JP5447040B2 - 交通信号制御システム及び交通信号制御装置並びに交通信号制御方法 - Google Patents
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Description
これらのパタン選択式の交通信号制御方法は、交通量や渋滞長に応じて逐次信号制御パラメータを算出する方式に比べて簡易に導入することができると共に、記憶してある複数のパタンのいずれかでしか動作しないため、逐次算出する場合に比べて、想定外の制御方法となる心配がない、という利点がある。
また、時間制御のパタン選択方式の場合、事前に想定する交通需要にほとんど変動が生じない地域における交通信号制御であれば何ら問題はないが、混雑し始める時刻や混雑が解消し始める時刻等にばらつきがある地域では、その時間帯に選択されるパタンが実際の交通状況にそぐわないケースがあり、時刻のみに基づいてパタンを選択する方式にも改善の余地がある。
なお、ここでiは1乃至mの整数であり、mは前記第一パタン切替テーブルで規定される時間帯の数である。
このようにすることで、特定の時間帯においては、旅行時間情報に基づいてより適切と思われる交通信号制御パラメータを選択できるようになるため、単なる時間制御のパタン選択方式よりも交通状況に順応した交通信号制御を行うことが可能になる。
また、このシステムでは、時刻に応じてパタンを選択することを基本としているので、旅行時間のみに応じて信号制御パラメータを選択する方式に比べると、大半の時間帯においては事前に熟練した交通管理者が設定した交通信号制御パラメータを選択することができるため、もし仮に車両感知器等で取得される旅行時間情報が実際の交通状況と乖離しているような場合であっても、ほとんどの時間帯で適切な動作をすることが可能となり、システムのロバスト性が高くなる。
なお、ここでkは1乃至mの整数のうちのいずれかであり、k=mの場合には、前記(k+1)を(1)とする。
なお、ここでkは1乃至mの整数のうちのいずれかであり、k=1の場合には、前記(k−1)を(m)とする。
旅行時間取得手段で取得される旅行時間は、例えば1台の車両が何らかの事情で道路上で立ち往生等した影響で一時的に大きく変動するケースがあるが、その原因となる1台が移動した後には、間もなく平常な状態に戻ることも少なくない。
そこで、第二時間帯T2においては、例えば10分や15分といった周期で旅行時間に基づく指標を複数回算出し、一時的には変動したが、すぐに第一パタン切替テーブルを設定した時に事前予想していた交通状況に戻ったような場合には、第一パタン切替テーブルに設定した交通信号制御パラメータに戻すことができるようにした。
このように、第一パタン切替テーブルと第二パタン切替テーブルとを柔軟に行き来できるようにすることで、より一層交通状況に適した交通信号制御を行うことが可能になる。
旅行時間を取得する場合に、プロの運転手が同じ経路を繰り返し巡回するバス等の公共車両から得られるプローブ情報を使用する方が、不特定の車両からのプローブ情報を使用する場合に比べて、運転手の性質や車載機の搭載率等の影響を受け難いため、時間帯毎の交通状況の変動を正確に把握しやすい。
そこで、旅行時間をこのような公共車両のプローブ情報から得ることを前提とした上で、第二時間帯における前記所定時間を公共車両からプローブ情報を取得できる間隔よりも長くしておけば、交通信号制御パラメータ選択時に新しいプローブ情報から得られる旅行時間情報に基づく指標を用いることができ好適である。
〔システムの全体構成〕
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係る交通信号制御システムの概要を示す模式図である。
交通信号制御システムは、交通信号機1(交通信号制御機1aと複数の車両用信号灯器1b、1c等で構成)、光ビーコン等の路上通信装置21(通信アンテナ部21aと通信制御装置21bで構成)及び路上通信装置22(通信アンテナ部22aと通信制御装置22bで構成)、道路R1や道路R2を走行する車両に搭載された車載装置31と32、中央装置4、ルータ5等を含む。中央装置4は、交通信号機1の制御に関する指示を行う機能や、車両に対して提供する交通情報の生成・送信等を行う機能を備えた装置であり、交通管制センター内に設置されている。なお、中央装置4は、交通管制センター内に設置されず、道路上に設置されていても良い。
