JP5456742B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、演出用の演出機構が所定箇所に配設された遊技機に関する。

遊技機の一例として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて、所定の遊技価値を付与可能としたパチンコ遊技機がある。また、遊技機の他の一例として、メダルやコイン、あるいは、パチンコ遊技機と同様の遊技球といった遊技媒体を用いて１ゲームに対する所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による表示図柄の可変表示を開始し、導出された表示結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能としたスロットマシンがある。

こうした遊技機では、遊技者をより楽しませるために、例えば盤面に演出用の演出機構が設けられるものがある。演出機構としては、例えば、回転運動に伴う遠心力で外方向に揺動自在な可動部が回転体に取付けられ、モータによって回転体を比較的高速で回転させたときには、可動部が外方向に広がって回転体が変形するものが提案されている（例えば特許文献１参照）。

特開２００９−２８４９５２号公報

特許文献１に記載の遊技機では、可動部が外方向に広がった状態とするには、回転体が比較的高速で回転している必要があり、モータによる回転体の回転を停止すると、回転体の変形も元に戻ってしまう。そのため、遊技者に表示される回転体の動きが単調となって効果的な演出ができず、遊技の興趣を向上できない場合があった。モータによる回転体の回転を停止した状態でも回転体の変形を維持させるために、回転体を変形させるための駆動機構を新たに設けることも考えられるが、部品点数が増加して演出機構が複雑となったり遊技機が大型になってしまう。

この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で遊技機における演出効果を向上させることを目的とする。

（１） 上記目的を達成するため、本願の請求項に係る遊技機は、
演出用の演出機構（例えば、演出可動機構５０など）が所定箇所（例えば、遊技盤２の所定箇所や遊技用枠３の所定箇所など）に配設された遊技機であって、
前記演出機構は、
外周面に該外周面から突出する突起（例えば、突起６２ａ、６４ａなど）又は螺旋状のガイド溝（例えば、ガイド溝２６０ａなど）が形成された回転軸（例えば、回転軸６０、１６０、２６０など）と、
前記回転軸が回転自在に挿入され、前記回転軸の突起と係合する螺旋状のガイド溝（例えば、ガイド溝７８など）又は前記回転軸のガイド溝と係合する突起（例えば、突起２７０ａなど）が形成された筒体（例えば、中央側筒体部７２ｃ及び軸端側筒体部７２ｅなど）と、
前記回転軸に設けられた第１装飾体（例えば、軸装飾体６８、１６８など）と、
前記第１装飾体と接触しない配置で前記筒体に一体に設けられた第２装飾体（例えば、装飾体７５ｅ、７５ｃなど）と、
前記回転軸を回転させる駆動手段（例えば、可動機構用モータ５２を含む出力ユニット５１など）と、
を備え、
前記駆動手段によって前記回転軸が第１の方向に回転することにより、前記突起が前記ガイド溝の一端に接して前記筒体及び前記第２装飾体が前記回転軸の一端側に位置した状態で前記回転軸と前記筒体とが回転し（例えば、演出制御用ＣＰＵ１２０が可動機構用モータ５２を駆動制御して突起６２ａ、６４ａが筒装飾体７０のガイド溝７８の端部７８ｅに当接する方向に回転軸６０を回転させることにより、突起６２ａ、６４ａが筒装飾体７０のガイド溝７８の端部７８ｅに当接して筒装飾体７０が軸中央側に位置した状態で回転軸６０と筒装飾体７０とが一体に回転するなど）、前記駆動手段によって前記回転軸が前記第１の方向とは異なる第２の方向に回転することにより、前記突起が前記ガイド溝の他端に接して前記筒体及び前記第２装飾体が前記回転軸の他端側に位置した状態で前記回転軸と前記筒体とが回転する（例えば、演出制御用ＣＰＵ１２０が可動機構用モータ５２を駆動制御して突起６２ａ、６４ａが筒装飾体７０のガイド溝７８の端部７８ｃに当接する方向に回転軸６０を回転させることにより、突起６２ａ、６４ａが筒装飾体７０のガイド溝７８の端部７８ｃに当接して筒装飾体７０が軸端側に位置した状態で回転軸６０と筒装飾体７０とが一体に回転するなど）、
ことを特徴とする。

このような構成によれば、突起が螺旋状のガイド溝の一端に接した状態で回転軸を第２の方向に回転させることによって突起をガイド溝の一端から他端側に移動させることができるとともに、突起が螺旋状のガイド溝の他端に接した状態で回転軸を第１の方向に回転させることによって突起をガイド溝の他端から一端側に移動させることができ、突起のガイド溝における位置、つまり、第１装飾体及び回転軸に対する第２装飾体及び筒体の位置を、駆動手段によって変更することができる。また、駆動手段によって回転軸を第１の方向又は第２の方向に回転させることにより、突起を螺旋状のガイド溝の一端又は他端に接させて、駆動手段からの動力を回転軸から筒体に伝えて回転軸と筒体とを回転させることができ、第１装飾体に対する第２装飾体の位置を維持した状態で、１つの駆動手段によって第１装飾体が設けられた回転軸と第２装飾体が設けられた筒体とを回転させることができる。したがって、このような構成によって、１つの駆動手段で、第１装飾体に対する第２装飾体の位置を変更できるとともに、第１装飾体に対する第２装飾体の位置を維持した状態で第１装飾体が設けられた回転軸と第２装飾体が設けられた筒体とを回転させることができ、簡易な構成で遊技機の演出効果を向上させることができる。

（２） 上記（１）の遊技機において、前記ガイド溝には、該ガイド溝の前記一端または前記他端に前記突起を保持する保持部が設けられていてもよい（例えば、ガイド溝７８の端部７８ｅ近傍に狭窄９０が設けられたり、ガイド溝７８の端部７８ｅ付近の回転軸６０の軸方向となす角度が小さく形成されたり、突起６２ａ、６４ａと端部７８ｅ、７８ｃとの間で互いに引き合う力が生じるようにガイド溝７８に磁石が設けられるなど）。

このような構成においては、突起をガイド溝の一端又は他端に保持することができ、第１装飾体に対する第２装飾体の位置を保持することができる。この場合、回転軸が所定の加速度より大きい加速度で回転したときに、突起の保持部による保持が解除されるように保持部が形成されてもよい。

（３） 上記（１）又は（２）の遊技機において、前記回転軸は、少なくとも一部が透光性を有する部材で形成されており（例えば、回転軸６０の一部を構成する光伝達軸６６を透明な樹脂で形成するなど）、該回転軸の一端側は、前記駆動手段が連結されて軸支され、該回転軸の他端側は、軸受により軸支されるとともに前記回転軸又は前記第１装飾体を光らせる発光手段が設けられていてもよい（例えば、回転軸６０の一端は、出力ユニット５１の軸ギヤ５５が取付けられ、回転軸６０の他端側は、軸受５７で軸支されるとともに装飾用ＬＥＤ８２を含む装飾用ユニット８０が配置されるなど）。

このような構成においては、発光手段によって回転軸又は第１装飾体を光らせることにより、第１装飾体の装飾効果を高めることができる。また、駆動手段が回転軸の一端側に設けられるとともに発光手段が回転軸の他端側に設けられることにより、スペースを有効に活用することができる。

（４） 上記（１）〜（３）のいずれかの遊技機において、前記筒体及び前記第２装飾体は、前記回転軸に対して軸中央側及び軸端側にそれぞれ移動する一対が該回転軸の両端側に設けられ（例えば、回転軸６０の左右両側に左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの一対が設けられるなど）、前記一対の筒体及び第２装飾体が前記回転軸の軸中央側に位置するときには前記第２装飾体が前記第１装飾体の遊技者による視認を妨げ（例えば、左側装飾体７０Ｌ及び右側装飾体７０Ｒが軸中央側に位置するときには、左側装飾体７０Ｌ及び右側装飾体７０Ｒが軸装飾体６８を完全に覆うなど）、前記一対の筒体及び第２装飾体が前記回転軸の軸端側に位置するときには前記第２装飾体が前記第１装飾体の遊技者による視認を妨げないものでもよい（例えば、左側装飾体７０Ｌ及び右側装飾体７０Ｒが軸端側に位置するときには、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの間から軸装飾体６８を視認することができるなど）。

このような構成においては、第２装飾体の位置によって第１装飾体の遊技者による視認が妨げられたり妨げられなかったりし、遊技機の演出効果を向上させることができる。また、回転軸に対して軸中央側及び軸端側にそれぞれ移動する一対の筒体及び第２装飾体が設けられているので、第１装飾体の遊技者による視認を妨げたり妨げなかったりするために第２装飾体が移動する距離や回転軸を回転させる回転量を少なくすることができる。

