JP5450269B2 - 磁場解析方法、プログラムおよび磁場解析装置 - Google Patents

磁場解析方法、プログラムおよび磁場解析装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁場解析方法、プログラムおよび磁場解析装置の技術に関する。
近年、心筋内の電気活動を非侵襲的に評価する検査装置として、心磁計が開発されている(例えば非特許文献1,2参照)。心磁計とは、心臓の電気的な活動によって生じる微弱な磁場(心磁)を非接触に多点で計測できる装置である。心磁の時間変化および空間分布を画像化したものは心磁図と呼ばれる。生体内の透磁率は均一と考えることができるため、心磁図は、心電図と比べて、高感度に心臓の電気的活動を反映している。
この心磁信号を用いて、心臓の2次元、あるいは、3次元の電流分布を再構成する方法が提案されている(例えば非特許文献3,4参照)。心臓の電流分布を再構成することによって、電流強度を等高線で表し、あわせて電流ベクトルを矢印で表すことができる。このような電流分布図を電流アロー図ともいう。このように心臓の電流分布を可視化することによって、心臓の興奮伝導を直感的に理解することができ、臨床上、多くの有効性が報告されている(例えば非特許文献5、6参照)。
この電流分布を用いた、新たな表示法や心疾患の検出法などの多様な解析技術が提案されている。解析技術の例としては、電流強度と電流角度の時間変化を一枚の図で表示した電流ベクトルダイアグラム(例えば非特許文献7参照)や運動負荷前後の電流強度の変化をマッピングしたカレントレシオマップ(例えば非特許文献8,9参照)、任意の時間区間の電流分布を積算した電流積分図(例えば非特許文献10,11参照)などがある。これらのような電流分布に基づく多様な解析技術によって、虚血性心疾患や不整脈などの心疾患に伴う電気的な活動の変化を捉えることが可能となっている。
さらに、心磁図から得られる電流分布は心室内局所の電流変化を検出できるため、心臓における興奮部位の変化を詳細に捉えることができる。この特徴によって、電流分布図は、心臓の興奮伝導の異常を正確に評価できる可能性がある。また、興奮部位の変化を詳細に捉えることができることによって、心室内の興奮伝導時間を検出できる可能性もある。ここで、心室内の興奮伝導時間とは、心室(左心室と右心室)内を電気的な興奮が伝導するのにかかる時間のことである。例えば、重症心室性不整脈(心室頻拍、心室細動など)では心室内の興奮伝導が遅延することが知られており、心室内興奮伝導時間は重要な指標の一つである。これらのように、心臓における興奮部位の変化を正確に捉えることで、臨床上有用な情報を得ることができる。
K.Tsukada,et.al.," Multichanel SQUID system detecting tangential components of the cardiac magnetic field ",Rev.Sci.Instruments,vol.66,pp. 5085-5091,1995. K.Tsukada,et.al.," A simplified superconducting interference device system to analyze vector components of a cardiac magnetic field ",Proc.20th Int.Conf.IEEE/EMBS(Hong Kong),pp.524-527,1998. T.Miyashita,et.al.," Construction of tangential vectors from normal cardiac magnetic field components ",Proc.20th Int.Conf.IEEE/EMBS(Hong Kong),pp. 520-523,1998. K. Ogata,et.al.," Visualization of three-dimensional cardiac electrical excitation using standard heart model and anterior and posterior magnetocardiogram ",Int.J.Cardiac.Imaging,vol.22,pp.581-593,2006. S. Yamada,et.al.," Noninvasive, direct visualization of macro-reentrant circuits by using magnetocardiograms: initiation and persistence of atrial flutter ",Europace,vol.5,pp.343-350,2003. A. Kandori,et.al.," Detection of spatial repolarization abnormalities in patients with LQT1 and LQT2 forms of congenital long-QT syndrome ",Physiol. Meas.,vol.23,pp.603-614,2002. T.Miyashita,et.al.," Multiple-current-vector-diagrams for evaluating inhomogeneity of myocardial activity - Applied to ischemic heart disease and cardiomyopathy ",Proc.13th Int.Conf.Biomagnetism(Jena),pp.582-583,2002. A. Kandori,et.al," A method for detecting myocardial abnormality using a current-ratio map calculated from an exercise-induced magnetocardiogram ",Med.Biol.Eng.Comput.,vol.39,pp.29-34,2001. H. Kanzaki,et.al.," A new screening method to diagnose coronary artery disease using multichannel magnetocardiogram and simple exercise ",Basic.Res.Cardiol.,vol.98,pp.124-32,2003. K. Tsukada.," An iso-integral mapping technique uwing magnetocardiogram, and its possible use for diagnosis of ischemic heart disease ",Int.J.Cardiac.Imaging,vol.16,pp.55-66,2000. J. Shiono,et.al.," Evaluation of myocardial ischemia in Kawasaki disease using an isointegral map on magnetocardiogram",Pacing Clin.Electrophysiol.,vol.25,pp.915-921,2002.
