JP5444738B2 - 半導体装置 - Google Patents
半導体装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5444738B2 JP5444738B2 JP2009021366A JP2009021366A JP5444738B2 JP 5444738 B2 JP5444738 B2 JP 5444738B2 JP 2009021366 A JP2009021366 A JP 2009021366A JP 2009021366 A JP2009021366 A JP 2009021366A JP 5444738 B2 JP5444738 B2 JP 5444738B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- compound
- meth
- semiconductor device
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Die Bonding (AREA)
Description
(1)半導体部品と、支持体とが接着剤で接着されてなる半導体装置であって、前記接着剤が、下記の関係を満足することを特徴とする半導体装置。
面積49[mm2]、厚さ350[μm]、260℃での弾性率131[GPa]、260℃での熱膨張係数3.0[ppm/K]、ポアソン比0.28のシリコンチップと、面積90.25[mm2]、厚さ155[μm]、260℃での弾性率127[GPa]、260℃での熱膨張係数17.0[ppm/K]、ポアソン比0.343の銅製リードフレームとを、厚さ20[μm]の前記接着剤で接着して得られた積層体の反り量から換算される前記接着剤の弾性率(A)を用いて、計算される前記銅製リードフレームと前記接着剤との界面での260℃の剥離靭性値が0.02MPa・m1/2以上である。
(2)前記接着剤の260℃での熱膨張係数は、50〜200[ppm]である上記(1)に記載の半導体装置。
(3)前記接着剤の85℃、60%相対湿度の飽和吸水率が0.4[%]以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の半導体装置。
(4)前記接着剤は、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物と、硬化剤と、充填材とを含む液状樹脂組成物の硬化物である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の半導体装置。
(5)前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物は、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、アリルエステル基から選ばれる1種以上の官能基を有する化合物である上記(4)に記載の半導体装置。
(6)前記硬化剤が、ラジカル開始剤を含むものである上記(4)に記載の半導体装置。
(7)前記ラジカル開始剤が1時間の半減期を得るための分解温度が70℃以上の化合物である上記(6)に記載の半導体装置。
図1に示すように、半導体装置100は、半導体素子1と、リードフレーム2とが、接着剤3を介して接合されている。
そして、接着剤3が、下記の関係を満足することを特徴とする。
接着剤3が、面積49[mm2]、厚さ350[μm]、260℃での弾性率131[GPa]、260℃での熱膨張係数3.0[ppm/K]、ポアソン比0.28のシリコンチップと、面積90.25[mm2]、厚さ155[μm]、260℃での弾性率127[GPa]、260℃での熱膨張係数17.0[ppm/K]、ポアソン比0.343の銅製リードフレームとを、厚さ20[μm]の前記接着剤で接着して得られた積層体の反り量から換算される前記接着剤の弾性率(A)を用いて、計算される前記リードフレームと前記接着剤との界面での260℃の剥離靭性値が0.02MPa・m1/2以上となる。
半導体装置の耐リフロー性とは、半田リフロー耐性の評価のことであり、半導体装置の信頼性評価の一つとして一般的に行われる評価である。この半田リフロー耐性評価では、実際に半導体素子を金属フレームや有機基板に半導体用接着剤で固定し、半導体封止材でパッケージにしたサンプルを一定条件下で吸湿させた後、リフロー炉に通して超音波探傷装置でパッケージ内部の半導体用接着剤の状態を確認するということを行っている。この半田リフローの耐性評価には時間とコストと工数を要するため、パッケージの応力解析より半導体用接着剤に必要な剥離靭性値を算出して、得られた剥離靭性値以上の接着剤を開発することで半田リフロー耐性評価の代替評価とする検討がなされている。しかし、この半田リフロー耐性評価の代替評価結果と、実際の半田リフロー耐性評価の不良個数との相関性は、それほど高くは無かった。従来の評価方法では、接着剤の弾性率として粘弾性測定で得られた弾性率等を用いて剥離靭性値を評価していた。この半導体用接着剤の弾性率の測定には、開放状態で短冊状に硬化されたものを動的粘弾性測定装置あるいは静的引張試験機を用いて測定して得られたものを用いていた。しかし、これらの測定方法で得られた弾性率は実際に半導体素子と金属フレーム、有機基板等とに挟まれた状態で硬化されたものの弾性率(A)とは異なることを見出した。
