JP5452662B2 - 乾燥機 - Google Patents

乾燥機 Download PDF

Info

Publication number
JP5452662B2
JP5452662B2 JP2012130352A JP2012130352A JP5452662B2 JP 5452662 B2 JP5452662 B2 JP 5452662B2 JP 2012130352 A JP2012130352 A JP 2012130352A JP 2012130352 A JP2012130352 A JP 2012130352A JP 5452662 B2 JP5452662 B2 JP 5452662B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drying
washing
heater
rotating drum
clothing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012130352A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012161699A (ja
Inventor
敏文 小池
常利 小松
好博 鈴木
功 桧山
寛 大杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2012130352A priority Critical patent/JP5452662B2/ja
Publication of JP2012161699A publication Critical patent/JP2012161699A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5452662B2 publication Critical patent/JP5452662B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Detail Structures Of Washing Machines And Dryers (AREA)
  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)

Description

本発明は、衣類を乾燥する手段を備えた乾燥機に関する。
乾燥機による衣類の乾燥は、送風ファンと熱源により高温・低湿度の空気を作り、これを槽内に吹き込み、衣類の温度を高くし、衣類から水分を蒸発させ、蒸発した水分を機外へ排出することにより行う。蒸発した水分の除去方法としては、そのまま乾燥機外へ排出する排気方式(常に新しい空気を供給)と蒸発した水分を冷やし結露させて水分を除去する除湿方式(同じ空気を循環させる)があるが、家庭用では乾燥機を設置した室内へ水分が出ることがない除湿方式が多く用いられている。
乾燥機には、(1)乾燥時間が短いこと、(2)消費電力が少ないこと、(3)乾燥の仕上がりがよい(衣類のしわが少ない)こと、(4)衣類へのダメージが少ないこと等が求められている。このうち、(1)と(2)に関しては、空気の風量や温度を乾燥の進み具合に応じて適切に制御することで乾燥を効率よく行う乾燥機がある。また、槽内での衣類の動きを良くして、衣類から効率よく水分を蒸発させるようにした乾燥機がある。さらに、除湿方式として水冷方式を利用し、冷却水を風路の壁面全体に均一に流れるようにして高温多湿の温風との熱交換効率を高めた乾燥機がある。(4)に関しては衣類の温度が上がりすぎないように温風の温度を制限した(ヒータの入力を抑える)低温乾燥コースを備えた乾燥機がある。(3)に関しては、しわは乾燥中に衣類が絡んだり捻れたりすることにより発生するため、衣類の絡みや捻れが起きにくい乾燥機がある。
特開昭62−44299号公報 特開平9−774号公報 特開2005−080946号公報 特開2002−346272号公報
乾燥時間の短縮や消費電力の低減には、温風の風量を増やしたり、温風の温度を高くしたりする方法がある。しかし、風量を増やすためには、風が流れる風路の面積を大きくする必要があるが、乾燥機のボディーが大型化してしまうという問題がある。また、温風の温度を高くしすぎると衣類へダメージを及ぼす可能性があることから、最高でも100℃程度に抑えている。