心磁信号から得られる電流分布図を用いて心臓の興奮部位の変化を捉える場合、連続した時間の電流分布図(電流アロー図)を複数表示させ、興奮部位の時間的な変化を目視によって検出する必要があった。そのため、心磁信号から興奮部位の変化を抽出するためには、多くの時間を費やすという問題がある。さらに、興奮伝導時間の検出も、連続した時間の電流分布図を複数表示させて手動にて計測するため、解析者間で差が生じるという課題があった。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、磁場信号の解析を容易にすることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、磁場計測装置から取得した磁場信号を基に、評価値を算出し、この評価値が極大値を示す時刻を算出する。評価値には、磁場計測領域における電流ベクトルの方向や、電流強度が最大の箇所の時間経過に伴う移動距離や、これらの合成値が用いられる。
その他の解決手段については、明細書中で適宜説明する。
本発明によれば、磁場信号の解析を容易にすることができる。
本実施形態に係る生体磁場計測システムの全体構成例を示す図である。 クライオスタットの構成例を示す図である。 測定時におけるSQUID磁束計の配置を示す図である。 第1実施形態に係る演算装置の構成例を示す図である。 第1実施形態に係る心磁信号解析処理の手順を示すフローチャートである。 心磁信号の例を示す図である。 電流アロー図の例を示す図である。 第1実施形態に係る変化量グラフの例を示す図である。 第2実施形態に係る演算装置の構成例を示す図である。 第2実施形態に係る心磁信号解析処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る変化量グラフの例を示す図である。 第3実施形態に係る演算装置の構成例を示す図である。 第3実施形態に係る心磁信号解析処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る変化量グラフの例を示す図である。 画面例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
《第1実施形態》
まず、図1〜図8を参照して、本発明に係る第1実施形態について説明する。
第1実施形態では、電流ベクトルの角度(方向)変化の大きい時刻を検出することを目的とする。すなわち第1実施形態では、磁場計測装置において記録された心磁信号から2次元の電流分布を計算し、電流ベクトルの平均角度の時間的な変化量を計算し、変化量の波形を表示することで心臓における興奮部位の変化を視覚的に分かりやすく表示する。さらに、電流ベクトルの平均角度の時間的な変化量の波形の極大点を抽出し、極大点の時刻を興奮伝導時間(具体的には、電流ベクトルの角度に大きな変化が生じた時刻)として自動検出する。
(システム構成図)
図1は、本実施形態に係る生体磁場計測システムの全体構成例を示す図である。
生体磁場計測システム10は、磁気シールドルーム5の内部と外部とに分かれて配置される。
磁気シールドルーム5の内部には、複数のSQUID(Superconducting Quantum Interference Device)磁束計を内部に配置して極低温に保持しているクライオスタット2と、クライオスタット2を保持しているガントリ3と、被験者(図示せず)が横になるベッド4が配置されている。ベッド4は、短軸方向(y方向)の移動、長軸方向(x方向)での移動、上下方向(z方向)での移動が可能であり、クライオスタット2の計測領域の位置合わせを容易に行うことができる。クライオスタット2、ガントリ3をあわせて磁場計測装置6と称することがある。
磁気シールドルーム5の外部には、クライオスタット2内に配置される複数のSQUID磁束計を駆動させる駆動回路7と、駆動回路7からの出力を増幅してフィルタをかけるアンプフィルタユニット8と、アンプフィルタユニット8からの出力信号をデータ収集し、収集された心磁信号を解析処理するとともに磁場計測装置6の各部の制御を行なう演算装置(磁場解析装置)1と、演算装置1により解析処理された解析結果を表示する表示装置9が主に配置されている。
なお、本実施形態では、演算装置1にその特徴を有している。そのため、本実施形態では、磁場計測装置6として、例えば、脳磁計測装置、肺磁計測装置、筋磁計測装置などを適宜適用することができる。
(クライオスタット内部)
図2は、クライオスタットの構成例を示す図である。
クライオスタット2の底部には、図2の上段に示すように、複数のSQUID磁束計21が並んで配置されている。個々のSQUID磁束計21は、ボビンに超伝導線材を巻きつけたコイルと、コイル上部において、コイルと接続されているSQUIDセンサとを有している。
個々のSQUID磁束計21は、その底部がクライオスタット2の底部と平行になるように設置されている。そして、個々のSQUID磁束計21は、z方向の磁場成分Bを経時的に計測する。なお、磁気の距離変化量を的確に捉えられるように、クライオスタット2内には複数のSQUID磁束計21がx方向およびy方向には等間隔に配列されている。本実施形態では、個々のSQUID磁束計21間の距離が0.025mであって、その計測面22が0.175m×0.175m、SQUID磁束計21の数が8×8のアレー状に配置した64チャンネルとなっているものとするがこのような配置に限定されるものではない。
また、本実施形態では、煩雑になるのを避けるため、図2下段のように、SQUID磁束計21を8×8のマス目(計測面22)で表現することとする。
(測定時におけるSQUID磁束計の配置)
図3は、測定時におけるSQUID磁束計の配置を示す図である。
計測時では、胸壁33に対してSQUID磁束計の計測面22が並行となるようSQUID磁束計を配置し、例えば、符号31で示す8行4列目に対応するSQUID磁束計が胸部の剣状突起32の真上に位置するように、計測面22の位置合わせを行う。このとき、例えば、符号34で示す1行8列目のSQUID磁束計を座標系の原点Oとする。そして、計測面22が磁場計測領域となる。