本発明者らは、粘弾性測定で得られた弾性率が実際に半導体素子と金属フレーム、有機基板等とに挟まれた状態で硬化されたものの弾性率(A)とは異なることを見出した。そして、実際の半田リフロー耐性の評価結果と相関があるような評価方法を検討した結果、接着剤3の弾性率(A)の評価方法として、上述した条件で得られる弾性率(A)を用いて260℃の剥離靭性値を評価すると、260℃の剥離靭性値と実際の半田リフロー耐性との間に高い相関があることを見出した。
本発明は、この接着剤3の弾性率(A)を用いて計算されたリードフレーム2と接着剤3との界面での260℃の剥離靭性値を0.02MPa・m1/2以上とすると、半導体装置の耐リフロー性に特に優れることを見出したものである。
この260℃の剥離靭性値は、より具体的には0.02MPa・m1/2以上が好ましく、特に0.025MPa・m1/2以上が好ましく、最も0.03MPa・m1/2以上が好ましい。260℃の剥離靭性値が前記以上であると、さらに半田リフロー耐性に優れる。
反り量から弾性率(A)を換算するために260℃での反り量、接着剤3の260℃での熱膨張係数が必要となる。
反り量の測定は、以下のように行った。
面積90.25[mm2]、厚さ155[μm]、260℃での弾性率127[GPa]、260℃での熱膨張係数17.0[ppm/K]、ポアソン比0.343の銅製リードフレーム上に接着剤3を硬化後の厚さが20[μm]になるように中央部分に塗布し、そこに面積49[mm2]、厚さ350[μm]、260℃での弾性率131[GPa]、260℃での熱膨張係数3.0[ppm/K]、ポアソン比0.28のシリコンチップをマウントし、オーブンで硬化した。
硬化後のサンプルのシリコンチップ上対角を260℃の熱板上に置き、レーザー表面粗さ測定装置(装置名:温度可変レーザー3次元測定機(日立製作所製))を用いて反り量を測定した。反り量とは、両対角の高さを0としたとき、最低点または最高点の絶対値と定義した。
接着剤の熱膨張係数の測定は以下のように行った。
縦4[mm]×横4[mm]×高さ10[mm]の接着剤3の硬化物サンプルを作成し、圧縮TMA(装置名TMA/SS120(セイコーインスツルメンツ社製))を用いて、260℃での接着剤3の熱膨張係数を測定した。
また、接着剤のポアソン比を、接着剤のポアソン比は後述するシミュレーション結果への影響が小さい点、熱時のポアソン比の評価は難しい点等を考慮して、0.35と固定して評価を行った。
反り量を測定したサンプルと同一寸法の解析モデルを作成し、汎用有限要素法解析プログラムMSC.Marcにおいて、サンプルを260℃としたときの反り量を算出した。このとき接着剤3に相当する部位の弾性率を変動させて、反り量の予測値が実測値の5%以内となる弾性率の値を探索した。その結果得られた値を弾性率(A)と決定した。
一般的に半導体用接着剤の硬化物の弾性率は、ヤング率のような静的弾性率や貯蔵弾性率のような動的弾性率等が用いられ、いずれの弾性率の測定においても短冊状のサンプルが必要となる。このようなサンプルは、型に接着剤を流し込み、上部を開放した状態で熱硬化させて得られる。この状態で得られたサンプルは、大気に触れる面積が大きくなる。そのため、接着剤に含まれる揮発性成分が揮発する量が多くなり、弾性率を高く見積もる場合がある。また、サンプルには数100[μm]の厚さが必要とされるため、型に接着剤を流し込む際や硬化の際に内部にボイドが発生してしまい、弾性率を低く見積もる場合もある。特にラジカル硬化系接着剤であれば空気中での硬化において酸素による硬化阻害が起こり、開放部付近は硬化不足になり、弾性率を低く見積もる場合がある。さらに、リードフレームの表面状態によっても接着剤の硬化反応が変化する可能性もあるが、これを見積もることも困難である。すなわち、ヤング率や貯蔵弾性率のような従来の半導体接着剤の硬化物の弾性率は、揮発分量、ボイドの有無等により実際に使用される状態での接着剤の弾性率とは大きく異なるものであった。
一方、本発明で用いる弾性率(A)は、実際の半導体装置の組立と同じ状態で硬化したサンプルを用いるため、揮発量、ボイドの発生、酸素による硬化阻害、リードフレームの表面状態等より実際に近い環境での接着剤3の弾性率を求めることができるものである。
まず、図2に示すような評価サンプルを作製する。
評価サンプル101は、接着剤3と、銅板4との間の引き剥がし強度を測定するためのものである。
シリコンウエハ5(長さ6mm×幅6mm×厚さ525μm)と、銅板4(長さ20mm×幅9mm×厚さ150μm)とを接着剤3(長さ6mm×幅6mm×厚さ20μm)を介して接着する。
この際、銅板4と接着剤3との所定部分31(長さ1mm×幅6mm)に離型剤を塗布しておく。この所定部分31が後述する初期亀裂に該当する。
次に、銅板4の接着剤3と反対側面に、接着剤41(スミレジンエクセルCRM−1076WA、住友ベークライト(株)製)を介してアルミ板42(長さ20mm×幅10mm×厚さ1mm)を接着する。
次に、シリコンウエハ5の接着剤3と反対側の面に、接着剤51(スミレジンエクセルCRM−1076WA、住友ベークライト(株)製)を介してガラス板52(長さ26mm×幅76mm×厚さ1000μm)を接着する。このようにして、引き剥がし強度評価用の評価サンプル101を得た。
装置102の上型6と下型7とで評価サンプル101のガラス板52を挟み、動かないように固定する。金型(上型6および下型7)を加熱して評価サンプル102の温度が260℃になるようにする。幅15mm、先端0.5φの圧子をテンシロン(RTA−100)上部に固定し、移動速度1mm/分で評価サンプル101の銅板4の亀裂先端から約9mmの位置を押す。破壊時の最大荷重を引き剥がし強度とする。
