JP5454153B2 - 研磨方法および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨方法に関する。より詳しくは、半導体、誘電/金属複合体および集積回路等において平坦面を形成するために好ましく使用される研磨方法に関する。
半導体デバイスが高密度化するにつれ、多層配線と、これに伴う層間絶縁膜形成や、プラグ、ダマシンなどの電極形成等の技術が重要度を増している。これに伴い、これら層間絶縁膜や電極の金属膜の平坦化プロセスの重要度は増しており、この平坦化プロセスのための効率的な技術として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる研磨技術が普及している。
CMPと呼ばれる研磨技術は、研磨層を有する研磨パッドを用いて、スラリーを供給しながら被研磨材を研磨する技術である。このような研磨技術において、研磨層表面にドレッシングと呼ばれる処理を行うことが一般的である。ドレッシングとは、研磨層の表面を、ダイヤモンド砥粒をニッケル等で金属基板に電着固定させたドレッサーという研削工具で研削し、研磨層に付着している研磨屑をかき取る処理、または、研磨により研磨層表面が平滑化することによって研磨レートが低下することを防止するため、研削により研磨層表面を粗らす処理を指す。ドレッシング処理としては、研磨前にドレッシングを行い、研磨中はドレッシングを行わない、エックスサイチュードレッシングと、研磨中に同時にドレッシングを行うインサイチュードレッシングが知られている(例えば、特許文献1参照)。エックスサイチュードレッシングは、研磨プロセス全体のスループットが低いという課題があり、インサイチュードレッシングは、スループットは高いものの、研磨パッドが削れて研磨層が薄くなり、研磨パッドの処理ウェハー枚数が少ないという課題があった。これを解決する方法として、インサイチュードレッシング時間を研磨時間の10%以上70%以下とする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、スラリー凝集物やパッドの研磨屑などにより、ウェハー表面にディフェクトができてデバイスの信頼性を低下させる場合があった。
特表2002−535843号公報 特開2007−150337号公報
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、被研磨材のディフェクトを低減することのできる研磨方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、研磨パッドを用いて、スラリーを供給しながら被研磨材を研磨する方法であって、研磨開始から研磨時間の15%以上90%以下経過時点で研磨パッド表面をドレッシングするインサイチュードレッシングを開始することを特徴とする研磨方法である。
本発明により、被研磨材のディフェクトを低減することのできる研磨方法を提供することができる。
本発明は、被研磨材のディフェクトを低減することのできる研磨方法について、鋭意検討した結果、研磨パッドを用いて、スラリーを供給しながら被研磨材を研磨する際に、研磨中に研磨パッド表面をドレッシングするインサイチュードレッシングを施し、該インサイチュードレッシングを研磨開始から研磨時間の15%以上90%以下経過時点で開始することにより、課題を一挙に解決することができることを究明したものである。
本発明において、研磨パッドは研磨層とクッション層を有することが好ましい。研磨パッドを構成する研磨層としては、マイクロゴムA硬度で70度以上であり、独立気泡を有する構造のものが、半導体、誘電/金属複合体および集積回路等において平坦面を形成するので好ましい。特に限定されないが、かかる構造体を形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、“ネオプレン(登録商標)”ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムおよびこれらを主成分とした樹脂等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。このような樹脂においても、独立気泡径が比較的容易にコントロールできる点でポリウレタンを主成分とする素材がより好ましい。
ポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応により合成される高分子である。ポリイソシアネートの対称として用いられる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ基、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらを2種以上用いてもよい。ポリヒドロキシ基含有化合物としてはポリオールが代表的であり、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。硬度、気泡径および発泡倍率によって、ポリイソシアネートとポリオール、および触媒、発泡剤、整泡剤の組み合わせや最適量を決めることが好ましい。
