JP5443765B2 - 芳香族ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリグリコール酸樹脂の配合によりガスバリア性を改良した芳香族ポリエステル系樹脂組成物の改良に関し、より詳しくは芳香族ポリエステル樹脂とポリグリコール酸樹脂の溶融加工中のガス発生を低減した樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレートをはじめとする芳香族ポリエステル樹脂は、成形性、機械的特性、透明性等に優れ、各種食品、飲料用容器などの包装材料として広く使用されている。しかしながら、特に長期保存が予定される食品の包装材料としては、芳香族ポリエステル樹脂のガスバリア性は充分ではなく、長期保存においては酸素透過による内容物の劣化が避け難かった。
他方、ポリグリコール酸樹脂は、耐熱性、機械的強度に加え、特に優れたガスバリア性を有することが知られ(例えば下記特許文献1)、その比較的少量を芳香族ポリエステル樹脂に配合することにより、後者のガスバリア性を改善した芳香族ポリエステル系樹脂組成物の提案もなされている(特許文献2および3)。しかしながら、通常融点が240℃以上である芳香族ポリエステル樹脂と約220℃程度であるポリグリコール酸樹脂との相溶性は必ずしも良好でなく、両者の均一混合物を得るためには、両者の融点を超える温度での溶融混練が必要となる。この溶融混練あるいは得られた混合組成物の溶融成形中に、少なからぬ量のガス発生が認められ、これら溶融混練および溶融成形を含む溶融加工操作環境の悪化、ガス成分の凝縮付着による加工装置の汚染あるいは加工後の製品の汚染が、芳香族ポリエステル樹脂/ポリグリコール酸樹脂混合組成物の工業的製造における重要問題として浮上してきた。
特開平10−60136号公報 米国特許第4565851号明細書 特開2005−200516号公報。
発明の開示
従って、本発明の主要な目的は、芳香族ポリエステル樹脂に比較的少量のポリグリコール酸樹脂を配合して得られる組成物の溶融加工中におけるガス発生を効果的に抑制し、且つガスバリア性の良好な芳香族ポリエステル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明の芳香族ポリエステル系樹脂組成物は、上述の目的を達成するために開発されたものであり、より詳しくは、芳香族ポリエステル樹脂99〜70重量部と、グリコリドの開環重合により得られた−(O・CH 2 ・CO)−で表されるグリコール酸繰り返し単位を70重量%以上含むポリグリコール酸樹脂1〜30重量部(芳香族ポリエステル樹脂との合計量で100重量部)との溶融混練生成物であって、芳香族ポリエステル樹脂がゲルマニウム化合物(触媒)により重合された芳香族ポリエステル樹脂であり、ポリグリコール酸樹脂がグリコリドの開環重合により得られたポリグリコール酸樹脂であることを特徴とするものである。
本発明者らが、上述の目的で研究して、本発明に到達した経緯について若干付言する。
芳香族ポリエステル樹脂とポリグリコール酸樹脂の溶融加工中のガス成分ならびに溶融加工装置へのその凝集付着物を分析したところ、それらは主としてグリコール酸の環状二量体エステルであるグリコリドからなることが確認された。このような熱溶融加工中のグリコリドの発生は、ポリグリコール酸樹脂単独の溶融加工中にも見出されており、ポリグリコール酸中の末端水酸基からの解重合反応によりグリコリドが発生すること、また末端水酸基は、逆末端のカルボン酸基が触媒作用する溶融加工中の微量水分共存下でのポリグリコール酸の加水分解反応による低分子量化に際して増加すること、の知見は得られていた。従って、これら末端水酸基およびカルボン酸基濃度の残留が本質的に不可避なグリコール酸の重縮合による重縮合型のポリグリコール酸樹脂に比べて、これら末端基の生成が少ないグリコリドの開環重合による開環重合型のポリグリコール酸樹脂を使用することが著しく好ましい。また開環重合型のポリグリコール酸樹脂は、重縮合で得られるポリグリコール酸樹脂の重量平均分子量が5万程度が上限であるのに対し、通常20万程度の重量平均分子量が容易に得られる点で、芳香族ポリエステル樹脂に対して配合した際の機械的強度を高く維持する上でも好ましい。しかしながら、このような開環重合型のポリグリコール酸樹脂を配合した際にも、芳香族ポリエステル樹脂との溶融加工中のグリコリドガス発生は、ポリグリコール酸樹脂単独の溶融加工中のそれに比べてはるかに予想を上回るものであった。従って、このようなグリコリドのガス発生は、多量成分である芳香族ポリエステル樹脂との相互作用に原因を求めざるを得ない。そこで、更に検討を進めた結果、多量成分である芳香族ポリエステル樹脂の製造に用いられた重縮合触媒が、上述したグリコリドガス発生反応に助触媒として作用しているのではないかとの推定を得た。一般に芳香族ポリエステル樹脂の重縮合触媒としては、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、スズ化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物などが用いられているが、なかでもゲルマニウム化合物が上記したグリコリドガス発生反応に対する助触媒作用が少ないことを知見した。そこで、ゲルマニウム化合物(触媒)により得られた芳香族ポリエステル樹脂と、開環重合型のポリグリコール酸樹脂とを組合せたところ、グリコリドガス発生が著しく抑制された状態で、ガスバリア性が改善され、且つ機械的強度が良好で、残留グリコリド量も著しく低減された芳香族ポリエステル系樹脂組成物が得られることを確認して、本発明に到達したものである。