なお、SQUID磁束計21(図2)のコイル面(計測面22)の向きを変えることによって、x軸方向の磁場成分Bや、y軸方向の磁場成分Bを検出することもできる。
(演算装置の構成)
図4は、第1実施形態に係る演算装置の構成例を示す図である。
演算装置1は、情報を処理する処理部100と、情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部120と、情報を表示するディスプレイなどの表示部110(表示装置9)とを有している。
処理部100は、電流分布計算部101、平均角度計算部(電流ベクトル角度計算部)102、平均角度変化量計算部(電流ベクトル角度計算部)103、表示処理部104および極大点抽出部(最大変化点検出部)105とを有してなる。
電流分布計算部101は、クライオスタット2から送信された磁場信号を基に、SQUID磁束計の計測面における電流の大きさを等高線で示し、電流の方向をベクトル(電流ベクトル)で示した電流アロー図(詳細は後記)を各時刻毎に算出する機能を有している。
平均角度計算部102は、各時刻における電流ベクトルの角度(方向)の平均値を計算する機能を有している。
平均角度変化量計算部103は、平均角度計算部102が計算した各時刻毎の電流ベクトルの平均角度を基に、各時刻間における電流ベクトルの平均角度の変化量を計算する機能を有する。
表示処理部104は、平均角度変化量計算部103が算出した結果を表示部110に表示する機能を有する。
極大点抽出部105は、電流ベクトルの平均角度の変化量の極大点を抽出する機能を有する。
なお、演算装置1はPC(Personal Computer)などで実現され、処理部100および処理部100における各部101〜105は、図示しないROM(Read Only Memory)や、HDDに格納されたプログラムが、RAM(Random Access Memory)に展開され、CPU(Central Processing Unit)によって実行されることによって具現化する。
なお、本実施形態では、一例として、心磁信号は1kHzのサンプリング周波数で30秒間記録され、演算装置1内の記憶部120に格納されるものとする。さらに、心磁信号を記録する際、アンプフィルタユニット8において、0.1Hzのハイパスフィルタ、100Hzのローパスフィルタをかけ、商用電源によるノイズを除去するハムフィルタを適用した。その後、演算装置1内に格納された心磁信号のSN(Signal Noise)比を高めるための加算平均処理と基線補正処理(心磁信号が出現していない時間の平均磁場強度による補正)を行うこととする。
(処理)
次に、図4を参照しつつ、図5に沿って、第1実施形態に係る心磁信号解析処理を説明する。
図5は、第1実施形態に係る心磁信号解析処理の手順を示すフローチャートである。
なお、解析対象となっている各時刻毎に、ステップS101〜S105の各処理を行う。また、各処理の詳細は後記することとする。
心磁信号解析処理のプログラムが起動されることによって、処理が開始されると、まず、電流分布計算部101が、記憶部120に格納されている各時刻における心磁信号を取得し、心磁信号から各時刻毎における電流分布を計算する(S101)ことで、後記する電流アロー図を生成する。
次に、平均角度計算部102が、電流分布から各時刻毎における電流ベクトルの平均角度を計算する(S102)。
そして、平均角度変化量計算部103が、ステップS102で計算された電流ベクトルの平均角度を基に、各時刻間における電流ベクトルの平均角度の時間的な変化量を計算する(S103)。
続いて、表示処理部104が、ステップS103で算出した変化量を時間的変化をグラフ(変化量グラフ)の形式で表示する(S104)。
そして、極大点抽出部105が、電流ベクトルの平均角度の変化量から極大点の時刻を抽出し(S105)、処理を終了する。
以下、各ステップS101〜S105の各処理について、詳細な説明を行う。
図6は記憶部に格納されている心磁信号の例を示す図である。
図6は、健常者(典型例)の心室脱分極過程(QRS波)の心磁波形を示すグラフである。図6の心磁波形は、64個のSQUID磁束計で記録された心磁波形を重ね合わせて表示したものである。図6から、健常者の心磁波形は3つの成分(初期成分、中期成分、後期成分)で構成されている。
(ステップS101)
ステップS101における心磁信号から電流分布を計算する方法として電流アロー図を用いることとする。電流アロー図とは、図7に示すように胸壁に垂直な法線(z)方向の心磁(B)から解析的に接線(xおよびy)方向の心磁を算出し、この接線方向の心磁を擬似的な電流ベクトルとして計測平面上に投影し、表示したものである。よって、電流アロー図法は計測点と同数の電流ベクトルを再構成でき、電流ベクトルの大きさを矢印の長さで、電流ベクトルの方向を矢印の向きで表示する。
電流分布計算部101は、電流アロー図法から得られるi(i=1,2,・・・,64:iはSQUID磁束計の番号)番目の位置の電流ベクトル(I)のx成分(Ix,i)およびy成分(Iy,i)を、それぞれ、Bz,iを用いて式(1)および式(2)から計算する。
x,i ∝ ∂Bz,i/∂y ・・・ (1)
y,i ∝ −∂Bz,i/∂x ・・・ (2)
また、電流分布計算部101は、i番目の位置における電流ベクトルの大きさ(|I|)および角度(θ)を式(3)および式(4)から計算する。
|I| = √((Ix,i+(Iy,i) ・・・ (3)
θ = (180/π)arctan(Iy,i/Ix,i) ・・・ (4)
なお、心磁信号から心臓における電流分布を演算する方法としては、電流アロー図法以外にも、ミニマムノルム法、sLORETA法などの従来の心磁信号から電流分布を計算する方法も用いることができる。
(ステップS102)
次に、ステップS102の詳細を説明する。