（５） 上記（４）の遊技機において、前記一対の第２装飾体は、回転方向における互いの位置を規制する規制部を有してもよい（例えば、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの軸中央側の端部に、互いが近接したときに嵌り合う鋭角の凹部及び凸部が形成されたり、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの軸中央側の端部が正弦波状に形成されたり、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの軸中央側の端部に磁石が設けられるなど）。

このような構成においては、一対の第２装飾体のうち片方の第２装飾体のみが回転するのを防止することができ、一対の第２装飾体の回転方向における互いの位置がずれるのを防止することができる。

（６） 上記（１）〜（５）のいずれかの遊技機において、前記第１装飾体及び前記第２装飾体のそれぞれは、回転方向において同じ数の面を有する多面体であり（例えば、回転方向に４つの装飾面をそれぞれに有する軸装飾体１６８及び筒装飾体１７０など）、遊技者が前記第１装飾体及び前記第２装飾体を視認できる状態で前記駆動手段により前記回転軸と前記筒体とが回転するときには、前記第１装飾体及び前記第２装飾体の特定の面同士が回転方向において同じ位置となる、ものでもよい（例えば、筒装飾体１７０が最も軸端側に位置するときには、軸装飾体１６８及び筒装飾体１７０の特定の装飾面同士が回転方向において同じ位置となるなど）。

このような構成においては、第１装飾体と第２装飾体との特定の面同士が回転方向において同じ位置となる状態で第１装飾体と第２装飾体とを遊技者に視認させることができる。これにより、例えば第１装飾体と第２装飾体のそれぞれの面に識別情報を配置して遊技者に種々の演出表示を行うことができる。

（７） 上記（６）の遊技機において、前記駆動手段は、前記突起が前記ガイド溝の一端から他端まで移動する前記回転軸の回転角度より大きい所定の回転角度だけ前記回転軸を回転させた後に前記回転軸の回転を停止して前記第１装飾体及び／又は前記第２装飾体の所定の面を遊技者に表示してもよい（例えば、演出制御用ＣＰＵ１２０が可動機構用モータ５２を駆動制御して、回転軸１６０の突起が装飾体１７０のガイド溝の一端から他端まで移動する回転軸１６０の回転角度より大きい所定の回転角度（例えば、３６０度など）だけ回転軸１６０を回転させた後に、遊技者に表示したい装飾面が前面で停止するように回転軸１６０の回転を停止させるなど）。

このような構成においては、突起がガイド溝の一端から他端まで移動する回転軸の回転角度より大きい所定の回転角度だけ回転軸を回転させた後に回転軸の回転を停止して第１装飾体や第２装飾体の所定の面を遊技者に表示させる。これにより、突起をガイド溝の一端又は他端に確実に位置させた状態で第１装飾体や第２装飾体の所定の面を遊技者に表示させることができる。

この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 この実施の形態における演出可動機構の正面図である。 演出可動機構の縦断面を示す断面図である。 出力ユニットや回転軸を示す斜視図である。 出力ユニットや回転軸を分解して示す分解斜視図である。 筒装飾体の正面図である。 右側装飾体を分解して示す分解斜視図である。 左側装飾体の断面を示す断面図である。 演出可動機構の動作の一例を示す図である。 演出可動機構の動作の一例を示す図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 変形例における回転軸と筒装飾体とを模式的に示す斜視図である。 変形例における回転軸と筒装飾体の動作の一例を示す図である。 変形例における回転軸と筒装飾体の表示の一例を示す図である。 変形例における筒装飾体のガイド溝周辺の様子を示す断面図である。 変形例における筒装飾体のガイド溝周辺の様子を示す断面図である。 変形例における回転軸と筒装飾体とを模式的に示す斜視図である。

以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図１は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機（遊技機）１は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤（ゲージ盤）２と、遊技盤２を支持固定する遊技機用枠（台枠）３とから構成されている。遊技盤２には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。

遊技盤２の所定位置（図１に示す例では、遊技領域の右側方）には、第１特別図柄表示装置４Ａと、第２特別図柄表示装置４Ｂとが設けられている。第１特別図柄表示装置４Ａと第２特別図柄表示装置４Ｂはそれぞれ、例えば７セグメントやドットマトリクスのＬＥＤ（発光ダイオード）等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報（特別識別情報）である特別図柄（「特図」ともいう）が、変動可能に表示（可変表示）される。例えば、第１特別図柄表示装置４Ａと第２特別図柄表示装置４Ｂはそれぞれ、「０」〜「９」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第１特別図柄表示装置４Ａや第２特別図柄表示装置４Ｂにおいて表示される特別図柄は、「０」〜「９」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば７セグメントのＬＥＤにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。

複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「０」〜「９」を示す数字それぞれには、「０」〜「９」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「１０」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第１特別図柄表示装置４Ａにおいて可変表示される特別図柄を「第１特図」ともいい、第２特別図柄表示装置４Ｂにおいて可変表示される特別図柄を「第２特図」ともいう。

第１特別図柄表示装置４Ａと第２特別図柄表示装置４Ｂはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第１特図の種類と第２特図の種類は同じ（例えば、ともに「０」〜「９」を示す数字、及び、「−」を示す記号）であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第１特別図柄表示装置４Ａと第２特別図柄表示装置４Ｂはそれぞれ、例えば「００」〜「９９」を示す数字（あるいは２桁の記号）を可変表示するように構成されていてもよい。

遊技盤２における遊技領域の中央付近には、画像表示装置５が設けられている。画像表示装置５は、例えばＬＣＤ（液晶表示装置）等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置５の表示領域では、特図ゲームにおける第１特別図柄表示装置４Ａによる第１特図の可変表示や第２特別図柄表示装置４Ｂによる第２特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば３つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報（装飾識別情報）である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。

一例として、画像表示装置５の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第１特別図柄表示装置４Ａにおける第１特図の変動と第２特別図柄表示装置４Ｂにおける第２特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒにおいて飾り図柄の変動（例えば上下方向のスクロール表示）が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置５における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄（最終停止図柄）が停止表示される。

このように、画像表示装置５の表示領域では、第１特別図柄表示装置４Ａにおける第１特図を用いた特図ゲーム、または、第２特別図柄表示装置４Ｂにおける第２特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示（あるいは単に「導出」ともいう）する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示（完全停止表示や最終停止表示ともいう）して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「０」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間（例えば１秒間）よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。

「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒにて可変表示される飾り図柄には、例えば８種類の図柄（英数字「１」〜「８」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する８個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい）で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「１」〜「８」を示す英数字それぞれに対して、「１」〜「８」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は８種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい（例えば７種類や９種類など）。

飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大（例えば「８」）である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小（例えば「１」）である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒのうち少なくともいずれか１つ（例えば「左」の飾り図柄表示エリア５Ｌなど）において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。

画像表示装置５の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア５Ｈが配置されている。始動入賞記憶表示エリア５Ｈでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数（特図保留記憶数）を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置６Ａが形成する第１始動入賞口や、普通可変入賞球装置６Ｂが形成する第２始動入賞口を、遊技球が通過（進入）することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件（「実行条件」ともいう）は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機１が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。

図１に示す例では、始動入賞記憶表示エリア５Ｈとともに、第１特別図柄表示装置４Ａ及び第２特別図柄表示装置４Ｂの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第１保留表示器２５Ａと第２保留表示器２５Ｂとが設けられている。第１保留表示器２５Ａは、第１特図保留記憶数を特定可能に表示する。第２保留表示器２５Ｂは、第２特図保留記憶数を特定可能に表示する。第１特図保留記憶数は、第１特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第２特図保留記憶数は、第２特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第１特図保留記憶数と第２特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第１特図保留記憶数、第２特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部（例えば第１特図保留記憶数と第２特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念）を指すこともあるものとする。

画像表示装置５の下方には、普通入賞球装置６Ａと、普通可変入賞球装置６Ｂとが設けられている。普通入賞球装置６Ａは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域（第１始動領域）としての第１始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置６Ｂは、図２に示す普通電動役物用となるソレノイド８１によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物（普通電動役物）を備え、始動領域（第２始動領域）第２始動入賞口を形成する。

一例として、普通可変入賞球装置６Ｂでは、普通電動役物用のソレノイド８１がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第２始動入賞口を通過（進入）しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置６Ｂでは、普通電動役物用のソレノイド８１がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第２始動入賞口を通過（進入）しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置６Ｂは、通常開放状態であるときでも、第２始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置６Ｂは、通常開放状態において、例えば第２始動入賞口を閉鎖することなどにより、第２始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第２始動領域としての第２始動入賞口は、遊技球が通過（進入）しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過（進入）しにくいまたは通過（進入）できない通常開放状態とに変化する。

