JP5454344B2 - 硬化性組成物、塗膜防水材およびその製造方法 - Google Patents

硬化性組成物、塗膜防水材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡防止性及び硬化物のゴム弾性物性、特に引裂性能に優れたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物、塗膜防水材およびその製造方法に関する。
従来から窯業系サイディング等で形成された建築物の外壁防水シーリング材、あるいは塩化ビニールシート等の樹脂性シート、タイル、木質板などの建築用部材の接着剤などの用途において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物が作業のしやすさ、硬化後の接着性の高さや、低モジュラスから高モジュラス(高伸びから低伸び)まで硬化後のゴム弾性物性を広範囲に調節できるなどの優れた点から広く用いられている。
しかし、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物を、湿気等の水分により反応硬化した場合、イソシアネート基濃度が高かったり、硬化速度を速めたりした場合、発生する炭酸ガスの量が多くなったり、急激に炭酸ガスが発生するなどして、硬化物内部に気泡が生じ、そのため外観の悪化、伸びなどのゴム引張物性の低下、接着性の低下などの不具合が生じるという問題がある。この問題を解決する手段として、本出願人は過去に、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、オキサゾリジン化合物を潜在硬化剤として配合する技術を提案してきた(特許文献1〜5)。
さて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物を塗膜防水材の用途に用いる場合、湿気等の水分による硬化の際に発泡しないことに加え、JIS A6021(2000年)「建築用塗膜防水材」に合格する性能を有する必要があり、特に引裂性能に優れることが強く要求されている。本出願人はこの分野においても、オキサゾリジン化合物を利用して耐候性を向上させることを過去に提案しているが、引裂強さについては考慮していなかった(特許文献6)。
また、オキサゾリジン化合物を利用する他の技術として、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとオキサゾリジン化合物との組合わせにおいて、特定のpKa値の炭化水素化合物あるいはリン酸シリルエステルを配合する技術が提案されているが、これらは貯蔵安定性を向上させることを目的としており、引裂強さについては言及されていない(特許文献7及び8)。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに特定のオキサゾリジン基を有するウレタン化合物と、特定粒子径を有するテレフタル酸微粒子を組合わせる技術も提案されているが、発泡防止性、耐熱性、耐アルカリ性の向上を目的としており、引裂強さについては言及されていない(特許文献9)。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーにオキサゾリ化合物を添加して、遊離のポリイソシアネート化合物を除去したものに、特定の引火点の化合物を配合する技術も提案されているが、同様に引裂強さについては言及されていない(特許文献10)。
また別の観点から、ウレタンプレポリマーからなる塗料等の硬化性組成物に耐候性等の性能を付与する目的で、アロファネート結合を有するポリイソシアネートを利用する技術があり、例えば、特定のジイソシアネートと特定のポリオールを反応させて得られる、特定のアロファネート結合を有するポリイソシアネートが、また、特定のジイソシアネートと水酸基含有化合物とを反応させる際、特定のジルコニウム化合物を触媒として使用し、アロファネート結合含有ポリイソシアネート組成物を製造する方法が、また、ウレタン基含有化合物とイソシアネート基含有化合物とを反応させてアロファネート結合含有化合物を製造する際に、特定の化合物触媒として用いるアロファネート化方法が、また、特定式で表されるアロファネート結合を有するポリイソシアネートが、また、特定のジイソシアネートモノマーから得られるイソシアネート末端プレポリマーと高分子可塑剤を含むポリイソシアネート組成物において、イソシアネート末端プレポリマーがアロファネート結合を含むことが、それぞれ開示されている(特許文献11〜15)。しかし、これらはイソシアネート原料を大過剰に使用し、反応後未反応のイソシアネート原料を除去しており、製造コストが大きくなるという不利な点を有している。
なお、アロファネート結合を利用する技術に関しては、本出願人も過去に、分子内にアロファネート結合を有するイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、低分子ポリオールのシリルマスク体を組合わせる技術を提案している(特許文献16)。
特開2005−206722号公報 特開2007−211040号公報 特開2007−284547号公報 特開2007−291223号公報 特開2009−73882号公報 特開2007−289849号公報 特開平11−269244号公報 特開2002−194048号公報 特開2005−226037号公報 特開2008−13695号公報 国際公開WO99/52960号公報 国際公開WO2002/032979号公報 特開平8−188566号公報 特開2001−278943号公報 特開2002−53634号公報 特願2009−169082号公報
本発明は、上述の問題に鑑みて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物において、優れた発泡防止性能を有することに加え、その硬化物が優れたゴム弾性物性、特に優れた引裂性能(引裂強さ)を有する硬化性組成物、塗膜防水材およびその製造方法を、低コストで提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、水分により加水分解して活性水素を再生することが可能なブロックアミン化合物を配合した系において、ウレタンプレポリマーとして、分子内にアロファネート結合を有するイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを用いることにより、低コストで得られる硬化性組成物が発泡防止性能に優れるとともに、ゴム弾性物性、特に引裂性能に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)とを反応して得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、ブロックアミン化合物(B)とを含有する硬化性組成物であって、該イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が分子内にアロファネート結合を有することを特徴とする硬化性組成物である。
そして、
(2)前記硬化性組成物は、これを水分により硬化して得られる硬化物の引裂強さが、14N/mm以上であるという優れた特徴を有する。