次に、ステップS102において、平均角度計算部102は、ある時刻tにおける平均電流ベクトルIaveを求め、その平均電流ベクトルの角度を電流ベクトルの平均角度とする。ここで、平均角度計算部102は、平均電流ベクトルIaveのx成分Iavexおよびy成分Iaveyを式(5)および式(6)から計算する。
そして、平均角度計算部102は、式(5)および(6)を用いて、ある時刻t(t=T〜T)の平均電流ベクトルIavetの角度θavetを式(7)から計算する。
θavet = (180/π)arctan(Iavey/Iavex) ・・・ (7)
(ステップS103)
次に、ステップS103の詳細を説明する。
ステップS103において、平均角度変化量計算部103は、時間的に連続した平均電流ベクトルの角度の変化量を求めるため、ある時刻tを中心とする時間範囲(t―Δt〜t+Δt)内の平均電流ベクトルの角度の変化量Δθavetを式(8)から求める。
ここで、Δtは任意の時間間隔を表している。なお、Δtは処理中において固定の値である。
また、Δtの値が小さいとき変化量Δθavetは平均電流ベクトルの時間的に急峻な変化を反映し、Δtの値が大きいときΔθavetは平均電流ベクトルの時間的な緩やかな変化を反映する。すなわち、Δtの設定によって結果が変化するので、ユーザの目的にあわせたΔtの設定が必要となる。
(ステップS104)
ステップS104において、表示処理部104は、式(8)から得られる計算範囲(T〜T)の平均電流ベクトルの角度の変化量Δθavetの波形をグラフ(変化量グラフ)として表示部110に表示する。
図8は、第1実施形態に係る変化量グラフの例を示す図である。
図8の上段は、記憶部に格納されている心磁波形のグラフ81であり、図6のグラフと同一のものである。
図8の下段は、変化量グラフ82の例を示す図である。変化量グラフ82は、横軸が時間であり、縦軸が平均電流ベクトルの平均角度の変化量(単位°)である。
(ステップS105)
そして、ステップS105で、極大点抽出部105が、式(8)の計算範囲(T〜T)内の極大点の時刻を検出する。ここで、同じ値を有する連続した時間の平均電流ベクトルの角度の変化量Δθtaの極大点がある場合、時刻の早い方を極大点として抽出する。
なお、心磁信号の立ち上がり時刻から、所定時間後(例えば、90msec後)後のピークは、心臓が安静状態へ移行したことに伴う変化によるピークであるため、極大点の候補から除外する。
(適用例)
次に、第1実施形態の手法を健常例(典型例)の心磁信号に適用した例を説明する。
この例では、健常者1例(男性、31歳)を対象とした。
図7は、図6の心磁波形から計算した電流アロー図を示している。図7は、図5のステップS101で生成されるものである。図7における、電流アロー図の時間表示範囲は210から300msであり、10msの間隔で表示している。また、電流アロー図の強度はグレースケールバーに対応して表示しており、電流アロー図の強度が強い領域は黒で表示されている。なお電流アロー図に空間表示領域は、図3の計測面(磁場計測領域)22と一致する。
これまでは、この電流アロー図から目視で心磁信号の解析を行っていた。
以下、これまでの心磁信号の解析方法を説明する。心磁波形の初期成分(図6参照)に対応する210ms、220msの電流アロー図は電流強度から強い電流ベクトルは中央領域に位置し、その方向は左へ向かっていることが分かる。次に、心磁波形の初期成分に対応する230msの電流アロー図は、心磁波形の初期成分に対応する210ms、220msの電流アロー図とは異なり、電流強度の強い電流ベクトルは2か所(左下領域と中央やや右下の領域)に認められ、その電流ベクトルの方向は左下と左上を向いている。
続いて、心磁波形の中期成分(図6参照)に対応する240ms、250msの電流アロー図の電流強度の強い電流ベクトルは中央領域に位置し、電流ベクトルの角度は右方向である。一方、260msの電流アロー図は、心磁波形の中期成分の電流アロー図から変化し、電流強度の強い電流ベクトルは左上領域と中央やや右下の領域に認められ、電流ベクトルの方向は、それぞれ左上と右である。
次の心磁波形の後期成分(図6参照)に対応する270ms〜300msの電流アロー図の電流強度が強い電流ベクトルは、左上領域に位置し、その電流ベクトルの方向は左上である。
以上より、230msと260msの付近で、興奮部位が大きく変化していることが分かり、より詳細に調べると、228msと260msであることが目視で分かる。
以上が、これまでの心磁波形の解析手順である。
第1実施形態の心磁波形解析の説明に戻る。
前記したように、図8の上段は、健常者の心室脱分極区間(QRS波)の心磁波形を示す図であり、図8の下段は、心磁波形と同じ区間の平均電流ベクトルの角度の変化量の波形を示す図である。
図8の下段は、図5のステップS104で表示部110に表示される変化量グラフ82である。
変化量グラフ82から、平均電流ベクトルの角度の変化量の波形が大きく変化する時刻が2つ(230ms付近と250ms付近)あることが目視で認識できる。この時間帯は、前記した図7の電流アロー図から目視で確認された興奮部位が変化する時刻(228msと260ms)とほぼ同じである。よって、図7のような複数の電流アロー図を、1つ1つ目視で解析するような手間をかけることなく、平均電流ベクトルの角度の変化量を図8の下段のような変化量グラフ82とすることで、興奮部位の変化の時刻(具体的には、電流ベクトルの方向が大きく変化する時刻)をユーザが容易に認識することができる。
なお、図8の下段の平均電流ベクトルの角度の変化量グラフ82の極大点83の時刻を抽出すると、230msと255msであった。これは、図7の電流アロー図から目視で計測した興奮部位が変化する時刻228msと260msと比べて、数msの誤差である。よって、平均電流ベクトルの角度の変化量の波形の極大点83の時刻を検出することで、電流ベクトルが大きく変化する時刻を、目視によらずに検出することができる。