中央装置4は、複数の交差点のそれぞれに設置された交通信号機と電話回線などの通信回線やルータ5等の通信装置を介して接続されている。交通信号機1は、道路R1と道路R2の交差点Aに流入する複数の道路のそれぞれに設置された路上通信装置21および22と電話回線などの通信回線を介して接続されている。
交通信号制御機1aは、中央装置4から交通情報や信号灯器の制御に関する指示である信号制御指令を受信する機能を備えており、指示に応じて信号灯器1b等の各信号灯器の点灯、消灯及び点滅を制御する。
なお、交差点Aに横断歩道がある場合には、交通信号制御機1aに別途歩行者用の信号灯器が接続されることもある。
通信部103は、中央装置4との間の通信を行うための中央通信部1031を備えており、中央装置4から交通情報や信号制御指令等を受信することができる。また、通信部103は端末通信部1032を備えており、受信した前記交通情報を路上通信装置21等へ送信したり、路上通信装置21等から送られてくる車載装置に関する情報等を受信したりすることができる。
記憶部104は、受信した交通情報、信号制御指令や車載装置に関する情報、各階梯と各現示との関係を表す定数などの各種定数の情報などを記憶している。
なお、この路上通信装置21や22の設置地点は流出側車線に限らない。交差点Aを通過する車両との間で情報をやり取りできるのであればどのような場所に設置されていても良い。また、路車間通信においては、道路付近に設置した路上通信装置だけではなく、離隔した地点に設置された広域通信が可能な路上通信装置を用いても良い。
制御部201は、1又は複数のマイクロコンピュータから構成されており、内部バス等を介して接続された信号通信部203等のハードウエア各部の動作を制御する。
記憶部202には、当該路上通信装置21から交差点Aまでの距離や勾配等に関する道路形状情報や交差点Aを含む地域の情報等が予め記憶されている。なお、これらの情報は、予め記憶している構成でも中央装置4等から取得して記憶する構成でも良い。
また、路車間通信部204が車載装置から受信したアップリンク情報等の車載装置に関する情報は、信号通信部203によって交通信号制御機1a等に対して送信される。
なお、路上通信装置21や22は交通信号制御機1aを経由して中央装置4と通信する構成でなくても良く、ルータ5や通信回線等により交通信号制御機1aを経由せずに中央装置4と通信することもできる。
道路R2上を走行する車両(図1で下から上に向かって走行する車両)についても同様に車載装置32を搭載しており、路上通信装置22の通信領域Q2(図1の道路R2上の斜線部分)を通過する際に、路上通信装置22との間で無線通信を行い、自己の車両IDに関する情報を含むアップリンク情報を送信すると共に交通情報を受信することができるようになっている。
なお、このアップリンク情報には、後述する方法で作成される車両の走行軌跡を示すプローブ情報が含まれている。
以下に、本発明にかかる交通信号制御方法について説明する。
なお、図8(a)の第一パタン切替テーブルではパタンを切り替える時刻のみが設定されているが、テーブルの上段に図8(b)のように時間帯の開始時刻と修了時刻を設定してそれに応じたパタンを選択できるようにしても構わない。例えば、図8(b)のように1つ目の時間帯B1(1)である「0:00〜6:00」では1つ目のパタンP1(1)としてパタン1を設定し、2つ目の時間帯B1(2)である「6:00〜7:00」では2つ目のパタンP1(2)としてパタン2と設定しても構わない。すなわち、時刻に対応してパタンを選択できるような形式であれば、どのようなデータ形式であっても良い。