本発明において、
(3)前記分子内にアロファネート結合を有するイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)との反応後に、未反応の有機イソシアネート化合物(a)の除去操作をすることなしに得られたものである。
また、本発明において、
(4)前記有機イソシアネート化合物(a)が、芳香族系ジイソシアネートであることが好ましく、
さらに、
(5)前記芳香族系ジイソシアネートが、トルエンジイソシアネート類であることが好ましい。
また、
(6)前記高分子ジオール(b)が、数平均分子量が2,000以上のポリオキシアルキレン系ジオールであることが好ましい。
また、
(7)ブロックアミン化合物(B)が、オキサゾリジン化合物であることが好ましい。
また、本発明において、
(8)さらに、硬化促進触媒、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性付与剤、貯蔵安定性向上剤、着色剤および有機溶剤からなる群から選択される1種または2種以上の添加剤(C)を配合することができる。
なお、
(9)前記添加剤(C)が、p−トルエンスルホニルイソシアネートであることが好ましい。
また、
(10)前記添加剤(C)が、ナフテン系溶剤であることが好ましい。
また、本発明の第2は、
(11)有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)とを反応して得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、ブロックアミン化合物(B)とを含有する塗膜防水材であって、該イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が分子内にアロファネート結合を有することを特徴とする塗膜防水材である。
そして、本発明の第3は、
(12)有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)とを100〜180℃の温度で反応する工程(I−a)を行い、分子内にアロファネート結合を有するイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を合成する工程(I)と、工程(I)で得られたものとブロックアミン化合物(B)を混合する工程(III)とを有することを特徴とする硬化性組成物の製造方法である。
そして、前記合成工程(I)においては、
(13)反応工程(I−a)の実施後、未反応の有機イソシアネート化合物(a)を除去する工程(I−b)を実施しないことが好ましい。
そしてまた、
(14)前記反応工程(I−a)において、充填剤の存在下に反応を行うことが好ましい。
上述の構成をとることにより、本発明の硬化性組成物、塗膜防水材およびその製造方法は、発泡防止性能に優れるとともに、ゴム弾性物性、特に引裂性能に優れ、かつ低コストで製造できるという効果を奏する。
本発明について以下に詳しく説明する。
本発明の硬化性組成物は、硬化成分として用いるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、その分子内にアロファネート結合を有していることを大きな特徴としている。この硬化成分にブロックアミン化合物(B)を配合することにより、得られる硬化性組成物が、湿気(大気中の水分)等の水分により硬化する際、炭酸ガスの発生により発泡するのを防止するのみならず、得られる硬化物の引張強さ、伸び、引裂強さ等のゴム弾性物性、特に引裂性能(引裂強さ)に優れるという効果を発揮するものである。なお、本発明の硬化性組成物の水分による硬化物は、後述のJIS A 6021(2000年)「建築用塗膜防水材」の試験において引裂性能が14N/mm以上であることの規定に、十分適合する性能を有している。 先ず、本発明において用いる分子内にアロファネート結合を有するイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)(以下、ウレタンプレポリマー(A)と略称する。)について説明する。ウレタンプレポリマー(A)は、有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)とを、原料のアルコール性水酸基に対し、イソシアネート基過剰の条件、すなわち水酸基のモルに対するイソシアネート基のモル数の反応モル比(=イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)を1.3〜3.0、さらに1.5〜2.5、特に好ましくは1.8〜2.2で、そして反応温度を100〜180℃、好ましくは100〜150℃の比較的高温で反応させて得られるものであり、分子内にイソシアネート基を有し、かつアロファネート結合を有していることを特徴としている。反応モル比が1.3未満では得られるウレタンプレポリマー(A)の粘度が高くなり作業性が低下し、また、3.0を超えると未反応の有機イソシアネート化合物(a)が増加するため好ましくない。反応温度が100℃未満では分子内のアロファネート結合の含有量が低下しゴム弾性物性が低下するため、また、180℃を超えると増粘し作業性が低下するため好ましくない。
ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基の含有量は0.1〜10質量%が好ましく、さらに0.5〜5質量%が好ましい。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、ウレタンプレポリマー(A)が粘度上昇を起こし、イソシアネート基含有量が10質量%を超える場合は、水分により硬化する際、炭酸ガスの発生量が多くなり硬化物に発泡が生じるため好ましくない。
前記ウレタンプレポリマー(A)においては、分子内のアロファネート結合による分岐が形成されていることにより、このウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基の平均の官能性(官能基の数)は、原料の有機イソシアネート化合物(a)及び高分子ジオール(b)がともに2官能性であるにもかかわらず、2を超えた数となっている。これにより、ウレタンプレポリマー(A)を湿気等の水分により硬化した場合に、十分に網状化が進み、得られる硬化物のゴム弾性物性、特に引裂強さが極めて優れたものとなる。ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基の平均の官能性は、2.1以上、さらに2.1〜4.0、よりさらに2.1〜3.0、特に2.1〜2.5が好ましい。2.1未満では硬化後のゴム弾性物性が低下するため好ましくない
前記反応においては、先ずウレタン化反応によりウレタン結合を形成し、イソシアネート基及びウレタン結合を有するウレタン中間樹脂を生成する。この段階では、ウレタン中間樹脂のイソシアネート基の官能性は理論的に2と低く、分子形態が線状に近いため、湿気等の水分による硬化の際、網状化が進まず、硬化後のゴム弾性物性は悪いままである。その後、さらに反応が進行し、このウレタン結合の活性水素と、他のウレタン中間樹脂分子のイソシアネート基が反応し、アロファネート結合を形成し、分岐を生じることにより、イソシアネート基の官能性が2を超えた多官能のウレタンプレポリマー(A)が生成するため、水分による硬化物が十分網状化し、そのゴム弾性物性が優れたものになる。なお、この反応は、最初から100〜180℃の高温で、ウレタン化とアロファネート化の反応を同時に行っても良いし、最初50〜90℃の中温でウレタン化反応のみを行った後、100〜180℃の高温でアロファネート化の反応を行っても良い。
