JP5459550B2 - ノイズ対策回路 - Google Patents

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Description

この発明は、差動信号に影響を与えることなく、差動伝送路上のコモンモードノイズをグランドに逃がすノイズ対策回路に関するものである。
差動信号に影響を与えることなく、差動伝送路上のコモンモードノイズをグランドに逃がすノイズ対策回路としては、例えば、特許文献1に開示の回路がある。
このノイズ対策回路は、2つのコイルの巻き方向が同じであるコモンモードチョークコイルを、送,受信装置間に接続された差動伝送路の途中に挿入すると共に、2つのコイルの巻き方向が逆であるチョークコイルを差動伝送路とグランドとの途中に挿入した構成になっている。
かかる構成により、コモンモードチョークコイルが、差動伝送路を流れる差動信号(ディファレンシャルモード信号)に対して低インピーダンスとなり、コモンモードノイズに対して高インピーダンスとなる。一方、差動伝送路とグランドとの途中に挿入されたチョークコイルは、逆に、差動伝送路を流れる差動信号に対して高インピーダンスとなり、コモンモードノイズに対して低インピーダンスとなる。これにより、送,受信装置の動作に必要な差動信号のみを差動伝送路に通して、コモンモードノイズを、グランドに落とすようにしている。
なお、差動伝送路とグランドの間に挿入されるチョークコイルとしては、通常、2つのコイルの巻き方向を逆にした構造のものが用いられるが、特許文献2に開示の技術のように、通常のコモンモードチョークコイルを用い、このコモンモードチョークコイルの一方のコイルの入,出力端を逆にした技術も存在する。
特開平08−115820号公報 特開2008−219098号公報
しかし、上記した従来のノイズ対策回路では、次のような問題がある。
従来のノイズ対策回路では、差動信号のみを差動伝送路で伝送する場合には、問題がないが、送,受信装置の動作に必要なコモンモード信号を、差動信号と同時に差動伝送路で伝送する場合には問題がある。
すなわち、上記した従来の技術では、コモンモード信号を、差動信号と同時に差動伝送路で伝送する場合に、コモンモードノイズだけでなく、必要なコモンモード信号もグランドに落としてしまい、受信される信号に波形の乱れを発生させるおそれがある。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、送,受信装置の動作に必要な差動信号とコモン信号とを伝送して、コモンモードノイズのみを低減させることができるノイズ対策回路を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、第1の入力端子と、第2の入力端子と、第1の入力端子から入力された電流を出力するため第1の出力端子と、第2の入力端子から入力された電流を出力するため第2の出力端子とを有し、コモンモード電流が第1及び第2の入力端子に入力された場合に、低インピーダンス状態になって、コモンモード電流を第1及び第2の出力端子側に通過させ、ディファレンシャルモード電流が第1及び第2の入力端子に入力された場合に、高インピーダンス状態になって、ディファレンシャルモード電流を遮断するフィルタ回路を備えたノイズ対策回路であって、第1のフィルタ回路の第1及び第2の入力端子を、差動伝送路を構成する1対の伝送線路にそれぞれ接続し、第2のフィルタ回路の第1の入力端子を、第1のフィルタ回路の第1及び第2の出力端子の双方に接続すると共に、第2の入力端子を、グランド線路に接続し、第2のフィルタ回路の第1及び第2の出力端子の双方を、所定のグランド領域に接続した構成とする。
かかる構成により、差動伝送路とグランド線路とを送信装置と受信装置との間に接続し、第2のフィルタ回路の第1及び第2の出力端子の双方を送信装置又は受信装置の筐体等のグランド領域に接続すると、送,受信装置の動作に必要な差動信号を、差動伝送路の1対の伝送線路を通じて送信装置側から受信装置側に伝送することができる。
そして、差動信号が、第1及び第2の入力端子を通じて、差動伝送路から第1のフィルタ回路に入力した場合には、逆方向のディファレンシャルモード電流が第1のフィルタ回路に流れるため、第1のフィルタ回路が高インピーダンス状態になって、ディファレンシャルモード電流を遮断する。したがって、差動信号伝送時において、差動信号が差動伝送路からグランド側に流出することはない。