(芳香族ポリエステル樹脂)
本発明の樹脂組成物は、主たる樹脂成分として、芳香族ポリエステル樹脂を含む、その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレート、ポリヘキサメチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリトリメチレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリヘキサメチレンイソフタレート、ポリ1,4シクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリブチレンアジペートテレフタレート等の芳香族ポリエステルが挙げられ、なかでもポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ここでポリエチレンテレフタレート(以下、しばしば「PET」と略記する)とは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体から導かれるテレフタル酸単位と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体から導かれるエチレングリコール単位とから主としてなり、それぞれの単位の10モル%以下を、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸などの他のジカルボン酸もしくはジエチレングリコールなどのジオール、あるいはグリコール酸、乳酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸で置換したものを包含する意味である。
芳香族ポリエステル樹脂としては、分子量相当尺度としての固有粘度が、0.6〜2.0dl/g、特に0.7〜1.5dl/gの範囲のものを用いることが好ましい。固有粘度が低すぎると成形が困難であり、高すぎると剪断発熱が大きくなる。
本発明においては、上述したような芳香族ポリエステル樹脂のうち、主としてゲルマニウム化合物(触媒)により得られたものを用いる。ゲルマニウム化合物(触媒)としては、ゲルマニウムの有機錯体あるいは酸化物が好ましく、特に酸化物が好ましい。芳香族ポリエステル樹脂中のゲルマニウム含有量としては、通常1ppm以上、1000ppm未満であり、より多量の使用は、生成芳香族ポリエステル樹脂の着色および製造コスト増大を招く。芳香族ポリエステル樹脂成形物のリサイクル過程で、他の重合触媒により重合された芳香族ポリエステル樹脂がわずかに混入することがありえるが、本発明でいう溶融加工中のガス発生を低減できる範囲であれば、差し支えない。
このようなゲルマニウム化合物(触媒)により得られたポリエチレンテレフタレート(以下「PET(Ge)」と略記することがある)は市販もされており、その例としては、三井化学(株)製「J125S」、カネボウ合繊(株)製「WPTS」、(株)クラレ製「KS710B−4」などがあり、本発明では、これら市販品をそのまま用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、上述したゲルマニウム化合物(触媒)により得られた芳香族ポリエステル樹脂を主成分として99〜70重量部、好ましくは95〜75重量部の割合で含む。99重量部を超えて使用すると、対応するポリグリコール酸樹脂量の減少に伴い、目的とするガスバリア性の向上効果が得難くなる。他方、70重量部未満として、対応するポリグリコール酸樹脂量を増大すると、得られる組成物の耐水性の低下が問題となり得る。
(ポリグリコール酸樹脂)
上述したゲルマニウム化合物(触媒)による芳香族ポリエステル樹脂との組合せで本発明で用いるポリグリコール酸樹脂は、グリコリドの開環重合により得られたポリグリコール酸樹脂である。前述したように、グリコール酸の重縮合により得られたポリグリコール酸樹脂では、得られる樹脂組成物に所望の機械的強度を与えるために望ましい高い分子量が得られず、また残留する末端水酸基およびカルボン酸基が増大して、本発明で目的とする芳香族ポリエステル樹脂との溶融加工中におけるグリコリドガス発生の防止効果が得られなくなる。特に、末端カルボン酸濃度が50eq/t以下、更に30eq/t以下のポリグリコール酸樹脂を使用することが好ましい。これに対し、重縮合型のポリグリコール酸樹脂においては、末端カルボン酸濃度は100〜400eq/t程度である。
