JP5456088B2 - エンジン自動停止再始動装置 - Google Patents
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Description
以下、図1〜図10を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエンジン自動停止再始動装置の全体概略構成を示すブロック図である。
燃料噴射装置11は、エンジン10への燃料の供給を行い、点火装置12は、エンジン10に噴射された燃料への点火を行う。
また、エンジン制御装置50内のマイクロコンピュータ(以下、単に「エンジン制御装置50」という)は、具体的には図示しないが、アナログ信号(各種センサの検出信号など)をデジタル信号に変換するA/D変換器と、各種制御プログラム(エンジン自動停止再始動制御プログラムなど)を実行するCPUと、エンジン自動停止再始動制御プログラムおよび各種データテーブル(制御定数など)を記憶するROMと、各種制御プログラムを実行した際の変数などを記憶するRAMとにより構成されている。
図2において、エンジン制御装置50は、エンジン自動停止手段101を備えている。
エンジン自動停止手段101は、クランク角度センサ1および各種センサの検出情報に基づき、自動停止条件の成立/不成立および再始動条件の成立/不成立を判定し、燃料噴射装置11、点火装置12および始動装置20を制御して、エンジン10の自動停止および再始動を行う。
エンジン停止再始動判定手段102は、各種センサの検出信号を入力情報としてエンジン10の自動停止および再始動を判定する。
燃料噴射制御手段104は、エンジン停止再始動判定手段102の判定結果、エンジン再始動制御手段103の判定結果およびクランク角度信号を入力情報として、燃料噴射装置11を駆動制御する。
着火エネルギー蓄積判定手段106は、点火制御手段105の制御状態を入力情報として、着火エネルギーの蓄積状態を判定する。
始動装置制御手段107は、エンジン再始動制御手段103の判定結果を入力情報として、始動装置20を駆動制御する。
まず、エンジン停止再始動判定手段102は、各種センサ(車速センサ2、アクセル開度センサ3、ブレーキペダル4、イグニッションスイッチ5など)からの入力情報を用いて、エンジン10の自動停止条件の成否を判定する。
続いて、エンジン停止再始動判定手段102は、各種センサからの入力情報を用いて、エンジン10の再始動条件の成否を判定する。
また、始動装置制御手段107は、始動装置20の制御状態に応じて、点火制御手段105による点火装置12の駆動時期(点火コイルの通電遮断タイミングの対応したクランク角度)を変更する。
その後、一定時間の経過後に、スタータモータ23への通電が行われ、スタータモータ23は、ピニオンギア24を回転させて、ピニオンギア24に噛み合わされたリングギア13を回転させる。
以下の説明においては、エンジン制御装置50からの駆動信号によって点火装置12のトランジスタがONされている状態を、点火装置12への通電中とする。
図3はエンジン自動停止手段101によるエンジン自動停止処理ルーチンを示すフローチャートであり、図4はエンジン停止再始動判定手段102によるエンジン停止再始動判定処理ルーチンを示すフローチャートである。
さらに、図10は始動装置制御手段107による始動装置制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
図3〜図10の処理ルーチンは、エンジン制御装置50のROM内に格納されているエンジン自動停止再始動制御プログラムによって実行される。
一方、ステップS107において、F3=1(すなわち、YES)と判定されれば、エンジン10が自動停止中なので、再始動要求フラグF2の判定処理(ステップS105)に進む。
図4において、エンジン停止再始動判定手段102は、まず、イグニッションスイッチ5がONであるか否かを判定し(ステップS201)、イグニッションスイッチ5がOFFである(すなわち、NO)と判定されれば、後述の判定処理(ステップS210)に進む。
図5において、エンジン再始動制御手段103は、まず、エンジン再始動を実行するために、燃料噴射許可フラグF4を「1」にセットし(ステップS301)、クランク角度信号に基づくエンジン回転速度Neが所定回転速度(たとえば、600[rpm])未満であるか否かにより、エンジン10の始動が未完了であるか否かを判定する(ステップS302)。
図6において、燃料噴射制御手段104は、まず、燃料噴射許可フラグF4が「1」であるか否かを判定し(ステップS401)、F4=0(すなわち、NO)と判定されれば、燃料噴射許可指令が生成されていないので、図6の処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS402において、クランク角度信号が燃料噴射開始クランク角度である(すなわち、YES)と判定されれば、燃料噴射制御手段104は、燃料噴射装置11を駆動して、エンジン10に始動用燃料を噴射する(ステップS403)。