ここで、この第一パタン切替テーブルによって決まる時間帯とそれに対応するパタンをそれぞれ、T1(i)とB1(i)と定義することにする。ここで、iは1乃至mの整数であり、mは第一パタン切替テーブルで規定された時間帯の数を表す。なお、図8の例であればm=7である。
以下にその内容を詳述する。
通常、中央装置4はワークステーションやパーソナルコンピュータのような演算機能とデータ記憶機能を備えたコンピュータ装置で構成される。
中央制御部401はコンピュータ装置のCPU等に該当し、以降で説明する各種データの演算処理やハードウェアの制御等を実行する機能を備えている。
送受信部403は、ルータ5等を介して交通信号制御機1a等と情報のやりとりを行う機能を備えている。
記憶部402は、前記第一パタン切替テーブルや交通情報等の様々な情報を記憶しており、中央制御部401の演算に用いられる入力情報や演算の結果に関する情報、送受信部403が送受信する情報等を記憶する機能を備えている。
以下で説明する交通信号制御パラメータを決定するための演算処理は、この中央制御部401と記憶部402を用いて実行されるものであり、通常はコンピュータプログラムとして実現されるものである。
そして、前記第一パタン切替テーブルから、その現在時刻に対応するパタンの番号を取得する。
例えば、現在時刻が20:00の場合、図8(a)や(b)の第一パタン切替テーブルによれば、時間帯としてはB1(6)の「19:00〜22:00」に含まれており、この時間帯に対応するパタンP1(6)としてはパタン1が設定されているため、パタン1を選択する。
次に、この現在時刻に対応する第二パタン切替テーブルを参照する。この第二パタン切替テーブルは、従来までの時間制御のパタン選択方式を旅行時間を用いて高度化するために本発明において新たに用意したテーブルである。
図9の第二パタン切替テーブルでは5つの時間帯B2(1)乃至B2(5)に対応した呼出条件C2(1)乃至C2(5)や実行時間E2(1)乃至E2(5)等が設定されているが、20:00が該当する時間帯が存在しないため、この第二パタン切替テーブルについては交通信号制御パラメータの決定には用いられない。
なお、第二パタン切替テーブルでも第一パタン切替テーブルと同様に、この第二パタン切替テーブルによって決まる時間帯とそれに対応するパタンとをそれぞれ、T2(j)とB2(j)と定義することにする。ここで、jは1乃至nの整数であり、nは第二パタン切替テーブルで規定された時間帯の数を表す。なお、図9の例であればn=5である。
以降では、図9の第二パタン切替テーブルで実際に呼出条件等が設定された時刻の動作について説明する。
その後、時刻6:30になる時点までは、そのままパタン2で動作をし続けるが、時刻6:30になった時点で、図9の第二パタン切替テーブルの一番左端の時間帯B2(1)に該当したので、この第二パタン切替テーブルの時間帯B2(1)に記載された呼出条件C2(1)についての判定が行われる。
この呼出条件は、道路R1を左から右に進む方向が混雑しているのかどうか、を判断するための条件式であり、通常、非渋滞時の旅行時間が240秒程度であるものとする。つまり、通常時よりも旅行時間が60秒(25%)以上も増大しているのであれば、道路R1を左から右に進む方向が混雑していると判断できる、ということになる。
一方、取得された旅行時間T1が例えば350秒であれば、この呼出条件C2(1)を満足するので、第一パタン切替テーブルで選択されたパタン2ではなく、第二パタン切替テーブルに書かれたパタンP2(1)であるパタン3の交通信号制御パラメータを採用して交通信号制御を実行する。
なお、第二パタン切替テーブルの実行時間E2(1)には「継続」と設定されているので、終了時刻の7:00までの30分間はパタン3の交通信号制御パラメータが採用される。
この交差点Aでは、熟練の交通信号制御技術者が交通状況を分析した結果、時刻6:00頃から徐々に交通量が増えていき、時刻7:00を過ぎると道路R1を左から右に進む方向が混雑し始めるとの結論を得ていたのである。
従って、第一パタン切替テーブルでは、時刻6:00を過ぎた時点で選択するパタン2には、それ以前のパタン1に比べて30秒長いサイクル長(90秒)を設定しており、スプリットに関しても道路R1側に6割の大きな青時間(交差する道路R2側には4割の青時間)を割り当てるようにしているのである。