次に、図4のサンプルと同一寸法の解析モデルを作成し、物性値としてシリコンチップの260℃での弾性率131[GPa]、260℃での熱膨張係数3.0[ppm/K]、ポアソン比0.28、リードフレームの260℃での弾性率127[GPa]、260℃での熱膨張係数17.0[ppm/K]、ポアソン比0.343、接着剤3の260℃での弾性率(A)、上述の圧縮TMAでの測定で得られた熱膨張係数およびポアソン比0.35を入力して、汎用有限要素法解析プログラムMSC.Marcにおいて上記の引き剥がし荷重と260℃における熱応力を負荷した時のサンプルの変形を求めた。
得られた解析結果(図5)より、剥離面の両側が剥離面に平行にずれた成分δxと垂直にずれた成分δyを、剥離面上の各節点において読み取り、式1の平面ひずみ近似における変位外挿法を用いて剥離靱性値を求めた(参考文献:結城良治、「界面の力学」、培風館、1993)。
まず、シリコンチップのサイズについては、後述する汎用のリードフレームへの搭載の容易さ、接着剤の相違を検出する容易さより現在の厚さおよび面積を選択した。厚さについては、厚すぎると反り量が小さくなり、ペースト間の差が検出し難くなるため、350μmのものを選択した。
前記リードフレームは汎用のLQFP(Low Profile Quad flat Package)に用いられるリードフレームのダイパッド部分をそのまま使用した(9.5×9.5mm)。
また、260℃での弾性率、260℃での膨張係数等については、鉛フリー半田のリフロープロファイルの上限温度を想定して、条件を決定した。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含む接着剤は、官能基数の調整、ラジカル重合開始剤の種類と量を変更することによって架橋密度調整することが容易である。ラジカル重合開始剤の添加量は0.1〜5重量部程度であるため、種類、量の調整をしても接着剤の粘度にはほとんど影響しないので好ましい。更に、接着剤は充填材を含むことが好ましい。充填材を添加することにより260℃における熱膨張係数を目的の範囲に調整することが容易となる。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられるが、それらの中でも特に(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、アリルエステル基から選ばれる1種以上の官能基を有する化合物が好ましい。これらの化合物とラジカル開始剤である過酸化物の種類と添加量の調整により、重合物間の架橋反応が調整でき、エポキシ樹脂とフェノール誘導体等との反応に比べ、より容易に架橋密度が制御された硬化物を得られるからである。
また、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物と、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と併用することが好ましい。これにより、硬化性、作業性、耐リフロー性等のバランスに優れる。
このようなアリルエステル系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、500〜10,000が好ましく、特に500〜8,000が好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、硬化収縮を特に小さくすることができ、それによって密着性が低下するのを防止することができる。
上述したような数平均分子量を有するアリルエステル系化合物としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸、1,4−ジシクロジカルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸やそのメチルエステル誘導体と炭素数2〜8であるアルキレンジオールにより合成されたポリエステルの末端にアリルアルコールをエステル化により付加した両末端アリルエステル系化合物等が挙げられる。
前記の充填材には導電性を付与するために銀、金、ニッケル、鉄等の金属粉を用い、絶縁性を付与するためにはシリカ、アルミナのようなセラミック粒子、熱硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂の粒子を使用することができる。一般的に充填材として使用されている粒子の形状には鱗状、球状、樹脂状、粉状等の種々の形状を有するものがあるが、本発明では形状については特に限定するものではない。