図7において、再始動要求(破線タイミング)が生成される前の自動停止中は、燃料噴射が中断されている。
その後、再始動要求の生成に応じた再始動開始後は、再始動開始(破線タイミング)とほぼ同時に、所定の複数気筒で燃料噴射が再開される。
その後は、所定タイミングで、すなわち、燃焼下死点前(BBDC)の5[deg]ごとに、各気筒に燃料が噴射される。
図8において、点火制御手段105は、まず、クランク角度信号に基づきエンジン10のクランクシャフトが回転している(Ne>0)か否かを判定し(ステップS501)、クランクシャフトが停止中(Ne=0)(すなわち、NO)と判定されれば、後述の判定処理(ステップS508)に進む。
たとえば、クランク角度信号の電圧レベルが0Vおよび5Vの場合は、クランクシャフトの回転方向が正回転であると判定され、クランク角度信号の電圧レベルが2.5Vおよび5Vの場合は、クランクシャフトの回転方向が逆回転であると判定される。
一方、ステップS502において、クランクシャフトの回転方向が正回転である(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、点火装置12への通電制御を実行すべき時期であるか否かを判定するために、クランク角度信号が点火装置12への通電開始クランク角度(たとえば、圧縮上死点前(BTDC)の75[deg])を示しているか否かを判定する(ステップS503)。
ステップS505において、クランク角度信号が通電遮断クランク角度でない(すなわち、NO)と判定されれば、図8の処理ルーチンを終了する。
図9において、着火エネルギー蓄積判定手段106は、まず、点火装置12への通電中であるか否かを判定し(ステップS601)、点火装置12への通電中でない(すなわち、NO)と判定されれば、後述のステップS604に進む。
ここで、点火装置12への通電時間は、点火装置12に対して非通電状態から通電状態に設定した後の通電継続時間を、エンジン制御装置50内でカウントすることにより計測することができる。
図10において、始動装置制御手段107は、まず、始動装置駆動要求フラグF5が「1」であるか否かを判定し(ステップS701)、F5=0(すなわち、NO)と判定されれば、後述の判定処理(ステップS705)に進む。
ここで、一定時間とは、ソレノイド21への通電開始後に、ピニオンギア24がリングギア13に当接するのに要する時間(たとえば、50[m秒])である。
ここで、クランク角度の遅角設定値は、たとえば、圧縮上死点後(ATDC)の105[deg]である。
図11はこの発明の実施の形態1による再始動時のエンジン10の動作を示すタイミングチャートであり、車両走行状態(Ne≧NeP)でエンジン自動停止処理が実行された際の動作を示している。
(b)のクランク角度においては、上死点=0[deg]として、180[deg]ごとに繰り返すクランク角度の時間的推移が示されている。
(d)の自動停止要求フラグF1は、自動停止条件が成立した場合には「1」にセットされ、再始動条件が成立した場合、またはイグニッションスイッチ5がOFFの場合には「0」にリセットされる。
(f)は自動停止中フラグF3の状態を示しており、自動停止中フラグF3は、エンジン10が自動停止中である場合には「1」にセットされ、エンジン10が始動完了した場合、またはイグニッションスイッチ5がOFFの場合には「0」にリセットされる。
(h)は始動装置駆動要求フラグF5の状態を示しており、始動装置駆動要求フラグF5は、再始動処理が実行されている場合には「1」にセットされ、エンジン10が始動完了した場合、またはイグニッションスイッチ5がOFFの場合には「0」にリセットされる。
(j)は着火エネルギー蓄積フラグF7の状態を示しており、着火エネルギー蓄積フラグF7は、点火装置12への通電が行われて着火に必要なエネルギーが点火装置12に蓄積されたと判定した場合には「1」にセットされ、着火に必要なエネルギーが点火装置12に蓄積されていないと判定した場合には「0」にリセットされる。
(m)はスタータモータ23への通電状態の時間的推移を示している。なお、スタータモータ23への通電状態は、電流センサを用いて実験的に求めたものである。
(o)は点火装置12への通電状態を示しており、点火装置12に通電されている場合には「1」がセットされ、点火装置12に通電されていない場合には「0」にリセットされる。
続いて、時刻t14において、時刻t12で噴射された燃料が吸入された気筒に対する点火に備え、(o)の点火装置12への通電を開始する(図8内のステップS504)。
図12においては、車両走行状態からエンジン自動停止を実行し、エンジン惰性回転中にドライバ操作に基づき再始動条件が成立すると燃料噴射を再開し、エンジン回転中にエンジン回転速度Neが所定回転速度を下回ると、始動装置20への通電を開始することによりピニオンギア24とリングギア13を噛み合わせ、その後、スタータモータ23のクランキングによりエンジン10が再始動を開始したときに、点火装置12への通電が着火に必要な所定時間だけ継続される前に、イグニッションスイッチ5がOFFされた場合の動作を示している。
時刻t25(時刻t15)に続く時刻t26において、(c)のイグニッションスイッチ5がOFFされ、(e)の再始動要求フラグF2が「0」にリセットされ、(f)の自動停止中フラグF3が「0」にリセットされ、(h)の始動装置駆動要求フラグF5が「0」にリセットされる(図4内のステップS210〜S213)。
図13は従来(前述の特許文献1)のエンジン自動停止再始動装置の動作を示すタイミングチャートであり、この発明の実施の形態1(図11)の動作に対比させた場合を示している。
図13の場合、エンジンのクランクシャフトが逆回転したか否かを検出可能なクランク角度センサにより、時刻t35においてエンジンの逆回転を検出すると、逆回転中は燃料噴射および点火を抑制するものの、エンジンが正回転に復帰すると点火の抑制が解除される。
図14は従来(前述の特許文献2)のエンジン自動停止再始動装置の動作を示すタイミングチャートであり、この発明の実施の形態1(図11)の動作に対比させた場合を示している。
図14の場合、初回の燃料噴射が行われた後に、始動装置の駆動要求が無くなった場合(時刻t46)には、点火を抑制しつつ、燃料が供給された特定気筒が排気行程を少なくとも1回迎えるまで始動装置の駆動を継続するので、噴射済み燃料が未燃焼のまま排気され、三元触媒の損傷および環境汚染を招くという課題があった。
また、点火制御手段105は、エンジン停止再始動判定手段102により再始動条件の不成立が判定された場合に、通電遮断クランク角度を遅角させて、点火装置12の点火タイミングを遅らせる。
また、エンジン10内に燃焼済みガスが留まることがないので、次回の始動が困難になることも防止することができる。
Claims (4)
- 車両走行中に自動停止条件が成立するとエンジンを自動停止させ、その後、再始動条件が成立すると前記エンジンを再始動させるエンジン自動停止再始動装置であって、
前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射装置と、
通電されることによりエネルギーを蓄積して通電遮断により前記エンジンへの点火を行う点火装置と、
通電されることにより前記エンジンを回転させる始動装置と、
前記エンジンのクランク角度および回転方向を検出するクランク角度センサと、
前記エンジンの運転状態を検出する各種センサと、
前記燃料噴射装置を制御する燃料噴射制御手段と、
前記始動装置を制御する始動装置制御手段と、
前記点火装置を制御する点火制御手段と、
前記各種センサからの検出情報に基づき前記エンジンの自動停止条件および再始動条件を判定し、前記自動停止条件の成立時に前記エンジンを自動停止させ、前記再始動条件の成立時に、前記燃料噴射制御手段、前記始動装置制御手段および前記点火制御手段を動作させて前記エンジンを再始動させるエンジン停止再始動判定手段と、を備え、
前記エンジン停止再始動判定手段は、
前記燃料噴射装置による燃料噴射済みの特定気筒に対して前記点火装置への通電中に、前記エンジンのクランクシャフトの逆回転または停止を検出した状態で前記再始動条件が不成立の場合には、前記特定気筒の点火が行われるまで前記始動装置への通電を行うことを特徴とするエンジン自動停止再始動装置。 - 前記点火制御手段は、前記エンジン停止再始動判定手段により前記再始動条件の不成立が判定された場合に、前記点火装置の点火タイミングを遅らせることを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止再始動装置。
- 前記点火装置に蓄積された着火エネルギー量を判定する着火エネルギー蓄積判定手段を備え、
前記点火制御手段は、前記エンジンのクランクシャフトの逆回転が検出されたときに、前記エンジン停止再始動判定手段により前記再始動条件の不成立が判定された状態で、かつ、前記着火エネルギー蓄積判定手段により前記着火エネルギー量が小さいと判定された場合には、直ちに前記点火装置への通電を遮断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン自動停止再始動装置。 - 前記着火エネルギー蓄積判定手段は、電源電圧と前記点火装置への通電時間とを監視することにより、前記着火エネルギー量を判定することを特徴とする請求項3に記載のエンジン自動停止再始動装置。
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