普通入賞球装置６Ａに形成された第１始動入賞口を通過（進入）した遊技球は、例えば図２に示す第１始動口スイッチ２２Ａによって検出される。普通可変入賞球装置６Ｂに形成された第２始動入賞口を通過（進入）した遊技球は、例えば図２に示す第２始動口スイッチ２２Ｂによって検出される。第１始動口スイッチ２２Ａによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数（例えば３個）の遊技球が賞球として払い出され、第１特図保留記憶数が所定の上限値（例えば「４」）以下であれば、第１始動条件が成立する。第２始動口スイッチ２２Ｂによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数（例えば３個）の遊技球が賞球として払い出され、第２特図保留記憶数が所定の上限値（例えば「４」）以下であれば、第２始動条件が成立する。なお、第１始動口スイッチ２２Ａによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第２始動口スイッチ２２Ｂによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。

普通入賞球装置６Ａと普通可変入賞球装置６Ｂの下方には、特別可変入賞球装置７が設けられている。特別可変入賞球装置７は、図２に示す大入賞口扉用となるソレノイド８２によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。

一例として、特別可変入賞球装置７では、大入賞口扉用のソレノイド８２がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過（進入）できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置７では、大入賞口扉用のソレノイド８２がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過（進入）しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過（進入）しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過（進入）できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過（進入）できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過（進入）しにくい一部開放状態を設けてもよい。

大入賞口を通過（進入）した遊技球は、例えば図２に示すカウントスイッチ２３によって検出される。カウントスイッチ２３によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数（例えば１５個）の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置７において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過（進入）したときには、例えば第１始動入賞口や第２始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過（進入）したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置７において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第１状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置７において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過（進入）させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第２状態となる。

遊技盤２の所定位置（図１に示す例では、遊技領域の左側方）には、普通図柄表示器２０が設けられている。一例として、普通図柄表示器２０は、第１特別図柄表示装置４Ａや第２特別図柄表示装置４Ｂと同様に７セグメントやドットマトリクスのＬＥＤ等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄（「普図」あるいは「普通図」ともいう）を変動可能に表示（可変表示）する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム（「普通図ゲーム」ともいう）と称される。

普通図柄表示器２０の上方には、普図保留表示器２５Ｃが設けられている。普図保留表示器２５Ｃは、例えば４個のＬＥＤを含んで構成され、通過ゲート４１を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。

遊技盤２の所定位置（図１に示す例では、画像表示装置５の上方）には、演出可動機構５０が配置されている。演出可動機構５０は、装飾体を回転させたり発光させることによって演出表示を行う。演出可動機構５０は、中央に位置する軸装飾体６８が筒装飾体７０によって隠される状態（図２（ａ）に示す状態）や、筒装飾体７０の隙間から軸装飾体６８を視認できる状態（図２（ｂ）に示す状態）で、軸装飾体６８及び筒装飾体７０を軸回り（図１や図２では、図中左右方向を軸とした軸回り）に回転させて演出表示を行うことができる。以下の説明では、演出可動機構５０がパチンコ遊技機１に搭載されているときに遊技者から見て右側、左側（図２や図６中、右側、左側）をそれぞれ「右側」、「左側」という。

図３は、演出可動機構５０の縦断面を示す断面図である。演出可動機構５０は、図２や図３に示すように、遊技盤２に支持されるケース５８Ｌ、５８Ｒと、動力源としての可動機構用モータ５２を含む出力ユニット５１と、可動機構用モータ５２からの動力を受けて回転する回転軸６０と、回転軸６０に取付けられた軸装飾体６８と、回転軸６０や軸装飾体６８の外周側に位置する筒装飾体７０と、軸装飾体６８を発光させる装飾用ＬＥＤ８２を含む発光用ユニット８０と、回転軸６０の回転位置を検出する図示しない位置検出センサを有する。なお、位置検出センサとしては、例えばフォトダイオードやレゾルバ、エンコードなど種々のものを用いることができ、回転軸６０の回転位置を検出するセンサに代えて又は加えて筒装飾体７０の回転位置を検出するセンサが設けられてもよい。なお、この実施の形態の演出可動機構５０は、軸装飾体６８を発光させる発光用ユニット８０とは別に、筒装飾体７０を発光させるための図示しない装飾用ＬＥＤなども備えている。

ケース５８Ｌ、５８Ｒは、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。ケース５８Ｌ、５８Ｒのそれぞれは、筒装飾体７０を内部に収納することができる有底円筒形状に形成される。図３に示すように、左側に位置するケース５８Ｌには、出力ユニット５１が取付けられ、右側に位置するケース５８Ｒには、回転軸６０を軸支するための軸受５７や発光用ユニット８０が取付けられる。ケース５８Ｌ、５８Ｒが遊技盤２に取付けられることにより、演出可動機構５０は遊技盤２に取付けられる。

図４は、ケース５８Ｌ、５８Ｒや筒装飾体７０を取り除いた状態の演出可動機構５０の様子を示す図であり、図５は、ケース５８Ｌ、５８Ｒや筒装飾体７０を取り除いた状態の演出可動機構５０を構成要素ごとに分解して示す分解斜視図である。出力ユニット５１は、図５などに示すように、動力源としての可動機構用モータ５２と、可動機構用モータ５２からの動力を回転軸６０に伝達する複数のギヤ５３〜５５と、ケース５８Ｌに支持されるギヤケース５６と、可動機構用モータ５２を駆動するための図示しない駆動回路とを有する。複数のギヤ５３〜５５は、具体的には、可動機構用モータ５２の出力軸５２ａに取付けられた外歯の出力ギヤ５３と、回転軸６０と一体に回転する外歯の軸ギヤ５５と、歯数が少ない外歯ギヤ５４ａと歯数が多い外歯ギヤ５４ｂとが一体に形成され、それぞれの外歯ギヤ５４ａ、５４ｂが出力ギヤ５３及び軸ギヤ５５と係合する伝達ギヤ５４と、を備える。可動機構用モータ５２や複数のギヤ５３〜５５は、ギヤケース５６に支持されて、ギヤケース５６を介してケース５８Ｌに支持される。なお、この実施の形態では、可動機構用モータ５２の出力軸５２ａ（出力ギヤ５３）が１回転（３６０度回転）するときに回転軸６０（軸ギヤ５５）が２４０度回転するように構成されているが、出力ユニット５１の構成については、可動機構用モータ５２の性能や回転軸６０（軸装飾体６８）を回転させる態様などに基づいて適宜定めればよい。また、可動機構用モータ５２としては、ステッピングモータや、同期電動機、誘導電動機など種々のものを用いることができる。

回転軸６０は、一端が出力ユニット５１の軸ギヤ５５と係合し、他端が軸受５７によって支持され、可動機構用モータ５２からの動力を受けて回転する。この実施の形態では、軸ギヤ５５と係合する側から順に、モータ側軸６２、軸装飾体（第１装飾体）６８、受け側軸６４、光伝達軸６６が接続され、これら複数の部材が組み合わされることによって回転軸６０が構成されている。つまり、この実施の形態では、軸装飾体６８は、回転軸６０の一部を構成する。

モータ側軸６２と受け側軸６４は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成され、この実施の形態では、透光性のない部材で中空軸状にそれぞれ形成されている。モータ側軸６２と受け側軸６４のそれぞれは、軸外周面の１８０度対向する位置に、外周側に凸となる突起６２ａ、６４ａが設けられている。モータ側軸６２は、一端が出力ユニット５１の軸ギヤ５５と係合し、他端が軸装飾体６８の一方側（図４及び図５中、左側）と係合している。受け側軸６４は、一端が軸装飾体６８の他方側（図４及び図５中、右側）と係合し、他端から内部に光伝達軸６６が挿入されて受け側軸６４の全体に亘って光伝達軸６６が挿通される。

光伝達軸６６は、例えば透明な樹脂などを金型に射出することによって形成される。光伝達軸６６は、その先端６６ａが軸装飾体６８の内側に位置するように受け側軸６４の一端から受け側軸６４の内部に挿入され、その外形状と受け側軸６４の内形状とが係合して受け側軸６４と一体に回転する。光伝達軸６６は、受け側軸６４の軸端と当接する円板状のフランジ６６ｃが形成されているとともに、受け側軸６４から突出する軸端部６６ｂが円柱状に形成され、この軸端部６６ｂが軸受５７に挿入されることによって回転軸６０がケース５８Ｒに軸支される。光伝達軸６６は、軸装飾体６８の内側に位置する先端面６６ａが、軸方向に対して斜面となるように形成されている。なお、光伝達軸６６の先端６６ａは、発光用ユニット８０からの光を軸装飾体６８に好適に反射させる形状であればよく、多角錐形状などであってもよい。

軸装飾体６８は、例えば透明な樹脂などを金型に射出することによって形成される。軸装飾体６８は、アルミニウムなどによって表面に金属薄膜層が形成されており、外側からの光を反射させるとともに内側からの光を透過させる半透明状に構成されている。軸装飾体６８は、光を好適に反射するように多面体形状に形成され、２つの部材６８Ｌ、６８Ｒがネジ６８ｓで組み合わされることによって中空に形成されている。軸装飾体６８には、モータ側軸６２と受け側軸６４とが嵌挿される挿入口が形成されている。この挿入口にモータ側軸６２と受け側軸６４とが嵌挿されこれにより、軸装飾体６８は、モータ側軸６２と受け側軸６４と接続されてモータ側軸６２や受け側軸６４と一体に回転する。このように、この実施の形態では、軸装飾体６８は、回転軸６０の一部を構成する。

発光用ユニット８０は、図３や図５に示すように、出力ユニット５１とは反対側の回転軸６０の端部に配置され、ケース５８Ｒに支持される。発光用ユニット８０は、光伝達軸６６に向けて発光する装飾用ＬＥＤ８２や、装飾用ＬＥＤ８２を駆動するための図示しない駆動回路を有する。この実施の形態では、回転軸６０の一端側に出力ユニット５１が配置され、回転軸６０の他端側に発光用ユニット８０が配置されるので、回転軸６０周辺のスペースを有効に活用することができ、演出可動用機構５０全体の小型化を図ることができる。

筒装飾体７０は、図２や図３に示すように、回転軸６０の外周側に位置し、可動機構用モータ５２からの動力を受けて、回転軸６０の軸方向に沿って移動したり、回転軸６０と一体に回転したりする。この実施の形態では、 筒装飾体７０は、図６に示すように、回転軸６０の軸中央側および軸端側に移動可能な左側装飾体７０Ｌ及び右側装飾体７０Ｒの一対で構成されている。この実施の形態では、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとは、同一の形状に構成される。左側装飾体７０Ｌ及び右側装飾体７０Ｒのそれぞれは、軸端側部材７２ｅと中央側部材７２ｃとが組み合わされて構成されている。図７に、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒの一方を分解した様子を示す。

筒装飾体７０は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。この実施の形態では、回転軸６０の軸中央側に位置する中央側部材７２ｃは、透光性を有する材料で形成され、回転軸６０の軸端側に位置する軸端側部材７２ｅは、透光性を有さない材料で形成されるものとした。ただし、筒装飾体７０の透光性などについては、こうした例に限定されるものではない。

筒装飾体７０の軸端側部材７２ｅは、図３や図７に示すように、回転軸６０が挿入される筒状の軸端側筒体部７３ｅと、この軸端側筒体部７３ｅから外周側に延出する装飾部７５ｅとを有する。軸端側筒体部７３ｅは、図７に示すように、回転軸６０の軸外径より若干大きい内径の筒状に形成されており、 軸中央側（中央側部材側）に一段の段差が形成されて、この段差より軸中央側が拡口された形状に形成されている。この段差は、１８０度ごとの２つの螺旋状に形成されている。換言すれば、軸端側筒体部７３ｅの内面には、軸中央側に、１８０度ごとの２つの螺旋状の縁を有する凹部７４が形成されている。軸端側筒体部７２ｅから外周側に延出する装飾部７５ｅには、筒装飾体７０を発光させる図示しない装飾用ＬＥＤなどが取付けられ、この装飾用ＬＥＤからの光を中央側部材７２ｃに向けて通過させる孔が設けられている。

筒装飾体７０の中央側部材７２ｃは、図３や図７に示すように、回転軸６０が挿入される中央側筒体部７３ｃと、この中央側筒体部７３ｃから外周側に延出する装飾部７５ｃとを有する。中央側筒体部７３ｃは、図７に示すように、内径が回転軸６０の軸外径より若干大きく形成され、外径が軸端側筒体部７３ｅの凹部７４の内径に合わせて形成されている。中央側筒体部７３ｃの軸端側（軸端側部材７２ｅ側）の端は、軸端側筒体部７３ｅの凹部７４の縁形状と並行な形状、つまり、１８０度ごとの２つの螺旋状の縁を有する形状に形成されている。また、装飾部７５ｃは、図２や図６に示すように、筒装飾体７０が軸装飾体６８と接触することなく軸装飾体６８を外周側から覆うことができるように、軸心側に軸装飾体６８を収容する空間を有して軸中央側に突出する形状に形成されている。装飾部７５ｃの軸中央側の端部は、鋭角の凸部と凹部とが交互に（この実施の形態では６０度ごとに凸部と凹部の組が６つ）形成されている。この装飾部７５ｃの凸部と凹部とは、左側装飾体７０Ｌの凸部及び凹部と右側装飾体７０Ｒの凹部及び凸部とが接近したときに互いに嵌り合う形状に形成されている。また、装飾部７５ｃには、外周面及び内周面に複数の段が形成されており、図示しない装飾用ＬＥＤから装飾部７５ｃに光が出力されたときに装飾部７５ｃの複数の段のそれぞれで光が反射して、筒装飾体７０の意匠効果が高くなるように構成されている。

こうした軸端側部材７２ｅと中央側部材７２ｃとが、ネジ７９ｓで互いに連結されることによって左側装飾体７０Ｌや右側装飾体７０Ｒが形成される。このとき、中央側部材７２ｃの中央側筒体部７３ｃが軸端側部材７２ｅの軸端側筒体部７３ｅの凹部７４に挿入され、左側装飾体７０Ｌや右側装飾体７０Ｒには、図８に示すように、１８０度ごとに２つの螺旋状のガイド溝７８が形成される。なお、図８（ａ）は、図３中の左側装飾体７０Ｌを拡大した様子を示しており、図８（ｂ）は、左側装飾体７０Ｌを９０度回転させた断面の様子を示している。筒装飾体７０（左側装飾体７０Ｌ及び右側装飾体７０Ｒ）の内周面に設けられた２つのガイド溝７８の幅は、回転軸６０のモータ側軸６２及び受け側軸６４に形成されている突起６２ａ、６４ａの幅より若干大きく形成されている。また、筒装飾体７０の２つのガイド溝７８のそれぞれは、軸端側の一端に、軸端側筒体部７３ｅによって端部７８ｅが形成され、軸中央側の一端に、中央側筒体部７３ｃによって端部７８ｃが形成されている。実際に軸端側部材７２ｅと中央側部材７２ｃとを組み立てるときには、２つの螺旋状のガイド溝７８内に回転軸６０の突起６２ａ、６４ａを位置させて、軸端側部材７２ｅと中央側部材７２ｃとをネジ７９ｓで連結する。これにより、筒装飾体７０と回転軸６０とは、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａが筒装飾体７０の螺旋状のガイド溝７８を移動する範囲で、互いに回転可能に支持される。なお、この実施の形態では、軸端側部材７２ｅの軸端側筒体部７３ｅと中央側部材７２ｃの中央側筒体部７３ｃとが本発明の「筒体」を構成し、軸端側部材７２ｅの装飾部７５ｅと中央側部材７２ｃの装飾部７５ｃとが本発明の「第２装飾体」を構成する。

回転軸６０の突起６２ａ、６４ａは、回転軸６０に対して移動しないので、突起６２ａ、６４ａの螺旋状のガイド溝７８内での位置に従って、筒装飾体７０が回転軸６０に対して軸方向に移動する。例えば、突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８の軸中央側の端に位置するときには、筒装飾体７０が回転軸６０に対して最も軸端側に位置し、突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８の軸端側の端に位置するときには、筒装飾体７０が回転軸６０に対して最も軸中央側に位置する。この実施の形態では、筒装飾体７０が回転軸６０に対して最も軸中央側に位置するときには、左側装飾体７０Ｌ及び右側装飾体７０Ｒによって軸装飾体６８が完全に覆われ、遊技者による軸装飾体６８の視認が筒装飾体７０によって妨げられる。一方、筒装飾体７０が回転軸６０に対して軸端側に位置するときには、遊技者は、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの間から軸装飾体６８を視認することができる。

左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとは、互いが接近したときに装飾部７５ｃの凸部と凹部とが嵌り合って軸装飾体６８を完全に覆うことができるように、回転方向に互いに所定角度ずらして（凸部と凹部の一組の半分に相当する角度、この実施の形態では３０度）左右対称に配置される。回転軸６０のモータ側軸６２と受け側軸６４とは、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとが所定角度ずらして配置されることに応じて、突起６２ａ、６４ａが回転方向に所定角度ずれた位置となるように接続される（この実施の形態では約３０度ずらして接続される（図４参照））。つまり、モータ側軸６２の突起６２ａが左側装飾体７０Ｌのガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃに接するときには、受け側軸６４の突起６４ａが右側装飾体７０Ｒのガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃに接するように、筒装飾体７０や回転軸６０は構成される。

このように構成される演出可動機構５０では、可動機構用モータ５２から動力が出力されると、複数のギヤ５３〜５５を介して動力が伝達されて、回転軸６０が回転する。軸装飾体６８は回転軸６０の一部を構成しているので、回転軸６０が回転することによって軸装飾体６８も一体に回転する。回転軸６０の回転に伴って、回転軸６０の外周面に形成されている突起６２ａ、６４ａも回転し、回転方向において突起６２ａ、６４ａが筒装飾体７０のガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃと当接していないときには、ガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃに当接するまで突起６２ａ、６４ａは螺旋状のガイド溝７８内を移動する。このときには、筒装飾体７０は回転軸６０とともに回転することはなく回転軸６０の軸方向に沿って移動する。一方、回転方向において突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃに当接しているときには、突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃを押し、可動機構用モータ５２からの動力が突起６２ａ、６４ａからガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃに伝達されて、回転軸６０とともに筒装飾体７０も回転する。

具体的には、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａが筒装飾体７０のガイド溝７８の軸中央側の端部７８ｃに接して、筒装飾体７０が最も軸端側に位置するときに（図９（ａ）参照）、突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８内を移動できる方向（突起６２ａ、６４ａが端部７８ｃから遠ざかる方向）に回転軸６０が回転すると、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａが螺旋状のガイド溝７８を移動して、筒装飾体７０は回転することなく徐々に軸中央側に移動する（図９（ｂ）〜（ｄ）参照）。そのまま回転軸６０が約１８０度回転して、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８の軸端側の端部７８ｅに当接すると、筒装飾体７０が最も軸中央側に位置して軸装飾体６８を完全に覆う（図９（ｄ）参照）。この状態で、回転軸６０を同じ方向に更に回転させると、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８の端部７８ｅを押し、筒装飾体７０は、軸中央側に位置した状態で回転軸６０と一体に回転する（図９（ｄ）、（ｅ）参照）。この実施の形態では、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとが凹部及び凸部で互いに嵌り合う形状に形成されているので、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒの回転方向における互いの位置が規制され、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの互いの回転方向の位置がずれるのが抑制されてスムースに左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとを近接させることができる。また、軸装飾体６８の左右両側に配置される左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとのそれぞれが、回転軸６０の移動に伴って軸方向に移動するので、軸装飾体６８の左右一方のみに筒装飾体７０が配置されるものに比して、小さい筒装飾体７０の移動距離（回転軸６０の回転角度）で遊技者による軸装飾体６８の視認を妨げることができる。

また、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａが筒装飾体７０のガイド溝７８の軸端側の端部７８ｅに接して、筒装飾体７０が最も軸中央側に位置するときに（図１０（ａ）参照）、突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８内を移動できる方向（突起６２ａ、６４ａが端部７８ｅから遠ざかる方向）に回転軸６０が回転すると、突起６２ａ、６４ａが螺旋状のガイド溝７８内を移動して、筒装飾体７０は回転することなく徐々に軸端側に移動する（図１０（ｂ）〜（ｄ）参照）。そのまま回転軸６０が約１８０度回転して、突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８の軸中央側の端部７８ｃに当接すると、筒装飾体７０が最も軸端側に位置して、遊技者は筒装飾体７０の隙間から軸装飾体６８を視認することができる（図１０（ｄ）参照）。この状態で、回転軸６０を同じ方向に更に回転させると、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａがガイド溝７８の端部７８ｃを押し、筒装飾体７０は、軸端側に位置した状態で回転軸６０と一体に回転する（図１０（ｄ）、（ｅ）参照）。

つまり、演出可動機構５０では、可動機構用モータ５２を駆動することによって、筒装飾体７０を軸方向に移動させることができるとともに、筒装飾体７０を軸中央側または軸端側のいずれかに位置させた状態で、筒装飾体７０を回転軸６０と一体に回転させることができ、単一の動力源によって筒装飾体７０の移動と回転とを行うことができる。このため、可動機構用モータ５２を駆動して多様な演出動作を行うことができるとともに、演出可動機構５０の部品点数を少なくすることができるので、演出可動機構５０の小型化や製造コストなどの低減を図ることができる。そして、こうした演出可動機構５０がパチンコ遊技機１に搭載されることによって、簡易な構成でパチンコ遊技機１の遊技興趣を向上させることができる。

また、このように構成された演出可動機構５０では、発光用ユニット８０から光伝達軸６６に向けて光が出力されると、軸装飾体６８の内側に位置する光伝達軸６６の先端斜面で光が反射され、軸装飾体６８が内側から発光する。また、図示しない装飾用ＬＥＤによって筒装飾体７０を発光させることができる。このため、発光用ユニット８０や図示しない装飾用ＬＥＤを駆動制御することによって多様な演出動作を行うことができる。

遊技盤２の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第１始動入賞口、第２始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数（例えば１０個）の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。

遊技機用枠３の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ８Ｌ、８Ｒが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ９が設けられている。パチンコ遊技機１の遊技領域における各構造物（例えば普通入賞球装置６Ａ、普通可変入賞球装置６Ｂ、特別可変入賞球装置７等）の周囲には、装飾用ＬＥＤが配置されていてもよい。遊技機用枠３の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル（操作ノブ）が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量（回転量）に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング（タッチセンサ）が設けられていればよい。

遊技領域の下方における遊技機用枠３の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持（貯留）する上皿（打球供給皿）が設けられている。遊技機用枠３の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機１の外部へと排出可能に保持（貯留）する下皿が設けられている。

下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置（例えば下皿の中央部分）などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ３１Ａが取り付けられている。スティックコントローラ３１Ａは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置（例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など）には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ３１Ａの操作桿を操作手（例えば左手など）で把持した状態において、所定の操作指（例えば人差し指など）で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。

スティックコントローラ３１Ａの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機１と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤２の盤面と平行に配置された２つの透過形フォトセンサ（平行センサ対）と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤２の盤面と垂直に配置された２つの透過形フォトセンサ（垂直センサ対）とを組み合わせた４つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。

上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置（例えばスティックコントローラ３１Ａの上方）などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン３１Ｂが設けられている。プッシュボタン３１Ｂは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン３１Ｂの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン３１Ｂに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ３１Ａやプッシュボタン３１Ｂは、遊技者による操作が検出された場合、図１２に示す演出制御基板１２によって表示装置５における表示演出が変更されたり、演出可動機構５０における回転動作及び発光動作やスピーカ８Ｌ、８Ｒからの音声出力や遊技効果ランプ９などの発光体における点灯動作（点滅動作）などが行われる演出（例えば予告演出やリーチ演出）などにおいて使用されればよい。

次に、パチンコ遊技機１における遊技の進行を概略的に説明する。

パチンコ遊技機１では、遊技領域に設けられた通過ゲート４１を通過した遊技球が図２に示すゲートスイッチ２１によって検出されたことといった、普通図柄表示器２０にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器２０による普図ゲームが開始される。

この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示（導出表示）する。このとき、確定普通図柄として、例えば「７」を示す数字といった、特定の普通図柄（普図当り図柄）が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「７」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置６Ｂを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御（傾動制御）が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。

普通入賞球装置６Ａに形成された第１始動入賞口を通過（進入）した遊技球が図１１に示す第１始動口スイッチ２２Ａによって検出されたことなどにより第１始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第１開始条件が成立したことに基づいて、第１特別図柄表示装置４Ａによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置６Ｂに形成された第２始動入賞口を通過（進入）した遊技球が図１１に示す第２始動口スイッチ２２Ｂによって検出されたことなどにより第２始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第２開始条件が成立したことに基づいて、第２特別図柄表示装置４Ｂによる特図ゲームが開始される。

第１特別図柄表示装置４Ａや第２特別図柄表示装置４Ｂによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄（特図表示結果）を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄（大当り図柄）が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄（小当り図柄）が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。

特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド（「ラウンド遊技」ともいう）を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。

画像表示装置５に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒでは、第１特別図柄表示装置４Ａにおける第１特図を用いた特図ゲームと、第２特別図柄表示装置４Ｂにおける第２特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。

ここで、リーチ状態とは、画像表示装置５の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄（「リーチ変動図柄」ともいう）については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒにおける一部（例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｒなど）では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄（例えば「７」の英数字を示す飾り図柄）が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア（例えば「中」の飾り図柄表示エリア５Ｃなど）では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア５Ｌ、５Ｃ、５Ｒにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。