前記ラジカル開始剤としては、例えば(tert−ヘキシル)ピバレート、(tert−ブチル)−パーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジスクシン酸パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1,−ジ(4,4−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)バレレート、ジ(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、tert−アミルパーオキシピバレート、tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−アミルパーオキシ−n−オクトエート、tert−アミルパーオキシアセテート、tert−アミルパーオキシイソノナノエート、tert−アミルパーオキシベンゾエート、tert−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、ジ−tert−アミルパーオキサイド、1,1−ジ(tert−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−アミルハイドロパーオキサイド等が挙げられるが、これらを必要に応じて複数使用しても良い。
本発明の半導体装置は、上述したような接着剤で半導体素子と支持体とが接着されているので、耐リフロー性に特に優れるものである。
上述した接着剤の組成物を、例えばリードフレームまたは有機基板等の基板で構成される支持体の所定の部位に塗布して、接着剤層を形成する。次に、支持体に半導体素子を搭載した後、接着剤層を加熱して硬化させることにより、半導体素子と支持体とが接着剤で接着されてなる半導体装置を得ることができる。
また、基板に半田接合し封止したフリップチップの所定の位置(例えばフリップチップの上面)に、接着剤の組成物を塗布し、放熱部材を搭載した後、加熱することにより、半導体装置を得ることができる。
なお、前記接着剤の組成物をリードフレームに塗布した場合について説明したが、半導体素子に塗布しても良い。
前記熱膨張係数は、例えば縦4[mm]×横4[mm]×高さ10[mm]の接着剤3の硬化物サンプルを作成し、圧縮TMA(装置名TMA/SS120(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、260℃での接着剤3の熱膨張係数を測定できる。
前記飽和吸水率は、例えば縦10[mm]×横10[mm]×高さ0.1[mm]の接着剤3の硬化物サンプルを作成し、85℃、60%相対湿度の恒温恒湿槽に入れ、吸水率の経時変化を追っていく。得られた吸水率の経時変化をフィックの拡散方程式に近似し、飽和吸水率を得ることができる。
1.接着剤の調製
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてポリテトラメチレングリコールジ(2−マレイミドアセテート)(大日本インキ化学工業(株)製、ルミキュアMIA−200、以下化合物1)8.4重量%およびアリルエステル樹脂(昭和電工(株)製、DA−101、以下化合物2)9.6重量%、1、4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成(株)製、CHDMMA、以下化合物3)6.0重量%を用い、ラジカル開始剤としてジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パークミルD、1時間の半減期を得るための分解温度136℃、以下化合物4)0.7重量%を用い、充填材として平均粒径8μm、最大粒径30μmのフレーク状銀粉(以下銀粉)75重量%を用い、添加剤としてビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(日本ユニカー(株)製、A−1289、以下化合物5)0.2重量%、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−503P、化合物6)0.1重量%を予備混合し、3本ロールを用いて約25℃で、30分間混練した後、真空下脱泡することにより液状接着剤(ペースト)を得た。
半導体素子(厚さ350μm、サイズ7×7mm)と、新光製リードフレームとを上述の接着剤ペーストを用いて接合し、室温から175℃まで30分で昇温した後、175℃で30分間加熱して接着剤を硬化して半導体装置を得た。
接着剤の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
化合物1を8.4重量%および化合物2を9.6重量%、ポリエチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル4EG、以下化合物7)1.2重量%、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP、以下化合物8)0.7重量%、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHOMS、以下化合物9)0.5重量%、化合物3を3.6重量%用い、化合物4を0.7重量%用い、充填材として銀粉を75重量%用い、化合物5を0.2重量%、化合物6を0.1重量%用いて配合した。