これらのポリウレタン中への独立気泡の形成方法としては、ポリウレタン製造時における樹脂中への各種発泡剤の配合による化学発泡法が一般的であるが、機械的な撹拌により樹脂を発泡させたのち硬化させる方法も好ましく使用することができる。
独立気泡の平均気泡径は、スクラッチを低減する観点から30μm以上が好ましい。一方、半導体基板の局所的凹凸の平坦性の観点から150μm以下が好ましく、140μm以下がより好ましく、130μm以下がより好ましい。なお、平均気泡径は、サンプル断面をキーエンス製VK−8500の超深度顕微鏡にて倍率400倍で観察したときに一視野内に観察される気泡のうち、視野端部に欠損した円状に観察される気泡を除く円状気泡を画像処理装置にて断面面積から円相当径を測定し、数平均値を算出することにより求められる。
本発明における研磨パッドの一実施態様として好ましいものは、ビニル化合物の重合体およびポリウレタンを含有し、独立気泡を有するパッドである。ビニル化合物からの重合体だけでは靭性と硬度を高めることはできるが、独立気泡を有する均質な研磨パッドを得ることが困難であり、またポリウレタンは、硬度を高くすると脆くなる。ポリウレタン中にビニル化合物を含浸させることにより、独立気泡を含み、靭性と硬度の高い研磨パッドとすることができる。
ビニル化合物は、重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物である。具体的にはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
上述したビニル化合物の中で、CH=CRCOOR(R:メチル基またはエチル基、R:メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基)が好ましい。中でもメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレートは、ポリウレタンへの独立気泡の形成が容易な点、モノマーの含浸性が良好な点、重合硬化が容易な点、重合硬化されたビニル化合物の重合体とポリウレタンを含有している発泡構造体の硬度が高く平坦化特性が良好な点で好ましい。
これらのビニル化合物の重合体を得るために好ましく用いられる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソプロピルパーオキシジカーボネート等のラジカル開始剤を挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。また、酸化還元系の重合開始剤、例えばパーオキサイドとアミン類の組合せを使用することもできる。
ビニル化合物のポリウレタン中への含浸方法としては、ビニル化合物が入った容器中にポリウレタンを浸漬する方法が挙げられる。なお、その際、含浸速度を速める目的で、加熱、加圧、減圧、撹拌、振盪、超音波振動等の処理を施すことも好ましい。
ビニル化合物のポリウレタン中への含浸量は、使用するビニル化合物およびポリウレタンの種類や、製造される研磨パッドの特性により定められるべきものであり、一概にはいえないが、例えば、重合硬化した発泡構造体中のビニル化合物から得られる重合体とポリウレタンの含有比率が重量比で30/70〜80/20であることが好ましい。ビニル化合物から得られる重合体の含有比率が重量比で30/70以上であれば、研磨パッドの硬度を十分高くすることができる。また、含有比率が80/20以下であれば、研磨層の弾力性を十分高くすることができる。
なお、ポリウレタン中の重合硬化したビニル化合物から得られる重合体およびポリウレタンの含有率は、熱分解ガスクロマトグラフィ/質量分析手法により測定することができる。本手法で使用できる装置としては、熱分解装置としてダブルショットパイロライザー“PY−2010D”(フロンティア・ラボ社製)を、ガスクロマトグラフ・質量分析装置として、“TRIO−1”(VG社製)を挙げることができる。
本発明において、半導体基板の局所的凹凸の平坦性の観点から、ビニル化合物から得られる重合体の相とポリウレタンの相とが分離されずに含有されていることが好ましい。定量的に表現すると、研磨パッドをスポットの大きさが50μmの顕微赤外分光装置で観察した赤外スペクトルがビニル化合物から重合される重合体の赤外吸収ピークとポリウレタンの赤外吸収ピークを有しており、色々な箇所の赤外スペクトルがほぼ同一であることである。ここで使用される顕微赤外分光装置として、SPECTRA−TEC社製のIRμsを挙げることができる。
研磨パッドは、特性改良を目的として、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、安定剤、染料等の各種添加剤を含有してもよい。
本発明において、研磨層のマイクロゴムA硬度は、高分子計器(株)製マイクロゴム硬度計MD−1で評価した値をさす。マイクロゴムA硬度計MD−1は、従来の硬度計では測定が困難であった薄物・小物の硬さ測定を可能にするもので、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして、設計・製作されているため、スプリング式硬度計A型の硬度と一致した測定値が得られる。通常の研磨パッドは、研磨層または硬質層の厚みが5mmを切るので、スプリング式ゴム硬度計A型では評価できないので、前記マイクロゴムMD−1で評価する。
本発明において、研磨層の硬度は、半導体基板の局所的凹凸の平坦性の観点から、マイクロゴムA硬度で70度以上が好ましく、80度以上がより好ましい。
本発明において、研磨層の密度は、局所的な平坦性不良やグローバル段差を低減する観点から、0.3g/cm以上が好ましく、0.6g/cm以上がより好ましく、0.65g/cm以上がより好ましい。一方、スクラッチを低減する観点から、1.1g/cm以下が好ましく、0.9g/cm以下がより好ましく、0.85g/cm以下がより好ましい。なお、本発明における研磨層の密度は、ハーバード型ピクノメーター(JISR−3503基準)を用い、水を媒体に測定した値である。
研磨パッドの研磨層表面には、ハイドロプレーン現象を抑える為に、溝切り形状、ディンプル形状、スパイラル形状、同心円形状等、通常の研磨パッドがとり得る溝(グルーブ)を設けてもよい。
本発明における研磨パッドは、体積弾性率が40MPa以上でかつ引っ張り弾性率が1MPa以上20MPa以下のクッション層を有することが、面内均一性が良好であるので好ましい。体積弾性率とは、あらかじめ体積を測定した被測定物に等方的な印加圧力を加えてその体積変化を測定し、体積弾性率=印加圧力/(体積変化/元の体積)により算出される。本発明においては、23℃においてサンプルに0.04〜0.14MPaの圧力がかかった時の体積弾性率を言う。
本発明における体積弾性率は、以下の方法により測定する。内容積が約40mLのステンレス製の測定セルに、試料片と23℃の水を入れ、容量0.5mLの硼珪酸ガラス製メスピペット(最小目盛り0.005mL)を装着する。別に、圧力容器としてポリ塩化ビニル樹脂製の管(内径90mmφ×2000mm、肉厚5mm)を使用して、その中に上記試料片を入れた測定セルを入れ、圧力Pで窒素加圧し、体積変化V1を測定する。続いて、試料を測定セルに入れないで、圧力Pで窒素加圧し、体積変化V0を測定する。圧力PをΔV/Vi=(V1−V0)/Viで除した値を前記試料の体積弾性率として算出する。
本発明において、クッション層の体積弾性率は40MPa以上が好ましい。体積弾性率を40MPa以上とすることにより、半導体基板全面の面内均一性を向上させることができる。また、研磨パッドの表面と裏面を貫通する孔に流れ込むスラリーや水がクッション層に含浸しにくく、クッション特性を維持できる。
本発明における引張り弾性率は、ダンベル形状にして引っ張り応力を加え、引っ張り歪み(=引っ張り長さ変化/元の長さ)が0.01から0.03までの範囲で引っ張り応力を測定し、引っ張り弾性率=((引っ張り歪みが0.03時の引っ張り応力)−(引っ張り歪みが0.01時の引っ張り応力))/0.02で定義されるものである。測定装置として、オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTM−100などが上げられる。測定条件としては、試験速度は5cm/分で試験片形状は幅5mmで試料長50mmのダンベル形状である。
本発明において、クッション層の引張り弾性率は、半導体基板全面の面内均一性の観点から、1MPa以上が好ましく、1.2MPa以上がより好ましい。また、20MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましい。
この様なクッション層としては、天然ゴム、ニトリルゴム、“ネオプレン(登録商標)”ゴム、ポリブタジエンゴム、熱硬化ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの無発泡のエラストマを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。クッション層の厚みは、0.3〜2mmの範囲が好ましい。半導体基板全面の面内均一性の観点からは、0.5mm以上が好ましく、0.75mm以上がより好ましい。また、局所平坦性の観点からは2mm以下が好ましく、1.75mm以下がより好ましい。
本発明において、インサイチュードレッシングとは、ダイヤモンド砥粒をニッケル等で金属基板に電着固定させたドレッサーで研磨中に研磨パッドの研磨層表面を研削することである。インサイチュードレッシングを行うことで高いスループットを維持することが可能であるが、研磨開始と同時にドレッシングを開始すると、ドレッシング開始時間によっては、研磨パッドやスラリー凝集物、パッド表面の研磨屑の弾性率の低下が不十分となり、ディフェクトが増加するため、弾性率を下げることがディフェクト低減に有効である。特に、研磨開始初期は、研磨パッドと被研磨材との摩擦熱による温度上昇が小さい。本発明では、研磨開始から研磨時間の15%以上90%以下経過時点でインサイチュードレッシングを開始することにより、ディフェクトを低減することができる。ドレッシング開始時点が研磨開始から研磨時間の15%を下回る場合は、研磨パッドやスラリー凝集物、パッド表面の研磨屑の弾性率の低下が不十分となり、ディフェクトの発生を招くことになる。研磨開始時点は研磨時間に依存するが、研磨時間が短い場合は、摩擦熱による弾性率の低下の観点から、研磨開始から5秒以上経過時点、より好ましくは10秒以上経過時点からドレッシングを開始するとよい。
ドレッシング開始時点が研磨開始から研磨時間の90%を上回る場合は、ドレッシング時間を十分確保できないため、表面の粗さを形成することができず、研磨レートの低下を招くことになる。好ましいドレッシング開始時点は、研磨開始から研磨時間の30%以上60%以下経過時点である。
研磨時間中にドレッシングをし続けると、研磨層のドレスレート(研削速度)が大きく、研磨パッドの寿命が低下する。本発明では、インサイチュードレッシング時間を研磨時間の10%以上85%以下にすることが好ましい。インサイチュードレッシング時間を研磨時間の10%以上とすることにより、ドレッシング効果を十分に得ることができ、ディフェクトをより低減し、研磨レートを向上させることができる。40%以上がより好ましい。一方、インサイチュードレッシング時間を研磨時間の85%以下とすることにより、研磨パッドの寿命低下を抑制することができる。60%以下がより好ましい。
本発明において、スラリーとしてシリカ系スラリー、酸化アルミニウム系スラリー、酸化セリウム系スラリー等を用いて半導体ウェハー上での絶縁膜の凹凸や金属配線の凹凸を局所的に平坦化することができたり、グローバル段差を小さくしたり、ディッシングを抑えたりできる。スラリーの具体例として、キャボット社製のCMP用“CABO−SPERESE(登録商標)”SC−1、CMP用“CAB−O−SPERSE(登録商標)”SC−112、CMP用“SEMI−SPERSE(登録商標)”AM100、CMP用“SEMI−SPERSE(登録商標)”AM100C、CMP用“SEMI−SPERSE(登録商標)”12、CMP用“SEMI−SPERSE(登録商標)”25、“CMP用SEMI−SPERSE(登録商標)”W2000、CMP用“SEMI−SPERSE(登録商標)”W−A400等を挙げることができるが、これらに限られるわけではない。
本発明において研磨される被研磨材としては、例えば半導体ウェハーの上に形成された絶縁層または金属配線の表面が挙げられる。絶縁層としては、金属配線の層間絶縁膜や金属配線の下層絶縁膜や素子分離に使用されるシャロートレンチアイソレーションを挙げることができる。金属配線としては、アルミ、タングステン、銅等を挙げることができ、構造的にダマシン、デュアルダマシン、プラグなどがある。銅を金属配線とした場合には、窒化珪素等のバリアメタルも研磨対象となる。絶縁膜は、現在酸化シリコンが主流であるが、低誘電率絶縁膜も用いられる。半導体ウェハー以外に磁気ヘッド、ハードディスク、サファイヤ等の研磨に用いることもできる。
本発明の研磨方法は、ガラス、半導体、誘電/金属複合体および集積回路等に平坦面を形成するために好適に使用される。
以下、実施例によって、さらに本発明の詳細を説明する。しかし、本実施例により本発明が限定して解釈される訳ではない。なお、測定は以下のとおりに行った。
マイクロゴムA硬度測定:
高分子計器(株)製のマイクロゴム硬度計“MD−1”で測定した。マイクロゴム硬度計“MD−1”の構成は下記のとおりである。
1.1センサ部
(1)荷重方式:片持ばり形板バネ
(2)ばね荷重:0ポイント/21.95×10−3N 100ポイント/331.73×10−3
(3)ばね荷重誤差:±3.14×10−3
(4)押針寸法:直径:0.16mm円柱形 高さ0.5mm
(5)変位検出方式:歪ゲージ式
(6)加圧脚寸法:外径4mm 内径1.5mm
1.2センサ駆動部
(1)駆動方式:ステッピングモータによる上下駆動。エアダンパによる降下速度制御
(2)上下動ストローク:12mm
(3)降下速度:10〜30mm/秒
(4)高さ調整範囲:0〜67mm(試料テーブルとセンサ加圧面の距離)
1.3試料台
(1)試料台寸法:直径 80mm
(2)微動機構:XYテーブルおよびマイクロメータヘッドによる微動。ストローク:X軸、Y軸とも15mm
(3)レベル調整器:レベル調整用本体脚および丸型水準器。
気泡径測定:
