ式焼鈍炉又は連続焼鈍炉で330〜480℃にて中間焼鈍を施してもよく、又、箔圧延されたアルミニウム合金箔に最終焼鈍を施してもよい。
アルミニウム鋳塊の均質化処理は、アルミニウム鋳塊に含有する元素成分の偏析を極力小さくするためにアルミニウム鋳塊を均質加熱するものである。具体的には、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に480〜620℃にて1〜20時間に亘って均質化処理を施す。
アルミニウム鋳塊の均質化処理の温度が低いと、Al−Mn化合物が多量に析出し、アルミニウム合金箔にピンホールが多く形成され、高いと、アルミニウムマトリックスへのMnの固溶量が大きくなり過ぎて、得られるアルミニウム合金箔の導電率が低下し、集電体の導電性が劣化するので、480〜620℃に限定され、500〜610℃が好ましい。
又、アルミニウム鋳塊の均質化処理時間は、短いと、Al−Mn化合物の析出物の量を適正な範囲にすることができず、長いと、アルミニウムマトリックスへのMn固溶量が大きくなり過ぎるばかりではなく、Al−Mn化合物が粗大化し、導電率が低下し、集電体の導電性が劣化すると共に、アルミニウム合金箔にピンホールが多く形成されるので、1〜20時間に限定され、3〜10時間が好ましい。
次に、アルミニウム鋳塊に均一化処理を施した後に熱間圧延を施す。この熱間圧延では、熱間粗圧延と熱間仕上げ圧延とを順次行う。熱間粗圧延とは、均質化処理後の高温のアルミニウム鋳塊を約20〜40mmの厚さのアルミニウム合金板に圧延する工程である。
熱間粗圧延での圧延率は、低いと、熱間粗圧延では鋳塊組織が破壊されるが、Al−Mn化合物を破壊するのに充分ではないので、92%以上となるように調整され、95〜98%が好ましい。
なお、上記圧延率とは、熱間粗圧延を施す前のアルミニウム鋳塊の厚みをt0、熱間粗圧延終了時の圧延板の厚みをt1として下記式に基づいて算出された値をいう。
圧延率(%)=100×(t0−t1)/t0
次に、アルミニウム鋳塊を熱間粗圧延して得られた圧延板に熱間仕上げ圧延を施して熱間圧延板を製造する。熱間仕上げ圧延とは、熱間粗圧延後の圧延板を更に薄く圧延して最終的に約250℃にてアルミニウム合金板をコイル状に巻き上げる圧延工程である。熱間仕上げ圧延は、一般的に、一対のロールを一組とし、複数組のロールを並列して各ロール間に圧延板を供給して連続的に圧延板の厚みを薄くしていく方法が採用される。
続いて、得られた熱間圧延板に冷間圧延及び箔圧延をこの順序で施す。この冷間圧延は、通常のアルミニウム合金箔を製造するときと同様の要領で行われ、具体的には、40〜60℃に維持された一対のロール間に熱間圧延板を供給して圧延板の厚みを薄くして冷間圧延板を製造する。この冷間圧延を複数回繰り返して、厚さが0.3〜0.5mmの冷間圧延板を製造する。なお、一対のロール間には通常、潤滑油が供給される。
次に、冷間圧延板を箔圧延する。この箔圧延も通常のアルミニウム合金箔を製造するときと同様の要領で行われ、汎用の冷間圧延機に冷間圧延板を供給して圧延し、厚みが0.2mm以下、好ましくは10〜30μmのアルミニウム合金箔を製造する。
アルミニウム合金箔の厚みは、薄いと、アルミニウム合金箔のピンホールが多くなり、リチウムイオン二次電池の正極材の製造工程中において切断し或いはシワなどの不具合が発生し易くなり、厚いと、一定容積のリチウムイオン二次電池容器内へ組み込む正極材として、アルミニウム合金箔上に塗工する活物質を含むペースト層の厚みを厚くすることができず、その結果、電池の出力密度が低下するので、10〜30μmに限定される
本発明のリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔は、上述の如き構成を有しているので、引張強さや伸びの機械的強度のバランスに優れていると共に、粒径が8.0μmのAl−Mn化合物の分散密度が低くピンホール密度も低く、リチウムイオン二次電池の正極材への加工工程において、活物質を含むペーストを脱落させることなく正確に塗布することができ、シワのない良質なリチウムイオン二次電池の正極材を製造することができる。
そして、本発明のリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔は、ピンホールが少なく優れた強度を有しているので、高速で搬送しても切断することはなく、リチウムイオン二次電池の正極材を効率良く製造することができる。
又、本発明のリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔の製造方法は、上述の如き構成を有しているので、Al−Mn化合物の析出量を適正な範囲に抑えて、引張強さや伸びなどの機械的強度に優れ且つピンホールの少ないアルミニウム合金箔を製造することができ、このアルミニウム合金箔を用いることによって、良質なリチウムイオン二次電池の正極材を高速で製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜9)
表1に示した化学成分を含有するアルミニウム鋳塊を表2に示した鋳造速度にて製造した。なお、各アルミニウム鋳塊には表1に示されていない不可避不純物成分がそれぞれ0.05重量%以下含有されていた。
次に、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に600℃にて4時間に亘って均質化処理を施した後、アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率が表2に示した通りになるように施し、得られた圧延板に熱間仕上げ圧延を施して表2に示した厚みを有する熱間圧延板を製造した。
しかる後、熱間圧延板に冷間圧延を施して板厚を0.5mmとした後、圧延板に370℃にて5時間に亘って中間焼鈍を施した。続いて、圧延板に通常の圧延油を用いて冷間圧延を施した後に箔圧延を施して厚みが15μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を得た。
得られたリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔について、Al−Mn化合物の平均粒径、粒径が8.0μm以上のAl−Mn化合物の分散密度及びピンホール密度を上述の要領で、引張強さ、0.2%耐力及び伸びを下記の要領で測定し、その結果を表3に示した。なお、「Al−Mn化合物の平均粒径」及び「粒径が8.0μm以上のAl−Mn化合物の分散密度」はそれぞれAl−Mn化合物の「平均粒径」及び「分散密度」の欄に記載した。なお、Al−Mn化合物は1μm以上のサイズを計測した。
〔引張強さ、0.2%耐力及び伸び〕
アルミニウム合金箔から縦12cm×横1.5cmの試験片を切り出し、この試験片の0.2%耐力及び伸びを引張強さ試験機(島津製作所社製 商品名「インストロン型オートグラフAG−10kNX」)を用いてJIS Z2241−1998に準拠してチャック間距離50mm、引張速度10mm/分の条件下で測定し、引張強さ、0.2%耐力及び伸びを得た。
実施例1〜6は本発明の実施例であり、リチウムイオン電池二次電池用のアルミニウム合金箔として十分な強度を持ち、ピンホールの少ない良好なアルミニウム箔であった。
比較例1は合金成分が本発明の範囲外であり、Mgを添加していないために十分な強度が確保できず、引張強さが220MPaを下回った。
比較例2は合金成分が本発明の範囲外であり、Mn及びMgの添加量が少ないために十分な強度が確保できず、引張強さが220MPaを下回った。
比較例3は合金成分が本発明の範囲外であり、Mnの添加量が少ないために十分な強度が確保できず、引張強さが220MPaを下回った。
比較例4は合金成分が本発明の範囲外であり、Mnの添加量が多いために箔表面における粒子径8.0μm以上の化合物の分散密度が高くなり、ピンホール密度が増加した。
比較例5は合金成分が本発明の範囲外であり、Mnの添加量が多いために箔表面における粒子径8.0μm以上の化合物の分散密度が高くなり、ピンホール密度が増加した。
比較例6は合金成分が本発明の範囲外であり、Mgの添加量が多いために強度が上昇し過ぎてピンホール密度が増加した。
比較例7は合金成分が本発明の範囲外であり、Mn及びMgの添加量が多いために箔表面における粒子径8.0μm以上の化合物の分散密度が高くなり、ピンホール密度が増加した。
比較例8は鋳造速度が本発明の範囲外であり、鋳塊中のAl−Mn化合物が粗大となったために箔表面における粒子径8.0μm以上の化合物の分散密度が高くなり、ピンホール密度が増加した。
比較例9は熱間粗圧延の圧延率が本発明の範囲外であり、熱間粗圧延中の圧延率が小さかったために化合物の破壊が十分でははく、熱延後のAl−Mn化合物が粗大となったために箔表面における粒子径8.0μm以上のAl−Mn化合物の分散密度が高くなり、ピンホール密度が増加した。
Figure 0005460102
Figure 0005460102
Figure 0005460102

Claims (2)

  1. Mn0.50〜1.50重量%及びMg0.01〜1.30重量%を含有し且つTi0.001〜0.01重量%を含有し、FeとSiとの合計が1.00重量%以下、Siの含有量が0.3重量%以下、Feの含有量が0.4〜0.7重量%であり、Cuを0.10重量%以下含有し、Cuを除く不可避不純物元素をそれぞれ0.05重量%以下含有し、残りがAlからなり、引張強さが220MPa以上であると共に、粒径が8.0μm以上のAl−Mn化合物が10個/mm2以下の分散密度を有し且つピンホール密度が2個/m2未満であり、厚さが10〜30μmであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔。
  2. Mn0.50〜1.50重量%及びMg0.01〜1.30重量%を含有し且つTi0.001〜0.01重量%を含有し、FeとSiとの合計が1.00重量%以下、Siの含有量が0.3重量%以下、Feの含有量が0.4〜0.7重量%であり、Cuを0.10重量%以下含有し、Cuを除く不可避不純物元素をそれぞれ0.05重量%以下含有し、残りがAlからなるアルミニウム鋳塊を鋳造速度30mm/分以上にて製造し、上記アルミニウム鋳塊に均質化処理を480〜620℃にて1〜20時間に亘って行い、次いで、上記アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率92%以上となるように施した上で熱間仕上げ圧延を施して熱間圧延板を製造し、この熱間圧延板に冷間圧延と箔圧延を順次施して厚さが10〜30μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を製造することを特徴とするリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔の製造方法。
JP2009087672A 2009-03-31 2009-03-31 リチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法 Active JP5460102B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009087672A JP5460102B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 リチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009087672A JP5460102B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 リチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010236055A JP2010236055A (ja) 2010-10-21