接着剤の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてエチレングリコールのジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルEG、以下化合物10)6.6重量%、化合物4を0.5重量%、銀粉を75重量%、熱硬化性樹脂としてビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応により得られるジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(株)製、RE−403S、エポキシ当量160−170、以下化合物11)4.2重量%、ポリアルキレンオキサイドジビニルエーテルとビスフェノールAの反応物のジグリシジルエーテル化物(大日本インキ化学工業(株)製、EXA−4850−1000、エポキシ当量250−450、以下化合物12)4.2重量%、1、4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(東都化成(株)製、ZX−1658GS、エポキシ当量130−140、以下化合物13)4.2重量%、硬化剤としてビスフェノールF(大日本インキ化学工業(株)製、DIC−BPF、水酸基当量100、以下化合物14)4.2重量%、触媒としてジシアンジアミド(旭電化工業(株)製、アデカハードナーEH−3636AS、以下化合物15)0.3重量%、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製、キュアゾール2P4MHZ、以下化合物16)0.5重量%、化合物5を0.2重量%、3−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E、以下化合物17)0.1重量%を用いて配合した。
接着剤の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
化合物1を8.4重量%および化合物2を9.6重量%、化合物7を1.2重量%、化合物8を0.7重量%、化合物9を0.5重量%、化合物3を3.6重量%用い、ラジカル開始剤としてビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日本油脂(株)製、パーロイルTCP、1時間の半減期を得るための分解温度56℃、以下化合物18)0.7重量%を用い、銀粉を75重量%用い、化合物5を0.2重量%、化合物6を0.1重量%用いて配合した。
接着剤の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
化合物10を8.0重量%、化合物4を0.7重量%、銀粉を70重量%、化合物11を5.0重量%、化合物12を5.0重量%、化合物13を5.0重量%、化合物14を5.0重量%、化合物15を0.4重量%、化合物16を0.6重量%、化合物5を0.2重量%、化合物17を0.1重量%用いて配合した。
接着剤の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
化合物10を9.6重量%、化合物4を0.4重量%、銀粉を75重量%、化合物11を3.5重量%、化合物12を3.5重量%、化合物13を3.5重量%、化合物14を3.5重量%、化合物15を0.3重量%、化合物16を0.4重量%、化合物5を0.2重量%、化合物17を0.1重量%用いて配合した。
接着剤の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
銀粉を75重量%、化合物11を5.9重量%、化合物12を5.9重量%、化合物13を5.9重量%、化合物14を5.9重量%、化合物15を0.5重量%、化合物16を0.6重量%、化合物5を0.2重量%、化合物17を0.1重量%用いて配合した。
1.弾性率
剥離靭性値を評価するために、まず接着剤の弾性率を評価した。弾性率は、既に説明したように反り量から換算される弾性率(A)を用いた。この弾性率(A)の測定方法は、既に説明した通りの方法で行った。
剥離靭性値を評価するために、次に引き剥がし強度の評価を行った。引き剥がし強度は、図3に示すような引き剥がし強度測定装置102を用いて、既に説明した通りの方法で評価した。
上述した弾性率(A)等と同様に剥離靭性値を評価するために、260℃での熱膨張係数を評価した。縦4[mm]×横4[mm]×高さ10[mm]の接着剤3の硬化物サンプルを作成し、圧縮TMA(装置名TMA/SS120(セイコーインスツルメンツ社製))を用いて、260℃での接着剤3の熱膨張係数を測定した。
これらの弾性率(A)、引き剥がし強度等を用いて、既に説明した通りの方法(シミュレーション)で剥離靭性値を評価した。
縦10[mm]×横10[mm]×高さ0.1[mm]の接着剤3の硬化物サンプルを作成し、85℃、60%相対湿度の恒温恒湿槽に入れ、吸水率の経時変化を追っていく。得られた吸水率の経時変化をフィックの拡散方程式に近似し、飽和吸水率を得た。各符号は、以下の通りである。
◎:飽和吸水率が0.2%以上、0.3%未満であった。
○:飽和吸水率が0.3%以上、0.4%未満であった。
×:飽和吸水率が0.4%以上であった。
得られた接着剤ペーストの24時間後の粘度変化率を評価した。粘度変化率の測定は、ブルックフィールド型粘度計を用いて、まず解凍直後の接着剤3の5.0rpmの粘度を測定した。その後25℃24時間放置後再び5.0rpmの粘度を測定し、以下の式を用いて24時間後の粘度変化率とした。
24時間後粘度変化率=(24時間後粘度−解凍直後粘度)/解凍直後粘度[%]
耐リフロー性は、各樹脂組成物を用いて下記のリードフレームに半導体素子をマウントし、オーブン(175℃、30分間)で硬化して接着した。
マウントはダイボンダー(ASM社製)を用い、樹脂組成物を塗布した直後に塗布厚みが約25μmになるように調整した。樹脂組成物が硬化した後のリードフレームを、封止材料(スミコンEME−G700H、住友ベークライト(株)製)で封止し、半導体装置を作製した。この半導体装置を85℃、相対湿度60%、168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行った。処理後の半導体装置を超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。