本発明で使用するポリグリコール酸樹脂(以下、しばしば「PGA樹脂」という)としては、グリコリド単独の開環重合により得られた−(O・CH・CO)−で表されるグリコール酸繰り返し単位のみからなるグリコール酸の単独重合体(PGA)に加えて、グリコリドと、ラクチド(乳酸の環状二量体エステル)を含むラクチド類(グリコリド以外のヒドロキシカルボン酸の環状二量体エステル)、シュウ酸エチレン(即ち、1,4−ジオキサン−2,3−ジオン)、ラクトン類(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、β−ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)、カーボネート類(例えばトリメチリンカーボネート等)、エーテル類(例えば1,3−ジオキサン等)、エーテルエステル類(例えばジオキサノン等)、アミド類(εカプロラクタム等)などの環状コモノマー、との開環共重合体も用いることができる。ただし、芳香族ポリエステル樹脂に対するガスバリア性向上効果を高く維持するために、PGA樹脂中の上記グリコール酸繰り返し単位は70重量%以上であることが好ましく、PGA単独重合体であることが特に好ましい。
PGA樹脂は、ヘキサフルオロプロパノール溶媒を用いるGPC測定における分子量(ポリメチルメタクリレート換算のMw(重量平均分子量)、特に断らない限り、以下同様とする)が10万より大、特に12万〜50万の範囲であることが好ましい。10万以下では、芳香族ポリエステル樹脂との溶融混練を経て所望の成形物の強度を得ることが困難となる。他方、PGA樹脂の分子量が過大であると、溶融混練時の剪断による発熱が多くなり、着色しやすい。また、溶融粘度をPGA樹脂の好ましい分子量の目安として使用することができる。すなわち、PGA樹脂は、270℃、せん断速度122sec−1で測定した溶融粘度が100〜20000Pa・s、より好ましくは100〜10000Pa・s、特に200〜2000Pa・sであることが好ましい。
本発明では、グリコリド(および必要に応じて少量の環状コモノマー)を加熱して開環重合させる方法により得たPGA樹脂を用いる。この開環重合法は、実質的に塊状重合による開環重合法である。開環重合は、触媒の存在下に、通常100℃以上の温度で行われる。溶融混練中のPGA樹脂の分子量の低下を抑制するために、使用するPGA樹脂中の残留グリコリド量は、0.5重量%未満に抑制することが好ましく、さらに0.2重量%未満、特に0.1重量%未満とすることが好ましい。これにより、得られる本発明の組成物中の残留グリコリド量を低減させることができる。この目的のためには、WO2005/090438A公報に開示されるように、少なくとも重合の終期(好ましくはモノマーの反応率として50%以上において)は、系が固相となるように、190℃未満、より好ましくは140〜185℃、更に好ましくは160〜180℃となるように調節することが好ましく、また生成したPGA樹脂を残留グリコリドの気相への脱離除去工程に付すことも好ましい。開環重合触媒としては、スズ、チタン、アルミニウム、アンチモン、ジルコニウム、亜鉛、ゲルマニウム等の、酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコキシドなどが用いられる。なかでも、重合活性および無色である点で、スズ化合物、特に塩化スズ、が好ましく用いられるが、生成するPGA樹脂中の残留スズ(金属分)含有量が、増大すると、やはり芳香族ポリエステル樹脂との溶融加工あるいは加工中のグリコリドガス発生を増大する傾向が認められており、残留スズ(金属分)含有量は、70ppm以下(塩化スズとして約100ppm以下)であることが好ましい。
(溶融混練)
本発明の樹脂組成物は、上記したゲルマニウム化合物(触媒)により得られた芳香族ポリエステル樹脂(Ge)の99〜70重量部と、開環重合により得られたPGA樹脂1〜30重量部(芳香族ポリエステル樹脂(Ge)との合計量で100重量部)を溶融混練することにより得られる。溶融混練のためには、一軸押出機あるいは二軸押出機が、工業的には、より好ましく用いられるほか、プラストミル、ニーダーなども使用可能である。溶融混練温度は、混練される二成分芳香族ポリエステル樹脂とPGA樹脂の高い方の融点以上の温度が一般に採用され、芳香族ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)の融点が通常約260℃、PGAの融点が約220℃であることから、一般には約260℃以上の温度が採用されるが、実際に使用される芳香族ポリエステル樹脂の融点によって最適な温度が設定されることが好ましい。また、溶融混練に際し、ある程度の発熱が起り得るので、それに応じて、溶融混練装置の温度設定は、芳香族ポリエステル樹脂の融点以下とすることもできる。溶融混練、好ましくは押出機の設定温度は、一般に220〜350℃、より好ましくは240〜330℃、更に好ましくは260〜300℃、の範囲内とする。220℃未満では溶融状態形成に不充分あるいは長時間を要する。また、得られる組成物のバリア性発現が不充分になりがちである。他方350℃を超える溶融混練温度では、分解反応や副反応の発生により着色あるいはバリア性低下のおそれがある。