さらに、時刻7:00を過ぎた時点ではさらに交通量が増えて混雑し始めるので、その交通量を捌くためにパタン3を選択し、パタン2よりもさらに長いサイクル長(120秒)を割り当てるようにしたのである。
例えば、道路R1が混雑し始めると予想された時刻7:00よりも実際に混雑し始める時刻が早かった場合、本来はサイクル長を120秒程度の長さにしなければ捌ききれない程度の交通量になっているにも関わらず、サイクル長を90秒のままにしているために、1サイクルの間に交差点Aを通過できる車両の台数が限定され、信号待ちしていた車両のうちの一部が1回の青信号だけでは通過しきれない可能性が高くなる。このような車両は再び道路R1方向に青信号が表示される次のサイクルまで信号待ちを強いられるため、捌け残り車両が累積して、道路R1方向の信号待ち車列が数サイクルの間にどんどん延びていき、渋滞が発生することになってしまう。
つまり、本発明のように、第一パタン切替テーブルに加えて第二パタン切替テーブルを用意し、この第二パタン切替テーブルにおいて、時刻7:00よりも30分早い時刻6:30から時刻7:00までの間に、旅行時間に応じて通常よりも早い段階で時刻7:00以降に採用される予定だったパタン3の交通信号制御パラメータを採用することができるようにしたので、交通状況がいつもより早く変化した場合にも柔軟に制御することが可能になった。
すなわち、この第二パタン切替テーブルを用いることにより、ある時間帯B1(k)の終了時刻よりも少し前から終了時刻までの間の時間帯において、当該時間帯B1(k)で採用予定だったパタンP1(k)に代えてその次の時間帯B1(k+1)で採用予定だったP1(k+1)を前倒しで採用できるようになった(k=1乃至m)。
なお、時間帯B1(m)の終了時刻付近で同様の処理を行う場合には、その次の時間帯は日付が変わった時間帯B1(1)となるので、前記P1(k+1)としては、時間帯B1(1)に対応するP1(1)を前倒しで採用すれば良い。
第一パタン切替テーブルによれば、時刻7:00から時刻9:00までの間(時間帯B1(3))はパタン3だが、時刻9:00を過ぎた時点(時間帯B1(4))でパタン4に切り替えるように設定されている。
これは、時刻9:00を過ぎたら時刻7:00頃から混雑し始めた交通状況が一段落して交通量が減り、パタン3よりも短いサイクル長(90秒)でも捌ける程度に落ち着く、と想定されているからである。
しかしながら、本発明の第二パタン切替テーブルを使用すれば、前記時間帯B2(2)(開始時刻が9:00で終了時刻が10:00の時間帯)においても依然として旅行時間T1が300秒を超えるような状況(例えば330秒)であれば、引き続きパタン3(P2(2))の交通信号制御パラメータ(サイクル長120秒)を延長して採用することができるようになる。
そして、時刻9:15を過ぎた時点でT1が300秒未満となっていれば、第一パタン切替テーブルで設定されたパタン4の交通信号制御パラメータ(サイクル長120秒)を採用することになる。
なお、時間帯B1(1)の開始時刻付近で同様の処理を行う場合には、その前の時間帯は日付が変わる前の時間帯B1(m)となるので、前記P1(k−1)としては、1つ前の時間帯である時間帯B1(m)に対応するP1(m)を延長して採用するようにすれば良い。
このように、交通状況の変動が想定よりも早かったり遅かったりしたとしても、第一パタン切替テーブルに加えて第二パタン切替テーブルを使用することで、交通信号制御パラメータを通常よりも前倒しして採用したり延長して採用したりすることが可能になる。
この時間帯B2(3)(開始時刻が11:00で終了時刻が15:00の時間帯)は、昼間の時間帯において一時的に交通量が増えて混雑するケースを想定して、道路R1の双方向の旅行時間T1及びT3が300秒以上になった場合にはパタン7(P2(3))を採用してサイクル長を30秒長い120秒にすることができるようにしているのである。