以上のことから、電流アロー図の平均電流ベクトルの角度の変化量をグラフとして表示することで、心臓における興奮部位の変化(具体的には、電流ベクトルの方向が大きく変化する時刻)を容易に認識することができる。さらに、平均電流ベクトルの変化量の極大点の時刻を検出することで、電流ベクトルの方向が大きく変化する時刻を自動的に計測できる。
なお、本実施形態では、電流ベクトルの時刻毎の平均角度を評価値として用いているが、これに限らず、例えば、各時刻において長さが最も長い電流ベクトルの角度や各時刻において長さがある値以上の電流ベクトルの平均角度を評価値として用いてもよい。
《第2実施形態》
次に、図9〜図11を参照して、本発明に係る第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、生体磁場計測システム10において記録された心磁信号から2次元の電流分布を計算し、電流ベクトルの強度の強い座標の時間的な変化量を計算し、変化量の波形を表示することで心臓における興奮部位の変化を視覚的に分かりやすく表示する。さらに、電流ベクトルの強度の強い座標の時間的な変化量の波形の極大点を抽出し、それらの極大点の時刻を興奮伝導時間として自動検出する。
つまり、第2実施形態では電流強度の強い箇所(図7において、色が最も濃い箇所)が大きく移動する時刻を検出することを目的とする。
第2実施形態において、生体磁場計測システム10の全体構成は、演算装置1が、図9に示す演算装置1aと置き換わったこと以外は、図1と同様であるため図示および説明を省略する。
(演算装置の構成)
図9は、第2実施形態に係る演算装置の構成例を示す図である。
演算装置1aが、図4の演算装置1と異なる点は、処理部100aにおいて、平均角度計算部102の代わりに最大電流座標計算部106を有し、平均角度変化量計算部103の代わりに最大電流座標変化量計算部107を有している点である。
最大電流座標計算部106は、電流アロー図(図7)の各時刻において、電流強度が最も大きい座標(最大電流座標)を計算する機能を有する。
最大電流座標変化量計算部107は、各時刻間における最大電流座標の変化量を算出する機能を有する。
なお、演算装置1aはPCなどで実現され、処理部100aおよび各部101,104,105〜107は、図示しないROMや、HDDに格納されたプログラムが、RAMに展開され、CPUによって実行されることによって具現化する。
(処理)
次に、図9を参照しつつ、図10に沿って、第2実施形態に係る心磁信号解析処理を説明する。
図10は、第2実施形態に係る心磁信号解析処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS201は、図5のステップS101と同様の処理であるため、説明を省略する。
(ステップS202)
ステップS202において、最大電流座標計算部106が、ある時刻tの電流アロー図における最大の電流強度を持つ電流ベクトルの座標(最大電流座標)(xm,t,ym,t)を計算する。
(ステップS203)
そして、ステップS203において、最大電流座標変化量計算部107が、時間的に連続した最大電流座標の時間的な変化量を算出するため、ある時刻tを中心とする時間範囲(t―Δt〜t+Δt)内の最大電流座標の変化量Δrを式(9)から求める。
式(9)では、t―Δt〜t+Δtにおける最大電流座標の移動距離を算出している。
(ステップS204)
そして、ステップS204において、表示処理部104が、計算範囲(T〜T)における最大電流座標の変化量Δrの波形を変化量グラフとして表示部110に表示する。
さらに、ステップS205において、極大点抽出部105が、式(9)の計算範囲(T〜T)内における最大電流座標の変化量Δrの極大点の時刻を抽出する。ここで、連続した時間における最大電流座標の変化量Δrが極大点として同じ値を有している場合、時刻の早い方を極大点として用いる。
(適用例)
次に、第2実施形態の手法を第1実施形態と同一の健常例(典型例)の心磁信号に適用した例を説明する。
図11の上段は、健常者(第一の実施形態で用いた被験者と同じ)の心室脱分極区間(QRS波)の心磁波形を示す図である。図11の上段におけるグラフ1101は、図6および図8の上段と同一であるため、説明を省略する。
図11の下段は、図11の上段における心磁波形と同じ区間の最大電流座標の変化量の波形を示す変化量グラフ1102である。変化量グラフ1102から、最大電流座標の変化量の波形が急激に変化する時間帯が2つ(230ms付近と260ms付近)存在することがみてとれる。この時間帯は、第1実施形態で説明した健常者の電流アロー図から目視によって確認された興奮部位が変化する時間帯(228msと260ms)とほぼ同じである。よって、最大電流座標の変化量グラフ1102によって、複数の電流アロー図を比較検討することなく、興奮部位の変化(具体的には、最大電流座標が大きく変化する時刻)を容易に認識することができることがわかる。
また、図11の下段の最大電流座標の変化量グラフ1102における波形の極大点1103の時刻を自動検出すると、226msおよび257msであった。これは、電流アロー図から目視によって計測した最大電流部位が大きく変化した時刻228msおよび260msと数msの誤差である。よって、第2実施形態によれは、最大電流座標の変化量の波形の極大点1103の時刻を検出することで、最大電流座標が大きく変化する時刻を目視によらずして自動計測できる。
以上のことから、電流アロー図の最大電流座標の変化量をグラフとして表示することで、心臓における興奮部位の変化(具体的には、最大電流座標が大きく変化する時刻)を容易に認識することができる。さらに、最大電流座標の変化量の極大点の時刻を検出することで、最大電流座標が大きく変化する時刻を、目視によらずに検出することができる。
《第3実施形態》