本発明の目的は、ボディーの大型化することなく、乾燥の消費電力を低減した乾燥機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、衣類が収容される回転ドラムと、この回転ドラムを内包し水を溜める外槽と、前記回転ドラムの外周壁の内側に設けられ軸方向に延びる複数個のリフタと、前記回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを支持する筐体と、ファン羽根車を備えた送風ユニットと、この送風ユニットの下流側に設けた吹き出し口を有し、前記回転ドラムの回転中心軸は、水平または開口部側が高くなるように傾斜しており、乾燥運転するドラム式洗濯乾燥機において、前記吹き出し口は、前記外槽の前面の開口部にある外槽カバーに設けられ、かつ、扁平のスリット形状としたノズルを有し、前記乾燥運転中に、前記回転ドラムを回転すると、前記衣類は前記リフタと遠心力で前記外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するように動きを繰り返しながら、前記送風ユニットで発生した風を前記ノズルから風速が50m/sから110m/sの高速風として吹き出ことを特徴とする。
このように構成した乾燥機は、乾燥運転中に衣類に高速の温風を吹き付けるので、衣類と風との熱伝達率が向上し、温風が効率よく衣類を温める。
本発明のドラム式洗濯乾燥機を示す外観図である。 本発明のドラム式洗濯機の筐体の一部を切断して内部構造を示す斜視図である。 本発明のドラム式洗濯機の背面カバーを外して内部構造を示す背面図である。 本発明のドラム式洗濯機の内部構造を示す側面図である。 本発明のドラム式洗濯機の筐体の上部を切断して内部構造を示す上面図である。 温風吹き出し口を設けた外槽カバーの正面図である。 図6における温風吹き出し口のA−A断面図である。 平均入力と乾燥時間、消費電力量の関係である。 従来の洗濯乾燥機と本発明の洗濯乾燥機の乾燥後の衣類写真である。 図2に示した洗濯乾燥機の制御系のブロック線図である。 本発明の洗濯乾燥機の操作パネルを示す正面図である。 図10に示した制御系のコントローラにおけるマイクロコンピュータが実行する制御処理の一部を示すフローチャートである。 ファンケース28bを切断し内部に設定してあるヒータ31を示す図である。 図10に示した制御系のコントローラにおけるマイクロコンピュータが実行する制御処理の一部を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態例に係るドラム式洗濯乾燥機の外観図である。図2は内部の構造を示すために筐体の一部を切断して示した斜視図、図3は内部の構造を示すために背面カバーを取り外した背面図、図4は内部の構造を示す側面図、図5は内部の構造を示すために筐体の一部を切断して示した平面図である。
1は、外郭を構成する筐体である。筐体1は、ベース1hの上に取り付けられており、左右の側板1a,1b,前面カバー1c,背面カバー1d,上面カバー1e,下部前面カバー1fで構成されている。左右の側板1a,1bは、コの字型の上補強材(図示せず),前補強材(図示せず),後補強材(図示せず)で結合されており、ベース1を含めて箱状の筐体1を形成し、筐体として十分な強度を有している。
9は、前面カバー1cの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口を塞ぐドアで、前補強材に設けたヒンジで開閉可能に支持されている。ドア開放ボタン9dを押すことでロック機構(図示せず)が外れてドアが開き、ドアを前面カバー1cに押し付けることでロックされて閉じる。前補強材は、後述する外槽の開口部と同心に、衣類を出し入れするための円形の開口部を有している。
6は、筐体1の上部中央に設けた操作パネルで、電源スイッチ39,操作スイッチ12,13,表示器14を備える。操作パネル6は、筐体1下部に設けた制御装置38に電気的に接続している。
3は、回転可能に支持された円筒状の洗濯兼脱水槽(回転ドラム)であり、その外周壁および底壁に通水および通風のための多数の貫通孔を有し、前側端面に衣類を出し入れするための開口部3aを設けてある。開口部3aの外側には洗濯兼脱水槽3と一体の流体バランサ3cを備えている。外周壁の内側には軸方向に延びるリフタ3bが複数個設けてあり、洗濯,乾燥時に洗濯兼脱水槽3を回転すると、衣類はリフタ3bと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するように動きを繰り返す。洗濯兼脱水槽3の回転中心軸は、水平または開口部3a側が高くなるように傾斜している。
2は、円筒状の外槽であり、洗濯兼脱水槽3を同軸上に内包し、前面は開口し、後側端面の外側中央にモータ4を取り付ける。モータ4の回転軸は、外槽2を貫通し、洗濯兼脱水槽3と結合している。前面の開口部には外槽カバー2dを設け、外槽内への貯水を可能としている。外槽カバー2dの前側中央には、衣類を出し入れするための開口部2cを有している。本開口部2cと前補強材37に設けた開口部は、ゴム製のベローズ10で接続しており、ドア9を閉じることで外槽2を水封する。外槽2底面最下部には、排水口2bが設けてあり、排水ホース26が接続している。排水ホース26の途中には排水弁(図示せず)が設けてあり、排水弁を閉じて給水することで外槽2に水を溜め、排水弁を開いて外槽2内の水を機外へ排出する。