前記反応の際、少量の水分により生じた尿素結合の活性水素に他のウレタン中間樹脂分子のイソシアネート基が反応してビウレット結合を形成してウレタンプレポリマー(A)が高官能化すること、あるいはウレタン中間樹脂のイソシアネート基同士がイソシアヌレート結合を形成して高官能化することもあるが、これらの含有量は少なく、このウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基の高官能化は、主にアロファネート結合によるものである。このアロファネート結合の生成は、ウレタンプレポリマー(A)を赤外分光法(IR)により測定した赤外吸収スペクトルにおいて、1720cm−1と1690cm−1に一対の吸収が認められることにより確認することができる。また、NMRスペクトルの解析により、8.5ppm付近のアロファネート結合によるシグナルにより確認することもできる。
前記ウレタンプレポリマー(A)の製造方法としては、ガラス製やステンレス製などの反応容器に、有機イソシアネート化合物(a)と、高分子ジオール(b)とを前述の反応モル比で仕込み、反応触媒や反応溶剤の存在下、あるいは不存在下に、100〜180℃、好ましくは100〜150℃で反応させる工程(I−a)を実施し、反応後に蒸留や抽出等で、未反応の有機イソシアネート化合物(a)を除去する工程(I−b)を実施しないでウレタンプレポリマー(A)を製造する方法が挙げられる。この製造方法は、アロファネート結合を有するウレタンプレポリマー(A)を合成するに際し、通常行われている反応後に未反応の有機イソシアネート化合物(a)を除去する工程(I−b)を必要としないため、低コストで製造できるという大きな利点を有する。なお、コスト的に余裕があるならば、この未反応の有機イソシアネート化合物(a)の除去操作を行うことも可能である。この合成反応の際、イソシアネート基が湿気と反応すると、得られるウレタンプレポリマー(A)が増粘するため、窒素ガス置換、窒素ガス気流下などの湿気を遮断した状態で反応を行うことが好ましい。なお、この合成反応を、後述する重質炭酸カルシウム等の充填材の存在下で行うこともでき、この製造方法の方が、ウレタンプレポリマー(A)の合成と同時に硬化性組成物を得ることができ、工程を短縮できる点で好ましい。
前記反応触媒としては、後述する硬化促進触媒のうち、金属系触媒として挙げたものと同様の化合物が挙げられ、単独あるいは組み合わせて使用できるが、アロファネート化反応が進行しやすい点で、ジルコニウムと脂肪酸の塩が好ましく、さらにオクチル酸ジルコニウムが好ましい。また、前記反応溶媒としては、後述する有機溶剤として挙げた化合物と同様のものが使用できる。
なお、ウレタンプレポリマー(A)は、分子中に含まれるイソシアネートが湿気と接触することにより、室温で反応硬化する1液湿気硬化型の硬化成分として使用できる。
本発明における有機イソシアネート化合物(a)としては、2官能性の有機ジイソシアネート(a’)、単官能性の有機モノイソシアネート、2官能を超える有機ポリイソシアネートが挙げられ、有機ジイソシアネート(a’)としては、具体的に、イソシアネート基が芳香族炭素に結合している芳香族系ジイソシアネート、イソシアネート基が脂肪族炭素に結合している脂肪族系ジイソシアネートが挙げられ、脂肪族系ジイソシアネートとしてはさらに、芳香環を有しかつイソシアネート基が脂肪族炭素に結合している芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環を有する脂環族ジイソシアネートおよび脂肪族炭素のみからなる脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
有機イソシアネート化合物(a)の分子量は、得られるウレタンプレポリマー(A)の粘度を低下できる点で、1,000未満、さらに500以下の低分子量の有機ジイソシアネートモノマー(単量体)が好ましい。なお、本発明において高分子量とは数平均分子量が1,000以上のことをいい、低分子量とは数平均分子量が1,000未満のことをいう。
芳香族系ジイソシアネートのモノマーとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、あるいはこれらの混合物等のジフェニルメタンジイソシアネート類(MDI類);2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートあるいはこれらの混合物等のトルエンジイソシアネート類(TDI類);この他フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネートのモノマーとしては、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられ、脂肪族ジイソシアネートのモノマーとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネートなどが挙げられ、脂環族ジイソシアネートのモノマーとしてはシクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、これらのジイソシアネートのカルボジイミド変性ジイソシアネート、ウレトジオン変性ジイソシアネートなどの2量体も挙げられる。
有機モノイソシアネートとしては、ブチルモノイソシアネート、ヘキシルモノイソシアネート、フェニルモノイソシアネートなどが挙げられ、有機ポリイソシアネートとしては、前記有機ジイソシアネート(a’)のビウレット化三量体、イソシヌレート化三量体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDIまたはポリメリックMDIとも称す)などが挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて使用できるが、これらのうち得られるウレタンプレポリマー(A)の粘度が低く、かつ水分による硬化物のゴム弾性物性が良好な点で、有機ジイソシアネート(a’)が、さらに芳香族系ジイソシアネートが、特にトルエンジイソシアネート類が好ましい。
本発明における高分子ジオール(b)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000以上、さらに2,000以上、よりさらに2,000〜30,000、特に2,000〜20,000のものが好ましい。数平均分子量が1,000未満では、得られるウレタンプレポリマー(A)の水分による硬化物のゴム弾性物性や接着性が低下するため好ましくない。