また、送,受信装置の動作に必要なコモンモード信号を、差動伝送路上に伝送すると、1対の同方向のコモンモード電流が、1対の伝送線路を流れると共に、逆方向の電流がグランド線路上を流れ、コモンモード信号を、送,受信装置間で送受信することができる。
かかる状態において、コモンモード信号が、第1及び第2の入力端子を通じて、差動伝送路から第1のフィルタ回路に入力した場合には、同方向のコモンモード電流が第1のフィルタ回路に流れるため、第1のフィルタ回路が低インピーダンス状態になって、コモンモード電流を通過させる。
これにより、コモンモード電流が、第1のフィルタ回路の第1及び第2の出力端子から第2のフィルタ回路の第1の入力端子に入力し、この第1の入力端子から第1の出力端子側に向かって流れる。一方、逆方向の電流がグランド線路上を流れていることから、この電流は、第2のフィルタ回路の第2の出力端子側から第2の入力端子側に流れる。
この結果、逆方向のディファレンシャルモード電流が第2のフィルタ回路に流れることとなり、第2のフィルタ回路が高インピーダンス状態になって、これらの電流を遮断する。
したがって、コモンモード信号伝送時において、コモンモード信号が差動伝送路からグランド側に流出することはない。
そして、コモンモードノイズが発生し、差動伝送路とグランド線路を同方向に流れると、1対の伝送線路を流れるコモンモードノイズが第1及び第2の入力端子から第1のフィルタ回路に流れ込み、グランド線路を流れるノイズ電流が第2の入力端子から第2のフィルタ回路に流れ込む。
コモンモードノイズが第1及び第2の入力端子から第1のフィルタ回路に流れ込むと、同方向のコモンモード電流が第1のフィルタ回路に流れる状態になり、第1のフィルタ回路が低インピーダンス状態になって、これらのコモンモードノイズを通過させる。
これにより、コモンモードノイズが、第1のフィルタ回路の第1及び第2の出力端子から第2のフィルタ回路の第1の入力端子に入力し、この第1の入力端子から第1の出力端子側に向かって流れる。一方、第2の入力端子から第2のフィルタ回路に流れ込んだノイズ電流は、第1の入力端子から流れ込んだノイズ電流と同方向であるため、同方向のコモンモード電流が、第1及び第2の入力端子から第1及び第2の出力端子側に向かって第2のフィルタ回路内を流れることとなり、第2のフィルタ回路が低インピーダンス状態になって、これらの電流を通過させることとなる。
この結果、コモンモードノイズは、第2のフィルタ回路の第1及び第2の出力端子から筐体等のグランド領域に排出される。
したがって、差動伝送路とグランド線路とに進入した、コモンモードノイズは、このノイズ対策回路を通じてグランド領域に排出されることとなる。
請求項2の発明は、請求項1に記載のノイズ対策回路において、フィルタ回路は、互いに逆方向に巻回された第1及び第2のコイルを有し、第1のコイルの入力側端部と出力側端部とがそれぞれ第1の入力端子と第1の出力端子とに接続されると共に、当該第1のコイルの入力側端部と出力側端部とにそれぞれ対応した第2のコイルの入力側端部と出力側端部とが、第2の入力端子と第2の出力端子とにそれぞれ接続され、ディファレンシャルモード電流の通電時に高インピーダンスになり、コモンモード電流の通電時に低インピーダンスになるチョークコイルである構成とした。
請求項3の発明は、請求項1に記載のノイズ対策回路において、フィルタ回路は、同方向に巻回された第1及び第2のコイルを有したコモンモードチョークコイルを備え、当該コモンモードチョークコイルの第1のコイルの入力側端部と出力側端部とがそれぞれ第1の入力端子と第1の出力端子とに接続され、当該第1のコイルの入力側端部と出力側端部とにそれぞれ対応した第2のコイルの入力側端部と出力側端部とが、第2の出力端子と第2の入力端子とにそれぞれ接続されている構成とした。
請求項4の発明は、請求項2に記載のノイズ対策回路において、第1のフィルタ回路又は第2のフィルタ回路における第1のコイルの出力側端部と第1の出力端子との間に、第1のコンデンサを介在させると共に、第2のコイルの出力側端部と第2の出力端子との間に、第2のコンデンサを介在させた構成とする。