外槽2は、下側をベース1hに固定されたサスペンション5(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽2の上側は上部補強部材に取り付けた補助ばね(図示せず)で支持されており、外槽2の前後方向へ倒れを防ぐ。
19は、筐体1内の上部左側に設けた洗剤容器で、前部開口から引き出し式の洗剤トレイ7を装着する。洗剤類を入れる場合は、洗剤トレイ7を図1の二点鎖線で示すように引き出す。洗剤容器19は、筐体1の上補強材に固定されている。
洗剤容器19の後ろ側には、給水電磁弁16や風呂水給水ポンプ17,水位センサ(図示せず)など給水に関連する部品を設けてある。上面カバー1eには、水道栓からの給水ホース接続口16a、風呂の残り湯の吸水ホース接続口17aが設けてある。洗剤容器19は、外槽2に接続されており、給水電磁弁16を開く、あるいは風呂水給水ポンプ17を運転することで、外槽2に洗濯水を供給する。
29は筐体1の背面内側に縦方向に設置した乾燥ダクトで、ダクト下部は外槽2の背面下方に設けた吸気口2aにゴム製の蛇腹管B29aで接続される。乾燥ダクト29内には、水冷除湿機構(図示せず)を内蔵しており、給水電磁弁16から水冷除湿機構へ冷却水を供給する。冷却水は乾燥ダクト29の壁面を伝わって流下し吸気口2aから外槽2に入り排水口2bから排出される。
乾燥ダクト29の上部は、筐体1内の上部右側に前後方向に設置したフィルタダクト27に接続している。フィルタダクト27の前面には開口部を有しており、この開口部に引き出し式の乾燥フィルタ8を挿入してある。乾燥ダクト29からフィルタダクト27へ入った空気は、乾燥フィルタ8のメッシュフィルタ8aに流入し糸くずが除去される。乾燥フィルタ8の掃除は、乾燥フィルタ8を引き出してメッシュ式のフィルタ8aを取り出して行う。また、フィルタダクト27の乾燥フィルタ9挿入部の下面には開口部が設けてあり、この開口部は吸気ダクト33が接続しており、吸気ダクト33の他端は送風ユニット28の吸気口と接続している。
送風ユニット28は、駆動用のモータ28a,ファン羽根車(図示せず),ファンケース28bで構成されている。ファンケース28bにはヒータ31が内蔵されており、ファン羽根車から送られる空気を加熱する。送風ユニット28の吐出口は温風ダクト30に接続する。温風ダクト30は、ゴム製の蛇腹管A30a,蛇腹管継ぎ手30bを介して外槽カバー2dに設けた温風吹き出し口32に接続している。本実施例では、送風ユニット28が筐体1内の上部右側に設けてあるので、温風吹き出し口32は外槽カバー2dの右斜め上の位置に設け、温風吹き出し口32までの距離を極力短くするようにしてある。
排水口2b,送風ユニット28の吸気口及び吐出口には温度センサ(図示せず)が設けてある。
本発明の特徴は、高速の風を衣類に直接当て、衣類からの水分の蒸発を促進し消費電力を低減することにある。このためには、高速の風を発生する送風ユニット28とこの風を直接衣類に当てる温風吹き出し口32が必要となる。送風ユニットに必要な性能に関しては、後述する。温風吹き出し口32の詳細を図6,図7を用いて説明する。図6は温風吹き出し口28設置部の外槽カバー2dの正面図、図7は図6の二点鎖線A−Aで切断して示した温風吹き出し口32の断面図である。
温風吹き出し口32は、外槽カバー2dの前側から開口部2cに沿って設けてあり、内部に流路32b,32cが形成されている。温風吹き出し口32の入口には蛇腹管継ぎ手30bが取り付けてあり、流路32cの出口にはノズル32dが形成されている。洗濯兼脱水槽3と外槽カバー2dとのすき間に衣類が入り込まないよう、外槽カバー2dの開口部2cの内径と洗濯兼脱水槽3の開口部3aの内径は、ほぼ同一に設定されている。このため、温風吹き出し口32の出口部32aを開口部2cの内周面より内側に飛び出すように形成し、ノズル32dが洗濯兼脱水槽3内に向かって開口するようにしてある。このようにすることで、ノズル32dから出た温風は直接洗濯兼脱水槽3内の衣類に当たる。
なお、出口部32aの飛び出し量が多すぎると、洗濯や乾燥時に衣類の動きを阻害するため、図7に示すようにノズルを扁平のスリット形状として飛び出し量を小さくし、かつ開口部2cと出口部32aの表面形状がスムーズ変化するようにしてある。また、流路32bと流路32cは無駄な突起や、急激な流れ方向の変化が無いようにし、かつノズル32dに向かい流路面積が徐々に小さくなるようにしてある。こうすることで、高速の風が流路32b,32cを流れるときに発生する圧力損失や流体音を小さくすることが出来る。