次に、図12〜図14を参照して、本発明に係る第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、生体磁場計測システム10において記録された心磁信号から2次元の電流分布を計算し、電流ベクトルの平均角度の変化量と電流ベクトルの強度の強い座標の時間的な変化量とを合成した合成変化量を計算し、変化量の波形を表示することで心臓における興奮部位の変化を視覚的に分かりやすく表示する。さらに、合成変化量の波形の極大点を抽出し、それらの極大点の時刻を興奮伝導時間として自動検出する。
つまり、第3実施形態では、第1実施形態の平均電流ベクトルの角度の変化量と、第2実施形態の最大電流座標の変化量とをあわせて考慮することによって、両者が大きく変化した時刻を検出することを目的とする。
なお、第2実施形態において、生体磁場計測システム10の全体構成は、演算装置1が、図12に示す演算装置1bと置き換わったこと以外は、図1と同様であるため図示および説明を省略する。
(演算装置の構成)
図12は、第3実施形態に係る演算装置の構成例を示す図である。
演算装置1bが、図4の演算装置1と異なる点は、処理部100bにおいて、図4の演算装置1の構成に加えて、図9の最大電流座標計算部106および最大電流座標変化量計算部107を有し、さらに平均電流ベクトルの角度の変化量と、第2実施形態の最大電流座標の変化量とをあわせた合成変化量を計算する合成変化量計算部108を有する点である。
なお、演算装置1bはPCなどで実現され、処理部100bおよび各部101〜108は、図示しないROMや、HDDに格納されたプログラムが、RAMに展開され、CPUによって実行されることによって具現化する。
(処理)
次に、図12を参照しつつ、図13に沿って、第3実施形態に係る心磁信号解析処理を説明する。
図13は、第3実施形態に係る心磁信号解析処理の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS301〜S303は、図5のステップS101〜S103と同様の処理であるため、説明を省略する。また、ステップS304,S305は、図10のステップS202,S203と同様であるため説明を省略する。
(ステップS306)
ステップS306において、合成変化量計算部108が、ステップS303で計算された平均電流ベクトルの角度の変化量Δθavet(式(8)の結果)と、ステップS305で計算された最大電流座標の変化量Δr(式(9)の結果)を合成した合成変化量ΔFを式(10)から計算する。
ΔF = (Δθavet/θmax)+(Δr/rmax) ・・・ (10)
ここで、θmaxおよびrmaxは、それぞれ平均電流ベクトルの角度の変化量Δθavetの最大値および最大電流強度の変化量Δrの最大値を示している。
なお、合成変化量は、平均電流ベクトルの角度の変化量および最大電流座標の変化量をあわせて考慮したものであればよく、式(10)に限らない。例えば、式(11)でもよいし、平均電流ベクトルの角度の変化量および最大電流座標の変化量の関数などで表現してもよい。
ΔF = (Δθ/θmax)×(Δr/rmax) ・・・ (11)
(ステップS307,S308)
次に、ステップS307において、表示処理部104が、計算範囲(T〜T)の合成変化量の変化量ΔFの波形を変化量グラフとして表示部110に表示する。
さらに、ステップS308において、極大点抽出部105が、計算範囲(T〜T)内における合成変化量ΔFの極大点の時刻を抽出する。ここで、連続した時間における合成変化量ΔFが極大点として同じ値を有している場合、時刻の早い方を極大点として用いる。
次に、第3実施形態の手法を第1実施形態と同一の健常例(典型例)の心磁信号に適用した例を説明する。
図14の上段は、健常者(第一の実施形態で用いた被験者と同じ)の心室脱分極区間(QRS波)の心磁波形を示す図である。図14の上段におけるグラフ1401は、図6、図8の上段および図11の上段と同一であるため説明を省略する。
図14の下段は、図14の上段における心磁波形と同じ区間の合成変化量の波形を示す変化量グラフ1402を示す図である。変化量グラフ1402から、最大電流座標の変化量の波形が急激に変化する時間帯が2つ(230ms付近と260ms付近)存在することが分かる。この時間帯は、健常者の電流アロー図から目視によって確認された興奮部位が変化する時間帯(228msと260ms)とほぼ同じである。よって、合成変化量のグラフによって、複数の電流アロー図を比較検討することなく、興奮部位の変化(具体的には、電流ベクトルの方向と、最大電流座標の双方が大きく変化した時刻)を容易に認識することができることがわかる。
また、図14の下段の合成変化量の波形の極大点1403の時刻を自動検出すると、230msおよび257msであった。これは、電流アロー図から目視によって計測した興奮部位が変化した時間228msおよび260msと数msの誤差であった。よって、合成変化量の波形の極大点1403の時刻を検出することで、電流ベクトルの方向と、最大電流座標の双方が大きく変化した時刻を目視によらずして自動計測できる。
以上のことから、平均電流ベクトルの角度の変化量と最大電流座標の変化量との合成変化量をグラフとして表示することで、心臓における興奮部位の変化(具体的には、電流ベクトルの方向と、最大電流座標の双方が大きく変化した時刻)を容易に認識することができる。また、合成変化量の極大点の時刻を検出することで、電流ベクトルの方向と、最大電流座標の双方が大きく変化した時刻を目視によらずに検出することができる。
《画面例》
次に、図15を参照して、本実施形態の画面例を説明する。
図15は、表示処理部104によって表示部110に表示される画面例を示す図である。
表示画面1500には、磁場波形表示エリア1501と、変化量表示エリア1502と、電流アロー図表示エリア1503と、時間設定バー1504と、波形表示設定エリア1505と、電流アロー図表示設定エリア1506とを有する。
磁場波形表示エリア1501は、演算装置1(図1)が磁場計測装置6(図1)から取得した各SQUID磁束計における電流値波形を示すグラフを表示するエリアである。ここで、表示されるグラフは、図6、図8の上段、図11の上段および図14の上段などで示されるグラフと同一のものである。