以下では、本発明を実施するに当たって必要な入力条件である旅行時間T1等の取得方法について説明する。
車載制御部301は、1又は複数のマイクロコンピュータから構成されている。車載制御部301は、内部バス等を介して接続された車載通信制御部303等のハードウエア各部の動作を制御する。
記憶部302には車両IDが予め記憶されており、車載制御部301は、この車両IDを含むアップリンク情報を作成する。そして、車載通信制御部303は作成された当該アップリンク情報を路上通信装置21に送信する。
このサンプル点を記録するタイミングとしては、例えば一定の周期で(10秒毎や100メートル走行する毎に)記録するという方法でも良いし、右左折や発進・停止といった車両の走行状態が変動した場合に記録するといった方法でも良い。
このようにして作成されたプローブ情報や前記車両ID等を含むアップリンク情報は、車載通信制御部303に接続された車載アンテナを介して路上通信装置21等に対して送信される。
図1にあるように、交差点Aの近傍に路上通信装置21や22を設置しておけば、交差点Aを通過する複数の車両からプローブ情報を収集することが可能になる。
図10では車載装置31が記録したサンプル点S1〜S9を模式的に示している。サンプル点が道路R1を外れたところにも記録されているのは、GPS受信部305によって取得される緯度・経度の情報に最大で数十メートル程度の誤差があるためである。
ここでは道路R1の交差点Aよりも上流側(図1における交差点Aの左側)の地点P1とP2の間の旅行時間をT1として算定するものとする。車載装置31が交差点Aを通過後に路上通信装置21に対して送信するアップリンク情報に含まれるプローブ情報が図10や図11のようなものであった場合、このプローブ情報に基づいて、地点P1とP2の通過時刻を推定した上で、その通過時刻の差を旅行時間T1として算定する。
同じように地点P2については、S8の通過時刻が10:29:04でS2の通過時刻が10:29:44であるので、その間の地点P2の通過時刻はこれら2つの時刻の中央の時刻である10:29:24と推定することができる。
以上から、この地点P1とP2の間の通過時刻の差は4分33秒と算出され、273秒が旅行時間T1として算出される。
プローブ情報に基づいて旅行時間T1を算出する場合、旅行時間の算出に用いるプローブ情報を、この道路R1を定期的に巡回する公共車両から得られるプローブ情報に限定するようにしても良い。
公共車両に付与される車両IDは、一般車両に付与される車両IDとは異なる番号であり、車両IDによって公共車両か否かを区別することが可能である。
したがって、中央制御部401は、まず、得られたアップリンク情報に含まれる車両IDから、そのアップリンク情報の送信元の車両が公共車両であるかどうかを判別する。そして、もし公共車両以外であればそのプローブ情報は旅行時間T1等の算出には用いず、公共車両であればそのプローブ情報を旅行時間T1等の算出に用いることにする。
そして、公共車両から得られたプローブ情報のみに基づいて、前述と同様の方法で旅行時間T1等を算出する。
一般車両から得られるプローブ情報は、プローブ情報を作成することが可能な車載装置の搭載率に応じて、得られるデータの数や精度にバラツキが生じる。特に搭載率が低い地域においては、得られるプローブ情報の数が少ない時間帯と多い時間帯とで、得られる旅行時間の精度に大きな差が生じる可能性がある。
また、一般車両の場合には、例えば途中の店舗で寄り道したり、路側に停止して地図を確認したりするといった通常とは異なる走行をする車両もあるし、ドライバの運転時の癖等によって得られる旅行時間に一定以上のバラツキが生じると予想される。従って、そういった車両から得られる旅行時間は実際の交通流とは異なることもありうる。
そして、判定を行う周期である実行時間(例えば15分)をこの旅行時間を算出する周期(例えば10分)よりも長くしておけば、一旦パタンを選択してから次に呼出条件C2の判定を行う時点(実行時間経過後の時点)においては、前回の判定時よりも新しい旅行時間が必ず得られていることになるため、常に新しい旅行時間に基づいてパタンを選択することが可能となり非常に有利である。