平均気泡径はサンプル断面をキーエンス製VK−8500の超深度顕微鏡にて倍率400倍で観察したときに一視野内に観察される気泡のうち、視野端部に欠損した円状に観察される気泡を除く円状気泡を画像処理装置にて断面面積から円相当径を測定し、算出した数平均値を平均気泡径とした。
体積弾性率測定:
内容積が約40mLのステンレス製の測定セルに、NBRゴムシート27g(比重1.29、初期体積21mL)と23℃の水を入れ、これに容量0.5mLの硼珪酸ガラス製メスピペット(最小目盛り0.005mL)を装着した。別に、圧力容器としてポリ塩化ビニル樹脂製の管(内径90mmφ×2000mm、肉厚5mm)を使用して、その中に上記試料片を入れた測定セルを入れ、表1に示した圧力Pで窒素加圧し、体積変化V1を測定した。続いて、試料を測定セルに入れないで、表1に示した圧力Pで窒素加圧し、水のみの体積変化V0を測定した。圧力P=0MPaのときの体積をViとしたとき、圧力PをΔV/Vi=(V1−V0)/Viで除した値を前記試料の体積弾性率として算出した。
Figure 0005454153
研磨レート測定:
アプライドマテリアルズ(株)のMirra 3400を用いて、所定の研磨条件で終点検出を行いながら研磨を行った。研磨特性は、8インチウェハーの最外周2mmを除外した研磨レート(nm/分)を測定した。
ディフェクト評価:
エンハンス処理として、研磨したウェハーを0.5重量%のふっ酸に10分間浸漬して水洗後、1.0重量%のアンモニア溶液と1.0重量%の過酸化水素水の混合溶液にて洗浄し、水洗乾燥した。洗浄したウェハーについて、KLA−Tencor(株)製のSP−1を用いて、0.155μm以上のディフェクト数を計数した。
実施例1
ポリプロピレングリコール30重量部とジフェニルメタンジイソシアネート40重量部と水0.5重量部とトリエチルアミン0.3重量部とシリコーン整泡剤1.7重量部とオクチル酸スズ0.09重量部をRIM成型機で混合して、金型に吐出して加圧成型を行い、厚み2.6mmの独立気泡の発泡ポリウレタンシート(マイクロゴムA硬度:42度、密度:0.76g/cm、独立気泡の平均気泡径:34μm)を作製した。
前記発泡ポリウレタンシートを、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を添加したメチルメタクリレートに60分間浸漬した。次に前記発泡ポリウレタンシートを、ポリビニルアルコール“CP”(重合度:約500、ナカライテスク(株)製)15重量部、エチルアルコール(試薬特級、片山化学(株)製)35重量部、水50重量部からなる溶液中に浸漬後乾燥することにより、前記発泡ポリウレタンシート表層をポリビニルアルコールで被覆した。
次に前記発泡ポリウレタンシートを、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込んで、65℃で6時間、120℃で3時間加熱することにより重合硬化させた。ガラス板間から離型し水洗した後、50℃で真空乾燥を行った。このようにして得られた硬質発泡シートを厚み2.00mmにスライス加工することにより研磨層を作製した。研磨層中のメチルメタクリレート含有率は66重量%であった。また研磨層のマイクロゴムA硬度は98度、密度は0.81g/cm、独立気泡の平均気泡径は45μmであった。
上記方法により得られた研磨層に、クッション層として日本マタイ(株)製の熱可塑性ポリウレタンのマイクロゴムA硬度65度の1.0mm品(体積弾性率=65MPa、引っ張り弾性率=4MPa)を、積水化学工業(株)製5782W接着層(中間テープ)を介して積層し、さらに裏面に裏面テープとして積水化学工業(株)両面テープ5604TDXを貼り合わせた。この積層体を508mmの直径の円に打ち抜いて、研磨層表面にグルーブ幅1mm、グルーブ深さ0.825mm、グルーブピッチ20mmの格子状のXY−グルーブをNCルーターで形成して、研磨パッドとした。
上記方法により得られた研磨パッドを、研磨機(アプライドマテリアルズ製“MIRRA3400”)の定盤に貼り付けた。酸化膜の8インチウェハーをリテナーリング圧力=55kPa、インナーチューブ圧力=28kPa、メンブレン圧力=28kPa、プラテン回転数=75rpm、研磨ヘッド回転数=77rpm、スラリー(キャボット社製、SS−25)を100mL/分の流量で流し、KINIK製ドレッサーで荷重35.6N、研磨時間1分、研磨開始から30秒後にインサイチュードレッシングを開始し、30秒間ドレスした。酸化膜の研磨レートは189nm/分であった。本条件でウェハーを連続テストした結果、約1500枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。
研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は490個と良好であった。
実施例2