かかる構成により、直流電流が、差動伝送路から第1のフィルタ回路又は第2のフィルタ回路内に流入すると、直流電流は、第1のフィルタ回路又は第2のフィルタ回路の第1及び第2のコイルの出力側端部から第1及び第2の出力端子側に出力される。このとき、第1及び第2のコンデンサが、第1及び第2のコイルの出力側端部と第1及び第2の出力端子との間にそれぞれ介在しているので、直流電流は、これら第1及び第2のコンデンサによって遮断され、グランド領域側に流出することはない。
請求項5の発明は、請求項3に記載のノイズ対策回路において、第1のフィルタ回路又は第2のフィルタ回路における第1のコイルの出力側端部と第1の出力端子との間に、第1のコンデンサを介在させると共に、第2のコイルの入力側端部と第2の出力端子との間に、第2のコンデンサを介在させた構成とする。
以上詳しく説明したように、この発明のノイズ対策回路によれば、差動信号とコモンモード信号とを差動伝送路上に伝送し、コモンモードノイズのみをグランド領域に落とすことができるので、送受信信号の波形乱れを生じさせずに、ノイズ対策が図れるという優れた効果がある。
特に請求項3の発明によれば、既成のコモンモードチョークコイルを用いてフィルタ回路を構成するので、請求項2の発明に適用されるフィルタ回路を製造する場合に比べて、フィルタ回路の製造が容易になるという効果がある。
この発明の第1実施例に係るノイズ対策回路を示す回路図である。 ディファレンシャルモード信号伝送時の作用及び効果を説明するための回路図である。 コモンモード信号伝送時の作用及び効果を説明するための回路図である。 コモンモードノイズ発生時の作用及び効果を説明するための回路図である。 ディファレンシャルモード時の透過率を測定するための回路図である。 コモンモード時の透過率を測定するための回路図である。 実測の結果を示す線図である。 この発明の第2実施例に係るノイズ対策回路を示す回路図である。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は、この発明の第1実施例に係るノイズ対策回路を示す回路図である。
図1に示すように、この実施例のノイズ対策回路1−1は、第1のフィルタ回路としてのフィルタ回路2と、第2のフィルタ回路としてのフィルタ回路3とを、差動伝送路100とグランド線路110と所定のグランド領域120との間に設けた構成になっている。
フィルタ回路2は、第1の入力端子としての入力端子21と第2の入力端子としての入力端子22とを前段に有し、第1の出力端子としての出力端子23と第2の出力端子としての出力端子24とを後段に有している
具体的には、第1のコイルとしてのコイル25と第2のコイルとしてのコイル26とが、隣り合い、通電時に磁気的に結合するようになっている。
これらコイル25とコイル26は、互いに逆方向に巻回されており、それぞれの両端が、入力端子21,22と出力端子23,24とに接続されている。
つまり、コイル25の入力側端部25aが入力端子21に接続され、出力側端部25bが出力端子23に接続されている。また、コイル26では、入力側端部25aに対応した入力側端部26bが入力端子22に接続され、出力側端部25bに対応した出力側端部26aが出力端子24に接続されている。
ここで、互いに逆方向に巻回されたコイル25,26において、コイル26の端部26a,26bのいずれの端部が、コイル25の入力側端部25aに対応した入力側端部であるかについて定義する。コイル25,26が互いに逆方向に巻回されたコイル同士であるので、電流を入力したならば、その電流の回転方向が、入力側端部25aに入力された電流の回転方向と逆の方向になるであろう端部が、コイル26の入力側端部である。したがって、コイル26の端部26bが、コイル25の入力側端部25aに対応した入力側端部である。この結果、コイル26の端部26aが、コイル25の出力側端部25bに対応した出力側端部となる。
これにより、逆方向の電流、即ちディファレンシャルモード電流が、コイル25,26に流れると、互いの磁界が強め合い、高インピーダンスになる。そして、同方向の電流、即ちコモンモード電流が、コイル25,26に流れると、互いの磁界が弱め合い、低インピーダンスになる。
したがって、このフィルタ回路2では、ディファレンシャルモード電流が入力端子21,22から入力すると、遮断され、コモンモード電流が入力端子21,22から入力すると、通過して、出力端子23,24から出力される。