すなわち、交通信号制御機1aで第一および第二のパタン切替テーブルを保持すると共に、路上通信装置21や22経由で交通信号制御機1aがアップリンク情報を受信し、当該アップリンク情報から算出される旅行時間T1等を用いて、どのパタンを選択するかを決定するようにしても良い。また、その他の路上装置(例えば前記情報中継装置等)においてこれらの処理を実行するようにしても良い。
1a 交通信号制御機
1b、1c 信号灯器
101 制御部、 102 灯器駆動部、 103 通信部、 1031 中央通信部、 1032 端末通信部、 104 記憶部、
21、22 路上通信装置
21a、22a 通信アンテナ部、 21b、22b 通信制御装置
201 制御部、 202 記憶部、 203 信号通信部、 204 路車間通信部
31、32 車載装置
301 車載制御部、 302 記憶部、 303 車載通信制御部、 304 センサー情報受信部、 305 GPS受信部
4 中央装置、 5 ルータ
A 交差点、 Q1、Q2 通信領域、 R1、R2 道路、 P1、P2 地点、 S1乃至S9 プローブ情報のサンプル点
Claims (7)
- 1日の全時間帯を複数の第一時間帯に分割した第一タイムスケジュールの各第一時間帯B1(i)に対応付けて交通信号制御パラメータP1(i)を設定した第一パタン切替テーブルを記憶する記憶手段と(ここで、iは1乃至mの整数であり、mは前記第一パタン切替テーブルで規定される時間帯の数である。)、
記憶された当該第一パタン切替テーブルから現在時刻に対応する交通信号制御パラメータを選択する選択手段と、
当該選択された交通信号制御パラメータを用いて交通信号灯器を制御する制御手段と、
前記交通信号灯器近傍の1又は複数の道路区間における車両の旅行時間情報を取得する旅行時間取得手段とを備える交通信号制御システムにおいて、
前記記憶手段には、1日の全時間帯のうちの一部のみで構成された第二時間帯T2における旅行時間に関する第二条件と当該第二条件に合致した場合に選択される交通信号制御パラメータP2とを対応付けて設定した第二パタン切替テーブルがさらに記憶されると共に、
前記旅行時間取得手段で取得される旅行時間情報に基づいて得られる指標が前記第二条件に合致するか否かを判定する判定手段をさらに備え、
その判定手段が前記第二条件に合致すると判定した場合に、前記選択手段が、交通信号制御パラメータP1(i)に代えて、第二パタン切替テーブルに設定された交通信号制御パラメータP2を選択するように構成されていること
を特徴とする交通信号制御システム。 - 前記第二時間帯T2の終了時刻を前記第一タイムスケジュールに含まれる第一時間帯のうちの一の第一時間帯B1(k)の終了時刻にすると共に(ここで、kは1乃至m)の整数のうちのいずれかである)、前記第二時間帯の開始時刻を前記一の第一時間帯B1(k)の開始時刻よりも後の時刻に設定した上で、第二パタン切替テーブルにおいてこの第二時間帯T2に対応付けて設定される交通信号制御パラメータP2を、前記一の第一時間帯B1(k)に続く後続の第一時間帯B1(k+1)に対応付けて第一パタン切替テーブルに設定された交通信号制御パラメータP1(k+1)とすること(ただし、k=mの場合には、前記(k+1)を(1)とする)
を特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。 - 前記第二時間帯T2の開始時刻を前記第一タイムスケジュールに含まれる第一時間帯のうちの一の第一時間帯B1(k)の開始時刻にすると共に(ここで、kは1乃至mの整数のうちのいずれかである)、前記第二時間帯の終了時刻を前記一の第一時間帯B1(k)の終了時刻よりも前の時刻に設定した上で、第二パタン切替テーブルにおいてこの第二時間帯T2に対応付けて設定される交通信号制御パラメータP2を、前記一の第一時間帯B1(k)よりも1つ前の第一時間帯B1(k−1)に対応付けて第一パタン切替テーブルに設定された交通信号制御パラメータP1(k−1)とすること(ただし、k=1の場合には、前記(k−1)を(m)とする)
を特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。 - 前記判定手段による判定を第二時間帯T2において所定時間毎に行うようにした上で、判定の結果第二条件に合致しなくなった場合には、前記選択手段は、当該判定実行時刻に対応して第一パタン切替テーブルに設定された交通信号制御パラメータを選択する
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の交通信号制御システム。 - 前記旅行時間取得手段による旅行時間の取得は、前記交通信号灯器設置地点を路線上に含む複数の公共車両に搭載される車載機から送信される走行軌跡情報であるプローブ情報に基づいて行うように構成されており、
前記所定時間が、前記複数の公共車両が前記交通信号灯器設置地点を通過する時間間隔よりも長く設定されている
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の交通信号制御システム。 - 1日の全時間帯を複数の第一時間帯に分割した第一タイムスケジュールの各第一時間帯B1(i)に対応付けて交通信号制御パラメータP1(i)を設定した第一パタン切替テーブルを記憶する記憶手段と(ここで、iは1乃至mの整数であり、mは前記第一パタン切替テーブルで規定される時間帯の数である。)、
記憶された当該第一パタン切替テーブルから現在時刻に対応する交通信号制御パラメータを選択する選択手段と、
当該選択された交通信号制御パラメータを用いて交通信号灯器を制御する制御手段と、
前記交通信号灯器近傍の1又は複数の道路区間における車両の旅行時間情報を取得する旅行時間取得手段とを備える交通信号制御装置において、
前記記憶手段には、1日の全時間帯のうちの一部のみで構成された第二時間帯T2における旅行時間に関する第二条件と当該第二条件に合致した場合に選択される交通信号制御パラメータP2とを対応付けて設定した第二パタン切替テーブルがさらに記憶されると共に、
前記旅行時間取得手段で取得される旅行時間情報に基づいて得られる指標が前記第二条件に合致するか否かを判定する判定手段をさらに備え、
その判定手段が前記第二条件に合致すると判定した場合に、前記選択手段が、交通信号制御パラメータP1(i)に代えて、第二パタン切替テーブルに設定された交通信号制御パラメータP2を選択するように構成されていること
を特徴とする交通信号制御装置。 - 1日の全時間帯を複数の第一時間帯に分割した第一タイムスケジュールの各第一時間帯B1(i)に対応付けて交通信号制御パラメータP1(i)を設定した第一パタン切替テーブルを記憶する記憶ステップと(ここで、iは1乃至mの整数であり、mは前記第一パタン切替テーブルで規定される時間帯の数である。)、
記憶された当該第一パタン切替テーブルから現在時刻に対応する交通信号制御パラメータを選択する選択ステップと、
当該選択された交通信号制御パラメータを用いて交通信号灯器を制御する制御ステップと、
前記交通信号灯器近傍の1又は複数の道路区間における車両の旅行時間情報を取得する旅行時間取得ステップとを備える交通信号制御方法において、
1日の全時間帯のうちの一部のみで構成された第二時間帯T2における旅行時間に関する第二条件と当該第二条件に合致した場合に選択される交通信号制御パラメータP2とを対応付けて設定した第二パタン切替テーブルを記憶する第二記憶ステップと、
前記旅行時間取得ステップで取得される旅行時間情報に基づいて得られる指標が前記第二条件に合致するか否かを判定する判定ステップとをさらに備え、
その判定ステップにおいて、前記第二条件に合致すると判定した場合に、前記選択ステップでは、交通信号制御パラメータP1(i)に代えて、第二パタン切替テーブルに設定された交通信号制御パラメータP2を選択するように構成されていること
を特徴とする交通信号制御方法。
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