溶融混練時間は攪拌機や押出機のスクリュウの形状、位置、回転条件にもよるが、両樹脂成分が混合状態を形成するのに十分な時間であればよい。通常は30秒以上60分以下、好ましくは1分以上45分以下、より好ましくは1.5分以上30分以下である。30秒未満の場合は混練不足により均一な混合状態を形成できず、バリア性能が発現しない。一方、60分を超える場合は、分解反応や副反応が起こって、バリア性能の発現が不充分になり、また成形物が外観不良となるおそれがある。
(安定剤)
本発明では、芳香族ポリエステル樹脂(Ge)とPGA樹脂(開環重合)の採用により、溶融混練を含む溶融加工中の組成物の安定性が改善されているため、必須ではないが、必要に応じて各種安定剤を配合することもできる。必要に応じて加えられる安定剤の代表例には、金属不活性剤が挙げられ、その具体例としては、リン系化合物として、リン酸、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸ジエチルエステル(市販品の例として、チバ・ガイギー社製「Irganox1222」)、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフェート(「Irganox1425WL」)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(「Irganox168」)、更には、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト((株)ADEKA製「アデカスタブPEP−36」)などのペンタエリスリトール骨格構造を有するリン酸エステル、モノおよびジ−ステアリルアシッドホスフェートのほぼ等モル混合物(「アデカスタブAX−71」)などの少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの長鎖アルキルエステル基とを持つリン化合物;ヒンダードフェノール系化合物として、テトラキス[メチレン−3(3,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン](「Irganox1010」)など;一般に、ポリエステル重合触媒に対して不活性化作用を有する、ビス[2−(2・ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジン]ドデカン酸、N,N′−ビス[3−(3,5・ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]ヒドラジン、などの−CO−NHNH−CO−単位を有するヒドラジン系化合物、更には、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール化合物、が挙げられる。
これら金属不活性剤は芳香族ポリエステル樹脂およびPGA樹脂のいずれかに溶融状態で相溶あるいは溶解することが好ましい。また、溶融混練する温度が比較的高温であることから、融点が高い、分解温度が高いなどの特性を兼ね備えていることが好ましい。これら金属不活性剤を使用する場合は、芳香族ポリエステル樹脂(Ge)中に含まれるGeおよびPGA中の金属(例えばスズ)の合計量に対し、500モル%以下とする。これを超えて使用すると、分解反応が起こり、着色、バリア性低下、強度低下などの不都合が起こる可能性がある。
また、PGA樹脂に対する耐水性改良剤として知られるカルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物を、PGA樹脂(開環重合)の1重量%以下の割合で配合することもできる。
また、上記のような安定剤を、芳香族ポリエステル樹脂(Ge)および(またはPGA樹脂(開環重合))が既に含む場合は、そのまま使用可能であり、なお適宜追加使用することもできる。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に具体的に説明する。以下の例を含めて、本明細書に記載の特性値の測定、あるいは評価は、下記の方法によったものである。
[溶融粘度]
ポリマーサンプルを120℃の乾燥器に入れ乾燥空気を接触させ、水分含有量(気化装置付カールフィッシャー水分計(三菱化学社製「CA−100」(気化装置:「VA−100」)による測定値)を50ppm以下にまで低減させた。そのサンプルの溶融粘度を測定した。
<溶融粘度(MV)測定条件>