一方、フィルタ回路3も、符号を異ならしめているが、フィルタ回路2と同構造であり、第1,第2の入力端子としての入力端子31,32と、第1,第2の出力端子としての出力端子33,34とを有している。そして、逆方向に巻回されたコイル35とコイル36とが、入力端子31,32と出力端子33,34とに接続されている。つまり、コイル35の入力側端部35aが入力端子31に接続され、出力側端部35bが出力端子33に接続されている。そして、コイル35の入力側端部35aに対応したコイル36の入力側端部36bが入力端子32に接続され、出力側端部35bに対応した出力側端部36aが出力端子34に接続されている。
これにより、このフィルタ回路3においても、ディファレンシャルモード電流が入力端子31,32から入力すると、遮断され、コモンモード電流が入力端子31,32から入力すると、通過して、出力端子33,34から出力される。
上記の如きフィルタ回路2は、差動伝送路100に接続されている。
具体的には、入力端子21,22が、差動伝送路100を構成する1対の伝送線路101,102にそれぞれ接続されている。
また、フィルタ回路3は、フィルタ回路2とグランド線路110とに接続されている。
具体的には、入力端子31が、フィルタ回路2の出力端子23,24の双方に接続され、入力端子32が、グランド線路110に接続されている。
そして、出力端子33,34が、グランド領域120に接続されている。グランド領域120としては、シャーシー等、安定な基準電位とすることができる導体領域を選択する。
次に、この実施例のノイズ対策回路1−1が示す作用及び効果について説明する。
図2は、ディファレンシャルモード信号伝送時の作用及び効果を説明するための回路図であり、図3は、コモンモード信号伝送時の作用及び効果を説明するための回路図であり、図4は、コモンモードノイズ発生時の作用及び効果を説明するための回路図である。
図2に示すように、送信装置201と受信装置202とを、差動伝送路100とグランド線路110とによって電気的に接続した状態で、差動信号S,−Sを送信装置201から受信装置202に送信すると、差動信号S,−Sは、差動伝送路100の伝送線路101,102を通じて受信装置202に伝送される。
このとき、差動信号S,−Sが、ノイズ対策回路1−1側に入り込むと、ノイズ対策回路1−1を通過してグランド領域120に流出するおそれがある。
しかし、この実施例では、ノイズ対策回路1−1がフィルタ回路2を有しているので、差動信号S,−Sが、入力端子21,22を通じてフィルタ回路2に入力すると、破線の矢印で示すように、差動信号S,−Sに基づく逆方向のディファレンシャルモード電流Is,−Isがコイル25,26を流れようとする。このため、フィルタ回路2が、高インピーダンス状態になって、差動信号S,−Sがフィルタ回路2で遮断される。したがって、差動信号S,−Sが差動伝送路100からグランド領域120側に流出することはない。
また、図3に示すように、コモンモード信号C,Cを、送信装置201から受信装置202に送信すると、コモンモード信号C,Cが、差動伝送路100の伝送線路101,102を流れると共に、逆方向の信号−Cがグランド線路110を流れる。
このとき、コモンモード信号C,Cが、ノイズ対策回路1−1側に入り込むと、コモンモード信号C,Cが、入力端子21,22を通じてフィルタ回路2に入力し、実線の矢印で示すように、コモンモード信号C,Cに基づく同方向のコモンモード電流Ic,Icがコイル25,26を流れようとする。このため、フィルタ回路2が、低インピーダンス状態になって、フィルタ回路2の出力端子23,24に出力される。したがって、コモンモード信号C,Cがグランド領域120側に流出するおそれがある。
しかし、この実施例では、ノイズ対策回路1−1が、フィルタ回路2の後段にフィルタ回路3を有しているので、フィルタ回路2から出力された信号Cとグランド線路110からの逆方向の信号−Cとが、入力端子31,32を通じてフィルタ回路3に入力する。すると、破線の矢印で示すように、これらの信号に基づいた逆方向のディファレンシャルモード電流Ic,−Icがフィルタ回路3のコイル35,36を流れようとするため、フィルタ回路3が、高インピーダンス状態になって、電流Ic,−Icがフィルタ回路3で遮断される。このため、コモンモード信号C,Cが差動伝送路100からグランド領域120側に流出することはない。
そして、図4に示すように、コモンモードノイズN,N,Nが、差動伝送路100及びグランド線路110に発生した場合には、差動伝送路100上のコモンモードノイズN,Nが、ノイズ対策回路1−1のフィルタ回路2に入り込み、同方向のノイズ電流In,Inがコイル25,26を流れる。これにより、フィルタ回路2は、低インピーダンス状態になって、ノイズ電流In,Inがフィルタ回路2の出力端子23,24に出力される。
すると、フィルタ回路2から出力されたノイズ電流Inとグランド線路110からのノイズNに基づくノイズ電流Inとが、フィルタ回路3の入力端子31,32に入力される。
これにより、実線の矢印で示すように、同方向のコモンモード電流In,Inがフィルタ回路3のコイル25,26を流れようとするため、フィルタ回路3が、低インピーダンス状態になって、電流In,Inがフィルタ回路3からグランド領域120に出力される。
すなわち、差動伝送路100やグランド線路110に発生したコモンモードノイズN,N,Nは、全てグランド領域120側に排出されることとなる。
以上のように、この実施例のノイズ対策回路1−1によれば、差動信号S,−Sとコモンモード信号C,Cとを差動伝送路100上に伝送し、コモンモードノイズN,Nのみをグランド領域120に落とすことができる。
発明者は、かかる効果を確認すべく次のような実測を行った。
図5は、ディファレンシャルモード時の透過率を測定するための回路図であり、図6は、コモンモード時の透過率を測定するための回路図であり、図7は、実測の結果を示す線図である。
まず、ディファレンシャルモード時の透過率を測定した。
この実測では、図5に示すように、グランド領域120を基準電位とするため、グランド線路110の両端を50Ωの抵抗器111で終端した。
そして、コモンモードチョークコイル4(5)を備えたフィルタ回路2(3)によって、ノイズ対策回路を構成した。
これは、既製品のコモンモードチョークコイル4(5)を用いて、フィルタ回路2(3)を製作した方が、図1に示したようにコイル25,26を逆方向に巻回して製作されるフィルタ回路2(3)よりも、製造が容易であるからである。この実測では、コモンモードチョークコイル4(5)として、村田製作所製のコモンモードチョークコイル(製品番号=DLP11SN900HL2)を用いた。
ここで、この実測で用いられるフィルタ回路2(3)について、具体的に説明しておく。
フィルタ回路2(3)は、同方向に巻回されたコイル41,42(51,52)を有したコモンモードチョークコイル4(5)を備えている。
コモンモードチョークコイル4(5)のコイル41(51)では、その入力側端部41a(51a)と出力側端部41b(51b)とが、入力端子21(31)と出力端子23(33)とにそれぞれ接続されている。
一方、コイル42(52)では、コイル41(51)の入力側端部41a(51a)に対応した入力側端部42a(52a)が、出力端子24(34)に接続され、コイル41(51)の出力側端部41b(51b)に対応した出力側端部42b(52b)が、入力端子22(32)に接続されている。
これにより、この実施例のノイズ対策回路1−1と同様の機能を発揮する。
ここで、互いに同方向に巻回されたコイル41,42において、コイル42の端部42a,42bのいずれの端部が、コイル41の入力側端部41aに対応した入力側端部であるかについて定義する。コイル41,42が互いに同方向に巻回されたコイル同士であるので、電流を入力したならば、その電流の回転方向が、入力側端部41aに入力された電流の回転方向と同じ方向になるであろう端部が、コイル42の入力側端部である。したがって、コイル42の端部42aが、コイル41の入力側端部41aに対応した入力側端部である。この結果、コイル42の端部42bが、コイル41の出力側端部41bに対応した出力側端部となる。
このような回路において、図示しないネットワークアナライザのポートを、差動伝送路100を構成する伝送線路101,102の入力側端部101a,102aと出力側端部101b,102bに接続した。