前記高分子ジオール(b)としては、具体的に、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオキシアルキレン系ジオール、これらの共重合ジオールなどが挙げられ、ポリエステルジオールとしては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸、これらジカルボン酸のメチルエステルやエチルエステル等のアルキルエステル、またはこれらジカルボン酸の酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物等の低分子ジオール類の1種以上との脱水縮合反応で得られるポリエステルジオールが挙げられる。また、前記低分子ジオール類などを開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルジオールも挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、前述のポリエステルジオールの合成に用いられる低分子ジオール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは低分子ジオール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ジオールとしては、前記のポリエステルジオールの合成に用いられるのと同様の低分子ジオール類などを開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物の1種以上を開環付加重合あるいは共重合させた、ポリオキシエチレン系ジオール、ポリオキシプロピレン系ジオール、ポリオキシブチレン系ジオール、ポリオキシテトラメチレン系ジオール、ポリ−(オキシエチレン)−(オキシプロピレン)−ランダムあるいはブロック共重合ジオール、さらに、前記のポリエステルジオールやポリカーボネートジオールを開始剤としたポリエステルエーテルジオール、ポリカーボネートエーテルジオールなどが挙げられる。また、これらポリオキシアルキレン系ジオールと前記したような有機ジイソシアネート(a)とを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたジオールも挙げられる。
さらに、ポリオキシアルキレン系ジオールは、その分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが、得られるウレタンプレポリマー(A)の粘度を低下でき、水分による硬化後のゴム弾性物性が良好となる点で好ましい。
また本発明においては、本発明の目的を逸脱しない範囲で、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低分子モノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキシド等の環状エーテル化合物を開環付加重合させたポリオキシプロピレン系モノオール等のポリオキシアルキレン系モノオール、あるいは、グリセリンやトリメチロールプロパンを開始剤として、前記プロピレンオキシド等の環状エーテル化合物を開環付加重合させたポリオキシプロピレン系トリオール等の3官能以上のポリオキシアルキレン系ポリオールなども少量使用できる。
なお、前記ポリオキシアルキレン系ジオールなどの「系」とは、分子1モル中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、さらに80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエステル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されているのが最も好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
前記高分子ジオール(b)として挙げた化合物は単独または2種以上を組み合わせて使用することができるが、これらのうち、得られるウレタンプレポリマー(A)の水分による硬化物のゴム弾性物性や接着性が良好な点で、高分子の、好ましくは数平均分子量が2,000以上のポリオキシアルキレン系ジオールが好ましく、さらに高分子の、数平均分子量が2,000以上のポリオキシプロピレン系ジオールが好ましい。
次に本発明におけるブロックアミン化合物(B)について説明する。ブロックアミン化合物(B)は、第1級および/または第2級のアミノ基を有する化合物の窒素原子に結合した活性水素をケトンやアルデヒド等のカルボニル基を有する化合物と脱水反応し、ブロックした化合物であり、これを前記ウレタンプレポリマー(A)に配合して得られる硬化性組成物は、容器中に密閉して貯蔵されている間は反応しないが、開封して施工対象物に施工され湿気等の水分と接触すると、ブロックアミン化合物(B)が加水分解を起こし、窒素原子に結合した活性水素を再生し、この再生した活性水素とウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基が反応し架橋・硬化するため、いわゆる潜在硬化剤として機能するものである。
これは、硬化性組成物が水分と接触して硬化する際、ウレタンプレポリマー(A)中のイソシアネート基が水分と反応し、炭酸ガスを発生しながら硬化する前に、ブロックアミン化合物(B)が水分により加水分解を起こし、第1級および/または第2級のアミノ基の活性水素を再生し、これらのアミノ基由来の活性水素がイソシアネート基と反応する速度は、水の活性水素がイソシアネート基と反応する速度より速いため、炭酸ガスを発生することなく、尿素結合を形成して硬化するため、得られる硬化物には炭酸ガスによる発泡が生じないのである。
ブロックアミン化合物(B)の使用量は、ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基1モルに対して、アミン化合物(B)が加水分解して再生する窒素原子に結合した活性水素の量が0.1〜2モル、さらに0.3〜1.1モルとなるように使用するのが好ましい。
前記ブロックアミン化合物(B)としては、具体的には第1級および/または第2級アミノ基を有する化合物のケチミン化合物、アルジミン化合物、オキサゾリジン化合物、又はこれらの任意の混合物が挙げられ、ケチミン化合物は第1級アミノ基を有する化合物とケトン類との脱水反応により、アルジミン化合物は第1級アミノ基を有する化合物とアルデヒド類との脱水反応により、オキサゾリジン化合物はモノエタノールアミンやジエタノールアミンなどの第1級アミノ基や第2級アミノ基を有するアミノアルコールとアルデヒド類との脱水反応により、それぞれ得ることができる。
前記第1級および/または第2級アミノ基を有する化合物としては、ポリアミン、ポリアミノシラン、アミノアルコール等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。ポリアミンとしては、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、メチルアミノプロピルアミン、3,3’−ジアミノジプロピルアミンなどが挙げられる。ポリアミノシランとしては、例えば、N−6−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。アミノアルコールとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。