乾燥運転時の風の流れは次のようになる。送風ユニット28を運転し、ヒータ31に通電すると、ノズル32dから洗濯兼脱水槽3内に高速の温風が吹き込み(矢印41)、湿った衣類に当たり、衣類を温め衣類から水分が蒸発する。高温多湿となった空気は、洗濯兼脱水槽3に設けた貫通孔から外槽2に流れ、吸気口2aから乾燥ダクト29に吸い込まれ、乾燥ダクト29を下から上へ流れる(矢印42)。乾燥ダクト29の壁面には、水冷除湿機構からの冷却水が流れ落ちており、高温多湿の空気は冷却水と接触することで冷却除湿され、乾いた低温空気となりフィルタダクト27へ入る(矢印43)。フィルタダクト27に設けたメッシュフィルタ8aを通り糸屑が取り除かれ、吸気ダクト33に入り、送風ユニット28に吸い込まれる(矢印44)。そして、ヒータ31で再度加熱され、洗濯兼脱水槽3内に吹き込むように循環する。この間、洗濯兼脱水槽3を低速で正逆回転させ、衣類をノズル32dの近くまで持ち上げ、高速の温風が衣類に直接当たるようにする。
乾燥は、次のように進行する。乾燥の初期は、衣類の温度を上昇させる予熱期間で、衣類の温度を速く上昇させるために、極力多くの熱量を衣類に与えることが重要である。予熱期間中は、衣類からの水分の蒸発は少ない。
衣類の温度が上昇するに従い、衣類からの水分の蒸発が多くなるため、気化熱により衣類の温度上昇は鈍くなり、やがて加熱と気化熱がバランスし、衣類の温度はほとんど一定となる(恒率乾燥)。衣類の水分量が少なくなると気化熱が減少し、衣類の温度が再び上昇を始め、衣類の水分がなくなると温風とほぼ同一の温度となり乾燥が終了する(減率乾燥)。衣類の温度が上昇を始めるのは、乾燥度が0.9付近になった時である。衣類からの水分の蒸発量が増加し始めたら、給水電磁弁16を開き、乾燥ダクト29内の水冷除湿機構へ冷却水を供給し、蒸発した水分を含む多湿な空気を冷却し結露させて、空気中の水分を除去する。
材料(衣類)表面から水分が蒸発する場合の乾燥速度の基本式は数1で表される。
(数1)
Qs=α(Ta−Ts)/γ
ここで、Qs:乾燥速度(kg/m2h)
α:熱伝達率(kJ/m2h℃)
γ:蒸発潜熱(kJ/kg)
Ta:温風温度(℃)
Ts:蒸発面温度(℃)
なお、衣類表面の表面積をA(m2)とすると、乾燥速度QA(kg/h)は数2となる。
(数2)
A=Qs・A=α・A(Ta−Ts)/γ
また、衣類内部から水分が蒸発する場合の乾燥速度は数3となる。
(数3)
Qi=K(Ta−Ts)/γ
ここで、Qi:乾燥速度(kg/m2h)
K:熱通過率(kJ/m2h℃)
なお、熱通過率Kは数4で表される。
(数4)
K=1/(1/α+L/λ)
L:布の厚み(m)
λ:熱伝導率(kJ/m・h・K)
数1,数2,数3,数4から、乾燥(蒸発)速度を早くするためには、
(1)温風温度Taを上げる
(2)熱伝達率αを上げる
(3)表面積Aを多くする。
(4)熱伝導率λを上げる。
(5)布の厚みを薄くする。
温風温度が高すぎると衣類へのダメージにつながるため、最大でも100℃程度に抑えた方がよい。このため、温度を上げることで乾燥速度を速くするのは困難である。また、布の熱伝導率や布の厚みは衣類で決まるため、制御することはできない。熱伝達率は通常風速の0.8乗に比例するので、風速を速くすることにより熱伝達率を上げることができる。衣類の表面積は衣類が団子状になってしまうと、見かけの表面積が減少する。また、団子状になると見かけの布の厚みが厚くなり、乾燥速度が低下してしまう。このため、衣類を極力広げるようにした方がよい。
図8は、7kgの衣類を乾燥させた時の平均入力(ヒータ31,送風ユニット28,モータ4,制御装置38の合計)と乾燥時間,消費電力量の関係の一例である。本実験で使用したヒータ31はPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータであり、その特性から、風量によりヒータ入力が変化(風量が多いほど入力が上昇する)するため、平均入力の調整は送風ユニット28の回転数およびヒータ31の強弱を切り換えることで行った。風量は約0.8m3/minから約1.8m3/min、風速は約50m/sから約110m/sの範囲である。図から、乾燥時間は平均入力を上げていくと短くなるが、1300W以上では飽和傾向を示す。消費電力量に関しては、平均入力が高すぎても低すぎても消費電力量が増大し、最適な平均入力が存在することがわかる。消費電力量が最小値を示したのは、風量1.45m3/min(風速80m/s)でヒータを弱とした場合であった。比較のために、風量がほぼ同じ従来の洗濯乾燥機の場合(風量1.4m3/min,風速20m/s,ヒータ強)を図中白抜きの記号で示してある。乾燥時間は少し長くなっているが、消費電力量は大幅に低下している。なお、温風温度は、従来の洗濯乾燥機が約100℃なのに対して、約80℃となっている。温風温度は20℃低いが、風速が4倍であることから熱伝達率αは約3倍となることから、乾燥速度を上げることができる(数1で計算すると乾燥速度が約1.8倍となる)。