そして、1MHz〜1GHzの範囲の差動信号S,−Sを、伝送線路101,102に伝送し、入力側端部101a,102aに入力する差動信号S,−Sに対する出力側端部101b,102bから出力する差動信号S,−Sの比である透過率(dB)を測定したところ、図7の実線で示すような透過特性曲線S1を得た。
次に、コモンモード時の透過率を測定した。
この実測では、図6に示すように、伝送線路101,102の入力側端部101a,102a同士を接続して、入力端100aとし、出力側端部101b,102b同士を接続して、出力端100bとした。
かかる状態で、図示しないネットワークアナライザのポートを、差動伝送路100の入力端100aとグランド線路110の入力端110aとに接続すると共に、差動伝送路100の出力端100bとグランド線路110の出力端110bとに接続した。
そして、1MHz〜1GHzの範囲のコモンモード信号Cを、差動伝送路100の入力端100aを通じて伝送線路101,102に伝送すると共に、逆向きの信号−Cを入力端110aを通じてグランド線路110に伝送した。
この状態で、入力側端部100a,110a側の入力に対する出力側端部100b,110b側の出力の比である透過率(dB)を測定したところ、図7の破線で示すような透過特性曲線S2を得た。
最後に、図6に示す回路において、1MHz〜1GHzの範囲のコモンモードノイスNを、差動伝送路100の入力端100aを通じて伝送線路101,102に送ると共に、同方向のノイズNを入力端110aを通じてグランド線路110に送った。
この状態で、入力側端部100a,110a側の入力に対する出力側端部100b,110b側の出力の比である透過率(dB)を測定したところ、図7の一点鎖線で示すような透過特性曲線S3を得た。
図7の曲線S1,S2から明らかなように、差動信号、コモンモード信号の減衰が、100MHz〜1GHzの範囲において、0.4dB以下に収まっており、この周波数帯の信号の透過率は高い。
一方、コモンモードノイズは、図7の曲線S3で示すように、100MHz以下の周波数帯で、12dB以上の大きな減衰が得られ、透過率が低い。
以上から、発明者等は、この実施例のノイズ対策回路を用いることで、100MHz以上の帯域の差動信号、コモンモード信号に影響を与えずに、100MHz以下の帯域のコモンモードノイズのみを減衰させることができることを確認することができた。
なお、差動信号、コモンモード信号の透過周波数帯域やコモンモードノイズの減衰周波数帯域は、図5及び図6に示したコモンモードチョークコイル4(5)の特性や、図1に示したフィルタ回路2(3)の特性によって決定される。したがって、必要な特性を有するコモンモードチョークコイル4(5)やフィルタ回路2(3)を選択することで、差動信号、コモンモード信号の透過周波数帯域やコモンモードノイズの減衰周波数帯域を、それぞれ任意に変更することができる。
(実施例2)
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図8は、この発明の第2実施例に係るノイズ対策回路を示す回路図である。
この実施例のノイズ対策回路1−2は、直流カット機能を備えている点が、上記第1実施例と異なる。
具体的には、図8に示すように、第1のコンデンサとしてのコンデンサ6を、フィルタ回路3のコイル35の出力側端部35bと出力端子33との間に在させると共に、このコンデンサ6と同じ構造の第2のコンデンサとしてのコンデンサ7をコイル36の出力側端部36aと出力端子34との間に介在させた。
差動信号やコモンモード信号を、直流電圧によって所定電圧までオフセットする場合がある。このような場合に、上記図1に示すノイズ対策回路の構造であると、直流電圧がグランド領域120に落とされ、差動伝送路100を通る差動信号やコモンモード信号の電圧が大きく低下するおそれがある。
しかし、この実施例のように、コンデンサ6,7を設けることで、直流電流が差動伝送路100からフィルタ回路2を通じてフィルタ回路3のコイル35,36に流入しても、コンデンサ6,7が、直流電圧を遮断し、グランド領域120側への流出を阻止する。