JP5460102B2 true JP5460102B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=43090657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009087672A Active JP5460102B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 リチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5460102B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5582791B2 (ja) * 2010-01-18 2014-09-03 株式会社Uacj リチウムイオン電池電極集電体用アルミニウム合金箔
JP2012224927A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Mitsubishi Alum Co Ltd リチウムイオン電池正極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
US9825300B2 (en) 2012-05-25 2017-11-21 Uacj Corporation Aluminum alloy foil for electrode current collector, method for manufacturing same, and electrode material
CN114669622B (zh) * 2022-03-22 2023-09-29 浙江永杰铝业有限公司 电池铝箔的制备方法及电池铝箔
CN114899409B (zh) * 2022-05-18 2023-12-05 上海瑞浦青创新能源有限公司 一种碳纳米管纤维集流体的制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62275546A (ja) * 1987-01-24 1987-11-30 Sky Alum Co Ltd 圧延用アルミニウム合金鋳塊の製造方法
JP5160839B2 (ja) * 2006-08-29 2013-03-13 東洋アルミニウム株式会社 集電体用アルミニウム合金箔
JP5054364B2 (ja) * 2006-12-08 2012-10-24 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム合金板の製造方法
JP5264409B2 (ja) * 2008-10-27 2013-08-14 住友軽金属工業株式会社 リチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010236055A (ja) 2010-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3061839B1 (en) Aluminum alloy foil for electrode current collector, and method for producing same
JP5856076B2 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
JP5791719B2 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
JP6174012B2 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔、その製造方法及びリチウムイオン二次電池
JP5816285B2 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
CN111601904B (zh) 用于制造锂离子蓄电池的电池用电极箔
JP5791720B2 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
JP6220773B2 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔の製造方法
JP6431315B2 (ja) アルミニウム合金箔およびその製造方法
CN111601905A (zh) 用于制造锂离子蓄电池的高强度电池用电极箔
KR20150070201A (ko) 알루미늄 합금박
JP5460102B2 (ja) リチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔及びその製造方法
EP2857535B1 (en) Aluminum alloy foil for electrode collector, method for manufacturing same, and electrode material
JP2014114480A (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
JPWO2017135108A1 (ja) アルミニウム合金箔およびその製造方法
JP6513896B2 (ja) リチウムイオン電池正極集電体用アルミニウム合金箔およびその製造方法
JP5904840B2 (ja) 圧延銅箔
WO2023089963A1 (ja) 二次電池用圧延銅箔、並びにそれを用いた二次電池負極及び二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5460102

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350