インサイチュードレッシングの開始時間を研磨開始から20秒後に、ドレス時間を24秒間に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは187nm/分であった。本条件でウェハーを連続テストした結果、約1500枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は510個と良好であった。
実施例3
インサイチュードレッシングのドレス時間を36秒間に変更した以外は実施例2と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは191nm/分であった。本条件でウェハーを連続テストした結果、約1500枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は410個と良好であった。
実施例4
インサイチュードレッシングのドレス時間を12秒間に変更した以外は実施例1と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは174nm/分となり、表面粗さの減少による研磨レートの低下は見られたものの、本条件でウェハーを連続テストした結果、約1700枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は680個と良好であった。
実施例5
インサイチュードレッシングの開始時間を研磨開始から12秒後に変更した以外は、実施例1と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは191nm/分であった。本条件でウェハーを連続テストした結果、約1500枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は620個と良好であった。
実施例6
インサイチュードレッシングの開始時間を研磨開始から35秒後に、ドレス時間を24秒間に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは182nm/分であった。本条件でウェハーを連続テストした結果、約1500枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は450個と良好であった。
比較例1
インサイチュードレッシングの開始時間を研磨開始と同時に変更した以外は実施例1と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは184nm/分であった。本条件でウェハーを連続テストした結果、約1500枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は4600個と多かった。
比較例2
インサイチュードレッシングの開始時間を研磨開始から3秒後に変更した以外は実施例1と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは190nm/分であった。本条件でウェハーを連続テストした結果、約1500枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は4200個と多かった。
比較例3
インサイチュードレッシングの開始時間を研磨開始から57秒後に、ドレス時間を3秒間に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは161nm/分であり、表面粗さの減少による研磨レートの低下は見られた。本条件でウェハーを連続テストした結果、約4500枚研磨することができ、良好な研磨パッド寿命であった。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクトを測定したところ、ディフェクト数は4800個と多かった。
比較例4
インサイチュードレッシングの開始時間を研磨開始と同時に、ドレス時間を60秒間に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして研磨した。酸化膜の研磨レートは215nm/分であった。本条件でウェハーを連続テストした結果、約650枚しか研磨することができず、研磨パッド寿命が低下した。研磨したウェハーについて、前記方法により0.155μm以上のディフェクト数を計数したところ、ディフェクト数は1000個と多かった。

Claims (3)

  1. 研磨パッドを用いて、スラリーを供給しながら被研磨材を研磨する方法であって、研磨開始から研磨時間の15%以上90%以下経過時点で研磨パッド表面をドレッシングするインサイチュードレッシングを開始することを特徴とする研磨方法。
  2. インサイチュードレッシング時間が研磨時間の10%以上85%以下であることを特徴とする請求項1記載の研磨方法。
  3. 請求項1または2記載の研磨方法を用いて半導体基板の表面を研磨するプロセスを含む半導体デバイスの製造方法。
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