一方、風速が速いことは、衣類が団子状になったり、衣類が捩れたりするのを防止する効果がある。図9は、従来の洗濯乾燥機と本実施例の洗濯乾燥機の乾燥後の状態を示す。風量1.45m3/min,風速80m/s、衣類は綿パジャマのズボンで、布量は3kgの場合である。従来品は捩れて紐のようになっていて、表面積が減少し、かつ布の見掛け上の厚さが増加したようになり、水分の蒸発が阻害され乾燥速度が低下してしまう。これに対して、本実施例は衣類が広がっており、しわが少ない仕上がりである。しわが少ないのは、風速が速い風を衣類に吹き付けると、衣類が風圧で押し広げられるからである。このように衣類が広がっていると、表面積が大きくなるとともに、衣の重なりによる見掛けの厚さの増加がないため、水分が蒸発しやすく乾燥速度が上昇する。
また、上記のようにヒータを弱としているので温風温度が低い。このことは、衣類へのダメージを低減できる効果だけではなく、外槽2からの熱逃げを少なくできるため、温風の熱を有効に衣類に与えることができ、消費電力量の低減ができるという効果もある。
図10は、洗濯乾燥機の制御装置38のブロック図である。50はマイクロコンピュータで、各スイッチ12,13,13aに接続される操作ボタン入力回路51や水位センサ34、温度センサ52と接続され、使用者のボタン操作や洗濯工程,乾燥工程での各種情報信号を受ける。マイクロコンピュータ50からの出力は、駆動回路54に接続され、給水電磁弁16,排水弁25,モータ4,送風ファン28,ヒータ31などに接続され、これらの開閉や回転,通電を制御する。また、使用者に洗濯機の動作状態を知らせるための7セグメント発光ダイオード表示器14や発光ダイオード56,ブザー57に接続される。
図11は、操作パネル6の詳細である。13から13hは操作ボタンスイッチ、14eから14kは7セグメント発光ダイオード表示器、56aから56dは発光ダイオードで、発光ダイオードが点灯することで操作パネル6上の文字をハイライトにする。13aは洗濯コース、13bは洗濯乾燥コース、13cは乾燥コースの設定を行うときに操作する。13eから13hは、洗い,すすぎ,脱水,乾燥の時間や回数を手動設定する場合に使用するスイッチで、これらの操作に応じて発光ダイオード表示器14eから14hに設定値を表示する。13dは、高仕上げスイッチで、仕上がりの良い乾燥を行うときに使用し、スイッチが押されると発光ダイオード56dが点灯する。
前記マイクロコンピュータ50は、電源スイッチ39が押されて電源が投入されると起動し、図12に示すような洗濯および乾燥の基本的な制御処理プログラムを実行する。
ステップS101
洗濯乾燥機の状態確認及び初期設定を行う。
ステップS102
操作パネル6の表示器14を点灯し、操作ボタンスイッチ13からの指示入力にしたがって洗濯/乾燥コースを設定する。洗濯のみを行う場合は13aの洗濯スイッチを、洗濯から乾燥までを連続して行う場合は13b洗乾スイッチを、乾燥のみを行う場合は13c乾燥スイッチを押して、コースを設定する。これらの操作ボタンスイッチを押すと、発光ダイオード56aが点灯する。操作ボタンスイッチを押すごとに点灯する発光ダイオードが切り替わり、標準→念入り→手造りのように移動し、設定したコースの運転内容が切り替わる。本実施の形態例では、省エネコースを選んだ場合について述べる。省エネコースに設定すると表示器14eから14hに、マイクロコンピュータ50に予め記憶されている設定値を表示する。必要な場合は、ここで13eから13hのスイッチを押して設定値を変更することができる。
なお、指示入力がない状態では、標準の洗濯/乾燥コースまたは前回実施の洗濯/乾燥コースを自動的に設定する。
ステップS103
操作パネル6のスタートスイッチ12からの指示入力を監視して処理を分岐する。図には記載していないが、スタートスイッチ12が押されたら、布量センシングを実施する。布量センシングは、例えば、洗濯兼脱水槽3を低速で回転させ、あるいは規定の回転数まで加速させ、そのときのモータ4の電流値から測定する。そして、洗濯コースまたは洗濯乾燥コースの場合は、発光ダイオード56bを点灯し、洗剤量表示を一定時間行い(この間に使用者は、洗剤量表示を参考に洗剤トレイ7を引き出し、洗剤を入れる)、その後コースが終了するまでの時間を表示器14kに表示する。また、乾燥コースの場合は、表示器14kに乾燥が終了するまでの時間を表示する。