変化量表示エリア1502は、図8の下段における平均電流ベクトルの角度の変化量グラフ82や、図11の下段における最大電流座標の変化量グラフ1102や、図14の下段における合成変化量の変化量グラフ1402などが表示される。図15の例では、平均電流ベクトルの角度の変化量グラフと、最大電流座標の変化量グラフとが表示されているが、これらに加えて合成変化量の変化量グラフが表示されてもよいし、平均電流ベクトルの角度の変化量グラフ、最大電流座標の変化量グラフ、合成変化量の変化量グラフのうち、少なくとも1つが表示されてもよい。以下、平均電流ベクトルの角度の変化量グラフに表示されている波形を平均電流ベクトル角度変化量波形と称し、最大電流座標の変化量グラフに表示されている波形を最大電流座標変化量波形と称する。
なお、変化量表示エリア1502において、極大点を示す時刻上に細実線1511〜1514が表示され、その時刻1531〜1534が表示されている。
そして、磁場波形表示エリア1501においても、極大点を示す時刻が細実線1521,1522および細破線1523,1524で表示されている。ちなみに、磁場波形表示エリア1501では、平均電流ベクトル角度変化量波形から計算される極大点の時刻が細実線1521,1522で示され、最大電流座標変化量波形から計算される極大点の時刻が細破線1523,1524で示されている。
また、時間設定バー1504で示された時刻が、磁場波形表示エリア1501および変化量表示エリア1502において太実線1541〜1543で示され、その時刻に対応する電流アロー図が電流アロー図表示エリア1503に表示される。なお、電流アロー図における電流強度は、グレースケールで表示され、電流強度と色の関係はグレースケールバー1571で示されている。
波形表示設定エリア1505には、時間設定エリア、磁場設定エリア、平均電流ベクトルの角度の変化量設定エリア、最大電流座標の変化量設定エリアを有している。
時間設定エリアは、磁場波形表示エリアおよび変化量表示エリアにおける時間幅を設定する時間幅入力窓1551と、時間幅のオフセットを設定する時間幅オフセット入力窓1552とを有する。
磁場波形設定エリアは、磁場波形における振幅の幅(縦軸の長さ)を設定する振幅入力窓1553と、振幅のオフセットを設定する振幅オフセット入力窓1554とを有する。
平均電流ベクトルの角度の変化量設定エリアは、平均電流ベクトルの角度の変化量波形の振幅の幅を設定する振幅入力窓1555と、振幅の幅のオフセットを設定する振幅オフセット入力窓1556とを有する。
最大電流座標の変化量設定エリアは、電流座標の変化量波形の振幅の幅を設定する振幅入力窓1557と、振幅のオフセットを設定する振幅オフセット入力窓1558とを有する。
そして、ユーザが各窓1551〜1558の入力を終え、実行ボタン1559を選択入力すると、各窓1551〜1558の設定値が磁場波形表示エリアおよび変化量表示エリアに反映される。
なお、各表示波形の時間幅のオフセットは、時間設定バー1504を操作することによっても変更されてもよい。また、図15の波形表示設定エリア1505において、合成変化量の波形設定のための入力窓が設けられてもよい。
電流アロー図表示設定エリア1503は、電流アロー図を表示する時間を設定する時間設定入力窓1561と、グレースケールバー1571の最大の強度(電流強度)を設定する最大強度入力窓1562とを有する。ユーザが、各窓1561,1562の入力を終え、実行ボタン1563を選択入力すると、各窓1561,1562の設定値が電流アロー図に反映される。なお、時間設定入力窓の値は、時間設定バーに反映される。また、前記したように時間設定バーを操作することでも、該当する時刻の電流アロー図を表示する時間を変更できる。
なお、第1実施形態〜第3実施形態において、磁場計測装置6(図1)は、SQUID磁束計を用いているが、これに限らず、通常の磁束計測コイルなどを用いてもよい。
(効果)
本実施形態によれば、電流分布から得られる平均電流ベクトルの角度の変化量の波形や、電流強度の強い電流ベクトルの座標の変化量の波形や、平均電流ベクトルの角度の変化量と電流強度の強い電流ベクトルの座標の変化量との合成変化量の波形をグラフとして表示することによって、時間的に連続した複数枚の電流アロー図を表示し、各々の電流アロー図を比較するという手間をかけることなく、心臓の興奮部位の変化を容易に理解することができる。
また、それらの変化量の波形の極大点の時刻を検出することで、心臓の興奮伝導時間に関する情報を自動検出することができる。
1,1a,1b 演算装置(磁場解析装置)
2 クライオスタット
3 ガントリ
4 ベッド
5 磁気シールドルーム
6 磁場計測装置
7 駆動回路
8 アンプフィルタユニット
9 表示装置
10 磁場計測システム
21 SQUID磁束計
22 計測面(磁場計測領域)
100,100a,100b 処理部
101 電流分布計算部
102 平均角度計算部(電流ベクトル角度計算部)
103 平均角度変化量計算部(電流ベクトル角度計算部)
104 表示処理部
105 極大点抽出部(最大変化点検出部)
106 最大電流座標計算部
107 最大電流座標変化量計算部
108 合成変化量計算部
110 表示部
120 記憶部

Claims (13)

  1. 磁場を計測する磁場計測装置から、磁場信号を取得し、前記取得した磁場信号を基に、磁場の解析を行う磁場解析装置による磁場解析方法であって、
    前記磁場解析装置は、
    前記磁場計測装置から取得された磁場信号を基に、各時刻における電流ベクトルを算出し、
    前記電流ベクトルの角度の時間毎の変化量を算出し、
    前記変化量が最も大きい時刻を検出する
    ことを特徴とする磁場解析方法。
  2. 前記磁場解析装置は、
    前記磁場信号を、時刻毎に複数取得し、
    前記複数の磁場信号から、磁場計測領域における各位置毎の電流ベクトルを算出し、