前記ケトン類としては、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類;プロピオフェノン、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類;アセト酢酸エチル等のβ−ジカルボニル化合物、またはこれらの任意の混合物が挙げられる。
前記アルデヒド類としては、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ペンチルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−メチルペンタナール、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クミンアルデヒド、またはこれらの任意の混合物などが挙げられる。
前記ブロックアミン化合物(B)として挙げた化合物のうち、得られる硬化性組成物の貯蔵安定性と発泡防止性能に優れている点で、オキサゾリジン化合物が好ましく、さらにジエタノールアミンとイソブチルアルデヒドとの脱水反応で得られるオキサゾリジン化合物が好ましい。さらに、ジエタノールアミンとアルデヒド類との脱水反応で得たオキサゾリジン基を有する化合物の分子中に残存する水酸基を、前述のウレタンプレポリマー(A)の合成において挙げたのと同様の有機イソシアネート化合物(a)のイソシアネート基でウレタン化して得られるウレタン結合含有オキサゾリジン化合物が特に好ましい。この場合、使用する有機イソシアネート化合物(a)としては、得られる潜在硬化剤の粘度が低い点で、脂肪族系ジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
次に、前記ウレタンプレポリマー(A)とブロックアミン化合物(B)とからなる系に、さらに配合することが好ましい添加剤(C)について説明する。添加剤(C)は、硬化性組成物に配合して、硬化促進や接着性の向上など各種の性能を向上させるために使用するものであり、具体的には、硬化促進触媒、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性向上剤(脱水剤)、着色剤、有機溶剤などが挙げられ、硬化性組成物の用途に応じて、これらの群から選択される1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化促進触媒は、硬化性組成物の硬化反応を促進させる化合物であり、ブロックアミン化合物(B)の加水分解反応速度を促進させる加水分解促進触媒あるいは加水分解反応により再生した活性水素または水分の活性水素とイソシアネート基との反応速度を高める金属系触媒が挙げられる。
加水分解促進触媒としては、具体的には、有機カルボン酸系化合物、p−トルエンスルホニルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネートと水分との反応物などが挙げられ、有機カルボン酸系化合物としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、2−エチルヘキサン酸、オクテン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸;マレイン酸等の不飽和カルボン酸;フタル酸、安息香酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸、これらの酸無水物などが挙げられる。p−トルエンスルホニルイソシアネートとしては、日本曹達社がPTSIの商品名で上市しているものなどが挙げられる。なお、p−トルエンスルホニルイソシアネートは、硬化性組成物中の含水分と速やかに反応するため、貯蔵安定性の効果も併せ持つため、特に好ましい。
p−トルエンスルホニルイソシアネートと水分との反応物は、硬化性組成物に配合する前に、p−トルエンスルホニルイソシアネートと水分とを予め反応して得られたものであってもよいし、p−トルエンスルホニルイソシアネートを硬化性組成物に配合している間、あるいは硬化性組成物に配合した後貯蔵中に、後述する添加剤中などに含まれる水分と反応して生成したものであってもよい。金属系触媒としては、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス、オクチル酸ジルコニウム等の、ビスマス、亜鉛、ジルコニウム、錫等の金属と、オクチル酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジアセテート等の有機錫と有機酸との塩;ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アセチルアセトン第一コバルト、第二鉄トリス(アセチルアセトナート)等の金属キレート化合物などが挙げられる。
硬化促進触媒の使用量は、ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.001〜10質量部、特に0.01〜5質量部配合するのが好ましい。使用量が0.001質量部未満では硬化促進効果がなく、10質量部を超えると貯蔵安定性が低下するため好ましくない。
可塑剤は、硬化性組成物の粘度を下げ作業性を改善するとともに、硬化物のゴム弾性物性を調節する目的で使用され、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類などの分子量1,000未満の低分子量の可塑剤;前記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成に使用されるのと同様のポリエーテルポリオールまたはポリエーテルモノオールをエーテル化またはエステル化した化合物;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレン類などのイソシアネート基と反応しない分子量1,000以上の高分子量の可塑剤が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
可塑剤は、ウレタンプレポリマー(A)の100質量部に対して、1〜200質量部、さらに2〜50質量部配合するのが好ましい。
耐候安定剤は硬化物の酸化、光劣化、熱劣化を防止して耐候性だけでなく耐熱性をさらに向上させる目的で使用され、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられ、ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等の分子量1,000未満の低分子量のヒンダードアミン系光安定剤;旭電化工業社製、商品名アデカスタブLA−63P、LA−68LDなどの分子量1,000以上の高分子量のヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、BASFジャパン社がIRGANOX1010名で一般市販しているペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤;オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