ステップS104
ステップS102で設定された運転コースにより処理を分岐する。洗濯乾燥コースの場合はステップS105,乾燥コースの場合はステップS107に分岐する。
ステップS105
洗濯を実行する。洗濯は洗い,中間脱水,すすぎ,最終脱水を順次実行するが、通常のドラム式洗濯乾燥機と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ステップS106
洗濯乾燥コースが設定されている場合は、温風脱水を実行する。温風脱水は、送風ユニット28を低速回転で運転し、ヒータ31に通電(強モード)して温風を洗濯兼脱水槽3内に吹き込み衣類の温度を上昇させる。同時に、洗濯兼脱水槽3を高速で回転させ温まった衣類から効果的に水分を脱水する(温度が上がると水の粘性が低下するため効率よく脱水でき、乾燥時間を短縮できる)。温風脱水時に、送風ユニット28を低速回転するのは、脱水時には洗濯兼脱水槽3を高速回転するのに必要なモータ4の電流が大きいため、脱水中に送風ユニット28を高速回転すると許容電流値(日本の商用電流では15A)を超えてしまうからである。なお、衣類の量が多いほど衣類全体を温めるのに時間が掛かるため、温風脱水の時間は、衣類の量が多いほど長くする。
本実施の形態例では、ヒータ31にPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを使用しており、その特性から同じ風量でも空気の温度が低いと電流が多く流れ、許容電流値を超える恐れがある。そこで、空気が冷えている乾燥開始後は、送風ユニット28の回転数を低速回転よりさらに低い回転数(本実施の形態例では毎分9500回転)で運転している。さらに、空気が暖まるまでの間はヒータの強モードと弱モードを一定時間間隔で切り替えている。これにより、ヒータ電流を抑えている。
また、温風脱水時に一気に定格回転数まで回転数を上昇させると、衣類が遠心力で洗濯兼脱水槽3の壁面に張り付いたままになり、温風脱水終了後に壁面から剥がれ落ちないことがある。これを防ぐために、脱水回転数を段階的に上昇させながら、途中で一旦脱水回転を停止し衣類を壁面から剥がし、再度脱水回転を始める運転を数回繰り返し、定格回転数まで回転数を上げている。
空気が暖まったら(本実施の形態例では乾燥開始約10分後)、送風ユニット28の回転数を低速回転の毎分12400回転にし、ヒータを強モードとする。本形態の実施例では、送風ユニット28の低速回転時の風量は、1.45m3/minで風速は約80m/sである。
ステップS107
乾燥運転1を実行する。送風ユニット28は低速回転(回転数毎分12400回転)、ヒータ31は弱モード1で運転し、洗濯兼脱水槽3の正逆回転を繰り返し、洗濯兼脱水槽3内の衣類の位置を入れ替えながら、高温の温風を衣類に吹き付ける。衣類全体の温度が上昇し衣類から水分が蒸発する。
図13は、ファンケース28bを切断し内部に設定してあるヒータ31を見たものである。ヒータ31はPTCヒータで、ヒータ31aとヒータ31bの2段重ねになっている。ファンケース28bはヒータ31の上流側で曲がっており、空気の慣性力のためにヒータ31aを流れる風量は、ヒータ31bよりも多い。PTCヒータは、上述したように風量が多いほどヒータ入力が高いため、ヒータ31aの発熱量の方がヒータ31bより高くなる。このように、ヒータ31aとヒータ31bを流れる風量に差を付けたのは、図8で示した消費電力量が最小となる入力に制御するためで、ヒータ31の弱モード1は、ヒータ31aに通電した場合である(ヒータ31aをON、ヒータ31bをOFF)。なお、ヒータ31aの容量をヒータ31bより大きくしても、同様の制御が可能である。この場合、ファンケース28bに曲がり部を設ける必要はなく、両ヒータに同じ風量を流すようにする。
ステップS108
乾燥は、温度センサにより温風(ファンの入口)や冷却水排水温度を監視しながら実行し、温度変化の割合が所定の値になったときに、洗濯兼脱水槽3の正逆回転及び送風ユニット28の運転はそのままで、ヒータ31の通電を止める。
ステップS111
予め規定された時間あるいは、循環する空気が所定の温度以下になるまで送風運転を行い、衣類を冷却して乾燥運転を終了する。この時、水冷除湿機構への冷却水の供給は継続したままにした方が、効率よく循環する空気の温度を下げることができる。また、送風運転時には、送風ユニット28を低速回転もしくは低速回転より低い回転数にした方がよい。これは、送風運転時に送風ユニット28が高速回転のままの場合、ファンの圧縮仕事やファンモータ28aからの熱により、循環する空気の温度が下がりにくいため、送風運転時間が長くなってしまうからである。送風ユニット28の回転数を冷却に適した回転数まで下げることで短時間に送風運転を終了できる(回転数を下げすぎると、循環風量が減り逆に時間が延びる)。本実施の形態例では、毎分9000回転としている。