また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置５の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像（人物等を模した演出画像）を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示（あるいは単にリーチ演出）という。なお、リーチ演出には、画像表示装置５における表示動作のみならず、スピーカ８Ｌ、８Ｒによる音声出力動作や、遊技効果ランプ９などの発光体における点灯動作（点滅動作）、演出可動機構５０における回転動作および発光動作などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。

リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様（リーチ態様）が異なる複数種類の演出パターン（「リーチパターン」ともいう）が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性（「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう）が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。

一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性（大当り期待度）が高くなる。

パチンコ遊技機１には、例えば図１１に示すような主基板１１、演出制御基板１２、音声制御基板１３、ランプ制御基板１４、可動機構制御基板１６といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機１には、主基板１１と演出制御基板１２との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板１５なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機１における遊技盤２などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。

主基板１１は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機１における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板１１は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板１２などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板１１は、第１特別図柄表示装置４Ａと第２特別図柄表示装置４Ｂを構成する各ＬＥＤ（例えばセグメントＬＥＤ）などの点灯／消灯制御を行って第１特図や第２特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器２０の点灯／消灯／発色制御などを行って普通図柄表示器２０による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。

主基板１１には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ１００や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ１００に伝送するスイッチ回路１１０、遊技制御用マイクロコンピュータ１００からのソレノイド駆動信号をソレノイド８１、８２に伝送するソレノイド回路１１１などが搭載されている。

演出制御基板１２は、主基板１１とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板１５を介して主基板１１から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置５、スピーカ８Ｌ、８Ｒ、遊技効果ランプ９及び演出可動機構５０といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板１２は、画像表示装置５における表示動作や、スピーカ８Ｌ、８Ｒからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ９などにおける点灯／消灯動作の全部または一部、演出可動機構５０の回転動作や発光動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。

音声制御基板１３は、演出制御基板１２とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板１２からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ８Ｌ、８Ｒから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板１４は、演出制御基板１２とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板１２からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ９などにおける点灯／消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。

可動機構制御基板１６は、演出制御基板１２とは別個に設けられた演出可動機構制御用の制御基板であり、演出制御基板１２からの司令や制御データなどに基づき、演出可動機構５０の回転動作や発光動作を行うためのモータドライバ回路やＬＥＤドライバ回路などが搭載されている。可動機構制御基板１６は、位置検出センサ５９から回転軸の回転位置を検出信号を受信したり、可動機構用モータ５２や発光用ユニット８０に駆動制御信号を送信したりする。

図１１に示すように、主基板１１には、ゲートスイッチ２１、第１始動口スイッチ２２Ａ、第２始動口スイッチ２２Ｂ、カウントスイッチ２３からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ２１、第１始動口スイッチ２２Ａ、第２始動口スイッチ２２Ｂ、カウントスイッチ２３は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板１１には、第１特別図柄表示装置４Ａ、第２特別図柄表示装置４Ｂ、普通図柄表示器２０、第１保留表示器２５Ａ、第２保留表示器２５Ｂ、普図保留表示器２５Ｃなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。

主基板１１から演出制御基板１２に向けて伝送される制御信号は、中継基板１５によって中継される。中継基板１５を介して主基板１１から演出制御基板１２に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置５における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ８Ｌ、８Ｒからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ９や装飾用ＬＥＤの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンド、演出可動機構５０の回転動作や発光動作などを制御するために用いられる可動機構制御コマンドなどが含まれている。

主基板１１に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ１００は、例えば１チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するＲＯＭ（Read Only Memory）１０１と、遊技制御用のワークエリアを提供するＲＡＭ（Random Access Memory）１０２と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うＣＰＵ（Central Processing Unit）１０３と、ＣＰＵ１０３とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路１０４と、Ｉ／Ｏ（Input/Output port）１０５とを備えて構成される。

一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ１００では、ＣＰＵ１０３がＲＯＭ１０１から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機１における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、ＣＰＵ１０３がＲＯＭ１０１から固定データを読み出す固定データ読出動作や、ＣＰＵ１０３がＲＡＭ１０２に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、ＣＰＵ１０３がＲＡＭ１０２に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、ＣＰＵ１０３がＩ／Ｏ１０５を介して遊技制御用マイクロコンピュータ１００の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、ＣＰＵ１０３がＩ／Ｏ１０５を介して遊技制御用マイクロコンピュータ１００の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路１０４は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。

遊技制御用マイクロコンピュータ１００が備えるＲＯＭ１０１には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ＲＯＭ１０１には、ＣＰＵ１０３が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ＲＯＭ１０１には、ＣＰＵ１０３が主基板１１から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。

この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。

演出制御基板１２には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用ＣＰＵ１２０と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するＲＯＭ１２１と、演出制御用ＣＰＵ１２０のワークエリアを提供するＲＡＭ１２２と、画像表示装置５における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部１２３と、演出制御用ＣＰＵ１２０とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路１２４と、Ｉ／Ｏ１２５とが搭載されている。

一例として、演出制御基板１２では、演出制御用ＣＰＵ１２０がＲＯＭ１２１から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用ＣＰＵ１２０がＲＯＭ１２１から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用ＣＰＵ１２０がＲＡＭ１２２に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用ＣＰＵ１２０がＲＡＭ１２２に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用ＣＰＵ１２０がＩ／Ｏ１２５を介して演出制御基板１２の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用ＣＰＵ１２０がＩ／Ｏ１２５を介して演出制御基板１２の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。

演出制御用ＣＰＵ１２０、ＲＯＭ１２１、ＲＡＭ１２２は、演出制御基板１２に搭載された１チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。

演出制御基板１２には、画像表示装置５に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板１３に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板１４に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、可動機構制御基板１６に対して演出用データを示す情報信号を伝送したり位置検出センサ５９で検出された信号を可動機構制御基板１６から受信するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板１２には、スティックコントローラ３１Ａに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット３５Ａから伝送するための配線や、プッシュボタン３１Ｂに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ３５Ｂから伝送するための配線も接続されている。

図１１に示す演出制御基板１２に搭載されたＲＯＭ１２１には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ＲＯＭ１２１には、演出制御用ＣＰＵ１２０が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。

一例として、ＲＯＭ１２１には、演出制御用ＣＰＵ１２０が各種の演出装置（例えば画像表示装置５やスピーカ８Ｌ、８Ｒ、遊技効果ランプ９、演出可動機構５０及び装飾用ＬＥＤ、演出用模型など）による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機１における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンが格納されていてもよい。

特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。

演出制御用ＣＰＵ１２０は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン（特図変動時演出制御パターン）をセットする。こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用ＣＰＵ１２０から表示制御部１２３や音声制御基板１３、可動部材制御基板１６などに対して出力される。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。

この実施の形態では、リーチ演出が行われるときに、特図変動時演出制御パターンに従って演出可動機構５０による演出動作が行われる。演出可動機構５０による演出動作としては、可動機構用モータ５２を駆動制御することにより、筒装飾体７０を軸中央側に位置させて遊技者による軸装飾体６８の視認が妨げられた状態としたり（図２（ａ）参照）、筒装飾体７０を軸端側に位置させて左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの間から軸装飾体６８を視認できる状態としたり（図２（ｂ）参照）、これらの状態を維持して筒装飾体７０や軸装飾体６８を一体に回転させたりする。また、発光用ユニット８０や図示しない装飾用ＬＥＤを駆動制御することにより、筒装飾体７０や軸装飾体６８を発光させる。

リーチ演出における演出可動機構５０を用いた演出動作では、大当り期待度が高いリーチ演出のときほど、演出効果の高い演出動作が行われるように予め演出パターンを定めておいてもよい。例えば、ノーマルリーチ演出が行われるときには、筒装飾体７０を軸中央側に位置させて遊技者による軸装飾体６８の視認が妨げられた状態で筒装飾体７０が回転するよう回転軸６０を回転させるものとし、スーパーリーチ演出が行われるときには、筒装飾体７０を軸端側に位置させて左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの間から軸装飾体６８を視認できる状態で筒装飾体７０が回転するよう回転軸６０を回転させるものとしてもよい。

なお、演出可動機構５０を用いた演出動作については、これらの例に限定されるものではなく、可動機構用モータ５２や装飾用ＬＥＤ８２などを駆動することによって実現できる種々の演出動作が採用されればよい。また、リーチ演出以外の演出において、演出可動機構５０を用いた演出動作が行われてもよい。例えば、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出において、演出可動機構５０を用いた演出動作が行われてもよいし、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出において、演出可動機構５０を用いた演出動作が行われてもよいし、大当り演出において、演出可動機構５０を用いた演出動作が行われてもよい。

また、演出可動機構５０を用いた演出動作では、可動機構用モータ５２の回転速度（例えばｒｐｍ[round per minute]など）が演出動作ごとに変更されてもよいし、演出可動機構５０の状態に応じて可動機構用モータ５２の回転速度が変更されてもよい。例えば、筒装飾体７０を回転軸６０に対して移動させるときには、滑らかに筒装飾体７０が移動し始めるように可動機構用モータ５２の動作開始時の回転速度を大きくしたり、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａとガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃとが滑らかに接触するようにこれらが接触するときの可動機構用モータ５２の回転速度を小さくしたりしてもよい。

また、遊技者が遊技しないことを条件に入るデモンストレーションモード（デモモード）として、画像表示装置５において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示（デモ画面表示）を指定する客待ちデモ指定コマンドが主基板１１から演出制御基板１２に対して送信されているときには、筒装飾体７０を軸中央側に位置させて遊技者による軸装飾体６８の視認が妨げられた状態で、演出可動機構５０による演出動作が行われるものとしてもよい。つまり、デモモードに入っているときには、筒装飾体７０を軸端側に位置させて左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの間から軸装飾体６８を視認できる状態とはしないものとしてもよい。さらに、デモモードに入っているときには、遊技者による軸装飾体６８の視認が妨げられた閉状態で演出可動機構５０の駆動を停止したり、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの間から軸装飾体６８を視認できる開状態で演出可動機構５０の駆動を停止してもよい。こうすれば、演出可動機構５０の駆動を停止するため、省エネルギ化を図ることができる。この場合、所定タイミングごと（例えば、数十秒ごとや数分ごと）に、遊技者による軸装飾体６８の視認が妨げられた閉状態と、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの間から軸装飾体６８を視認できる開状態とが切り換えられてもよい。

また、演出制御用ＣＰＵ１２０が起動して所定の初期設定処理が実行されるときには、演出可動機構５０の可動機構用モータ５２を駆動して、回転軸６０を回転させるとともに、回転軸６０の回転位置を検出する位置検出センサ５９からの検出信号を監視して、回転軸６０の位置を認識してもよい。なお、このときには、位置検出センサ５９からの検出信号に基づいて、回転軸６０の回転位置が所定の初期位置となるように可動機構用モータ５２を駆動してもよい。また、例えば、演出可動機構５０の動作確認として、一旦筒装飾体７０を軸端側に位置させた後に筒装飾体７０を軸中央側に位置させて遊技者による軸装飾体６８の視認が妨げられた状態で回転軸６０が停止されるように、筒装飾体７０が軸端側に移動する回転方向に回転軸６０を所定角度（例えば、３６０度など）だけ回転させてから、筒装飾体７０が軸中央側に移動する回転軸６０の回転方向に回転軸６０を所定角度（例えば、３６０度など）だけ回転させてもよい。

このように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機１では、パチンコ遊技機１に搭載される演出可動機構５０が、外周面に突起６２ａ、６４ａが形成された回転軸６０と、突起６２ａ、６４ａと係合する螺旋状のガイド溝７８が形成された筒装飾体７０と、回転軸６０を回転させる可動機構用モータ５２と、を備えるので、１つの可動機構用モータ５２によって、筒装飾体７０を軸装飾体６８に対して移動させることができるとともに、軸装飾体６８に対する筒装飾体７０の位置を維持した状態で軸装飾体６８が設けられた回転軸６０と筒装飾体７０とを回転させることができ、簡易な構成でパチンコ遊技機１の遊技興趣を向上させることができる。

この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機１では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも１つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、演出可動機構５０の回転軸６０や筒装飾体７０は、図１２に示す変形例の回転軸１６０や筒装飾体１７０のように構成されてもよい。図１２に示す変形例の回転軸１６０には、回転方向に４つの装飾面を有する直方体形状に形成された軸装飾体１６８が設けられている。また、変形例の筒装飾体１７０は、回転軸１６０の左側に位置する左側装飾体１７０Ｌと回転軸１６０の右側に位置する右側装飾体１７０Ｒとの一組で構成され、左側装飾体１７０Ｌ及び右側装飾体１７０Ｒは、回転方向に１８０度対向して位置する２つの装飾面をそれぞれ有するとともに、左側装飾体１７０Ｌと右側装飾体１７０Ｒとで装飾面の位置が回転方向に９０度ずれるように配置されている。つまり、筒装飾体１７０は、左側装飾体１７０Ｌと右側装飾体１７０Ｒとを合わせて回転方向に４つの装飾面を有する。

軸装飾体１６８の４つの装飾面や、筒装飾体１７０の４つの装飾面には、図１２〜図１４に示すように、それぞれに識別情報が配置されている。図１２〜図１４の例では、筒装飾体１７０の４つの装飾面のそれぞれには、「チャンス」、「アツ」、「ＣＲＯＯ（パチンコ遊技機１の名称など）」、「潜伏モード」といった文字が付されており、軸装飾体１６８の４つの装飾面のそれぞれには、「大」、「激」、「裏」、「超」といった筒装飾体１７０の装飾面に付された内容を形容して遊技者の期待感を高めるような文字が付されている。

変形例の回転軸１６０や筒装飾体１７０には、上述の回転軸６０や筒装飾体７０と同様に互いに係合する突起や螺旋状のガイド溝が設けられており、回転軸１６０が回転することによって筒装飾体１７０が軸方向に移動したり回転軸１６０と一体に回転したりする。筒装飾体１７０が最も軸中央側に位置するときには、図１２や図１４（ａ）に示すように、左側装飾体１７０Ｌ及び右側装飾体１７０Ｒが軸装飾体１６８を完全に覆って遊技者による軸装飾体１６８の視認が妨げられ、筒装飾体１７０が最も軸端側に位置するときには、左側装飾体１７０Ｌ及び右側装飾体１７０Ｒの間から軸装飾体１６８を視認することができる。そして、変形例の回転軸１６０及び筒装飾体１７０は、筒装飾体１７０が最も軸端側に位置するときには、図１３や図１４（ｂ）〜（ｅ）に示すように、筒装飾体１７０の４つの装飾面のうちの特定の面と軸装飾体１６８の４つの装飾面のうちの特定の面同士が回転方向において同じ位置となるように構成されている（図１４の例では、「チャンス」−「大」（図１４（ｂ））、「激」−「アツ」（図１４（ｃ））、「ＣＲ○○」−「裏」（図１４（ｄ））、「潜伏モード」−「超」（図１４（ｅ））がそれぞれ回転方向において同じ位置となる）。

このように構成される変形例の回転軸１６０や筒装飾体１７０では、可動機構用モータ５２によって筒装飾体１７０が軸中央側に位置する状態で回転軸１６０と筒装飾体１７０とを一体に回転させることにより、筒装飾体１７０の４つの装飾面に配置された識別情報を選択して遊技者に表示することができる。また、可動機構用モータ５２によって筒装飾体１７０が軸端側に位置する状態で回転軸１６０と筒装飾体１７０とを一体に回転させることにより、軸装飾体１６８の４つの装飾面に付された識別情報と筒装飾体１７０の４つの装飾面に付された識別情報とを並べた状態で識別情報を選択して遊技者に表示することができる。変形例の回転軸１６０及び筒装飾体１７０が設けられた演出可動機構５０を制御するときには、例えば、可動機構用モータ５２を駆動制御することによって、回転軸１６０の突起が装飾体１７０のガイド溝の一端から他端まで移動する回転軸１６０の回転角度（上述した実施の形態の例では、約１８０度）より大きい所定の回転角度（例えば、３６０度など）回転軸１６０を回転させた後に、遊技者に表示する装飾面が前面（遊技者側）で停止するように回転軸１６０を停止させてもよい。こうすれば、確実に筒装飾体１７０が最も軸中央側に位置する状態または最も軸端側に位置する状態にして、筒装飾体１７０や軸装飾体１６８の装飾面を遊技者に表示することができる。