なお、この実施例では、コンデンサ6,7を、フィルタ回路3のフィルタ回路3のコイル35,36と出力端子33,34の間に介在させた例を示したが、コンデンサ6,7を、フィルタ回路2のコイル25,26と出力端子23,24の間に介在させることもできる。 また、コンデンサ6,7を、図5に示すようなコモンモードチョークコイル4(5)を有したフィルタ回路2(3)に設ける場合には、コンデンサ6を、コイル41(51)の出力側端部41b(51b)と出力端子23(33)間に介在させ、コンデンサ7を、コイル42(52)の入力側端部42a(52a)と出力端子24(34)間に介在させる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
1−1,1−2…ノイズ対策回路、 2,3…フィルタ回路、 4,5…コモンモードチョークコイル、 6,7…コンデンサ、 21,22,31,32…入力端子、 23,24,33,34…出力端子、 25,26,35,36,41,42,51,52…コイル、 25a,26b,35a,36b,41a,42a,51a,52a…入力側端部、 25b,26a,35b,36a,41b,42b,51b,52b…出力側端部、 100…差動伝送路、 101,102…伝送線路、 110…グランド線路、 120…グランド領域、 201…送信装置、 202…受信装置。

Claims (5)

  1. 第1の入力端子と、第2の入力端子と、第1の入力端子から入力された電流を出力するため第1の出力端子と、第2の入力端子から入力された電流を出力するため第2の出力端子とを有し、コモンモード電流が上記第1及び第2の入力端子に入力された場合に、低インピーダンス状態になって、当該コモンモード電流を上記第1及び第2の出力端子側に通過させ、ディファレンシャルモード電流が上記第1及び第2の入力端子に入力された場合に、高インピーダンス状態になって、当該ディファレンシャルモード電流を遮断するフィルタ回路を備えたノイズ対策回路であって、
    第1の上記フィルタ回路の上記第1及び第2の入力端子を、差動伝送路を構成する1対の伝送線路にそれぞれ接続し、
    第2の上記フィルタ回路の上記第1の入力端子を、上記第1のフィルタ回路の上記第1及び第2の出力端子の双方に接続すると共に、上記第2の入力端子を、グランド線路に接続し、
    当該第2のフィルタ回路の上記第1及び第2の出力端子の双方を、所定のグランド領域に接続した、
    ことを特徴とするノイズ対策回路。
  2. 請求項1に記載のノイズ対策回路において、
    上記フィルタ回路は、互いに逆方向に巻回された第1及び第2のコイルを有し、第1のコイルの入力側端部と出力側端部とがそれぞれ上記第1の入力端子と第1の出力端子とに接続されると共に、当該第1のコイルの上記入力側端部と出力側端部とにそれぞれ対応した第2のコイルの入力側端部と出力側端部とが、上記第2の入力端子と第2の出力端子とにそれぞれ接続され、ディファレンシャルモード電流の通電時に高インピーダンスになり、コモンモード電流の通電時に低インピーダンスになるチョークコイルである、
    ことを特徴とするノイズ対策回路。
  3. 請求項1に記載のノイズ対策回路において、
    上記フィルタ回路は、同方向に巻回された第1及び第2のコイルを有したコモンモードチョークコイルを備え、当該コモンモードチョークコイルの第1のコイルの入力側端部と出力側端部とがそれぞれ上記第1の入力端子と第1の出力端子とに接続され、当該第1のコイルの上記入力側端部と出力側端部とにそれぞれ対応した第2のコイルの入力側端部と出力側端部とが、上記第2の出力端子と第2の入力端子とにそれぞれ接続されている、
    ことを特徴とするノイズ対策回路。
  4. 請求項2に記載のノイズ対策回路において、
    上記第1のフィルタ回路又は第2のフィルタ回路における上記第1のコイルの出力側端部と第1の出力端子との間に、第1のコンデンサを介在させると共に、第2のコイルの出力側端部と第2の出力端子との間に、第2のコンデンサを介在させた、
    ことを特徴とするノイズ対策回路。
  5. 請求項3に記載のノイズ対策回路において、
    上記第1のフィルタ回路又は第2のフィルタ回路における上記第1のコイルの出力側端部と第1の出力端子との間に、第1のコンデンサを介在させると共に、第2のコイルの入力側端部と第2の出力端子との間に、第2のコンデンサを介在させた、
    ことを特徴とするノイズ対策回路。
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