なお、上記実施例では、省電力乾燥コースの場合、ヒータを弱に制御したが、標準コースよりも、ヒータ弱時間を長くする構成にしても良い。
次に、別の実施の形態例に関する制御処理プログラムを、図14に示す。
図12と同一符号は、同一の動作を示す。図12で示した制御処理プログラムとの違いは、ステップ111で低温乾燥コースが選択された場合で、温風脱水時(ステップS101)と乾燥運転ステップS107時にヒータ31を弱モード2としたことである。弱モード2は、ヒータ31bに通電した場合で、ヒータ31bを流れる風量が少ないため、ヒータの発熱量が少ないため、ノズル32dから吹き出す温風の温度を50から60℃に制御できる。これにより、熱に弱い衣類にダメージを与えることなく、乾燥を実行できる。
1 筐体
2 外槽
2d 外槽カバー
3 洗濯兼脱水槽
4,28a モータ
6 操作パネル
8 乾燥フィルタ
9 ドア
16 給水電磁弁
27 フィルタダクト
28 送風ユニット
28b ファンケース
29 乾燥ダクト
31 ヒータ
32 温風吹出し口
32d ノズル
33 吸気ダクト
38 制御装置

Claims (1)

  1. 衣類が収容される回転ドラムと、この回転ドラムを内包し水を溜める外槽と、前記回転ドラムの外周壁の内側に設けられ軸方向に延びる複数個のリフタと、前記回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを支持する筐体と、ファン羽根車を備えた送風ユニットと、この送風ユニットの下流側に設けた吹き出し口を有し、前記回転ドラムの回転中心軸は、水平または開口部側が高くなるように傾斜しており、乾燥運転するドラム式洗濯乾燥機において、
    前記吹き出し口は、前記外槽の前面の開口部にある外槽カバーに設けられ、かつ、扁平のスリット形状としたノズルを有し、
    前記乾燥運転中に、前記回転ドラムを回転すると、前記衣類は前記リフタと遠心力で前記外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するように動きを繰り返しながら、前記送風ユニットで発生した風を前記ノズルから風速が50m/sから110m/sの高速風として吹き出ことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
JP2012130352A 2012-06-08 2012-06-08 乾燥機 Active JP5452662B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130352A JP5452662B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 乾燥機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130352A JP5452662B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 乾燥機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007258221A Division JP2009082577A (ja) 2007-10-02 2007-10-02 乾燥機及び洗濯乾燥機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012161699A JP2012161699A (ja) 2012-08-30
JP5452662B2 true JP5452662B2 (ja) 2014-03-26

Family

ID=46841675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012130352A Active JP5452662B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 乾燥機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5452662B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS536686A (en) * 1976-07-05 1978-01-21 San Giken Kk Apparatus for drying cloth with high speed air stream