なお、軸装飾体１６８や筒装飾体１７０のそれぞれは、４つの装飾面を有するものに限定されるものではなく、３つの装飾面を有したり、５つ以上の装飾面を有してもよい。

上述した実施の形態における演出遊技機構５０の筒装飾体７０の螺旋状ガイド溝７８は、その端部７８ｅ、７８ｃ付近が回転方向に沿って、または、回転方向となす角度が小さく形成されていてもよい。こうすれば、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａのガイド溝７８内での初動をより滑らかなものとすることができる。また、筒装飾体７０のガイド溝７８の端部７８ｅ、７８ｃ付近には、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａを端部７８ｅ、７８ｃ保持する保持部が設けられてもよい。この保持部としては、例えば、図１５に示すように、端部７８ｅ近傍に突起６２ａ、６４ａの幅より若干幅が小さく形成された狭窄９０が設けられてもよいし、図１６に示すように端部７８ｅ付近の回転軸６０の軸方向となす角度が小さく形成されてもよいし、突起６２ａ、６４ａと端部７８ｅ、７８ｃとの間で互いに引き合う力が生じるように磁石などが設けられてもよい。こうした保持部を設けることにより、例えば、突起６２ａ、６４ａが端部７８ｅ、７８ｃに位置するときに、突起６２ａ、６４ａが端部７８ｅ、７８ｃから離れる方向に回転軸６０をゆっくり（比較的小さい加速度で）回転させることにより、突起６２ａ、６４ａを端部７８ｅ、７８ｃに位置させた状態で回転軸６０と筒装飾体７０とを一体に回転させることができる。また、突起６２ａ、６４ａが端部７８ｅ、７８ｃから離れる方向に回転軸６０を比較的速く（比較的大きい加速度で）回転させることにより、突起６２ａ、６４ａをガイド溝７８内で移動させて筒装飾体７０を軸方向に移動させることができる。

上述した実施の形態では、回転軸６０の外周面に突起６２ａ、６４ａが設けられるとともに筒装飾体７０の内周面に螺旋状のガイド溝７８が設けられるものとしたが、図１７に示すように、回転軸２６０の外周面に螺旋状のガイド溝２６０ａが設けられるとともに、筒装飾体２７０の内周面にガイド溝２６０ａと係合する突起２７０ａが設けられてもよい。

上述した実施の形態では、回転軸６０の突起６２ａ、６４ａは、軸外周面の１８０度対向する位置に２つが設けられ、筒装飾体７０の螺旋状のガイド溝７８は、１８０度ごとに２つが設けられるものとしたが、それぞれ１つずつ設けられたり、３つ以上設けられたりしてもよい。また、筒装飾体７０の螺旋状のガイド溝７８の軸方向に対する角度や形成される回転方向の角度範囲については適宜定めればよく、１８０度にわたって形成されるものに限定されるものではない。

上述した実施の形態では、中央側部材７２ｃと軸端側部材７２ｅとが組み合わされて筒装飾体７０やそのガイド溝７８が形成されるものとしたが、筒装飾体７０は、一部材で形成されてもよいし、３部材以上が組み合わされて形成されてもよい。また、回転軸６０は、モータ側軸６２や受け側軸６４、光伝達軸６６、軸装飾体６８の複数の部材が組み合わされて形成されるものとしたが、一部材で形成されてもよい。また、軸装飾体６８は、回転軸６０の一部を構成するものとしたが、回転軸６０に対して取り付けられるものでもよく、回転軸６０に対して回転可能に取付けられてもよい。

上述した実施の形態では、左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとは、近接したときに互いに嵌り合うように鋭角の凸部及び凹部が形成されるものとしたが、回転方向における互いの位置が規制されるように端部が正弦波状に形成されてもよいし、回転方向における互いの位置が規制されるように端部に磁石などが設けられてもよい。また、こうした凸部や凹部などの回転方向における互いの位置を規制する部位が形成されなくてもよい。また、筒装飾体７０は、回転軸６０の左右両側に左側装飾体７０Ｌと右側装飾体７０Ｒとの一組が設けられるものに限定されるものではなく、例えば、回転軸６０の所定区域ごとに複数設けられてもよいし、回転軸６０の左右一方に１つだけ設けられてもよい。

上述した実施の形態では、筒装飾体７０が軸中央側に位置するときに、遊技者による軸装飾体６８の視認が筒装飾体７０によって妨げられるものとしたが、こうしたものに限定されるものではなく、例えば、筒装飾体７０は、透明の材料で形成されるとともに所定の識別情報が配置され、筒装飾体７０の軸方向の移動に伴って、筒装飾体７０と軸装飾体６８とが別々に視認できたり、筒装飾体７０と軸装飾体６８とが重なって視認できたりしてもよい。また、筒装飾体７０と軸装飾体６８とが重なって視認されるときには、筒装飾体７０における装飾と軸装飾体６８における装飾とが組み合わされることによって、所定の識別情報が形成されるように軸装飾体６８や筒装飾体７０が構成されてもよい。

上述した実施の形態では、回転軸６０の一端側に出力ユニット５１が配置され、回転軸６０の他端側に発光用ユニット８０が配置されるものとしたが、回転軸６０の一端側に出力ユニット５１と発光用ユニット８０とが共に配置されてもよい。また、上述した実施の形態では、受け側軸６４に光伝達軸６６を挿入して、発光用ユニット８０から光伝達軸６６に光が出力されるものとしたが、受け側軸６４の内側に配線が通されるとともに軸装飾体６８の内側に装飾用ＬＥＤ８２が配置されてもよい。また、発光用ユニット８０などの軸装飾体６８や筒装飾体７０を光らせる機構を備えなくてもよい。

上述した実施の形態では、光伝達軸６６は、透明の材料で形成されて発光用ユニット８０からの光が先端の斜面６６ａで反射されるものとしたが、例えば、光伝達軸６６を半透明の材料で形成し、発光用ユニット８０からの光によって軸全体が光るものとしてもよい。

上述した実施の形態では、回転軸６０の一端側に可動機構用モータ５２が接続されるとともに回転軸６０の他端側が軸受５７で軸支されるものとしたが、回転軸６０の他端側は軸受で軸支されることなく、一端側だけで支持されてもよい。

上述した実施の形態では、演出可動機構５０は、遊技盤２に取り付けられてパチンコ遊技機１に搭載されるものとしたが、遊技機用枠３の所定位置に取り付けられてパチンコ遊技機１に搭載されてもよい。

上述した実施の形態では、遊技機として、パチンコ遊技機１に、本発明を適用して説明したが、例えば、スロットマシンやゲーム機などに上述の演出可動機構５０が搭載されるなど、他の遊技機に本発明を適用してもよい。

スロットマシンとは、例えば、所定の遊技媒体を１ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示装置に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示装置の可変表示を停止したときに導出表示された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態として所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成した遊技機である。

１ … パチンコ遊技機
２ … 遊技盤
３ … 遊技機用枠
４Ａ、４Ｂ … 特別図柄表示装置
５ … 表示装置
６Ａ … 普通入賞球装置
６Ｂ … 普通可変入賞球装置
７ … 特別可変入賞球装置
８Ｌ、８Ｒ … スピーカ
９ … 遊技効果ランプ
１０ … 始動入賞記憶表示器
１１ … 主基板
１２ … 演出制御基板
１３ … 音声制御基板
１４ … ランプ制御基板
１５ … 中継基板
１６ … 可動機構演出基板
２０ … 普通図柄表示器
２１ … ゲートスイッチ
２２Ａ、２２Ｂ … 始動口スイッチ
２３ … カウントスイッチ
３１Ａ … スティックコントローラ
３１Ｂ … プッシュボタン
５０ … 演出可動機構
５１ … 出力ユニット
５２ … 可動機構用モータ
５７ …軸受
５８Ｌ、５８Ｒ … ケース
６０、１６０、２６０ … 回転軸
６２ … モータ側軸
６４ … 受け側軸
６２ａ、６４ａ … 突起
６６ … 光伝達軸
６８、１６８ … 軸装飾体
７０、１７０、２７０ … 筒装飾体
７２ｃ … 中央側部材
７２ｅ … 軸端側部材
７３ｃ … 中央側筒体部
７３ｅ … 軸端側筒体部
７５ｅ … 装飾部
７５ｃ … 装飾部
７８ … ガイド溝
７８ｅ、７８ｃ … 端部
８０ … 発光用ユニット
８２ … 装飾用ＬＥＤ

Claims (1)

1. 演出用の演出機構が所定箇所に配設された遊技機であって、
   前記演出機構は、
   外周面に該外周面から突出する突起又は螺旋状のガイド溝が形成された回転軸と、
   前記回転軸が回転自在に挿入され、前記回転軸の突起と係合する螺旋状のガイド溝又は前記回転軸のガイド溝と係合する突起が形成された筒体と、
   前記回転軸に設けられた第１装飾体と、
   前記第１装飾体と接触しない配置で前記筒体に一体に設けられた第２装飾体と、
   前記回転軸を回転させる駆動手段と、
   を備え、
   前記駆動手段によって前記回転軸が第１の方向に回転することにより、前記突起が前記ガイド溝の一端に接して前記筒体及び前記第２装飾体が前記回転軸の一端側に位置した状態で前記回転軸と前記筒体とが回転し、前記駆動手段によって前記回転軸が前記第１の方向とは異なる第２の方向に回転することにより、前記突起が前記ガイド溝の他端に接して前記筒体及び前記第２装飾体が前記回転軸の他端側に位置した状態で前記回転軸と前記筒体とが回転する、
   ことを特徴とする遊技機。

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