    前記算出された各位置毎の電流ベクトルの角度から、電流ベクトルの角度の平均値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁場解析方法。
  3. 前記磁場解析装置は、
    情報を表示する表示部を、さらに有し、
    前記変化量の時間変化と、前記検出した時刻とを、前記表示部に表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁場解析方法。
  4. 磁場を計測する磁場計測装置から、磁場信号を取得し、前記取得した磁場信号を基に、磁場の解析を行う磁場解析装置による磁場解析方法であって、
    前記磁場解析装置は、
    前記磁場計測装置から取得された各時刻における複数の磁場信号から、磁場計測領域における各位置毎の電流強度を算出し、
    前記算出した電流強度のうち、最も大きい電流強度を有する、前記磁場計測領域における座標を時刻毎に算出し、
    前記座標を基に、最も大きい電流強度の座標の時間毎の移動距離を算出し、
    前記算出した移動距離のうち、最も大きい移動距離を示す時刻を検出する
    ことを特徴とする磁場解析方法。
  5. 前記磁場解析装置は、
    情報を表示する表示部を、さらに有し、
    前記変化量の時間変化と、前記検出した時刻とを、前記表示部に表示する
    ことを特徴とする請求項4に記載の磁場解析方法。
  6. 磁場を計測する磁場計測装置から、磁場信号を取得し、前記取得した磁場信号を基に、磁場の解析を行う磁場解析装置による磁場解析方法であって、
    前記磁場解析装置は、
    前記磁場計測装置から取得された磁場信号を基に、各時刻における電流ベクトルを算出し、
    前記電流ベクトルの角度の時間毎の変化量を算出し、
    前記算出した電流強度のうち、最も大きい電流強度を有する、前記磁場計測領域における座標を時刻毎に算出し、
    前記座標を基に、最も大きい電流強度の座標の時間毎の移動距離を算出し、
    前記変化量と、前記移動距離と、に関する合成変化量を算出し、
    前記合成変化量が最も大きくなる時刻を検出する
    ことを特徴とする磁場解析方法。
  7. 前記磁場解析装置は、
    各時刻における前記変化量と、すべての変化量のうち、最も大きい変化量との比である変化量比を各時刻において算出し、
    各時刻における前記移動距離と、すべての移動距離のうち、最も大きい移動距離との比である移動距離比を各時刻において算出し、
    前記合成変化量として、前記変化量比と、前記移動距離比と、を加算した値を算出する
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁場解析方法。
  8. 前記磁場解析装置は、
    前記複数の磁場信号から、磁場計測領域における各位置毎の電流ベクトルを算出し、
    前記算出された各位置毎の電流ベクトルの角度から、電流ベクトルの角度の平均値を算出する
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁場解析方法。
  9. 前記磁場解析装置は、
    情報を表示する表示部を、さらに有し、
    前記変化量の時間変化と、前記検出した時刻とを、前記表示部に表示する
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁場解析方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の磁場解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 磁場を計測する磁場計測装置から、磁場信号を取得し、前記取得した磁場信号を基に、磁場の解析を行う磁場解析装置であって、
    前記磁場計測装置から取得された磁場信号を基に、各時刻における電流ベクトルを算出する電流分布計算部と、
    前記電流ベクトルの角度の時間毎の変化量を算出する電流ベクトル角度計算部と、
    前記変化量が最も大きい時刻を検出する最大変化点検出部と、
    を有することを特徴とする磁場解析装置。
  12. 磁場を計測する磁場計測装置から、磁場信号を取得し、前記取得した磁場信号を基に、磁場の解析を行う磁場解析装置であって、
    前記磁場計測装置から取得された各時刻における複数の磁場信号から、磁場計測領域における各位置毎の電流強度を算出する電流分布計算部と、
    前記算出した電流強度のうち、最も大きい電流強度を有する、前記磁場計測領域における座標を時刻毎に算出する最大電流座標計算部と、
    前記座標を基に、最も大きい電流強度の座標の時間毎の移動距離を算出する最大電流座標変化量計算部と、
    前記算出した移動距離のうち、最も大きい移動距離を示す時刻を検出する最大変化点検出部と、
    を有することを特徴とする磁場解析装置。
  13. 磁場を計測する磁場計測装置から、磁場信号を取得し、前記取得した磁場信号を基に、磁場の解析を行う磁場解析装置であって、
    前記磁場計測装置から取得された磁場信号を基に、各時刻における電流ベクトルを算出する電流分布計算部と、
    前記電流ベクトルの角度の時間毎の変化量を算出電流ベクトル角度計算部と、
    前記算出した電流強度のうち、最も大きい電流強度を有する、前記磁場計測領域における座標を時刻毎に算出最大電流座標計算部と、
    前記座標を基に、最も大きい電流強度の座標の時間毎の移動距離を算出最大電流座標変化量計算部と、
    前記変化量と、前記移動距離と、に関する合成変化量を算出する合成変化量計算部と、
    前記合成変化量が最も大きくなる時刻を検出する最大変化点検出部と、
    を有することを特徴とする磁場解析装置。
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