JPH0240886Y2 (ja) * 1985-03-04 1990-10-31
JPS6244299A (ja) * 1985-08-23 1987-02-26 太田 恵三 回転数制御衣類乾燥機
JPS63715A (ja) * 1986-06-20 1988-01-05 Matsushita Electric Works Ltd 温風器の温度制御装置
JPH09774A (ja) * 1995-06-22 1997-01-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 全自動洗濯機
JP2000024363A (ja) * 1998-07-14 2000-01-25 Mitsubishi Electric Corp 洗濯乾燥機
US6691536B2 (en) * 2000-06-05 2004-02-17 The Procter & Gamble Company Washing apparatus
JP4023113B2 (ja) * 2001-07-12 2007-12-19 松下電器産業株式会社 全自動洗濯乾燥機
JP4439417B2 (ja) * 2005-03-11 2010-03-24 三洋電機株式会社 乾燥機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012161699A (ja) 2012-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4729538B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP5325689B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP4866810B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP5308762B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP5033560B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP4812719B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP4474447B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP4538093B2 (ja) ドラム式乾燥機又はドラム式洗濯乾燥機
JP2009082577A (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP4713620B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP5647717B2 (ja) ドラム式洗濯乾燥機
JP5600779B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP4767235B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP4909851B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP4872022B2 (ja) 乾燥機
JP4895956B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP5450724B2 (ja) 乾燥機
JP5452662B2 (ja) 乾燥機
JP4381471B2 (ja) ドラム式洗濯乾燥機
JP4866821B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP4881825B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP2009072491A (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP4839415B2 (ja) ドラム式洗濯乾燥機
JP5205492B2 (ja) ドラム式乾燥機
JP4820925B2 (ja) ドラム式乾燥機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5452662

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350