装置:東洋精機製「キャピログラフ1−C」
キャピラリー:1mmφ×1mmL
測定温度:270℃(PGAの場合)および280℃(PETおよびPET/PGAブレンド物の場合)
剪断速度:121sec−1
[固有粘度]
非晶状態のPETサンプルをフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、ウベローデ粘度計No.1(粘度計定数0.1173)を使用して、JIS K7390に準拠して固有粘度(IV、単位:dl/g)を求めた。
[分子量測定]
各々のポリマーサンプルについて、その約10mgを特級ジメチルスルホキシド0.5mlに150℃のオイルバス中で完全に溶解させる。その溶液を冷水で冷却し、そこに5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解させたヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)で10mlにメスアップした。その溶液をPTFE製0.1μmメンブランフィルターでろ過後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置に注入し、重量平均分子量(Mw)を測定した。なお、サンプルは溶解後30分以内にGPC装置に注入した。
<GPC測定条件>
装置:昭和電工株式会社製「Shodex−104」
カラム:HFIP−606Mを2本、プレカラムとしてHFIP−Gを1本(直列接続)
カラム温度:40℃
溶離液:5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解させたHFIP溶液
流速:0.6ml/分
検出器:RI(示差屈折率検出器)
分子量校正:分子量の異なる標準ポリメタクリル酸メチル7種を用いた。
[グリコリド(GL)含有量]
PGAサンプルあるいはPET/PGAブレンドサンプルについて、その約100mgに0.2g/lの4−クロロベンゾフェノン/ジメチルスルホキシド溶液を加え、150℃で約5分加熱し溶解させ、室温まで冷却した後、ろ過を行う。その溶液を1μl採取し、ガスクロマトグラフィー装置に注入し、測定を行った。
<ガスクロマトグラフィー測定条件>
装置:(株)島津製作所製「GC−2010」
カラム:「TC−17」 0.25mmφ×30m
カラム温度:150℃5分保持後20℃/分で270℃まで昇温し、270℃で3分間保持、
インジェクション温度:180℃
検出器:FID(水素炎イオン化検出器) 温度:300℃。
[ガス発生量]
溶融加工中にダイの出口から出てくるストランドから発生するガス量を、無風状態において、押出し機のダイと水平になるダイから約50cmの側方離間位置から目視で観察し、以下の基準で評価した:
A:凝視してもガスの発生が確認できない状態、
B:凝視すれば若干のガス発生が確認できる、
C:容易にガスの発生が確認できる状態。
[酸素透過度]
フィルム状のサンプルについて、Mocon社製酸素透過度測定装置「OX−TRAN100」を用いて、23℃相対湿度90%の条件で測定した。測定結果は、厚さ20μmで基準化したcc/m/day/atm単位の酸素ガス透過量として記録した。
[触媒金属分含有量]
樹脂サンプル約0.5gを濃硫酸2.5mlと過酸化水素水2mlによって湿式分解後、50mlに定容して、ICP−AES(高周波誘導結合プラズマ−原子発光分光法)で分析した。
[カルボン酸濃度]
PGAサンプル約0.3gを精秤して、150℃のオイルバス中で、特級ジメチルスルホキシド10mlに約3分間かけて完全に溶解した。その溶液に(0.1%のブロモチモールブルー/メタノール溶液)を2滴加えた後、0.02規定の水酸化ナトリウム/ベンジルアルコール溶液を加えて行き、目視で溶液の色が黄色から緑色に変わった点を終点とした。そのときの滴下量より、PGA樹脂1t(トン)当りの当量(eq/t)として、カルボン酸濃度を算出した。
[ポリグリコール酸(PGA)粉砕品製造例]
ジャケット構造を有し、密閉可能な容器内に、グリコリド((株)クレハ製、不純物含量:グリコール酸30ppm、グリコール酸二量体230ppm、水分42ppm)を355kg加え、容器を密閉し、撹拌しながらジャケットにスチームを循環させ、100℃になるまで過熱して、内容物を溶融し、均一な溶液とした。この溶液内に撹拌しながら二塩化スズ二水和物10.7g及び1−ドデシルアルコール1220gを加えた。
内容物の温度を100℃に保持したまま、内径24mmの金属(SUS304)製管を複数有する重合装置に移した。この装置は、管が設置してある本体部と上板からなり、本体部と上板のいずれもジャケット構造を備えており、このジャケット部に熱媒体油を循環する構造になっている。内容物を各管内に移送したら、直ちに上板を取り付けた。
この本体部及び上板のジャケット部に170℃熱媒体油を循環させ、7時間保持した。7時間後、熱媒体油を室温まで冷却した後、上板を取り外し、本体部を縦方向に回転させることによって、生成ポリグリコール酸の塊状物を取り出した。この塊状物を、粉砕機により粉砕し、120℃で一晩乾燥し、PGA粉砕品を得た。このPGA粉砕品の重量平均分子量は214,000であった。グリコリド含有量は0.1重量%であった。
[PGAペレット製造例]
上記製造例で得られたPGA粉砕品に金属不活性剤としてモノ−およびジ−ステアリルアシッドホスフェートのほぼ等モル混合物((株)ADEKA製「アデカスタブAX−71」)をPGA粉砕品に対して300ppmの割合で添加し混合したものを、二軸押出機を用いて押出し、PGAペレットを得た。得られたPGAペレットを窒素雰囲気の乾燥機内で、200℃で9時間熱処理した。
このPGAペレットの重量平均分子量は215,000であった。グリコリド含有量は0.05重量%であった。このPGAペレットを以下の例において用いた。
(押出条件)
押出機:東芝機械株式会社製「TEM−41SS」
温度設定条件:供給部から排出部まで順に設けたC1〜C10の区間およびダイについて、それぞれ200℃、230℃、260℃、270℃、270℃、270℃、270℃、250℃、240℃、230℃、230℃に設定した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット(三井化学製「J125S」、PET中のゲルマニウム量28ppm、アンチモン0ppm)95重量部と上記PGA粉砕品5重量部を乾燥状態で、均一になるように混合し、それをフィーダー付きの二軸押出機((株)東洋精機製「LT−20」)により押出機内滞留時間5分の条件で溶融加工して樹脂組成物ペレットを得るとともに、この間のガス発生量について評価した。
得られた樹脂組成物ペレットをアルミシートで挟み、その状態で270℃のヒートプレス機にのせ、3分間加熱後、5MPaで一分間加圧した。その後直ちに、水が循環しているプレス機に移し、5MPaに加圧した状態で約3分間保持し、非晶質のプレスシートを作製した。
得られたプレスシートを枠に固定し、100℃で1分間保持した後、同時二軸延伸で縦横3×3倍に延伸して、延伸フィルムを得た。
(押出し条件)
温度:C1:250℃、C2:290℃、C3:290℃、ダイ:290℃
スクリュー回転数:30rpm
フィーダー回転数:20rpm
押出機内の滞留時間:5分。
[実施例2]
PETペレット(三井化学製「J125S」、ゲルマニウム量28ppm)90重量部と上記PGA粉砕品10重量部を乾燥状態で、均一になるように混合し、実施例1と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。またペレット作成のための二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例3]
PETペレット(三井化学製「J125S」、ゲルマニウム量28ppm)75重量部と上記PGA粉砕品25重量部を乾燥状態で、均一になるように混合し、実施例1と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[比較例1]
PETペレット(KoSa社製「1101」、アンチモン量201ppm、リン量8.1ppm)95重量部と上記PGA粉砕品5重量部を乾燥状態で、均一になるように混合し、それをフィーダー付きの二軸押出機(東洋精機製「LT−20」)で溶融加工して樹脂組成物ペレットを得るとともに、この間のガス発生量について評価した。
得られた樹脂組成物ペレットから実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。
[比較例2]
PET(KoSa社製「1101」、アンチモン量201ppm、リン量8.1ppm)90重量部と上記PGA粉砕品10重量部を乾燥状態で、均一になるように混合し、比較例1と同様の方法で樹脂組成物ペレット延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[比較例3]
PET(KoSa社製「1101」、アンチモン量201ppm、リン量8.1ppm)75重量部と上記PGA粉砕品25重量部を乾燥状態で、均一になるように混合し、比較例1と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例4]
PGA粉砕品の代わりに上記製造例で製造したPGAペレットを使用したこと以外は実施例1と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例5]
PGA粉砕品の代わりに上記PGAペレットを使用したこと以外は実施例2と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例6]
PGA粉砕品の代わりに上記PGAペレットを使用したこと以外は実施例3と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例7]
