JP5460094B2 - 熱伝導性ゴム組成物および熱伝導性成形体 - Google Patents

熱伝導性ゴム組成物および熱伝導性成形体 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導性ゴム組成物およびこれを成形してなる熱伝導性成形体に関するものである。
コンピューター等に代表される各種電子・電気機器に搭載されている半導体素子等の冷却が必要な電気部品等(以下、被冷却部品と呼ぶ)の冷却の問題は、近年、重要課題として注目されてきている。このような被冷却部品の冷却方法として、被冷却部品が搭載される機器筺体にファンを取り付け、その機器筺体内の空気を冷却する方法や、被冷却部品に放熱体(ヒートシンク)を取り付けて冷却する方法等がある。
被冷却部品にヒートシンクを取り付ける場合、通常、単に被冷却部品にヒートシンクを接触させるだけでは、両者の接触部分の熱抵抗が大き過ぎて十分な冷却が実現しにくい場合が多い。被冷却部品とヒートシンクとを半田接合等により接合すれば、これらを熱抵抗小さく接続することができる。しかしそれらの熱膨張率の相違等による熱的整合性の問題が生ずることが多い。具体的には、ヒートシンクとしては、通常、熱伝導性に優れるアルミニウム材等が好適に適用される場合が多いが、被冷却部品たとえば半導体素子はそれより大幅に熱膨張率が小さい場合が多い。従ってヒートシンクと被冷却部品との接合部で整合性が悪くなってしまう。その結果、熱膨張率の大きな相違による反りの発生や、接合部での剥離の発生等の問題が生じることになる。
そこで、被冷却部品とヒートシンクとの間にゴムシート等の成形体を挟んで接触させる方法が有力視されている。たとえば、耐熱性が高くベース樹脂に多様な粘度のものがあり、柔軟性に優れるという点で、シリコーンゴムをベースとして、熱伝導性が高いフィラーである酸化アルミニウムやチッ化ホウ素等を混合させたゴムシートの成形体を、被冷却部品とヒートシンクとの間に介在させる方法が提案されている。ここで、この成形体は、放熱性能発揮のためには被冷却部品とヒートシンクとの間に密着させて使用する必要があるが、シリコーンゴムを用いた場合、長期にわたり密着させて使用した後でもゴムシートはゴム弾性を有し、放熱性能の低下が少ないという点で優れた材料である。
しかし、シリコーンゴムは、シロキサンの発生により電気的な接点部分の導電性を阻害する恐れがある。これに対して、シロキサンが発生しない熱伝導性ゴム組成物を用いた成形体が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−310984号公報
ところで、被冷却部品において冷却すべき部分の表面は、必ずしも平滑ではなく、表面の一部または全部に凹凸や段差が形成されている場合がある。または、被冷却部品を、該被冷却部品が実装される基板を介してヒートシンクに接触させる場合がある。これらの場合、被冷却部品や基板表面の凹凸や段差等のために、ゴムシートの密着性が低くなる。その結果、被冷却部品からヒートシンクまでの熱伝導性が低下して十分な放熱が行なわれなかったり、ゴムシートが被冷却部品や基板から剥離したりするおそれがあるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高い放熱性と高い密着性とを有する熱伝導性ゴム組成物および熱伝導性成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行なったところ、アクリルゴムと熱可塑性エラストマーとの配合比が所定値であるベースゴムに対して、所定量の熱伝導性フィラーを含有させることによって、高い熱伝導性を長期にわたり発揮できるので放熱性が高くなり、その上弾性が適度に小さく適度な柔らかさを有するので、凹凸や段差のある面に対しても高い密着性を有する熱伝導性ゴム組成物が得られることを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち、本発明に係る熱伝導性ゴム組成物は、アクリルゴムと熱可塑性エラストマーとの配合比が95:5から70:30であるベースゴム100質量部に対して、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を700質量部より多く1300質量部未満含むことを特徴とする。
また、本発明に係る熱伝導性ゴム組成物は、上記発明において、さらに前記ベースゴム100質量部に対して、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリエーテルエステル系、トリメリット酸系オイルからなる群から選ばれた少なくとも1種30〜120質量部と、パラフィン系オイル5〜50質量部とを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る熱伝導性成形体は、上記発明に係る熱伝導性ゴム組成物を成形してなることを特徴とする。
本発明によれば、高い放熱性と高い密着性とを有する熱伝導性ゴム組成物および熱伝導性成形体を実現できるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る熱伝導性ゴム組成物および熱伝導性成形体の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
本実施の形態に係る熱伝導性ゴム組成物は、アクリルゴムと熱可塑性エラストマーとの配合比が95:5から70:30であるベースゴム100質量部に対して、熱伝導性フィラーとして、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を700質量部より多く1300質量部未満を配合して、これらを混練して生成したものである。このように、アクリルゴムと熱可塑性エラストマーとの配合比が所定値であるベースゴムに対して、所定量の熱伝導性フィラーを含有させることによって、高い熱伝導性を長期にわたり発揮でき、弾性が適度に小さく適度な柔らかさを有するものとなる。以下、この熱伝導性ゴム組成物を構成する各成分について説明する。
<アクリルゴム>
アクリルゴムは、単量体成分としてのアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルと、各種官能基を有する単量体とを少量共重合させて得られるゴム弾性体であり、高い耐熱性を有する。具体的には、アクリルゴムとして、Nipol(登録商標) AR(商品名、日本ゼオン社製)、JSR AR(商品名、JSR社製)、トアアクロン(登録商標) AR(商品名、トウペ社製)等を使用することができる。また、共重合させる単量体としては、2−クロルエチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、アクリル酸、アクリロニトリル、ブタジエン等を適宜使用することができる。
また、単量体成分としてはアクリル酸メチルを使用するのが好ましく、その場合には、エチレンとの2元共重合体や、これにさらにカルボキシル基を側鎖に有する不飽和炭化水素をモノマーとして共重合させた3元共重合体を特に好適に使用することができる。具体的には、2元共重合体の場合にはベイマック(登録商標)DやベイマックDLSを、3元共重合体の場合にはベイマックG、ベイマックHG、ベイマックLS、ベイマックGLS(商品名、いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)等のアクリルゴムを使用することができる。
また、アクリルゴムとしては、JIS K 6300に規定されるムーニー粘度(ML1+4(100℃))が50以下の低粘度のものが好ましい。
<熱可塑性エラストマー>
熱可塑性エラストマーは、ビニル芳香族化合物をその構成成分の主体とした少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体又はこれを水素添加して得られるもの、あるいはこれらの混合物である。たとえば、熱可塑性エラストマーとしては、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−Aなどの構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、あるいはこれらの水素添加されたもの(水添ブロック共重合体)等を挙げることができる。以下、(水添)ブロック共重合体とは、ブロック共重合体及び/又は水添ブロック共重合体を意味するものとする。上記(水添)ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を好ましくは5〜60質量%、より好ましくは、20〜50質量%含む。
重合体ブロックAは、好ましくはビニル芳香族化合物のみから成るか、または50質量%より多い、好ましくは70質量%以上のビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物及び/又は水素添加された共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。以下、(水素添加された)共役ジエン化合物とは、共役ジエン化合物及び/又は水素添加された共役ジエン化合物を意味するものとする。一方、重合体ブロックBは、好ましくは(水素添加された)共役ジエン化合物のみから成るか、または50質量%より多い、好ましくは70質量%以上の(水素添加された)共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロックである。
これらの重合体ブロックA、重合体ブロックBのそれぞれにおいて、分子鎖中のビニル芳香族化合物または(水素添加された)共役ジエン化合物由来の繰り返し単位の分布は、ランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組合せでなっていてもよい。また、重合体ブロックA、重合体ブロックBが2個以上ある場合には、それぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
(水添)ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。また、重合体ブロックBにおけるミクロ構造は任意に選ぶことができる。たとえばポリブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が好ましくは20〜50%、より好ましくは25〜45%であり、ブタジエンに基づく脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加されたものが特に好ましい。ポリイソプレンブロックにおいては、該イソプレン化合物の70〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつ該イソプレン化合物に基づく脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加されたものが好ましい。
本実施の形態において用いる上記構造を有する(水添)ブロック共重合体の質量平均分子量は好ましくは5,000〜1,500,000、より好ましくは10,000〜550,000、さらに好ましくは100,000〜550,000、特に好ましくは100,000〜400,000の範囲である。分子量分布(質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))は好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より好ましくは2以下である。(水添)ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
これらの(水添)ブロック共重合体の製造方法としては数多くの方法が提案されている。代表的な方法としては、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒を用い、不活性溶媒中にてブロック重合させてブロック共重合体を得る。そして、たとえば、上記方法により得られたブロック共重合体に、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下にて水素添加することにより水添ブロック共重合体が得られる。
上記(水添)ブロック共重合体の具体例としては、SBS(スチレン・ブタジエンブロックコポリマー)、SIS(スチレン・イソプレンブロックコポリマー)、SEBS(水素化SBS)、SEPS(水素化SIS)等を挙げることができる。本実施の形態において、特に好ましい(水添)ブロック共重合体は、スチレンをその構成成分の主体とする重合体ブロックAと、イソプレンをその構成成分の主体としかつイソプレンの70〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつ該イソプレンに基づく脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加されたところの重合体ブロックBとからなる質量平均分子量が50,000〜550,000の水添ブロック共重合体である。
なお、この熱可塑性エラストマーは、アクリルゴムとの配合比を95:5以上とすることで、この熱伝導性ゴム組成物の弾性の発現に寄与する。また、アクリルゴムとの配合比を70:30以下とすることで、弾性が適度に小さく適度な柔らかさを発揮する。
<熱伝導性フィラー>
本実施の形態においては、酸化アルミニウムとしては、従来から製造されている電融アルミナ、焼成アルミナおよび焼結アルミナが使用できる。酸化アルミニウムの粒径としては、より充填しやすい粘度とするためには0.5μm以上が好ましく、ベースゴムとの親和性をより良好にするためには、100μm以下が好ましい。また、酸化マグネシウムとしては、好ましくは疎水化された酸化マグネシウム粉末が使用できる。疎水化された酸化マグネシウム粉末であれば、吸湿性が低いため、高温高湿下においてもボロボロになりにくい。具体的には、たとえば特開平6−171928号公報に記載された高耐水和性、高流動性酸化マグネシウム粉末が好適に適用できる。
また、チッ化ホウ素については通常市販されている1〜200μmの粒径のものが使用できる。なお、チッ化ホウ素は熱伝導性が高いが、配合量が多いとコンパウンドが硬くなる場合があるので、他の熱伝導フィラーとブレンドして用いるのがより好ましい。また、チッ化アルミニウムについてもチッ化ホウ素とほぼ同様の方法で使用する。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムは酸化アルミニウムより熱伝導率は低いものの、ほぼ同様の使い方ができ、さらに難燃性を付与することができるので好ましい。なお、これらの熱伝導性フィラーの配合量は、十分な熱伝導性を付与し、かつ適度な弾性および柔らかさにして密着性を高めるとともに良好な成形性を確保するために、ベースゴム100質量部に対して700質量部より多く1300質量部未満である。また、特に好ましくは800〜1200質量部である。
以上のように、本実施の形態に係る熱伝導性ゴム組成物は、アクリルゴムと熱可塑性エラストマーとの配合比が95:5から70:30であるベースゴム100質量部に対して、熱伝導性フィラーとして、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を700質量部より多く1300質量部未満含むことによって、高い熱伝導性を長期にわたり発揮できるので放熱性が高くなり、その上弾性が適度に小さく適度な柔らかさを有するので、凹凸や段差のある面に対しても高い密着性を有し、さらには良好な成形性をも確保できるものとなる。
<軟化剤>
なお、上記の実施の形態に係る熱伝導性ゴム組成物に対して、柔らかさを向上させるために軟化剤を配合してもよい。軟化剤としては、ベースゴムの2種類の成分に対してそれぞれ相溶性に優れたオイルが適用できる。たとえば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリエーテルエステル系、トリメリット酸系オイルからなる群から選ばれた少なくとも1種からなる軟化剤Aと、パラフィン系オイルからなる軟化剤Bとを配合したオイルである。
ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリエーテルエステル系、トリメリット酸系オイルは前記アクリルゴムとの相溶性に優れ、かつ耐熱性にも優れているので、熱伝導性用途のアクリルゴムには好適である。
また、パラフィン系オイルとしては、流動パラフィン、パラフィン系プロセスオイル、またはこれらの混合オイルを用いることができる。パラフィン系オイルは、前記エラストマーとの相溶性が良好であり、かつ当該熱伝導性ゴム組成物を適度に軟質化して、成形加工時に組成物がロールや抜き型などに粘着することを防止するために好適な成分である。また、パラフィン系オイルを使用する場合には、その粘度比重定数(VGC)が0.849以下、好ましくは0.819以下のものを使用するのが良い。このようなVGCのパラフィン系オイルであれば、前記エラストマーとの相溶性が十分であるため、組成物がロールや抜き型などに粘着して加工性が低下することが防止されるとともに、時間の経過とともに表面にブリードしてくるおそれもない。
これらの軟化剤A、Bの配合量は、ベースゴム100質量部に対し、軟化剤Aは30〜120質量部、軟化剤Bは5〜50質量部とすることが好ましい。さらに好ましくは、軟化剤Aは50〜100質量部、軟化剤Bは10〜40質量部である。
(その他の実施の形態)
つぎに、本発明のその他の実施の形態としての熱伝導性成形体について説明する。本実施の形態に係る熱伝導成形体は、上記実施の形態に係る熱伝導性ゴム組成物、またはこれに上記軟化剤を配合したものを、常法により所望の形状に成形して作製したものである。本実施の形態に係る熱伝導性成形体の形状は、シート状の他にテープ状、ブロック状、型成形品などであるが、その用途に応じて適宜選択され、特に限定はされない。また、本発明のさらに他の実施の形態に係る熱伝導性成形体としては、上記実施の形態に係る熱伝導性ゴム組成物を金属シートの両面に被覆した成形体(シートなど)や、この熱伝導性ゴム組成物の少なくとも片面に粘着剤を塗布したものでもよい。上記した熱伝導性成形体のうちシート状にしたものは、熱伝導性シートとして、被冷却部品とヒートシンクとの間に介在させるものとして好適である。
(実施例)
つぎに、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。アクリルゴム(日本ゼオン社製、商品名Nipol AR54)と熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名セプトン(登録商標)4055。以下、TPEと略記する)との配合比が異なるベースゴム100質量部に対して、熱伝導フィラーとして、形状が球状であり平均粒径が35μmである酸化アルミニウムA(マイクロン社製、商品名AH35−2)、形状が丸味状であり平均粒径が22μmである酸化アルミニウムB(昭和電工社製、商品名AS−20)、および形状が不定形であり平均粒径が8μmである水酸化アルミニウム(日本軽金属社製、商品名日軽金B−103)から少なくとも1種を所定の質量部だけ配合し、さらに軟化剤として、ポリエーテルエステル系オイルであるオイルA(ADEKA社製、商品名アデカサイザー(登録商標)RS700)、パラフィン系オイルであるオイルB(出光興産社製、商品名ダイアナ(登録商標)プロセスPW380)を所定の質量部だけ配合して、これらを混練して熱伝導性ゴム組成物を作製し、さらにこの熱伝導性ゴム組成物を押出機で厚さ6mmのシート状に押し出し熱伝導性成形体とした(実施例1〜7、比較例1〜4)。さらに、この熱伝導性成形体を所定の型に打ち抜く作業もおこなった。なお、トムソン刃型を用いた抜き型(20mm×20mm形状で縦7列、横11列に配置されたもの)で打ち抜きを行った。そして、この各実施例、比較例に係る熱伝導性成形体を作製する際の混練、押し出し、打ち抜きの際の作業性を確認しつつ、作製した熱伝導性成形体に対して、熱伝導率、硬度、圧縮強度、難燃性についての測定を行った。