半導体装置:QFP(14×20×2.0mm)
リードフレーム:銀メッキした銅フレーム(被着部分が銀メッキ)
チップサイズ:6×6mm
各符号は、以下の通りである。
◎:剥離が、無かった。
○:剥離面積が、10%未満であった。
×:剥離面積が、10%以上であった。
また、実施例1、2、3、5および6は、24時間後の粘度変化率が小さく、保存性に優れていることも示された。
2 リードフレーム
3 接着剤
31 所定部分
4 銅板
41 接着剤
42 アルミ板
5 シリコンウエハ
51 接着剤
52 ガラス板
6 上型
7 下型
100 半導体装置
101 評価サンプル
102 引き剥がし強度測定装置
Claims (4)
- 半導体部品と、支持体とが接着剤で接着されてなる半導体装置であって、
前記半導体部品がシリコンチップから構成される半導体素子であり、前記支持体が銅製リードフレームから構成され、前記接着剤が液状樹脂組成物を前記支持体の所定の部位に塗布してオーブン中で加熱硬化して得られる硬化物から形成され、前記半導体装置が260℃以上のリフロー温度で基板に搭載されるものであり
前記液状樹脂組成物が(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、アリルエステル基から選ばれる1種以上のラジカル重合可能な官能基を有する化合物と、ラジカル開始剤を含む硬化剤と、充填材と、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、とを含み、前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物は芳香族環を有さない化合物であり、
前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物の含有量が液状樹脂組成物全体の2〜25重量%であり、
前記充填材の含有量が液状樹脂組成物全体の60〜90重量%であり、
前記ラジカル開始剤の含有量が液状樹脂組成物全体の0.1〜10重量%であり、
前記接着剤が、下記の関係を満足することを特徴とする半導体装置。
面積49[mm2]、厚さ350[μm]、260℃での弾性率131[GPa]、260℃での熱膨張係数3.0[ppm/K]、ポアソン比0.28のシリコンチップと、面積90.25[mm2]、厚さ155[μm]、260℃での弾性率127[GPa]、260℃での熱膨張係数17.0[ppm/K]、ポアソン比0.343の銅製リードフレームとを、厚さ20[μm]の前記接着剤で接着して得られた積層体の反り量から換算される前記接着剤の弾性率(A)を用いて、計算される前記銅製リードフレームと前記接着剤との界面での260℃の剥離靭性値が0.02MPa・m1/2以上である。 - 前記接着剤の260℃での熱膨張係数は、50〜200[ppm]である請求項1に記載の半導体装置。
- 前記接着剤の85℃、60%相対湿度の飽和吸水率が0.4[%]以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
- 前記ラジカル開始剤が1時間の半減期を得るための分解温度が70℃以上の化合物である請求項1〜3いずれかに記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009021366A JP5444738B2 (ja) | 2009-02-02 | 2009-02-02 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009021366A JP5444738B2 (ja) | 2009-02-02 | 2009-02-02 | 半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010177613A JP2010177613A (ja) | 2010-08-12 |
JP5444738B2 true JP5444738B2 (ja) | 2014-03-19 |
Family
ID=42708220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009021366A Active JP5444738B2 (ja) | 2009-02-02 | 2009-02-02 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5444738B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6610263B2 (ja) | 2014-01-29 | 2019-11-27 | 日立化成株式会社 | 半導体装置の製造方法及び固体撮像素子 |
WO2015115553A1 (ja) | 2014-01-29 | 2015-08-06 | 日立化成株式会社 | 接着剤組成物、接着剤組成物を用いた半導体装置の製造方法、及び固体撮像素子 |
CN105934488A (zh) * | 2014-01-29 | 2016-09-07 | 日立化成株式会社 | 粘接剂组合物、由粘接剂组合物得到的树脂固化物、使用了粘接剂组合物的半导体装置的制造方法、以及固体摄像元件 |