これらは単独または2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち耐候性向上の効果が高い点で、ヒンダードアミン系光安定剤および/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。耐候安定剤は、ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.01〜30質量部、さらに0.1〜10質量部配合するのが好ましい。
充填剤は、硬化性組成物の増量や硬化物の物性補強を目的として使用され、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカ等の合成シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの無機粉末状充填剤;ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤;ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン状充填剤などの無機系充填剤;あるいはこれらの表面を脂肪酸などの有機物で処理した充填剤;木粉、クルミ殻粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレンなどの粉末や中空体、サランマイクロバルーンなどの有機系バルーン状充填剤などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。これらは単独または2種以上組み合わせて使用でき、その使用量は、ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.1〜500質量部、さらに1〜300質量部が好ましい。
揺変性付与剤は、硬化性組成物のタレ(スランプ)の防止を目的として使用され、親水性または疎水性の微粉末シリカ、脂肪酸処理炭酸カルシウム等の無機揺変性付与剤;有機ベントナイト、脂肪酸アマイド等の有機揺変性付与剤が挙げられ、これらのものの中から適宜選択して使用することができる。
接着性向上剤は、硬化性組成物の接着性の向上を目的として使用され、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤またはその部分加水分解縮合物を挙げることができ、このうちシラン系カップリング剤またはその部分加水分解縮合物が接着性に優れているため好ましい。
このシラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有する分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物またはこれらシラン系カップリング剤の1種または2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物を挙げることができる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
貯蔵安定性向上剤(脱水剤)は、硬化性組成物の貯蔵安定性を向上させる目的で使用され、硬化性組成物中に存在する水分と反応して脱水剤の働きをするビニルトリメトキシシラン、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられ、これらを単独または組み合わせて使用でき、これらのうち貯蔵安定性向上の効果が高い点でp−トルエンスルホニルイソシアネートが好ましく、貯蔵安定性向上剤の使用量は、ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.01〜50質量部、さらに0.01〜10質量部が好ましい。
着色剤は、硬化性組成物を着色し、硬化物に意匠性を付与する目的で使用され、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
前記有機溶剤は、本発明の硬化性組成物の粘度を下げ、押出しや塗布の作業性を向上させるために使用するものであり、酢酸エチルなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤;n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、これらの混合物等のナフテン系溶剤;トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤でイソシアネート基と反応しない化合物が挙げられる。なお、ナフテン系溶剤の一般市販品として、エクソンモービル社のエクソールシリーズのD30、D40、D80、シェルケミカルズジャパン社のシェルゾールシリーズのD40,D60,D70などが好適なものとして挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用できる。これらのうち、毒性が低く、ウレタンプレポリマー(A)の粘度低減効果も高い点でナフテン系溶剤が好ましい。しかしながら、揮発物質の放散を抑え、環境に対して悪影響を及ぼさないためには、有機溶剤の使用量はできるだけ少量に抑えることが好ましく、硬化性組成物全体の10質量%以下、さらに5質量%以下にすることが好ましい。
なお、本発明の硬化性組成物は主剤と硬化剤の混合の手間がなく、配合ミスによる硬化不良の発生もなく作業性に優れているため、硬化性組成物を湿気に接触させることにより硬化させる、一液湿気硬化型として使用するのが特に好ましいが、水を硬化剤とする二液硬化型としても使用できる。
また、本発明の硬化性組成物は、夏場の季節を想定した高温、多湿の厳しい条件下でも硬化物が発泡せずに硬化し、硬化物のゴム弾性物性を低硬度で高伸びから高硬度で低伸びのものまで広範囲に調節することができ、さらに接着性、耐水性や耐候性等の耐久性などにも優れているため、建築用、土木用の塗料、塗膜防水材、接着剤、シーリング材などの各種の用途に使用できるが、特に硬化物の引裂性能に優れているため、塗膜防水材の用途に用いるのが最も適している。
また、本発明の硬化性組成物が施工の対象とする材料としては、モルタルやコンクリート等のセメント系材料;大理石等の天然石材料;サイディングやタイル等の窯業系材料;ポリプロピレンや塩化ビニル等の各種合成樹脂製のシート状や板状の材料;木材や合板等の木質系材料などが、接着性が良好なため好適に挙げられる。
次に、本発明の第3にかかわる硬化性組成物の製造方法について説明する。前述のウレタンプレポリマー(A)の製造方法において記述したように、ステンレス製などの反応装置あるいは混合装置を用い、有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)とを、前述したような反応モル比で仕込んだ後、加温し前述したような反応温度で反応する工程(I−a)をおこないウレタンプレポリマー(A)を合成する工程(I)を実施する。