熱伝導率はJIS R 2616に規定する熱線法に準拠し、京都電子工業社製の迅速熱伝導率計により、各実施例、比較例に係る熱伝導性成形体を2枚重ねとして厚さ12mmの状態で測定した。なお、熱伝導率としては、各種電子・電気機器に搭載されている半導体素子等の冷却用としての実用性能面からは、1.3W/mk以上が好ましい。
また、硬度は高分子計器社製のアスカーC型硬度計を用いて測定した。熱伝導性シートは放熱性能発揮のためには被冷却部品とヒートシンクとの間に密着させて使用する必要があるため軟らかいものが好ましく、硬度として実用性能面からは、50以下が好ましい。
また、圧縮強度は、各実施例、比較例に係る熱伝導性成形体を6mm×20mm×20mmの大きさの試料として、市販の圧縮試験機にて各試料を5mm/分の速度で圧縮し、厚さの30%を圧縮した時点のピーク値、及びそのまま10分間経過したときの安定値を測定した。なお、熱伝導性シートを締め付けて使用する場合、半導体素子等への負荷を小さくする必要があるが、特に、凹凸や段差のある箇所への適用の場合、圧縮強度として実用性能面からは、ピーク値で30N/cm以下、安定値で10N/cm以下が好ましい。
また、難燃性は、各実施例、比較例に係る熱伝導性成形体をさらに厚さ2mmにプレス成形した試料を用い、UL94規格の垂直燃焼試験にて測定を行った。なお、燃焼性としては、実用性能面からは、V−1以上であることが好ましい。
以下、実施例1〜7、比較例1〜4に係る熱伝導性成形体の組成(質量部)と特性とを(表1)、(表2)に示す。なお、(表1)、(表2)において、質量部が零のものは、「−」、または「0」と表記している。また、難燃性については、UL94規格の垂直燃焼試験にてV−1以上の評価となったものを「○」、ならなかったものを「×」と表記している。また、打ち抜き作業性については、打ち抜き後、型から問題なく取り出せたものを「○」、取り出しにくいがゆっくりと取り出せば取り出せたものを「△」、刃に粘着して取り出せなかったものを「×」と表記している。
(表1)に示すように、実施例1〜7は、いずれも、本発明に規定する質量部を満たす組成としているので、熱伝導率が1.3W/mk以上であり、硬度が50以下であり、圧縮強度がピーク値で30N/cm以下、安定値で10N/cm以下であり、高い熱伝導性を有し、かつ弾性が適度に小さく適度な柔らかさを有するものとなっている。実施例3は熱伝導率と軟らかさがバランスよく良好となり、特に好適である。また、実施例2〜7は、水酸化アルミニウムの配合により難燃性が良好になっており、好適である。また、実施例1〜6は、打ち抜き作業性が高く、好適である。
一方、(表2)に示すように、比較例1は、酸化アルミニウムA,水酸化アルミニウムが多いため、硬度が大きくなっている。また、比較例2は、TPEの配合比が大きいため、弾性が高くなり、圧縮強度の安定値が高く硬いものとなっており、更に難燃性がない。また、比較例3は、TPEを配合していないため、圧縮強度の安定値が低く、柔らかすぎるものとなり、打ち抜き作業では刃型からとりだせなかった。また、比較例4は、酸化アルミニウムA、水酸化アルミニウムが少ないため、熱伝導率が小さかった。また、硬度、圧縮強度ともに小さく、柔らかすぎるものとなり、打ち抜き作業では刃型からとりだせなかった。
Figure 0005460094
Figure 0005460094

Claims (3)

  1. アクリルゴムと熱可塑性エラストマーとの配合比が95:5から70:30であるベースゴム100質量部に対して、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を700質量部より多く1300質量部未満含むことを特徴とする熱伝導性ゴム組成物。
  2. さらに前記ベースゴム100質量部に対して、ポリエーテル系オイル、ポリエステル系オイル、ポリエーテルエステル系オイル、トリメリット酸系オイルからなる群から選ばれた少なくとも1種30〜120質量部と、パラフィン系オイル5〜50質量部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載の熱伝導性ゴム組成物を成形してなることを特徴とする熱伝導性成形体。
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