PETペレットとPGAペレットの混合時に、二酸化ゲルマニウム(関東化学製「4N」)をPETペレットに対して200ppm添加し、均一になるように混合し、それをフィーダー付きの二軸押出機(東洋精機製「LT−20」)で溶融加工したこと以外は実施例4と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例8]
二酸化ゲルマニウム(関東化学製「4N」)をPETペレットに対して600ppm添加し、均一になるように混合し、それをフィーダー付きの二軸押出機(東洋精機製「LT−20」)で溶融加工したこと以外は実施例4と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例9]
二酸化ゲルマニウム(関東化学製「4N」)をPETペレットに対して1000ppm添加し、均一になるように混合し、それをフィーダー付きの二軸押出機(東洋精機製「LT−20」)で溶融加工したこと以外は実施例4と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[比較例4]
PETペレット(KoSa社製「1101」、アンチモン量201ppm、リン量8.1ppm)95重量部と上記PGAペレット5重量部、さらに三酸化アンチモン(和光純薬工業製)をPETペレットに対して1000ppm添加し、乾燥状態で、均一になるように混合し、それをフィーダー付きの二軸押出機(東洋精機製「LT−20」)で溶融加工して樹脂組成物ペレットを得るとともに、この間のガス発生量について評価した。
得られた樹脂組成物ペレットから比較例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。
[実施例10]
PET(カネボウ合繊製「WPTS」、ゲルマニウム量31ppm)95重量部と上記PGAペレット5重量を乾燥状態で、均一になるように混合し、実施例4と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例11]
PET(カネボウ合繊製「WPTS」、ゲルマニウム量31ppm)90重量部と上記PGAペレット10重量を乾燥状態で、均一になるように混合し、実施例4と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例12]
PET(カネボウ合繊製「WPTS」、ゲルマニウム量31ppm)75重量部と上記PGAペレット25重量を乾燥状態で、均一になるように混合し、実施例4と同様の方法で樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
[実施例13]
PET(クラレ製「KS710B−4」、ゲルマニウム量30ppm)95重量部と上記PGAペレット5重量部を乾燥状態で、均一になるように混合し、実施例4と同様の方法で、樹脂組成物ペレットと延伸フィルムを得た。また二軸押出機による溶融加工中のガス発生量について評価した。
得られた組成物の概要および評価結果をまとめて次表1に示す。
Figure 0005443765
上表に示すように、本発明に従い、PET(Ge)とPGA(開環重合)の溶融混練を行った場合には、特に追加の安定剤を加えることなしに、溶融混練中のグリコリドガス発生が効果的に防止され、生成するPET/PGAブレンド物は、良好なガスバリア性に加えて、残留グリコリド量も0.08重量%未満、特に0.05重量%以下と低減されている。

Claims (6)

  1. 芳香族ポリエステル樹脂99〜70重量部と、グリコリドの開環重合により得られた−(O・CH 2 ・CO)−で表されるグリコール酸繰り返し単位を70重量%以上含むポリグリコール酸樹脂1〜30重量部(芳香族ポリエステル樹脂との合計量で100重量部)との溶融混練生成物であって、芳香族ポリエステル樹脂がゲルマニウム化合物(触媒)により重合された芳香族ポリエステル樹脂であり、ポリグリコール酸樹脂がグリコリドの開環重合により得られたポリグリコール酸樹脂であることを特徴とする芳香族ポリエステル系樹脂組成物。
  2. グリコリド含有量が0.08重量%未満である請求項1に記載の組成物。
  3. ポリグリコ−ル酸樹脂中の末端カルボン酸濃度が50eq/t以下である請求項1または2に記載の組成物。
  4. ゲルマニウム(金属分)含有量が1〜1000ppmである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. ポリグリコール酸樹脂に対する残留スズ含有量が70ppm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 金属不活性剤であるリン化合物またはヒドラジン化合物を含む請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
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