この反応工程(I−a)においては、充填剤のない状態で反応することも、あるいは有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)に、さらに前記充填剤を仕込み、充填剤の存在下に反応し、ウレタンプレポリマー(A)を合成する工程(I)と同時に、充填剤との混合物(A’)を得る工程(I’)を実施することもでき、工程を短縮できる点で、工程(I’)の方が好ましい。また、ウレタンプレポリマー(A)の合成工程(I)において、前述したように、反応後に未反応の有機イソシアネート化合物(a)の除去操作(I−b)を実施することもできるが、除去操作(I−b)を実施しない方が低コストで製造できる点で好ましい。これとは別にステンレス製などの反応装置を用い、ブロックアミン化合物(B)成分を合成する工程(II)を実施する。次いで工程(I)あるいは工程(I’)で得られたものに、工程(II)で得られたものを加え、さらに好ましくは必要に応じて選択した添加剤(C)成分を配合し、混合する工程(III)を実施し、次いで好ましくは減圧脱泡して、硬化性組成物を製造する方法が挙げられる。なお、ブロックアミン化合物(B)は、市販のものを使用することもできる。
なお、(A)成分や(B)成分は湿気に触れると反応して、増粘や加水分解を起こすため、反応合成や攪拌、混合は、湿気に触れないように密封状態または窒素ガス雰囲気下などの湿気を遮断した状態において行うのが好ましい。製造した硬化性組成物もまた湿気に触れると反応して、増粘、硬化するものであるため、貯蔵に際しては、湿気を遮断できる容器に詰め、密封して貯蔵するのが好ましい。前記容器としては、特に限定されないが、ステンレス製、鉄製等の金属製のドラム缶、角型缶、円筒形缶;金属製や合成樹脂製のペール缶や袋状容器;ラミネート処理した紙製や合成樹脂製のカートリッジ状容器など各種挙げられる。
以下、本発明について、硬化性組成物として、1液湿気硬化型塗膜防水材を例にとり実施例等により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1 ウレタン結合含有オキサゾリジン化合物O−1の合成
攪拌機、温度計、窒素シール管、エステル管および加熱・冷却装置のついた反応容器に、窒素ガスを流しながら、ジエタノールアミン(分子量105)を420g、トルエンを177gおよびイソブチルアルデヒド(分子量72.1)を317g仕込み、攪拌しながら加温し、副生する水(71.9g)を系外に除去しながら、110〜150℃で還流脱水反応を行った。水の留出が認められなくなった後、さらに減圧下(50〜70hPa)で加熱し、トルエンと未反応のイソブチルアルデヒドを除去し、中間の反応生成物であるN−ヒドロキシエチル−2−イソプロピルオキサゾリジンを得た。次いで、得られたN−ヒドロキシエチル−2−イソプロピルオキサゾリジン636gに、さらにヘキサメチレンジイソシアネート(分子量168)を336g加え、80℃で8時間加熱し、滴定による実測NCO含有量が0.0質量%になった時点で反応終了とし、分子内にオキサゾリジン環を2個有するウレタン結合含有オキサゾリジン化合物O−1を得た。この得られたウレタン結合含有オキサゾリジン化合物O−1は、常温で液体であった。
(1液湿気硬化型塗膜防水材の製造と試験)
実施例1
攪拌機、温度計、窒素シール管および加熱、冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながら、ポリオキシプロピレンジオール(旭硝子社製、エクセノール3021、数平均分子量3,220)を902g、フタル酸ジオクチル88gおよびナフテン系溶剤(エクソンモービル社製、エクソールD40)を126g仕込み、攪拌しながらそれぞれ予め100〜110℃の乾燥器中で乾燥し、水分含有量を0.05質量%以下にした重質炭酸カルシウム1,260g、酸化チタン20gおよびカーボンブラック2gを順次仕込み、均一になるまで1時間混練した。次いでトルエンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、コロネートT−80、分子量174.2)を98gおよび反応触媒としてオクチル酸ジルコニウム0.4gを仕込み、120〜125℃に加温し、3時間反応を行った後、室温まで冷却した。この際の反応モル比(原料のイソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)は2.0である。次いで、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン社(旧チバ・ジャパン社)製、IRGANOX1010)を10g、p−トルエンスルホニルイソシアネート1g及びウレタン結合含有オキサゾリジン化合物O−1を86g仕込み、均一になるまでさらに30分間混練した後、50〜100hPaで減圧脱泡し、ブリキ製の角缶容器に充填密封して、1液湿気硬化型塗膜防水材S−1を製造した。
得られた1液湿気硬化型塗膜防水材S−1は、B型回転粘度計を用い測定した25℃における粘度が4,200mPa・sの常温で粘稠なグレー色液状体であった。
実施例2
実施例1において、可塑剤のフタル酸ジオクチルを使用しない以外は同様にして、1液湿気硬化型塗膜防水材S−2を製造した。
得られた1液湿気硬化型塗膜防水材S−2は、25℃における粘度が9,600mPa・sの常温で粘稠なグレー色液状体であった。
実施例3
実施例1において、トルエンジイソシアネートを108g使用し、反応モル比を2.2で反応した以外は同様にして、1液湿気硬化型塗膜防水材S−3を製造した。
得られた1液湿気硬化型塗膜防水材S−3は、25℃における粘度が5,200mPa・sの常温で粘稠なグレー色液状体であった。
比較例1〜3
実施例1〜3のそれぞれにおいて、120〜125℃で3時間反応する代わりに、75〜80℃で3時間反応した以外は同様にして、1液湿気硬化型塗膜防水材比較S−1〜比較S−3をそれぞれ製造した。
得られた1液湿気硬化型塗膜防水材は、25℃における粘度が、比較S−1が5,500mPa・s、比較S−2が6,700mPa・s、比較S−3が5,400mPa・sのそれぞれ常温で粘稠なグレー色液状体であった。
比較例4〜6
実施例1〜3のそれぞれにおいて、ポリオキシプロピレンジオール724gとポリオキシプロピレントリオール178g使用し、トルエンジイソシアネートを比較例4および比較例5においては102g、比較例6においては112gそれぞれ使用し、120〜125℃で3時間反応する代わりに、75〜80℃で3時間反応した以外は同様にして、1液湿気硬化型塗膜防水材比較S−4〜比較S−6をそれぞれ製造した。
得られた1液湿気硬化型塗膜防水材は、25℃における粘度が、比較S−4が5,400mPa・s、比較S−5が7,200mPa・s、比較S−6が4,600mPa・sのそれぞれ常温で粘稠なグレー色液状体であった。
実施例1〜3および比較例1〜6で得られた1液湿気硬化型塗膜防水材を用いて、下記の試験方法により試験をした結果を、仕込み組成および反応条件とともに表1〜表3に記載する。
表2に示すポリオキシプロピレンジオールのみを使用し、ウレタンプレポリマーがアロファネート結合を有さない比較例のものは、伸びは優れているものの、引張強さや特に引裂性能に劣り、また、表3に示す通常のウレタンプレポリマーの例であるポリオキシプロピレンジオールとポリオキシプロピレントリオールを使用し、ウレタンプレポリマーがアロファネート結合を有さない比較例のものは、引張強さや温度依存性、特に引裂性能に劣る結果であるのに対して、表1に示す本発明の実施例においては、ポリオキシプロピレンジオールのみを使用しているにもかかわらず、ウレタンプレポリマーがアロファネート結合を有していることにより、引張性能、引裂性能、温度依存性の全てにおいて優れており、特に引裂強さが14N/mm以上を示し、本発明の硬化性組成物が優れていることを示している。
(試験方法)
1)プレポリマー中のイソシアネート基およびアロファネート結合の有無の確認試験
得られた1液湿気硬化型塗膜防水材を約0.2g採取し、これにシクロヘキサン10mlを加え溶解した後、遠心分離機にかけて得られた上澄み液を試料とした。この試料をFTIRにかけ、得られた赤外線吸収スペクトルにおいて2270cm−1付近に強い吸収が認められるものを、(ウレタン)プレポリマー中にイソシアネート基ありと判定した。
また、同じ赤外線吸収スペクトルにおいて1720cm−1付近と1690cm−1付近に一対の吸収が認められるものを、(ウレタン)プレポリマー中にアロファネート結合ありと判定し、かかる一対の吸収が認められないものをアロファネート結合なしと判定した。
2)JIS A 6021による試験
2−1)引張性能
得られた塗膜防水材を離型処理した型枠内に、厚さ約2mmとなるように泡を巻き込まないように注意して流し、23℃、50%相対湿度の室内に4日間放置した後脱型し、さらに同条件で3日間放置し養生して硬化シートを作製し試験体とした。
作製した試験体を用い、JIS A 6021(2000年)「建築用塗膜防水材」、「6.3 引張性能」により、試験片をJIS K 6251に規定するダンベル状3号形で試験をし、引張強さ、破断時の伸び率および抗張積を求めた。表中の[ ]内の数値はJIS A 6021に規定する数値を示す。
2−2)引裂性能
前記引張性能試験で作製した試験体を用い、JIS A 6021(2000年)「建築用塗膜防水材」、「6.4 引裂性能」により、試験片をJIS K 6252に規定する切込みなしアングル形で試験をし、引裂強さを求めた。表中の[ ]内の数値はJIS A 6021に規定する数値を示す。
2−3)温度依存性
前記引張性能試験で作製した試験体を用い、JIS A 6021(2000年)「建築用塗膜防水材」、「6.5 温度依存性」により、試験片をJIS K 6251に規定するダンベル状3号形で試験をし、破断時のつかみ間伸び率を求めた。なお、試験時温度を60℃とした。表中の[ ]内の数値はJIS A 6021に規定する数値を示す。

Figure 0005454344

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Claims (13)

  1. 有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)とを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、ブロックアミン化合物(B)とを含有する硬化性組成物であって、該イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が分子内にアロファネート結合を有し、該硬化性組成物を水分により硬化して得られる硬化物がJIS A 6021に規定する試験において14N/mm以上の引裂強さ、2.3N/mm 以上の引張強さ、450%以上の破断時の伸び率、280N/mm以上の抗張積を有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記分子内にアロファネート結合を有するイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)との反応後に、未反応の有機イソシアネート化合物(a)の除去操作をすることなしに得られたものである、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記有機イソシアネート化合物(a)が、芳香族系ジイソシアネートである、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記芳香族系ジイソシアネートが、トルエンジイソシアネート類である、請求項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記高分子ジオール(b)が、数平均分子量が2,000以上のポリオキシアルキレン系ジオールである、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記ブロックアミン化合物(B)が、オキサゾリジン化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. さらに、硬化促進触媒、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性向上剤、着色剤および有機溶剤からなる群から選択される1種または2種以上の添加剤(C)を配合する、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記添加剤(C)が、p−トルエンスルホニルイソシアネートである、請求項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記添加剤(C)が、ナフテン系溶剤である、請求項に記載の硬化性組成物。
  10. 有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)とを反応して得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、ブロックアミン化合物(B)とを含有する塗膜防水材であって、該イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が分子内にアロファネート結合を有し、該塗膜防水材を水分により硬化して得られる硬化物がJIS A 6021に規定する試験において14N/mm以上の引裂強さ、2.3N/mm 以上の引張強さ、450%以上の破断時の伸び率、280N/mm以上の抗張積を有することを特徴とする塗膜防水材。
  11. 有機イソシアネート化合物(a)と高分子ジオール(b)とを100〜180℃の温度で反応させる工程(I−a)を実施して分子内にアロファネート結合を有するイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を合成する工程(I)と、工程(I)で得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)とブロックアミン化合物(B)を混合する工程(III)とを有する硬化性組成物の製造方法であって、該硬化性組成物を水分により硬化して得られる硬化物がJIS A 6021に規定する試験において14N/mm以上の引裂強さ、2.3N/mm 以上の引張強さ、450%以上の破断時の伸び率、280N/mm以上の抗張積を有することを特徴とする方法
  12. 前記合成工程(I)において、反応工程(I−a)の実施後、未反応の有機イソシアネート化合物(a)を除去する工程(I−b)を実施しない、請求項11に記載の硬化性組成物の製造方法。
  13. 前記反応工程(I−a)において、充填剤の存在下に反応を行う、請求項11または12に記載の硬化性組成物の製造方法。
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