DE102022206152A1 (de) | 2022-06-21 | 2023-12-21 | Hl Mando Corporation | Bremsklotz mit einer oder mehreren Klebeschichten |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100649635B1 (ko) * | 2005-02-25 | 2006-11-27 | 삼성전기주식회사 | 압전 초음파 모터 구동 장치 |
JP5419318B2 (ja) * | 2006-03-06 | 2014-02-19 | 住友ベークライト株式会社 | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 |
-
2009
- 2009-02-02 JP JP2009021366A patent/JP5444738B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010177613A (ja) | 2010-08-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5419318B2 (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 | |
JP2011037981A (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 | |
JP5444738B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP2009164500A (ja) | 接着剤および半導体パッケージ | |
JP5790253B2 (ja) | 液状樹脂組成物および半導体装置 | |
JP5589388B2 (ja) | 熱硬化性接着剤組成物および半導体装置 | |
US8722768B2 (en) | Liquid resin composition and semiconductor device | |
JP5589285B2 (ja) | 熱硬化性接着剤組成物および半導体装置 | |
JP5356763B2 (ja) | 樹脂組成物および半導体装置 | |
JP5604828B2 (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 | |
JP2014145030A (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 | |
JP2011032364A (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 | |
JP5573166B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP4835229B2 (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 | |
JP5597935B2 (ja) | 熱硬化性接着剤組成物および半導体装置 | |
JP2006241368A (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 | |
JP2011199097A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP5597945B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP5626291B2 (ja) | 接着剤および半導体パッケージ | |
JP2007169522A (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 | |
JP5625431B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP2010196006A (ja) | 熱硬化性接着剤組成物および半導体装置 | |
TW202313897A (zh) | 導電性糊、硬化物及半導體裝置 | |
KR20230108331A (ko) | 은 함유 페이스트 및 접합체 | |
JP5017772B2 (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111121 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130305 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130723 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130919 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131209 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5444738 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |